JP6540829B2 - 質量分析装置並びに該装置においてイオンの損失及び次段の真空負荷を低減するために用いられる方法 - Google Patents

質量分析装置並びに該装置においてイオンの損失及び次段の真空負荷を低減するために用いられる方法

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Description

本発明は質量分析の技術分野に関し、特に質量分析装置並びに該装置においてイオンの損失及び次段の真空負荷を低減するために用いられる方法に関する。
一般に質量分析装置用の質量分析器は一定の真空度の下で作動する。好適な真空度は、イオントラップ型、四重極ロッド型、飛行時間型、フーリエ変換型等といった質量分析器のタイプによって10mTorrから10−10Torrの範囲に及ぶ。分析対象となるイオンが例えば大気圧領域のように比較的ガス圧の高い領域で生成される場合、分析器の領域まで効果的にイオンを移送するための圧力勾配を形成するために一続きの真空インターフェイスが必要となる。例えば、大気圧から次段の真空(典型的には10mTorrと100Torrの間のガス圧)への移行には、キャピラリ、小孔、サンプリングコーン孔、ノズル又はこれらの組み合わせを採用した真空インターフェイスが一般に用いられる。高周波電圧を印加する複数の多重極ロッドや積層リング型電極アレイ等といったイオン案内装置は、次段の真空インターフェイスへイオンを移送するためのインターフェイスの後ろに配置されるのが通例である。
例えば大気圧から1Torrまでガス圧を変化させる場合、キャピラリを真空インターフェイスとして用いると、キャピラリ内のガス流が圧力降下により加速される。キャピラリから噴出された後、ガス流は急激な圧力降下により超音速自由膨張噴流を形成する。ガスはまず音速の数倍まで急速に加速された後、減速されて、音速の1倍の位置にいわゆるマッハディスクを形成する。マッハディスクの手前(即ち超音速領域)ではイオンが噴流内に閉じ込められているが、該イオンがマッハディスクを通過すると激しいイオン散乱が生じる。故に、マッハディスクを通過したイオンを移送又は収束するために高周波多重極又は他の光学的な装置だけを用いる場合、イオン散乱速度が大きいため高い効率を達成することが難しい。
この問題に対する従来の解決策に基づき、別のサンプリングコーン孔を用いて、イオン散乱が生じる前にイオンの一部を捕捉すれば、大幅で急激なガス圧変化が生じないため、移送中のイオンを高周波多重極等の手法を用いて収束させることができる。しかし、この方法を採用してもサンプリング効率は非常に低い。近年、幾つかの方法や装置が開発されている。特許文献1でその発明者が提案している方法では、マッハディスクの手前(即ち超音速自由噴流領域)でイオンビームの閉じ込め又は収束を行うために高周波多重極又は他の高周波装置が設けられるため、マッハディスクを通過するときイオンは既に比較的収束したイオンビームの形になっており、散乱が大きく低減される。この方法はイオン移送効率を高めることができるため、多くの市販の装置で採用されている。しかし、この方法にも問題がある。まず、ガス流そのものに対する調整は行われず、高速のガス流の影響下では高周波電圧の収束作用が非常に限定されるため、イオン損失を確実に無くすことは難しい。また、同方法においてイオンビームの圧縮効果をより確実に高めるために最も効果的な高周波電圧は四重極場の形である。しかし、イオンの質量範囲が広い場合、質量数の異なるイオンを最大限に透過させるためには四重極場の電圧又は周波数を走査する必要がある。飛行時間型質量分析器のような非走査型の質量分析器の場合、そのような方法は分析の効率を制限してしまう。
特許文献2に別の装置が記載されている。その発明者は、イオン損失は自由噴流の遠端における乱流の発生によって生じるイオン散乱に起因すると考えている。そこで、長尺の整流管を自由噴流の方向に配置することでガス流を超音速自由噴流から均一で整った層流に変化させ、該層流に沿ってイオンを移送することにより散乱を防いでいる。また、同時に直流電圧又は高周波電圧を整流管に印加することで、イオンビームの閉じ込めを良好にしたり移動度による分離等を達成したりすることができる。安定した亜音速の層流を得るため、該装置は通例、100mm程度の長さの整流管を必要とする。このような長尺の整流管は装置の小型化にとって望ましくないことは明白である。また、長距離の移送によりイオン損失が非常に大きくなる。
