JP2022057657A - 研磨パッド、及び研磨加工物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被研磨物に良好な面品位を付与することができる研磨パッドを提供する。
【解決手段】研磨層とクッション層とを備える研磨パッドであって、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の圧縮モード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であり、前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である、研磨パッド。
【選択図】図1
【解決手段】研磨層とクッション層とを備える研磨パッドであって、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の圧縮モード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であり、前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である、研磨パッド。
【選択図】図1
Description
本発明は、研磨パッド、及び研磨加工物の製造方法に関する。
レンズ、平行平面板、及び反射ミラーのような光学材料、半導体ウェハ、半導体デバイス、並びにハードディスク用基板等の材料に対して、研磨パッドを用いた研磨加工が行われる。その中でも、半導体ウェハ上に酸化物層及び/又は金属層等が形成された半導体デバイスの研磨加工において、特に、平坦性が要求される。
これまでに、被研磨物の研磨表面の平坦性を向上させること等を目的として、様々な研磨パッドが開発されている。例えば、特許文献1には、研磨層の貯蔵弾性率E’の30℃における値と90℃における値との比が約1~3.6である、半導体デバイス又はその前駆体の表面を平坦化するための研磨パッドが開示されている。特許文献1によれば、そのような研磨パッドは、低い弾性回復を有するとともに、多くの公知の研磨パッドと対比して顕著な非弾性を呈することが開示されている。
特許文献2には、少なくとも0.1容量%の気孔率、40℃及び1rad/secで385~750(1/Pa)のエネルギー損失係数KELならびに40℃及び1rad/secで100~400(MPa)の弾性率E’を有するポリマー材料を含む研磨パッドが開示されている。特許文献2によれば、そのような研磨パッドは、半導体基材を平坦化するのに有用であることが開示されている。
ところで、上記特許文献1及び2は、面品位の評価として、ディッシングと呼ばれる主に幅広配線パターンで配線断面が皿状にくぼむ現象に起因するものと、エロージョンと呼ばれる主に微細配線部で銅等と共に絶縁膜が削れてしまう現象に起因するものを改善することを目的としている。しかしながら、面品位の評価には、上記のほか、例えば、研磨により生じるディフェクトやスクラッチの低減なども含まれる。
上記特許文献1及び2は、ディッシング及びエロージョンの改善を目的として研磨層の構成を規定するものであるが、クッション層と研磨層とを備える研磨パッドにおいては、研磨層の構成のみを規定しても、クッション層の組み合わせによっては、被研磨物の研磨表面において十分にパッド屑や研磨屑等による被研磨物の欠陥(ディフェクト)やスクラッチ(研磨傷)を低減できないことが分かってきた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、面品位の良好な被研磨物を与えることのできる研磨パッド及びそれを用いた研磨加工物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究をした結果、研磨層とクッション層とを備える研磨パッドであって、圧縮モードの動的粘弾性測定における貯蔵弾性率と曲げモードの動的粘弾性測定における貯蔵弾性率との比が所定の範囲にあり、かつ、曲げモードの動的粘弾性測定における損失係数tanδが所定の条件を満たす研磨パッド及びそれを用いた研磨加工物の製造方法が、上記課題を解決しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
研磨層とクッション層とを備える研磨パッドであって、
乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の圧縮モード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であり、
前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である、
研磨パッド。
〔2〕
前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の90℃における貯蔵弾性率E’B90に対する、30℃における貯蔵弾性率E’B30の比E’B30/E’B90が8.0以上16.0以下である、
〔1〕に記載の研磨パッド。
〔3〕
前記クッション層の密度が、0.10g/cm3以上0.60g/cm3以下であり、
前記クッション層の圧縮率が、3.0%以上30.0%以下である、
〔1〕又は〔2〕に記載の研磨パッド。
〔4〕
前記研磨層の密度が、0.60g/cm3以上1.1g/cm3以下であり、
前記研磨層の圧縮率が、0.1%以上3.0%以下である、
〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の研磨パッド。
〔5〕
前記研磨層のショアD硬度が、40以上80以下である、
〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の研磨パッド。
〔6〕
前記研磨層の厚さに対する前記クッションの厚さの比が、0.50以上2.0以下である、
〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の研磨パッド。
〔7〕
前記研磨層は、ポリウレタン樹脂を含有する、
〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の研磨パッド。
〔8〕
〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の研磨パッドを用いて、被研磨物を研磨する研磨工程を有する、
研磨加工物の製造方法。
〔1〕
研磨層とクッション層とを備える研磨パッドであって、
乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の圧縮モード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であり、
前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である、
研磨パッド。
〔2〕
前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の90℃における貯蔵弾性率E’B90に対する、30℃における貯蔵弾性率E’B30の比E’B30/E’B90が8.0以上16.0以下である、
〔1〕に記載の研磨パッド。
〔3〕
前記クッション層の密度が、0.10g/cm3以上0.60g/cm3以下であり、
前記クッション層の圧縮率が、3.0%以上30.0%以下である、
〔1〕又は〔2〕に記載の研磨パッド。
〔4〕
前記研磨層の密度が、0.60g/cm3以上1.1g/cm3以下であり、
前記研磨層の圧縮率が、0.1%以上3.0%以下である、
〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の研磨パッド。
〔5〕
前記研磨層のショアD硬度が、40以上80以下である、
〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の研磨パッド。
