JP2022062956A - 積層フィルムの袋の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーヨン紙とポリエチレンフィルムとの積層フィルムの袋を工業的に量産できる製造方法等を提供する。
【解決手段】レーヨン紙と、ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを、前記ポリエチレンフィルムの層を内側として向かい合わせるように半折した帯状の折曲フィルム21とする折曲工程と、折曲フィルム21の搬送方向(X方向)に対して交差する方向(Y方向)で折曲フィルム21の帯状を横断するように、折曲フィルム21の内側を溶着させる第一の溶着部221と、第一の溶着部221に隣接する裁断部23と、裁断部23を挟んで第一の溶着部221と反対側に第二の溶着部222とを設けて袋状に成形する溶着裁断工程と、を有する袋52の製造方法。
【選択図】 図7
【解決手段】レーヨン紙と、ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを、前記ポリエチレンフィルムの層を内側として向かい合わせるように半折した帯状の折曲フィルム21とする折曲工程と、折曲フィルム21の搬送方向(X方向)に対して交差する方向(Y方向)で折曲フィルム21の帯状を横断するように、折曲フィルム21の内側を溶着させる第一の溶着部221と、第一の溶着部221に隣接する裁断部23と、裁断部23を挟んで第一の溶着部221と反対側に第二の溶着部222とを設けて袋状に成形する溶着裁断工程と、を有する袋52の製造方法。
【選択図】 図7
Description
本発明は積層フィルムの袋の製造方法に関する。積層フィルムは、レーヨン紙とポリエチレンフィルムとの積層フィルムであり、光沢性などの優れた外観を有する。
レーヨン紙は、木材パルプを主原料として製造される化学繊維であるレーヨンが抄き込まれた紙状の薄膜である。レーヨン紙は、光沢感が優れることなどから、各種包装材等にも利用されている。
レーヨン紙は種々の製造方法が検討されている。例えば、特許文献1は、レーヨン繊維を主原料とし、湿式法によって不織布あるいは紙状物を製造するに当り、該原料繊維を水に可溶化させた所定の式で示される化合物の酸中和塩を使用して処理した後、水中に分散させることを特徴とする不織布あるいは紙状物の製造法を開示している。また、特許文献2は、レーヨン繊維又はパルプを含有するレーヨン繊維をビスコースを酸処理して得られるセルロースによって結合してなるレーヨン紙を開示している。
また、レーヨン紙にさらなる機能性を付与するために、特許文献3は、レーヨン紙の一面側に、直接又は一若しくは二以上の中間層を挟んで、アルミ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム又はシリカ蒸着フィルムを積層させてなることを特徴とする化粧紙を開示している。
特許文献1~3のようなレーヨン紙を用いたものは、その光沢感を活かした用途に用いられている。しかし、レーヨン紙は、熱可塑性樹脂のフィルムに準じるような厚みを有している一方で、溶着処理などは行えず袋などへの成形加工性が低い。このため、一般的にレーヨン紙は装飾的な包装紙として用いられたり、接着剤などで接着させるため連続成形などが行いにくかった。
係る状況下、本発明者らは、レーヨン紙の光沢等を維持したまま、多様な大きさの袋を提供することを検討するにあたって、ポリオレフィン系フィルムであるポリエチレンフィルムとの積層シートの加工を検討した。本発明の目的は、レーヨン紙とポリエチレンフィルムとの積層フィルムの袋を工業的に量産できる製造方法等を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> レーヨン紙と、ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを、前記ポリエチレンフィルムの層を内側として向かい合わせるように半折した帯状の折曲フィルムとする折曲工程と、
前記折曲フィルムの搬送方向に対して交差する方向で前記折曲フィルムの帯状を横断するように、前記折曲フィルムの内側を溶着させる第一の溶着部と、前記第一の溶着部に隣接する裁断部と、前記裁断部を挟んで前記第一の溶着部と反対側に第二の溶着部とを設けて袋状に成形する溶着裁断工程と、を有する袋の製造方法。
<2> 前記折曲工程において、前記積層フィルムのロールの軸心が鉛直方向に沿って配置されて搬送され、前記ロールから送り出された前記積層フィルムが前記搬送方向に向かって幅が狭まる三角板に当接しながら前記積層フィルムの辺を重ね合わせるように折り曲げるものである前記<1>に記載の製造方法。