特許文献3では別の方法を用いている。該方法では真空インターフェイスとしてドラバル(de Laval)ノズル構造が用いられており、該構造により自由噴流の自由膨張を制限することで、イオン分散損失を低減できる平行なガス流を形成することができる。この構造は簡単且つ小型である。しかし、本発明者が行ったシミュレーション及び実験によれば、この構造ではノズルの出口から100mmの距離においてもなお音速の2倍という高速の均一なガス流を生成する傾向がある。このような強い流れ場においては電場の印加によりイオンを効果的に収束させることは難しく、高速のガス流が次段の真空に勢いよく流れ込んで真空ポンプに余分な負荷をかけてしまう。当然のこととして、軸に沿って次段の真空に入るガス流の量を減らすためにガス流からイオンを分離する軸外し構成のイオンガイド及び真空構造が用いられる。しかし、軸外し構成を導入するとインターフェイスの設計が大幅に複雑になる上、異なるイオンのイオン移動度の差に起因する質量弁別の現象が生じやすくなる。
US7259371B2 WO2014/001827A2 US8269164B2
従来技術の上記欠点に鑑み、本発明は、質量分析装置における真空インターフェイスを改良して、次段の真空負荷を増加させることなく、自由膨張噴流に沿った運動により生じるイオン損失を低減することを目的とする。
前記目的及び他の関連する目的を達成するため、本発明は、イオン源と、真空室と、イオン案内装置と、中空管状レンズとを備える質量分析装置を提供する。前記イオン源は第1ガス圧領域に配置され且つイオンを供給し、前記真空室は入口及び出口を備え且つ第1ガス圧領域よりもガス圧の低い第2のガス圧領域に配置されている。第1ガス圧領域内のイオンは、圧力差により生成されるガス流と一緒に真空室の入口を通って第2ガス圧領域内の真空室に入ること、及び真空室の出口から該真空室の外へ出ることができる。前記イオン案内装置は前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって該真空室の出口の前段に位置している。前記中空管状レンズは前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって前記イオン案内装置の前段に位置している。また、前記管状レンズは前記真空室の入口から該真空室に入るガス流の方向と平行な中心軸を有する空力レンズであり、前記ガス流は前記真空室に入った後に自由膨張噴流の結果としてマッハディスクを生成し、前記管状レンズの入口が該マッハディスクの上流側の部分に位置している。
また、前記管状レンズの作用により前記自由膨張噴流がマッハディスクの下流側の部分において少なくとも1つの渦領域を形成する。
また、前記管状レンズは前記自由膨張噴流の外側に渦シースを生成させ、該渦シースは軸方向における前記管状レンズの後端から始まる。
また、前記管状レンズは絶縁材料から成る。
また、前記管状レンズは金属電極を内部に備える。
また、前記金属電極は金属円筒であり、直流電圧印加される。
また、前記金属電極は多重極であり、高周波電圧と直流電圧が印加される。前記多重極は管状レンズの中心軸と略一致する軸を有する。
また、前記金属電極は前記管状レンズの中心軸に沿って分散配置された積層リング型電極アレイであり、高周波電圧と直流電圧が印加される。
また、前記金属電極は前記イオン案内装置により共用される。
また、前記管状レンズの直径に対する長さの比が0.5から5までの範囲にある。
また、前記管状レンズの中空部の直径が軸方向に変化する。
前記管状レンズの中空部は軸方向に直径が小さくなる1つ以上の部分を備える。
また、前記真空室の入口又は出口は、キャピラリ、小孔、サンプリングコーン孔、ノズル又はこれらの組み合わせである。
また、前記第1ガス圧領域の前記第2ガス圧領域に対する圧力比が2より大きい。
また、前記管状レンズの最小内径と前記真空室の入口の後端の最小内径との比が(a)1〜2、(b)2〜4、(c)4〜8、及び(d)8〜20の各範囲のいずれかにある。
また、前記真空室の入口の後端から前記管状レンズの後端までの軸方向の距離と、前記真空室の入口の後端からその後ろの1番目のマッハディスクまでの軸方向の距離との比が1〜2の範囲にある。