〔6〕
前記研磨層の厚さに対する前記クッションの厚さの比が、0.50以上2.0以下である、
〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の研磨パッド。
〔7〕
前記研磨層は、ポリウレタン樹脂を含有する、
〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の研磨パッド。
〔8〕
〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の研磨パッドを用いて、被研磨物を研磨する研磨工程を有する、
研磨加工物の製造方法。
本発明によれば、面品位の良好な被研磨物を与えることのできる研磨パッド及びそれを用いた研磨加工物の製造方法を提供することを目的とする。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
[研磨パッド]
本実施形態の研磨パッドは、研磨層とクッション層とを備え、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の圧縮モード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であり、前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である。
本実施形態の研磨パッドは、研磨層とクッション層とを備え、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の圧縮モード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であり、前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である。
従来の研磨パッドは、研磨層のみについて物性が制御されることが多く、クッション層と研磨層とを含めた研磨パッド全体についての動的粘弾性と、被研磨物の面品位との関係についてはほとんど検討されてこなかった。
これに対して、本実施形態の研磨パッドは、研磨層とクッション層とを含む研磨パッド全体について測定される動的粘弾性測定の測定結果が所定の条件を満たすようにすることにより、被研磨物に良好な面品位を付与することができる。
(動的粘弾性測定)
動的粘弾性測定における測定モードとして、引張モード、曲げモード、及び圧縮モード等が知られている。本発明者らが鋭意研究した結果、曲げモードの測定結果と圧縮モードの測定結果が所定の関係にあり、かつ、曲げモードの測定結果が所定の条件を満たす場合、研磨層とクッション層との組み合わせが好適なものとなり、被研磨物に良好な面品位を付与することができることを見出した。
動的粘弾性測定における測定モードとして、引張モード、曲げモード、及び圧縮モード等が知られている。本発明者らが鋭意研究した結果、曲げモードの測定結果と圧縮モードの測定結果が所定の関係にあり、かつ、曲げモードの測定結果が所定の条件を満たす場合、研磨層とクッション層との組み合わせが好適なものとなり、被研磨物に良好な面品位を付与することができることを見出した。
すなわち、本実施形態の研磨パッドは、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の圧縮モード条件で行う動的粘弾性測定(以下、本測定を単に「圧縮モードの動的粘弾性測定」という。)の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の曲げモード条件で行う動的粘弾性測定(以下、本測定を単に「曲げモードの動的粘弾性測定」という。)の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であり、曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である。
本実施形態の研磨パッドは、圧縮モードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、曲げモードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であるため、研磨パッドの広範囲にかかる研磨圧力、及び研磨パッドが被研磨物の端部(エッジ)に当たる力(当たり方)のいずれに対してもバランスよく応答することができ、被研磨物に良好な面品位を付与することができると推測される。なお、研磨時の研磨パッドには、被研磨物(端部)に当たる部分とそうでなくなる部分が繰り返し生じる。研磨パッドが被研磨物の端部に当たる力に対する応答とは、このような局所的な曲げ方向に近い歪に対しても、過度な研磨圧がかかったり、あるいはへたることなく、被研磨物の端部への当たり方が良好となり、均一な研磨を行えることをいう。
更に、本実施形態の研磨パッドは、曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上であり、すなわち、高温側の温度領域において当該損失係数tanδが増大する。損失正接tanδは、貯蔵弾性率E’(弾性成分)に対する損失弾性率E’’(粘性成分)の比で表される値であり、測定条件下において、測定対象となる物質が示す弾性と粘性のバランスを示す指標である。したがって、高温側の温度領域において曲げモードの動的粘弾性測定における損失係数tanδが増大する本実施形態の研磨パッドは、研磨加工時に発生する熱に起因して粘性が相対的に強くなるよう変化する。これにより、ディフェクトやスクラッチの原因となるような砥粒、研磨屑、パッド屑を抱き込むことが可能となり、被研磨物に良好な面品位を付与することができると推測される。ただし、本実施形態の研磨パッドが被研磨物に良好な面品位を付与することができる要因は上記に限られない。
研磨パッドにおいて、比E’B40/E’C40は、3.0以上15.0以下である。研磨パッドの広範囲にかかる研磨圧力に対する応答性、及び局所的にかかる研磨圧力に対する応答性のバランスを一層向上させる観点から、比E’B40/E’C40は、好ましくは4.0以上12.5以下であり、より好ましくは5.0以上10.0以下である。
ここで、圧縮モードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40は、研磨層の物性よりもクッション層の物性の影響を受ける傾向にある一方、曲げモードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40は、クッション層の物性よりも研磨層の物性の影響を受ける傾向にある。したがって、貯蔵弾性率の小さいクッション層を用いると、比E’B40/E’C40が大きくなる傾向にあり、貯蔵弾性率の大きい研磨層を用いると、比E’B40/E’C40が大きくなる傾向にある。
研磨パッドの広範囲にかかる研磨圧力に対する応答性を高める観点から、圧縮モードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40は、好ましくは2.0MPa以上12.0MPa以下であり、より好ましくは3.0MPa以上10.0MPa以下であり、更に好ましくは4.0MPa以上9.0MPa以下である。
研磨パッドの局所的にかかる研磨圧力に対する応答性を高める観点から、曲げモードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40は、好ましくは25.0MPa以上55.0MPa以下であり、より好ましくは27.0MPa以上53.0MPa以下であり、更に好ましくは30.0MPa以上50.0MPa以下である。
