JP2022066282A - 面取り装置及び面取り方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上面層側にテラス形状を形成する加工においても、基板表層部の割れや酸化被膜層及び接着層の剥離等を無くし、低ダメージ加工を実現する。【解決手段】被加工材Wの端面を研削する面取り装置において、研削ユニット50Bのスピンドル106に嵌合して固定された振動フランジ22と、外周の下面に砥石24が設けられ、振動フランジ22へ嵌合された砥石ホイール108と、振動フランジ22の外周側で砥石24の上面より下側となる砥石ホイール108の底面側に設置され、半径方向に超音波振動する圧電素子21と、を備え、砥石24に圧電素子21による超音波振動を与えながら半径方向に切り込んで被加工材Wの端面にテラスを形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体基板として、貼り合わせウェーハや成膜層付ウェーハの上面層側の外周部に不可避に残存する未接着部を除去する処理、すなわちテラス形状を形成する加工を行うのに好適な面取り装置及び面取り方法に関する。
素子の高速化や低消費電力等の利点を有することから、貼り合わせウェーハとして、酸化膜(絶縁膜)が形成された一枚のシリコンウェーハに、もう一枚のシリコンウェーハを貼り合わせ、この貼り合わせたシリコンウェーハの一方を研削・研磨してSOI層を形成したもの、シリコンウェーハの内部に酸素イオンを打ち込んだのち、高温アニールを行うことによって、シリコンウェーハの内部に埋め込み酸化膜を形成し、該酸化膜の上部をSOI層としたもの、SOI層側となるシリコンウェーハ(活性層側ウェーハ)の表層部に、水素イオン等を打ち込んでイオン注入層を形成したのち、支持基板用のシリコンウェーハと貼り合わせたもの、などが知られている。
また、ウェーハ上に回路の素材となる酸化シリコンやアルミニウムなどの薄膜を形成する方法としては、イオンをアルミニウムなどの金属にぶつけて分子や原子をはがし、ウェーハ上に堆積させるスパッタ法、銅配線を成膜する電気メッキ法、ウェーハの表面に特殊なガスを供給して化学反応を起こし、そこで生成された分子の層を膜とするCVD法、ウェーハを加熱することで表面に酸化シリコンの膜を形成する熱酸化、などが知られている。
貼り合わせウェーハや成膜層付ウェーハを製造する場合、剥離・離脱によるパーティクルの発生を防ぐため、貼り合わせウェーハの外周部に不可避に残存する未接着部を除去する処理、すなわちテラス部形成処理が必要とされている。つまり、2種以上の異なる材料特性を有する一体物ウェーハ(物理的に貼り合わせや結晶成長品)のエッジ近辺の結晶不安定領域、または形状ダレ等デバイス特性を低下させる要因となる部分を面取り機にて除去加工が行われている。
そこで、面取り部におけるキズの発生や面取り形状の崩れなしに、活性層側ウェーハのテラス部品質を改善した貼り合わせウェーハを安価に得るため、貼り合わせ強化熱処理後、平面研磨またはエッチングにより活性層側ウェーハを薄膜化し、支持基板ウェーハに対し、鏡面面取り加工とテラス加工を行うことが知られ、例えば、特許文献1に記載されている。
また、半導体装置や電子部品等の素材となるウェーハや、様々な形状の脆性材料の板状体、例えば、サファイヤ、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、LT(タンタル酸リチウム)、LN(ニオブ酸リチウム)等の化合物半導体、酸化物の板状体でのウェーハは、スライシング装置でスライスされた後、その周縁の割れや欠け等を防止するために外周部に面取り加工が行われる。
さらに、脆性材料の板状体(ワーク)に対しても、割れや欠けを生じさせることなく、高精度の面取り加工を可能にし、高精度の仕上げ加工を可能にするため、板状体に超音波振動を与えて面取り加工を行うことが知られ、例えば、特許文献2に記載されている。
特開2010-135662号公報 特開2015-174180号公報
上記従来技術において、特許文献1に記載のものでは、活性層側ウェーハを薄膜化した支持基板ウェーハには良いが、2種以上の異なる材料特性を有する一体物ウェーハ(物理的に貼り合わせや結晶成長品)のエッジ近辺の結晶不安定領域、または形状ダレ等でデバイス特性を低下させる要因となる部分には適用が困難である。
