JP2022056371A - イオンガイド装置及びイオンガイド方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】RF多重極場によるイオン加熱の問題を回避や緩和し、イオンの輸送効率を向上させることができる、イオンの輸送効率を向上させることができるイオンガイド装置及びイオンガイド方法を提供する。【解決手段】互いに分離する少なくとも4つの電極ユニットを含み、内部にイオンが輸送される通路が形成され、配列方向にイオン輸送の軸方向が限定される、平行に配置された複数の環状電極20と、環状電極20の隣接する電極ユニットに互いに異なる位相のRF電圧と、軸方向に沿って隣接する電極ユニットに同じ位相のRF電圧を印可するRF電源とを備え、イオンを軸方向からずれて輸送し、環状電極20の内面に収束させる。【選択図】図3

Description

本発明は、イオンガイドの技術分野に関し、特にイオンガイド装置及びイオンガイド方法に関する。
質量分析計では、通常、イオン輸送の低損失を実現するように、気圧が比較的に高いイオン源領域(1~105Pa)から気圧が比較的に低いイオン分析器領域(<1Pa)までの間に、必要な真空インターフェース以外に、イオンガイド装置も必要である。イオンガイド装置は、通常、RF電圧を印加する一連の電極からなる。RF電圧は装置の中心軸の周囲にイオンを拘束する実効的なポテンシャル障壁を形成し、イオンを収束させる。同時に、差分吸引による気流フロー作用、あるいは軸に沿って付加されるDC電場の作用により、収束されたイオンは所定の方向に沿って次段の真空に移動し、質量分析装置で分析される。
早期のRFガイド装置、例えばD.J.Douglasにより発明された多重極ガイドロッド系(アメリカ特許5179278)、及びJ.Franzenにより提出された表面反射型多重極場ガイド装置(アメリカ特許5572035)は、0.1torrでイオンを収束させることができる。それからN.InatsuguとH.Wakiにより発明されたQアレイ型ガイド装置、及びBatemanなどにより提出された(アメリカ特許7095013)進行波ガイド装置などは、5torr以下の気圧でイオンを良好にガイドや収束させることができる。より高い気圧でイオンを収束させるために、R.D.Smithによりイオンファンネル装置(アメリカ特許6107628)が提出され、30torrに近い気圧でイオンを効果的に輸送や収束させることができ、装置の感度を極めて高めた。
しかしながら、イオンファンネルを質量分析計に適用する際に、通常、その前段は大気圧と連通する一段のキャピラリー構造あるいは小穴付きのサンプリングコーン構造であり、後段はイオンファンネル内部よりも低い気圧を有するチャンバーであり、そのファンネル状構造により、ファンネルの軸線全体においては強い気流が存在するため、ファンネルの入口の付近に金属のジェットディスラプター(jet-disrupter)を付加して気流を低減しても、出口にはかなりの気流がまだ存在する。この気流が真空ポンプへの負担を増大するのみならず、これら中性のガス分子も最終のイオン検出にノイズをもたらす。特に、エレクトロスプレーイオン源と協働する場合、気流が完全に溶媒除去されていない帯電液滴を連れて次段の真空へ入り込み、さらに多くのノイズをもたらし、機械の感度に影響することになる。
K.Gilesがアメリカ特許US2011/0049357において軸外輸送装置を設計した。該装置は、イオンファンネルに類似したバレル電極アレイの大きいもの一つと小さいもの一つが結合することによって形成され、二つのアレイの間には一定のポテンシャル障壁があり、イオンは大きいバレル電極アレイの側から入り込み、DC電場による推進で、アレイ間のポテンシャル障壁を克服し、小さいバレル電極アレイへ入り込んで、引き出される一方、中性の分子は、大きいバレル電極アレイの軸線に沿って抽出されることで、イオンの軸外輸送が実現される。この装置には二つの欠陥がある。一つ欠陥は、かなり効果的な収束が実現できない。イオンビームの最後の収束半径は小さいバレル電極アレイの半径により決定されるものが、小さいバレル電極の半径が過小になると、大きいバレル電極と隣接するエッジでのRFブロッキングポテンシャル障壁が強くなり、イオンが入りにくくなる。もう一つ欠陥は、装置の構造が複雑で、その製作がかなり困難となる。
Zhangらにより特許CN103515183Aにおいてイオン輸送装置が開示された。該イオン輸送装置は、軸外輸送を採用し、平行に配列している複数の環状電極を含む。各環状電極は分立された複数の分割電極で囲まれてなる。電源装置により環状電極にRF電圧が印加され、同一の環状電極の隣接する分割電極に印加されたRF電圧の位相が互いに異なり、中心軸線に沿って隣接する分割電極に印加されたRF電圧の位相も互いに異なる。その中、中心軸線に沿って隣接する分割電極に印加されたRF電圧はイオンを収束させるために使用されるものであり、具体的には、それとDC偏向電圧との間のバランスによりイオンをイオン輸送装置の内側面に収束させる。この装置は構造が簡単で、加工し易い。しかし、このような中心軸線に沿って隣接する分割電極に印加された位相の異なるRF電圧が、内側面でのイオンの振動を引き起こし、イオンが加熱されて解離され、その結果、該種類のイオンの輸送効率が低下する。
