JP2022055094A - 複数の移植片を移送するための医療機器および移植片の移送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】損傷や皺を発生させることなく、複数の移植片を効率よく移送することができる手段を提供する。【解決手段】移植片Sを目的部位に移送するための医療機器であって、移植片を載置することができる支持体2を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部41を有する保持体4を含み、保持体が、円形形状を有し、複数の支持体を円周方向に保持できるように構成され、帯形状を有し、複数の支持体を一列に保持できるように構成され、スライドできるように構成され、保持体を保持することができる本体をさらに含み、本体が、支持体を把持することができる把持体を挿通できるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の移植片を移送するための医療機器および当該医療機器を用いた移植片を移送するための方法に関する。
近年、損傷した組織等の修復のために、種々の細胞を移植する試みが行われている。例えば、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により損傷した心筋組織の修復のために、胎児心筋細胞、骨格筋芽細胞、間葉系幹細胞、心臓幹細胞、ES細胞、iPS細胞等の利用が試みられている(非特許文献1)。
このような試みの一環として、スキャフォールドを利用して形成した細胞構造物や、細胞をシート状に形成したシート状細胞培養物が開発されてきた(非特許文献2)。
シート状細胞培養物の治療への応用については、火傷などによる皮膚損傷に対する培養表皮シートの利用、角膜損傷に対する角膜上皮シート状細胞培養物の利用、食道がん内視鏡的切除に対する口腔粘膜シート状細胞培養物の利用などの検討が進められており、その一部は臨床応用の段階に入っている。
非特許文献3には、膵臓瘻や胃穿孔のモデル動物において、それらの治癒に骨格筋芽細胞シートを用い得ることが記載されている。早期の腫瘍を低侵襲的に切除する方法として、近年では内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が注目されている。これは、病変部の粘膜下層に局注液を注入し、人工的に浮腫を起こした後、隆起した粘膜病変部を粘膜下層ごと切除するというものである。しかしながら、特に十二指腸のESDは、内視鏡の操作性や腸壁の薄さなどから、30%前後の確率で穿孔などの合併症を引き起こしてしまうことが報告されている。
シート状細胞培養物を目的部位に投与する手術方法に関して、人体に対する低侵襲な手術方法として内視鏡下手術が広く用いられており、シート状細胞培養物を目的部位に送達して投与するための様々な器具が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された運搬投与器具は、シート支持部材を筒状にして外筒内に格納することにより、人体に対する侵襲の度合いを低くして、移植部位までシート状の治療用物質を運搬することができる。
特許文献2に記載されたシート貼付装置は、シート支持部の表面に沿って配置された棒状部材を、シート支持部の表面に沿って移動させることにより剥離させて、シート状の物質を目的部位に貼付することができる。
特許文献3に記載された運搬投与具は、シート支持部に、シート状治療用物質を吸着保持させる陰圧と、シート支持部からシート状治療用物質を離脱させる陽圧を付与可能なシート脱着手段で、シートを投与することができる。
特許文献4に記載された搬送器具は、シート状治療用物質を保持したヘッドの表面に設けられた複数の通気孔から流体を噴出させることで、シート状治療用物質を貼付することができる。
特開2009-511号公報 特開2016-187601号公報 特開2008-173333号公報 国際公開第2014/069292号
Haraguchi et al., Stem Cells Transl Med. 2012 Feb;1(2):136-41 Sawa et al., Surg Today. 2012 Jan;42(2):181-4 Tanaka et al., Surg Today. 2017 Jan;47(1):114-121
このような中、本発明者らは、移植片を効率よく目的部位に移送するための手段を開発するにあたり、複数の移植片を効率よく移送することは困難であるなど問題に直面した。したがって、本発明の目的は、そのような問題を解決し、単純な構成でかつ合理的な医療機器を実現することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、複数の移植片を載置することができる保持体を利用することで、複数の移植片を効率良く移送できることに着目した。そして、かかる保持体を含む医療機器を用いることで、複数の移植片を効率よく目的部位に移送することができることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下に関する。