<3> 前記溶着裁断工程の前に、前記折曲フィルムの折曲部と対向する位置に、開口部を設ける、または、持手部を取り付ける持手加工工程を有する、前記<1>または<2>に記載の製造方法。
<4> 前記折曲工程の前に、前記積層フィルムの搬送方向に対して直交する幅方向の端部を、前記ポリエチレンフィルム層が内側となるように折り曲げて、前記積層フィルムが複数の層にわたって重ね合わせられた補強部とする補強部折曲工程を有する、前記<1>~<3>のいずれかに記載の製造方法。
<5> 前記折曲工程において、前記積層フィルムの搬送方向に対して直交する幅方向の中央部を、前記ポリエチレンフィルム層が内側となるように折り曲げて、前記積層フィルムが複数の層にわたって重ね合わせられた底部とする底部折曲工程を有する、前記<1>~<4>のいずれかに記載の製造方法。
前記折曲フィルムの搬送方向に対して交差する方向で前記折曲フィルムの帯状を横断するように、前記折曲フィルムの内側を溶着させる第一の溶着部と、前記第一の溶着部に隣接する裁断部と、前記裁断部を挟んで前記第一の溶着部と反対側に第二の溶着部とを設けて袋状に成形する溶着裁断工程と、を有する袋の製造方法。
<2> 前記折曲工程において、前記積層フィルムのロールの軸心が鉛直方向に沿って配置されて搬送され、前記ロールから送り出された前記積層フィルムが前記搬送方向に向かって幅が狭まる三角板に当接しながら前記積層フィルムの辺を重ね合わせるように折り曲げるものである前記<1>に記載の製造方法。
<3> 前記溶着裁断工程の前に、前記折曲フィルムの折曲部と対向する位置に、開口部を設ける、または、持手部を取り付ける持手加工工程を有する、前記<1>または<2>に記載の製造方法。
<4> 前記折曲工程の前に、前記積層フィルムの搬送方向に対して直交する幅方向の端部を、前記ポリエチレンフィルム層が内側となるように折り曲げて、前記積層フィルムが複数の層にわたって重ね合わせられた補強部とする補強部折曲工程を有する、前記<1>~<3>のいずれかに記載の製造方法。
<5> 前記折曲工程において、前記積層フィルムの搬送方向に対して直交する幅方向の中央部を、前記ポリエチレンフィルム層が内側となるように折り曲げて、前記積層フィルムが複数の層にわたって重ね合わせられた底部とする底部折曲工程を有する、前記<1>~<4>のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、レーヨン紙とポリエチレンフィルムとの積層フィルムの袋を工業的に量産することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
[本発明の袋の製造方法]
本発明の袋の製造方法は、レーヨン紙と、ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを、前記ポリエチレンフィルムの層を内側として向かい合わせるように半折した帯状の折曲フィルムとする折曲工程と、前記折曲フィルムの搬送方向に対して交差する方向で前記折曲フィルムの帯状を横断するように、前記折曲フィルムの内側を溶着させる第一の溶着部と、前記第一の溶着部に隣接する裁断部と、前記裁断部を挟んで前記第一の溶着部と反対側に第二の溶着部とを設けて袋状に成形する溶着裁断工程と、を有する。本発明によれば、積層フィルムの袋を工業的に量産することができる。
本発明の袋の製造方法は、レーヨン紙と、ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを、前記ポリエチレンフィルムの層を内側として向かい合わせるように半折した帯状の折曲フィルムとする折曲工程と、前記折曲フィルムの搬送方向に対して交差する方向で前記折曲フィルムの帯状を横断するように、前記折曲フィルムの内側を溶着させる第一の溶着部と、前記第一の溶着部に隣接する裁断部と、前記裁断部を挟んで前記第一の溶着部と反対側に第二の溶着部とを設けて袋状に成形する溶着裁断工程と、を有する。本発明によれば、積層フィルムの袋を工業的に量産することができる。
本発明の製造方法は、折曲工程と、溶着裁断工程とを行う。例えば、図1は折曲工程の一例を説明するための図である。また、図5は溶着裁断工程の一例を説明するための図である。これらの工程を適宜組み合わせて行うことで本発明の製造方法を行うことができる。
[折曲工程]
図1は、本発明の製造方法に係る折曲工程を説明するための概要図である。レーヨン紙11とポリエチレンフィルム12との積層フィルム20を搬送方向(X方向)に搬送しながら折り曲げて折曲フィルム21とする。図1において、X方向は帯状の積層フィルム20、折曲フィルム21の搬送方向である。図1左(図1(a))のX方向の進行方向である左から右に向けて、積層フィルム20は搬送される。Y方向は、X方向と水平方向で直交する向きである。積層フィルム20はY方向の手前がレーヨン紙11であり、奥がポリエチレンフィルム12である。
