JP2022055615A - モータ制御装置、モータ制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
プリチャージやディスチャージを行うためには、セメント抵抗等の高電力対応の抵抗が使用されることが多いが、コントローラの小型化のためにチップ抵抗器が使用される場合もある。また、コスト低減のためプリチャージとディスチャージを同一の抵抗で実施する場合もある。
そのため、チップ抵抗器を使用する場合は、抵抗温度が上昇しやすいため、抵抗近傍の温度をモニタし、その温度上昇が許容範囲内であることを監視しながら使用する必要がある。
また、モータの回転とは逆方向に回転する通電をすることで、コンデンサの残留電圧を速やかに放電する通電制御装置もある(特許文献1参照)。
一方、モータの回転方向とは逆方向に回転する通電をすることでコンデンサの残留電圧を放電する場合には、モータの回転方向とは逆方向に回転させるような指令が行われるため、ブレーキを発生させる状態となってしまう。そのためモータの挙動に影響が生じる可能性がある。
図1は、この発明の一実施形態によるモータ制御装置10を含むモータ装置1の構成を示す概略構成図である。
モータ装置1は、モータ制御装置10と、バッテリ20と、コンタクタ(継電器)30と、SR(Switched reluctance)モータ40と、回転センサ50と、電流センサ60を含む。
モータ制御装置10は、モータ装置1の各部を制御する。このモータ制御装置10は、SRモータ40の動作を制御するコントローラとして機能する。
バッテリ20は、モータ装置1の各部に電源を供給する。バッテリ20の第1端子(例えばプラス端子)は、コンタクタ30に接続され、バッテリ20の第2端子(例えばマイナス端子)は、モータ制御装置10に接続される。
コンタクタ30は、SRモータ40を駆動するインバータ140とバッテリ20との間に接続され、バッテリ20からインバータ140への電力供給をオンとオフのいずれかに切り換える。
回転センサ50は、SRモータ40に設けられたロータの回転に応じた信号を検出する。具体的に、回転センサ50は、ロータの回転角度を検出し、回転角度を表す検出信号をモータ制御装置10に出力する。回転センサ50は、例えばレゾルバを用いることができる。
電流センサ60は、インバータ140からSRモータ40に供給される電流を検出し、検出結果をモータ制御装置10の制御回路150に出力する。電流センサ60は、SRモータ40のU相、V相、W相のそれぞれについて個別に電流を検出することができる。
モータ制御装置10は、プリチャージ・ディスチャージ回路110と、コンデンサ120と、電圧センサ130と、インバータ140と、制御回路150とを含む。
このモータ制御装置10は、コンデンサ120を放電(ディスチャージ)する場合、SRモータ40を用いた放電と、プリチャージ・ディスチャージ回路110を用いた放電とのうちいずれかにて放電する機能を有する。
プリチャージ・ディスチャージ回路110は、スイッチ111と、スイッチ112と、抵抗113と、温度センサ114を含む。
プリチャージ・ディスチャージ回路110は、制御回路150のスイッチ制御部155から出力される駆動信号に従って、スイッチ111とスイッチ112のオンオフを切り替えることで、抵抗113を介してコンデンサ120の充電をする。また、プリチャージ・ディスチャージ回路110は、制御回路150のスイッチ制御部155から出力される駆動信号に従って、スイッチ111とスイッチ112のオンオフを切り替えることで、コンデンサ120に蓄積された電荷を抵抗113によって放電することもできる。
スイッチ111は、スイッチング素子が用いられる。スイッチ111のドレインがバッテリ20の第1端子に接続され、ソースがスイッチ112のドレインに接続される。
スイッチ112は、スイッチング素子が用いられる。スイッチ112のドレインがスイッチ111のソースに接続され、ソースがバッテリ20の第2端子に接続される。
温度センサ114は、抵抗113の近傍に設けられ、抵抗113の温度を検出し、検出結果を制御回路150に出力する。温度センサ114が、抵抗113の温度を検出することで、コンデンサ120を充電または放電をすることに起因して抵抗113に発生する熱を検出することができる。
コンデンサ120は、第1端子がコンタクタ30とインバータ140との間に接続され、第2端子がバッテリ20の第2端子とインバータ140との間に接続される。コンデンサ120は、コンタクタ30を介して供給されるバッテリ20からの電源を平滑化する。例えば、コンデンサ120は、バッテリ20からインバータ140に流れる電流や電圧を平滑化することで電源を安定化させる。
電圧センサ130は、コンデンサ120に対して並列に接続される。電圧センサ130は、コンデンサ120の電圧を測定し、測定結果を制御回路150に出力する。