そこで、ウェーハに超音波振動を与えて加工を行うことが良いが、単に、特許文献2に記載のように行っただけでは、十分ではない。
ウェーハの水平方向、いわゆるY切り込み(半径方向送り)では、ワークを砥石回転状態でインフィードさせると割れる恐れがあった。特に、LT+Siの貼り合わせの場合、LTが透明のため、それぞれのウェーハ直径が同じでも貼り合わせがずれ、アライメントのためにLTとSiの外周部を研削すると、形状が維持できず、研削中にウェーハが割れることが多かった。また、一方の研削抵抗が大きく、砥石接触範囲が少ないので砥石先端に応力集中しやすく、形状が崩れ易く、接線抵抗によって貼り合わせが剥がれ易かった。
さらに、連続的に研削を行う、例えばスルーフフィード研削するには加工能率が低く、先端部における垂直方向のクーラントが流入及び流出しなく、スラッジがたまり易いため、先端に異常摩耗を生じ、砥石寿命が低下するものであった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、特に、Y切り込みによるテラス形状を形成する加工においても、加工能率が良く、そのうえ基板表層部の割れや接合バッファー層の剥離等を無くし、低ダメージ加工とすることにある。また、低ダメージ加工によって砥石切れ味を要因とする研削性能の維持、あるいは砥石形状の精度維持を図ることにある。
上記目的を達するため、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 脆性材料による板状体の外周部を加工する面取り装置において、圧電素子を内蔵した振動フランジの外周に嵌合された砥石ホイールと、上記砥石ホイールの外周側に設けられた砥石と、を備え、上記砥石は上記外周部において、一方から他方へと向かう厚み方向に沿って径が大きくなるテーパ部が形成され、上記圧電素子は、その少なくとも一部が、上記砥石と上記板状体との接触位置(加工点)より、上記一方の側となるように配置され、上記砥石に上記一方の側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、上記テーパ部において、上記加工点が上記他方の側に近付く程、上記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、上記板状体の端面にテラスを形成することを特徴とする面取り装置。
[2] 脆性材料による板状体の外周部を加工する面取り方法であって、砥石には上記外周部において、一方から他方へと向かう厚み方向に沿って径が大きくなるテーパ部が形成され、上記砥石と被加工材との接触位置(加工点)より少なくとも一部が上記一方の側となるように配置された圧電素子により、上記一方の側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、上記テーパ部において、上記加工点が上記他方の側に近付く程、上記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、上記板状体の端面にテラスを形成することを特徴とする面取り方法。
[3] 上層と中間層と下基板とで構成されたウェーハに、外周部において、一方から他方へと向かう厚み方向に沿って径が大きくなるテーパ部が形成された砥石によって、テラス形状を形成する面取り方法であって、上記砥石と上記ウェーハとの接触位置(加工点)より少なくとも一部が上記一方の側となるように配置され、Y方向に超音波振動する圧電素子により、上記砥石に上記一方の側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、上記テーパ部において、上記加工点が上記他方の側に近付く程、上記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、上記上層と上記中間層と上記下基板とを共に除去加工して上記ウェーハの端面にテラスを形成することを特徴とする面取り方法。
本発明の他の構成は以下のとおりである。
[1] 脆性材料による板状体の外周部を加工する面取り装置において、圧電素子を内蔵した振動フランジの外周に嵌合された砥石ホイールと、上記砥石ホイールの外周側に設けられた砥石と、を備え、上記砥石は上記外周部において、上側の径が下側よりも大きくなったテーパ部が形成され、上記圧電素子が、上記砥石と上記板状体との接触位置(加工点)より少なくとも一部が下側となるように配置され、上記砥石に下側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、上記テーパ部において、上記加工点が上記板状体の上面に近付く程、上記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、上記板状体の端面にテラスを形成することを特徴とする面取り装置。
