JP7230365B2 - 自覚式検眼装置 - Google Patents
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(1) 本開示の第1態様に係る自覚式検眼装置は、被検眼に呈示される視標光束の光学特性を変化させる矯正光学系を有し、被検眼の光学特性を自覚的に測定するための自覚式検眼装置において、前記矯正光学系は、前記被検眼の球面度数を補正するための球面補正レンズと、前記被検眼の円柱度数を補正するための円柱補正レンズと、を少なくとも有し、矯正する矯正度数を指示する指示手段と、前記指示手段によって指示された前記矯正度数に基づいて、前記矯正光学系を制御し、前記矯正度数に対応する第1矯正度数として球面度数を付加するとともに、前記第1矯正度数が所定の閾値を超える場合に、前記第1矯正度数に加えて、前記第1矯正度数を付加することにより発生する円柱屈折力の誤差を補正するための第2矯正度数として円柱度数を付加することによって、前記円柱屈折力の誤差を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
本開示の実施形態に係る自覚式検眼装置の概要について説明する。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用されうる。
例えば、自覚式検眼装置は、矯正光学系を備える。矯正光学系は、被検眼に呈示される視標光束の光学特性を変化させる。矯正光学系は、視標光束の光学特性(例えば、球面度数、円柱度数、乱視軸角度、偏光特性、収差量、等の少なくともいずれか)を変更可能な構成であればよい。一例として、矯正光学系は、被検眼の眼前に検眼窓(例えば、検眼窓160)を介して光学素子(例えば、光学素子180)を配置する眼屈折力測定ユニット(例えば、眼屈折力測定ユニット100)であって、光学素子を制御することによって、視標光束の光学特性を変更する構成であってもよい。この場合、視標光束は、眼屈折力測定ユニットを介して、被検眼に投影される。眼屈折力測定ユニットとしては、複数の光学素子が同一円周上に配置されたレンズディスク(例えば、レンズディスク120)と、レンズディスクの光学配置を制御するための駆動手段(例えば、駆動部130、駆動部150、等)と、を有し、駆動手段の駆動によって光学素子を切り換える構成を備えていてもよい。なお、光学素子としては、球面レンズ、円柱レンズ、クロスシリンダレンズ、ロータリプリズム、波面変調素子、等の少なくともいずれかを用いる構成であってもよい。
例えば、自覚式検眼装置は、指示手段(例えば、制御部370)を備える。指示手段は、矯正する矯正度数を指示する。例えば、被検眼を矯正するための矯正度数を指示する。本実施例において、指示手段は、検者により設定された矯正度数を指示してもよい。また、指示手段は、別の装置を用いて測定された測定結果を受信することで矯正度数を指示してもよい。また、指示手段は、制御部によって自動的に指定された矯正度数を指示してもよい。例えば、矯正度数は、被検眼の球面屈折力を矯正するための球面度数、被検眼の円柱屈折力を矯正するための円柱度数、被検眼の乱視軸角度を補正するための乱視軸角度、等の少なくともいずれかであってもよい。
例えば、自覚式検眼装置は、補正手段(例えば、制御部370)を備える。補正手段は、指示手段によって指示された矯正度数に基づいて、矯正光学系を制御し、矯正度数に対応する第1矯正度数を付加するとともに、矯正度数が所定の閾値を超える場合に、第1矯正度数に加えて、第1矯正度数を付加することにより発生する屈折力の誤差を補正するための第2矯正度数を付加することによって、屈折力の誤差を補正する。
以下、本実施形態における自覚式検眼装置について説明する。図1は自覚式検眼装置1の外観略図である。例えば、本実施例では、自覚式検眼装置1が投影光学系を備える場合を例に挙げて説明する。例えば、自覚式検眼装置1は、眼屈折力測定ユニット100、視標呈示ユニット200、コントローラ300、リレーユニット400、等を備える。
図2は眼屈折力測定ユニット100の概略図である。眼屈折力測定ユニット100は、被検眼の屈折力を自覚的に測定する。例えば、眼屈折力測定ユニット100は、額当て170、移動ユニット140、左右一対のレンズユニット110(左レンズユニット110L及び右レンズユニット110R)、レンズディスク120(左レンズディスク120L及び右レンズディスク120R)、光学素子180、駆動部130(左駆動部130L及び右駆動部130R)、駆動部150(左駆動部150L及び右駆動部150R)、等を備える。
