JP2022070334A - 線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造 - Google Patents

線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造 Download PDF

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尚 後藤
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修一 中川
Shuichi Nakagawa
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Abstract

【課題】構築する線状盛土構造物を有効利用することにより、地中構造物や地上支障物の液状化による浮き上がりを簡易かつ安価な構造で防止することができる、施工性および経済性に優れた線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造を提供する。【解決手段】盛土堤防1等の線状盛土構造物1を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物を平面的に見て交差するように地中構造物10が設置されている交差部分Xを対象とした液状化対策工法であって、前記交差部分Xを除いた両側の地盤Gを液状化対策手段で改良すると共に、前記交差部分Xから前記両側の地盤G上に構築する前記線状盛土構造物1へ食い込む大きさのスラブ2を構築し、前記スラブ2と前記地中構造物10とは、一体的に接合して又は埋め戻し部材8を介して応力伝達可能な構成とし、前記交差部分Xの地盤は改良しない。しかる後、前記スラブ2の上面に前記線状盛土構造物1を構築する。【選択図】図3

Description

この発明は、液状化による地盤被害が懸念される地域に、盛土堤防(堤防盛土とも言う。)等の線状盛土構造物を構築する際に、平面的に見て、構築する(予定の)前記線状盛土構造物を、地中構造物や地上支障物が交差(横断)するように設置されている当該交差部分を対象とした液状化対策工法および液状化対策構造の技術分野に属する。
ここで、前記線状盛土構造物は、前記盛土堤防のほか、防波堤、護岸等の各種堰堤、或いは道路や鉄道を指す。
前記地中構造物は、既設水路、ポンプ施設、共同溝、暗渠(ボックスカルバート)、又は地下道路等の地中に埋設されている構造物全般を指す。
前記地上支障物は、遮断弁、換気施設、計測施設、昇降施設、ポンプ施設、又は管理建屋等の前記線状盛土構造物の構築領域に存在する地上の障害物全般を指す。
通常、前記線状盛土構造物を構築する場合、その基礎地盤は事前に液状化対策を施す必要がある。液状化対策工としてはサンドコンパクションパイルに代表される締固め工法や深層混合処理に代表される固結工法が安価であり、新設の場合はこれらの工法が採用されるのが一般的である。これらの工法は、基本的に、大型の三点式杭打機をベースマシンとして盛土施工前に、対策範囲の直上位置から施工を行う。
しかし、前記線状盛土構造物の構築領域に、既設水路、ボックスカルバート等の地中構造物や遮断弁、ポンプ施設等の地上支障物が、平面的に見て交差するように存在する場合、直上から液状化対策工を施すことは極めて難しい。したがって、従来は、公知の高圧噴射撹拌工法や薬液の浸透注入工法など、地中構造物等の脇から施工できる対策工を採用していた。これらの対策工は、大型の重機を用いることなく施工が可能であるという利点はあるものの、その分、施工効率がわるく、工期はもとより工費も割高となり解決するべき課題となっている。
例えば、特許文献1には、盛土構造物4の両裾野部付近に鋼矢板式などにより連続地中壁5を構築し、前記盛土構造物4の下部に向かって斜め下方にアースアンカー6を配設し、アースアンカー6の先端部と連続地中壁5の頭部とを締結したことを特徴とする盛土構造物の液状化対策工法が開示されている。
特開平11-1926号公報
この特許文献1に係る盛土構造物の液状化対策工法は、鋼矢板を打設するとともに、アースアンカーを軟弱地盤下方の支持層にまで打設することから、やはり工費が極めて高くなり、前記した工費が嵩む問題は何ら改善されていない。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とすると