研磨パッドにおいて、曲げモードの動的粘弾性測定における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40は、1.2以上であり、好ましくは1.4~2.5であり、より好ましくは1.6~2.2である。比tanδ70/tanδ40が上記範囲内であることにより、面品位がより向上する。なお、高温側において曲げモードの動的粘弾性測定における損失係数tanδの増加が大きい研磨層を用いることにより、研磨パッドについての上記損失係数tanδを上記の範囲内に制御することができる傾向にある。
なお、損失係数tanδ40は、好ましくは0.10~0.27であり、より好ましくは0.14~0.24であり、さらに好ましくは0.17~0.21である。また、損失係数tanδ70は、好ましくは0.25~0.43であり、より好ましくは0.28~0.40であり、さらに好ましくは0.31~0.37である。損失係数tanδ40と損失係数tanδ70が上記範囲内であることにより、面品位がより向上する傾向にある。
研磨加工時における研磨パッドの物性の変化を一層抑制する観点から、曲げモードの動的粘弾性測定の90℃における貯蔵弾性率E’B90に対する、30℃における貯蔵弾性率E’B30の比E’B30/E’B90は、好ましくは1.0以上8.0以下であり、より好ましくは2.0以上7.0以下であり、更に好ましくは3.0以上6.0以下である。なお、30℃~90℃の範囲において曲げモードの動的粘弾性測定における貯蔵弾性率E’の変動が小さい研磨層を用いることにより、研磨パッドにおける上記比E’B30/E’B90を上記の範囲内に制御することができる傾向にある。
本実施形態の動的粘弾性測定は、常法に従って行うことができる。なお、乾燥状態における動的粘弾性測定では、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽中に40時間保持した研磨パッドを測定用試料として用い、かつ、通常の大気雰囲気下(乾燥状態)で試料の測定を行う。このような測定が可能な動的粘弾性測定装置としては、例えば、TAインスツルメント社製の製品名「RSA3」等が挙げられる。その他の条件については、特に限定されるものではないが、例えば、実施例に記載の方法により測定することができる。
(研磨層)
研磨パッドが備える研磨層としては、研磨パッドにおける動的粘弾性測定の測定結果が上記の条件を満たす限り特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂を含有するものが挙げられる。
研磨パッドが備える研磨層としては、研磨パッドにおける動的粘弾性測定の測定結果が上記の条件を満たす限り特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂を含有するものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられる。研磨層は、これらのポリウレタン樹脂を、1種単独で又は2種以上含有していてもよい。
このなかでも、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、及びポリエーテル系ポリウレタン樹脂が好ましい。特に、ウレタンプレポリマーと硬化剤とを含む組成物の硬化物であるポリウレタン樹脂が好ましい。そのようなポリウレタン樹脂としては、ウレタンプレポリマーと硬化剤との硬化物であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
研磨層は、気泡を有するものが好ましい。研磨層が気泡を有する場合、気泡は複数の気泡が独立して存在する独立気泡と、複数の気泡が連通孔でつながっている連続気泡がある。この中でも、研磨層は独立気泡を有すると好ましい。なお、「主に独立気泡を有する」とは、ASTM規格(ASTM D2856)に準じて測定した独立気泡率が60%以上であることをいう。
研磨層の密度は、好ましくは0.60g/cm3以上1.1g/cm3以下であり、より好ましくは0.65g/cm3以上1.0g/cm3以下であり、更に好ましくは0.70g/cm3以上0.90g/cm3以下である。研磨層の密度が上記の範囲内にあることにより、上記貯蔵弾性率E’B40が一層好ましい範囲内になりやすい傾向にある。なお、研磨層の密度は、研磨層における気泡の割合を調整することで制御することができる。
研磨層の圧縮率は、好ましくは0.1%以上3.0%以下であり、より好ましくは0.3以上2.0%以下であり、更に好ましくは0.5%以上1.5%以下である。研磨層の圧縮率が上記の範囲内にあることにより、上記貯蔵弾性率E’B40が一層好ましい範囲内になりやすい傾向にある。なお、研磨層の圧縮率は、研磨層における気泡の割合を調整することで制御することができる。
なお、圧縮率の測定は、日本産業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器を用いて実施することができる。具体的には、無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さt0を測定し、次に、厚さt0の状態から最終圧力を5分間かけた後の厚さt1を測定することにより、以下の式から算出することができる。
圧縮率(%)=100×(t0-t1)/t0
圧縮率(%)=100×(t0-t1)/t0
研磨層の圧縮弾性率は、好ましくは60%以上95%以下であり、より好ましくは65%以上90%以下であり、更に好ましくは70%以上85%以下である。研磨層の圧縮弾性率が上記の範囲内にあることにより、被研磨物に一層良好な面品位を付与することができる傾向にある。なお、研磨層の圧縮弾性率は、研磨層における気泡の割合や研磨層の材料等を適宜調整、選択することで制御することができる。
なお、圧縮弾性率の測定は、日本産業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器を用いて実施することができる。具体的には、無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さt0を測定し、次に、厚さt0の状態から最終圧力を5分間かけた後の厚さt1を測定し、更に、厚さt1の状態から全ての荷重を除き、5分間放置(無荷重状態)とした後、再び初荷重を30秒間かけた後の厚さt0’を測定することにより、以下の式から算出することができる。
圧縮率(%)=100×(t0’-t1)/(t0-t1)
圧縮率(%)=100×(t0’-t1)/(t0-t1)
研磨層のショアD硬度は、好ましくは40以上80以下であり、より好ましくは45以上75以下であり、更に好ましくは50以上70以下である。研磨層のショアD硬度が上記の範囲内にあることにより、被研磨物に一層良好な面品位を付与することができると共に、スクラッチの発生を一層抑制することができる傾向にある。なお、研磨層の硬度は、研磨層における気泡の割合や研磨層の材料等を適宜調整、選択することで制御することができる。研磨層のショアD硬度は、日本産業規格(JIS K 7311)に従い、D型硬度計を用いて実施することができる。
研磨層の厚さは、特に限定されないが、0.50mm以上3.0mm以下であってもよく、0.70mm以上2.5mm以下であってもよく、0.90mm以上2.0mm以下であってもよい。研磨層の厚さは、後述するように、クッション層の厚さの比により調整されることが好ましい。
(クッション層)
研磨パッドが備えるクッション層としては、研磨パッドにおける動的粘弾性測定の測定結果が上記の条件を満たす限り特に限定されないが、例えば、研磨層に比べて高いクッション性を有するものが挙げられる。
研磨パッドが備えるクッション層としては、研磨パッドにおける動的粘弾性測定の測定結果が上記の条件を満たす限り特に限定されないが、例えば、研磨層に比べて高いクッション性を有するものが挙げられる。