すなわち、弱円柱レンズディスク120dの円柱レンズは、眼鏡装用位置Sに換算した円柱度数が略0.25D間隔で変化するように設けられる。
視標呈示ユニット200(図1参照)は、被検眼Eに検査視標を呈示する。例えば、視標呈示ユニット200はディスプレイ210を備え、ディスプレイ210に検査視標(例えば、ランドルト環視標、等)を表示する。ディスプレイ210としては、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)、プラズマディスプレイ、等のディスプレイが用いられてもよい。なお、視標呈示ユニット200は本実施例に限定されず、スクリーンに検査視標を投影するチャートプロジェクタ、凹面ミラーを介して検査視標を投影する省スペース型の視標投影装置、等を用いた構成としてもよい。
コントローラ300(図1参照)は、眼屈折力測定ユニット100と、視標呈示ユニット200と、の少なくともいずれかを操作する。コントローラ300は、複数の操作ボタンが配置された操作パネル310と、タッチパネル機能を有する表示パネル320と、を有し、操作パネル310及び表示パネル320に対する検者の操作を検出する。コントローラ300は、検者の操作に基づいて、眼屈折力測定ユニット100及び視標呈示ユニット200へ駆動信号を出力する。
図4はリレーユニット400を示す図である。リレーユニット(制御部)400は、眼屈折力測定ユニット100の電源、眼屈折力測定ユニット100と視標呈示ユニット200に対するコントローラ300からの通信、等を制御する。例えば、リレーユニット400は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM、等を備える。例えば、CPUは、自覚式検眼装置1における各部材の制御を司る。例えば、RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。例えば、ROMには、自覚式検眼装置1の動作を制御するための各種プログラム、検査視標データ、等が記憶されている。なお、リレーユニット400は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)により構成されてもよい。
以上の構成を備える自覚式検眼装置1の制御動作を説明する。
本実施例では、上記のように、被検眼Eの眼前に球面レンズと円柱レンズの少なくともいずれかを配置することで、被検眼Eを設定した矯正度数にて矯正する。一例としては、強球面レンズディスク120aがもつ球面レンズ180a、及び、弱球面レンズディスク120bがもつ球面レンズ180b、を組み合わせて配置することで、-19.00D~+16.75Dまでの球面度数を設定することができる。また、一例として、球面レンズ180a、球面レンズ180b、及び、第2補助レンズディスク120fがもつ球面レンズ180f、を組み合わせて配置することで、-19.00D未満の球面度数、及び、+16.75Dよりも大きな球面度数を設定することができる。また、一例として、強円柱レンズディスク180cがもつ円柱レンズ180c、及び、弱円柱レンズディスク180dがもつ円柱レンズ180c、を組み合わせて配置することで、略-9.00D~-0.00Dまでの円柱度数を設定することができる。また、一例として、強円柱レンズディスク180cがもつ円柱レンズ180c、及び、弱円柱レンズディスク180dがもつ円柱レンズ180c、の回転角度を変更することで、乱視軸角度を設定することができる。
例えば、制御部370は、合成球面度数の強さによって生じる円柱屈折力の誤差を補正する。上記のように、合成球面度数の強さによって、円柱屈折力に生じる誤差の程度は異なる。このため、本実施例では、合成球面度数が所定の閾値以内である場合には、指示された円柱度数(例えば、検者が設定した円柱度数)に対応する円柱度数(すなわち、第1円柱度数)のみが付加される。合成球面度数が所定の閾値を超える場合には、指示された円柱度数に対応する円柱度数に加えて、円柱屈折力の誤差を補正するための円柱度数(すなわち、第2円柱度数)が付加される。例えば、所定の閾値は、合成球面度数の値が小さくなる方向と、大きくなる方向と、のいずれか一方にのみ設けられてもよいし、双方に設けられてもよい。例えば、本実施例では、-15.00Dと+15.00Dが、所定の閾値として設けられる。もちろん、所定の閾値はこれに限定されず、任意の値に設定できてもよい。
