<概要>
以下、典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。図1~図4は本実施形態に係る自覚式検眼システムについて説明するための図である。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
本実施形態における自覚式検眼システム(例えば、自覚式検眼システム100)は、複数の自覚式検眼装置(例えば、第1自覚式検眼装置1、第2自覚式検眼装置1A、第3自覚式検眼装置1B)を備える。また、例えば、自覚式検眼システムは、データベース(例えば、データベース72)を備える。
例えば、複数の自覚式検眼装置は、被検眼の光学特性を自覚的に測定するために使用される。例えば、自覚的に測定される被検眼の光学特性としては、眼屈折力(例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)、コントラスト感度、両眼視機能(例えば、斜位量、立体視機能等)等の少なくともいずれかであってもよい。
例えば、複数の自覚式検眼装置における各自覚式検眼装置は、それぞれ、矯正光学系(矯正光学系11)と、情報処理装置(例えば、情報処理装置20)と、読取装置(例えば、読取装置30)と、を有する。例えば、矯正光学系は、被検眼に呈示される視標光束の光学特性を変化させる。例えば、情報処理装置は、自覚式検眼装置を操作するために用いられる。例えば、読取装置は、情報処理装置に接続され、被検者毎に設けられた識別子を読み取り、読み取った識別子の情報を情報処理装置に向けて出力する。なお、例えば、読取装置と情報処理装置の接続は、直接的に接続されている構成であってもよいし、別の部材を経由して接続されている構成であってもよい。
例えば、各種装置間の接続は、ネットワークを介して接続される。例えば、ネットワークとしては、無線及び有線の少なくともいずれかの構成を用いてもよい。例えば、自覚式検眼システムは、無線及び有線の少なくともいずれかの構成を用いて、各種装置間の通信を行う。例えば、無線の構成としては、無線LAN、赤外通信、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の構成であってもよい。また、例えば、有線の構成としては、USBケーブル、LANケーブル等の構成であってもよい。
なお、例えば、各自覚式検眼装置がそれぞれ有している、矯正光学系と、情報処理装置と、読取装置と、について、各自覚式検眼装置間で、矯正光学系と、情報処理装置と、読取装置と、の少なくともいずれかの構成が、他の自覚式検眼装置の構成と少なくとも一部が異なる構成であってもよいし、他の自覚式検眼装置の構成と同一の構成であってもよい。
例えば、データベースは、識別子毎に他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくともいずれかのデータが対応付けられて記憶されている。例えば、識別子は適宜選択できる。例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、所定の規則で形成された識別穴、文字や模様の羅列等の少なくともいずれかを、識別子として採用できる。もちろん、上記と異なる識別子を用いるようにしてもよい。この場合、例えば、読取装置は、使用されている識別子に対応する識別子リーダー(例えば、QRコード(登録商標)リーダー、バーコードリーダー、識別穴リーダー等)であればよい。
例えば、本実施形態において、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、データベースから、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを取得する。また、例えば、情報処理装置は、他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータに基づいて、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値を設定する。
例えば、初期値として設定される光学特性としては、球面度数、円柱度数、円柱軸、偏光特性、及び収差量、等の少なくともいずれかが挙げられる。もちろん、上記以外の光学特性が初期値として設定される構成としてもよい。例えば、初期値として設定される光学特性としては、瞳孔間距離(PD)であってもよい。
例えば、他覚式測定データとしては、被検眼の光学特性を他覚的に測定したデータであってもよい。例えば、他覚的に測定される被検眼の光学特性としては、眼屈折力(例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)、偏光特性、瞳孔間距離等が挙げられる。
例えば、前眼鏡データとしては、被検者が装用していた眼鏡の光学特性を測定したデータであってもよい。例えば、眼鏡の光学特性としては、屈折力(例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)、偏光特性、瞳孔間距離等が挙げられる。
なお、例えば、識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと前眼鏡データの一方のデータのみが取得された場合には、取得された方のデータに基づいて初期値の設定を行うようにしてもよい。
また、例えば、識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと前眼鏡データの双方が取得された場合には、いずれか一方を選択させるように構成としてもよい。この場合、例えば、情報処理装置の表示部(例えば、表示部24)にいずれのデータに基づいて初期値の設定を行うか選択するための選択画面を表示するようにしてもよい。もちろん、異なる方法によって選択される構成であってもよい。また、この場合、例えば、予め、優先させるデータを設定しておき、他覚式測定データと前眼鏡データの双方が取得された場合には、予め設定された側のデータに基づいて初期値の設定を行うようにしてもよい。
また、例えば、識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと前眼鏡データの双方が取得された場合には、双方に基づいて、初期値の設定を行う構成としてもよい。この場合、例えば、他覚式測定データと前眼鏡データの平均値データに基づいて、初期値の設定を行う構成としてもよい。もちろん、双方のデータを用いて初期値の設定を行う構成としては、上記に限定されない。
上記のように、例えば、本実施形態における自覚式検眼システムは、被検眼の光学特性を自覚的に測定するために使用される複数の自覚式検眼装置であって、被検眼に呈示される視標光束の光学特性を変化させる矯正光学系と、自覚式検眼装置を操作するための情報処理装置と、情報処理装置に接続され、被検者毎に設けられた識別子を読み取り、読み取った識別子の情報を情報処理装置に向けて出力する読取装置と、をそれぞれ有する複数の自覚式検眼装置と、識別子毎に他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくともいずれかのデータが対応付けられて記憶されたデータベースと、を備える。また、例えば、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、データベースから、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを取得し、他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータに基づいて、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値を設定する。
このように、例えば、各自覚式検眼装置の情報処理装置に読取装置がそれぞれ接続されていることによって、読取装置によって読み取った識別子の情報が接続されている情報処理装置に向けて出力され、識別子情報を受信した情報処理装置が識別子に対応するデータを取得することになるため、識別子に対応するデータを要求している自覚式検眼装置の情報処理装置を容易に把握することができる。すなわち、識別子の読み取りを行った読取装置と接続された情報処理装置を経由してデータベースに接続される自覚式検眼システムとなっていることにより、識別子に対応するデータを要求している自覚式検眼装置の情報処理装置を容易に把握することができる。このため、データベースに対して、複数の自覚式検眼装置が接続可能な自覚式検眼システムにおいて、データベースから他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくともいずれかのデータを取得する場合に、どの自覚式検眼装置の情報処理装置がデータを要求しているのかわからなくなることを抑制することができる。つまり、複数の自覚式検眼装置の情報処理装置が接続可能な自覚式検眼システムであっても、読取装置によって読み取った識別子における処理について、どの自覚式検眼装置の初期の設定(初期値の設定)を実施すべきものであるかを容易に把握することができる。