インバータ140は、U相のコイル40U、V相のコイル40V、及びW相のコイル40Wのそれぞれに接続されおり、制御回路150から供給される駆動信号に応じてスイッチをオンオフすることで、この駆動信号に応じた電圧をSRモータ40に出力する。
本実施形態では、スイッチング素子SWがn型チャネルのFET(Field Effective Transistor)である場合について説明するが、これに限定されず、例えば、IGBT(Insulated gate bipolar transistor)、及びBJT(bipolar junction transistor)であってもよい。
複数のダイオードDは、6つのダイオードDUH,DUL,DVH,DVL,DWH,DWLを備えている。
ダイオードDUHは、カソードがコンタクタ30の第2端子に接続され、アノードがスイッチング素子SWULのドレインに接続される。スイッチング素子SWULのソースは、バッテリ20の第2端子に接続される。
ダイオードDVHは、カソードがコンタクタ30の第2端子に接続され、アノードがスイッチング素子SWVLのドレインに接続される。スイッチング素子SWVLのソースは、バッテリ20の第2端子に接続される。
ダイオードDWHは、カソードがコンタクタ30の第2端子に接続され、アノードがスイッチング素子SWWLのドレインに接続される。スイッチング素子SWWLのソースは、バッテリ20の第2端子に接続される。
スイッチング素子SWVHとダイオードDVLとの接続点には、SRモータ40のV相のコイル40Vの一端が接続され、スイッチング素子SWVLとダイオードDVHとの接続点には、V相のコイル40Vの他端が接続される。
スイッチング素子SWWHとダイオードDWLとの接続点には、SRモータ40のW相のコイル40Wの一端が接続され、スイッチング素子SWWLとダイオードDWHとの接続点には、W相のコイル40Wの他端が接続される。
制御回路150は、起動・停止認識処理部151と、温度検出部152と、電圧検出部153と、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154と、スイッチ制御部155と、ロータ位置検出部156と、モータ駆動制御部157と、ディスチャージタイミング記憶部158と、ディスチャージ指令出力部159と、ゲート駆動出力部160とを含む。この制御回路150は、例えばCPU(中央処理装置)等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成されてもよい。
電圧検出部153は、電圧センサ130によって検出された結果(例えばアナログ値)を入力し、電圧センサ130から得られた結果に基づいて電圧データ(例えばデジタル値)を生成し、電圧データをプリチャージ・ディスチャージ判断処理部154に出力する。
例えば、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、起動・停止認識処理部151からモータ制御装置10を起動することを示す信号が入力されると、コンデンサ120に充電を行うと判定し、スイッチ制御部155に対してプリチャージ処理をするよう指示を出力する。
また、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、起動・停止認識処理部151からモータ制御装置10を停止することを示す信号が入力されると、コンデンサ120の放電を行うと判定する。ここで、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、コンデンサ120を放電するにあたり、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、SRモータ40を用いて放電をする第1放電モードと、抵抗113を用いて放電する第2放電モードとのいずれの放電モードによって放電するかを判定する。
プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、温度センサ114によって抵抗113の温度を検出した検出結果を、温度検出部152から取得し、この取得した検出結果に基づく温度が基準温度以上である場合には、ゲート駆動出力部160によって放電指令を出力すると判定し(第1放電モード)、検出された温度が基準温度未満である場合に、抵抗113に対してコンデンサ120の放電を行うよう判定(第2放電モード)する。
基準温度は、任意に決められていてもよいが、例えば、抵抗113の温度の許容範囲の上限値に応じて決めるようにしてもよい。
プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、第1放電モードにて放電すると判定した場合には、ディスチャージ指令出力部159に放電を行うよう指令を出力し、第2放電モードにて放電すると判定した場合には、スイッチ制御部155に放電を行うよう指令を出力する。