US 5179278 US 5572035 US 7095013 US 6107628 US 2011/0049357 CN 103515183 A
本発明は、上記の技術課題に鑑みて提出されるものであり、その目的は、イオンがイオンガイド装置の内側面に制限されているときに、RF多重極場によるイオンの加熱問題を回避や低減でき、予想外の解離現象を避けて、イオンの輸送効率を向上させることができる、イオンを軸外輸送するイオンガイド装置及びイオンガイド方法を提供する。
本発明の一つの態様には、互いに分離する少なくとも4つの電極ユニットを含み、それらの内部にイオンが輸送される通路が形成され、それらの配列方向によりイオン輸送の軸方向が限定される、平行に配置された複数の環状電極と、複数の環状電極にRF電圧を印加し、同一の環状電極に属する隣接の電極ユニットに印加されたRF電圧の位相が互いに異なり、軸方向に沿って隣接する電極ユニットに印加されたRF電圧の位相が同じであることで、イオンを拘束するRF多重極場をイオンガイド装置内に形成させるためのRF電圧源と、複数の環状電極に、幅値が軸方向に沿って変化する第1のDC成分及び幅値が環状電極が存在する平面における所定の方向に沿って変化する第2のDC成分を有するDC電圧を印加するためのDC電圧源と、を含み、イオンがRF電圧とDC電圧の共同作用により、軸方向からずれて輸送され、環状電極の内面に収束される、イオンガイド装置が提供される。
同一の環状電極における電極ユニットの数が増えるに伴い、電極ユニットの分布がより密になり、その結果、隣接する電極同士の距離がより短くなる。隣接する電極ユニットの長さが短いほど、RF電圧を適応的に印加して生成されるRF多重極場はイオンをより密接な位置に拘束することができ、イオンの収束が容易になる。
同一の環状電極に属する隣接の電極ユニットにRF電圧が印加されると、イオンをより効果的にイオン輸送の通路に拘束することができ、さらに、上記RF電圧とDC電圧の第2のDC成分とのバランスを利用して、イオンを環状電極の内面に収束させることができる。上記収束バランスの一つの要因となるRF電圧は、同一の環状電極の隣接する電極ユニットに印加されたRF電圧であるため、該RF電圧の印加方式によってはイオンを輸送する際の振動加熱問題が回避や緩和でき、予想しにくい解離現象を回避し、イオンの輸送効率を向上させる。
本明細書において、「環状電極」という用語は、電極の全体的な輪郭の形状を限定するものではなく電極の中空構造を限定するように使用しただけである。具体的に、環状電極の外環の輪郭は、角形、円形、多角形、又はその他任意の適切な形状及び形状の組み合わせであってもよい。環状電極の内環の輪郭は、外環の輪郭と一致や対応してもしなくてもよい。例えば、「環状電極」は、外環の輪郭が円形で、内環の輪郭が角形である環状電極であってもよい。
本明細書において、「所定の方向」という用語は、予め定められた方向、例えば環状電極の構造に定められた方向であってもよい。例えば、一部の技術案では、環状電極の構造又は分割方式自体は特定の方向性を有し、該方向性により第2のDC成分の印加方向が定義されてもよい。また、「所定の方向」という用語は、DC電圧源により定められた方向であってもよい。例えば、一部の技術案では、環状電極の構造又は分割方式は中心対称又は回転対称の形式となり、その自体は径方向の平面上に方向性を有しなく、DC電圧源の第2のDC成分は任意の方向に沿って印加されてもよい。これら技術案において、DC電圧源で事前に記憶された、又は一時的に生成された第2のDC成分の印加方向により「所定の方向」が定義される。
本発明の一つの好ましい技術案では、環状電極の形状は少なくとも1つの内角を有し、所定の方向は内角に指す。辺の位置や円滑曲線の位置に比べて、内角を構成する隣接の2つの辺に位置する電極は、イオンビームを両側から中央に圧縮するRF多重極場を提供できるため、イオンビームの収束効果を向上させる。
さらに、本発明の一つの好ましい技術案では、内角は30°~150°の凸角(inferior angle)である。内角が凸角であることにより、イオンビームを両側から中央に圧縮するRF多重極場を効果的に提供できる。該内角の大きさは過大でも過小でも適宜ではない。内角が過大になると、イオンビームに対する圧縮性能が低下しやすくなり、内角が過小になると、イオンビームを安定に軸外れ輸送し、予め設定されたイオン出口の位置まで輸送することが困難になる。内角を30°~150°に設定することで、上記の問題の解決を効果的に両立できる。
本発明の一つの好ましい技術案では、複数の環状電極の内部で、RF多重極場が軸方向に沿って延びる。「RF多重極場が軸方向に沿って延びる」とは、多重極場全体がほぼ軸方向に沿って延びることを意味する。RF多重極場全体がほぼ軸方向に沿って延びるため、軸方向においてのイオンの輸送プロセスはスムーズであり、イオンの輸送プロセス中の振動加熱の問題をより効果的に緩和することができる。