また、例えば、被検者に関する情報が識別子に対応づけられて一括で管理されることにより、識別子に基づいて、各種データを容易に取得することができ、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値として容易に設定することができる。このため、被検者の情報を誤って入力されてしまうことや、検者がデータを入力していく手間を抑制することができ、各自覚式検眼装置において、精度よくスムーズに自覚式の測定を開始することができる。
<過去の自覚式測定データ>
なお、上記説明においては、識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを用いる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。さらに、データとして、自覚式の測定を行う被検者の過去の自覚式の測定結果である自覚式測定データを用いるようにしてもよい。
この場合、例えば、データベースには、さらに、識別子毎に、異なる日に測定された(過去に測定された)自覚式測定データが対応付けられて記憶されるようにしてもよい。例えば、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、データベースから、識別子に対応する自覚式測定データを取得し、自覚式測定データと、に基づいて、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値を設定するようにしてもよい。このような構成によって、例えば、前眼鏡データや他覚式データの代わりに、自覚式測定データを用いることができるため、スムーズに初期値の設定を行うことができる。
なお、上記においては、データとして、識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータに加えて、自覚式測定データを用いることができる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくともいずれかが用いられるようにしてもよい。この場合、例えば、データベースは、識別子毎に、他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくともいずれかのデータが対応付けられて記憶されるようにしてもよい。例えば、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、データベースから、識別子に対応する、他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくとも1つのデータを取得し、他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくとも1つのデータに基づいて、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値を設定するようにしてもよい。
なお、例えば、自覚式測定データとしては、被検眼の光学特性を自覚的に測定したデータであってもよい。例えば、自覚的に測定される被検眼の光学特性としては、眼屈折力(例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)、偏光特性等が挙げられる。なお、自覚式測定データの取得について、自覚式の測定を行う自覚式検眼装置と同一の装置によって、自覚式測定データが取得されてもよいし、異なる装置によって自覚式測定データが取得されてもよい。
<初期値設定>
例えば、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、自動的に初期値の設定を行うようにしてもよい。また、例えば、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、検者又は被検者の操作を介して初期値を設定する構成としてもよい。
例えば、自動的に初期値の設定を行う場合について説明する。例えば、情報処理装置は、識別子の情報を受信すると、データベースから、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを自動的に取得し、他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータに基づいて、矯正光学系の初期値を自動的に設定するようにしてもよい。このような構成によって、例えば、読取装置が、識別子を読み取ると、迅速に、データの取得を行うことができるとともに、初期値の設定が行われるため、被検者や検者が情報処理装置の操作を行うことなく、容易に自覚的な測定を開始する設定を行うことができる。特に、被検者が情報処理装置を用いて、自身で検査を行う(セルフ検査を行う)場合には、情報処理装置の状態や操作方法を理解することが困難であるため、本技術が有用となる。
例えば、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、検者又は被検者の操作を介して初期値を設定する場合について説明する。例えば、情報処理装置は、識別子の情報を受信すると、データベースから、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを取得するか否かを検者又は被検者に対して確認するようにしてもよい。この場合、例えば、情報処理装置は、情報処理装置の表示画面にデータの取得を行う否かの確認画面を表示し、検者又は被検者に取得を行う否かの選択をさせるようにしてもよい。また、例えば、情報処理装置は、データベースから、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを取得した後に、矯正光学系の初期値として設定を行うか否かを検者又は被検者に対して確認するようにしてもよい。この場合、例えば、情報処理装置は、情報処理装置の表示部に取得したデータに基づいて矯正光学系の初期値として設定を行う否かの確認画面を表示し、検者又は被検者に初期値の設定を行う否かの選択をさせるようにしてもよい。これらのような構成によって、検者又は被検者に対して自覚的な測定を開始させる際の初期の設定をスムーズに実施させることが可能となる。また、検者又は被検者によって、誤って異なる識別子を読み取りさせてしまった場合であっても、容易に訂正を行うことができる。また、検者又は被検者によって、初期値の設定を行うか否かを判断することができるため、取得したデータに違和感等がある場合に、適宜、状況に応じた対応を行うことが可能となる。
<データベースへの記憶>
なお、例えば、自覚式検眼システムは、識別子とデータを対応付けてデータベースに記憶させる設定手段(例えば、制御部71)を備えるようにしてもよい。この場合、例えば、自覚式検眼システムは、データ取得手段(例えば、制御部71)と、データベース設定手段と、を備えるようにしてもよい。例えば、データ取得手段は、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを取得するようにしてもよい。また、例えば、データベース設定手段は、データ取得手段によって取得された、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを識別子に対応付けてデータベースに記憶させるようにしてもよい。このような構成によって、例えば、被検者毎に、識別子とデータが適切に対応付けられた状態でデータベースに記憶される。従って、識別子が読み取られることで、被検者毎に適切なデータが取得される。
例えば、データ取得手段は、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを取得する場合に、操作者からの入力によって、自覚式検眼システムに入力されたデータを受信することで、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを取得する構成であってもよい。また、例えば、データ取得手段は、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを取得する場合に、自覚式検眼装置とは異なる装置(例えば、他覚式測定装置又はレンズメータ等)で測定されたデータを受信することで、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを取得する構成であってもよい。また、例えば、取得手段は、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを取得する場合に、自覚式検眼装置が、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを測定する測定手段を有し、測定手段によって測定することで、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを取得する構成であってもよい。
<データベースの設定>
例えば、データベースは、任意の構成で設定することができる。例えば、データベースとしては、各自覚検眼装置のそれぞれが有する記憶手段の内のいずれかの記憶手段(例えば、記憶手段22)を用いるようにしてもよい。また、例えば、データベースとしては、データベース専用の専用記憶手段(例えば、データベース72)を用いるようにしてもよい。