クッション層の密度は、好ましくは研磨層の密度よりも低く、より好ましくは研磨層の密度よりも0.20g/cm3以上低く、更に好ましくは研磨層の密度よりも0.30g/cm3以上低い。また、クッション層の密度は、好ましくは0.10g/cm3以上0.60g/cm3以下であり、より好ましくは0.15g/cm3以上0.50g/cm3以下であり、更に好ましくは0.20g/cm3以上0.40g/cm3以下である。クッション層の密度が上記の範囲内にあることにより、クッション層のクッション性が一層向上し、被研磨物に一層良好な面品位を付与することができる傾向にある。
クッション層の圧縮率は、好ましくは研磨層の圧縮率よりも高く、より好ましくは研磨層の圧縮率よりも3.0%ポイント(パーセンテージポイント)以上高く、更に好ましくは研磨層の圧縮率よりも5.0%ポイント以上高い。また、クッション層の圧縮率は、好ましくは3.0%以上30.0%以下であり、より好ましくは4.0%以上25.0%以下であり、更に好ましくは5.0%以上20.0%以下である。クッション層の圧縮率が上記の範囲内にあることにより、クッション層のクッション性が一層向上し、被研磨物に一層良好な面品位を付与することができる傾向にある。
クッション層の圧縮弾性率は、好ましくは研磨層の圧縮弾性率よりも高く、より好ましくは研磨層の圧縮弾性率よりも5.0%ポイント以上高く、更に好ましくは研磨層の圧縮弾性率よりも7.0%ポイント以上高い。また、クッション層の圧縮弾性率は、好ましくは75%以上100%以下であり、より好ましくは80%以上99%以下であり、更に好ましくは85%以上99%以下である。クッション層の圧縮弾性率が上記の範囲内にあることにより、クッション層のクッション性が一層向上し、被研磨物に一層良好な面品位を付与することができる傾向にある。
クッション層のショアA硬度は、好ましくは15以上70以下であり、より好ましくは17以上65以下であり、更に好ましくは20以上60以下である。クッション層のショアA硬度が上記の範囲内にあることにより、被研磨物に一層良好な面品位を付与することができる傾向にある。なお、クッション層のショアA硬度は、日本産業規格(JIS K 7311)に従い、A型硬度計を用いて実施することができる。
クッション層の厚さは、特に限定されないが、0.50mm以上3.0mm以下であってもよく、0.80mm以上2.5mm以下であってもよく、1.0mm以上2.0mm以下であってもよい。研磨層の厚さに対するクッション層の厚さの比は、好ましくは0.50以上2.0以下であり、より好ましくは0.70以上1.5以下である。研磨層の厚さに対するクッション層の厚さの比が上記の範囲内にあることにより、研磨パッドの広範囲にかかる研磨圧力に対する応答性、及び局所的にかかる研磨圧力に対する応答性のバランスを一層向上させることができる傾向にある。
上記のようなクッション層としては、例えば、樹脂を含浸させた不織布、及びスポンジ等が挙げられる。樹脂含浸不織布における不織布としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、及びポリエステル系繊維等の繊維を含む不織布が挙げられる。不織布の交絡態様としては、特に限定されないが、例えば、ニードルパンチによる交絡、及び水流交絡等が挙げられる。上記の不織布は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂含浸不織布における樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、及びポリフッ化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリサルホン、及びポリエーテルサルホン等のポリサルホン系樹脂;アセチル化セルロース、及びブチリル化セルロース等のアシル化セルロース系樹脂;ポリアミド系樹脂;並びにポリスチレン系樹脂等が挙げられる。上記の樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂含浸不織布の好ましい態様としては、例えば、ポリエステル繊維系を含む不織布に、ポリウレタン系樹脂を含浸させたものが挙げられる。不織布、及び樹脂の種類、並びに樹脂の含浸量を適宜調整することにより、クッション層の密度、圧縮率、及び圧縮弾性率等を制御することができる。
スポンジとしては、特に限定されないが、例えば、ネオプレン系スポンジ、エチレンプロピレンゴムスポンジ、ニトリル系スポンジ、スチレンブタジエンゴムスポンジ、及びウレタン系スポンジが挙げられる。この中でもウレタン系スポンジが好ましい。スポンジの材料の種類、及び空隙率を適宜選択、調整することにより、クッション層の密度、圧縮率、及び圧縮弾性率等を制御することができる。
[研磨パッドの製造方法]
研磨パッドの製造方法は、上記の構成を有する研磨パッドを得ることができる限り特に限定されず、種々の方法を用いることができる。本実施形態の研磨パッドは、典型的には、研磨層とクッション層とを別々に準備して、研磨層とクッション層とを接合することにより得ることができる。
研磨パッドの製造方法は、上記の構成を有する研磨パッドを得ることができる限り特に限定されず、種々の方法を用いることができる。本実施形態の研磨パッドは、典型的には、研磨層とクッション層とを別々に準備して、研磨層とクッション層とを接合することにより得ることができる。
(研磨層の準備)
研磨層は公知の方法により製造してもよく、市販のものを入手してもよい。研磨層は、例えば、樹脂を含む樹脂ブロックから樹脂シートを切り出すことにより得ることができる。樹脂ブロックは、例えば、少なくともプレポリマーと硬化剤とを含有する組成物を硬化させて得ることができる。以下、ポリウレタン樹脂を含有する研磨層を得るための各工程の一態様について説明する。
研磨層は公知の方法により製造してもよく、市販のものを入手してもよい。研磨層は、例えば、樹脂を含む樹脂ブロックから樹脂シートを切り出すことにより得ることができる。樹脂ブロックは、例えば、少なくともプレポリマーと硬化剤とを含有する組成物を硬化させて得ることができる。以下、ポリウレタン樹脂を含有する研磨層を得るための各工程の一態様について説明する。
ポリウレタン樹脂を含有する研磨層は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを混合してウレタンプレポリマーを調製する工程と、ウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合して樹脂ブロックを成型する工程と、樹脂ブロックから研磨層となる樹脂シートを切り出す工程とを有する。
ポリイソシアネート化合物としては、特に制限されないが、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネー卜(MDI)、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1、4-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、p-フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、及びエチリジンジイソチオシアネート等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール等のジオール化合物、トリオール化合物等;ポリプロピレングリコール(PPG)、及びポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオール化合物;エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール化合物;ポリカーボネートポリオール化合物、並びにポリカプロラクトンポリオール化合物等が挙げられる。また、エチレンオキサイドを付加した3官能性プロピレングリコールを用いることもできる。