図1は、本発明の製造方法に係る折曲工程を説明するための概要図である。レーヨン紙11とポリエチレンフィルム12との積層フィルム20を搬送方向(X方向)に搬送しながら折り曲げて折曲フィルム21とする。図1において、X方向は帯状の積層フィルム20、折曲フィルム21の搬送方向である。図1左(図1(a))のX方向の進行方向である左から右に向けて、積層フィルム20は搬送される。Y方向は、X方向と水平方向で直交する向きである。積層フィルム20はY方向の手前がレーヨン紙11であり、奥がポリエチレンフィルム12である。
ロール3からX方向に送り出された積層フィルム20が搬送方向であるX方向に向かって徐々に幅が狭まる三角板31に当接しながら積層フィルム20の図1における上端の辺と下端の辺とを重ね合わせるように折り曲げる。折り曲げにより、積層フィルムの搬送方向が変わり、折り曲げられた積層フィルム20は、図1左(図1(a))に示すY方向の進行方向である奥向きに向かって搬送される。これにより、ポリエチレンフィルム12の層を内側として向かい合わせるように半折して、帯状の折曲フィルム21とする。図1の右(図1(b))は、折曲フィルム21を別の角度からみた斜視図であり、図1(b)において左から右にむけて折り曲げ後の搬送方向となるY方向である。
図2は、図1の折曲工程を、Z方向から見下ろすように平面視した図である。ロール3から送り出されたレーヨン紙11とポリエチレンフィルム12との積層フィルム20は、三角板31に当接してポリエチレンフィルム12を内側とするように折り曲げられて半折される。この折り曲げに伴い、X方向から、Y方向に搬送方向の向きが変わる。
積層フィルム20のロール3は、軸心が鉛直方向に沿って配置される。一般的には、ロール3は、積層フィルム20を巻き取ったロールである。一般的にロール3からフィルムを搬送するときは、ロール3の軸心が水平方向に配置される。これは、積層フィルム20をロール状に巻き取るときに負荷を均一にするためや、保管時などの巻ずれを防止するためである。また、ロール3から搬送するときもそのままロール3の軸心を水平に配置したまま搬送される。
しかし、積層フィルム20は、レーヨン紙11とポリエチレンフィルム12を積層したもので表面と裏面とで物性が異なり、三角板で向きが変わる搬送を行う。また、詳しくは後述する中間処理や、溶着裁断などを適宜行う。これらの多様な工程等により、水平搬送すると製袋時にシワが入りやすことが分かった。このシワの解消のために、意外にもロール3の軸心方向を鉛直方向に沿わせて配置して操作を行うと、三角板31までの搬送間に、積層フィルム20は鉛直方向(Z方向)に面が沿ったものとなり、重力が積層フィルム20を引き延ばし、シワを解消することができる。これにより折曲フィルム21以後もシワが低減し、得られる袋もシワが抑制される。このため、ロール3の軸心を鉛直方向に沿うものとすることが好ましい。
[積層フィルム20]
積層フィルム20は、レーヨン紙11と、ポリエチレンフィルム12とを積層したフィルムである。レーヨン紙11は、レーヨンの繊維を含む紙状の不織布である。レーヨン紙の厚みは、例えば10~150μm程度の厚みのものを用いることができる。レーヨン紙は、レーヨンのみからなるもので無くてもよく、適宜パルプを30%以下程度含有し、レーヨンを70%以上で混合したものなどを用いることができる。
積層フィルム20は、レーヨン紙11と、ポリエチレンフィルム12とを積層したフィルムである。レーヨン紙11は、レーヨンの繊維を含む紙状の不織布である。レーヨン紙の厚みは、例えば10~150μm程度の厚みのものを用いることができる。レーヨン紙は、レーヨンのみからなるもので無くてもよく、適宜パルプを30%以下程度含有し、レーヨンを70%以上で混合したものなどを用いることができる。
また、ポリエチレンフィルム12は、例えば10~150μm程度の厚みのものを用いることができる。これらの積層手段は、その間に接着剤層を設けて接着させたり、これらを積層させて加熱や加圧することで一体化させたものなどを用いることができる。積層フィルム20において、ポリエチレンフィルム12の層は一方の面として、他方の面はレーヨン紙11とする。これにより、レーヨン紙11側の成形性等を解消する必要があるが、本発明によって袋状に成形できる。また、レーヨン紙11の層が維持されているため、光沢が優れている。
