JP2022065588A - バイオレットライト、ブルーライトおよび紫外線による皮膚の酸化ストレス、炎症、老化の改善・予防剤、皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線、可視光線中のバイオレットライト(VL)、ブルーライト(BL)曝露によって、皮膚で生じる酸化ストレス、炎症、シミやシワなどを予防・改善する剤またはそれを含有する皮膚外用剤を提供する。【解決手段】ラベンダー、ローズマリー、タモギタケ、オウゴン、ヤグルマギク、ヨモギ、ニガヨモギ、マンゴスチン、アサイヤシ、カラスムギ、オオグルマ、セイヨウノコギリソウ、ダマスクバラ、ブドウ、カミツレ、ナンキョウソウ、ケンフェリアパルビフロラ、キハダ、ダイズ、マグワ、ナンバンサイカチ、アズキ、ボタン、ウンシュウミカン、シソ、海藻(アカバギンナンソウやマコンブ)、アセロラから得られる抽出物およびアセロラ、クインスシードおよび海藻(アカバギンナンソウ、マコンブおよびアナアオサ)から得られる発酵物より選ばれる1種又は2種以上の抽出物もしくは発酵物を含有する剤。【選択図】図1
Description
本発明は、太陽光線を中心とした外部刺激による皮膚老化、特に一般的な紫外線吸収剤や紫外線散乱剤では対応が困難な、日常生活で浴びる太陽光線や電子機器から発せられる可視光線、中でもエネルギーの高いバイオレットライト(紫色光;以下、VLと略す)やブルーライト(青色光;以下、BLと略す)によって引き起こされる酸化ストレスを抑えて、赤み、炎症などやシミ、シワ、たるみといった症状を予防、改善する皮膚外用剤に関する。
太陽光線を一度に大量に浴び続けることによって急性の皮膚障害、すなわち、日焼け(サンバーンやサンタン)が起こることや日常生活などで少量でも長期に渡って太陽光線を浴び続けると、炎症やシミ、シワ、たるみなどの老化現象(光老化と呼ばれる)、さらには癌などの慢性的な皮膚障害が起こることが一般的に知られている。このような、生理老化以外の皮膚老化に関しては、紫外線(UVAやUVB)が主な要因として考えられている。
太陽光線は、波長の短い側から紫外線(UV)、可視光線、赤外線の3つに別れている。光老化に最も影響する紫外線にはUVC(200~280nm)上空のオゾン層に遮られ地上にはほとんど届かない)、UVB(280~320nm)、UVA(320~400nm)がある。可視光線は、ヒトの眼に見える電磁波で、波長域はおおよそ400~800nmである。波長の短い方から順に、紫(380~430nm)、青(430~490nm)、緑(490~550nm)、黄(550~590nm)、橙(590~640nm)、赤(640~770nm)とされている(色に対応する波長はおおよその値)。一般的にブルーライトというと、380~500nmあたりの光をまとめて指すが、本資料では便宜上、VL(紫色光、約380~440nm)、BL(青色光、約440~500nm)とする。
太陽光線による皮膚障害の要因としては、紫外線が主であるとされており、専ら紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含む日焼け止めを皮膚に塗布する対策がとられている。一般的な紫外線吸収剤(ケイ皮酸誘導体など)や紫外線散乱剤(酸化チタン、酸化亜鉛など)は、UVAやUVBの防御効果は高いが、可視光線の波長域である400nm以上の光に対しては高い透過特性を示す(非特許文献1)ことから、その防御効果は十分とはいえない。
近年、可視光線のうち、VLやBLも光老化を引き起こす要因になりうることがヒトや動物、細胞レベルで報告されている。例えば、健常人の皮膚に415nmの光を照射すると、過剰な色素沈着が起きること(非特許文献2)や健常人の皮膚に青紫色光を中心とする光を照射すると、皮膚中のカロテノイド量が減少すること、すなわち活性酸素が発生すること(非特許文献3)が報告されている。
以上から、BLおよびVLを皮膚に浴びた場合においても、光老化への影響が懸念されるが、一般的な日焼け止めなどでは前述の通り、光老化を緩和するには不十分であるのが現状である。太陽光線中には、紫外線、可視光線、赤外線が含まれているが、そのうち、可視光線は約50%を占めているとされている。辻本ら(非特許文献4)によると、VL波長のほとんどに近い401~440nmの光だけでも可視光線中の約8%を含むことと、太陽光線の分光分布から、BLとVLだけでも可視光線中の約20%を含むことが推定される。よって、太陽光線中のBLおよびVLの占める割合は約10%あると推定されることから、やはり皮膚への影響が懸念される。さらには、パソコンやテレビなどのディスプレイやスマートフォンなどの電子機器からのBL、VLによる影響もあると推察される。そこで、植物エキスなどの化粧品原料を日焼け止めなどの皮膚外用剤に適用し、太陽光線を主とするBLおよびVLによる光老化を緩和する対策が考えられた。
前述の例として、ビルベリー抽出物を有効成分とするBLおよびVL照射による細胞生育阻害抑制剤を含有する皮膚老化予防・改善剤(特許文献1)が報告されている。しかし、特許文献にて報告されている物質の線維芽細胞の細胞生育阻害抑制効果の有効濃度は、乾燥固形分にして50~200μg/mLであり、より低濃度にて有効性を発揮する成分があれば、有効性の観点だけでなく、製剤中の色や匂いを抑えるという安定性の観点からも有用であると考えられた。
打越哲郎ら、表面科学35(1),45-49,(2014)
Duteil L ら,Pigment.Cell.Melanoma.Res.,27(5):822-6(2014)
Vandersee S ら,Oxid.Med.Cell.Longev.,579675(2015)
辻本吉寛、今村祐嗣,木材学会誌52(3),145-152(2006)
三谷茂樹、中西智洋,Fragrance Journal,42(12),37-42(2014)
Shin MH ら,J.invest.Dermatol.,125(2),221-229(2005)
中西智洋ら,第85回SCCJ研究討論会講演要旨集,28-29(2019)
芋川玄爾,Fragrance Journal,45(6),12-44(2017)
以上の様な背景から、本発明は、太陽光線中の紫外線に加えて、従来の日焼け止めでは防ぐことが難しい、日常生活中で浴びる太陽光線などの可視光線、特にVLやBLによって引き起こされる炎症などの肌荒れ症状やシミやシワを予防、改善することができる皮膚外用剤を提供することを課題とする。
前記課題を達成するため、外部刺激として太陽光線中の可視光線に着目し、VLやBLを発するLEDを使用し、VL照射による表皮細胞の活性酸素(ROSの)過剰産生を低濃度においても抑制する天然素材由来の抽出物および発酵物の探索を行った。本発明者は、天然素材の抽出物を主として、約160個のサンプルについて試験を行い鋭意検討した。
その結果、ラベンダー、ローズマリー、タモギタケ、オウゴン、ヤグルマギク、ヨモギ、ニガヨモギ、マンゴスチン、アサイヤシ、カラスムギ、オオグルマ、セイヨウノコギリソウ、ダマスクバラ、ブドウ、カミツレ、ナンキョウソウ、ケンフェリアパルビフロラ(黒ショウガ)、キハダ、ダイズ、マグワ、ナンバンサイカチ、アズキ、ボタン、ウンシュウミカン、シソ、海藻(アカバギンナンソウやマコンブ)から得られる抽出物および海藻(アカバギンナンソウ、マコンブおよびアナアオサ)、クインスシードまたはアセロラから得られる発酵物が、VLやBL照射による表皮細胞のROS産生亢進を抑制することを見出した。また、効果の高い乳酸球菌/アナアオサエキスは、追加で炎症性因子やシワ促進因子に関して検討し、VLやBL照射によるシワ防止に対して有用であることを確認した。