例えば、自覚検眼装置の記憶手段をデータベースとして用いる場合について説明する。例えば、複数の自覚式検眼装置は、それぞれ記憶手段を有し、データベースは、複数の自覚式検眼装置のいずれかの記憶手段に設定されるようにしてもよい。この場合、例えば、複数の自覚式検眼装置がそれぞれ有する記憶手段の中から、データベースとして用いる記憶手段を設定する。例えば、データベースとして用いられる記憶手段に対して、他の自覚式検眼装置(例えば、情報処理装置)が接続されて自覚式検眼システムが構築される。このような構成によれば、例えば、データベースを設けるための専用の構成を別途必要とせず、容易な構成で自覚式検眼システムを構築することができる。
また、例えば、データベース専用の専用記憶手段をデータベースとして用いる場合について説明する。例えば、データベースは、自覚式検眼装置の記憶手段とは異なる専用記憶手段であって、データベースを設定するために専用に設けられた専用記憶手段に設定されるようにしてもよい。この場合、例えば、データベースとして用いられる専用記憶手段に対して、各自覚式検眼装置(例えば、情報処理装置)が接続されて自覚式検眼システムが構築される。このような構成によれば、所定の自覚式検眼装置の記憶手段に負荷をかけることなく、スムーズにデータの取得を行うことが可能となる。なお、専用記憶手段としては、データベース用に設けられたパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)が有する記憶手段が用いられようにしてもよい。もちろん、専用記憶手段は、PCの記憶手段に限定されない。例えば、サーバ、携帯端末、またはスマートフォン等の記憶手段が用いられてもよい。もちろん、記憶する機能のみを有する記憶手段(メモリ)が用いられてもよい。
なお、例えば、自覚検眼装置の記憶手段と、データベース専用の専用記憶手段と、データベースとして用いる記憶手段が切り換えられるようにしてもよい。例えば、複数の自覚式検眼装置は、それぞれ記憶手段を有する。また、例えば、記憶手段とは異なる専用記憶手段であって、データベースを設定するために専用に設けられた専用記憶手段と、記憶手段と、でデータベースとして用いる記憶手段を選択的に設定可能とする選択手段(例えば、制御部71)を備えるようにしてもよい。
この場合、例えば、自覚式検眼システムを構築する構築者によって、データベースが設定される記憶手段が選択設定されるようにしてもよい。すなわち、構築者は、設定を行うための操作手段(例えば、操作部73)を用いて、データベースとして用いる記憶手段を選択する。選択を行うための構成の一例として、例えば、データベースとして用いることが可能な記憶手段が、操作手段の表示画面に表示され、構築者は操作手段を操作し、操作手段の表示画面に表示された記憶手段の中から、データベースとして用いる記憶手段を選択するようにしてもよい。例えば、選択手段は、操作手段によって選択された記憶手段をデータベースとして設定するようにしてもよい。もちろん、設定を行うための操作手段の制御部によって、自動的に記憶手段が選択されるようにしてもよい。なお、例えば、操作手段としては、PC、携帯端末、スマートフォン等の少なくともいずれかを用いるようにしてもよい。もちろん、上記と異なる操作手段を用いるようにしてもよい。
上記のように、例えば、データベースを設定する場合に、複数の自覚式検眼装置が設置されている場所に応じて、データベースが設定される構成を変更することが可能となり、検者の用途に応じて適切な自覚式検眼システムの構築が可能となる。一例として、複数の自覚式検眼装置が共通の建物(例えば、店舗、病院等)内に配置される(例えば、共通建物内連携)自覚式検眼システムの場合には、データベースを自覚式検眼装置の記憶手段に設定することで、データベースを設けるための専用の構成を別途必要とせず、容易な構成で自覚式検眼システムを構築することができる。また、一例として、複数の自覚式検眼装置が異なる建物(例えば、遠方の店舗、遠方の病院等)に配置されている(例えば、共通建物外連携)自覚式検眼システムの場合には、データベース専用に設けられた専用記憶手段にデータベースを設定することによって、所定の自覚式検眼装置の記憶手段に負荷をかけることなく、スムーズにデータの取得を行うことが可能となる。
なお、上記説明において、例えば、自覚検眼装置の記憶手段をデータベースとして用いる場合、自覚式検眼装置が有する中継部(例えば、中継部19)を記憶手段として用いるようにしてもよい。この場合、例えば、自覚式検眼装置及び情報処理装置に接続され、情報処理装置からの操作信号を自覚式検眼装置に中継し、操作信号に基づいて自覚式検眼装置を操作可能とする中継部を備えるようにしてもよい。また、例えば、中継部は、記憶手段と兼用されるようにしてもよい。このように、例えば、中継部が記憶手段を兼ねることで、自覚式検眼装置毎に異なる種々のタイプの情報処理装置を用いている場合であっても、識別子に対応するデータの取得を容易に行うことができる。
例えば、中継部は、情報処理装置からの操作信号にて自覚式検眼装置の各部材を操作できるように中継できる構成であればよい。例えば、中継部は、情報処理装置からの操作信号にて自覚式検眼装置を操作できるように、情報処理装置からの操作信号を、自覚式検眼装置が駆動される駆動信号に変換する構成であってもよい。すなわち、中継部は、種々の自覚式検眼装置に応じて、情報処理装置からの操作信号を、自覚式検眼装置が駆動できるような駆動信号に変換する構成であってもよい。もちろん、例えば、中継部は、操作信号を中継するのみの構成であってもよい。このような構成によって、例えば、種々の自覚式検眼装置を用いる場合であっても、自覚式検眼装置に対応した通信を行うことができるため、自覚式検眼装置を適切に操作することができる。また、例えば、種々の情報処理装置を用いる場合であっても、情報処理装置に対応した通信を行うことができるため、自覚式検眼装置を適切に操作することができる。
<遠隔情報処理装置>
例えば、自覚式検眼システムは、リモートアクセス先から自覚式検眼装置を操作可能な遠隔情報処理装置(例えば、遠隔情報処理装置80)を備えるようにしてもよい。この場合、例えば、自覚式検眼システムは、情報処理装置に接続される遠隔情報処理装置であって、情報処理装置にリモートアクセスされることによって、情報処理装置を介して、複数の自覚式検眼装置の少なくともいずれかの自覚式検眼装置を操作するための遠隔情報処理装置を備えるようにしてもよい。また、例えば、情報処理装置は、取得した他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを遠隔情報処理装置へ出力することで、遠隔情報処理装置に他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを報知するようにしてもよい。
このような構成によって、例えば、識別子に対応するデータを要求している自覚式検眼装置の情報処理装置にリモートアクセスされる遠隔情報処理装置に対して、データを提供することが可能となる。これによって、リモートアクセス先(例えば、遠隔地等)から自覚式検眼装置を操作する場合であっても、検者が被検者のデータを確認することが可能となり、初期設定を行うべき自覚式検眼装置の適切な初期値の設定が可能となる。
例えば、遠隔情報処理装置は、情報処理装置より出力された、他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを受信する。例えば、遠隔情報処理装置は、受信したデータを検者が確認可能に出力するようにしてもよい。この場合、例えば、遠隔情報処理装置は、出力手段(例えば、制御部81)を備えるようにしてもよい。例えば、出力手段は、データを遠隔処理装置が有する表示部(例えば、表示部84)に表示するようにしてもよい。また、例えば、出力手段は、データを印刷する構成であってもよい。
なお、例えば、初期値を設定するための指示は、遠隔情報処理装置によって指示されてもよいし、情報処理装置によって指示されてもよい。例えば、遠隔情報処理装置が初期値設定のための指示をする場合、遠隔情報処理装置は、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値を設定するための指示信号を出力するようにしてもよい。例えば、情報処理装置は、遠隔情報処理装置からの指示信号に基づいて、他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータに基づく矯正光学系の初期値の設定を行うようにしてもよい。なお、例えば、指示に基づく初期値の設定は、情報処理装置が設定を行うようにしてもよいし、遠隔情報処理装置が設定を行うようにしてもよいし。
例えば、情報処理装置が初期値設定のための指示をする場合、遠隔情報処理装置でデータを確認した検者から、情報処理装置を操作する検者又は被検者へ、コミュニケーションツール(例えば、マイク、スピーカー等)を用いて、連絡をするようにしてもよい。例えば、情報処理装置を操作する検者又は被検者は、遠隔情報処理装置を操作する検者からの連絡を参考に、情報処理装置を操作して、初期値設定のための指示をするようにしてもよい。
なお、初期値に関する指示信号の出力は、上記の<初期値設定>における情報処理装置に記載の構成を適用することができる。一例として、<初期値設定>における情報処理装置の確認画面を、遠隔情報処理装置に表示して、遠隔情報処理装置が検者又は被検者に操作されることで、指示信号の出力を行う構成であってもよい。