前記目的及び他の関連する目的を達成するため、本発明は、イオンが質量分析装置の真空インターフェイスを通過するときのガス流の自由膨張に伴って生じるイオン損失を低減する方法を提供する。該方法は以下の手順を備える。第1ガス圧領域に配置され且つイオンを供給するイオン源を設ける。また、第1ガス圧領域よりもガス圧の低い第2のガス圧領域に配置される真空室を設ける。ここで、第1ガス圧領域内のイオンは、圧力差により生成されるガス流と一緒に真空室の入口を通って第2ガス圧領域内の真空室に入ること、及び真空室の出口から該真空室の外へ出ることができる。また、前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって該真空室の出口の前段に位置するイオン案内装置を設ける。また、前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって前記イオン案内装置の前段に位置する中空管状レンズを設ける。ここで、該管状レンズは前記真空室の入口から該真空室に入るガス流の方向と平行な中心軸を有する空力レンズであり、前記ガス流は前記真空室に入った後、自由膨張噴流の結果としてマッハディスクを生成し、前記管状レンズの入口が該マッハディスクの上流側の部分に位置している。
前記目的及び他の関連する目的を達成するため、本発明は、前記質量分析装置の多段真空構造における次段の真空負荷を低減する方法を提供する。該方法では、前記管状レンズにより自由膨張噴流ビームの外側に渦シースが形成されることで、少なくとも中央のガス流ビームの一部を軸から外れる方向へ効果的に指向させ、以て近軸領域に位置する次段の真空インターフェイスにおけるガス流の量を低減させる。
本発明には従来技術と比べて以下の利点がある。
1.イオンを収束するために高周波電圧だけに頼る場合に比べて、空力レンズの使用により噴流領域におけるイオン捕捉効率を高めることができる。
2.管状レンズは構造が簡単で寸法が小さい。その寸法は直径が0.1〜10mmの範囲、長さが1〜15mmの範囲にあることが好ましい。
3.最も広く用いられているエレクトロスプレイイオン源の場合、空力レンズにより形成される渦領域がイオン捕捉効率を高めるだけでなく、帯電液滴の脱溶媒効率も高めるため、質量分析装置の感度が更に向上する。
4.特定の寸法の管状レンズについては、次段の真空に入るガス流の量が低減し、それにより次段の真空ポンプにかかる負荷が低下することが分かった。これは質量分析装置の小型化にとって有利である。
本発明の一実施例における質量分析装置の概略構造図。 本発明の一実施例における管状レンズの概略構造断面図。 本発明の別の実施例における管状レンズの概略構造断面図。 本発明の更に別の実施例における管状レンズの概略構造断面図。 図2bの実施例における管状レンズを用いた後で実施された気体力学コンピュータシミュレーションの結果を示す概略図。 本発明の一実施例における管状レンズ内の電極の概略断面図 図4aの概略構造図。 本発明の別の実施例における管状レンズ内の電極の概略構造図。 本発明の一実施例において管状レンズの電極とイオン案内装置の電極を組み合わせたものの概略構造図。 図5aの管状レンズの概略断面図。 図5aのイオン案内装置の概略断面図。 本発明の別の実施例において質量分析装置内の管状レンズの位置を変えたものの概略構造図。 本発明の一実施例の質量分析装置により管状レンズを通じて実行される次段の真空室のガス圧制御の概略構造図。 管状レンズを用いて行った気体力学コンピュータシミュレーションの結果を示す図。 管状レンズを用いずに行った気体力学コンピュータシミュレーションの結果を示す図。 管状レンズを用いた場合と用いない場合について低真空のポンプ段の圧力と高真空の分子ポンプ排気段の圧力との関係の実験結果を比較したグラフ。
以下、具体例を用いて本発明の実施例を説明する。本発明の他の利点及び有効性は本明細書の開示を参酌すれば当業者には容易に分かるであろう。本発明は他の異なる方法で実践又は実施することが可能であり、本明細書に記載したその種々の細部は、本発明の精神に従うという前提の下、異なる観点及び用途に基づいて様々に修正又は変更することが可能である。なお、矛盾がなければ、本発明の各実施例及びそれら実施例の諸特徴は互いに組み合わせることができる。