その結果、ラベンダー、ローズマリー、タモギタケ、オウゴン、ヤグルマギク、ヨモギ、ニガヨモギ、マンゴスチン、アサイヤシ、カラスムギ、オオグルマ、セイヨウノコギリソウ、ダマスクバラ、ブドウ、カミツレ、ナンキョウソウ、ケンフェリアパルビフロラ(黒ショウガ)、キハダ、ダイズ、マグワ、ナンバンサイカチ、アズキ、ボタン、ウンシュウミカン、シソ、海藻(アカバギンナンソウやマコンブ)から得られる抽出物および海藻(アカバギンナンソウ、マコンブおよびアナアオサ)、クインスシードまたはアセロラから得られる発酵物が、VLやBL照射による表皮細胞のROS産生亢進を抑制することを見出した。また、効果の高い乳酸球菌/アナアオサエキスは、追加で炎症性因子やシワ促進因子に関して検討し、VLやBL照射によるシワ防止に対して有用であることを確認した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、VLまたはBL照射による表皮細胞の過剰なROS産生を抑制する。過剰なROSは、炎症性因子や皮膚老化因子の過剰産生や活性化につながることから、結果的には炎症、シミ、シワなどの皮膚老化を改善することが可能である。
なお、皮膚老化を誘起するまでの照射量などに違いはあるものの、UVAやUVBにおいても表皮細胞の過剰なROS産生、炎症性因子産や皮膚老化因子の産生や活性化が起きることが報告されている(非特許文献5~6)。以上より、VLまたはBL照射による表皮細胞の過剰なROS産生を抑制する素材が、紫外線に対する炎症、シミ、シワなどの皮膚老化を改善する可能性もあると考えられる。
本発明は、VLまたはBL照射による表皮細胞の過剰なROS産生を抑制する。過剰なROSは、炎症性因子や皮膚老化因子の過剰産生や活性化につながることから、結果的には炎症、シミ、シワなどの皮膚老化を改善することが可能である。
なお、皮膚老化を誘起するまでの照射量などに違いはあるものの、UVAやUVBにおいても表皮細胞の過剰なROS産生、炎症性因子産や皮膚老化因子の産生や活性化が起きることが報告されている(非特許文献5~6)。以上より、VLまたはBL照射による表皮細胞の過剰なROS産生を抑制する素材が、紫外線に対する炎症、シミ、シワなどの皮膚老化を改善する可能性もあると考えられる。
本発明におけるVLまたはBL照射による光老化抑制剤は、具体的には、下記の表1に示す天然素材由来の抽出物および発酵物である。なお、これらの抽出物および発酵物は、1種又は2種以上で本発明の光老化抑制剤およびそれらを含む皮膚外用剤として使用することができる。
天然素材の部位
本発明における天然素材の部位は、表1の部位に限定されるわけではなく、全草、地上部、葉、花、茎、根茎、種子、根、果実など適宜使用することができる。
本発明における天然素材の部位は、表1の部位に限定されるわけではなく、全草、地上部、葉、花、茎、根茎、種子、根、果実など適宜使用することができる。
抽出溶媒
本発明にあって、溶媒抽出する場合、抽出溶媒として、水、適切な有機溶媒(アルコール類、エステル類、アセトン類、アルカン類など)及びこれらの二種以上の混合物が使用される。有機溶媒については、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級アルコール、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級エステル、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級アセトン、常温常圧時に液体であるアルカンなどが使用される。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が好ましくは挙げられ、より好ましくは、メタノール、エタノールが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級エステルの具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が好ましくは挙げられ、より好ましくは酢酸エチルが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級アセトンとしては、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられ、より好ましくはアセトンが挙げられる。常温常圧時に液体であるアルカンとしては、ヘキサンなどが挙げられる。本発明にあっては、溶媒で抽出した溶媒抽出物をそのまま使用する場合、安全性の観点も考慮し、これら溶媒の中でも食品としても使用されるものを選択し使用することが好ましく、より好ましくは水、エタノール及びこれらの混合物である。
本発明にあって、溶媒抽出する場合、抽出溶媒として、水、適切な有機溶媒(アルコール類、エステル類、アセトン類、アルカン類など)及びこれらの二種以上の混合物が使用される。有機溶媒については、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級アルコール、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級エステル、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級アセトン、常温常圧時に液体であるアルカンなどが使用される。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が好ましくは挙げられ、より好ましくは、メタノール、エタノールが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級エステルの具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が好ましくは挙げられ、より好ましくは酢酸エチルが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1~5の低級アセトンとしては、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられ、より好ましくはアセトンが挙げられる。常温常圧時に液体であるアルカンとしては、ヘキサンなどが挙げられる。本発明にあっては、溶媒で抽出した溶媒抽出物をそのまま使用する場合、安全性の観点も考慮し、これら溶媒の中でも食品としても使用されるものを選択し使用することが好ましく、より好ましくは水、エタノール及びこれらの混合物である。
抽出溶媒の添加量は、植物原体の量、抽出温度等に適合させて適宜定めることができる。また、溶媒抽出は、常温、常圧下で行って良く、抽出温度は各溶媒の沸点等を考慮して適宜定めることができる。
本発明にあっては、溶媒抽出する場合、原体と溶媒の重量比率は、1:20~1:1であり、好ましくは1:15~1:5であり、より好ましくは1:10である。また、抽出する際に加温するときの温度は、常温(15~25℃)から100℃以下程度である。
なお、本発明にあっては、必ずしも溶媒抽出を実施しなくてもよく、天然素材から絞るなどして得られる液汁や油などをもって抽出物としてもよい。
濃縮
本発明の別の態様によれば、溶媒抽出物から溶媒を除去した抽出物を得ることができる。溶媒を除去する方法としては、一般的には、減圧濃縮、加熱濃縮、通風濃縮、冷凍濃縮、噴霧濃縮、およびその他の濃縮方法、またはこれらの混合方法を用いることができる。濃縮の際の、圧力、温度、風力、噴霧等は、得られる抽出物の量及び使用用途に併せて適宜設定することができる。本発明においては、減圧濃縮が好ましくは利用される。減圧濃縮を行う場合、圧力、温度は得られる濃縮物の量及び使用用途に併せて適宜設定することができる。
本発明の別の態様によれば、溶媒抽出物から溶媒を除去した抽出物を得ることができる。溶媒を除去する方法としては、一般的には、減圧濃縮、加熱濃縮、通風濃縮、冷凍濃縮、噴霧濃縮、およびその他の濃縮方法、またはこれらの混合方法を用いることができる。濃縮の際の、圧力、温度、風力、噴霧等は、得られる抽出物の量及び使用用途に併せて適宜設定することができる。本発明においては、減圧濃縮が好ましくは利用される。減圧濃縮を行う場合、圧力、温度は得られる濃縮物の量及び使用用途に併せて適宜設定することができる。