なお、上記説明においては、識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを用いる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。さらに、データとして、自覚式の測定を行う被検者の過去の自覚式の測定結果である自覚式測定データを用いるようにしてもよい。この場合、例えば、自覚式検眼システムは、例えば、情報処理装置は、取得した他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくとも1つのデータを遠隔情報処理装置へ出力することで、遠隔情報処理装置に、他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくとも1つのデータを報知するようにしてもよい。
なお、上記構成においては、遠隔情報処理装置を用いる場合の自覚式検眼システムとして、複数の自覚式検眼装置を有する構成を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。遠隔情報処理装置を用いる場合の自覚式検眼システムとしては、少なくとも1つ以上の自覚式検眼装置を有する場合であってもよい。
この場合、例えば、自覚式検眼システムは、被検眼に呈示される視標光束の光学特性を変化させる矯正光学系と、自覚式検眼装置を操作するための情報処理装置と、情報処理装置に接続され、被検者毎に設けられた識別子を読み取り、読み取った前記識別子の情報を情報処理装置に向けて出力する読取装置と、を有し、被検眼の光学特性を自覚的に測定するために使用される自覚式検眼装置と、識別子毎に他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくともいずれかのデータが対応付けられて記憶されたデータベースと、情報処理装置に接続される遠隔情報処理装置であって、情報処理装置にリモートアクセスされることによって、情報処理装置を介して、自覚式検眼装置を操作するための遠隔情報処理装置と、を備えるようにしてもよい。また、例えば、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、データベースから、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを取得し、取得した他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを遠隔情報処理装置へ出力することで、遠隔情報処理装置に他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを報知するようにしてもよい。このような構成によって、例えば、リモートアクセス先(例えば、遠隔地等)から自覚式検眼装置を操作する場合であっても、検者が被検者のデータを確認することが可能となり、自覚式検眼装置の適切な初期値の設定が可能となる。
なお、例えば、遠隔情報処理装置は、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値を設定するための指示信号を出力し、情報処理装置は、遠隔情報処理装置からの指示信号に基づいて、他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータに基づく矯正光学系の初期値の設定を行うようにしてもよい。
<矯正光学系>
例えば、矯正光学系は、被検眼に呈示される視標光束の光学特性(例えば、球面度数、柱面度数(乱視度数)、乱視軸角度、偏光特性、及び収差量、等の少なくともいずれか)を変化させる構成であればよい。例えば、視標光束の光学特性を変化させる構成として、光学素子を制御する構成であってもよい。例えば、光学素子としては、球面レンズ、円柱レンズ、クロスシリンダレンズ、ロータリープリズム、波面変調素子等の少なくともいずれかを用いる構成であってもよい。もちろん、例えば、光学素子としては、上記記載の光学素子とは異なる光学素子を用いるようにしてもよい。
例えば、矯正光学系は、被検眼に対する視標の呈示位置(呈示距離)が光学的に変えられることにより、被検眼の球面度数が矯正される構成であってもよい。この場合、例えば、視標の呈示位置(呈示距離)が光学的に変更する構成としては、視標光束を出射している光源(例えば、ディスプレイ)を光軸方向に移動させる構成であってもよい。また、この場合、例えば、光路中に配置された光学素子(例えば、球面レンズ)を光軸方向に移動させる構成であってもよい。もちろん、矯正光学系は、光学素子を制御する構成と光路中に配置された光学素子を光軸方向に移動させる構成と組み合わせた構成であってもよい。
例えば、矯正光学系としては、被検眼の眼前に配置される光学素子を切り換えて配置する検眼ユニット(フォロプタ)であってもよい。例えば、検眼ユニットは、検査窓に光学素子を切り換え配置する左右一対のレンズ室ユニットを備える構成であってもよい。例えば、検眼ユニットは、複数の光学素子が同一円周上に配置されたレンズディスクと、レンズディスクを回転させるための駆動手段と、を有し、駆動手段(例えば、モータ)の駆動により光学素子を電気的に切り換える構成であってもよい。
例えば、矯正光学系としては、投光光学系から視標光束を被検眼に向けて導光するための光学部材と、投光光学系の光源と、間に光学素子を配置して、光学素子を制御することによって、視標光束の光学特性を変更する構成であってもよい。すなわち、矯正光学系としては、ファントムレンズ屈折計(ファントム矯正光学系)の構成であってもよい。この場合、例えば、矯正光学系によって矯正された視標光束が光学部材を介して被検眼に導光される。
例えば、本実施形態において、矯正光学系は、左右一対に設けられた右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系を有する。例えば、右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系は、右眼用矯正光学系を構成する部材と左眼用矯正光学系を構成する部材とが、同一の部材によって構成されていてもよい。また、例えば、右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系は、右眼用矯正光学系を構成する部材と左眼用矯正光学系を構成する部材とで少なくとも一部の部材が異なる部材によって構成されていてもよい。例えば、右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系は、右眼用矯正光学系を構成する部材と左眼用矯正光学系を構成する部材とで少なくとも一部の部材が兼用されている構成であってもよい。また、例えば、右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系は、右眼用矯正光学系を構成する部材と左眼用矯正光学系を構成する部材とが、別途それぞれ設けられている構成であってもよい。
<情報処置装置>
例えば、情報処理装置は、検者又は被検者による各種操作指示を受け付ける。例えば、情報処理装置としては、PC、サーバ、携帯端末、スマートフォン等の少なくともいずれかを用いるようにしてもよい。もちろん、情報処理装置としては、上記構成に限定されない。例えば、情報処理装置としては、各種情報を処理可能な種々の情報処理装置の少なくともいずれかを用いることができる。
例えば、情報処理装置には、検者又は被検者が各種操作指示を入力するための入力手段(例えば、操作部23)を備えていてもよい。例えば、入力手段としては、タッチパネル、マウス、ジョイスティック、キーボード、マイク等の少なくともいずれかのユーザーインターフェイスを用いるようにしてもよい。
<視標呈示装置>
例えば、複数の自覚式検眼装置において、少なくともいずれかの自覚式検眼装置は、視標光束を出射されるための視標呈示装置を備えるようにしてもよい。例えば、視標呈示装置は、視標光束を出射する視標呈示部(例えば、視標呈示部16)を有し、視標呈示部から出射された視標光束を被検眼に向けて投影するようにしてもよい。例えば、視標呈示装置は、視標光束を被検眼に向けて投影する少なくとも1つ以上の光学部材等を有する投影光学系を有していてもよい。
例えば、視標呈示部としては、ディスプレイを用いる構成であってもよい。例えば、ディスプレイとしては、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)等のいずれかであってもよい。例えば、ディスプレイには、ランドルト環視標等の検査視標等が表示される。
また、例えば、視標呈示部としては、DMD(Digital Micromirror Device)であってもよい。一般的にDMDは反射率が高く、明るい。そのため、偏光を用いる液晶ディスプレイを用いた場合と比べ、視標光束の光量を維持できる。
また、例えば、視標呈示部としては、視標呈示用可視光源と、視標板と、を有する構成であってもよい。この場合、例えば、視標板は、回転可能なディスク板であり、複数の視標を持つ。複数の視標は、例えば、自覚測定時に使用される視力検査用視標、等を含んでいる。例えば、視力検査用視標は、視力値毎の視標(視力値0.1、0.3、・・・、1.5)が用意されている。例えば、視標板はモータ等によって回転され、視標は、被検眼に視標光束が導光される光路上で切換え配置される。もちろん、視標光束を投影する視標呈示部としては、上記構成以外の視標呈示部を用いてもよい。
