JP2022053703A - 鋼矢板の長尺化溶接接合構造及び長尺化溶接接合方法 - Google Patents

鋼矢板の長尺化溶接接合構造及び長尺化溶接接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接作業の手間を軽減するとともに、上側鋼矢板と下側鋼矢板に加えて補強鋼板の一体化も向上させる、鋼矢板の長尺化溶接接合構造を提供する。【解決手段】下側に位置する第1鋼矢板(12)と、第1鋼矢板の上端において第1鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に上端から上方に突出するように固定された裏当て材兼用主補強鋼板(14)と、上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第2鋼矢板(18)とを備え、第2鋼矢板の下端を、第1鋼矢板の上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、第1鋼矢板の上端と第2鋼矢板の下端との間に溶接空間(20)を形成し、溶接空間内において溶接することによって第1鋼矢板と第2鋼矢板を接合するように構成されている長尺化溶接接合構造(10)が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼矢板の長尺化溶接接合構造及び長尺化溶接接合方法に関する。本発明の長尺化溶接接合には、現場において鋼矢板を立設させた状態で行う溶接接合(縦継溶接接合)と、現場近傍のヤード又は工場において鋼矢板を横にした状態で行う溶接接合(横継溶接接合)がある。
鋼矢板は圧延状態で使用するのが原則であるが、現場の施工条件により圧延限界を超える長い鋼矢板を必要とする場合や、圧延限界内であっても輸送時や打設施工時等に長さ制限を受ける場合がある。このような場合には、工場や現場において複数の鋼矢板を軸方向に接合する継溶接を行って、鋼矢板を長尺化している。
従来、鋼矢板を現場にて立設した状態で長尺化させる場合には、上側の鋼矢板の下端において複雑な形状の継手近傍を除く部分に所定の開先斜面、ルートフェイスを設け、所定のルート間隔を有するように上側の鋼矢板の下端を下側の鋼矢板の上端に載置し、開先斜面の表側(鋼矢板の表側)から溶接することにより、上側の鋼矢板と下側の鋼矢板を接合していた。そして、開先斜面の奥側(鋼矢板の裏側)から初期溶接の品質劣悪部をガウジング等の手段で除去した後に、この部分に溶接(ガウジング後溶接)を行う。その後、溶接凸部分をグラインダー等で切削して平坦面にしてから、例えば非特許文献1に記載されるような補強鋼板を上側の鋼矢板と下側の鋼矢板を跨ぐようにあてがって前記補強鋼板の外周をすみ肉溶接していた。
一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会 鋼矢板技術委員会編、「鋼矢板 設計から施工まで」、2014年10月
しかしながら、ガウジング後溶接ではガウジング作業を行うため、溶接接合作業に時間を要するとともに、作業環境も良好ではないため、溶接品質に問題があった。また、従来の方法では、放射線透過試験や超音波探傷試験を行うと、検出される溶接部の内部欠陥により所定の品質規格を満たすことが困難な場合が多く、この不合格個所等をはつり取って再溶接する必要があった。さらに、補強鋼板を設置する際に、溶接凸部分を平坦面にしなければならない等、多くの手間を要していた。さらに、前記非特許文献1にも示されている補強鋼板がひし形であるため、特に、補強鋼板の下側鋼矢板への溶接は、上向き溶接の要素が強く反映され、溶接時間、溶接品質、溶接技量などの面で問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、溶接作業の手間を軽減するとともに、上側鋼矢板と下側鋼矢板に加えて補強鋼板の一体化も向上させる、鋼矢板の長尺化溶接接合構造及び長尺化溶接接合方法を提供することを目的としている。
本願請求項1に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、下側に位置する第1鋼矢板と、上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第2鋼矢板とを備え、前記第1鋼矢板の上端において、裏当て材兼用主補強鋼板の下方部が、前記第1鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定されており、 前記第2鋼矢板の前記下端を、前記第1鋼矢板の前記上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第1鋼矢板の前記上端と前記第2鋼矢板の前記下端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接することによって前記第1鋼矢板と前記第2鋼矢板と前記裏当て材兼用主補強鋼板が一体的に接合されるように構成されていることを特徴とするものである。