本発明の一つの好ましい技術案では、環状電極は同じ長さの複数の電極ユニットを有する。同じ長さの電極ユニットを使用して環状電極を形成することにより、環状電極部品の製造と取付の通用性を向上させることができる一方、印加しようとする電場のシミュレーションや計算を単純化することもできる。
本発明の一つの好ましい技術案では、各環状電極の各電極ユニットの長さが所定の方向に徐々に短くなる。
コーナーでの電極ユニットを除いて、環状電極の各電極ユニットの長さを所定の方向に徐々に短くするように配置することにより、電極ユニットのイオンビームに対する圧縮性能を適応的に設定することができる。所定の方向での電極ユニットは、始端に近い箇所に位置すればするほど、長さが長くなり、中長距離の拒絶作用が発生し、両側から中央に向かってイオンを拒絶する方式により、イオンを中心軸に近づく位置に保持し、イオンビームのさらなる圧縮と収束を容易にする。所定の方向での電極ユニットは、末端に近い箇所に位置すればするほど、長さが短くなり、短い電極ユニットによりイオンを隣接する位置に拘束し、両側から中央に向かってイオンを拒絶する方式により、イオンビームの口径をより小さくするように圧縮でき、イオンビームの輸送性能を向上させる。一部のさらに好ましい技術案では、環状電極の所定の方向における末端を環状電極の内角とするように配置することにより、環状電極のイオンビームに対する圧縮能力をさらに向上させることができる。
本発明の一つの好ましい技術案では、複数の環状電極の形状とサイズが同じである。各環状電極の構造とサイズが同じであることで、環状電極の製造と電圧の印加を便利にする。
本発明の一つの好ましい技術案では、環状電極は回路板上に設けられた金属部分である。回路板構造を採用してイオンガイド装置を製造・組み立てることにより、各電極ユニットに配線を便利で綺麗にプリセットできる一方、回路板プロセスやゴールドフィンガープロセスの上達により、厚さがより均一で平滑な電極ユニットが得られ、形成される電場の均一性を向上させる。
本発明の一つの好ましい技術案では、各環状電極は1つ又は複数の回路板上に設けられる。選択的に、複数の回路板を組み立てて環状電極を得ることにより、一部の位置の回路板構造を省略でき、材料の使用を節約できる。
本発明の一つの好ましい技術案では、回路板はガス流通に供する切欠きを少なくとも1つ含む。回路板を作成や組み立てる際に、切欠きをプリセット方式で、ガスの流通に供する経路を提供する。該配置方法により、イオンガイド装置の構造をよりコンパクトで整然にすることができる。
本発明の実施形態1におけるイオンガイド装置の構造模式図である。 本発明の実施形態1における各環状電極の構造模式図である。 本発明の実施形態2におけるイオンガイド装置の環状電極の構造と分布の模式図である。 図3におけるイオンガイド装置の環状電極の断面構造模式図である。 実施形態2に係るRF電圧源により形成されるRF多重極場がイオンガイド装置の環状電極の周囲での分布状況(シミュレーションの結果)である。 実施形態2に係るRF電圧源により形成されるRF多重極場がイオンガイド装置の軸方向に沿った分布状況(シミュレーションの結果)である。 実施形態2に係るDC電圧源により形成されるDC電場がイオンガイド装置の環状電極の周囲での分布状況(シミュレーションの結果)である。 実施形態2に係るDC電圧源により形成されるDC電場がイオンガイド装置の軸方向に沿った分布状況(シミュレーションの結果)である。 実施形態2に係るイオンがイオンガイド装置内を進行する軌跡の模式図(シミュレーションの結果)である。 実施形態2に係るイオンが軸方向に沿って運動するときの運動エネルギーの分布(シミュレーションの結果)である。 実施形態3に係る環状電極が設置される回路板の構造模式図である。 実施形態4に係る環状電極の構造模式図である。 本発明の実施形態係るイオンガイド方法のフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の説明において、用語「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づいたものであり、本発明の説明の便宜のためのものであり、対象である装置又は素子が特定の方向を有し、特定の方向で構築や操作をする必要があることを指示したり暗示したりするものではなく、本発明に対する制限にならないと理解されるべきである。
<実施形態1>
本実施形態ではイオンガイド装置1が提供される。図1を参照すると、該イオンガイド装置1は、複数の環状電極10、11、12を含み、複数の環状電極10、11、12は互いに平行に配置される。
各環状電極10、11、12は、互いに分離する4つの電極ユニット101、102、103及び104を含み、複数の環状電極10、11、12は、内部にイオンが輸送される通路が形成され、複数の環状電極10、11、12の配列方向により、イオン輸送の軸方向が限定される。
複数の環状電極10、11、12は互いに同軸であってもよく、軸が異なってもよい。複数の環状電極10、11、12の配列方向は、各環状電極10、11、12の中心同士の連接方向である。軸が異なる場合、イオン輸送の軸方向は、環状電極10、11、12の軸方向と互いに傾斜してもよい。