[2] 上記テーパ部は水平平面から90°以上150°以内のテーパとされたことを特徴とする[1]に記載の面取り装置。
[3] 上記砥石は上記砥石ホイールの円周方向に複数に分割されて配置され、分割された個々の間に研削屑を排出する排出孔が設けられたことを特徴とする[1]又は[2]に記載の面取り装置。
[4] 脆性材料による板状体の外周部を加工する面取り方法であって、砥石と被加工材との接触位置(加工点)より少なくとも一部が下側となるように配置された圧電素子により、上記外周部において、上側の径が下側よりも大きくなったテーパ部が形成された上記砥石に下側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、上記テーパ部において、上記加工点が上記板状体の上面に近付く程、上記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、上記板状体の端面にテラスを形成することを特徴とする面取り方法。
[5] 上層と中間層と下基板とで構成されたウェーハに砥石によってテラス形状を形成する面取り方法であって、上記砥石と上記ウェーハとの接触位置(加工点)より少なくとも一部が下側となるように配置され、Y方向に超音波振動する圧電素子により、外周部において、上側の径が下側よりも大きくなったテーパ部が形成された上記砥石に下側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、上記テーパ部において、上記加工点が上記ウェーハの上面に近付く程、上記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、上記上層と上記中間層と上記下基板とを共に除去加工して上記ウェーハの端面にテラスを形成することを特徴とする面取り方法。
また、本発明の他の構成は、脆性材料による板状体の外周部を加工する面取り装置において、圧電素子を内蔵した振動フランジの外周に嵌合された砥石ホイールと、前記砥石ホイールの外周側に設けられた砥石と、を備え、前記圧電素子は、前記砥石と前記板状体との接触位置(加工点)より少なくとも一部が下側となるように配置され、前記砥石に下側からY方向に超音波振動を伝搬させ、前記加工点が前記板状体の上面に近付く程、前記超音波振動による振幅が大きくなるように前記外周部を加工するものである。
さらに、上記において、前記砥石は前記外周部において、上側の径が下側よりも大きくなったテーパ部が形成されたことが望ましい。
さらに、上記において、前記テーパ部は水平平面から90°以上150°以内のテーパとされたことが望ましい。
さらに、上記において、前記砥石は前記砥石ホイールの円周方向に複数に分割されて配置され、分割された個々の間に研削屑を排出する排出孔が設けられたことが望ましい。
さらに、上記において、前記砥石ホイールは前記振動フランジへテーパ嵌合されたものであってもよい。
さらに、上記において、前記圧電素子はスピンドルに設けられたスリップリングを介して駆動するための電源と接続されてもよい。
また、本発明は、脆性材料による板状体の外周部を加工する面取り方法であって、砥石と被加工材との接触位置(加工点)より少なくとも一部が下側となるように配置された圧電素子により、前記砥石に下側からY方向に超音波振動を伝搬させ、前記加工点が前記板状体の上面に近付く程、前記超音波振動による振幅が大きくなるように前記外周部を加工するものである。
また、本発明は、上層と中間層と下基板とで構成されたウェーハに砥石によってテラス形状を形成する面取り方法であって、前記砥石と前記ウェーハとの接触位置(加工点)より少なくとも一部が下側となるように配置され、Y方向に超音波振動する圧電素子を用い、前記加工点が前記ウェーハの上面に近付く程、前記超音波振動による振幅が大きくなるようにし、前記上層と前記中間層と前記下基板とを共に除去加工して前記ウェーハの端面にテラスを形成するものである。