本願請求項2に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、前記請求項1の溶接接合構造において、前記裏当て材兼用主補強鋼板が、ひし形の形状を有し、ひし形の短対角線が前記第1鋼矢板の前記上端と実質的に同じ個所に位置し、ひし形の長対角線が前記第1鋼矢板のフランジの中心線と実質的に同じ個所に位置するように固定されていることを特徴とするものである。
本願請求項3に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、下側に位置する第3鋼矢板と、上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第4鋼矢板とを備え、前記第4鋼矢板の前記下端において、裏当て材兼用主補強鋼板の上方部が、前記第4鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定されており、 前記第4鋼矢板の前記下端を、前記第3鋼矢板の上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第3鋼矢板の前記上端と前記第4鋼矢板の前記下端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接することによって前記第3鋼矢板と前記第4鋼矢板と前記裏当て材兼用主補強鋼板が一体的に接合されるように構成されていることを特徴とするものである。
本願請求項4に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、前記請求項3の溶接接合構造において、前記裏当て材兼用主補強鋼板が、ひし形の形状を有し、ひし形の短対角線が前記第4鋼矢板の前記下端と実質的に同じ個所に位置し、ひし形の長対角線が前記第4鋼矢板のフランジの中心線と実質的に同じ個所に位置するように固定されていることを特徴とするものである。
本願請求項5に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、左側又は右側に位置する第5鋼矢板と、右側又は左側に位置する第6鋼矢板とを備え、前記第5鋼矢板の右端又は左端において、裏当て材兼用主補強鋼板の左方部又は右方部が、前記第5鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定されており、前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端、及び前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端の継手部以外の個所に開先が設けられており、前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端を、前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端と前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接することによって前記第5鋼矢板と前記第6鋼矢板と前記裏当て材兼用主補強鋼板が一体的に接合されるように構成されていることを特徴とするものである。
本願請求項6に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、前記請求項5の溶接接合構造において、前記裏当て材兼用主補強鋼板が、ひし形の形状を有し、ひし形の短対角線が前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端と実質的に同じ個所に位置し、ひし形の長対角線が前記第5鋼矢板のフランジの中心線と実質的に同じ個所に位置するように固定されていることを特徴とするものである。
本願請求項7に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、前記請求項1、請求項3、又は請求項5のいずれか1項の溶接接合構造において、前記裏当て材兼用主補強鋼板が、矩形の形状、多角形の形状、台形の形状、又は矩形と三角形を組み合わせた形状を有することを特徴とするものである。
本願請求項8に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、前記請求項1から請求項7までのいずれか1項の溶接接合構造において、前記第1鋼矢板及び前記第2鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であり、前記第3鋼矢板及び前記第4鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であり、第5鋼矢板及び前記第6鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であることを特徴とするものである。
本願請求項9に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、前記請求項1から請求項8までのいずれか1項の溶接接合構造において、前記裏当て材兼用主補強鋼板が、一般構造用圧延鋼材、溶接構造用圧延鋼材、又は建築構造用圧延鋼材のいずれかで形成されていることを特徴とするものである。