本発明で使用する抽出物は、そのまま用いてもよいが、必要に応じてろ過、濃縮してもよい。また、抽出物をカラムクロマト法、向流分配法などにより、分画、精製して用いることもできる。更に、上記のものを減圧乾燥又は凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製し適宜製剤化して用いることもできる。
乾燥/乾燥物
本発明の別の態様によれば、抽出物または溶媒を除去した抽出物を、乾燥し、乾燥物を得ることができる。本発明において、乾燥方法は、天日乾燥、(熱)風乾燥、真空乾燥、通気乾燥、流動乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥、およびその他の乾燥法、またはこれらの混合方法が用いられる。乾燥は、上記した濃縮と同時に行われても良い。
本発明の別の態様によれば、抽出物または溶媒を除去した抽出物を、乾燥し、乾燥物を得ることができる。本発明において、乾燥方法は、天日乾燥、(熱)風乾燥、真空乾燥、通気乾燥、流動乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥、およびその他の乾燥法、またはこれらの混合方法が用いられる。乾燥は、上記した濃縮と同時に行われても良い。
皮膚外用剤
本発明による組成物は、皮膚に適応した場合の使用感と安全性に優れているため、皮膚外用剤に配合するのに好適である。この皮膚外用剤は、具体的には植物を中心とする天然素材由来の抽出物および発酵物を含んでなる皮膚外用剤である。皮膚外用剤の種類としては、例えばクリーム、化粧水、乳液、ローション、クレンジングジェル、パック、軟膏など様々なものが挙げられる。本発明における、一般的な天然素材由来の抽出物の添加量は、皮膚外用剤の総重量に対して、約0.0001重量%以上であり、20重量%以下である。なお、抽出物が液汁や油、発酵物などの場合に関しては、そのものの特性や性状によって安全性なども考慮しつつ、皮膚外用剤の総重量に対して、約0.0001重量%以上であり、100重量%(抽出物や発酵物をそのまま使用)以下とする。
本発明による抽出組成物をそのまま使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
本発明による組成物は、皮膚に適応した場合の使用感と安全性に優れているため、皮膚外用剤に配合するのに好適である。この皮膚外用剤は、具体的には植物を中心とする天然素材由来の抽出物および発酵物を含んでなる皮膚外用剤である。皮膚外用剤の種類としては、例えばクリーム、化粧水、乳液、ローション、クレンジングジェル、パック、軟膏など様々なものが挙げられる。本発明における、一般的な天然素材由来の抽出物の添加量は、皮膚外用剤の総重量に対して、約0.0001重量%以上であり、20重量%以下である。なお、抽出物が液汁や油、発酵物などの場合に関しては、そのものの特性や性状によって安全性なども考慮しつつ、皮膚外用剤の総重量に対して、約0.0001重量%以上であり、100重量%(抽出物や発酵物をそのまま使用)以下とする。
本発明による抽出組成物をそのまま使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
本発明の皮膚外用剤は、通常の皮膚外用剤として知られる種々の形態の基剤に配合して調製することができ、外用剤の形態として特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水等の任意の剤形を選択することができる。また、一般化粧料に限定されるものではなく、医薬品、医薬部外品、薬用化粧料を包含する。
本発明の皮膚外用剤において、[0011]項に記載の天然素材由来の抽出物や発酵物とともに構成成分として利用可能なものは例えば、保湿剤・紫外線吸収剤・複合脂質・活性酸素消去作用を有する物質・抗炎症剤・ビタミンおよびその誘導体・油性成分・界面活性剤・防腐剤・粉体成分・精製水・高分子化合物・ゲル化剤・酸化防止剤・コレステロール類・植物ステロール類・リポプロテイン類・微生物由来成分・藻類抽出物・血行促進剤・抗脂漏剤・増粘剤・着色料・美容成分などが挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれになんら制約されるものではない。また使用した天然素材由来の抽出物および発酵物についての抽出方法、発酵方法についても何ら限定されるものではない。
<製造例1>天然素材由来含水エタノール抽出物の製法
表1の部位の天然素材10gに20倍量の50%(w/w)エタノール200gを加え、50℃にて5時間抽出し、ろ過濃縮した後、凍結乾燥、粉末化し、抽出物を得た(抽出物1~2、4~19、21~22、24~26)。
表1の部位の天然素材10gに20倍量の50%(w/w)エタノール200gを加え、50℃にて5時間抽出し、ろ過濃縮した後、凍結乾燥、粉末化し、抽出物を得た(抽出物1~2、4~19、21~22、24~26)。
<製造例2>天然素材由来水抽出物の製法
表1の部位の天然素材10gに20倍量の精製水200gを加え、50℃5時間抽出し、ろ過濃縮後、凍結乾燥、粉末化し、抽出物を得た(抽出物3、20、23、27~28、30~31)。
表1の部位の天然素材10gに20倍量の精製水200gを加え、50℃5時間抽出し、ろ過濃縮後、凍結乾燥、粉末化し、抽出物を得た(抽出物3、20、23、27~28、30~31)。
<製造例3>アセロラ果汁の製法
市販のアセロラピューレ(完熟したアセロラ果実をペースト状に加工)を熱水抽出し、ろ過後pH調整した液を、凍結乾燥、粉末化した(抽出物29)。
市販のアセロラピューレ(完熟したアセロラ果実をペースト状に加工)を熱水抽出し、ろ過後pH調整した液を、凍結乾燥、粉末化した(抽出物29)。
次に、発酵物についての製法を記載する。
発酵に使用する乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、ペディオコッカス属、ロイコノストック属、ストレプトコッカス属、ビフィドバクテリウム属等が挙げられ、具体的には、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・デルブレッキー(Lactobacillus delbrueckii)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・カセリフルバス(Enterococcus casseliflavus)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)等を挙げることができる。ここに列挙した乳酸菌から選択される1種を単独で用いることができるほか、2種以上を混合して用いることもできる。なお、乳酸菌として市販されているものを用いてもよいが、野菜、豆類、穀類、海藻類などの植物素材にて生息しているものを採取して用いてもよく、あるいは植物以外の素材(例えばキノコ類)にて生息しているものを採取して用いることもできる。
酵母は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorlanus)等のサッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等のシゾサッカロマイセス属、キャンディダ・ウチリス(Candida utilis)等のキャンディダ属、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)等のクルイベロマイセス属等に属する菌が使用でき、単独でも用いることができるほか、2種以上を混合して用いることもできる。