[1]移植片を目的部位に移送するための医療機器であって、移植片を載置することができる支持体を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部を有する保持体を含む、前記機器。
[2]保持体が、円形形状を有し、複数の支持体を円周方向に保持できるように構成されている、[1]に記載の機器。
[3]保持体が、帯形状を有し、複数の支持体を一列に保持できるように構成されている、[1]に記載の機器。
[4]保持体が、スライドできるように構成されている、[1]~[3]のいずれか一項に記載の機器。
[5]保持体を保持することができる本体をさらに含み、本体が、支持体を把持することができる把持体を挿通できるように構成されている、[1]~[4]のいずれか一項に記載の機器。
[6]移植片を目的部位に移送するための方法であって、移植片を載置することができる支持体を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部を有する保持体を含む、医療機器を供するステップ、複数の開口部のそれぞれに移植片が載置された支持体を折り畳んだ状態で保持するステップ、支持体を目的部位に移送するステップを含む、前記方法。
[7]移送するステップが、支持体を把持体で把持して目的部位に移送することを含む、[6]に記載の方法。
[8]保持体をスライドさせるステップをさらに含む、[6]または[7]に記載の方法。
[9]目的部位への支持体の送達が、体腔内に経腹腔的に挿入された筒状体に保持体を挿通することにより行われる、[6]~[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10]移植片を体腔内に経腹腔的に挿入して目的部位に貼付するための[6]~[9]のいずれか一項に記載の方法。
本発明によれば、移植片を容易に支持体より剥離させて、目的部位に移送することができる。また、損傷や皺を発生させることなく、移植片の形状を維持した状態で目的部位に固定することができる。そして、複数の移植片を連続的に目的部位に移送することができる。
図1は、本発明の機器の一態様の概念図である。 図2は、本発明の機器を使用して、移植片を目的部位に移送する一態様の概念図である。
本発明において、「移植片」とは、生体内へ移植するための構造物を意味し、特に生細胞を構成成分として含む移植用構造物を意味する。好ましくは、移植片は、生細胞および生細胞由来の物質以外の構造物(例えばスキャフォールド等)を含まない移植用構造物である。本発明の移植片としては、これに限定するものではないが、例えばシート状細胞培養物、スフェロイド、細胞凝集塊等が挙げられ、好ましくはシート状細胞培養物またはスフェロイド、より好ましくはシート状細胞培養物である。
本発明において「シート状細胞培養物」とは、細胞が互いに連結してシート状になったものをいう。細胞同士は、直接(接着分子などの細胞要素を介するものを含む)および/または介在物質を介して、互いに連結していてもよい。介在物質としては、細胞同士を少なくとも物理的(機械的)に連結し得る物質であれば特に限定されないが、例えば、細胞外マトリックスなどが挙げられる。介在物質は、好ましくは細胞由来のもの、特に、細胞培養物を構成する細胞に由来するものである。細胞は少なくとも物理的(機械的)に連結されるが、さらに機能的、例えば、化学的、電気的に連結されてもよい。シート状細胞培養物は、1の細胞層から構成されるもの(単層)であっても、2以上の細胞層から構成されるもの(積層(多層)体、例えば、2層、3層、4層、5層、6層など)であってもよい。また、シート状細胞培養物は、細胞が明確な層構造を示すことなく、細胞1個分の厚みを超える厚みを有する3次元構造を有してもよい。例えば、シート状細胞培養物の垂直断面において、細胞が水平方向に均一に整列することなく、不均一に(例えば、モザイク状に)配置された状態で存在していてもよい。
シート状細胞培養物は、好ましくはスキャフォールド(支持体)を含まない。スキャフォールドは、その表面上および/またはその内部に細胞を付着させ、シート状細胞培養物の物理的一体性を維持するために当該技術分野において用いられることがあり、例えば、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)製の膜等が知られているが、本発明のシート状細胞培養物は、かかるスキャフォールドがなくともその物理的一体性を維持することができる。また、本発明のシート状細胞培養物は、好ましくは、シート状細胞培養物を構成する細胞由来の物質のみからなり、それら以外の物質を含まない。