本願請求項10に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合方法は、下側に位置する第1鋼矢板を準備する段階と、上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第2鋼矢板を準備する段階と、前記第1鋼矢板の上端において、前記第1鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に、裏当て材兼用主補強鋼板の下方部を固定する段階と、前記第2鋼矢板の前記下端を、前記第1鋼矢板の前記上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第1鋼矢板の前記上端と前記第2鋼矢板の前記下端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接する段階と、前記裏当て材兼用主補強鋼板の上方部を、前記第2鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定する段階とを含むことを特徴とするものである。
本願請求項11に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合方法は、下側に位置する第3鋼矢板を準備する段階と、上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第4鋼矢板を準備する段階と、前記第4鋼矢板の下端において、前記第4鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に、裏当て材兼用主補強鋼板の上方部を固定する段階と、前記第4鋼矢板の前記下端を、前記第3鋼矢板の前記上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第3鋼矢板の前記上端と前記第4鋼矢板の前記下端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接する段階と、前記裏当て材兼用主補強鋼板の下方部を、前記第3鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定する段階とを含むことを特徴とするものである。
本願請求項12に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合方法は、左側又は右側に位置し、右端又は左端の継手部以外の個所に開先が設けられた第5鋼矢板を準備する段階と、右側又は左側に位置し、左端又は右端の継手部以外の個所に開先が設けられた第6鋼矢板を準備する段階と、前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端において、前記第5鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に、裏当て材兼用主補強鋼板の左方部又は右方部を固定する段階と、前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端を、前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端と前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接する段階と、前記裏当て材兼用主補強鋼板の前記右方部又は前記左方部を、前記第6鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定する段階とを含むことを特徴とするものである。
本願請求項13に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合方法は、前記請求項10から請求項12までのいずれか1項の溶接接合方法において、溶接する前記段階の前又は後に、前記第1鋼矢板と前記第2鋼矢板を跨ぐように前記第1鋼矢板及び前記第2鋼矢板に副補強鋼板を固定し、前記第3鋼矢板と前記第4鋼矢板を跨ぐように前記第3鋼矢板及び前記第4鋼矢板に副補強鋼板を固定し、又は前記第5鋼矢板と前記第6鋼矢板を跨ぐように前記第5鋼矢板及び前記第6鋼矢板に副補強鋼板を固定する段階をさらに含むことを特徴とするものである。