上記のポリイソシアネート化合物及びポリオール化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを混合して得られるウレタンプレポリマーのなかでも、トリレンジイソシアネートとポリ(オキシテトラメチレン)グリコールとジエチレングリコールとの付加物が好ましく、トリレンジイソシアネートと分子量の異なる1種のポリ(オキシテトラメチレン)グリコールとジエチレングリコールとの付加物がより好ましい。このようなウレタンプレポリマーを用いることにより、比E’B40/E’C40と曲げモードの動的粘弾性測定における損失係数tanδを上記範囲内により好適に調整することができる。
ここで、分子量の異なる1種のポリ(オキシテトラメチレン)グリコールとしては、数平均分子量が300~1000であるPTMG Aが挙げられる。このようなポリ(オキシテトラメチレン)グリコールを用いることにより、比E’B40/E’C40と曲げモードの動的粘弾性測定における損失係数tanδを上記範囲内により好適に調整することができる。
また、上記のようにして得られる、ウレタンプレポリマーのNCO当量は、好ましくは200以上700以下であり、より好ましくは250以上600以下であり、更に好ましくは300以上550以下である。NCO当量が上記範囲内であることにより、比E’B40/E’C40と曲げモードの動的粘弾性測定における損失係数tanδを上記範囲内により好適に調整することができる。
「NCO当量」とは、“(ポリイソシアネート化合物の質量部+ポリオール化合物の質量部)/[(ポリイソシアネート化合物1分子当たりの官能基数×ポリイソシアネート化合物の質量部/ポリイソシアネート化合物の分子量)-(ポリオール化合物1分子当たりの官能基数×ポリオール化合物の質量部/ポリオール化合物の分子量)]”で求められる、NCO基1個当たりのウレタンプレポリマーの分子量を示す数値である。
硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、アミノ基含有化合物及び水酸基含有化合物が挙げられる。アミノ基含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、4-メチル-2,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[3-(イソプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルペンチルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス(3,5-ジアミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6-ジアミノ-4-メチルフェノール、トリメチルエチレンビス-4-アミノベンゾネート、及びポリテトラメチレンオキサイド-ジ-p-アミノベンゾネート等が挙げられる。
水酸基含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記の硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化剤としては、ジアミン化合物が好ましく、4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)がより好ましい。硬化剤の官能基当量(例えば、NH2当量、又はOH当量)は、特に限定されず、例えば50以上5000以下であってもよく、100以上4000以下であってもよく、120以上3000以下であってもよい。
硬化剤の使用量は、好ましくは、プレポリマーが有する官能基の数を1としたときの、硬化剤に存在する活性水素基(アミノ基及び水酸基)の当量比であるR値により規定される。硬化剤の使用量は、R値が0.70以上1.30以下になるように調整されることが好ましい。R値は、より好ましくは0.75以上1.10以下であり、更に好ましくは0.80以上1.00以下である。
ウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合する工程において、その他の添加剤を混合してもよい。添加剤としては、溶媒、消泡剤、触媒、発泡剤、中空微粒子、整泡剤、及び砥粒等が挙げられる。
このなかでも、中空微粒子を添加することが好ましい。中空微粒子とは、外殻を有し、中が中空状である微粒子のことをいい、プレポリマーと硬化剤との混合物に中空微粒子を添加することにより、樹脂ブロックに独立気泡を形成することができる。中空微粒子は、従来公知の種々のものを用いることができる。
中空微粒子の平均粒径は、特に制限されないが、好ましくは3.0~30μmであり、より好ましくは5.0~25μmである。このような中空微粒子を用いることによっても、比E’B40/E’C40と曲げモードの動的粘弾性測定における損失係数tanδを上記範囲内により好適に調整することができる。なお、中空微粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、スペクトリス(株)製、マスターサイザ-2000)等により測定することができる。
中空微粒子は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは1.0質量部以上5.0質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以上3.0質量部以下となるように添加する。
樹脂ブロックから樹脂シートを切り出すことにより研磨層を得ることができる。樹脂ブロックから切り出された樹脂シートは、30~150℃で1時間~24時間程度エイジングしてもよい。樹脂シートは、所定形状、好ましくは円板状にカットしてもよい。樹脂シートの表面をコーティング剤によりコーティングしたものを研磨層としてもよい。研磨層は、片面又は両面に、必要に応じて、溝加工、エンボス加工、及び/又は穴加工(パンチング加工)等を施してもよい。溝加工及びエンボス加工の形状に特に限定はなく、例えば、格子型、同心円型、及び放射型などの形状が挙げられる。
また、研磨層は、表面にドレス(研削処理)を施してもよい。ドレス(研削処理)の方法に特に限定はなく、公知の方法(例えば、ダイヤモンドドレッサーや紙やすりを用いる方法)により研削することができる。
(クッション層の準備)
クッション層としては、上記のとおり、樹脂含浸不織布、及びスポンジ等が挙げられる。樹脂含浸不織布、及びスポンジは公知の方法により製造してもよく、市販のものを入手してもよい。
クッション層としては、上記のとおり、樹脂含浸不織布、及びスポンジ等が挙げられる。樹脂含浸不織布、及びスポンジは公知の方法により製造してもよく、市販のものを入手してもよい。
樹脂含浸不織布の製造方法としては、例えば、不織布に、樹脂を湿式凝固又は乾式凝固させる方法が挙げられる。湿式凝固とは、樹脂を有機溶媒に溶解させた樹脂溶液に、不織布を浸漬した後、当該樹脂溶液を含浸した不織布を水等の凝固液に浸漬することにより、不織布に樹脂を凝固させ、含浸させる方法である。乾式凝固とは、樹脂のプレポリマー及び硬化剤を含有するプレポリマー溶液に、不織布を浸漬した後、当該プレポリマー溶液を含浸した不織布を乾燥させることにより、不織布上でプレポリマーと硬化剤とを反応させ、不織布に樹脂を含浸させる方法である。
樹脂含浸不織布としては、湿式凝固により得られるものが好ましい。樹脂含浸不織布の製造に用いる不織布、及び樹脂としては、クッション層の説明において例示したものを用いることができる。
スポンジの製造方法としては、例えば、樹脂のプレポリマーと硬化剤と発泡剤とを含む組成物を加熱することにより、当該組成物を発泡させながら硬化させる方法が挙げられる。スポンジの製造に用いるプレポリマー、及び硬化剤としては、研磨層の製造方法において例示したものを用いることができる。スポンジの製造に用いる発泡剤としては、例えば、水、及び炭素数5~6の炭化水素を主成分とする発泡剤が挙げられる。該炭化水素としては、例えば、n-ペンタン、及びn-ヘキサンのような鎖状炭化水素、並びにシクロペンタン、及びシクロヘキサンのような脂環式炭化水素が挙げられる。