シート状細胞培養物を構成する細胞は、シート状細胞培養物を形成し得るものであれば特に限定されず、例えば、接着細胞(付着性細胞)を含む。接着細胞は、例えば、接着性の体細胞(例えば、心筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、滑膜細胞、軟骨細胞など)および幹細胞(例えば、筋芽細胞、心臓幹細胞などの組織幹細胞、胚性幹細胞、iPS(induced pluripotent stem)細胞などの多能性幹細胞、間葉系幹細胞等)などを含む。体細胞は、幹細胞、特にiPS細胞から分化させたもの(iPS細胞由来接着細胞)であってもよい。シート状細胞培養物を構成する細胞の非限定例としては、例えば、筋芽細胞(例えば、骨格筋芽細胞など)、間葉系幹細胞(例えば、骨髄、脂肪組織、末梢血、皮膚、毛根、筋組織、子宮内膜、胎盤、臍帯血由来のものなど)、心筋細胞、線維芽細胞、心臓幹細胞、胚性幹細胞、iPS細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、上皮細胞(例えば、口腔粘膜上皮細胞、網膜色素上皮細胞、鼻粘膜上皮細胞など)、内皮細胞(例えば、血管内皮細胞など)、肝細胞(例えば、肝実質細胞など)、膵細胞(例えば、膵島細胞など)、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞等が挙げられる。iPS細胞由来接着細胞の非限定例としては、iPS細胞由来の心筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、滑膜細胞、軟骨細胞などが挙げられる。
本発明において、「支持体」とは、移植片をその形状を維持した状態で支持することができる平面を有する板状体をいう。支持体は可撓性と適度な柔軟性を有し、移植片を支持した状態で湾曲させて、筒状体の内側などに沿って格納することができ、筒状体から露出させるとその復元性で平面状に展開させることができる。支持体の材料としては、特に限定されず、各種公知の材料を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。このような材料としては、例えば、金属、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴム、スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体(SEBS)、スチレンーエチレンープロピレンースチレン共重合体(SEPS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ナイロンなどのポリアミド樹脂及びポリアミドエラストマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂及びポリエステルエラストマー、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、「複数の孔」とは、支持体に設けられた2以上の貫通孔をいい、支持体の移植片を支持している面と反対の面から流体を送り込み、孔を通して流体を吐出することで、移植片を支持面から剥離させることができる。孔は、流体を吐出できればよく、支持体に載置される複数の移植片の1つに対して少なくとも1つ設けられていればよい。また、複数の移植片の1つに対して複数の孔を設けることもできる。
複数の孔は、移植片の剥離位置や保持位置を調節できるように、支持体の移植片を支持する面に離散的に配置されることが好ましい。例えば、複数の孔の少なくとも1つを支持体の縁部付近に設けることで、移植片の剥離をその縁部付近から行えるように構成することもできる。複数の孔の配置は、例えば、2×2~40×40、5×5~20×20など、行×列のマトリックス配置とすることができ、孔同士の間隔は、例えば、0.05mm~10mm、0.5mm~2mmとすることができ、孔の径は、例えば、0.05mm~10mm、0.3~0.6mmとすることができるが、これらに限定されず、当業者であれば移植片のサイズ、移植片と支持体との接着度合いなどに合わせて自由に選択することができる。支持体の構造を網目構造とすることで、複数の孔のマトリックス配置を達成することもできる。例えば、直径2cm~3cmの移植片に複数の孔を対応させる場合、孔の径は、0.05mm~5cm、好ましくは2~3cmとすることができる。