本願請求項14に記載された鋼矢板の長尺化溶接接合方法は、前記請求項10から請求項13までのいずれか1項の溶接接合方法において、前記第1鋼矢板及び前記第2鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であり、前記第3鋼矢板及び前記第4鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であり、第5鋼矢板及び前記第6鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶接空間20、40、60への溶接時に裏当て材兼用主補強鋼板14、34、54が裏当て材としての役目を果たすので、良好な溶接品質を確保することができるとともに、ガウジングが不要になるため、溶接作業時間を大幅に短縮化でき、溶接凸部分をグラインダー等で切削する必要がなくなる。また、U形鋼矢板12(U形鋼矢板32;U形鋼矢板52)とU形鋼矢板18(U形鋼矢板38;U形鋼矢板58)の溶接接合部と裏当て材兼用主補強鋼板14(裏当て材兼用主補強鋼板34;裏当て材兼用主補強鋼板54)の裏面が開先奥側において溶融して一体化するので、溶接接合部における一体性が向上する。さらに、U形鋼矢板18、38、58を設置する際に、裏当て材兼用主補強鋼板14、34、54の突出部がU形鋼矢板18、38、58に対するストッパー及び位置決め機能を果たすので、U形鋼矢板18、38、58の円滑な設置作業が可能になる。
現場縦継溶接された2基のU形鋼矢板を山側から見た斜視図である。 現場縦継溶接された2基のU形鋼矢板を谷側から見た斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る鋼矢板の長尺化溶接接合構造を示すU形鋼矢板の平面図である。 図4(a)は、図3の線4a‐4aに沿って見た図、図4(b)は、図4(a)の線4b‐4bに沿って見た図、図4(c)及び図4(d)は、ひし形の裏当て材兼用主補強鋼板の短対角線の位置の変形例を示した図である。 裏当て材兼用主補強鋼板がU形鋼矢板のフランジの山側に設置される形態を示した平面図である。 裏当て材兼用主補強鋼板の種々の形状を示した一連の図である。 第1の実施形態において鋼矢板がハット形鋼矢板である形態を示した平面図である。 図8(a)は、ウェブに副補強鋼板が設置されている形態を示した平面図、図8(b)は、図8(a)の線8b‐8bに沿って見た図である。 副補強鋼板の種々の設置位置を示した一連の図である。 裏当て材兼用主補強鋼板の非設置部において、上側のU形鋼矢板と下側のU形鋼矢板を接合する際に用いられる裏当て材の一例を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る鋼矢板の長尺化溶接接合構造を示すU形鋼矢板の正面図、図11(b)は、図11(a)の線11b‐11bに沿って見た図、図11(c)及び図11(d)は、ひし形の裏当て材兼用主補強鋼板の短対角線の位置の変形例を示した図である。 本発明の第3の実施形態に係る鋼矢板の長尺化溶接接合構造を示すU形鋼矢板の正面図、図12(b)は、図12(a)の線12b‐12bに沿って見た図、図12(c)及び図12(d)は、ひし形の裏当て材兼用主補強鋼板の短対角線の位置の変形例を示した図である。
(第1の実施形態)
次に図面を参照して、U形鋼矢板を現場縦継溶接することにより長尺化を図る場合を例にとり、本発明の第1の実施形態に係る鋼矢板の長尺化溶接接合構造について説明する。図1は、現場縦継溶接された2基のU形鋼矢板を山側から見た斜視図、図2は、現場縦継溶接された2基のU形鋼矢板を谷側から見た斜視図である。本明細書において、鋼矢板の山側(外側)とは鋼矢板の凸側を意味し、鋼矢板の谷側(内側)とは鋼矢板の凹側を意味する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る鋼矢板の長尺化溶接接合構造を示すU形鋼矢板の平面図、図4(a)は、図3の線4a‐4aに沿って見た図、図4(b)は、図4(a)の線4b‐4bに沿って見た図である。図4(a)及び図4(b)において全体として参照符号10で示される本発明の第1の実施形態に係る鋼矢板の長尺化溶接接合構造は、下側に位置するU形鋼矢板(第1鋼矢板)12を備えている。
U形鋼矢板12は、図3に示されるように、土水圧等の荷重が作用した場合に主として曲げモーメントに抵抗するフランジ12aと、主としてせん断力に抵抗するウェブ12bとを有し、ウェブ12bの端部に継手部12cが設けられている。より詳細に説明すると、U形鋼矢板12では、フランジ12aの両縁部から外方に向かって拡がるように一対のウェブ12bがそれぞれ連続して配置され、各ウェブ12bの端部に継手部12cがそれぞれ連続して設けられている。
U形鋼矢板12の継手部12cの一方には係止爪12c1が形成され、継手部12cの他方にも係止口爪12c2が形成されている。係止爪12c1と係止爪12c2は、互いに相補する形状に形作られており、一方のU形鋼矢板12の継手部12cの係止爪12c1に、隣接する他方のU形鋼矢板12の継手部12cの係止爪12c2を嵌め込むことによって、所望の枚数のU形鋼矢板12を嵌合させることができる。
鋼矢板の長尺化溶接接合構造10はまた、U形鋼矢板12の上端においてU形鋼矢板12のフランジ12aの内側(谷側)に固定された裏当て材兼用主補強鋼板14を備えている。
裏当て材兼用主補強鋼板14は、図4(a)に示されるように、ひし形の形状を有している。裏当て材兼用主補強鋼板14は、ひし形の短対角線14aがU形鋼矢板12の上端Hと実質的に同じ個所に位置し、ひし形の長対角線14bがU形鋼矢板12のフランジ12aの中心線12a1と実質的に同じ個所に位置するように、フランジ12aの内側(谷側)に、すみ肉溶接16によって固定されている。裏当て材兼用主補強鋼板14は、U形鋼矢板12のR部に及ぶとU形鋼矢板12に密着状態で固定するのが難しいので、短対角線14aの長さBがU形鋼矢板12のフランジ12aの平坦部B0とほぼ同じ又はそれ以下の長さとするのが好ましい。なお、ひし形の短対角線14aがU形鋼矢板12の上端Hよりも上方に位置する(図4(c)、図4(d)参照)ように、裏当て材兼用主補強鋼板14をフランジ12aの内側(谷側)に固定してもよい。