図1、図2に示すように、環状電極10、11、12において、所定の方向の末端にある二つの軸対称電極ユニット102と104の長さは装置の軸方向に沿って徐々に短くなる。換言すれば、軸方向に沿って、下流位置に近い電極ユニット102、104の長さは、上流位置に近い電極ユニット102、104の長さ以下である。また、所定の方向の始端に位置する電極ユニット101と103の長さは、装置の軸方向に沿って徐々に長くなる。電極ユニット102と104は、環状電極10、11、12の一つの内角105を形成する。好ましくは、内角105は、角度が30°~150°の範囲内にある凸角である。
イオンガイド装置1は、RF電圧源RFとDC電圧源DCを含む。各環状電極10、11、12の隣接する電極ユニットに、異なる位相のRF電圧が印加されて上記隣接する電極ユニットに印加されたRF電圧により、環状電極の内部にイオンを拘束するRF四重極場が形成され、四重極場の中心は装置の軸方向に沿って所定の方向の末端に徐々に近づき、その結果、イオンは環状電極10、11、12の内角105の付近に収束される。
DC電圧源DCは、環状電極10、11、12にDC電圧を印加し、該DC電圧は、イオンを軸方向に沿って移動させるように、軸方向に沿って分布している第1のDC成分を含む。また、該DC電圧は、イオンが軸からずれて運動するように、幅値が環状電極10、11、12が配置されている平面上の所定の方向に沿って変化する第2のDC電圧を含む。
具体的に、RF電圧源RFとDC電圧源DCは、モード化して協同作業することができる。該作業モードで、同一の環状電極10、11、12に属する隣接の電極ユニットに印加されたRF電圧は位相が異なり、イオンを通路の内部に拘束する機能は、主に該位相が異なる部分のRF電圧によって提供される。軸方向に沿って隣接する電極ユニットに印加されたRF電圧は位相を同じものにする結果、RF四重極場の等ポテンシャル線の方向はイオン輸送の軸方向にほぼ平行し、イオンが軸方向に沿って輸送される運動がよりスムーズになる。上記形式のRF電圧が印加されたことにより、イオンガイド装置1内にイオンを拘束することができるRF四重極場が形成され、イオンを環状電極10、11、12自体やその間の隙から漏れることなくイオンガイド装置1を安定に通過させることができる。
DC電圧源DCは、複数の環状電極10、11、12にDC電圧を印加するために使用される。DC電圧は、幅値が軸方向に沿って変化し、イオンを軸方向に沿って運動させるための第1のDC成分を有する。
DC電圧は、幅値が環状電極10、11、12が配置される平面上の所定の方向(即ち、第2のDC成分により形成される駆動電場における、高ポテンシャル側から低ポテンシャル側を指す方向)に沿って変化し、イオンの偏向、特に所定の方向に指す偏向運動を駆動するための第2のDC成分をさらに含む。軸外れ輸送の方式により、イオンガイド装置1を軸方向に直接貫通する気流通路が形成されることを回避でき、イオンガイド装置1による真空システムの性能の過酷な要求が回避される。
RF四重極場は主に環状電極10、11、12の内面に分布し、そして内面に近づけば近づくほど、偽ポテンシャル障壁が高くなるため、第2のDC成分により形成されるDC電場とRF四重極場により形成される偽ポテンシャル障壁とのバランスを利用して、イオンを環状電極10、11、12の内面に効果的に収束させることができるとともに第1のDC成分を利用して、イオンを軸方向に沿って安定に輸送することができる。上記の方法により、RF電圧とDC電圧の共同作用により、イオンが軸方向からずれて輸送され、環状電極10、11、12の内面に収束される。
本実施形態では、DC電圧源DCとRF電圧源RFは、個別に設定された独立電圧源であってもよく、同一のハウジング内に設置された異なるモジュールであってもよく、又は同一の回路に統合された電源部品であってもよい。本発明の他の一部の実施形態では、その他任意の適切な形態の電源を採用することもできる。上記形式を有する電場を形成できる限り、本発明の実施形態に相当する実施形態と見なされるべきである。
本実施形態では、同一の環状電極10、11、12は4つの電極ユニットを有するため、従来のイオンガイド装置1と比べると、電極ユニット101、102、103、104の分布がより密となり、隣接する電極ユニット同士の距離がより短くなる。具体的に、所定の方向の末端の電極ユニット102、104に対応する中心角はいずれもπ/8以下、好ましくはπ/16未満である。より短い電極ユニット102、104にRF四重極場を印加することにより、電極ユニット102、104の表面により近い分布のRF四重極場を生成することができ、その結果、電極ユニット102、104に密接する位置にイオンを収束させることができ、例えば、RF四重極場と第2のDC成分とのバランスにより、イオンを環状電極12の内面に収束させることができる。さらに重要なのは、主に収束のバランス作用を果している位相の異なるRF電圧は、同一の環状電極の隣接する電極ユニットに印加されたため、軸方向に隣接する電極ユニットに異なる位相のRF電圧が印加された場合と比べて、こうしたRF四重極場の印加方式は、輸送プロセス中のイオンの振動を低減し、予想しにくい解離現象を回避し、イオン輸送効率を向上させることができる。