麹菌は、黄麹菌のアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、およびアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・ルーチェンシス(Aspergillus luchuensis)黒麹菌のアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、およびアスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、並びに白麹菌のアスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、およびアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)などが挙げられるが、望ましくは乳酸菌ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)エンテロコッカス・カセリフルバス(Enterococcus casseliflavus)である。
発酵に使用する乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、ペディオコッカス属、ロイコノストック属、ストレプトコッカス属、ビフィドバクテリウム属等が挙げられ、具体的には、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・デルブレッキー(Lactobacillus delbrueckii)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・カセリフルバス(Enterococcus casseliflavus)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)等を挙げることができる。ここに列挙した乳酸菌から選択される1種を単独で用いることができるほか、2種以上を混合して用いることもできる。なお、乳酸菌として市販されているものを用いてもよいが、野菜、豆類、穀類、海藻類などの植物素材にて生息しているものを採取して用いてもよく、あるいは植物以外の素材(例えばキノコ類)にて生息しているものを採取して用いることもできる。
酵母は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorlanus)等のサッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等のシゾサッカロマイセス属、キャンディダ・ウチリス(Candida utilis)等のキャンディダ属、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)等のクルイベロマイセス属等に属する菌が使用でき、単独でも用いることができるほか、2種以上を混合して用いることもできる。
麹菌は、黄麹菌のアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、およびアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・ルーチェンシス(Aspergillus luchuensis)黒麹菌のアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、およびアスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、並びに白麹菌のアスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、およびアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)などが挙げられるが、望ましくは乳酸菌ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)エンテロコッカス・カセリフルバス(Enterococcus casseliflavus)である。
発酵基質については天然素材そのものでもよいし、抽出物などでもよい。
海藻については、紅藻類、褐藻類、緑藻類など特に限定しないが、望ましくはアナアオサ、マコンブである。海藻の形態は、特に限定されず、例えば、生、又は乾燥した海藻の粉砕物や粉末等が使用できる。
アセロラとクインスシードについても、海藻と同様に、その形態は特に限定されない。
海藻については、紅藻類、褐藻類、緑藻類など特に限定しないが、望ましくはアナアオサ、マコンブである。海藻の形態は、特に限定されず、例えば、生、又は乾燥した海藻の粉砕物や粉末等が使用できる。
アセロラとクインスシードについても、海藻と同様に、その形態は特に限定されない。
<製造例4>製法 天然素材由来発酵物
製造例2~3の粉末化する前のアナアオサエキス(抽出物31)、マコンブエキス(抽出物28)、アカバギンナンソウエキス(抽出物27)、アセロラ果汁(抽出物29)およびクインスシードエキス(抽出物30)を発酵する対象として使用した。
海藻発酵物の製造例については、以下の通りである。
固形分濃度1.5質量%に調整後、滅菌処理したアナアオサエキスに、あらかじめ前培養して活性化させておいたEnterococcus faecalis(乳酸球菌D株)またはEnterococcus casseliflavus(乳酸球菌E株)を104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。発酵培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化することで、乳酸球菌D/アナアオサエキス発酵液(発酵物1)および乳酸球菌E/アナアオサエキス発酵液(発酵物2)の粉末を得た。
固形分濃度1.5質量%に調整後、滅菌処理したマコンブエキスにあらかじめ前培養して活性化させておいたLactobacillus plantarum(乳酸桿菌A株)、Lactobacillus brevis(乳酸桿菌B)、Lactobacillus curvatus curvatus(乳酸桿菌C株)、Enterococcus faecalis(乳酸球菌D株)またはEnterococcus casseliflavus(乳酸球菌E株)を104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化することで、それぞれ、乳酸桿菌A/マコンブエキス発酵液(発酵物3)、乳酸桿菌B/マコンブエキス発酵液(発酵物4)、乳酸桿菌C/マコンブエキス発酵液(発酵物5)、乳酸球菌D/マコンブエキス発酵液(発酵物6)および乳酸球菌E/マコンブエキス発酵液(発酵物7)の粉末を得た。
固形濃度1.5質量%に調整後、滅菌処理したアカバギンナンソウエキスにあらかじめ前培養して活性化させておいたLactobacills plantarum(乳酸桿菌A株)を104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化することで、乳酸桿菌A/アカバギンナンソウエキス発酵液(発酵物8)の粉末を得た。
アセロラ発酵物の製造例については、下記の通りである。
アセロラ果汁にLactobacillus brevis(乳酸桿菌B:LB株)を104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化し、アセロラチェリー(乳酸桿菌B)発酵液(発酵物9)の粉末を得た。
クインスシード発酵物の製造例については、下記の通りである。
クインスシードエキスにLactobacillus plantarumを104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化し、乳酸桿菌A/クインスシードエキス発酵液(発酵物10)の粉末を得た。
製造例2~3の粉末化する前のアナアオサエキス(抽出物31)、マコンブエキス(抽出物28)、アカバギンナンソウエキス(抽出物27)、アセロラ果汁(抽出物29)およびクインスシードエキス(抽出物30)を発酵する対象として使用した。