これにより、抵抗113の温度が基準値よりも高い場合、または、プリチャージ・ディスチャージ回路110に故障等が発生した場合に、SRモータ40のコイルを利用してコンデンサ120を放電することができる。なお、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、コンデンサ120の放電を行う場合に、第1放電モードと第2放電モードのいずれかを選択することができるが、この選択を行わずに、常に第1放電モードのみで放電するようにしてもよい。すなわち、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、第2放電モードを備えず、コンデンサ120からの放電を行う場合にSRモータ40を用いればよい。
例えば、スイッチ制御部155は、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154からプリチャージ処理をするよう指示を受けた場合には、スイッチ111のゲートにオン信号を出力し、スイッチ112のゲートにオフ信号を出力する。これにより、バッテリ20から供給される電源が抵抗113を介してコンデンサ120に供給されることで、コンデンサ120に対する充電が行われる。
また、スイッチ制御部155は、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154からディスチャージ処理をするよう指示を受けた場合には、スイッチ111のゲートにオフ信号を出力し、スイッチ112のゲートにオン信号を出力する。これにより、コンデンサ120に蓄積された電荷が抵抗113に供給されることで、コンデンサ120の放電が行われる。
ここで、図2は、ディスチャージタイミング記憶部158に記憶されるモータ特性データの一例を示す図である。この図において、縦軸はSRモータ40に備えられた各コイル(コイル40U、コイル40V、コイル40W)の回転角度(電気角)毎のインダクタンスを示すグラフである。ディスチャージタイミング記憶部158には、このようなグラフ、または、このグラフに基づくデータであって電気角とインダクタンスとを対応付けたテーブルを記憶する。
このモータ特性データは、電気角の一定範囲において、インダクタンスの変化が基準値以内となるロータの回転角度が特定できればよい。例えば、電気角が0°から約45°においては、W相について、インダクタンスの値が概ね一定であるため、インダクタンスの変化が基準値以内に該当する。
同様に、電気角が約45°から約70°においてはU相、電気角が約70°から約165°においてはV相、電気角が約165°から約195°においてはW相、電気角が約195°から約285°においてはU相、のように、あるロータの回転角度の範囲において、いずれかの相のインダクタンスの値が概ね一定となっている。このように、モータ特性データは、インダクタンスの値が概ね一定となる電気角の範囲が特定できるようになっている。以下、インダクタンスの値が概ね一定となる電気角の範囲を放電目標区間ともいう。
このようなモータ特性データは、モータ制御装置10に接続されるモータによって異なる。そのため、SRモータ40の各コイルのインダクタンスについて実験を行うことで求めておき、この実験結果に基づいてモータ特性データを得るようにしてもよい。
例えば、ディスチャージ指令出力部159は、ロータ位置検出部156から得られる回転角度(電気角)100°である場合には、ディスチャージタイミング記憶部158に記憶されたモータ特性データを参照することで、インダクタンスの変化が基準値以内である相がV相であると特定する。そして、ディスチャージ指令出力部159は、V相に対してコンデンサから放電する指令をゲート駆動出力部160に出力する。また、ディスチャージ指令出力部159は、ロータ位置検出部156から得られる回転角度(電気角)180°である場合には、ディスチャージタイミング記憶部158に記憶されたモータ特性データを参照することで、インダクタンスの変化が基準値以内である相がW相であると特定する。そして、ディスチャージ指令出力部159は、W相に対してコンデンサから放電する指令をゲート駆動出力部160に出力する。ディスチャージ指令出力部159は、ロータの回転に応じて検出される回転角度が更新されると、当該更新された後の回転角度に基づいて該当する相を特定し、特定された相に対しコンデンサ120から放電する指令を、ゲート駆動出力部160に出力する。
ディスチャージ指令出力部159は、モータ制御装置10の電源をオフにする等によって停止する場合において、SRモータ40のロータが惰性で回転しており、ロータの回転角度が変わったとしても、その時点の回転角度を検出し、その時の角度においてインダクタンスが平坦な相を特定し、その相を指定しつつ放電する指令を、ゲート駆動出力部160に出力することができる。
図3は、モータ制御装置10の動作を説明するフローチャートであり、図4は、放電経路の一例を説明する図である。このフローチャートでは、モータ制御装置10の停止処理を行う場合の動作を説明する。
