JP2022055090A - 移植片を移送するための湾曲形状を有する医療機器 - Google Patents

移植片を移送するための湾曲形状を有する医療機器 Download PDF

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Abstract

【課題】移植片をより容易に効率よく目的部位に移送することのできる医療機器を提供する。【解決手段】支持体2において異なる2つの湾曲形状を有する医療機器1を用いることにより、移植片Sなどの細胞培養物をより容易に目的部位に移送することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、移植片を移送するための湾曲形状を有する医療機器に関する。
近年、損傷した組織等の修復のために、種々の細胞を移植する試みが行われている。例えば、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により損傷した心筋組織の修復のために、胎児心筋細胞、骨格筋芽細胞、間葉系幹細胞、心臓幹細胞、ES細胞、iPS細胞等の利用が試みられている(非特許文献1)。
このような試みの一環として、スキャフォールドを利用して形成した細胞構造物や、細胞をシート状に形成したシート状細胞培養物が開発されてきた(非特許文献2)。
シート状細胞培養物の治療への応用については、火傷などによる皮膚損傷に対する培養表皮シートの利用、角膜損傷に対する角膜上皮シート状細胞培養物の利用、食道がん内視鏡的切除に対する口腔粘膜シート状細胞培養物の利用などの検討が進められており、その一部は臨床応用の段階に入っている。また非特許文献3には、胃穿孔のモデル動物において、それらの治療に骨格筋芽細胞シートを用い得ることが記載されている。
シート状細胞培養物を目的部位に投与する方法に関して、人体に対する低侵襲な手術方法として内視鏡下手術が広く用いられており、シート状細胞培養物を目的部位に送達して投与するための様々な器具が提案されている。
例えば、特許文献1に記載されたシート状物貼付デバイスは、シート状物を支持するための支持体と、支持体に係止された線条体とを含み、シート状物を段階的に剥離することにより、シート状物の形状を保持しながら、効率よく目的部位に貼付することができる。
国際公開第2020/138261号
Haraguchi et al., Stem Cells Transl Med. 2012 Feb;1(2):136-41 Sawa et al., Surg Today. 2012 Jan;42(2):181-4 Tanaka et al., Surg Today. 2017 Jan;47(1):114-121
このような中、本発明者は、臨床応用において移植片を適用する際に、かかる移植片が、移植片移送用の医療機器に付着して容易に剥離せず、損傷や皺を発生させることなく、目的部位に移送することが困難である、また医療機器から移植片を剥離するための操作により移植片の損傷のリスクが増加するといった問題に直面した。したがって、本発明の目的は、そのような問題を解決し、移植片をより容易に効率よく目的部位に移送することのできる医療機器を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねる中で、支持体において異なる2つの湾曲形状を有する医療機器を用いることにより、移植片をより容易に効率よく目的部位に移送することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]目的部位に移植片を移送するための医療機器であって、移植片を載置するための支持体を含み、支持体が、目的部位の表面形状に沿った形状を有する1以上の第一領域および目的部位の表面形状に沿っていない形状を有する1以上の第二領域を有する、前記医療機器。
[2]第二領域が、第一領域中に存在する、[1]に記載の医療機器。
[3]少なくとも1つの第二領域が、支持体の先端側に存在する、[1]または[2]に記載の医療機器。
[4]支持体が、複数の孔を有する、[1]~[3]のいずれか1つに記載の医療機器。
[5]移植片を目的部位に移送するための方法であって、以下:
移植片を載置するための支持体を含み、支持体が、目的部位の表面形状に沿った形状を有する1以上の第一領域および目的部位の表面形状に沿っていない形状を有する1以上の第二領域を有する、目的部位に移植片を送達するための医療機器を提供するステップ、