海藻発酵物の製造例については、以下の通りである。
固形分濃度1.5質量%に調整後、滅菌処理したアナアオサエキスに、あらかじめ前培養して活性化させておいたEnterococcus faecalis(乳酸球菌D株)またはEnterococcus casseliflavus(乳酸球菌E株)を104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。発酵培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化することで、乳酸球菌D/アナアオサエキス発酵液(発酵物1)および乳酸球菌E/アナアオサエキス発酵液(発酵物2)の粉末を得た。
固形分濃度1.5質量%に調整後、滅菌処理したマコンブエキスにあらかじめ前培養して活性化させておいたLactobacillus plantarum(乳酸桿菌A株)、Lactobacillus brevis(乳酸桿菌B)、Lactobacillus curvatus curvatus(乳酸桿菌C株)、Enterococcus faecalis(乳酸球菌D株)またはEnterococcus casseliflavus(乳酸球菌E株)を104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化することで、それぞれ、乳酸桿菌A/マコンブエキス発酵液(発酵物3)、乳酸桿菌B/マコンブエキス発酵液(発酵物4)、乳酸桿菌C/マコンブエキス発酵液(発酵物5)、乳酸球菌D/マコンブエキス発酵液(発酵物6)および乳酸球菌E/マコンブエキス発酵液(発酵物7)の粉末を得た。
固形濃度1.5質量%に調整後、滅菌処理したアカバギンナンソウエキスにあらかじめ前培養して活性化させておいたLactobacills plantarum(乳酸桿菌A株)を104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化することで、乳酸桿菌A/アカバギンナンソウエキス発酵液(発酵物8)の粉末を得た。
アセロラ発酵物の製造例については、下記の通りである。
アセロラ果汁にLactobacillus brevis(乳酸桿菌B:LB株)を104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化し、アセロラチェリー(乳酸桿菌B)発酵液(発酵物9)の粉末を得た。
クインスシード発酵物の製造例については、下記の通りである。
クインスシードエキスにLactobacillus plantarumを104個/mLになるように播種し、好気性条件下で30℃、48時間、撹拌培養し、発酵培養液を得た。培養液をろ過後、凍結乾燥、粉末化し、乳酸桿菌A/クインスシードエキス発酵液(発酵物10)の粉末を得た。
(試験例1)表皮細胞のVL照射によるROS産生亢進の抑制評価試験
本項では、天然素材由来の抽出物および発酵物が、VLやBL照射によるヒト皮膚の炎症やシミ・シワなどの老化症状を予防・改善するかの判断指標として、まずは、表皮細胞のROS産生亢進を緩和するかについての試験を実施した。
(試験方法)
ヒト不死化表皮細胞(HaCaT細胞)を5%ウシ胎児血清(以下FBSと略記)含有DMEM培地にて培養維持し、継代時にDMEM培地を用いて、24穴プレートに1.5×105個/穴ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス下、24時間培養した。
試験試料は、製造例1~4にて調製した抽出物1~31および発酵物1~10を使用した。試験試料の添加は下記の様に実施した。
陽性対照として、L-アスコルビン酸りん酸エステルマグネシウム塩(富士フイルム和光純薬製)を使用した。精製水に試験試料を溶解し、フィルター滅菌した溶液を添加したDMEM培地に交換し、24時間同条件にて培養した。試験試料を含有しないコントロール細胞については、フィルター滅菌した精製水(滅菌水)を上記と同量添加したDMEM培地に交換し、同条件にて培養した。ROSの蛍光プローブであるH2DCFDA(Thermo Fisher Scientific)を含有するハンクス緩衝液に置換し、30分間培養後、ハンクス緩衝液で一回洗浄後、さらに新しいハンクス緩衝液に置換し、100J/cm2のVL(400~410nmのLEDが複数格子状に並んだ市販の光源を使用)を照射した。照射後にROS由来の蛍光強度を測定した。蛍光強度測定後、0.5%TritonX-100含有PBS(-)を添加し、細胞を溶解した後、BCA Protein Assay kit(Thermo Fisher Scientific)にてタンパク定量を実施した。
(評価基準)
ROS(F.I.)/Protein(mg)値を算出し、VL照射したコントロール細胞の値を0%としたときの試験試料のROS抑制率(%)を算出してROS量を比較した。
本項では、天然素材由来の抽出物および発酵物が、VLやBL照射によるヒト皮膚の炎症やシミ・シワなどの老化症状を予防・改善するかの判断指標として、まずは、表皮細胞のROS産生亢進を緩和するかについての試験を実施した。
(試験方法)
ヒト不死化表皮細胞(HaCaT細胞)を5%ウシ胎児血清(以下FBSと略記)含有DMEM培地にて培養維持し、継代時にDMEM培地を用いて、24穴プレートに1.5×105個/穴ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス下、24時間培養した。
試験試料は、製造例1~4にて調製した抽出物1~31および発酵物1~10を使用した。試験試料の添加は下記の様に実施した。
陽性対照として、L-アスコルビン酸りん酸エステルマグネシウム塩(富士フイルム和光純薬製)を使用した。精製水に試験試料を溶解し、フィルター滅菌した溶液を添加したDMEM培地に交換し、24時間同条件にて培養した。試験試料を含有しないコントロール細胞については、フィルター滅菌した精製水(滅菌水)を上記と同量添加したDMEM培地に交換し、同条件にて培養した。ROSの蛍光プローブであるH2DCFDA(Thermo Fisher Scientific)を含有するハンクス緩衝液に置換し、30分間培養後、ハンクス緩衝液で一回洗浄後、さらに新しいハンクス緩衝液に置換し、100J/cm2のVL(400~410nmのLEDが複数格子状に並んだ市販の光源を使用)を照射した。照射後にROS由来の蛍光強度を測定した。蛍光強度測定後、0.5%TritonX-100含有PBS(-)を添加し、細胞を溶解した後、BCA Protein Assay kit(Thermo Fisher Scientific)にてタンパク定量を実施した。
(評価基準)
ROS(F.I.)/Protein(mg)値を算出し、VL照射したコントロール細胞の値を0%としたときの試験試料のROS抑制率(%)を算出してROS量を比較した。
表2に示す通り、各天然素材由来の抽出物(抽出物1~31)および発酵物(1~10)を含有する培地にて培養した表皮細胞において、コントロール細胞のROS産生抑制率(0%)と比較して、5%以上の抑制率であることを確認した。特に、発酵物1~8の海藻エキスの乳酸菌発酵物のROS抑制効果が高かった。
また、陽性対照のビタミンC誘導体においても抑制されたことから、本試験にて適切に評価可能であることも確認された。
なお、本試験は複数回に分けて実施されたが、全ての試験回においてVL未照射と比較して、VL照射により有意にROS産生が亢進しており、その亢進度は試験回によって異なるものの、概ね未照射の3~10倍であった。
また、陽性対照のビタミンC誘導体においても抑制されたことから、本試験にて適切に評価可能であることも確認された。
なお、本試験は複数回に分けて実施されたが、全ての試験回においてVL未照射と比較して、VL照射により有意にROS産生が亢進しており、その亢進度は試験回によって異なるものの、概ね未照射の3~10倍であった。