本発明において、「流体」とは、移植片を傷つけることなく押し出して剥離することができる、気体と液体の総称をいう。液体は、少なくとも1種の成分から構成され、その成分としてはとくに限定されないが、例えば、水、水溶液、非水溶液、懸濁液、乳液などの液体から構成される。液体を構成する成分は、移植片に与える影響が少ないものであればとくに限定されない。移植片が生体由来材料からなる膜である場合、液体を構成する成分は、生体適合性のもの、すなわち、生体組織や細胞に対して炎症反応、免疫反応、中毒反応などの望まない作用を起こさないか、少なくともかかる作用が小さいものが好ましい。
本発明において、「目的部位」とは、移植片を適用(貼付)する部分をいう。目的部位としては、例えば、管腔臓器における、損傷(創傷)が存在する部位や、損傷が存在する部位に対応する管腔壁の反対側などが挙げられる。「管腔臓器」は、体腔に収納されている内腔を有する臓器、すなわち管状または袋状の構造を有する臓器を意味し、例えば消化管系、循環器系、尿路系、呼吸器系、女性生殖器系の臓器などが挙げられる。典型的には消化管系の臓器である。また、「管腔壁」とは、管腔臓器の管または袋を構成する臓器壁を意味する。管腔壁には内腔に面した内側部と臓器の外表面を形成する外側部とがあり、「管腔壁の片側」という場合、管腔壁の内側または外側のいずれかを意味し、内側に対する外側または外側に対する内側を「反対側」という。また、片側のある領域に対して、管腔壁のちょうど反対側に位置する領域を「対応する反対側」という。
ある態様においては、管腔壁の少なくとも片側に損傷を有する管腔組織において、損傷が存在する部位に対応する反対側にシート状細胞培養物を移植することにより、組織の治癒を促進することができる。特にESDなどの施術によって形成された損傷であっても効果があるため、これらの施術後の合併症を予防し、予後を向上させることが可能となる。
本発明において、「保持体」とは、支持体を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部を有する構造体である。一態様において、保持体は、円形形状を有し、複数の支持体を円周方向に保持できるように構成することもできる。また、一態様において、保持体は、本体に対して回転できるように構成することもできる。さらに、一態様において、保持体は、帯形状を有し、支持体を一列に保持できるように構成することもできる。さらにまた、一態様において、保持体は、本体に対してスライド(レボルバー式に回転スライド、一方向にスライド)できるように構成することもできる。保持体に設けられる複数の開口部の径は、移植片のサイズが直径2~3cmの場合、1cm~5cm、好ましくは2~3cmとすることができる。
本発明において、「本体」とは、保持体を支持することができる構造体である。本体は、支持体を格納する筐体としての本体部、および任意に支持体を把持することができる把持体を有することができる。一態様において、本体は、保持体を交換可能に支持できるように構成されている。すなわち、本体は、使用済みの保持体を取り外し、別の支持体を装填できるように構成することもできる。
本発明において、「保護部材」とは、支持体を筒状体内で移動させる際に、支持体を包み込むように保護するシート状の部材をいう。保護部材は、摩擦係数の低い(例:0.5以下、0.3以下、0.1以下、0.05以下など)材料で作製することが好ましく、それにより、支持体を保護しながら筒状体の内面上でスムーズに滑動させることができる。
以下、本発明の好適な実施態様に係る機器ついて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1および図2に示すように、本発明の第1実施態様に係る機器1は、移植片Sを載置することができる支持体2を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部41を有する保持体4を含む。
一態様において、支持体2は可撓性と適度な柔軟性を有する板状体であり、移植片Sを支持した状態で湾曲させて、筒状体5(図示せず)などに挿通(格納)することができる。支持体2の輪郭の一部(例えば、先端部)が凸形状を有するように(例えば、円形に)成型し、かかる凸形状部分の頂部を筒状体5の開口部に当接させて押し付けることで湾曲させて(丸めて)、支持体2を筒状体5などに押し込みやすいように構成することもできる。筒状体5の基端側から挿通した支持体2は、筒状体5の先端側に配置した鉗子(図示せず)などで把持して、筒状体5の先端側に引き出すこともできる。
一態様において、支持体2は、筒状体5から押し出す(または引き出す)と、その復元性で平面状に展開できるように構成することもできる。例えば、筒状体5として、内視鏡外科手術などで使用する体腔内に経腹腔的に挿入されたポートを使用することで、支持体2をポートから押し出して目的部位Aに近接させる際に、自動的に平面状に展開されるように構成することもできる。移植片Sを支持した支持体2は、移植片Sが内側になるように丸め、体外から筒状体5に挿通させることで、移植片Sを損傷させることなく、適切に目的部位Aに移送することもできる。