ここでは、起動・停止認識処理部151は、外部から入力される起動SW信号が停止を表している場合に、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154に停止を指示する指令を出力する。この指令が入力されることで、モータ制御装置10のシステム停止処理が開始される。
プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、温度データが基準値以上である場合、抵抗が過熱状態であると判定し(ステップS101-YES)、温度データが基準値未満である場合、抵抗が過熱状態ではないと判定する(ステップS101-NO)。
例えば、現在のロータの位置に基づいて、トルクが最小となる相がU相であると特定された場合、ディスチャージ指令出力部159は、U相にコンデンサ120から放電することを示す指令をゲート駆動出力部160に出力する(ステップS104)。
ゲート駆動出力部160は、この指令を入力すると、指令によって示された相(例えばU相)に通電されるようにインバータ140の各スイッチング素子に駆動信号を印加する。これにより、コンデンサ120に蓄積された電荷がSRモータ40のコイル(例えばコイル40U)に対して放電される(図4符号R1)。ここでは、SRモータ40に電流が印加されるが、印加される相は、現在の回転位置においてはトルクがほぼ発生しないため、コンデンサ120から放電される電力によってSRモータ40の回転への影響が生じにくく、SRモータ40の挙動には影響が生じない。このようにして、SRモータ40を用いたとしても、ロータを回転させないように電荷を放電することができる。
一方、プリチャージ・ディスチャージ判断処理部154は、電圧検出部153によって検出された電圧が、放電終了電圧以下に到達していない場合には(ステップS109-NO)、スイッチ制御部155に対する、放電を行う指令の出力を維持し、処理をステップS108に移行する。
また、ある回転角度の範囲において2つの相についてインダクタンスの変化が一定値以内となる場合には、その2つの相に対して通電するようにしてもよい。
また、上述した実施形態において、ステップS101において放電用の抵抗が過熱状態であったか否かを判定するようにしたが、このステップS101の処理を、抵抗を用いた放電回路に回路故障が発生しているか否かの判定処理に置き換え、回路故障が発生している場合に、モータのコイルを用いてディスチャージするようにしてもよい。また、ステップS101の処理に加え、抵抗が過熱状態ではない場合に、抵抗を用いた放電回路に回路故障が発生しているか否かの判定処理をさらに行うようにしてもよい。
Claims (4)
- ブラシレスモータに接続されるブリッジ回路にゲート信号を印加するゲート駆動出力部と、
前記ブリッジ回路に供給される電源を平滑化するコンデンサと、
を有するモータ制御装置であって、
前記ブラシレスモータに備えられたコイルのインダクタンスの変化が基準値以内であるロータの回転角度を相毎に記憶する記憶部と、
前記ロータの回転角度を検出する回転角検出部と、
前記記憶部を参照し、前記検出された回転角度に基づいて前記インダクタンスの変化が基準値以内である相に対し前記コンデンサから放電する指令を、前記ゲート駆動出力部に出力する指令出力部と、
を有するモータ制御装置。 - 前記指令出力部は、
前記ロータの回転に応じて前記検出される回転角度が更新されると、当該更新された後の回転角度に基づいて該当する相を特定し、特定された相に対し前記コンデンサから放電する指令を、前記ゲート駆動出力部に出力する
請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記コンデンサから放電をする抵抗と、
前記抵抗の温度を検出する温度センサと、
前記検出された温度が基準値以上である場合には、前記指令出力部によって前記指令を出力すると判定し、前記検出された温度が基準値未満である場合に、前記抵抗に対して前記コンデンサの放電を行うよう判定する放電判定部と、
を有する請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。 - ブラシレスモータに接続されるブリッジ回路にゲート信号を印加するゲート駆動出力部と、
前記ブリッジ回路に供給される電源を平滑化するコンデンサと、
を有するモータ制御装置におけるモータ制御方法であって、
回転角検出部が、前記ブラシレスモータのロータの回転角度を検出し、
指令出力部が、前記ブラシレスモータに備えられたコイルのインダクタンスの変化が基準値以内であるロータの回転角度を相毎に記憶する記憶部を参照し、前記検出された回転角度に基づいて前記インダクタンスの変化が基準値以内である相に対し前記コンデンサから放電する指令を、前記ゲート駆動出力部に出力する
モータ制御方法。
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