本発明は、質量分析装置等、質量分析用の装置又はシステムに応用できる。図1は本発明の好ましい一実施例である。大気圧下でイオン源1(エレクトロスプレイイオン源等)により生成されたイオンがキャピラリ2を通って真空室3(例えばイオン案内装置内のイオン輸送室)に入る。真空室3内の典型的なガス圧は1〜10Torrである。圧力差により生成されたガス流はキャピラリ2を通って真空室3に入るときに超音速自由膨張噴流を形成するため、何ら制限がなければ、この噴流はキャピラリ2の方向に延在する同心の樽型衝撃波の輪郭を実質的に持つ。ガス流の速度は衝撃波内で音速を超えることがある。このガス流が垂直面上のマッハディスクを超えて勢いよく流れる際、ガス流の速度が落ちて音速より遅くなる。減速されたガス流はバックグラウンドガスとの衝突によりその速度の向きが徐々に分散し、ガス流に乗って移送されているイオンがマッハディスクの下流側の部分で著しい損失を被る。
そこで、図1に示した本発明の実施例では、上記問題を回避するために、噴流の膨張を制限するための中空管状レンズ4、好ましくは空力レンズを使用し、該空力レンズ4の入口をマッハディスクの上流側の部分に配置している。後で詳述するように、このレンズの幾何学的な寸法を適切に選択することで、マッハディスクの後ろでイオン輸送経路を制限する1つ以上の渦領域をガス流に形成させ、以てガス流に伴うイオンの散乱を低減することができる。ガス流の流れる方向は、空力レンズ4による調整後、図中の矢印5で示した方向に向くものと単純に解釈することができる。即ち、イオンがガス流とともにイオン案内装置6に入り、案内及び収束され、真空インターフェイス7を通って次段の装置8に入るように、自由膨張噴流ビームを制限して整流する。次段の装置8のガス圧は典型的には1〜200mTorrである。この装置はイオン案内装置や質量分析器等であり、従って次段の真空室9内に配置することができる。
図2a〜図2cは管状空力レンズ4の様々な幾何構造を示す断面図である。図2aに示したような円筒状の構造のレンズ41が最も典型的であり、その内側の中空部(以下、管状空間と呼ぶ)の直径は長さ方向に一定である。図中の矢印がガス流の方向を示している。典型的には、空力レンズ41の直径は1〜10mmの間、長さは1〜15mmの間であり、その好ましい寸法はキャピラリ2の寸法と真空室3内のガス圧の値に依存する。例えば、長さ80mm、内径0.6mmのキャピラリを使用し、真空室3内の圧力が2Torrである場合、直径5〜10mm、長さ8〜15mmの管状レンズを採用すればよい。
別の構造として、図2bに示したような漏斗状の空力レンズ42がある。ガス流の方向は図中の矢印の方向であり、入口の方が出口よりも半径が大きい。典型的な寸法は、入口が10〜15mm、出口が4〜10mm、長さが8〜20mmである。漏斗状構造には、より短い長さでより強い渦を形成できるとともに、入口が大きいため可能な限り多くのイオンが確実に捕捉され、更に出口が小さいためガス流をより良好に収束できる、といった利点がある。
図2aと図2bの実施例を組み合わせて別の実施例を得ることもできる。例えば図2cは前記直管状空力レンズの構造と漏斗状空力レンズの構造の組み合わせを示している。大径の直管状空力レンズ43内で十分に膨張したガス流が漏斗状空力レンズ44により制限され、整流される。そして、収束されたガス流が小径の直管状空力レンズ45の作用により平行になる。特許文献3に記載の平行なガス流に比べて本実施例のガス流はずっと低速であるため、その中で運ばれるイオンを電場で操作すること(イオンの収束、ガス流からのイオンの引き出し、イオン移動度に応じたイオンの分離等)が容易にできる。なお、空力レンズ43、44及び45は一体のレンズとしてもよいし、サイズが異なる複数のレンズを適切に組み合わせたものでもよい。
図3は図2bの実施例の漏斗状空力レンズによる気体力学シミュレーションの結果を示している。図3は軸に沿った中心対称のガス流場の速度分布の横断面図である。ガス流が矢印10の方向にキャピラリ2(一部のみ図示)を通り、大気圧から例えば1.7Torrのガス圧の真空領域へ入る。レンズ42は漏斗状空力レンズである。空力レンズの絞り作用により、矢印10の方向に略垂直なマッハディスク11が自由噴流内で後方へ圧縮され、2つの渦領域12がマッハディスク11の後ろに形成される。これらの渦は時計回りで内側に向いている。これらの渦領域が、該領域を通過するイオンを短い滞留時間で効果的に減速する。これにより、壁面との衝突によるイオンの損失が防止されるだけでなく、マッハディスクの下流側の部分において過大な速度の層流や不安定な乱流が形成されなくなる。下流側の渦領域ではガス流の流量が急激に低下するため、従来のイオン案内装置を用いてイオンの移送及び収束を効果的に行うことができる。図2a又は図2cに示したような別の幾何構造でも、その寸法が適切であれば同様の渦を形成することができる。従来技術と比べた本発明の重要な相違点及び改良点の1つはこの渦領域の形成にある。