<実施形態2>
図3は、第2の実施形態におけるイオンガイド装置2の環状電極20の構造と分布の模式図を示す。図4は、イオンガイド装置2の環状電極の断面構造である。第2の実施形態は、実施形態1のさらなる改良を含み、その改良は、主に、第2の実施形態では、環状電極20の形状及び分割構造が実施形態1と異なることにある。
図3、図4を参照すると、各環状電極20は全体として正方形(又は菱形)であり、環状電極20の分割構造は、正方形の対角線に沿って軸対称となる。対称軸としての対角線は、所定の方向に沿って延びる対角線である。対称軸の一側では、環状電極が第1の辺201と第2の辺202を含み、対称軸の他側では、環状電極が第3の辺203と第4の辺204を含む。第1の辺201と第3の辺203の分割構造が互いに対称となり、第2の辺202と第4の辺204の分割構造が互いに対称となる。第1の辺201と第3の辺203はそれぞれ、各自で大体1/2の辺長(基本的にπ/8の中心角に対応する)を占める、分離された二つの電極セグメントに分けられ、第1の辺201の一つの電極セグメントと第3の辺203の1つの電極セグメントは、コーナーで互いに接続され、コーナーを有する一体型の電極ユニット205を形成する。
第2の辺202と第4の辺204は、いずれも不均一な形で分割化され、且つ分割構造は所定の対称軸に沿って互いに対称となる。その中、第2の辺202と第4の辺204はいずれも、各自で大体1/2の辺長(大体π/8の中心角に対応する)を占める電極ユニット207を含み、該電極ユニット207は、第1の辺201第3の辺203に配置された長さがほぼ同じである電極ユニット206とは、異なる位相(特に反対の)のRF電圧が印加されたことで、イオンに対する中長距離の拘束効果が効果的に形成され、イオンを対称軸に近い位置に収束させることができる。
第2の辺202と第4の辺204には、長さが所定の方向に沿って徐々に小さくなる電極ユニット208、209、210がさらに含まれる。これらの電極ユニット、例えば電極ユニット208、209、210は、いずれも環状電極20の底部、即ち、所定の方向に沿った環状電極20の端部に配置されている。電極ユニット208、209、210は長さが短く、間隔も小さいため、長さが短く、間隔が小さい電極ユニット208、209、210に印加されたRF電圧は、イオンを環状電極20の内面に密接するように拘束するRF多重極場を生成することができる。本実施形態では、電極ユニット208、209、210の長さの短縮に伴い、第2の辺202と第4の辺204が所定の方向に徐々に締め付けられることで、イオンビームを常時に対称軸に近い位置に収束させ、基本的に対称軸の所在の経路に沿って、イオンを移動させ、環状電極20の内面に収束させる。
本実施形態では、コーナーにある電極ユニット211を除いて、環状電極20の各電極ユニット(電極ユニット206~210を含む)の長さを、所定の方向に徐々に短くなるように構成することにより、電極ユニット206~210のイオンビームに対する圧縮性能を適応的に設定することができる。電極ユニット206、207における所定の方向に始点により近い方の長さが長くなり、中長距離の拒絶作用が生成でき、イオンを両側から中央に拒絶する方式で環状電極20の対称軸に近い位置に保持し、イオンビームのさらなる圧縮と収束に寄与する。電極ユニット209、210における所定の方向に末端により近い方の長さが短くなり、短い電極ユニット209、210は、イオンをさらに密接する位置に拘束することができ、イオンを両側から中央に拒絶する方式でイオンビームの口径をより小さいにし、イオンビームの輸送性能を向上させる。
本実施形態では、環状電極20が所定の方向の末端は、環状電極20の内角212となるように配置され、内角212にイオンビームを収束させることにより、内角212の両側の辺又は内角の両側の電極ユニット210により形成されたRF多重極場を利用して、イオンビームをさらに圧縮し、イオンビームに対する収束効果を向上させる。
一部の実施形態では、イオンビームが隣接する電極ユニットの間の切欠きから漏れることをさらに防止するために、所定の方向を、電極ユニットの間の切欠きを指す方向ではなく、電極ユニットを指す方向としてもよい。本実施形態では、所定の方向は、正方形(又は菱形)の環状電極20の対称軸に平行する。具体的に、本実施形態では、所定の方向において、第2のDC成分が直接に指す電極ユニットは、電極ユニット211である。電極ユニット211は、環状電極20の内角212に位置する電極ユニット211である。
内角212にある電極ユニットは、所定の方向に沿って内角212に接近する経路において、経路の両側にある電極ユニット207、208、209、210が徐々に狭くなる形状を成し、徐々に狭くなるような形状は、イオンビームを徐々に圧縮することができ、言い換えれば、イオンビームの断面口径を徐々に縮小させ、イオンビームの輸送性能を向上させる。好ましくは、内角212は、角度が30°~150°の範囲内にある凸角である。