例えば、投影光学系は、視標光束を被検眼に向けて投影する少なくとも1つ以上の光学部材等を有してもよい。例えば、投影光学系は、視標呈示部から出射された視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検眼に導光する光学部材(例えば、凹面ミラー13)を有するようにしてもよい。
例えば、投影光学系は、視標呈示部から出射された視標光束を光学部材の光軸に対してずらして入射させて、視標光束を被検眼に向けて投影する。この場合、例えば、視標呈示部の画面に対する法線方向を光学部材の光軸に対して傾斜させて視標呈示部を配置するようにしてもよい。
例えば、光学部材としては、凹面ミラー、レンズ等の少なくともいずれかであってもよい。例えば、投影光学系は、光学部材が凹面ミラーである場合に、視標呈示部によって出射された視標光束を凹面ミラーに向けて反射させ、凹面ミラーによって反射された視標光束を筐体の内部から外部に向けて導光する反射部材を有するようにしてもよい。このような構成によって、投影光学系の部材をより少なくすることができ、自覚式検眼装置をより省スペース化することができる。もちろん、投影光学系は上記構成に限定されず、視標呈示部から出射された視標光束を光学部材の光軸に対してずらして入射させて、視標光束を被検眼に向けて投影する構成であればよい。
例えば、反射部材としては、ミラー(例えば、全反射ミラー、ハーフミラー等)、プリズム等のいずれかであってもよい。もちろん、反射部材は、これに限定されず、視標光束を被検眼に向けて導光する部材であればよい。
例えば、投影光学系は、左右一対に設けられた右眼用投影光学系と左眼用投影光学系を有するようにしてもよい。この場合、例えば、左右一対に設けられた視標呈示部を用いるようにしてもよい。例えば、右眼用投影光学系と左眼用投影光学系は、右眼用投影光学系を構成する部材と左眼用投影光学系を構成する部材とが、同一の部材によって構成されていてもよい。また、例えば、右眼用投影光学系と左眼用投影光学系は、右眼用投影光学系を構成する部材と左眼用投影光学系を構成する部材とで少なくとも一部の部材が異なる部材によって構成されていてもよい。例えば、右眼用投影光学系と左眼用投影光学系は、右眼用投影光学系を構成する部材と左眼用投影光学系を構成する部材とで少なくとも一部の部材が兼用されている構成であってもよい。また、例えば、右眼用投影光学系と左眼用投影光学系は、右眼用投影光学系を構成する部材と左眼用投影光学系を構成する部材とが、別途それぞれ設けられている構成であってもよい。
<実施例>
以下、本開示における典型的な実施例の1つについて、図面を参照して説明する。例えば、図1は、自覚式検眼システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、自覚式検眼システムの各装置の概略構成を示すブロック図である。
例えば、図1に示すように、本実施形態の自覚式検眼システム100は、第1自覚式検眼装置1、第2自覚式検眼装置1A、第3自覚式検眼装置1B、他覚式検眼装置50、レンズ特性測定装置60、制御装置70を備える。
例えば、第1自覚式検眼装置1、第2自覚式検眼装置1A、及び第3自覚式検眼装置1Bは、被検眼の光学特性を自覚的に測定するために使用される。なお、本実施例において、第1自覚式検眼装置1、第2自覚式検眼装置1A、及び第3自覚式検眼装置1Bによって測定される被検眼の光学特性は、眼屈折力である。例えば、測定される眼屈折力は、被検眼の球面度数、円柱度数、および乱視軸角度等の少なくともいずれかであってもよい。
なお、本実施例においては、第1自覚式検眼装置1、第2自覚式検眼装置1A、及び第3自覚式検眼装置1Bは、同一の構成を備えている場合を例に挙げて説明する。もちろん、第1自覚式検眼装置1、第2自覚式検眼装置1A、及び第3自覚式検眼装置1Bは、少なくとも一部が異なる構成であってもよい。
例えば、他覚式検眼装置50及びレンズ特性測定装置60は、制御装置70にネットワーク(例えばインターネット等)を介して通信可能な状態で接続される。より詳細には、例えば、例えば、他覚式検眼装置50及びレンズ特性測定装置60は、制御装置70の制御部71に通信可能な状態で接続される。また、第1自覚式検眼装置1、第2自覚式検眼装置1A、及び第3自覚式検眼装置1Bの各自覚式検眼装置は、制御装置70にネットワークを介して通信可能な状態で接続される。例えば、各種装置間の接続規格には、例えばLAN等の種々の規格を採用できる。
例えば、制御装置70は、自覚式検眼システム100の各種制御を司る。制御装置70には、種々の情報処理装置(例えば、PC、サーバ、および携帯端末等の少なくともいずれか)を使用できる。制御装置70は、制御を司る制御部(例えばCPU等)71と、各種データを記憶するデータベース72、各種自覚式検眼システムの設定を行うための操作部73を備える。
例えば、操作部73には、タッチパネル、マウス、ジョイスティック、キーボード等の少なくともいずれかのユーザーインターフェイスを用いればよい。なお、本実施例においては、操作部73がタッチパネルである。このため、本実施例において、操作部73としては、ディスプレイが用いられるとともに、ディスプレイが操作部としても機能する。例えば、データベース72は、識別子毎に他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくともいずれかのデータが対応付けられて記憶される。なお、制御装置70の構成を変更することも可能である。まず、複数のデバイスが協働して制御装置70として機能してもよい。例えば、自覚式検眼システム100における各種制御を司る制御装置と、データベース72を備えた制御装置が別のデバイスであってもよい。例えば、制御部71とデータベース72が接続されている。また、例えば、制御部71と操作部73が接続されている。
例えば、他覚式検眼装置50は、被検眼の光学特性を他覚的に測定する。例えば、他覚的に測定される被検眼の光学特性としては、眼屈折力(例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)、偏光特性、等が挙げられる。なお、本実施形態においては、被検眼の眼屈折力を測定する他覚式測定手段を例に挙げて説明する。
例えば、レンズ特性測定装置60としては、レンズメータが用いられる。例えば、レンズメータは、眼鏡レンズの光学特性を測定するために用いられる。例えば、レンズメータに測定される眼鏡レンズの光学特性としては、屈折力(例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)、偏光特性、等が挙げられる。
次いで、自覚式検眼装置の構成について説明する。なお、本実施例においては、第2自覚式検眼装置1A及び第3自覚式検眼装置も第1自覚式検眼装置1と同様の構成を有しているため、第2自覚式検眼装置1A及び第3自覚式検眼装置の構成の説明は省略する。以下、第1自覚式検眼装置を例に挙げて自覚式検眼装置の構成について説明する。
例えば、第1自覚式検眼装置1は、眼屈折力測定装置10、視標呈示装置15、中継部19、情報処理装置20、読取装置30を備える。
例えば、眼屈折力測定装置10は、矯正光学系11と駆動部12を備える。矯正光学系11は、被検眼に呈示される視標光束の光学特性を変化させる。本実施例において、例えば、矯正光学系11は、光学特性として、視標光束の球面度数、円柱度数、乱視軸角度、偏光特性、および収差量等の少なくともいずれかを変化させる。一例として、本実施例の矯正光学系11は、複数の光学素子のうち、被検眼の眼前の検査窓に配置する光学素子を切り替えることで、視標光束の光学特性を変化させる。本実施形態の矯正光学系11では、複数の光学素子が同一円周上に配置された、左眼用のレンズディスクと右眼用のレンズディスクが用いられている。左眼用のレンズディスクおよび右眼用のレンズディスクの各々は、1枚でもよいし複数枚でもよい。光学素子には、例えば、球面レンズ、円柱レンズ、クロスシリンダレンズ、ロータリープリズム、および波面変調素子等の少なくともいずれかが用いられてもよい。駆動部12は、矯正光学系11を駆動することで、視標光束の光学特性を変化させる。本実施形態の駆動部12は、左眼用のレンズディスクおよび右眼用のレンズディスクの各々を回転させて、検査窓に配置する光学素子を切り替えることで、矯正光学系11を駆動する。駆動部12には、例えばステップモータ等を使用できる。駆動部12は、駆動信号に応じて駆動される。
例えば、視標呈示装置15は、被検眼に検査視標(例えば、ランドルト環視標、および文字等の少なくともいずれか)を呈示すると共に、被検眼に呈示する検査視標を切り替える。詳細には、視標呈示装置15は、視標呈示部16と駆動部17を備える。視標呈示部16は、被検眼に検査視標を呈示する。視標呈示部16には、例えば、凹面ミラーを介して検査視標を被検眼に投影する省スペース型の視標投影装置、スクリーンに検査視標を投影するチャートプロジェクタ、および、検査視標を表示するディスプレイ等の少なくともいずれかを採用できる。視標呈示部16は、被検眼からの距離が光学的に所定の距離となるように、眼屈折力測定装置10と略同じ高さに配置される。駆動部17は、視標呈示部16を駆動することで、被検眼に呈示する検査視標を切り替える。駆動部17は、駆動信号に応じて駆動される。