また、上記の方法において、外周部に上側が大きく下側が小さくなったテーパ部が形成された砥石に超音波振動を与えながら前記テラス形状を形成してもよい。
さらに、上記の方法において、前記テラス形状を形成する前に前記上層を薄膜化してもよい。
本発明によれば、研削ユニットのスピンドルに振動フランジを固定し、砥石の上面より下側からY方向に超音波振動を与えながら被加工材(一体物ウェーハ)の端面にテラスを形成するので、被加工材(一体物ウェーハ)の上面側では超音波振動による振幅が大きくなり、それによりクーラントの流入及び流出が促進され、研削面の洗浄、研削屑の排出を促進し、加工品質が向上する。したがって、加工能率が良く、そのうえ表層部の割れや接着層の剥離等を無くし、低ダメージ加工を実現できる。
本発明の一実施形態に係る主要部を示す正面図 図1における要部の拡大図(一部断面図) 本発明の一実施形態に係る主要部を上側から見た平面図 本発明の一実施形態に係る砥石ホイールの垂直断面図及び砥石ホイールを下面側から見た平面図 本発明の一実施形態に係るY切り込みの手順を示す説明図 本発明の一実施形態に係るY切り込みの手順を示す説明図 本発明の一実施形態に係るY切り込みの手順を示す説明図 本発明の一実施形態に係るY切り込みの手順を示す説明図 本発明の一実施形態に係るY切り込みの手順を示す説明図
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る面取り装置の主要部を示す正面図、図2は、図1における要部の拡大図(一部断面図)、図3は主要部を上側から見た平面図であり、図4は、砥石ホイール108の垂直断面図及び砥石ホイールを下面側から見た平面図である。
面取り装置50は、超音波振動を利用して、ウェーハや様々な形状の脆性材料の板状体(ワーク)、例えば、サファイヤ、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、LT(タンタル酸リチウム)等の化合物半導体、酸化物のワークの外周部の面取り加工を行う装置である。ただし、必ずしも脆性材料の板状体に限らず、任意材料の板状体の外周部の面取り加工を行うことも可能である。以下において、面取り加工を行うワークをウェーハであるものとして説明する。
図に示すように面取り装置50は、ウェーハ送りユニット50Aと研削ユニット50Bとから構成される。ウェーハ送りユニット50Aに水平に配設されたベースプレート51上には、一対のY軸ガイドレール52、52が所定の間隔をもって敷設される。この一対のY軸ガイドレール52、52上にはY軸リニアガイド54、54、…を介してY軸テーブル56がスライド自在に支持される。
Y軸テーブル56の下面にはナット部材58が固着されており、ナット部材58にはY軸ボールネジ60が螺合される。Y軸ボールネジ60は、一対のY軸ガイドレール52、52の間において、その両端部がベースプレート51上に配設された軸受部材62、62に回動自在に支持されており、その一端にY軸モータ64が連結される。
Y軸モータ64を駆動することによりY軸ボールネジ60が回動し、ナット部材58を介してY軸テーブル56がY軸ガイドレール52、52に沿って水平方向(Y軸方向)にスライド移動する。
Y軸テーブル56上には、一対のY軸ガイドレール52、52と直交するように一対のX軸ガイドレール66、66が敷設される。この一対のX軸ガイドレール66、66上にはX軸リニアガイド68、68、…を介してX軸テーブル70がスライド自在に支持される。
X軸テーブル70の下面にはナット部材72が固着されており、ナット部材72にX軸ボールネジ74が螺合される。X軸ボールネジ74は、一対のX軸ガイドレール66、66の間において、その両端部がX軸テーブル70上に配設された軸受部材76、76に回動自在に支持されており、その一方端に不図示のX軸モータの出力軸が連結される。したがって、X軸モータを駆動することによりX軸ボールネジ74が回動し、ナット部材72を介してX軸テーブル70がX軸ガイドレール66、66に沿って水平方向(X軸方向)にスライド移動する。
X軸テーブル70上には、垂直にZ軸ベース80が立設されており、Z軸ベース80に
は一対のZ軸ガイドレール82、82が所定の間隔をもって敷設される。この一対のZ軸
ガイドレール82、82にはZ軸リニアガイド84、84を介してZ軸テーブル86がス
ライド自在に支持される。
Z軸テーブル86の側面にはナット部材88が固着されており、ナット部材88にZ軸