移植片を載置した支持体の第一領域または第二領域のいずれか一方を目的部位に接触させるステップ、
目的部位に第一領域または第二領域の他方を接触させることにより、移植片を支持体から剥離させて目的部位に移送するステップ、
を含む、前記方法。
[6]目的部位への支持体の接触が、先端側にある領域から順に行われる、[5]に記載の方法。
[7]支持体が複数の孔を有し、複数の孔から流体を放出することにより移植片を支持体から剥離することをさらに含む、[5]または[6]に記載の方法。
[8]目的部位への移送が、体腔内に経腹腔的に挿入された筒状体に移植片を載置した支持体を挿通することにより行われる、[5]~[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9]移植片を体腔内に経腹腔的に挿入して目的部位に貼付するための[5]~[8]のいずれか1つに記載の方法。
本発明によれば、移植片をより容易に支持体より剥離させて、効率よく目的部位に移送することができる。また、移植片の目的部位への移送の際に、移植片への損傷や皺の発生を低減することができる。さらに、移植片の損傷のリスクを増加させる、支持体から移植片を剥離させるための煩雑な作業を不要とすることができる。加えて、湾曲の領域に応じて流体を用いて剥離を補助することにより、さらに容易に効率よく目的部位に移送することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る医療機器の斜視図である。支持体において、点で塗りつぶしている領域が第一領域を、斜線で示している領域が第二領域を示す。 図2は、本発明の第1実施形態に係る医療機器を使用して、移植片を目的部位に移送する一態様の概念図である。支持体において、点で塗りつぶしている領域が第一領域を、斜線で示している領域が第二領域を示す。かかる態様において、図2Aから図2Cのように、支持体を動かすことによって、移植片を目的部位へと移送できる。図2Aは、支持体の先端側を目的部位に接触させている概念図を示す。図2Bは、次いで支持体の第一領域を目的部位に接触させている概念図を示す。図2Cは、図2Bの後に、支持体の第二領域を目的部位に接触させている概念図を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、一側面において、移植片を載置するための支持体を含み、支持体が、目的部位の表面形状に沿った形状を有する1以上の第一領域および目的部位の表面形状に沿っていない形状を有する1以上の第二領域を有する、目的部位に移植片を移送するための医療機器に関する。
本発明において、「移植片」は、生体内へ移植するための構造物を意味し、特に生細胞を構成成分として含む移植用構造物を意味する。好ましくは、移植片は、生細胞および生細胞由来の物質以外の構造物(例えばスキャフォールド等)を含まない移植用構造物である。本発明の移植片としては、これに限定するものではないが、例えばシート状細胞培養物、スフェロイド、細胞凝集塊等が挙げられ、好ましくはシート状細胞培養物またはスフェロイド、より好ましくはシート状細胞培養物である。
本発明において「シート状細胞培養物」とは、細胞が互いに連結してシート状になったものをいう。細胞同士は、直接(接着分子などの細胞要素を介するものを含む)および/または介在物質を介して、互いに連結していてもよい。介在物質としては、細胞同士を少なくとも物理的(機械的)に連結し得る物質であれば特に限定されないが、例えば、細胞外マトリックスなどが挙げられる。介在物質は、好ましくは細胞由来のもの、特に、細胞培養物を構成する細胞に由来するものである。細胞は少なくとも物理的(機械的)に連結されるが、さらに機能的、例えば、化学的、電気的に連結されてもよい。シート状細胞培養物は、1の細胞層から構成されるもの(単層)であっても、2以上の細胞層から構成されるもの(積層(多層)体、例えば、2層、3層、4層、5層、6層など)であってもよい。また、シート状細胞培養物は、細胞が明確な層構造を示すことなく、細胞1個分の厚みを超える厚みを有する3次元構造を有してもよい。例えば、シート状細胞培養物の垂直断面において、細胞が水平方向に均一に整列することなく、不均一に(例えば、モザイク状に)配置された状態で存在していてもよい。