図3は、本発明の製造方法に係る折曲工程の他の加工工程の例を説明するための概要図である。この構成は、図1、2に示す加工工程に準じるものである。ここでは、三角板31に代えて三角板32を用いる。なお、三角板32は図3(a)に示す向きで見たとき三角形ではなく台形でX方向の先端は平らな台形状であるが、その外接形状は三角であり、積層フィルム20を折り曲げるためのものであるため、三角板と呼ぶ。
三角板32の先端となる部分には、底部を折り込むためのガゼット部41を有する。これにより、折曲工程において、積層フィルム20の搬送方向に対して直交する幅方向(Y方向)の中央部を、折曲フィルムにおける内側となるようにガゼット加工により折り曲げて、積層フィルム20が複数の層にわたって重ね合わせられた底部26(図5参照)とする底部折曲工程を行う。これにより、底部を有する折曲フィルム211となる。
図4は、本発明の製造方法に係る折曲工程の他の加工工程の例を説明するための概要図である。この構成は、図1~3、特に図3に示す加工工程を行うための装置構成に準じるものである。この構成では、三角板32の手前に、ガセット部401、402を、積層フィルム20の各端部に配置している。
このガセット部401、402により、三角板32を介して行われる折曲工程の前に、積層フィルム20の搬送方向X方向に対して直交する幅方向であるZ方向の端部を、ポリエチレンフィルム12が内側となるように折り曲げて、積層フィルム20が複数の層にわたって重ね合わせられた補強部25(図5参照)とする補強部折曲工程を有するものとすることができる。
図5は、積層フィルム20の折曲形状と折曲フィルム210、212のガセット加工の例を説明するための概要図である。図5では、折り曲げられた積層フィルム20の端部側を開いた状態で、折曲状態を把握しやすいように模式的に示している。図5(a)は、積層フィルム20を中央から単に折り曲げた折曲フィルム21を示す図である。この状態で、ポリエチレンフィルム12(図1、図8等参照)が内側を向いているため、加熱溶着等すれば、任意の位置で接着させることができる。
図5(b)は、図4で示すようなガゼット部401、402により、積層フィルムの端部を内側に折り込んだ形状である。このように折り曲げることで、補強部25を形成したものである。図5(c)は、さらに、積層フィルムの中央を内側にさらに折り込むことで、底部26を形成したものである。
このように、図1~図5に示すように、適宜、底部26や、補強部25も含むように折り曲げられた折曲フィルム(21、210、211、212)は、図4に示すような装置構成で加工される。図4では、補強部25(図5)、底部26(図5)を有する折曲が行われている折曲フィルム212について、スリット部42や、口折部43、底マチ部44、ダンサー部45、中間処理装置46で加工される。これらのスリット部42や、口折部43、底マチ部44、ダンサー部45、中間処理装置46は、製造する袋の種類や積層フィルムの種類などに応じて、適したものを採用することができ、これらの一部のみを有するものとしたり、並び替えたり、製袋技術に用いられている他の構成を採用することもできる。
スリット部42は、原反である積層フィルム20を半折した後の折曲フィルム212等について、その開口側にスリット刃を当てて耳部を切り落とし、両端をそろえる部分である。口折部43は、原反となるスリット後の折曲フィルム212等の開口側を内側に折り返し、口部を2重にすることで強度を向上させる部分である。
底マチ部44は、原反である口折等を行った折曲フィルムの底側を内側に折り返し、袋に奥行を持たせる部分である。ダンサー部45は、原反掛け~底マチ部(機構)までの連続方式と、小判抜きや縦シール・テープハンドルなどのオプションを付ける部分の間欠方式との、動きや搬送速度が異なる場合があるため、搬送速度の調整を行う部分である。
中間処理装置46は、袋に加工するための各種部材の取り付けや、切り取りなどを行うための装置である。中間処理装置46は、U字抜きや、小判抜き、ループハンドル、ラインシール、底Vシール、Vカットなどの加工を行うものとすることができる。これにより、溶着裁断工程の前に、折曲フィルムの折曲部と対向する位置に、開口部を設けたり、持手部を取り付ける持ち手加工工程を行うことができる。
[溶着裁断工程]
図1~5等を参照して説明したように、適宜持ち手加工された折曲フィルムは、溶断裁断工程により袋に加工される。図6は、本発明の製造方法に係る溶着裁断工程を説明するための概要図である。この工程では、搬送方向X方向に、小判抜きにより楕円状の開口部241を設けた折曲フィルム211、を溶着器61、62と、裁断器63とで、溶着裁断することで、袋51を製造する。溶着器61、62は、ヒートシールにより溶着させる器具のヒートシールの接触部分である。折曲フィルム211は前述のように、ポリエチレンフィルムの層を内側として向かい合わせるように折り曲げているため、ヒートシールにより接着させることができる。なお、一般的には裁断器63に相当する構成も、ポリエチレンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムであれば、溶断とすることができ、温度差や接触時間などにより、溶着と溶断を使い分けることができるため効率がよいと考えられるが、本発明の対象となる積層フィルムは、レーヨン紙を積層していることから、溶断ができない。