ボールネジ90が螺合される。Z軸ボールネジ90は、一対のZ軸ガイドレール82、82の間において、その両端部がZ軸ベース80に配設された軸受部材92、92に回動自在に支持されており、その下端部にZ軸モータ94の出力軸が連結される。
Z軸モータ94を駆動することによりZ軸ボールネジ90が回動し、ナット部材88を介してZ軸テーブル86がZ軸ガイドレール82、82に沿って鉛直方向(Z軸方向)にスライド移動する。Z軸テーブル86上にはθ軸モータ96が設置される。
θ軸モータ96の出力軸にはZ軸に平行なθ軸(回転軸θ)を軸心とするθ軸シャフト98が連結されており、このθ軸シャフト98の上端部に吸着テーブル(保持台)10が水平に連結される。テラス面取りされるウェーハWは、吸着テーブル10上に載置されて、真空吸着によって保持される。
ウェーハ送りユニット50Aにおいて、吸着テーブル10は、Y軸モータ64を駆動することにより図中Y軸方向に水平移動し、X軸モータを駆動することにより図中X軸方向に水平移動する。そして、Z軸モータ94を駆動することにより図中Z軸方向に垂直移動し、θ軸モータ96を駆動することによりθ軸回りに回転する。
研削ユニット50Bのベースプレート51上には架台102が設置される。架台102上には外周モータ104が設置されており、この外周モータ104の出力軸にはZ軸に平行な回転軸CHを軸心とするスピンドル106が連結される。ウェーハWの外周部を面取り加工する砥石ホイール108は、スピンドル106に着脱可能に装着され、外周モータ104を駆動することにより回転する。砥石ホイール108にウェーハWが接触する加工点に向けてクーラント(研削液)を吐出するノズル121(図3)が設けられる。
以上のごとく構成された面取り装置50において、ウェーハWは次のように面取り加工される。面取り加工の実施前の準備工程として、面取り加工するウェーハWを吸着テーブル10上に載置して吸着保持する。そして、外周モータ104とθ軸モータ96とを駆動して、研削ホイール108と吸着テーブル10とを共に同方向に高速回転させる。例えば、砥石ホイール108の回転速度を3000rpmとし、吸着テーブル10の回転速度を、ウェーハWの外周速度が5mm/secとなる速さとする。
また、Z軸モータ94を駆動して吸着テーブル10の高さを調整してウェーハWの高さを砥石ホイール108の研削溝110の高さに対応させる。更に、X軸モータを駆動して、ウェーハWの回転軸となるθ軸(回転軸θ)と、砥石ホイール108の回転軸CHとのX軸方向の位置を一致させる。
次に、面取り加工の実施工程として、Y軸モータ64を駆動して、ウェーハWを砥石ホイール108に向けて送る。そして、ウェーハWの外周部が砥石ホイール108に当接する直前で減速し、その後、低速でウェーハWを砥石ホイール108に向けて送る。
これにより、ウェーハWの外周部が砥石ホイール108に摺接し、次に説明するように、微小量ずつ研削されて面取り加工される。また、ノズル121から加工点に向けてクーラントを吐出し、加工点の冷却と共に、研削屑や砥石の磨耗粉(破砕・脱落した砥粒)の排出が行われる。
そして、ウェーハWの外周部が研削溝110の最深部に到達して所定時間が経過すると面取り加工を終了し、ウェーハWを砥石ホイール108から離間する方向に移動させてウェーハWを回収する位置に移動させる。
図2は、図1における要部の拡大図であり、22は振動フランジであり、円環形状でリング型の圧電素子21を内蔵し、スピンドル106に嵌合して固定される。砥石ホイール108は、振動フランジ22へ振動ロスが生じないようにテーパ嵌合されている。
また、リング型の圧電素子21は、振動フランジ22の外周側で、砥石ホイール108に近く、砥石24の上面より下側、砥石ホイール108の底面側に設置される。圧電素子21は、砥石24とウェーハWとの接触位置(加工点)より少なくとも一部が下側となるように配置される。ここで、図2においては、圧電素子21は、その一部が前記加工点よりも下側に配置されているように示されている。このように圧電素子21の一部が前記加工点よりも下側に配置されていても良いが、圧電素子21のすべてが前記加工点よりも下側に配置されていることがより好ましい。