シート状細胞培養物は、好ましくはスキャフォールド(支持体)を含まない。スキャフォールドは、その表面上および/またはその内部に細胞を付着させ、シート状細胞培養物の物理的一体性を維持するために当該技術分野において用いられることがあり、例えば、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)製の膜等が知られているが、本発明のシート状細胞培養物は、かかるスキャフォールドがなくともその物理的一体性を維持することができる。また、本発明のシート状細胞培養物は、好ましくは、シート状細胞培養物を構成する細胞由来の物質のみからなり、それら以外の物質を含まない。
シート状細胞培養物を構成する細胞は、シート状細胞培養物を形成し得るものであれば特に限定されず、例えば、接着細胞(付着性細胞)を含む。接着細胞は、例えば、接着性の体細胞(例えば、心筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、滑膜細胞、軟骨細胞など)および幹細胞(例えば、筋芽細胞、心臓幹細胞などの組織幹細胞、胚性幹細胞、iPS(induced pluripotent stem)細胞などの多能性幹細胞、間葉系幹細胞等)などを含む。体細胞は、幹細胞、特にiPS細胞から分化させたもの(iPS細胞由来接着細胞)であってもよい。シート状細胞培養物を構成する細胞の非限定例としては、例えば、筋芽細胞(例えば、骨格筋芽細胞など)、間葉系幹細胞(例えば、骨髄、脂肪組織、末梢血、皮膚、毛根、筋組織、子宮内膜、胎盤、臍帯血由来のものなど)、心筋細胞、線維芽細胞、心臓幹細胞、胚性幹細胞、iPS細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、上皮細胞(例えば、口腔粘膜上皮細胞、網膜色素上皮細胞、鼻粘膜上皮細胞など)、内皮細胞(例えば、血管内皮細胞など)、肝細胞(例えば、肝実質細胞など)、膵細胞(例えば、膵島細胞など)、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞等が挙げられる。iPS細胞由来接着細胞の非限定例としては、iPS細胞由来の心筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、滑膜細胞、軟骨細胞などが挙げられる。
本発明において、「支持体」とは、移植片をその形状を維持した状態で支持することができる平面を有する板状体をいう。支持体は第一領域および第二領域の形状を保つことのできる適度な剛性を有し、移植片を載置した状態で、形状を変化させることなく筒状体の内側などに沿って格納することができる。支持体の材料としては、特に限定されず、各種公知の材料を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。このような材料としては、例えば、金属、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴム、スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体(SEBS)、スチレンーエチレンープロピレンースチレン共重合体(SEPS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ナイロンなどのポリアミド樹脂及びポリアミドエラストマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂及びポリエステルエラストマー、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、「第一領域」とは、その領域における支持体の形状が、移植片を移植する目的部位の表面形状に沿った形状を有する部分をいう。第一領域上に載置された移植片の部分は、支持体の第一領域を目的部位に接触させた際に、隙間なく目的部位に接触する。一態様において、第一領域は、緩やかに一方向に湾曲しており、2cm~10cmの範囲の湾曲半径、30°~90°の範囲の湾曲角度、1cm~5cmの範囲の湾曲周長さを有する。
本発明において、「第二領域」とは、その領域における支持体の形状が、目的部位の表面形状に沿っていない形状を有する部分、すなわち、第一領域とは異なる湾曲の形状を有する部分をいう。本開示において、第一領域および第二領域を総称して、領域という場合がある。一態様において、第二領域は、第一領域と反対方向に緩やかに湾曲しており、2cm~10cmの範囲の湾曲半径、30°~90°の範囲の湾曲角度、1cm~5cmの範囲の湾曲周長さを有する。一態様において、支持体は、2以上の第二領域を有する。かかる態様において、第一領域の一端にある第二領域(第二領域Aと称する)が、第一領域の他端に別の第二領域(第二領域Bと称する)が滑らかに連結した構造を有する。