以下、特に活性の高かった海藻エキスの乳酸菌発酵物のVL/BL照射によるシワ抑制効果について、更に検討を実施したので、報告する。
(試験例2)表皮細胞のVL/BL照射によるIL-1α産生亢進の抑制試験
本項では、VL照射によるROS産生亢進を抑制したもののなかから、乳酸球菌D/アナアオサエキス発酵液(発酵物1)および乳酸球菌E/アナアオサエキス発酵液(発酵物2)に着目し、VL/BL照射による表皮細胞のIL-1α産生亢進を抑制するかどうかについて試験した。また、比較のため、未発酵のアナアオサエキス(抽出物31)も試験試料として使用した。
HaCaT細胞を24穴プレートに1.5×105個/穴ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス下、24時間培養した。
試験試料の添加は下記の様に実施した。
精製水に試験試料を溶解し、フィルター滅菌した溶液を添加したDMEM培地に交換し、24時間同条件にて培養した。抽出物を含有しないコントロール細胞については、フィルター滅菌した精製水(滅菌水)を上記と同量添加したDMEM培地に交換し、同条件にて培養した。ハンクス緩衝液で一回洗浄後、さらに新しいハンクス緩衝液に置換し、100J/cm2のVLもしくは200J/cm2のBL(440~470nmのLEDが複数格子状に並んだ市販の光源を使用)を照射した。照射後、新しい培地に交換し、24時間同条件にて培養した。培養上清を回収し、測定まで-80℃の冷凍庫に保管した。上清中のIL-1α測定については、ELISAキット(R&D Systems)を使用し、タンパク定量については、BCA Protein Assay kitを使用して実施した。
IL-1α(pg)/Protein(mg)値を算出し、VL/BL未照射のコントロール細胞の値を100%としたときのVL/BL照射コントロールと試験試料のIL-1α産生率(%)を算出してIL-1α量を比較した。
本項では、VL照射によるROS産生亢進を抑制したもののなかから、乳酸球菌D/アナアオサエキス発酵液(発酵物1)および乳酸球菌E/アナアオサエキス発酵液(発酵物2)に着目し、VL/BL照射による表皮細胞のIL-1α産生亢進を抑制するかどうかについて試験した。また、比較のため、未発酵のアナアオサエキス(抽出物31)も試験試料として使用した。
HaCaT細胞を24穴プレートに1.5×105個/穴ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス下、24時間培養した。
試験試料の添加は下記の様に実施した。
精製水に試験試料を溶解し、フィルター滅菌した溶液を添加したDMEM培地に交換し、24時間同条件にて培養した。抽出物を含有しないコントロール細胞については、フィルター滅菌した精製水(滅菌水)を上記と同量添加したDMEM培地に交換し、同条件にて培養した。ハンクス緩衝液で一回洗浄後、さらに新しいハンクス緩衝液に置換し、100J/cm2のVLもしくは200J/cm2のBL(440~470nmのLEDが複数格子状に並んだ市販の光源を使用)を照射した。照射後、新しい培地に交換し、24時間同条件にて培養した。培養上清を回収し、測定まで-80℃の冷凍庫に保管した。上清中のIL-1α測定については、ELISAキット(R&D Systems)を使用し、タンパク定量については、BCA Protein Assay kitを使用して実施した。
IL-1α(pg)/Protein(mg)値を算出し、VL/BL未照射のコントロール細胞の値を100%としたときのVL/BL照射コントロールと試験試料のIL-1α産生率(%)を算出してIL-1α量を比較した。
試験試料のVL/BL照射によるIL-1α産生亢進の抑制効果を図2に示す。まず、VL/BL照射により、IL-1α産生が亢進した。そして、発酵物1および発酵物2において、IL-1α産生亢進を顕著に抑制していた。未発酵の抽出物31においても、有意なIL-1α産生亢進の抑制効果が確認されたが、その程度は発酵物よりも低かった。よって、本結果から発酵過程も重要であるということが示唆された。
(試験例3)VL/BL照射表皮細胞の培養上清による線維芽細胞のエラスターゼ活性化の抑制試験
本項では、試験例2と同じ試験試料を対象として、VL/BL照射した表皮細胞の培養上清を線維芽細胞に添加して培養した際のエラスターゼ活性化をキャンセルできるかの試験を実施した。
HaCaT細胞を35mmディッシュに5×105個/穴ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス下、サブコンフルエントになるまで培養した。ヒト正常真皮線維芽細胞は、24穴プレートに1×105個/穴ずつ播種し、同条件にてコンフルエントになるまで培養した。
試験試料の添加は下記の様に実施した。
精製水に試験試料を溶解し、フィルター滅菌した溶液を添加したDMEM培地に交換し、24時間同条件にて培養した。抽出物を含有しないコントロール細胞については、フィルター滅菌した精製水(滅菌水)を上記と同量添加したDMEM培地に交換し、同条件にて培養した。ハンクス緩衝液で一回洗浄後、さらに新しいハンクス緩衝液に置換し、100J/cm2のVLもしくは200J/cm2のBLを照射した。照射後、新しい培地に交換し、24時間同条件にて培養した。培養上清を回収し、線維芽細胞への添加まで必要であれば-80℃の冷凍庫に保管した。培養上清は遠心分離後、上澄みを添加し、48時間同条件にて培養した。培養後、0.5%TritonX-100含有PBS(-)を添加し、細胞を溶解した。線維芽細胞由来エラスターゼ活性の測定については、細胞溶解液を粗酵素液として基質STANA:N-succinyl-tri-alanyl-p-nitroaniline(Bachem)を混合し、37℃にて反応させた。反応後、エラスターゼによって発生したp-nitroaniline由来の吸光度を測定した。細胞溶解液のタンパク定量については、BCA Protein Assay kitを使用して実施した。
単位時間あたりの吸光度変化(Abs)/Protein(mg)値を算出し、VL/BL未照射のコントロール細胞の値を100%としたときのVL/BL照射コントロールと試験試料のエラスターゼ活性(%)を算出してエラスターゼ活性を比較した。
本項では、試験例2と同じ試験試料を対象として、VL/BL照射した表皮細胞の培養上清を線維芽細胞に添加して培養した際のエラスターゼ活性化をキャンセルできるかの試験を実施した。
HaCaT細胞を35mmディッシュに5×105個/穴ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス下、サブコンフルエントになるまで培養した。ヒト正常真皮線維芽細胞は、24穴プレートに1×105個/穴ずつ播種し、同条件にてコンフルエントになるまで培養した。
試験試料の添加は下記の様に実施した。
精製水に試験試料を溶解し、フィルター滅菌した溶液を添加したDMEM培地に交換し、24時間同条件にて培養した。抽出物を含有しないコントロール細胞については、フィルター滅菌した精製水(滅菌水)を上記と同量添加したDMEM培地に交換し、同条件にて培養した。ハンクス緩衝液で一回洗浄後、さらに新しいハンクス緩衝液に置換し、100J/cm2のVLもしくは200J/cm2のBLを照射した。照射後、新しい培地に交換し、24時間同条件にて培養した。培養上清を回収し、線維芽細胞への添加まで必要であれば-80℃の冷凍庫に保管した。培養上清は遠心分離後、上澄みを添加し、48時間同条件にて培養した。培養後、0.5%TritonX-100含有PBS(-)を添加し、細胞を溶解した。線維芽細胞由来エラスターゼ活性の測定については、細胞溶解液を粗酵素液として基質STANA:N-succinyl-tri-alanyl-p-nitroaniline(Bachem)を混合し、37℃にて反応させた。反応後、エラスターゼによって発生したp-nitroaniline由来の吸光度を測定した。細胞溶解液のタンパク定量については、BCA Protein Assay kitを使用して実施した。