ころは、構築する線状盛土構造物(の重量)を有効利用することにより、地中構造物や地上支障物の液状化による浮き上がりを簡易かつ安価な構造で防止することができる、施工性および経済性に優れた線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る液状化対策工法は、盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物を平面的に見て交差するように地中構造物が設置されている交差部分を対象とした液状化対策工法であって、
前記交差部分を除いた両側の地盤を液状化対策手段で改良すると共に、前記交差部分から前記両側の地盤上に構築する前記線状盛土構造物へ食い込む大きさのスラブを構築すること、
前記スラブと前記地中構造物とは、一体的に接合して又は埋め戻し部材を介して応力伝達可能な構成とし、前記交差部分の地盤は改良しないこと、
しかる後、前記スラブの上面に前記線状盛土構造物を構築することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した液状化対策工法において、
前記地中構造物の上方に地上支障物が存在している場合、前記スラブの上面に前記線状盛土構造物を構築するに際し、前記地上支障物の周囲に当該線状盛土構造物と離隔するための擁壁を構築することを特徴とする。
請求項3に記載した発明に係る液状化対策工法は、盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物に干渉するように地上支障物が設置されている干渉部分を対象とした液状化対策工法であって、
前記干渉部分を除いた周囲の地盤を液状化対策手段で改良すると共に、前記干渉部分から前記周囲の地盤上に構築する前記線状盛土構造物へ食い込む大きさのスラブを構築すること、
前記スラブと前記地上支障物とは応力伝達可能な構成とし、前記干渉部分の直下地盤は改良しないこと、
しかる後、前記スラブの上面に前記線状盛土構造物を構築すると共に、前記地上支障物の周囲に当該線状盛土構造物と離隔するための擁壁を構築することを特徴とする。
請求項4に記載した発明に係る液状化対策構造は、盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物を平面的に見て交差するように地中構造物が設置されている交差部分を対象とした液状化対策構造であって、
前記交差部分を除いた両側の地盤が液状化対策手段で改良されていると共に、前記交差部分から前記両側の地盤上に構築する前記線状盛土構造物へ食い込む大きさのスラブが構築されていること、
前記スラブと前記地中構造物とは、一体的に接合して又は埋め戻し部材を介して応力伝達可能な構成とされ、前記交差部分の地盤は改良されていないこと、
前記スラブの上面に前記線状盛土構造物が構築されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した液状化対策構造において、前記地中構造物の上方に地上支障物が存在している場合、前記地上支障物の周囲に前記線状盛土構造物と離隔するための擁壁が構築されていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明に係る液状化対策構造は、盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物に干渉するように地上支障物が設置されている干渉部分を対象とした液状化対策構造であって、
前記干渉部分を除いた周囲の地盤が液状化対策手段で改良されていると共に、前記干渉部分から前記周囲の地盤上に構築する前記線状盛土構造物へ食い込む大きさのスラブが構築されていること、
前記スラブと前記地上支障物とは応力伝達可能な構成とされ、前記干渉部分の直下地盤は改良されていないこと、
前記スラブの上面に前記線状盛土構造物が構築されていると共に、前記地上支障物の周囲に当該線状盛土構造物と離隔するための擁壁が構築されていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項4~6のいずれか1項に記載した液状化対策構造において、前記スラブは、コンクリート製又は鋼製であることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項4又は5に記載した液状化対策構造において、前記スラブは、前記地中構造物の上端部分を利用して構築されていることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、請求項5又は6に記載した液状化対策構造において、前記スラブは、前記地上支障物のベース部材を利用して構築されていることを特徴とする。
請求項1~9に記載した発明に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造によれば、以下の効果を奏する。
盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、液状化対策手段を実施する上で難渋していた地中構造物や地上支障物が設置されている交差部分について、前記交差部分の地盤に液状化対策工法を施すことなく、当該交差部分の地上部にスラブを工夫して構築し、前記線状盛土構造物の重量を有効利用することにより、地中構造物や地上支障物の地震時の挙動を抑制できる等、地中構造物や地上支障物の液状化による浮き上がりを簡易かつ安価な構造で防止することができる、施工性および経済性に優れた線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造を実現することができる。
実施例1に係る液状化対策工法および液状化対策構造を適用する交差部分を示した立断面図である。図中の符号Yは盛土堰堤1の延長方向を示し、符号Gは、地盤(液状化層)を示し、符号Sは支持地盤(非液状化層)を示している。 実施例1に係る液状化対策工法の施工工程を示した説明図である。 実施例1に係る液状化対策工法を施工して盛土堤防を構築した状態を示す立断面図である。 図3の平面図である。 図4のA-A線矢視断面図である。 実施例2に係る液状化対策工法および液状化対策構造を適用する交差部分を示した立断面図である。 実施例2に係る液状化対策工法を施工して盛土堤防を構築した状態を示す立断面図である。 図7の平面図である。 図8のA-A線矢視断面図である。 実施例3に係る液状化対策工法および液状化対策構造を適用する交差部分を示した立断面図である。 実施例3に係る液状化対策工法を施工して盛土堤防を構築した状態を示す立断面図である。 図11の平面図である。 図12のA-A線矢視断面図である。 実施例4に係る液状化対策工法および液状化対策構造を適用する交差部分を示した立断面図である。 実施例4に係る液状化対策工法を施工して盛土堤防を構築した状態を示す立断面図である。 図15の平面図である。 図16のA-A線矢視断面図である。
以下に、本発明に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造の実施形態を図面に基づいて説明する。
実施例1に係る線状盛土構造物の液状化対策工法は、図1~図5に示したように、盛土堤防1等の線状盛土構造物1を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物1を平面的に見て交差するように地中構造物10が設置されている交差部分Xを対象とした液状化対策工法である。
ちなみに図中の符号Yは、盛土堰堤1の延長方向を示し、符号Gは、地盤(液状化層)を示し、符号Sは支持地盤(非液状化層)を示している。
前記線状盛土構造物1について、実施例1では盛土堤防1で実施しているがこれに限定されず、防波堤、護岸等の各種堰堤、或いは道路や鉄道を構築する場合にも本発明を適用することができる。
前記地中構造物10について、実施例1では既設水路10で実施しているがこれに限定されず、既設水路、ポンプ施設、共同溝、暗渠(ボックスカルバート)、又は地下道路等の地中に埋設されている構造物全般に対して本発明を適用することができる。
以上を踏まえ、実施例1に係る盛土堤防1の液状化対策工法は、構築する盛土堤防1と交差(図示例では直交)する交差部分Xの範囲を設定し、先ずは前記交差部分Xを除いた両側の地盤Gを液状化対策手段で地盤改良する。
前記交差部分Xの範囲は、前記既設水路10の構造や性能に悪影響を与えることなくその周囲の両側の地盤Gを地盤改良できる境界等を勘案して設定される。ちなみに実施例1では、前記両側の地盤Gについて、直上位置から施工を行う締固め工法や固結工法(詳しくは前記段落[0002]参照)で施工できる対策範囲を勘案して設定している。
よって、実施例1では、前記交差部分X以外の地盤Gを、直上位置から施工を行う締固め工法や固結工法で実施することができる(図2の斜線部参照)。よって、前記交差部分Xを除いた両側の地盤Gについて、簡易で安価な地盤改良を実現することができる。
次に、図2に示したように、前記交差部分Xから前記両側の地盤G上に構築する予定の前記盛土堤防1へ食い込む(差し込む)大きさのスラブ2を構築すると共に、前記スラブ2と前記既設水路10とを一体化して応力伝達可能な構造とする(スラブ2の奥行き方向の大きさについては、図4、図5を参照)。
要するに、実施例1に係るスラブ2は、前記交差部分Xの地盤Gを間に挟むように地盤改良した前記両側の地盤G(図2の斜線部)上に跨る大きさに構築される。実施例1では、前記既設水路10の天端部の上面に直接的に構築することにより前記スラブ2と前記既設水路10とを一体化している。