本発明において、支持体に対して「移植片を載置する」とは、支持体の第一領域および第二領域にまたがるように、移植片を載置することをいう。また、本発明において、基端側とは、本発明の医療機器における操作者側を、先端側とは、その逆側、すなわち、操作者から遠い側をいう。
一態様において、本発明の支持体は、複数の孔を有する。本発明において、「複数の孔」とは、支持体に設けられた2以上の貫通孔をいい、支持体の移植片を支持している面と反対の面から流体を送り込み、孔を通して流体を吐出することで、移植片を支持面から剥離させて貼付することができる。孔は、流体を吐出できればよく、支持体に少なくとも1つ設けられていればよい。
複数の孔は、移植片の剥離位置を調節できるように、支持体の移植片支持面に離散的に配置されることが好ましい。例えば、複数の孔の少なくとも1つを支持体の縁部付近に設けることで、移植片の剥離をその縁部付近から行えるように構成することもできる。複数の孔の配置は、例えば、2×2~40×40、5×5~20×20など、行×列のマトリックス配置とすることができ、孔同士の間隔は、例えば、0.05mm~10mm、0.5mm~2mmとすることができ、孔の径は、例えば、0.05mm~10mm、0.3~0.6mmとすることができるが、これらに限定されず、当業者であれば移植片のサイズ、移植片と支持体との接着度合いなどに合わせて自由に選択することができる。支持体の構造を網目構造とすることで、複数の孔のマトリックス配置を達成することもできる。
本発明において、「流体」とは、移植片を傷つけることなく押し出して剥離することができる、気体と液体の総称をいう。液体は、少なくとも1種の成分から構成され、その成分としてはとくに限定されないが、例えば、水、水溶液、非水溶液、懸濁液、乳液などの液体から構成される。液体を構成する成分は、移植片に与える影響が少ないものであればとくに限定されない。移植片が生体由来材料からなる膜である場合、液体を構成する成分は、生体適合性のもの、すなわち、生体組織や細胞に対して炎症反応、免疫反応、中毒反応などの望まない作用を起こさないか、少なくともかかる作用が小さいものが好ましい。
本発明において、「目的部位」とは、移植片を適用(貼付)する部分をいう。目的部位としては、例えば、管腔臓器における、損傷(創傷)が存在する部位や、損傷が存在する部位に対応する管腔壁の反対側などが挙げられる。「管腔臓器」は、体腔に収納されている内腔を有する臓器、すなわち管状または袋状の構造を有する臓器を意味し、例えば消化管系、循環器系、尿路系、呼吸器系、女性生殖器系の臓器などが挙げられる。典型的には消化管系の臓器である。また、「管腔壁」とは、管腔臓器の管または袋を構成する臓器壁を意味する。管腔壁には内腔に面した内側部と臓器の外表面を形成する外側部とがあり、「管腔壁の片側」という場合、管腔壁の内側または外側のいずれかを意味し、内側に対する外側または外側に対する内側を「反対側」という。また、片側のある領域に対して、管腔壁のちょうど反対側に位置する領域を「対応する反対側」という。
ある態様においては、管腔壁の少なくとも片側に損傷を有する管腔組織において、損傷が存在する部位に対応する反対側に移植片を移植することにより、組織の治癒を促進することができる。特にESDなどの施術によって形成された損傷であっても効果があるため、これらの施術後の合併症を予防し、予後を向上させることが可能となる。
本発明は、別の側面において、移植片を載置するための支持体を含み、支持体が、目的部位の表面形状に沿った形状を有する1以上の第一領域および目的部位の表面形状に沿っていない形状を有する1以上の第二領域を有する、目的部位に移植片を送達するための医療機器を提供するステップ、移植片を載置した支持体の第一領域または第二領域のいずれか一方を目的部位に接触させるステップ、目的部位に第一領域または第二領域の他方を接触させることにより、移植片を支持体から剥離させて目的部位に移送するステップ、を含む、移植片を目的部位に移送するための方法に関する。