上記のようにして得られる樹脂含浸不織布及びスポンジは、そのままクッション層として用いてもよく、表面をスライス、又はバフ処理したものをクッション層としてもよい。
(研磨層及びクッション層の接合)
上記のようにして得られた研磨層及びクッション層を接合することにより研磨パッドを得ることができる。研磨層及びクッション層の接合方法としては、特に限定されないが、接着剤による接着及び接着シートによる接着等が挙げられ、好ましくは、接着シートによる接着である。接着シートとしては、特に限定されず、感圧式接着シート、及び感熱式接着シート等の種々の接着シートを用いることができる。また、片面に感圧型粘着剤が形成され、もう一方の面に感熱式接着剤が形成されている接着シートを用いることもできる。
上記のようにして得られた研磨層及びクッション層を接合することにより研磨パッドを得ることができる。研磨層及びクッション層の接合方法としては、特に限定されないが、接着剤による接着及び接着シートによる接着等が挙げられ、好ましくは、接着シートによる接着である。接着シートとしては、特に限定されず、感圧式接着シート、及び感熱式接着シート等の種々の接着シートを用いることができる。また、片面に感圧型粘着剤が形成され、もう一方の面に感熱式接着剤が形成されている接着シートを用いることもできる。
[研磨加工物の製造方法]
本実施形態の研磨加工物の製造方法は、上記研磨パッドを用いて、被研磨物を研磨し、研磨加工物を得る研磨工程を有する。研磨工程は、一次研磨(粗研磨)であってもよく、仕上げ研磨であってもよく、それら両方の研磨を兼ねるものであってもよい。
本実施形態の研磨加工物の製造方法は、上記研磨パッドを用いて、被研磨物を研磨し、研磨加工物を得る研磨工程を有する。研磨工程は、一次研磨(粗研磨)であってもよく、仕上げ研磨であってもよく、それら両方の研磨を兼ねるものであってもよい。
研磨工程において、被研磨物は、保持定盤により研磨パッド側に押圧される。この際、保持定盤と研磨用定盤とが相対的に回転することで、被研磨物の加工面が研磨パッドで研磨加工される。保持定盤と研磨用定盤は、互いに異なる回転速度で同方向に回転しても、異方向に回転してもよい。また、被研磨物は、研磨加工中に、枠部の内側で移動(自転)しながら研磨加工されてもよい。
研磨工程において、典型的には、研磨スラリーが供給され、研磨パッドによる研磨が補助される。研磨スラリーは、被研磨物や研磨条件等に応じて、水、過酸化水素に代表される酸化剤などの化学成分、添加剤、砥粒(研磨粒子;例えば、SiC、SiO2、Al2O3、CeO2)等を含んでいてもよい。
また、被研磨物としては、特に限定されないが、例えば、レンズ、平行平面板、及び反射ミラーのような光学材料、半導体ウェハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板、ガラス基板、並びに電子部品等の材料が挙げられる。このなかでも、本実施形態の研磨加工物の製造方法は、被研磨物に良好な面品位を付与することができるため、半導体ウェハ上に酸化物層及び/又は金属層等が形成された半導体デバイス等の製造方法として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[研磨層及びクッション層の物性の測定方法]
(密度)
研磨層及びクッション層から所定の大きさの試料片を切り出し、試料片の体積及び質量を測定した。測定された質量を体積で除することにより、密度を算出した。
(密度)
研磨層及びクッション層から所定の大きさの試料片を切り出し、試料片の体積及び質量を測定した。測定された質量を体積で除することにより、密度を算出した。
(圧縮率・圧縮弾性率)
日本産業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を用いて、上述のとおりに測定を実施した。なお、初荷重は100g/cm2、最終圧力は1120g/cm2とした。
日本産業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を用いて、上述のとおりに測定を実施した。なお、初荷重は100g/cm2、最終圧力は1120g/cm2とした。
(研磨層のD硬度)
日本産業規格(JIS K 7311)に従い、D型硬度計を用いて測定した。なお、測定用試料の厚さが少なくとも4.5mm以上になるように、複数の試料を重ねて測定した。
日本産業規格(JIS K 7311)に従い、D型硬度計を用いて測定した。なお、測定用試料の厚さが少なくとも4.5mm以上になるように、複数の試料を重ねて測定した。
(クッション層のA硬度)
日本産業規格(JIS K 7311)に従い、A型硬度計を用いて測定した。なお、測定用試料の厚さが少なくとも4.5mm以上になるように、複数の試料を重ねて測定した。
日本産業規格(JIS K 7311)に従い、A型硬度計を用いて測定した。なお、測定用試料の厚さが少なくとも4.5mm以上になるように、複数の試料を重ねて測定した。
[実施例1]
研磨層を以下のように製造した。
まず、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)と、数平均分子量650のPTMGと、ジエチレングリコール(DEG)とを反応させた後、40℃に加熱し減圧下で脱泡することでNCO当量440のウレタンプレポリマーを調製した。
研磨層を以下のように製造した。
まず、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)と、数平均分子量650のPTMGと、ジエチレングリコール(DEG)とを反応させた後、40℃に加熱し減圧下で脱泡することでNCO当量440のウレタンプレポリマーを調製した。
次に、上記のウレタンプレポリマー100質量部に、外殻がアクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体からなり殻内にイソブタンガスが内包された未膨張の中空微粒子(平均粒径8.5μm)2.8質量部を混合することにより、第1液タンクに入れて混合することによりウレタンプレポリマー混合液を得て60℃で保温した。また、ウレタンプレポリマー混合液とは別に、硬化剤としての4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)27.1質量部を第2タンクに入れ、120℃で混合し、さらに減圧脱法して硬化剤溶融液を得た。上記のウレタンプレポリマー混合液と、硬化剤溶融液とを混合することにより、混合液を得た。なお、この際に、ウレタンプレポリマー中の末端に存在するイソシアネート基に対する、硬化剤に存在するアミノ基及び水酸基の当量比を表わすR値が0.90となるように、混合割合を調整した。
得られた混合液を80℃に予熱した型枠に注型して、30分間、80℃にて一次硬化させた。形成されたブロック状の成形物を型枠から抜き出し、オーブンにて120℃で4時間二次硬化し、ウレタン樹脂ブロックを得た。得られたウレタン樹脂ブロックを25℃まで放冷した後、再度オーブンにて120℃で5時間加熱してから、スライス処理を施し、厚さ1.3mmの研磨層を得た(以下、該研磨層を「研磨層1」という。)。
クッション層を以下のように製造した。
まず、ウレタン樹脂(DIC社製、製品名「C1367」)を含む樹脂溶液に、密度0.15g/cm3のポリエステル繊維からなる不織布を浸漬した。浸漬後、1対のローラ間を加圧可能なマングルローラを用いて、不織布から樹脂溶液を絞り落として、不織布に樹脂溶液を略均一に含浸させた。次いで、樹脂溶液を含浸した不織布を、室温の水からなる凝固液に浸漬することにより、樹脂を湿式凝固させ、樹脂含浸不織布を得た。その後、樹脂含浸不織布を凝固液から取り出し、更に水からなる洗浄液で洗浄した後、樹脂中のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を除去して、乾燥させた。乾燥後、バフ処理により樹脂含浸不織布表面のスキン層を除去し、樹脂含浸不織布からなる厚さ1.3mmのクッション層を得た(以下、該クッション層を「クッション層1」という。)。