さらに、リング型の圧電素子21は、スピンドル106に設けられた高回転に耐えるスリップリング23を介して駆動する電源が供給され、図で左右方向、つまり半径方向であるY方向に超音波振動する。したがって、圧電素子21の超音波振動は、砥石24の下面側ではウェーハWに対して平行に当たり、砥石24のテーパ部26では、加工点がテーパ部26の上側に行くほど、圧電素子21からのモーメントが大きくなることにより振動方向が垂直方向に傾いて行く。テーパ部26は、水平面に対して角度を有しているので、テーパ部26に接しているウェーハWに対して付加される振動は、加工される面(テーパ部26との接触面)に対して垂直に近くなる。
なお、超音波とは、例えば、20kHz以上の周波数の音波であり、リング型圧電素子21は、20kHzの周波数の超音波によりY方向に振動する。ただし、20kHz以上の周波数の超音波で振動させてもよい。また、加工条件等によっては20kHzよりも低い周波数の音波であってもよい。
図4は、砥石ホイール108を示し、その外周側の下面に砥石24が設けられている。砥石24は、その外周部に上側の径が下側よりも大きくなった水平平面から90°以上150°以内のテーパとされたテーパ部26が形成されている。また、砥石24は、砥石ホイール108の円周方向にセグメント化、つまり複数に分割されており、分割された個々の間には研削屑等を排出する排出孔25が設けられている。
図5から図9は、Y切り込み(半径方向送り)の手順を示す説明図であり、貼り合わせデバイス側である上層30と中間層31である接着層と下基板32を同時に除去加工する場合を示している。中間層31が酸化膜等(絶縁層)で形成され比較的に接合強度が低く、デバイス側の上層30は比較的材料強度が低い材質、上層30側の仕上げ厚みが薄い物(Si薄膜化加工、GaAS成膜薄膜)、下基板32がP相で中間層31が絶縁層、上層30がN相(例:Si-on―Si)等で2相もしくは3相でデバイス特性を有する製品、上層30を薄膜化したときに中間層31と上層に割れかけが生じる高脆性材料、のような場合に適している。
まず、図6に示すように、ラップ、グラインダーで上層30を薄膜化、または成膜後平坦化し、砥粒による機械的な除去作用と研磨液(スラリー)による金属膜表面の化学的作用を併用した研磨加工、つまり、CMPにて応力除去と平滑化を行う。
次に、図7に示すように、面取り装置によりY方向(図面の左方向)に切り込んで行く。このとき、砥石24には、Y方向に超音波振動が伝搬される。砥石24には、テーパ部26が形成され、超音波振動は、砥石24の下側から与えられるので、テーパ部26では超音波振動が(加工面)に垂直に近くなり加工能率が優先される。それに対して、砥石24の下面と下基板32側との加工面は、超音波振動が平行方向なので磨き上げられて鏡面加工される。
砥石24の上面側、特に、テーパ部26では加工点がウェーハWの上面に近付く程、超音波振動による振幅が大きくなり、砥石24とウェーハWとの隙間も同様にウェーハWの上面に近付く程、大きくなるので、クーラントも入り込み易くなり、キャビテーションが発生する。キャビテーションは、砥石24の上先端で大きくなり、スラッジは、砥石24とウェーハWとの接触面積が少ない上部に排出される。
砥石24は、メッシュサイズが#400~#800程度のメタルボンドであり、砥石24の寿命や加工品質を考慮して調整する。砥石側のスピンドル回転数は、1000~4000rpm、ワーク側の回転数は、50~200rpm、切り込み速度は、0.1~5mm/secが望ましいが、材料により適切に選択する。
次に、図8に示すように、上層30にテラスを形成し、中間層31、下基板32を同時に除去する。そして、図9のように、ラップ又はグラインダーで下基板32を薄膜化、または成膜してその後、平坦化する。次に、CMPにて応力除去と平滑化を行い、ダイシングしてチップ化する。
以上のように、加工砥石に下側より超音波振動を伝搬させることにより、キャビテーション効果によって、クーラントが入りにくい、スラッジが排出され難い、ことによる加工点への目詰まりを防止できる。特に、Y方向への切り込みにおいて、(1)超音波振動をY方向に与えること、(2)砥石24は、その外周部に上側が大きく下側が小さくなったテーパ部26を有すること、(3)圧電素子21は砥石24の上面より下側、ウェーハWとの加工点より下側となるように配置されること、により加工点がウェーハWの上面に近付く程、つまり、先端に行くに連れてキャビテーションが大きくなり、スラッジは上部に排出される。