前記スラブ2を、前記交差部分Xから前記盛土堤防1へ食い込む大きさに形成する意義は、その後に構築する盛土堤防1の重量を負担する構成とすることで、液状化発生時の既設水路10の浮き上がりに伴う力(浮力等)に抵抗するためである。
よって、前記スラブ2の大きさ(縦横の長さや高さ)は、実施例1では、図4と図5が分かりやすいように、盛土堤防1から露出しないように、液状化発生時に既設水路10に作用する浮力等を勘案した構造設計に応じて適宜設計変更される。
ちなみに、実施例1に係るスラブ2は、コンクリート製のスラブ(コンクリート床版)2で実施しているがこれに限定されず、前記スラブ2の代替となる鋼板、H鋼、鉄筋、地山補強材(テールアルメ工法におけるストリップ材、ジオテキスタイル補強盛土工法における補強材等)でも同様に実施することができる。
しかる後、前記スラブ2の上面に前記線状盛土構造物1を構築し、もって実施例1に係る線状盛土構造物の液状化対策工法を終了する(図3~図5を参照)。
よって、上述した液状化対策工法により構築された液状化対策構造は、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1を平面的に見て交差するように既設水路(地中構造物)10が設置されている交差部分Xを対象とした液状化対策構造であって、前記交差部分Xを除いた両側の地盤Gが液状化対策手段で改良されていると共に、前記交差部分Xから前記両側の地盤G上に構築する前記盛土堤防1へ食い込む大きさのスラブ2が構築されている。前記スラブ2と前記既設水路10とは、一体的に接合して応力伝達可能な構成とされ、前記交差部分Xの地盤Gは改良されておらず、前記スラブ2の上面に盛土堤防1が構築されていることを特徴とする。
したがって、実施例1に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造によれば、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1を平面的に見て交差するように既設水路(地中構造物)10が存在する場合、従来であれば、煩雑かつ面倒でコストが嵩む高圧噴射撹拌工法や薬液の浸透注入工法などの既設水路10の脇から施工するほかなかったものを、構築する前記盛土堤防1の重量を有効利用することに着眼し、液状化発生時による既設水路10の浮き上がりを前記スラブ2を介して前記盛土堤防1の重量で抑制(相殺)できる構造を呈するので、既設水路10の直下地盤G等を地盤改良することなしに液状化対策工を実現するという実に画期的な発明を実現することができる。よって、液状化対策手段(地盤改良手段)は、直上位置から施工を行う締固め工法や固結工法で実施でき、あとは、既設水路(地中構造物)10上に所定の大きさのスラブ2を構築することで実現できるので、施工性、経済性に非常に優れている。
図6~図9は、実施例2に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造を示している。
この実施例2は、上記実施例1と比し、前記既設水路(地中構造物)10の上方に地上支障物9が存在している点が相違する。この地上支障物9は、既設のベース部材9aの上面に設置されている。その他の構成は上記実施例1と同一なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
すなわち、実施例2に係る線状盛土構造物の液状化対策工法は、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1を平面的に見て交差するように既設水路10と地上支障物9とが(ベース部材9aを介して一体化された状態で)設置されている交差部分Xを対象とした液状化対策工法であって、前記交差部分Xを除いた両側の地盤Gを液状化対策手段で改良すると共に、前記交差部分Xから前記両側の地盤G上に構築する前記盛土堤防1へ食い込む大きさのスラブ2を構築する。
前記スラブ2を構築するに際し、実施例2では、前記地上支障物9の前記ベース部材9aを有効利用している。すなわち、実施例2に係るスラブ2は、前記ベース部材9aを利用して(一部に取り込んで)構築している。前記スラブ2と前記盛土堤防1とは、ベース部材9aを介して一体化されているので応力伝達可能な構成である。
その後、前記スラブ2の上面に前記盛土堤防1を構築する。
この実施例2に係る液状化対策工法では、前記スラブ2の上面に前記盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、図7、図8が分かりやすいように、前記地上支障物9の周囲に当該盛土堤防1と離隔するための擁壁3を構築している。