まず、ウレタン樹脂(DIC社製、製品名「C1367」)を含む樹脂溶液に、密度0.15g/cm3のポリエステル繊維からなる不織布を浸漬した。浸漬後、1対のローラ間を加圧可能なマングルローラを用いて、不織布から樹脂溶液を絞り落として、不織布に樹脂溶液を略均一に含浸させた。次いで、樹脂溶液を含浸した不織布を、室温の水からなる凝固液に浸漬することにより、樹脂を湿式凝固させ、樹脂含浸不織布を得た。その後、樹脂含浸不織布を凝固液から取り出し、更に水からなる洗浄液で洗浄した後、樹脂中のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を除去して、乾燥させた。乾燥後、バフ処理により樹脂含浸不織布表面のスキン層を除去し、樹脂含浸不織布からなる厚さ1.3mmのクッション層を得た(以下、該クッション層を「クッション層1」という。)。
上記のようにして得られた研磨層1とクッション層1とを接着シートにより接着することで研磨パッドを得た。接着シートとしては、PET基材にアクリル系粘着剤が形成された両面テープを用いた。研磨層1及びクッション層1の各種物性の測定結果を表1に示す。
[比較例1]
研磨層として、以下のようにして製造した研磨層を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨パッドを得た。
研磨層として、以下のようにして製造した研磨層を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨パッドを得た。
研磨層は以下のように製造した。
まず、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)と、数平均分子量1000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)と、数平均分子量650のPTMGと、ジエチレングリコール(DEG)とを反応させた後、40℃に加熱し減圧下で脱泡することでNCO当量420のウレタンプレポリマーを調製した。
まず、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)と、数平均分子量1000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)と、数平均分子量650のPTMGと、ジエチレングリコール(DEG)とを反応させた後、40℃に加熱し減圧下で脱泡することでNCO当量420のウレタンプレポリマーを調製した。
次に、上記のウレタンプレポリマー100質量部と、外殻がアクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体からなり殻内にイソブタンガスが内包された未膨張の中空微粒子(平均粒径8.5μm)2.5質量部とを混合することによりを第1液タンクに入れて混合することによりウレタンプレポリマー混合液を得て60℃で保温した。また、ウレタンプレポリマー混合液とは別に、硬化剤としての4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)28.0質量部を第2タンクに入れ、120℃で混合し、さらに減圧脱法して硬化剤溶液を得た。上記のウレタンプレポリマー混合液と、硬化剤溶融液とを混合することにより、混合液を得た。なお、この際に、ウレタンプレポリマー中の末端に存在するイソシアネート基に対する、硬化剤に存在するアミノ基及び水酸基の当量比を表わすR値が0.90となるように、混合割合を調整した。
得られた混合液を、80℃に予熱した型枠に注型して、30分間、80℃にて一次硬化させた。形成されたブロック状の成形物を型枠から抜き出し、オーブンにて120℃で4時間二次硬化し、ウレタン樹脂ブロックを得た。得られたウレタン樹脂ブロックを25℃まで放冷した後、再度オーブンにて120℃で5時間加熱してから、スライス処理を施し、厚さ1.3mmの研磨層を得た(以下、該研磨層を「研磨層2」という。)。研磨層2の各種物性の測定結果を表1に示す。
[動的粘弾性測定]
(曲げモード条件)
各例の研磨パッドについて、曲げモードの動的粘弾性測定を以下のようにして行った。まず、温度23℃(±2℃)、相対湿度50%(±5%)の恒温恒湿槽中に研磨パッドを40時間保持した。得られた研磨パッドを試料として、通常の大気雰囲気下(乾燥状態)、下記の条件により曲げモードの動的粘弾性測定を行った。動的粘弾性測定装置としては、TAインスツルメント社製、製品名「RSA3」を用いた。実施例1、実施例2、及び比較例1の測定結果を、それぞれ図1~3に示す。
(測定条件)
試料サイズ :縦5mm×横50mm
測定長 :フレームサイズ30mm、センタークランプ6mm
試験モード :3点曲げ
周波数 :10rad/sec(1.6Hz)
温度範囲 :20~100℃
昇温速度 :5℃/min
歪範囲 :0.10% (研磨パッドの厚さに対する)
初荷重 :0g
測定間隔 :1point/℃
(曲げモード条件)
各例の研磨パッドについて、曲げモードの動的粘弾性測定を以下のようにして行った。まず、温度23℃(±2℃)、相対湿度50%(±5%)の恒温恒湿槽中に研磨パッドを40時間保持した。得られた研磨パッドを試料として、通常の大気雰囲気下(乾燥状態)、下記の条件により曲げモードの動的粘弾性測定を行った。動的粘弾性測定装置としては、TAインスツルメント社製、製品名「RSA3」を用いた。実施例1、実施例2、及び比較例1の測定結果を、それぞれ図1~3に示す。
(測定条件)
試料サイズ :縦5mm×横50mm
測定長 :フレームサイズ30mm、センタークランプ6mm
試験モード :3点曲げ
周波数 :10rad/sec(1.6Hz)
温度範囲 :20~100℃
昇温速度 :5℃/min
歪範囲 :0.10% (研磨パッドの厚さに対する)
初荷重 :0g
測定間隔 :1point/℃
(圧縮モード条件)
各例の研磨パッドについて、圧縮モードの動的粘弾性測定を以下のようにして行った。まず、温度23℃(±2℃)、相対湿度50%(±5%)の恒温恒湿槽中に研磨パッドを40時間保持した。得られた研磨パッドを試料として、通常の大気雰囲気下(乾燥状態)、下記の条件により圧縮モードの動的粘弾性測定を行った。動的粘弾性測定装置としては、TAインスツルメント社製、製品名「RSA3」を用いた。各例について、測定結果から求めた圧縮モードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40を表2に示す。
(測定条件)
試料サイズ :縦5mm×横5mm
測定長 :縦5mm×横5mm
試験モード :圧縮
周波数 :10rad/sec(1.6Hz)
温度範囲 :20~100℃
昇温速度 :5℃/min
歪範囲 :0.10% (研磨パッドの厚さに対する)
初荷重 :62g
測定間隔 :1point/℃
各例の研磨パッドについて、圧縮モードの動的粘弾性測定を以下のようにして行った。まず、温度23℃(±2℃)、相対湿度50%(±5%)の恒温恒湿槽中に研磨パッドを40時間保持した。得られた研磨パッドを試料として、通常の大気雰囲気下(乾燥状態)、下記の条件により圧縮モードの動的粘弾性測定を行った。動的粘弾性測定装置としては、TAインスツルメント社製、製品名「RSA3」を用いた。各例について、測定結果から求めた圧縮モードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40を表2に示す。
(測定条件)
試料サイズ :縦5mm×横5mm
測定長 :縦5mm×横5mm
試験モード :圧縮
周波数 :10rad/sec(1.6Hz)
温度範囲 :20~100℃
昇温速度 :5℃/min
歪範囲 :0.10% (研磨パッドの厚さに対する)
初荷重 :62g
測定間隔 :1point/℃