上記実施例において、エンジニアリングプラスチックやエポキシ樹脂等の絶縁材料で空力レンズのハウジングを作製することができる。しかし、空力レンズを基礎としつつ電場によるレンズ機能を追加してイオンの移送を更に容易にするため、管状電極を金属で構成することが好ましい。例えば、管状の金属電極を選ぶ場合、イオンの移送を容易にするために、キャピラリ2及びイオン案内装置6に印加される直流電位とは異なる直流電位の印加が必要となるのが通例である。
直流電圧に加えて一定の振幅及び周波数の高周波電圧又は交流電圧を管状レンズの電極に印加してもよい。なお、管状空力レンズの電極は管状に限らず様々な形状にできることを強調しておく。
図4a及び図4bは一実施例における空力レンズ内の電極構造を示し、図4cは空力レンズ内の別の電極構造を示している。
図4a及び図4bは空力レンズ内の四重極場電極構造を示しており、図4aはレンズの軸方向に垂直な概略断面図、図4bはレンズの概略等角投影図である。図示したように、4つの電極13が四重極場の形の高周波電圧を印加することで、空力レンズ内に高周波四重極場が形成され、イオンビームをより良好に圧縮することができる。電極間を埋める細片状の絶縁部が符号14で示されている。これは好ましくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等のエンジニアリングプラスチックである。電極13と絶縁部14の内面が管状空間を画定しており、図中の絶縁性ハウジング15が支持体となっている。こうして高周波四重極場と空力レンズがともに作用することでイオン損失が最大限に回避される。前述のように、個々の電極により確定される管状空間の直径は軸に沿って変化していてもよい。例えば、図2bの漏斗状の形を採用する場合、各電極及び絶縁部の寸法を軸に沿って変化させればよい。
この実施例から類推すると、高周波電場は四重極場に限られず、六重極場、八重極場、十二重極場等を採用してもよい。より高次の場を用いれば、同じ条件下で四重極場を用いて得られる質量範囲よりも広い質量範囲が得られる。また、軸方向に分散配置された積層リング型電極アレイを採用する。図4cは内部で積層リング型電極アレイが作動する場合の管状空力レンズの軸方向の断面図である。絶縁性ハウジング18が支持体となり、符号16で示した積層リング型電極アレイが環状の絶縁部17と交互に配置されている。同振幅で逆位相の高周波電圧を軸方向に隣接する電極間に印加してイオンを閉じ込める一方、特定の直流電圧勾配を軸方向に印加してイオンを押し動かしたり、逆の直流電圧勾配を印加して移動度の高過ぎるイオンを除去する等、他の特定の目的を達成したりすることもできる。
一実施例として、空力レンズ内の電極と図1に示した下流側のイオン案内装置6の電極が互いに独立していたり、直接接続されていたりしてもよい。イオン案内装置内の電極の一部を空力レンズ内の電極にすることさえ可能である。図5aに示したように、イオン案内装置の高周波電極61が軸方向に延在して空力レンズ46内に入り込み、該レンズ46内で高周波四重極場を形成することでイオンの収束及び閉じ込めを行う。このような場合において、図5bは軸方向に垂直な方向にとった空力レンズ46の横断面を示している。図5bにおいて、4本の高周波電極61のうち空力レンズ46の内部にある部分が空力レンズの電極13に相当し、四重極場を形成する。高周波電極61のうち絶縁性ハウジング20の外に突出した部分は電極接続線である。高周波電極61の間の細片状の絶縁部19は前述の実施例の絶縁部14と同じでよい。図5cは空力レンズ46の外側(つまりイオン案内装置側)でとった高周波電極61の断面図である。イオンは、空力レンズ46内ではガス流場と高周波電場の両方の作用を一緒に受け、空力レンズ46から出た後は主に高周波電場によって収束されつつ移送される。このような構造には2つの利点がある。1つ目は全体構造と電圧設定が簡素になるということ、2つ目は管状空力レンズ46内の高周波電場とイオン案内装置内の高周波電場の境界において跳びが生じないため、フリンジ場効果を回避できるということである。