図1Aに示すように、支持体2は、円形形状を有し、円形形状の移植片Sをその形状を維持した状態で支持することができる。そして、移植片Sを支持体2の内側にして支持体2を折り畳む(丸める)ことで、移植片Sをその内側で保護することができる。一態様において、支持体2は、移植片Sを支持した支持体2を包み込むように保護する摩擦係数の低い保護部材7(図示せず)で保護することもできる。一態様において、支持体2は、複数の孔3を有することができる。
図1Bに示されるように、支持体2(保護部材7を含んでもよい)を折り畳む際は、移植片Sを支持した支持体2を左右から内側に折って略二等辺三角形を形成するように折り畳むことができる。この場合は、折り畳まれた支持体2の先端側が鋭角になるため、筒状体5などに容易に挿通させることができる。また、このように折り畳まれた支持体2は略三角錐を形成するため、保持体4の開口部41に載置するだけで開口部41に確実に保持される。一態様において、折り畳まれた略二等辺三角形状の支持体2の底辺側(基端側)をクリップ上の固定部材で固定することで、かかる形状を維持したまま移送することもできる。
図1Cに示されるように、保持体4は、移植片Sを載置することができる支持体2を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部41を有する。一態様において、保持体4は、円形形状を有し、複数の支持体2を円周方向に保持できるように構成することができる。そして、円形形状の保持体4を回転できるように構成することもできる。また、一態様において、保持体4は、帯形状を有し、複数の支持体2を一列に保持できるように構成することもできる。
図2に示されるように、機器1は、さらに保持体4を支持することができる本体6を含むことができる。本体6は、保持体4を内部に格納できる筐体としての本体部61、および任意に支持体2を把持することができる把持体62を含むことができる。本体6は、把持体62を挿通できるように構成されており、把持体62を進退させて支持体2を把持して移動させることができる。そして、本体6に対して、円形の保持体4をレボルバー式に回転スライドさせる、または帯状の保持体4を一方向にスライドさせるという単純な方法で、支持体2の把持体62に対する位置決め、および把持体62による把持作業を効率的に行うことができる。
本発明の機器1を使用して、移植片Sを臓器などの目的部位Aに移植する場合は、移植片Sを支持した複数の支持体2を折りたたみ、保持体4の複数の開口部41に載置する。この際に、折り畳まれた支持体2の鋭角な先端側を開口部41側に載置装填する。これにより、支持体2の鋭角な先端側が、保持体4の先端側に向くように配置することができる。支持体2の鋭角な先端側が、保持体4の基端側に向くように配置することもできる。そして、保持体4の先端側を目的部位A(図示せず)に近接させる、または、保持体4を内視鏡外科手術などで使用する腹壁に貫入させた中空のポート(筒状体5)などを介して、体腔内に経腹腔的に送達し、保持体4の先端を目的部位Aに近接させる。一態様において、保持体4を本体6に装填して、本体6を中空のポートなどを介して体腔内に送達し、保持体4の先端を目的部位Aに近接させてもよい。
そして、把持体62で支持体2を把持し、保持体4に保持されている支持体2を先端側に押し出す。一態様において、把持体62として、手術などで一般的に使用されている鉗子6を使用することもできる。押し出された支持体2は、その復元性で平面状に展開される。支持体2を目的部位Aに対して位置決めした後は、腹腔内へ挿入されている別の鉗子(図示せず)を使用して移植片Sを支持体2から剥離させる、支持体2の複数の孔3から流体を吐出して移植片Sを剥離させるなどして、移植片Sを目的部位Aに貼付(移植)する。目的部位Aに支持体2を接触させて移植片Sを目的部位Aに固定(貼付)し、支持体2を取り外すことで剥離を達成することもできる。
移植片Sが剥離された支持体2は、腹腔鏡手術用摘出物バッグ(INZII(登録商標)など)を使用して回収することもできる。そして、保持体4をスライドさせて、別の支持体2を把持体62に対して位置決めし、把持体62で別の支持体2を目的部位Aに移送する。これを繰り返すことで、複数の移植片Sを連続的に目的部位Aに移送することができる。一態様において、本体6は、保持体4を交換可能に装填できるように構成することもできる。これにより、例えば、支持体2がすべて取り外された保持体4を取り外し、別の保持体4に交換することで、より多くの移植片Sを連続的に目的部位Aへ移送することもできる。