上記の動的粘弾性測定の結果から、曲げモードの動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40、比E’B40/E’C40、曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40、並びに、曲げモードの動的粘弾性測定の90℃における貯蔵弾性率E’B90に対する30℃における貯蔵弾性率E’B30の比E’B30/E’B90を求めた。各例における上記の各値を表2に示す。
[面品位の評価]
研磨パッドを研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、Cu膜基板に対して、下記条件にて研磨加工を施した。
(研磨条件)
研磨機 :F-REX300(荏原製作所社製)
Disk :A188(3M社製)
回転数 :(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
研磨圧力 :3.5psi
研磨剤温度 :20℃
研磨剤吐出量 :200ml/min
研磨剤 :PLANERLITE7000(フジミコーポレーション社製)
被研磨物 :Cu膜基板
研磨時間 :60秒
パッドブレーク :35N 10分
コンディショニング:Ex-situ、35N、4スキャン
研磨パッドを研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、Cu膜基板に対して、下記条件にて研磨加工を施した。
(研磨条件)
研磨機 :F-REX300(荏原製作所社製)
Disk :A188(3M社製)
回転数 :(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
研磨圧力 :3.5psi
研磨剤温度 :20℃
研磨剤吐出量 :200ml/min
研磨剤 :PLANERLITE7000(フジミコーポレーション社製)
被研磨物 :Cu膜基板
研磨時間 :60秒
パッドブレーク :35N 10分
コンディショニング:Ex-situ、35N、4スキャン
上記研磨加工後の被研磨物10枚目以降50枚目までについて、被研磨面の155nmより大きい直線状の研磨傷(スクラッチ)、被研磨面の155nmより大きい点状の研磨傷(マイクロスクラッチ)をeDR5210(KLAテンコール社製)のReviewSEMで目視にて確認し、平均値を得た。
また、上記研磨加工後の被研磨物50枚を研磨して、50枚目の被研磨物について、ウェハ表面検査装置(KLAテンコール社製、SurfscanSP2XP)の高感度測定モードにて測定し、155nmより大きいディフェクトの個数を確認した。
スクラッチ、マイクロスクラッチ及びディフェクトの確認結果に基づいて、面品位を評価した。
(評価基準:スクラッチ)
A:スクラッチ数が5未満
B:スクラッチ数が5以上10未満
C:スクラッチ数が10以上
(評価基準:マイクロスクラッチ)
A:マイクロスクラッチ数が5未満
B:マイクロスクラッチ数が5以上15未満
C:マイクロスクラッチ数が15以上
(評価基準:高感度測定モードによるディフェクト)
A:ディフェクト数が150未満
B:ディフェクト数が150以上200未満
C:ディフェクト数が200以上
また、上記研磨加工後の被研磨物50枚を研磨して、50枚目の被研磨物について、ウェハ表面検査装置(KLAテンコール社製、SurfscanSP2XP)の高感度測定モードにて測定し、155nmより大きいディフェクトの個数を確認した。
スクラッチ、マイクロスクラッチ及びディフェクトの確認結果に基づいて、面品位を評価した。
(評価基準:スクラッチ)
A:スクラッチ数が5未満
B:スクラッチ数が5以上10未満
C:スクラッチ数が10以上
(評価基準:マイクロスクラッチ)
A:マイクロスクラッチ数が5未満
B:マイクロスクラッチ数が5以上15未満
C:マイクロスクラッチ数が15以上
(評価基準:高感度測定モードによるディフェクト)
A:ディフェクト数が150未満
B:ディフェクト数が150以上200未満
C:ディフェクト数が200以上
各例の研磨パッドについての面品位の評価をそれぞれ表2に示す。
表2より、比E’B40/E’C40が3.0以上15.0以下であり、曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である、実施例1の研磨パッドは、被研磨物に良好な面品位を付与することができることがわかる。
本発明の研磨パッドは、レンズ、平行平面板、及び反射ミラーのような光学材料、半導体ウェハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板、ガラス基板、並びに電子部品等の材料等の研磨に用いられ、特に、半導体ウェハ上に酸化物層及び/又は金属層等が形成された半導体デバイス等を研磨するのに好適に用いられる研磨パッドとして、産業上の利用可能性を有する。
Claims (8)
- 研磨層とクッション層とを備える研磨パッドであって、
乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の圧縮モード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’C40に対する、乾燥状態、周波数10rad/s、20~100℃の曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における貯蔵弾性率E’B40の比E’B40/E’C40が、3.0以上15.0以下であり、
前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の40℃における損失係数tanδ40に対する、70℃における損失係数tanδ70の比tanδ70/tanδ40が、1.2以上である、
研磨パッド。 - 前記曲げモード条件で行う動的粘弾性測定の90℃における貯蔵弾性率E’B90に対する、30℃における貯蔵弾性率E’B30の比E’B30/E’B90が8.0以上16.0以下である、
請求項1に記載の研磨パッド。 - 前記クッション層の密度が、0.10g/cm3以上0.60g/cm3以下であり、
前記クッション層の圧縮率が、3.0%以上30.0%以下である、
請求項1又は2に記載の研磨パッド。 - 前記研磨層の密度が、0.60g/cm3以上1.1g/cm3以下であり、
前記研磨層の圧縮率が、0.1%以上3.0%以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の研磨パッド。 - 前記研磨層のショアD硬度が、40以上80以下である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の研磨パッド。 - 前記研磨層の厚さに対する前記クッションの厚さの比が、0.50以上2.0以下である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の研磨パッド。 - 前記研磨層は、ポリウレタン樹脂を含有する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の研磨パッド。 - 請求項1~7のいずれか1項に記載の研磨パッドを用いて、被研磨物を研磨する研磨工程を有する、
研磨加工物の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2020166030A JP2022057657A (ja) | 2020-09-30 | 2020-09-30 | 研磨パッド、及び研磨加工物の製造方法 |
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2020
- 2020-09-30 JP JP2020166030A patent/JP2022057657A/ja active Pending
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