図1~5等を参照して説明したように、適宜持ち手加工された折曲フィルムは、溶断裁断工程により袋に加工される。図6は、本発明の製造方法に係る溶着裁断工程を説明するための概要図である。この工程では、搬送方向X方向に、小判抜きにより楕円状の開口部241を設けた折曲フィルム211、を溶着器61、62と、裁断器63とで、溶着裁断することで、袋51を製造する。溶着器61、62は、ヒートシールにより溶着させる器具のヒートシールの接触部分である。折曲フィルム211は前述のように、ポリエチレンフィルムの層を内側として向かい合わせるように折り曲げているため、ヒートシールにより接着させることができる。なお、一般的には裁断器63に相当する構成も、ポリエチレンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムであれば、溶断とすることができ、温度差や接触時間などにより、溶着と溶断を使い分けることができるため効率がよいと考えられるが、本発明の対象となる積層フィルムは、レーヨン紙を積層していることから、溶断ができない。
本発明の溶断工程では、溶着器61、62の間に裁断器63を配置する。溶着器61は、第一の溶着部を設けるために溶着する器具である。溶着器62は、第二の溶着部を設けるために溶着する器具である。この裁断器63は、折曲フィルム211の帯状部を横断して切断する器具である。裁断器63は裁断できればよく、ギロチンカッターやフライングカッターなどを採用することができる。このような鋭利な刃物などによる物理的な切断機構により、レーヨン紙を有していても切断でき、袋51を得ることができる。袋51は折曲フィルム211を用いているため、底部26(図2、5参照)を有しており、使用時に幅広の底部とすることができる。
図7は、本発明の製造方法に係る他の溶着裁断工程を説明するための概要図である。ここでは、折曲フィルム21に、ループハンドル状の持手部242を取り付けたものである。第一の溶着部である溶着部221と、その横に裁断部23と、さらにその横に第二の溶着部である溶着部222を設ける加工を連続して行うことで、連続して、袋52を得ることができる。
図8は、本発明の製造方法により製造される袋の例を説明するための概要図である。ここでは図7で製造された袋52の図7におけるY方向の上側の開口部を広げて、袋の内側を覗き込むような状態で見た状態である。袋52は、レーヨン紙11と、ポリエチレンフィルム12を積層した積層フィルム20を用いて成形されている。袋52は、内側に積層フィルム20のポリエチレンフィルム12を配置し、外側にレーヨン紙11を配置している。ポリエチレンフィルム12の層と、ポリエチレン樹脂製のループハンドルの持手部242を熱溶着により取り付けている。さらに、右側の端部は裁断部23で裁断され、それよりも内側は溶着部221により折り曲げられ向き合っている折曲フィルム21のポリエチレンフィルム12が溶着されている。同様に、図8の左端では、端部は裁断部23で裁断され、溶着部222が溶着されている。
[製造例]
以下の構成の積層フィルム(1)を用いて製造試験を行った。
・レーヨン紙(1):丸林製紙レーヨン紙 30g/m2を用いた。
・ポリエチレンフィルム(1):厚み30μmとなるようにインフレーション成形により製造したフィルムを用いた。
・積層フィルム(1):レーヨン紙(1)と、ポリエチレンフィルム(1)とを重ね合わせて、加圧接着させて、積層フィルム(1)とした。積層フィルムの厚みは約80μmである。
以下の構成の積層フィルム(1)を用いて製造試験を行った。
・レーヨン紙(1):丸林製紙レーヨン紙 30g/m2を用いた。
・ポリエチレンフィルム(1):厚み30μmとなるようにインフレーション成形により製造したフィルムを用いた。
・積層フィルム(1):レーヨン紙(1)と、ポリエチレンフィルム(1)とを重ね合わせて、加圧接着させて、積層フィルム(1)とした。積層フィルムの厚みは約80μmである。
積層フィルム(1)を、図4に示す装置に準じる構成の装置で折曲加工と補強部折曲工程、持手部加工工程を行った。さらに、図6に示すような流れに準じて、小判抜きによる持ち手部を設け、さらに溶着裁断工程を行った。これにより効率よく、袋を量産することができた。