なお、図4a又は図5aの実施例では、多重極場を形成する管状空力レンズ内の電極は軸方向に一体となった電極(例えば、1本の細片全体)であるが、実際の応用はこれに限られない。1本の細片全体を軸方向に分割し、異なる直流電圧又は高周波電圧を印加することで、直流駆動場を形成したり高周波電場のパターンを調整したりしてもよい。また、直流電圧勾配は、電極の外側表面を高抵抗の薄膜で軸方向に覆うことにより形成してもよい。
図4a〜図4cの実施例の絶縁部14及び17については、強いガス流場があるため表面電荷の蓄積は重大な問題ではない。その上、表面電荷の蓄積を一層低減するために様々な手段を採用することができる。そのような表面処理を行うために、例えば、表面を高抵抗の薄膜層で覆うことで電荷を伝導により除去したり、帯電防止剤等で被覆するという処理を施したりすることができる。あるいは、図5bに示したように絶縁部19の内面を電極61の内面よりも若干低くすることで、帯電したイオンが絶縁表面に接触する可能性を低くする。ただし、この場合は上記ガス流場が大きく変化しないことを保障する必要がある。あるいは、レンズ内での電極の内面の比率を絶縁部の内面に対して大きくすることで表面電荷を低減する、等の方法もある。
図6は本発明の別の実施例であって、空力レンズの配置箇所を変更してもよいことを示している。本実施例では、空力レンズが、大気圧インターフェイスとして用いられているキャピラリ2とイオン案内装置6との間ではなく、次段の真空インターフェイス7と次段の装置8(イオン案内装置又は質量分析器)との間にある。真空室3のガス圧は典型的には1〜10Torrであり、次段の装置8のガス圧は典型的には1〜200mTorrである。このとき真空インターフェイス7は円形のアパーチャレンズ又はサンプリングコーン孔であることが好ましい。本実施例では、真空インターフェイス7を通って次段の装置8に入ることにより、ガス流が真空室3内の連続流から徐々に遷移流に又は分子流にさえ変わる場合があるが、それでも空力レンズを用いてそのガス流を調整し、最大のイオン移送効率を得ることができる。ただし、幾何学的な寸法を相応に最適化し、調整する必要がある。基本的には、本発明の空力レンズは、連続流から連続流へ変化する場合、連続流から遷移流へ変化する場合、連続流から遷移流を経て分子流へ変化する場合、あるいは遷移流から分子流へ変化する場合に適用できるが、分子流から分子流へ変化する場合には適用できない。故に、多段真空系においては、本発明の空力レンズを異なる真空インターフェイスに別々に又は続けて用いることができる。
更に指摘すべきは、複数の真空段を備える質量分析装置の場合、空力レンズを内部に配置した真空室に続く段の真空負荷も大きく低減し得るため、空力レンズの構造及び位置パラメータを特別に設定することにより真空ガス圧の制御効果が他にも得られる可能性があるということである。
図7は本発明の空力レンズを通じて次段の真空度を制御する方法を示している。この方法では、真空室の入口の後端から空力レンズ4の後端までの軸方向の距離Lと、真空室の入口の後端からその後ろの1番目のマッハディスクまでの軸方向の距離Mとの比が1〜2の範囲にある。この構造では、マッハディスクの後ろで急激に減速される軸方向のガス流が空力レンズ4の後端の後ろで分散する。空力レンズ4の構造の壁面による制約がなくなるため、分散したガス流は減速して主ガス流ビームの外側に非常に大きな渦シースを形成する。この渦シースのスケールとサイズは空力レンズ4の無い構造で生じるものよりずっと大きいため、主ガス流ビームの一部が軸から外れて外側へ向かい、主ガス流ビームの流量とガス流密度を低下させる。こうして、真空室3と同じガス圧下で軸上の真空インターフェイス7を通じて次段の装置8(分子ポンプを用いて作り出された高真空の室を有する)に導入されるガス流の量がかなり減り、それにより次段の装置8の真空ガス圧が効果的に低下する。その原理を図8aに示す。この原理によれば、空力レンズを使用しない構造の流れ場(図8b)に比べて主ガス流ビームの幅が明らかにずっと広く、渦がずっと大きく(図中の渦AとBを比較参照されたい)、また渦によるガス流の横方向の分散が遠端側で観察できる。図9は本発明の空力レンズが次段のターボポンプによるターボ排気段における真空度の低下に与える効果を示す実験データの図である。具体的には、既存のキャピラリインターフェイスの寸法が0.5mm(内径)×84mm(長さ)で、空力レンズが長さ5mmで内径2.5mmである場合、前段で好適な動作ガス圧300Paを採用すると、次段のターボポンプによる排気段のガス圧を最大で3倍以上低下させることができる。つまり、このような構造の質量分析装置又はシステムではポンプ速度の低い安価な又は小型のターボポンプを使用できる。なお、真空室入口の後端の最小内径に対する空力レンズの最小内径の比が1〜20の範囲にあれば前述のような渦構造が生じ得る。その比が2より大きければ次段の真空の圧力が明らかに低減する傾向を示す。その比が4〜8の範囲にあれば比較上最良の圧力低減効果が得られる。