収束目標としての内角212の角度は、過大でも過小でも適宜ではない。内角212が過大になると、イオンビームに対する圧縮性能が低下しやすく、内角212が過小になると、イオンビームを予め設定されたオン出口まで安定に軸外れ輸送しにくくなる。内角212を30°~150°に設定することにより、上記の問題を効果的に解決できる。
なお、環状電極20の各隣接する電極ユニットの間に位相の異なるRF電圧の印加を可能にするために、単一の環状電極20から分離された電極ユニットの数は、好ましくは偶数である。好ましくは、環状電極20は軸対称構造であり、且つ、その対称軸は、所定の方向のベクトルが位置する直線に平行する。軸対称構造である環状電極20は、イオンビームを対称軸に収束させるRF多重極場の生成を容易にし、且つ、電場のシミュレーション、計算の複雑さも低減される。
本実施形態において、複数の環状電極20は形状とサイズが同じである。各環状電極20の構造とサイズを統一することにより、環状電極20の製造及び電圧の印加を便利にする。
(シミュレーションの結果)
図5は、RF電圧源RFによりイオンガイド装置2の環状電極の周囲に形成されたRF多重極場の分布状況である。図6は、RF電圧源RFによりイオンガイド装置2の軸方向に形成されたRF多重極場の分布状況である。
図5から分かるように、RF電極場は、環状電極20の中心での電場強度が弱いであるが、イオンが電極ユニットに近い位置に移動すると、イオンは電極ユニットの表面のRF多重極場によって生成された拒絶力の影響を受けてイオンガイド装置2の内部に保持される。具体的に、軸対称である環状電極20に印加されたRF多重極場の分布も軸対称であり、イオンビームは、基本的に対称軸の軸線上に維持されるように、下に向かって電極ユニット211を徐々に近づき、最終に電極ユニット211と2つの電極ユニット210の間に収束されるとともに、電極ユニット211、2つの電極ユニット210と第2のDC成分により形成された斥力とのバランスにより、最終的にイオンガイド装置2の内側面に安定に収束される。
なお、図6を参照すると、本実施形態では、イオンガイド装置2のイオン入口21は、複数の環状電極20が配列している中心軸上に位置し、イオンガイド装置2のイオン出口22は、環状電極20の中心軸からずれて設置される。具体的に、イオン出口22の設置箇所は、環状電極20の所定の方向に沿った末端の内面に対応する。本発明の他の実施形態では、径方向平面におけるイオン入口21とイオン出口22の位置も、実際の需要に応じて調整することができる。
図6のRF多重極場の分布を参照すると、本実施形態では、複数の環状電極20の内部において、RF多重極場は軸方向に延びていることが分かる。このように設置すると、軸方向でのイオンの輸送プロセスはスムーズであり、輸送プロセス中のイオンの振動加熱問題をより効果的に緩和することができる。
図7は、イオンガイド装置2の環状電極20の周囲においてのDC電圧源DCにより形成されたDC電場の分布状況である。図8は、イオンガイド装置2の軸方向に沿ったDC電圧源DCにより形成されたDC電場の分布状況である。
図7を参照すると、第2のDC成分により形成されたDC電場は、環状電極20の所在の平面に沿って分布している。所定方向での該DC電場の分布は基本的に均一である。図7では、環状電極20頂部が高ポテンシャル側であり、底部が低ポテンシャル側である。イオンガイド装置2内のイオンは、第2のDC成分による底部に向う基本的に均一な電場力の作用を受け、電場力の駆動で環状電極20の底部の内面に向かって移動する。
図8を参照すると、第1のDC成分により形成されたDC電場は軸方向に沿って分布し、軸方向に沿ったポテンシャル勾配を形成する。該第1のDC成分により形成されたDC電場の等ポテンシャル線は、軸方向において基本的に均一に分布しており、その中、イオンガイド装置2のイオン入口21は高ポテンシャル側に位置し、イオン出口22は低ポテンシャル側に位置する。イオンガイド装置2内のイオンは、第1のDC成分によるイオン出口に向かう基本的に均一な電場力を受け、電場力の駆動で、軸方向に沿ってイオン出口に向かって移動し、第2のDC成分の作用で軸からずれて設置されたイオン出口22への偏向が生じる。
図9は、イオンガイド装置2内のイオンの進行軌跡の模式図である。図9において、イオンは電場力の駆動により、イオン入口から軸方向に沿ってイオン出口に移動し、第2のDC成分の作用で軸からずれて設置されたイオン出口22に偏向され、最後にイオンガイド装置2の底部の内側に収束され、イオン出口22から流出する。イオンの進行軌跡は、DC電圧源、RF電圧源のパラメータ(例えば幅値、位相などのパラメータ)により調整される。一部の実施形態では、幅値の調整により、全種類のイオンがイオンガイド装置2の底部の内面に効果的に収束されることが確保できる。他の実施形態では、幅値の調整により、一部のイオンを篩にかけて収束、流出させてもよい。