機器1は、移植片Sを載置することができる支持体2を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部41を有する保持体4を少なくとも含んでいればよい。さらに、上記のように、機器1は、支持体2、本体6、把持体62、筒状体5などをさらに含んでもよい。本体6の筐体である本体部61は、内視鏡外科手術などで使用する腹壁に貫入させた中空のポート(筒状体5)に置き換えることもできる。
本発明の機器1の使用は、例えば以下の工程によって順次行うことができる。
(1)移植片Sを支持した複数の支持体2を折り畳んで保持体4に載置する。
(2)保持体4を目的部位Aに近接させる。
(3)把持体62で支持体2を把持して目的部位Aに移送する。
(4)保持体4をスライドさせる。
(5)把持体62で別の支持体2を把持して目的部位Aに移送する。
(6)(4)と(5)を繰り返すことで、複数の移植片Sを連続的に目的部位Aに移送する。
移植片Sを載置した支持体2は、目的部位Aに対して空間的に離間した状態で近接させればよい。このとき支持体2は目的部位Aと接触しないように中空に浮かせることができる。これにより、移植片Sを支持体2から剥離した後も移植片Sを目的部位Aに貼付するまで移植片Sが目的部位Aと接触しない状態を保持することができる。移植片Sの剥離と目的部位Aへの貼付とは別々でも、同時に起こってもよい。
また、移植片Sの貼付を行った後に、貼付した移植片Sの上から流体を噴射する工程を加えてもよい。これにより、移植片Sをより確実に目的部位Aに接着させることができる。このときも支持体2は目的部位Aと接触しない状態で移植片Sを目的部位Aに接着させることができる。また、流体として、ゲルおよび/またはポリマーを噴射することで、シート状物を補強する補強層を形成するようにしてもよい。
以上、本願発明によれば、移植片を容易に支持体より剥離させて、目的部位に移送することができる。また、損傷や皺を発生させることなく、移植片の形状を維持した状態で目的部位に固定することができる。そして、複数の移植片を連続的に目的部位に移送することができる。
本発明を図示の実施態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明においては、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
1 機器
2 支持体
3 複数の孔
4 保持体
41 開口部
5 筒状体
6 本体
61 本体部
62 把持体(鉗子)
7 保護部材
S 移植片
A 目的部位

Claims (10)

  1. 移植片を目的部位に移送するための医療機器であって、移植片を載置することができる支持体を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部を有する保持体を含む、前記機器。
  2. 保持体が、円形形状を有し、複数の支持体を円周方向に保持できるように構成されている、請求項1に記載の機器。
  3. 保持体が、帯形状を有し、複数の支持体を一列に保持できるように構成されている、請求項1に記載の機器。
  4. 保持体が、スライドできるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の機器。
  5. 保持体を保持することができる本体をさらに含み、本体が、支持体を把持することができる把持体を挿通できるように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の機器。
  6. 移植片を目的部位に移送するための方法であって、
    移植片を載置することができる支持体を折り畳んだ状態で保持することができる複数の開口部を有する保持体を含む、医療機器を供するステップ、
    複数の開口部のそれぞれに移植片が載置された支持体を折り畳んだ状態で保持するステップ、
    支持体を目的部位に移送するステップ
    を含む、前記方法。
  7. 移送するステップが、支持体を把持体で把持して目的部位に移送することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 保持体をスライドさせるステップをさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
  9. 目的部位への支持体の送達が、体腔内に経腹腔的に挿入された筒状体に保持体を挿通することにより行われる、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 移植片を体腔内に経腹腔的に挿入して目的部位に貼付するための請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
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