鋼矢板の長尺化溶接接合構造10はさらに、上側に位置するU形鋼矢板(第2鋼矢板)18を備えている。U形鋼矢板18は、U形鋼矢板12と同じ断面寸法のものであり、U形鋼矢板18の下端の継手部以外の個所(すなわち、フランジ及びウェブ)には予め、U形鋼矢板18の外側(山側)に開放した角度αの開先18aが設けられている。継手部に開先を設けないのは、継手部の形状が複雑であり、開先を設けたり溶接を行うのが困難であり、溶接品質を確保できないからである。U形鋼矢板18は、その下端が、U形鋼矢板12の上端との間に所定のルート間隔Dを隔てるように、配置されている。これにより、U形鋼矢板12の上端とU形鋼矢板18の下端との間に溶接空間20が形成されることになる。
開先をU形鋼矢板12の上端ではなくU形鋼矢板18の下端に設けたのは、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18を溶接接合する際に、溶融金属のタレを回避するためである。
U形鋼矢板12の上端の所定個所に、U形鋼矢板18の下端とのルート間隔Dを確保するため、ルート間隔保持ビード22またはルート間隔保持部材(図示せず)を設けるのが好ましい。
U形鋼矢板12の上端に裏当て材兼用主補強鋼板14を固定したことにより、以下のような効果が得られる。溶接空間20への溶接時に裏当て材兼用主補強鋼板14が裏当て材としての役目を果たすので、良好な溶接品質を確保することができる。また、ガウジングが不要になるため、溶接作業時間を大幅に短縮することができるとともに、溶接凸部分をグラインダー等で切削する必要がなくなる。また、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18の溶接接合部と裏当て材兼用主補強鋼板14の裏面が開先奥側において溶融して一体化するので、溶接接合部における一体性が向上する。さらに、U形鋼矢板18を設置する際に、裏当て材兼用主補強鋼板14がU形鋼矢板18に対するストッパー及び位置決め機能を果たすので、U形鋼矢板18の円滑な設置作業が可能になる。
上述のように形成された溶接空間20内において溶接することにより、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18が一体的に接合される。このようにしてU形鋼矢板12とU形鋼矢板18が接合された後、裏当て材兼用主補強鋼板14がU形鋼矢板18にすみ肉溶接される。或いは、裏当て材兼用主補強鋼板14をU形鋼矢板18にすみ肉溶接した後に、溶接空間20内において溶接して、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18を一体的に接合してもよい。なお、溶接実務上、裏当て材兼用主補強鋼板14をU形鋼矢板18に仮付け溶接した後、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18が接合され、その後、裏当て材兼用主補強鋼板14がU形鋼矢板18に本溶接としてすみ肉溶接される場合もある。
図1~図4に示される形態では、裏当て材兼用主補強鋼板14がU形鋼矢板12のフランジ12aの内側(谷側)に固定されているが、裏当て材兼用主補強鋼板14をU形鋼矢板12のフランジ12aの外側(山側)に固定してもよい(図5参照)。この場合には、図3及び図4に示される形態とは異なり、U形鋼矢板18の内側(谷側)に開放した開先が設けられる。上述のように、溶接空間20への溶接時に裏当て材兼用主補強鋼板14を裏当て材として活用するためである。
上記形態では、裏当て材兼用主補強鋼板14がひし形の形状を有しているが、図6に例示されるような形状を有する裏当て材兼用主補強鋼板14を用いてもよい。すなわち、裏当て材兼用主補強鋼板14を、矩形(図6(a))、五角形(図6(b)、図6(c))や六角形(図6(d))等の多角形の形状、又は台形の形状にしてもよく、或いは、図6(e)に示されるような、ひし形の変形形状にしてもよく、すみ肉溶接16の所要の溶接長が得られる、他の任意の形状(矩形と三角形を組み合わせた形状)にしてもよい。
また、以上においては、U形鋼矢板12、18の現場縦継溶接に関連して説明されているが、ハット形鋼矢板の現場縦継溶接においても同様である。図7は、鋼矢板がハット形鋼矢板である場合の図3と同様の図である。なお、図7において、参照符号12a、12b、12c、12dはそれぞれ、ハット形鋼矢板12のフランジ、ウェブ、継手部、アーム部を示している。ハット形鋼矢板18においては、ハット形鋼矢板18の下端の継手部以外の個所(すなわち、フランジ、ウェブ及びアーム部)には予め、角度αの開先が設けられている。