単位時間あたりの吸光度変化(Abs)/Protein(mg)値を算出し、VL/BL未照射のコントロール細胞の値を100%としたときのVL/BL照射コントロールと試験試料のエラスターゼ活性(%)を算出してエラスターゼ活性を比較した。
試験試料のVL/BL照射表皮細胞の培養上清による線維芽細胞エラスターゼ活性化の抑制効果を図3に示す。
まず、VL/BL照射表皮細胞の培養上清により、線維芽細胞エラスターゼが有意に活性化した。そして、発酵物1および発酵物2において、IL-1α産生亢進を顕著に抑制していた。未発酵の抽出物31においては、効果が得られなかった。
まず、VL/BL照射表皮細胞の培養上清により、線維芽細胞エラスターゼが有意に活性化した。そして、発酵物1および発酵物2において、IL-1α産生亢進を顕著に抑制していた。未発酵の抽出物31においては、効果が得られなかった。
以上より、試験例1から選抜されたアナアオサエキスの乳酸菌発酵物が、試験例3にて最終的にVL/BL照射による線維芽細胞エラスターゼ活性化をキャンセルしたことから、試験例1にて見出された他の抽出物および発酵物についても、VL/BL照射によるシワ形成の予防・改善効果が期待できると考えられる。試験例2にて確認したIL-1αは、シミ形成にも関与しており、試験例1にて見出された抽出物および発酵物は、VL/BL照射によるシミ形成の予防・改善効果も合わせて期待できると考えられる。
本発明による皮膚外用剤への天然素材由来の抽出物および発酵物の配合例を下記に示す。なお、配合例は本発明を限定するものではない。
(配合例1)クリーム
下記の成分(1)~(10)、これとは別に下記成分(11)~(14)及び(16)を75℃に加温溶解し、乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(15)を加え、クリームを調整した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ種子油 3.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)メチルポリシロキサン 0.5%
(4)ステアリルアルコール 0.5%
(5)セチルアルコール 0.5%
(6)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 12.5%
(7)モノステアリン酸グリセリル 5.0%
(8)モノステアリン酸ジグリセリル 1.5%
(9)モノステアリン酸デカグリセリル 3.0%
(10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1%
(11)キサンタンガム 0.1%
(12)発酵物1(乳酸球菌D/アナアオサエキス発酵液) 0.05%
(13)1,3-ブチレングリコール 2.5%
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(15)香料 0.1%
(16)精製水 残量
下記の成分(1)~(10)、これとは別に下記成分(11)~(14)及び(16)を75℃に加温溶解し、乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(15)を加え、クリームを調整した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ種子油 3.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)メチルポリシロキサン 0.5%
(4)ステアリルアルコール 0.5%
(5)セチルアルコール 0.5%
(6)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 12.5%
(7)モノステアリン酸グリセリル 5.0%
(8)モノステアリン酸ジグリセリル 1.5%
(9)モノステアリン酸デカグリセリル 3.0%
(10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1%
(11)キサンタンガム 0.1%
(12)発酵物1(乳酸球菌D/アナアオサエキス発酵液) 0.05%
(13)1,3-ブチレングリコール 2.5%
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(15)香料 0.1%
(16)精製水 残量
(配合例2)化粧水
下記成分(7)~(9)を混合溶解させてA液とし、これとは別に下記成分(1)~(6)及び(10)を混合溶解させてB液とし、A液とB液を均一に混合し、化粧水を得た。
(成分) (重量%)
(1)グリセリン 5.0%
(2)1,3-ブチレングリコール 5.0%
(3)メロン胎座エキス 0.05%
(4)ザクロ花エキス 0.005%
(5)発酵物2(乳酸球菌E/アナアオサエキス発酵液) 0.05%
(6)ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル 1.2%
(7)エチルアルコール 5.0%
(8)フェノキシエタノール 0.1%
(9)香料 0.1%
(10)精製水 残量
下記成分(7)~(9)を混合溶解させてA液とし、これとは別に下記成分(1)~(6)及び(10)を混合溶解させてB液とし、A液とB液を均一に混合し、化粧水を得た。
(成分) (重量%)
(1)グリセリン 5.0%
(2)1,3-ブチレングリコール 5.0%
(3)メロン胎座エキス 0.05%
(4)ザクロ花エキス 0.005%
(5)発酵物2(乳酸球菌E/アナアオサエキス発酵液) 0.05%
(6)ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル 1.2%
(7)エチルアルコール 5.0%
(8)フェノキシエタノール 0.1%
(9)香料 0.1%
(10)精製水 残量
(配合例3)乳液
下記成分(1)~(10)、これとは別に下記成分(11)~(14)及び(16)を75℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(15)を加え、乳液を調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ種子油 1.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)ベヘニルアルコール 1.0%
(4)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 2.0%
(5)テトラグリセリン縮合リシノレイン酸 0.1%
(6)モノオレイン酸プロピレングリコール 0.5%
(7)モノステアリン酸グリセリル 1.0%
(8)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 1.0%
(9)モノミリスチン酸デカグリセリル 0.5%
(10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1%
(11)ベルゲニアリグラタ根エキス 0.005%
(12)抽出物3(タモギタケエキス) 0.005%
(13)1,3-ブチレングリコール 3.0%
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
(15)香料 0.1%
(16)精製水 残量
下記成分(1)~(10)、これとは別に下記成分(11)~(14)及び(16)を75℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(15)を加え、乳液を調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ種子油 1.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)ベヘニルアルコール 1.0%