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施態様に係る医療機器1について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る医療機器1の斜視図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る医療機器1を使用して、移植片を目的部位に移送する一態様の概念図である。図1および図2の支持体2において、点で塗りつぶしている領域が第一領域を、斜線で示している領域が第二領域を示す。なお、本開示における各図において、説明を容易とするため、各部材の大きさは、適宜強調されており、図示の各部材は実際の大きさを示すものではない。
図1および図2に示されるように、本発明の第1実施形態に係る医療機器1は、移植片Sを載置するための支持体2を含み、支持体2は、目的部位Aの表面形状に沿った形状を有する第一領域3と、目的部位Aの表面形状に沿っていない形状を有する2つの第二領域4(先端側から順に第二領域A、第二領域Bと称する)とを有する。医療機器1は先端側から順に、第二領域A(湾曲半径:3cm、湾曲角度:20°、湾曲周長さ:2cm)、第一領域(湾曲半径:2cm、湾曲角度:20°、湾曲周長さ:1cm)、第二領域B(湾曲半径:3cm、湾曲角度:20°、湾曲周長さ:2cm)が滑らかに連結した構造を有する。
本発明の医療機器1を使用する際は、移植片Sを載置した支持体2を目的部位Aに近接させて位置決めを行い、鉗子6などで支持体2を把持した状態で、支持体のいずれかの領域を目的部位Aに接触させる。そして、支持体2が異なる湾曲形状を有する複数の領域を有することにより、目的部位Aに接触する支持体2の領域が変わっていくように、動かしていくことによって、徐々に移植片Sを目的部位Aに移送することができる。ここで、第一領域3上に載置された移植片Sの部分を、目的部位Aに接触させたときに、第二領域4上に載置された移植片Sの部分と目的部位Aとの間に空間が生じる。それによって、例えば、移植片Sの自重などによって、移植片Sは支持体2から剥離しやすくなる。また、僅かに剥離した移植片Sと支持体2の間に空気が入り込むことによって、より移植片Sは支持体2から剥離しやすくなる。
次いで、第一領域3上に載置された移植片Sの部分が、支持体2から剥離し、目的部位Aに接触したまま残るようにして、第二領域4上に載置されており、剥離しやすくなっている移植片Sの部分が目的部位Aに接触するように徐々に支持体2をずらしていくことで移植片Sの残りの部分を目的部位Aに移送することができる。このとき、支持体2において第一領域3と第二領域4が、交互に複数存在し、上記の操作を繰り返すことによって、徐々に移植片Sを目的部位Aに移送してもよい。
また、最初に第二領域4上に載置された移植片Sの部分を目的部位Aに接触させてもよい。この場合においても、第一領域3上に載置された移植片Sの部分と目的部位Aとの間に空間が生じるため、同様に移植片Sは支持体2から剥離しやすくなる。
図1および図2に示されるように、本発明に係る医療機器1は、少なくとも1の第二領域4が、支持体の先端側に存在するように構成されていてもよい。この場合に、第一領域3上に載置された移植片Sの部分を、目的部位Aに接触させたとき、先端側にある第二領域4において移植片Sが剥離しやすくなる。したがって、移植片Sの周縁部を他の部分より先に支持体2から剥離させることができる。そして、移植片Sの剥離した周縁部が目的部位Aに固定された状態で、支持体2を、第二領域4が目的部位Aに接触するようにずらしていくことで、皺の発生を抑えながら、徐々に移植片Sを目的部位Aへと移送させることができる。また、支持体2の先端側にある第二領域4を最初に目的部位Aに接触させて、先端側にある第二領域4上の移植片Sの周縁部を固定した後に、続く支持体2の第一領域3が目的部位Aに接触するように、支持体2をずらしていって、移植片Sを徐々に目的部位Aに移送してもよい。
一態様において、本発明に係る医療機器1は、筒状体5に挿通されて使用される。例えば、筒状体5として、内視鏡外科手術などで使用する体腔内に経腹腔的に挿入されたポートを使用することで、支持体2をポートから押し出して目的部位Aに近接させることができる。移植片Sを支持した支持体2は、その周縁部を鉗子6などで把持した状態で、体外から筒状体5の開口部に挿通させることで、移植片Sを損傷させることなく、適切に目的部位Aに移送することができる。