なお、前記地上支障物9について、実施例2では遮断弁9で実施しているがこれに限定されず、換気施設、計測施設、昇降施設、ポンプ施設、又は管理建屋等の前記盛土堤防(線状盛土構造物)1の構築領域に存在する地上の障害物全般に対して本発明を適用することができる。
よって、上述した液状化対策工法により構築された液状化対策構造は、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1を平面的に見て交差するように既設水路(地中構造物)10と遮断弁(地上支障物)9とが設置されている交差部分Xを対象とした液状化対策構造であって、上記実施例1と同様に、前記交差部分Xを除いた両側の地盤Gが液状化対策手段で改良されていると共に、前記交差部分Xから前記両側の地盤G上に構築する前記盛土堤防1へ食い込む大きさのスラブ2が構築されている。前記スラブ2と前記既設水路10及び遮断弁9とは、一体的に接合して応力伝達可能な構成とされ、前記交差部分Xの地盤Gは改良されておらず、前記スラブ2の上面に盛土堤防1が構築されている。
また、遮断弁9の周囲に前記盛土堤防1と離隔するための擁壁3が構築されている。
したがって、実施例2に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造によれば、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1を平面的に見て交差するように既設水路(地中構造物)10と遮断弁(地上支障物)9が存在する場合、従来であれば、煩雑かつ面倒でコストが嵩む高圧噴射撹拌工法や薬液の浸透注入工法などの既設水路10の脇から施工するほかなかったものを、構築する前記盛土堤防1の重量を有効利用することに着眼し、液状化発生時による既設水路10や遮断弁9の浮き上がりを前記スラブ2を介して前記盛土堤防1の重量で抑制(相殺)できる構造を呈するので、上記実施例1と同様に、既設水路10の直下地盤G等を地盤改良することなしに液状化対策工を実現するという実に画期的な発明を実現することができる。よって、液状化対策手段(地盤改良手段)は、直上位置から施工を行う締固め工法や固結工法で実施でき、あとは、既設水路(地中構造物)10上に所定の大きさのスラブ2を構築することで実現できるので、施工性、経済性に非常に優れている。
図10~図13は、実施例3に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造を示している。
この実施例3は、上記実施例2と比し、前記既設水路(地中構造物)10が存在していない点が相違する。これに伴い、以下に説明する干渉部分X’は、上記交差部分Xよりも範囲が狭く、例えば図10に示したベース部材9aの背面側の地盤Gも直上位置から施工を行う締固め工法や固結工法で施工できる。その他の構成は上記実施例2と同一なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
すなわち、実施例3に係る線状盛土構造物の液状化対策工法は、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1に干渉するように遮断弁(地上支障物)9が設置されている干渉部分X’を対象とした液状化対策工法である。
前記干渉部分X’を除いた周囲の地盤Gを液状化対策手段で改良すると共に、前記干渉部分X’から前記周囲の地盤G上に構築する前記盛土堤防1へ食い込む大きさのスラブ2を構築する。前記スラブ2と前記遮断弁9とはベース部材9aを介して応力伝達可能な構成とし、前記干渉部分X’の直下地盤Gは改良しない。
しかる後、前記スラブ2の上面に前記盛土堤防11を構築すると共に、前記遮断弁9の周囲に当該盛土堤防1と離隔するための擁壁3を構築する。
よって、上述した液状化対策工法により構築された液状化対策構造は、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1に干渉するように遮断弁(地上支障物)9が設置されている干渉部分X’を対象とした液状化対策構造であって、前記干渉部分X’を除いた周囲の地盤Gが液状化対策手段で改良されていると共に、前記干渉部分X’から前記周囲の地盤G上に構築する前記盛土堤防1へ食い込む大きさのスラブ2が構築されている。
前記スラブ2と前記遮断弁9とはベース部材9aを介して応力伝達可能な構成とされ、前記干渉部分X’の直下地盤Gは改良されていない。
前記スラブ2の上面に前記盛土堤防1が構築されていると共に、前記遮断弁9の周囲に当該盛土堤防1と離隔するための擁壁3が構築されている。