本実施例において、第1測定モードは、被検眼Eに球面度数を付加することにより発生した円柱屈折力の誤差を補正するモードである。例えば、制御部370は、検者によりコントローラ300から入力された被検眼Eを矯正するための矯正度数を取得する。ここでは、制御部370が、球面度数を23.00D、円柱度数を-8.00D、と取得した場合を例に挙げる。制御部370は、取得した球面度数が所定の閾値である+15.00Dを超えるため、測定モードを第1測定モードに切り換え、この状態において、円柱屈折力の誤差を補正する。
本実施例において、第2測定モードは、被検眼Eに球面度数を付加することにより発生した円柱屈折力の誤差を補正しないモードである。例えば、制御部370は、検者によりコントローラ300から入力された被検眼Eを矯正するための矯正度数を取得する。ここでは、制御部370が、球面度数を-1.00D、円柱度数を-1.00D、と取得した場合を例に挙げる。制御部370は、取得した球面度数が所定の閾値である-15.00Dを満たさないため、測定モードを第2測定モードに切り換える。第2測定モードでは、被検眼Eに付加した合成球面度数によって生じる円柱屈折力の誤差の程度が小さいため、この誤差が補正されない。すなわち、表示部320の表示画面には、被検眼Eが実際に矯正されている球面屈折力340として、取得された球面度数-1.00Dが表示される。また、被検眼Eが実際に矯正されている円柱屈折力340として、取得された円柱度数-1.00Dが表示される。なお、表示部320の表示画面には、被検眼Eが実際に矯正されている乱視軸角度350が表示されてもよい。
なお、本実施例では、眼屈折力測定ユニット100が備える矯正光学系が、球面度数を補正するための球面補正レンズとして、球面レンズ180a、180b、180f、等を有する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。矯正光学系は、視標光束の光学特性を変化させ、球面度数を補正することが可能なレンズを備える構成であればよく、例えば、非球面レンズ、可変焦点レンズ、波面変調素子、等の少なくともいずれかを用いてもよい。
100 眼屈折力測定ユニット
120 レンズディスク
200 視標呈示ユニット
300 コントローラ
370 制御部
400 リレーユニット
Claims (4)
- 被検眼に呈示される視標光束の光学特性を変化させる矯正光学系を有し、被検眼の光学特性を自覚的に測定するための自覚式検眼装置において、
前記矯正光学系は、前記被検眼の球面度数を補正するための球面補正レンズと、前記被検眼の円柱度数を補正するための円柱補正レンズと、を少なくとも有し、
矯正する矯正度数を指示する指示手段と、
前記指示手段によって指示された前記矯正度数に基づいて、前記矯正光学系を制御し、前記矯正度数に対応する第1矯正度数として球面度数を付加するとともに、前記第1矯正度数が所定の閾値を超える場合に、前記第1矯正度数に加えて、前記第1矯正度数を付加することにより発生する円柱屈折力の誤差を補正するための第2矯正度数として円柱度数を付加することによって、前記円柱屈折力の誤差を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする自覚式検眼装置。 - 請求項1の自覚式検眼装置において、
前記補正手段は、前記円柱屈折力の誤差を補正する第1測定モードと、前記円柱屈折力の誤差を補正しない第2測定モードと、を切り換える切換手段を備え、
前記第1矯正度数が所定の閾値を超える場合に、前記第1測定モードに切り換えた状態で、前記円柱屈折力の誤差を補正することを特徴とする自覚式検眼装置。 - 請求項1または2のいずれかの自覚式検眼装置において、
前記補正手段は、前記矯正度数を出力する出力内容を補正することで、前記円柱屈折力の誤差を補正することを特徴とする自覚式検眼装置。 - 請求項1または2のいずれかの自覚式検眼装置において、
前記補正手段は、前記矯正光学系からの前記視標光束を補正することで、前記円柱屈折力の誤差を補正することを特徴とする自覚式検眼装置。
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