図10は、イオンが軸方向に沿って運動するときの運動エネルギー分布をさらに示す。図10のX軸は軸方向に沿ったイオンの位置であり、図10のY軸はイオンの運動エネルギーの大きさである。図10を参照すると、イオンは軸方向運動プロセス全体において、運動エネルギーの変化が小さく、基本的に2eV以下であることが分かる。該シミュレーションの結果は、該イオンガイド装置2が軸方向でのイオンの振動加熱問題を効果的に解決できたことをさらに検証した。
<実施形態3>
図11は、第3の実施形態に関わる環状電極20が設置された回路板3の構造模式図を示す。第3の実施形態は、実施形態2に対するさらなる改良を含み、主な改良として、第3の実施形態では、環状電極20は回路板上に設けられた金属部分であることを含む。
回路板構造を採用してイオンガイド装置を製造・組み立てることにより、各電極ユニットの配線を便利で画一的にプリセットできる。また、回路板プロセス又はゴールドフィンガープロセスが上達することで厚さがより均一で平滑な電極ユニットが得られ、形成される電場の均一性を向上させる。
本実施形態では、各環状電極20は1つ又は複数の回路板3に設けられ、具体的には2つの回路板3上に設けられる。複数の回路板3を組み立てて環状電極20を得ることにより、一部の位置の回路板構造を省略し、材料を節約することができる。2つの回路板3で環状電極を組み立てる場合、2つの回路板の間に切欠きを置き、該切欠きは、ガス流通のための切欠き302として構成される。回路板を作製・組み立てるとき、切欠き302をプリセットする方法でガス流通のための経路を提供する。該配置方法は、イオンガイド装置2の構造をよりコンパクトで整然にすることができる。
<実施形態4>
図12は、第4の実施形態の環状電極40の構造模式図を示す。第4の実施形態では環状電極40の変形例が提供される。主な改良は、第4の実施形態では、環状電極40の第2の辺402と第4の辺404は、等しい長さの電極ユニット405から構成されることである。他の部分は実施形態2と同じであり、同じ符号の部分は完全に同様である。
図12を参照すると、環状電極40の第2の辺402と第4の辺404はいずれも、等しい長さの複数の電極ユニット405を有し、第2の辺402が有する電極ユニット405と第4の辺404が有する電極ユニットは数が同じ、第2の辺402と第4の辺404の分割構造は、対称軸に対して互いに鏡像となる。同じ長さの電極ユニット405を採用して環状電極を形成することにより、環状電極部品の製造、組み立ての通用性を向上させる一方、印加された電場に対するシミュレーションや計算を単純化できる。
実施形態2から4における環状電極20、40はいずれも、多角形(例えば正方形、菱形)の外環輪郭を採用しているが、本発明の実施形態における環状電極の構造は、これに限定されない。一部の実施形態において、円形、楕円形又は他の適切な曲線タイプの環状電極が採用され、又は曲線を直線と組み合わせて使用する環状電極であってもよい。例えば、環状電極が、上部に円形リングを採用し、下部に直線型の電極を採用する構造となるように配置されても良い。
実施形態1から実施形態4に基づいて、本発明では、イオンガイド方法がさらに提供される。図13は、本実施形態で提供されるイオンガイド方法であって、以下のステップを含む。
S1.平行に配置された複数の環状電極を提供し、各環状電極に少なくとも4つの互いに分離する電極ユニットが含まれ、複数の環状電極は内部にイオンが輸送される通路が形成され、複数の環状電極の配列方向によりイオン輸送の軸方向が限定される。
S2.複数の環状電極にRF電圧を印加し、同一の環状電極に属する隣接の電極ユニットに印加されたRF電圧の位相が互いに異なり、軸方向に沿って隣接する電極ユニットに印加されたRF電圧の位相が同じであることで軸方向に沿って分布するRF多重極場を装置内に形成させる。
S3.複数の環状電極に幅値が軸方向に沿って変化する第1のDC成分と、幅値が環状電極が存在する平面での所定の方向に変化する第2のDC成分とを有するDC電圧を印加する。
S4.RF電圧とDC電圧の共同作用により、イオンが軸方向からずれて輸送され、環状電極の内面に収束される。
上記のイオンガイド方法を採用することにより、イオンの輸送プロセスに発生する振動を低減し、予想しにくい解離現象を回避し、イオンの輸送効率を向上させることができる。
下記事情を当業者に理解される。上記各実施形態では本願をより容易に理解されるために、技術の詳細が提出された。しかし、これらの技術の詳細と上記各実施形態に基づく様々な変更と修正がなくても、本願の各特許請求の範囲で保護しようと請求する技術案を基本的に実現することができる。そのため、実際の応用では、本発明の旨と範囲から離れなく、表現手段とディテールにおいて上記の実施形態に様々な変更を加えることができる。
1-イオンガイド装置
10、11、12、20-環状電極
101、102、103、104、105-電極ユニット
2-イオンガイド装置
21-イオン入口
22-イオン出口
201-第1の辺
202-第2の辺
203-第3の辺
204-第4の辺
205、206、207、208、209、210、211-電極ユニット
212-内角