(4)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 2.0%
(5)テトラグリセリン縮合リシノレイン酸 0.1%
(6)モノオレイン酸プロピレングリコール 0.5%
(7)モノステアリン酸グリセリル 1.0%
(8)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 1.0%
(9)モノミリスチン酸デカグリセリル 0.5%
(10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1%
(11)ベルゲニアリグラタ根エキス 0.005%
(12)抽出物3(タモギタケエキス) 0.005%
(13)1,3-ブチレングリコール 3.0%
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
(15)香料 0.1%
(16)精製水 残量
(配合例4)クレンジングジェル
下記成分(1)~(3)、これとは別に下記成分(4)~(8)及び(10)を70℃に加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて均一になるまで攪拌する。攪拌しながら、50℃まで冷却し、成分(9)を加えてクレンジングジェルを調製した。
(成分) (重量%)
(1)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 20.0%
(2)流動パラフィン 59.7%
(3)パラオキシ安息香酸エステル 0.3%
(4)抽出物28 (マコンブエキス) 0.05%
(5)ホホバ葉エキス 0.001%
(6)フトモモ葉エキス 0.005%
(7)濃グリセリン 5.0%
(8)ソルビトール 5.0%
(9)香料 0.1%
(10)精製水 残量
下記成分(1)~(3)、これとは別に下記成分(4)~(8)及び(10)を70℃に加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて均一になるまで攪拌する。攪拌しながら、50℃まで冷却し、成分(9)を加えてクレンジングジェルを調製した。
(成分) (重量%)
(1)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 20.0%
(2)流動パラフィン 59.7%
(3)パラオキシ安息香酸エステル 0.3%
(4)抽出物28 (マコンブエキス) 0.05%
(5)ホホバ葉エキス 0.001%
(6)フトモモ葉エキス 0.005%
(7)濃グリセリン 5.0%
(8)ソルビトール 5.0%
(9)香料 0.1%
(10)精製水 残量
(配合例5)パック剤
下記成分(1)~(8)及び(13)を70℃に加熱溶解しA液とし、(10)~(12)を混合してB液とする。B液をA液に混合した後、冷却し(9)を均一に分散してパックを調製した。
(成分) (重量%)
(1)ポリビニルアルコール 20.0%
(2)グリセリン 5.0%
(3)カオリン 6.0%
(4)抽出物1(ラベンダー花エキス) 0.005%
(5)抽出物5(ヤグルマギク花エキス) 0.005%
(6)カニナバラ果実エキス 0.005%
(7)コメヌカエキス 0.005%
(8)クインスシードエキス 0.1%
(9)塩化ベンザルコニウム 20.0%
(10)エタノール 20.0%
(11)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(12)香料 0.1%
(13)精製水 残量
下記成分(1)~(8)及び(13)を70℃に加熱溶解しA液とし、(10)~(12)を混合してB液とする。B液をA液に混合した後、冷却し(9)を均一に分散してパックを調製した。
(成分) (重量%)
(1)ポリビニルアルコール 20.0%
(2)グリセリン 5.0%
(3)カオリン 6.0%
(4)抽出物1(ラベンダー花エキス) 0.005%
(5)抽出物5(ヤグルマギク花エキス) 0.005%
(6)カニナバラ果実エキス 0.005%
(7)コメヌカエキス 0.005%
(8)クインスシードエキス 0.1%
(9)塩化ベンザルコニウム 20.0%
(10)エタノール 20.0%
(11)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(12)香料 0.1%
(13)精製水 残量
本発明においては、複数の天然素材由来の抽出物および発酵物が、VL/BL照射による皮膚の酸化ストレス、炎症、シミやシワなどの老化を抑制する効果があることを確認した。また、VL/BLと紫外線は波長が近いことから、これらの光が皮膚老化へ与える影響も類似しており、上記の抽出物および発酵物が、紫外線照射による皮膚への悪影響を同様に緩和する効果も期待できると考えられる。最後に、本発明における抽出物および発酵物を含有する皮膚外用剤は、主に太陽光線中のVL/BLや紫外線照射による皮膚の酸化ストレス、炎症、老化抑制剤として有用であると考えられる。
Claims (2)
- ラベンダー、ローズマリー、タモギタケ、オウゴン、ヤグルマギク、ヨモギ、ニガヨモギ、マンゴスチン、アサイヤシ、カラスムギ、オオグルマ、セイヨウノコギリソウ、ダマスクバラ、ブドウ、カミツレ、ナンキョウソウ、ケンフェリアパルビフロラ(黒ショウガ)、キハダ、ダイズ、マグワ、ナンバンサイカチ、アズキ、ボタン、ウンシュウミカン、シソ、海藻(アカバギンナンソウやマコンブ)、アセロラから得られる抽出物およびアセロラ、クインスシードおよび海藻(アカバギンナンソウ、マコンブおよびアナアオサ)から得られる発酵物より選ばれる1種又は2種以上の抽出物もしくは発酵物を含有することを特徴とするバイオレットライト、ブルーライトおよび紫外線による皮膚の酸化ストレス、炎症、老化の予防・改善剤。
- 請求項第1項に記載の皮膚の酸化ストレス、炎症、老化の予防・改善剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020183946A JP2022065588A (ja) | 2020-10-15 | 2020-10-15 | バイオレットライト、ブルーライトおよび紫外線による皮膚の酸化ストレス、炎症、老化の改善・予防剤、皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020183946A JP2022065588A (ja) | 2020-10-15 | 2020-10-15 | バイオレットライト、ブルーライトおよび紫外線による皮膚の酸化ストレス、炎症、老化の改善・予防剤、皮膚外用剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022065588A true JP2022065588A (ja) | 2022-04-27 |
Family
ID=81386190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020183946A Pending JP2022065588A (ja) | 2020-10-15 | 2020-10-15 | バイオレットライト、ブルーライトおよび紫外線による皮膚の酸化ストレス、炎症、老化の改善・予防剤、皮膚外用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022065588A (ja) |
-
2020
- 2020-10-15 JP JP2020183946A patent/JP2022065588A/ja active Pending
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