例えば、情報処理装置20は、第1自覚式検眼装置1を操作するために用いられる。例えば、本実施例において、情報処理装置20にはPCが用いられる。もちろん、情報処理装置20として機能できる情報処理装置は、PCに限定されない。例えば、サーバ、携帯端末、またはスマートフォン等が、情報処理装置として用いられてもよい。
例えば、情報処理装置20は、被検者に対する自覚式の検眼が行われる拠点(例えば、眼鏡店舗または病院等)に配置される。情報処理装置20は、制御部21、記憶手段(メモリ)22、操作部23、表示部(ディスプレイ)24を備える。制御部21は、情報処理装置20の制御を司る。記憶手段22は、プログラムおよび各種データ等を記憶することができる。本実施例では、検眼制御プログラムは記憶手段22に記憶されている。例えば、操作部23は、タッチパネル、マウス、ジョイスティック、キーボード等の少なくともいずれかのユーザーインターフェイスを用いればよい。例えば、情報処理装置20は、第1自覚式検眼装置1(詳細には、第1自覚式検眼装置1の中継部19)に対して通信可能な状態で接続されている。
例えば、中継部19は、情報処理装置20と駆動部12,17の間で駆動信号を中継する。例えば、本実施例の中継部19は、情報処理装置20から受信した操作信号を、駆動部12,17を制御可能な駆動信号に変換して、駆動部12,17に送信する。さらに、本実施例の中継部19は、2つの駆動部12,17を共に駆動させるための1つの操作信号を情報処理装置20から受信した場合に、受信した1つの操作信号を、2つの駆動部12,17の各々を駆動させるための2つの駆動信号に変換して、2つの駆動部12,17の各々に送信する。例えば、情報処理装置20は、第1自覚式検眼装置1(詳細には、第1自覚式検眼装置1の中継部19)に対して通信可能な状態で接続されている。また、例えば、情報処理装置20は、制御装置70に対して(詳細には、情報処理装置20の制御部21が制御装置70の制御部71に対して)通信可能な状態で接続されている。このため、例えば、情報処理装置20は、制御部71を介して、データベース72に通信可能な状態で接続されている。なお、例えば、情報処理装置20は、中継部19を備えるようにしてもよい。すなわち、情報処理装置20と中継部19が一体的に設けられる構成であってもよい。
例えば、読取装置30は、情報処理装置20に接続され、被検者毎に設けられた識別子を読み取り、読み取った識別子の情報を情報処理装置20に向けて出力するために用いられる。例えば、読取装置30は、使用されている識別子に対応する識別子リーダー(例えば、QRコード(登録商標)リーダー、バーコードリーダー、識別穴リーダー等)が用いられる。
例えば、読取装置30は、制御部31と記憶手段(メモリ)32を備える。制御部31は、読取装置30の制御を司る。記憶手段32は、プログラムおよび各種データ等を記憶することができる。本実施例では、読取制御プログラムは記憶手段32に記憶されている。例えば、読取装置30は、第1自覚式検眼装置1(詳細には、第1自覚式検眼装置1の情報処理装置20)に対して通信可能な状態で接続されている。なお、より詳細には、例えば、読取装置30の制御部31が情報処理装置20の制御部21に対して通信可能な状態で接続されている。
なお、自覚式検眼システム100は、適宜、用途に応じて、任意のシステムで構築することができる。つまり、各装置間の接続先を任意の部材に接続し、自覚式検眼システムを構築することができる。
<動作>
以下、本実施例における自覚式検眼システム100を用いた動作について説明する。なお、以下の動作の説明においては、自覚式検眼装置として、第1自覚式検眼装置1を用いた動作を例に挙げて説明する。もちろん、他の自覚式検眼装置においても、第1自覚式検眼装置1と同様の動作を行うことができる。なお、本実施例においては、他覚式測定データと前眼鏡データの双方を取得する場合を例に挙げて説明する。
初めに、図示無き識別子発行装置によって、自覚的な測定を行う被検者用の識別子を発行する。本実施例において、例えば、識別子は、紙に印刷されることで発行される。なお、例えば、識別子が発行された後、被検者用の識別子(つまり、被検者用のID)として、被検者毎にデータベースでの管理がされていくようにしてもよい。すなわち、識別子の発行された後で、被検者が異なる日に検査を実施する際に、新たに、識別子を発行することなく、過去に発行した識別子を用いて、その後の検査が行われていくようにしてもよい。もちろん、検査が完了する毎に、識別子を再発行して検査を行っていくようにしてもよい。
例えば、識別子が発行されると、レンズ特性測定装置60を用いて、被検者が装用していた眼鏡の測定を行い、前眼鏡データを取得する。なお、本実施例おいては、眼鏡レンズの屈折力を測定した前眼鏡データを用いる場合を例に挙げて説明する。なお、レンズ特性測定装置60による測定は、適宜、省略してもよい。
例えば、レンズ特性測定装置60に接続された図示無き読取装置によって、発行された識別子が読み取られる。次いで、レンズ特性測定装置60が駆動され、前眼鏡データが取得される。前眼鏡データが取得されると、前眼鏡データとともに、読取装置によって読み取られた識別子が、制御装置70の制御部71に送信される。例えば、制御部71は、前眼鏡データと識別子を受信し、取得すると、前眼鏡データと識別子を対応付けて、データベース72に記憶させる。
次いで、他覚式測定装置50を用いて、被検眼の測定を行い、被検眼の他覚式測定データを取得する。なお、本実施例おいては、被検眼の眼屈折力を測定した他覚式測定データを用いる場合を例に挙げて説明する。なお、他覚式測定装置50による測定は、適宜、省略してもよい。
例えば、他覚式測定装置50に接続された図示無き読取装置によって、発行された識別子が読み取られる。次いで、他覚式測定装置50が駆動され、他覚式測定データが取得される。他覚式測定データが取得されると、他覚式測定データとともに、読取装置によって読み取られた識別子が、制御装置70の制御部71に送信される。例えば、制御部71は、他覚式測定データと識別子を受信し、取得すると、他覚式測定データと識別子を対応付けて、データベース72に記憶させる。
上記のような処理が行われることによって、被検者毎に発行された識別子に対して他覚式測定データと前眼鏡データが対応付けされてデータベース72に記憶される。
次いで、自覚的な測定が行われる。例えば、本実施例において、第1自覚式検眼装置1による被検眼の光学特性の自覚的な測定を開始する前に、他覚式測定装置50とレンズ特性測定装置60との少なくともいずれかを用いて、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかに基づいて、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系11の初期値を設定する。
例えば、第1自覚式検眼装置1において、測定を開始する際、検者又は被検者によって識別子を読取装置30にかざし、識別子を読み取らせる。例えば、読取装置30の制御部31は、読み取った識別子の情報を情報処理装置20の制御部21へ出力(送信)する。例えば、制御部21は、識別子の情報を受信すると、制御装置70の制御部71を経由して、データベース72へ接続する。制御部21は、識別子に基づいて、データベース72から、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データを取得する。つまり、識別子の読み取りを行った読取装置30と接続された情報処理装置20を経由してデータベース72からデータが取得される。
例えば、データベース72からデータが取得されると、制御部21は、表示部24にいずれのデータに基づいて初期値の設定を行うか選択するための選択画面を表示する。例えば、被検者又は検者によって、操作部23が操作され、他覚式測定データと前眼鏡データのいずれかのデータが選択されると、選択されたデータに基づいて、初期値の設定が行われる。なお、本実施例において、選択されたデータに基づいて、初期値の設定が行われるとともに、識別子が被検者のIDとして、第1自覚式検眼装置1に設定されるようにしてもよい。なお、本実施例においては、他覚式測定データが選択された場合を例に挙げて説明する。
例えば、制御部21は、取得した他覚式測定データを矯正光学系11の初期値として設定する。例えば、本実施例において、初期値設定に用いられる光学特性として、眼屈折力(例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸角度)を例に挙げて説明する。なお、本実施例においては、初期値設定に用いられる光学特性として、眼屈折力を例に挙げて説明するがこれに限定されない。例えば、初期値設定に用いられる光学特性としては、異なる光学特性であってもよい。また、例えば、初期値設定に用いられる眼屈折力としては、球面度数、乱視度数、及び乱視軸角度の少なくともいずれかを用いるようにしてもよい。
例えば、制御部21は、他覚式測定データに基づいて、駆動部12を駆動し、矯正光学系11の駆動を制御して、初期値の設定を行う。本実施例において、例えば、被検眼の他覚式測定データである眼屈折力に基づいて、被検眼の屈折誤差を矯正するように矯正光学系60が制御される。例えば、矯正光学系60が制御され、初期値の設定が完了すると、自覚式の測定が開始される。自覚式の測定では、矯正光学系11の矯正度数を変更し、被検眼の自覚的な光学特性を求めていく。すなわち、初期値の設定が完了した状態から自覚式測定が行われる。例えば、制御部21は、自覚式測定が完了すると、自覚式測定によって取得された自覚式測定データを識別子に対応づけて識別子とともにデータベース72に記憶させる。