3-回路板
302-切欠き
402-第2の辺
404-第4の辺
405-電極ユニット
RF-RF電圧源
DC-DC電圧源

Claims (13)

  1. 互いに分離する少なくとも4つの電極ユニットが含まれ、それらの内部にイオンが輸送される通路が形成され、それらの配列方向によりイオン輸送の軸方向が限定される、平行に配置された複数の環状電極と、
    複数の前記環状電極にRF電圧を印加し、同一の環状電極に属する隣接の電極ユニットに印加された前記RF電圧の位相が互いに異なり、前記軸方向に沿って隣接する電極ユニットに印加された前記RF電圧の位相が同じであることで、イオンを拘束するRF多重極場をイオンガイド装置内に形成させるためのRF電圧源と、
    複数の前記環状電極にDC電圧を印加し、幅値が前記軸方向に沿って変化する第1のDC成分、及び幅値が前記環状電極が存在する平面における所定の方向に沿って変化する第2のDC成分を有するDC電圧を印加するためのDC電圧源と、を含み、
    イオンが前記RF電圧と前記DC電圧の共同作用により、前記軸方向からずれて輸送され、前記環状電極の内面に収束されることを特徴とするイオンガイド装置。
  2. 前記環状電極の形状は少なくとも1つの内角を有し、前記所定の方向は内角に指す、ことを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。
  3. 前記内角は30°~150°の凸角である、ことを特徴とする請求項2に記載のイオンガイド装置。
  4. 前記複数の環状電極の内部において、前記RF多重極場は軸方向に延びる、ことを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。
  5. 前記環状電極は同じ長さの複数の電極ユニットを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。
  6. 各前記環状電極の前記電極ユニットの長さが前記所定の方向に徐々に短くなる、ことを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。
  7. 前記複数の環状電極の形状とサイズが同じである、ことを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。
  8. 前記環状電極は回路板上に設けられた金属部分である、ことを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。
  9. 各前記環状電極は1つ又は複数の回路板上に製作される、ことを特徴とする請求項8に記載のイオンガイド装置。
  10. 前記回路板はガスが流通するための切欠きを少なくとも1つ有する、ことを特徴とする請求項8に記載のイオンガイド装置。
  11. 互いに分離する少なくとも4つの電極ユニットが含まれ、それらの内部にイオンが輸送される通路が形成され、それらの配列方向によりイオン輸送の軸方向が限定される、平行に配置された複数の環状電極を提供するステップと、
    複数の前記環状電極にRF電圧を印加し、同一の環状電極に属する隣接の電極ユニットに印加された前記RF電圧の位相が互いに異なり、前記軸方向に沿って隣接する電極ユニットに印加された前記RF電圧の位相が同じであることで、前記軸方向に沿って分布するRF多重極場を装置内に形成させるステップと、
    複数の前記環状電極に幅値が前記軸方向に沿って変化する第1のDC成分と、幅値が前記環状電極が存在する平面における所定の方向に沿って変化する第2のDC成分を有するDC電圧を印加するステップと、
    イオンが前記RF電圧と前記DC電圧の共同作用により、前記軸方向からずれて輸送され、前記環状電極の内面に収束されるステップと、
    を含む、ことを特徴とするイオンガイド方法。
  12. 互いに分離する少なくとも4つの電極ユニットを含み、それらの内部にイオンが輸送される通路が形成され、それらの配列方向によりイオン輸送の軸方向が限定される、平行に配置された複数の環状電極と、
    複数の前記環状電極にRF電圧を印加し、同一の環状電極に属する隣接の電極ユニットに印加された前記RF電圧の位相が互いに異なり、軸方向に沿って隣接する電極ユニットに印加された前記RF電圧の位相が同じであることで、イオンを拘束するRF多重極場をイオンガイド装置内に形成させるためのRF電圧源と、
    複数の前記環状電極に、幅値が前記環状電極が存在する平面における所定の方向に沿って変化する第2のDC成分を有するDC電圧を印加するためのDC電圧源と、を含み、
    前記所定の方向が指す電極ユニット及びその隣接する電極ユニットに対応する中心角はいずれもπ/8以下である、ことを特徴とするイオンガイド装置。
  13. 前記所定の方向が指す電極ユニット及びその隣接する電極ユニットに対応する中心角はいずれもπ/16以下である、ことを特徴とする請求項12に記載のイオンガイド装置。

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