図9~図11は、製造例により製造された袋を撮像した像である。図9は袋を正面視した像である。幅wが約40cm、高さhが約30cmの袋である。図9における上側が開口部となっている。図9の下側が底部側となっている。
図10は、この製造例により製造された袋の溶着部および裁断部を拡大した像である。溶着部は、裁断部よりも約1cm内側に設けられている。図11は、製造例により製造された袋の一部を拡大して撮像した像である。図11(a)は持ち手部付近を拡大した像であり、図11(b)は面状部の中央付近を拡大した像である。この袋は、レーヨン紙特有の高級な紙の質感の光沢を有した外観であり、印刷も行うことができ印刷した文字は和紙に印刷したような風合いを奏することができる。
このように、本発明によれば、レーヨン紙を積層した積層フィルムの袋を製造することができるが、この袋の製造方法は、連続して製造でき大量生産に適している。また、積層フィルムの幅や、搬送速度、底部や補強部の折り込みの程度を調節して、成形される袋の幅や高さなどの大きさを変更した製造も行いやすく、大型の袋や、小型の袋など、設計自由度が高い製造ができる。
本発明は、レーヨン紙を用いた袋の量産に利用することができ、産業上有用である。
11 レーヨン紙
12 ポリエチレンフィルム
20 積層フィルム
21、210、211、212 折曲フィルム
221、222 溶着部
23 裁断部
241 開口部
242 持手部
25 補強部
26 底部
3 ロール
30、31 三角板
401、402、41 ガセット部
42 スリット部
43 口折部
44 底マチ部
45 ダンサー部
46 中間処理装置
51 袋
61、62 溶着器
63 裁断器
12 ポリエチレンフィルム
20 積層フィルム
21、210、211、212 折曲フィルム
221、222 溶着部
23 裁断部
241 開口部
242 持手部
25 補強部
26 底部
3 ロール
30、31 三角板
401、402、41 ガセット部
42 スリット部
43 口折部
44 底マチ部
45 ダンサー部
46 中間処理装置
51 袋
61、62 溶着器
63 裁断器
Claims (5)
- レーヨン紙と、ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを、前記ポリエチレンフィルムの層を内側として向かい合わせるように半折した帯状の折曲フィルムとする折曲工程と、
前記折曲フィルムの搬送方向に対して交差する方向で前記折曲フィルムの帯状を横断するように、前記折曲フィルムの内側を溶着させる第一の溶着部と、前記第一の溶着部に隣接する裁断部と、前記裁断部を挟んで前記第一の溶着部と反対側に第二の溶着部とを設けて袋状に成形する溶着裁断工程と、を有する袋の製造方法。 - 前記折曲工程において、前記積層フィルムのロールの軸心が鉛直方向に沿って配置されて搬送され、前記ロールから送り出された前記積層フィルムが前記搬送方向に向かって幅が狭まる三角板に当接しながら前記積層フィルムの辺を重ね合わせるように折り曲げるものである請求項1に記載の製造方法。
- 前記溶着裁断工程の前に、前記折曲フィルムの折曲部と対向する位置に、開口部を設ける、または、持手部を取り付ける持手加工工程を有する、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記折曲工程の前に、前記積層フィルムの搬送方向に対して直交する幅方向の端部を、前記ポリエチレンフィルムの層が内側となるように折り曲げて、前記積層フィルムが複数の層にわたって重ね合わせられた補強部とする補強部折曲工程を有する、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記折曲工程において、前記積層フィルムの搬送方向に対して直交する幅方向の中央部を内側に配置させるように折り込んで、前記積層フィルムが複数の層にわたって重ね合わせられた底部を設ける底部折曲工程を有する、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
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JP2020171185A JP2022062956A (ja) | 2020-10-09 | 2020-10-09 | 積層フィルムの袋の製造方法 |
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2020
- 2020-10-09 JP JP2020171185A patent/JP2022062956A/ja active Pending
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