また、支持体2は、複数の孔(図示せず)を有するように構成することもできる。そして、上記のように移植片Sを支持体2から剥離する際に、複数の孔の一部の孔から流体を放出することにより、移植片Sの支持体2からの剥離、および移植片Sの目的部位Aへの固定をより確実に行うこともできる。好ましくは、本発明に係る医療機器1は、複数の孔からの流体の放出が、第一領域のみ、第二領域のみと領域ごとに放出するように制御可能であるように構成されており、支持体2の目的部位Aに接触させる領域に応じて放出することによって、より効率的に移植片Sを目的部位Aへと移送することができる。
本発明の医療機器1の使用は、例えば以下のステップによって順次行うことができる。
(1)移植片Sを載置した支持体2の第一領域3または第二領域4のいずれか一方を目的部位に接触させる。
(2)目的部位Aに第一領域3または第二領域4の他方を接触させることにより、移植片Sを支持体2から剥離させて目的部位Aに移送する。
また、最初に目的部位Aに接触させる領域は、支持体2において最も先端側に存在する領域であってもよい。この場合、支持体2の最も先端側から基端側に向かって徐々に目的部位Aへと移植片Sを移送することができる。また、目的部位Aへの移植片Sの移送は、支持体2の複数の孔からの流体の放出によるものであってもよい。
以上、本発明の第1実施形態に係る医療機器1によれば、移植片Sをより容易に支持体2より剥離させて、効率よく目的部位Aに移送することができる。また、移植片Sの目的部位Aへの移送の際に、移植片Sへの損傷や皺の発生を低減することができる。さらに、移植片Sの損傷のリスクを増加させる、支持体2から移植片Sを剥離させるための煩雑な作業を不要とすることができる。加えて、湾曲の領域に応じて流体を用いて剥離を補助することにより、さらに容易に効率よく移植片Sを目的部位Aに移送することができる。
本発明を図示の実施態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明においては、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
1 医療機器
2 支持体
3 第一領域
4 第二領域
4a 第二領域A
4b 第二領域B
5 筒状体
6 鉗子
S 移植片
A 目的部位

Claims (9)

  1. 目的部位に移植片を移送するための医療機器であって、移植片を載置するための支持体を含み、支持体が、目的部位の表面形状に沿った形状を有する1以上の第一領域および目的部位の表面形状に沿っていない形状を有する1以上の第二領域を有する、前記医療機器。
  2. 第二領域が、第一領域中に存在する、請求項1に記載の医療機器。
  3. 少なくとも1つの第二領域が、支持体の先端側に存在する、請求項1または2に記載の医療機器。
  4. 支持体が、複数の孔を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療機器。
  5. 移植片を目的部位に移送するための方法であって、以下:
    移植片を載置するための支持体を含み、支持体が、目的部位の表面形状に沿った形状を有する1以上の第一領域および目的部位の表面形状に沿っていない形状を有する1以上の第二領域を有する、目的部位に移植片を送達するための医療機器を提供するステップ、
    移植片を載置した支持体の第一領域または第二領域のいずれか一方を目的部位に接触させるステップ、
    目的部位に第一領域または第二領域の他方を接触させることにより、移植片を支持体から剥離させて目的部位に移送するステップ、
    を含む、前記方法。
  6. 目的部位への支持体の接触が、先端側にある領域から順に行われる、請求項5に記載の方法。
  7. 支持体が複数の孔を有し、複数の孔から流体を放出することにより移植片を支持体から剥離することをさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
  8. 目的部位への移送が、体腔内に経腹腔的に挿入された筒状体に移植片を載置した支持体を挿通することにより行われる、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 移植片を体腔内に経腹腔的に挿入して目的部位に貼付するための請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
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