以上のように、例えば、本実施例における自覚式検眼システムは、被検眼の光学特性を自覚的に測定するために使用される複数の自覚式検眼装置であって、被検眼に呈示される視標光束の光学特性を変化させる矯正光学系と、自覚式検眼装置を操作するための情報処理装置と、情報処理装置に接続され、被検者毎に設けられた識別子を読み取り、読み取った識別子の情報を情報処理装置に向けて出力する読取装置と、をそれぞれ有する複数の自覚式検眼装置を備える。また、例えば、自覚式検眼システムは、識別子毎に他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくともいずれかのデータが対応付けられて記憶されたデータベースを備える。また、例えば、自覚式検眼システムにおける情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、データベースから、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを取得し、他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータに基づいて、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値を設定する。このように、例えば、自覚式検眼システムは、各自覚式検眼装置の情報処理装置に読取装置がそれぞれ接続されていることによって、読取装置によって読み取った識別子の情報が接続されている情報処理装置に向けて出力され、識別子情報を受信した情報処理装置が識別子に対応するデータを取得することになるため、識別子に対応するデータを要求している自覚式検眼装置の情報処理装置を容易に把握することができる。すなわち、識別子の読み取りを行った読取装置と接続された情報処理装置を経由してデータベースに接続される自覚式検眼システムとなっていることにより、識別子に対応するデータを要求している自覚式検眼装置の情報処理装置を容易に把握することができる。このため、データベースに対して、複数の自覚式検眼装置が接続可能な自覚式検眼システムにおいて、データベースから他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくともいずれかのデータを取得する場合に、どの自覚式検眼装置の情報処理装置がデータを要求しているのかわからなくなることを抑制することができる。つまり、複数の自覚式検眼装置の情報処理装置が接続可能な自覚式検眼システムであっても、読取装置によって読み取った識別子における処理について、どの自覚式検眼装置の初期の設定(初期値の設定)を実施すべきものであるかを容易に把握することができる。
また、例えば、被検者に関する情報が識別子に対応づけられて一括で管理されることにより、識別子に基づいて、各種データを容易に取得することができ、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値として容易に設定することができる。このため、被検者の情報を誤って入力されてしまうことや、検者がデータを入力していく手間を抑制することができ、各自覚式検眼装置において、精度よくスムーズに自覚式の測定を開始することができる。
また、例えば、本実施例における自覚式検眼システムの情報処理装置は、識別子の情報を受信すると、データベースから、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータを自動的に取得し、他覚式測定データと前眼鏡データとの少なくとも1つのデータに基づいて、矯正光学系の初期値を自動的に設定するようにしてもよい。これによって、例えば、読取装置が、識別子を読み取ると、迅速に、データの取得を行うことができるとともに、初期値の設定が行われるため、被検者や検者が情報処理装置の操作を行うことなく、容易に自覚的な測定を開始する設定を行うことができる。特に、被検者が情報処理装置を用いて、自身で検査を行う(セルフ検査を行う)場合には、情報処理装置の状態や操作方法を理解することが困難であるため、本技術が有用となる。
また、例えば、本実施例における自覚式検眼システムは、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを取得するデータ取得手段と、データ取得手段によって取得された、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを識別子に対応付けてデータベースに記憶させるデータベース設定手段と、を備える。これによって、例えば、被検者毎に、識別子とデータが適切に対応付けられた状態でデータベースに記憶される。従って、識別子が読み取られることで、被検者毎に適切なデータが取得される。
<変容例>
なお、上記説明においては、識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータを用いる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。さらに、データとして、自覚式の測定を行う被検者の過去の自覚式の測定結果である自覚式測定データを用いるようにしてもよい。
この場合、例えば、データベースには、さらに、識別子毎に、異なる日時に測定された(過去に測定された)自覚式測定データが対応付けられて記憶されるようにしてもよい。例えば、情報処理装置は、読取装置から受信した識別子に基づいて、データベースから、識別子に対応する自覚式測定データを取得し、自覚式測定データと、に基づいて、被検眼の光学特性を自覚的に測定する際の矯正光学系の初期値を設定するようにしてもよい。このような構成によって、例えば、前眼鏡データや他覚式データの代わりに、自覚式測定データを用いることができるため、スムーズに初期値の設定を行うことができる。
より詳細には、例えば、被検者毎に識別子が発行される。例えば、第1自覚式検眼装置1において、測定を開始する際、検者又は被検者によって識別子を読取装置30にかざし、識別子を読み取らせる。その後、例えば、第1自覚式検眼装置1において、被検眼の光学特性を自覚的に測定する。自覚式の測定が完了し、自覚式測定データが取得されると、自覚式測定データとともに、読取装置30によって読み取られた識別子が、制御装置70の制御部71に送信される。例えば、制御部71は、自覚式測定データと識別子を受信し、取得すると、自覚式測定データと識別子を対応付けて、データベース72に記憶させる。上記のような処理が行われることによって、被検者毎に発行された識別子に対して自覚式測定データが対応付けされてデータベース72に記憶される。なお、自覚式検眼装置としては、第1自覚式検眼装置1とは異なる自覚式検眼装置を用いてもよい。
次いで、例えば、異なる日に、再度、被検者の自覚式の測定を行う場合に、検者又は被検者は、被検者毎に発行された識別子を読取装置30によって読み取らせる。例えば、第1自覚式検眼装置1において、測定を開始する際、検者又は被検者によって識別子を読取装置30にかざし、識別子を読み取らせる。例えば、読取装置30の制御部31は、読み取った識別子の情報を情報処理装置20の制御部21へ出力(送信)する。例えば、制御部21は、識別子の情報を受信すると、制御装置70の制御部71を経由して、データベース72へ接続する。制御部21は、識別子に基づいて、データベース72から、識別子に対応する自覚式測定データを取得する。
例えば、データベース72から自覚式測定データが取得されると、制御部21は、取得した自覚式測定データを矯正光学系11の初期値として設定する。なお、例えば、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータとともに、自覚式測定データが取得された場合に、自覚式測定データが優先的に初期値として設定されるようにしてもよい。もちろん、異なるデータが優先的に初期値として設定できるようにしてもよい。初期値の設定に用いるデータとしては、検者によって、データ取得後に選択されてもよいし、予め、設定されていてもよい。もちろん、複数のデータを用いて(例えば、複数のデータの平均値を用いて)、初期値を設定するようにしてもよい。
なお、上記においては、データとして、識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと、前眼鏡データと、の少なくともいずれかのデータに加えて、自覚式測定データを用いることができる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。識別子に対応するデータとして、他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくともいずれかが用いられるようにしてもよい。例えば、異なる日に、再度、被検者の自覚式の測定を行う場合に、検者又は被検者は、被検者毎に発行された識別子を読取装置30によって読み取らせる。例えば、第1自覚式検眼装置1において、測定を開始する際、検者又は被検者によって識別子を読取装置30にかざし、識別子を読み取らせる。例えば、読取装置30の制御部31は、読み取った識別子の情報を情報処理装置20の制御部21へ出力(送信)する。例えば、制御部21は、識別子の情報を受信すると、制御装置70の制御部71を経由して、データベース72へ接続する。制御部21は、識別子に基づいて、データベース72から、識別子に対応する他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくともいずれかのデータが取得する。