したがって、実施例3に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造によれば、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1に干渉するように遮断弁(地上支障物)9が存在する場合、従来であれば、煩雑かつ面倒でコストが嵩む高圧噴射撹拌工法や薬液の浸透注入工法などの遮断弁9のベース部材9aの脇から施工するほかなかったものを、構築する前記盛土堤防1の重量を有効利用することに着眼し、液状化発生時による遮断弁9の浮き上がりを前記スラブ2を介して前記盛土堤防1の重量で抑制(相殺)できる構造を呈するので、前記遮断弁9のベース部材9aの直下地盤等を地盤改良することなしに液状化対策工を実現するという実に画期的な発明を実現することができる。よって、上記実施例1、2と同様に、液状化対策手段(地盤改良手段)は、直上位置から施工を行う締固め工法や固結工法で実施でき、あとは、前記遮断弁9のベース部材9aの周囲に所定の大きさのスラブ2を構築することで実現できるので、施工性、経済性に非常に優れている。
図14~図17は、実施例4に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造を示している。
この実施例4は、上記実施例1と比し、前記既設水路(地中構造物)10が地中深くに存在している点が相違する。その他の構成は上記実施例1と同一なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
実施例4では、前記既設水路(地中構造物)10が地中深く(例えば、-2.5m程度)に存在している。よって、実施例4では、前記交差部分Xの両側の改良地盤Gに跨がるように構築したスラブ(コンクリート床版)2と前記既設水路10の天端部との間に液状化しない埋め戻し部材8を充填することにより応力伝達可能な構成を実現している。前記埋め戻し部材8は、現地で発生した土砂等を利用する。
すなわち、実施例4に係る液状化対策工法は、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1を平面的に見て交差するように既設水路10が地中深く(例えば、-2.5m程度)に設置されている交差部分Xを対象とした液状化対策工法であって、前記交差部分Xを除いた両側の地盤Gを液状化対策手段で改良すると共に、前記交差部分Xから前記両側の地盤G上に構築する盛土堤防1へ食い込む大きさのスラブ2を構築する。実施例4では、当該構築作業に先行して前記既設水路10の天端部の上面に液状化しない埋め戻し部材8を介在させて応力伝達可能な構成としている。また、前記交差部分Xの地盤Gは改良しない。しかる後、前記スラブ2の上面に前記盛土堤防1を構築する。
上述した液状化対策工法により構築された液状化対策構造は、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1を平面的に見て交差するように既設水路(地中構造物)10が地中深く(例えば、-2.5m程度)に設置されている交差部分Xを対象とした液状化対策構造であって、前記交差部分Xを除いた両側の地盤Gが液状化対策手段で改良されていると共に、前記交差部分Xから前記両側の地盤G上に構築する前記盛土堤防1へ食い込む大きさのスラブ2が構築されている。前記スラブ2と前記既設水路10とは、液状化しない埋め戻し部材8を介在させて応力伝達可能な構成とされ、前記交差部分Xの地盤Gは改良されておらず、前記スラブ2の上面に盛土堤防1が構築されている。
したがって、実施例4に係る線状盛土構造物の液状化対策工法および液状化対策構造によれば、盛土堤防(線状盛土構造物)1を構築するに際し、構築する前記盛土堤防1を平面的に見て交差するように既設水路(地中構造物)10が地中深くに存在する場合、従来であれば、煩雑かつ面倒でコストが嵩む高圧噴射撹拌工法や薬液の浸透注入工法などの既設水路10の脇から施工するほかなかったものを、構築する前記盛土堤防1の重量を有効利用することに着眼し、液状化発生時による既設水路10の浮き上がりを前記スラブ2を介して前記盛土堤防1の重量で抑制(相殺)できる構造を呈するので、上記実施例1と同様に、既設水路10の直下地盤G等を地盤改良することなしに液状化対策工を実現するという実に画期的な発明を実現することができる。よって、液状化対策手段(地盤改良手段)は、直上位置から施工を行う締固め工法や固結工法で実施でき、あとは、既設水路(地中構造物)10上に所定の大きさのスラブ2を構築することで実現できるので、施工性、経済性に非常に優れている。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、上記実施例1に係るスラブ2は、前記既設水路(線状盛土構造物)1の天端部の直上位置に設けて実施しているが、既設水路(地中構造物)1の上端部分を利用して(その一部に取り込んで)構築することもできる。