また、ウェーハWの上面側では超音波振動による振幅が大きくなり、それによりクーラントの流入及び流出が促進される。したがって、研削面の洗浄、研削屑の排出を促進し、研削砥粒の突出し量が安定的に確保されて加工品質が向上する。
また、送り方向(除去方向)であるY方向への砥粒を振動させるので、元々の切削能力と砥粒の振動加速運動が追加され、研削性能が向上する。これにより、Y方向への低ダメージ加工とすることができ、上層30あるいは下基板32の一方の研削抵抗が大きく、形状が崩れ易く、貼り合わせが剥がれ易い高脆性材料、のような場合であっても、貼り合わせデバイス側である上層30と下基板32を同時に除去加工することが可能となる。
また、切り込み方向と超音波振動方向を合わせることで、超音波振動方向及び切り込み方向に対して平行面となる側にキャビテーションを起こし、切り込み方向と超音波振動方向を適宜、使い分ければ粗加工、精加工などの用途別に使い分けすることができる。これにより、砥粒への潤滑不良と加工負荷が分散されることにより、砥石の形状維持性能が向上し、ワーク品質の安定化、砥石ライフの向上を図ることができる。
さらに、砥粒の運動性が高まることにより加工能率向上し、通常加工速度よりもより速い加工スピードが実現する。また目詰まり防止と加工性能が向上することで、接触面積の広い砥石が採用できるので、形状精度と砥石ライフを向上できる。また、加工時間の経過と共にスピンドル電流が増加することは認められず安定し、除去も良好に進行する。
W ウェーハ(被加工材)
10 吸着テーブル
21 圧電素子
22 振動フランジ
23 スリップリング
24 砥石
25 排出孔
26 テーパ部
30 上層
31 中間層
32 下基板
50 面取り装置
50A ウェーハ送りユニット
50B 研削ユニット
106 スピンドル
108 砥石ホイール

Claims (3)

  1. 脆性材料による板状体の外周部を加工する面取り装置において、
    圧電素子を内蔵した振動フランジの外周に嵌合された砥石ホイールと、
    前記砥石ホイールの外周側に設けられた砥石と、
    を備え、
    前記砥石は前記外周部において、一方から他方へと向かう厚み方向に沿って径が大きくなるテーパ部が形成され、
    前記圧電素子は、その少なくとも一部が、前記砥石と前記板状体との接触位置(加工点)より、前記一方の側となるように配置され、前記砥石に前記一方の側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、前記テーパ部において、前記加工点が前記他方の側に近付く程、前記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、
    前記板状体の端面にテラスを形成することを特徴とする面取り装置。
  2. 脆性材料による板状体の外周部を加工する面取り方法であって、
    砥石には前記外周部において、一方から他方へと向かう厚み方向に沿って径が大きくなるテーパ部が形成され、
    前記砥石と被加工材との接触位置(加工点)より少なくとも一部が前記一方の側となるように配置された圧電素子により、前記一方の側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、前記テーパ部において、前記加工点が前記他方の側に近付く程、前記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、
    前記板状体の端面にテラスを形成することを特徴とする面取り方法。
  3. 上層と中間層と下基板とで構成されたウェーハに、
    外周部において、一方から他方へと向かう厚み方向に沿って径が大きくなるテーパ部が形成された砥石によって、テラス形状を形成する面取り方法であって、前記砥石と前記ウェーハとの接触位置(加工点)より少なくとも一部が前記一方の側となるように配置され、Y方向に超音波振動する圧電素子により、
    前記砥石に前記一方の側からY方向に超音波振動を伝搬させることで、前記テーパ部において、前記加工点が前記他方の側に近付く程、前記超音波振動による振幅が大きくなるようにして、
    前記上層と前記中間層と前記下基板とを共に除去加工して前記ウェーハの端面にテラスを形成することを特徴とする面取り方法。
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