本発明には従来技術と比べて以下の利点がある。
1.イオンを収束するために高周波電圧だけに頼る場合に比べて、空力レンズの使用により噴流領域におけるイオン捕捉効率を高めることができる。
2.管状レンズは構造が簡単で寸法が小さい。その寸法は直径が0.1〜10mm、長さが1〜15mmであることが好ましい。
3.最も広く用いられているエレクトロスプレイイオン源の場合、空力レンズにより形成される渦領域がイオン捕捉効率を高めるだけでなく、帯電液滴の脱溶媒効率も高めるため、質量分析装置の感度が更に向上する。
4.特定の寸法の管状レンズについては、次段の真空に入るガス流の量が低減し、それにより次段の真空ポンプにかかる負荷が低下することが分かった。これは質量分析装置の小型化にとって有利である。
上記実施例は単に本発明の原理とその有効性を模範例で説明したものであり、本発明を限定するものではない。当業者により本発明の精神及び範囲から逸脱することなく上記実施例に対して成される修正又は変形は許容し得る。従って、当該技術分野における通常の知識を有する者により、本発明に開示された精神及び技術思想から逸脱することなく成される等価な修正又は変形は全て以下の請求項により包含されるものである。

Claims (15)

  1. 第1のガス圧領域に配置され且つイオンを供給するイオン源と、
    入口及び出口を備え且つ前記第1ガス圧領域よりもガス圧の低い第2のガス圧領域に配置された真空室であって、前記第1ガス圧領域内のイオンが、圧力差により生成されるガス流と一緒に前記真空室の入口を通って前記第2ガス圧領域内の前記真空室に入ること、及び前記真空室の出口から該真空室の外へ出ることが可能であるような真空室と、
    前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって該真空室の出口の前段に位置しているイオン案内装置と、
    前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって前記イオン案内装置の前段に位置している中空管状レンズと
    を備え、
    前記管状レンズが前記真空室の入口から該真空室に入るガス流の方向と平行な中心軸を有し、直流電圧のみが印加される、前記イオン案内装置とは別に設けられたレンズであり、前記ガス流が前記真空室に入った後に自由膨張噴流の結果としてマッハディスクを生成し、前記管状レンズの入口が該マッハディスクの上流側の部分に位置していること
    を特徴とする質量分析装置。
  2. 前記管状レンズの作用により前記自由膨張噴流が前記マッハディスクの下流側の部分において少なくとも1つの渦領域を形成することを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 前記管状レンズが前記自由膨張噴流の外側に渦シースを生成させ、該渦シースが軸方向における前記管状レンズの後端から始まることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  4. 前記管状レンズが金属電極を内部に備えることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  5. 前記金属電極が金属円筒であって直流電圧が印加されることを特徴とする請求項に記載の質量分析装置。
  6. 前記管状レンズの直径に対する長さの比が0.5から5までの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  7. 第1のガス圧領域に配置され且つイオンを供給するイオン源と、