1 線状盛土構造物(盛土堤防)
2 スラブ(コンクリート床版)
3 擁壁
9 地上支障物(遮断弁)
9a ベース部材
10 地中構造物(既設水路)
X 交差部分
X’ 干渉部分
Y 線状盛土構造物の延長方向
G 地盤(液状化層)
S 支持地盤(非液状化層)

Claims (9)

  1. 盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物を平面的に見て交差するように地中構造物が設置されている交差部分を対象とした液状化対策工法であって、
    前記交差部分を除いた両側の地盤を液状化対策手段で改良すると共に、前記交差部分から前記両側の地盤上に構築する前記線状盛土構造物へ食い込む大きさのスラブを構築すること、
    前記スラブと前記地中構造物とは、一体的に接合して又は埋め戻し部材を介して応力伝達可能な構成とし、前記交差部分の地盤は改良しないこと、
    しかる後、前記スラブの上面に前記線状盛土構造物を構築することを特徴とする、液状化対策工法。
  2. 前記地中構造物の上方に地上支障物が存在している場合、
    前記スラブの上面に前記線状盛土構造物を構築するに際し、前記地上支障物の周囲に当該線状盛土構造物と離隔するための擁壁を構築することを特徴とする、請求項1に記載した液状化対策工法。
  3. 盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物に干渉するように地上支障物が設置されている干渉部分を対象とした液状化対策工法であって、
    前記干渉部分を除いた周囲の地盤を液状化対策手段で改良すると共に、前記干渉部分から前記周囲の地盤上に構築する前記線状盛土構造物へ食い込む大きさのスラブを構築すること、
    前記スラブと前記地上支障物とは応力伝達可能な構成とし、前記干渉部分の直下地盤は改良しないこと、
    しかる後、前記スラブの上面に前記線状盛土構造物を構築すると共に、前記地上支障物の周囲に当該線状盛土構造物と離隔するための擁壁を構築することを特徴とする、液状化対策工法。
  4. 盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物を平面的に見て交差するように地中構造物が設置されている交差部分を対象とした液状化対策構造であって、
    前記交差部分を除いた両側の地盤が液状化対策手段で改良されていると共に、前記交差部分から前記両側の地盤上に構築する前記線状盛土構造物へ食い込む大きさのスラブが構築されていること、
    前記スラブと前記地中構造物とは、一体的に接合して又は埋め戻し部材を介して応力伝達可能な構成とされ、前記交差部分の地盤は改良されていないこと、
    前記スラブの上面に前記線状盛土構造物が構築されていることを特徴とする、液状化対策構造。
  5. 前記地中構造物の上方に地上支障物が存在している場合、
    前記地上支障物の周囲に前記線状盛土構造物と離隔するための擁壁が構築されていることを特徴とする、請求項4に記載した液状化対策構造。
  6. 盛土堤防等の線状盛土構造物を構築するに際し、構築する前記線状盛土構造物に干渉するように地上支障物が設置されている干渉部分を対象とした液状化対策構造であって、
    前記干渉部分を除いた周囲の地盤が液状化対策手段で改良されていると共に、前記干渉部分から前記周囲の地盤上に構築する前記線状盛土構造物へ食い込む大きさのスラブが構築されていること、
    前記スラブと前記地上支障物とは応力伝達可能な構成とされ、前記干渉部分の直下地盤は改良されていないこと、
    前記スラブの上面に前記線状盛土構造物が構築されていると共に、前記地上支障物の周囲に当該線状盛土構造物と離隔するための擁壁が構築されていることを特徴とする、液状化対策構造。
  7. 前記スラブは、コンクリート製又は鋼製であることを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載した液状化対策構造。
  8. 前記スラブは、前記地中構造物の上端部分を利用して構築されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載した液状化対策構造。
  9. 前記スラブは、前記地上支障物のベース部材を利用して構築されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載した液状化対策構造。
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