例えば、データベース72から、他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、の少なくともいずれかのデータが取得されると、制御部21は、表示部24にいずれのデータに基づいて初期値の設定を行うか選択するための選択画面を表示する。例えば、被検者又は検者によって、操作部23が操作され、他覚式測定データと、前眼鏡データと、自覚式測定データと、のデータの中からいずれかのデータが選択されると、選択されたデータに基づいて、初期値の設定が行われる。
なお、本実施例においては、データベース72が制御装置70に設けられている自覚式検眼システム100を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。任意の部材をデータベースとして設定することができる。以下、データベースの設定について説明する。なお、本実施例においては、制御装置70の操作部73を用いてデータベースの設定を行う場合を例に挙げて説明する。もちろん、データベースを設定するための構成は、任意の構成を用いることができる。
例えば、図3は、データベースの設定画面を示す図である。例えば、自覚式検眼システムの構築者によって、操作部73が操作され、データベースの設定画面が選択される。例えば、制御部71は、操作部73の表示画面に、図3に示すようなデータベースの設定画面を表示する。図3に示すように、データベースの設定画面には、自覚式検眼システム100を構築している各装置(例えば、第1自覚式検眼装置1、第2自覚式検眼装置1A、第3自覚式検眼装置1B、制御装置70等)の内で、データベースとして用いることができる部材(部材名)の一覧が表示される。例えば、構築者は、一覧の中から、データベースとして設定する記憶手段を選択する。例えば、構築者によって、操作部73が操作され、データベースとして設定する記憶手段が選択されると、制御部71は、選択された記憶手段をデータベースとして設定する。
例えば、図4は、変容例の自覚式検眼システムの概略構成を示すブロック図である。例えば、図4は、情報処理装置20の記憶手段22がデータベースとして設定された場合を説明するブロック図である。なお、本実施例における図2の自覚式検眼システム100では、図4における制御装置70の専用記憶手段74がデータベースとして設定されている場合を例に挙げている。
図4に示すように、情報処理装置20の記憶手段22がデータベースとして設定され、情報処理装置20(詳細には、情報処理装置20の制御部21)に対して、各自覚式検眼装置(例えば、第2自覚式検眼装置1A、第3自覚式検眼装置1B等)、他覚式測定装置50、レンズ特性測定装置60が接続される。このような構成によって、例えば、データベースを設けるための専用の構成(例えば、専用記憶手段74等)を別途必要とせず、容易な構成で自覚式検眼システムを構築することができる。
なお、例えば、第1自覚式検眼装置1の中継部19をデータベースとしてもよい。この場合、例えば、中継部19に対して、各自覚式検眼装置(例えば、第2自覚式検眼装置1A、第3自覚式検眼装置1B等)が接続される。このような構成によって、例えば、中継部が記憶手段を兼ねることで、自覚式検眼装置毎に異なる種々のタイプの情報処理装置を用いている場合であっても、識別子に対応するデータの取得を容易に行うことができる。
上記のように、例えば、本変容例の自覚式検眼システムは、複数の自覚式検眼装置は、それぞれ記憶手段を有し、記憶手段とは異なる専用記憶手段であって、データベースを設定するために専用に設けられた専用記憶手段と、記憶手段と、でデータベースとして用いる記憶手段を選択的に設定可能とする選択手段を備える。このような構成によって、例えば、データベースを設定する場合に、複数の自覚式検眼装置が設置されている場所に応じて、データベースが設定される構成を変更することが可能となり、検者の用途に応じて適切な自覚式検眼システムの構築が可能となる。一例として、複数の自覚式検眼装置が共通の建物(例えば、店舗、病院等)内に配置される(例えば、共通建物内連携)自覚式検眼システムの場合には、データベースを自覚式検眼装置の記憶手段に設定することで、データベースを設けるための専用の構成を別途必要とせず、容易な構成で自覚式検眼システムを構築することができる。また、一例として、複数の自覚式検眼装置が異なる建物(例えば、遠方の店舗、遠方の病院等)に配置されている(例えば、共通建物外連携)自覚式検眼システムの場合には、データベース専用に設けられた専用記憶手段にデータベースを設定することによって、所定の自覚式検眼装置の記憶手段に負荷をかけることなく、スムーズにデータの取得を行うことが可能となる。
なお、本実施例において、例えば、自覚式検眼システムは、リモートアクセス先から自覚式検眼装置を操作可能な遠隔情報処理装置を備えるようにしてもよい。図5は、遠隔情報処理装置を有する自覚式検眼システムの概略構成を示すブロック図である。以下、遠隔情報処理装置を有する自覚式検眼システムについて説明する。
例えば、遠隔情報処理装置80は、リモートアクセス先(例えば、遠隔地等)に配置される。例えば、遠隔情報処理装置80は、制御部81、記憶手段(メモリ)82、操作部83、表示部(ディスプレイ)84を備える。例えば、制御部81は、遠隔情報処理装置80の制御を司る。記憶手段82は、プログラムおよび各種データ等を記憶することができる。例えば、操作部83は、タッチパネル、マウス、ジョイスティック、キーボード等の少なくともいずれかのユーザーインターフェイスを用いればよい。例えば、情報処理装置80は、第1自覚式検眼装置1(詳細には、第1自覚式検眼装置1の制御部21)に対して通信可能な状態で接続されている。
本実施例において、例えば、遠隔情報処理装置80は、情報処理装置20にリモートアクセス可能となっている。例えば、遠隔情報処理装置80は、情報処理装置20を介して、複数の自覚式検眼装置の少なくともいずれかの自覚式検眼装置を操作可能となっている。例えば、本実施例においては、遠隔情報処理装置80は、第1自覚式検眼装置1の情報処理装置20を操作して、矯正光学系11の初期値の設定が可能な構成となっている。
より詳細に説明する。なお、以下の説明においては、データベースから取得されるデータとして、他覚式測定データと前眼鏡データが取得される場合を例に挙げて説明する。例えば、第1自覚式検眼装置1において、測定を開始する際、検者又は被検者によって識別子を読取装置30にかざし、識別子を読み取らせる。例えば、読取装置30の制御部31は、読み取った識別子の情報を情報処理装置20の制御部21へ出力(送信)する。例えば、制御部21は、識別子の情報を受信すると、制御装置70の制御部71を経由して、データベース72へ接続する。制御部21は、識別子に基づいて、データベース72から、識別子に対応する他覚式測定データと前眼鏡データを取得する。
例えば、データベース72からデータが取得されると、制御部21は、遠隔情報処理装置80(詳細には、制御部81)へデータを出力(送信)する。例えば、制御部81は、制御部21より出力された、他覚式測定データと前眼鏡データを受信する。例えば、制御部81は、受信した他覚式測定データと前眼鏡データを、表示部84に表示させる。例えば、制御部81は、表示部84に、他覚式測定データと前眼鏡データとのいずれのデータに基づいて初期値の設定を行うか選択するための選択画面を表示する。
例えば、検者によって、操作部83が操作され、他覚式測定データと前眼鏡データのいずれかのデータが選択されると、選択されたデータに基づいて、初期値の設定が行われる。なお、本実施例においては、他覚式測定データが選択された場合を例に挙げて説明する。
例えば、検者によって、操作部83が操作され、他覚式測定データが選択されると、制御部81は、他覚式測定データを初期値として設定するための指示信号を情報処理装置20(詳細には、制御部21)へ出力する。例えば、制御部21は、制御部81から指示信号を受信する。例えば、制御部21は、指示信号を受信すると、取得した他覚式測定データを矯正光学系11の初期値として設定する。このような構成によって、例えば、識別子に対応するデータを要求している自覚式検眼装置の情報処理装置にリモートアクセスされる遠隔情報処理装置に対して、データを提供することが可能となる。これによって、リモートアクセス先(例えば、遠隔地等)から自覚式検眼装置を操作する場合であっても、検者が被検者のデータを確認することが可能となり、初期設定を行うべき自覚式検眼装置の適切な初期値の設定が可能となる。
なお、上記構成においては、遠隔情報処理装置を用いる場合の自覚式検眼システムとして、複数の自覚式検眼装置を有する構成を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。遠隔情報処理装置を用いる場合の自覚式検眼システムとしては、少なくとも1つ以上の自覚式検眼装置を有する場合であってもよい。