    入口及び出口を備え且つ前記第1ガス圧領域よりもガス圧の低い第2のガス圧領域に配置された真空室であって、前記第1ガス圧領域内のイオンが、圧力差により生成されるガス流と一緒に前記真空室の入口を通って前記第2ガス圧領域内の前記真空室に入ること、及び前記真空室の出口から該真空室の外へ出ることが可能であるような真空室と、
    前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって該真空室の出口の前段に位置しているイオン案内装置と、
    前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって前記イオン案内装置の前段に位置している中空管状レンズと
    を備え、
    前記管状レンズが前記真空室の入口から該真空室に入るガス流の方向と平行な中心軸を有するレンズであり、前記ガス流が前記真空室に入った後に自由膨張噴流の結果としてマッハディスクを生成し、前記管状レンズの入口が該マッハディスクの上流側の部分に位置しており、
    前記管状レンズの中空部の直径が軸方向に変化している
    とを特徴とする質量分析装置。
  8. 前記管状レンズの前記中空部が、軸方向に直径が小さくなる1つ以上の部分を備えていることを特徴とする請求項に記載の質量分析装置。
  9. 前記真空室の入口又は出口が、キャピラリ、小孔、サンプリングコーン孔、ノズル又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  10. 前記第1ガス圧領域の前記第2ガス圧領域に対する圧力比が2より大きいことを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  11. 前記管状レンズの最小内径と前記真空室の入口の後端の最小内径との比が(a)1〜2、(b)2〜4、(c)4〜8、及び(d)8〜20の各範囲のいずれかにあることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  12. 前記真空室の入口の後端から前記管状レンズの後端までの軸方向の距離と、前記真空室の入口の後端からその後ろの1番目のマッハディスクまでの軸方向の距離との比が1〜2の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  13. イオンが質量分析装置の真空インターフェイスを通過するときのガス流の自由膨張に伴って生じるイオン損失を低減する方法であって、
    第1ガス圧領域に配置され且つイオンを供給するイオン源を設ける手順と、
    前記第1ガス圧領域よりもガス圧の低い第2のガス圧領域に配置される真空室であって、前記第1ガス圧領域内のイオンが、圧力差により生成されるガス流と一緒に前記真空室の入口を通って前記第2ガス圧領域内の前記真空室に入ること、及び前記真空室の出口から該真空室の外へ出ることができるような真空室を設ける手順と、
    前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって該真空室の出口の前段に位置するイオン案内装置を設ける手順と、
    前記真空室内に配置され且つ該真空室の入口の次段であって前記イオン案内装置の前段に位置する中空管状レンズを設ける手順と
    を備え、
    前記管状レンズは前記真空室の入口から該真空室に入るガス流の方向と平行な中心軸を有し、直流電圧のみが印加される、前記イオン案内装置とは別に設けられたレンズであり、前記ガス流は前記真空室に入った後、自由膨張噴流の結果としてマッハディスクを生成し、前記管状レンズの入口が該マッハディスクの上流側の部分に位置していること
    を特徴とする方法。
  14. 前記管状レンズの作用により前記自由膨張噴流が前記マッハディスクの下流側の部分において少なくとも1つの渦領域を形成することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 質量分析装置の多段真空系における次段の真空負荷を低減する方法において、
    請求項1に記載の前記真空分析装置の前記管状レンズにより自由膨張噴流の外側に渦シースが形成されることで、少なくとも中央のガス流ビームの一部を軸から外れる方向へ効果的に指向させ、以て近軸領域に位置する次段の真空インターフェイスにおけるガス流の量を低減させることを特徴とする方法。
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