鋼矢板の長尺化溶接接合構造10は、図8(a)及び図8(b)に示されるように、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18を跨ぐようにウェブ12b、18bの外側(山側)に固定された副補強鋼板24を備えている。副補強鋼板24は、溶接空間20内に溶接金属を充填してU形鋼矢板12とU形鋼矢板18を接合した後に、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18にすみ肉溶接によって固定される。副補強鋼板24は、開先18aを設けた範囲の溶接とU形鋼矢板12とU形鋼矢板18を跨ぐように固定された裏当て材兼用主補強鋼板14のみでは所要の断面性能を満足しない場合に、断面性能を補うために設置される。
図8に示される形態では、副補強鋼板24がU形鋼矢板12とU形鋼矢板18を跨ぐようにウェブ12b、18bの外側(山側)に固定されているが、副補強鋼板24を他の個所に固定してもよい。すなわち、図9(a)ではU形鋼矢板12とU形鋼矢板18を跨ぐようにウェブの内側(谷側)、図9(b)ではハット形鋼矢板12とハット形鋼矢板18を跨ぐようにアーム部の外側(山側)、図9(c)ではハット形鋼矢板12とハット形鋼矢板18を跨ぐようにアーム部の内側(谷側)、図9(d)ではハット形鋼矢板12とハット形鋼矢板18を跨ぐようにウェブの外側(山側)、図9(e)ではハット形鋼矢板12とハット形鋼矢板18を跨ぐようにウェブの内側(谷側)に、副補強鋼板24がそれぞれ固定されている。
裏当て材兼用主補強鋼板14、副補強鋼板24に用いる鋼板として、鋼矢板の強度と溶接性、鋼矢板の使用環境によっては、さらに靭性に配慮した化学成分を有するものが採用される。具体的には、SM規格(溶接構造用圧延鋼材、JIS G3106:2008)、SN規格(建築構造用圧延鋼材、JIS G3136)を採用すると、高品質な溶接が得られる。なお、鋼板として、SS規格(一般構造用圧延鋼材、JIS G3101:2010)を用いることもある。
図10は、裏当て材兼用主補強鋼板の非設置部において、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18を接合する際に用いられる裏当て材の一例を示した図である。すなわち、図10(a)及び図10(b)に示される形態では、U形鋼矢板12とU形鋼矢板18の接合個所において、裏当て材兼用主補強鋼板14の端部からウェブ12b、18bの継手部12c、18c近傍の個所まで、裏当て材となる鋼棒24a(例えば、丸鋼、鉄筋)が設置されている。また、図10(c)及び図10(d)に示される形態では、図10(a)及び図10(b)の形態と同じ個所に、R部には鋼棒で形成された裏当て材24a、平坦なウェブには平鋼で形成された裏当て材24bが固定されている。鋼棒で形成された裏当て材24aは、特にR部への適用性に優れているので、安価でかつ簡単に裏当て材を形成することができる。また、鋼棒を現場合わせで所定長さに切断することによって裏当て材を形成することができるので、臨機応変な対応が可能になる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る鋼矢板の長尺化溶接接合構造30は、裏当て材兼用主補強鋼板を予め固定する個所が下側に位置するU形鋼矢板ではなく上側に位置するU形鋼矢板である点を除いて、長尺化溶接接合構造10と実質的に同一の構成を有している。すなわち、長尺化溶接接合構造30は、図11に示されるように、上側に位置し、下端に継手部以外の個所に開先が設けられたU形鋼矢板(第4鋼矢板)38と、U形鋼矢板38の下端においてU形鋼矢板38のフランジ38aの内側(谷側)にすみ肉溶接36によって固定された裏当て材兼用主補強鋼板34と、下側に位置するU形鋼矢板(第3鋼矢板)32とを備えている。
裏当て材兼用主補強鋼板34の形状や固定個所、副補強鋼板(図示せず)の構成、ハット形鋼矢板への適用等については、長尺化溶接接合構造10と同様である。なお、図11(a)~図11(d)は、第2の実施形態において裏当て材兼用主補強鋼板34がひし形である場合におけるU形鋼矢板38への設置形態を示した図であるが、本実施形態においても第1の実施形態における場合と実質的に同一である。
長尺化溶接接合構造30では、裏当て材兼用主補強鋼板34のU形鋼矢板32へのすみ肉溶接が下向き溶接ではなくなるため、長尺化溶接接合構造10と比較して若干不利な点はあるものの、溶接空間40への溶接時に裏当て材兼用主補強鋼板34が裏当て材としての役目を果たす等の主要な効果は同等であり、現場の状況等によっては、従来技術に対して十分な有用性を有している。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る鋼矢板の長尺化溶接接合構造50は、縦継溶接ではなく横継溶接に対応する点を除いて、長尺化溶接接合構造10、30と実質的に同一の構成を有している。すなわち、長尺化溶接接合構造50は、図12に示されるように、左側に位置し、右端に継手部以外の個所に開先が設けられたU形鋼矢板(第5鋼矢板)52と、右側に位置し、左端に継手部以外の個所に開先が設けられたU形鋼矢板(第6鋼矢板)58と、U形鋼矢板52の右端においてU形鋼矢板52のフランジの内側(谷側)にすみ肉溶接56によって固定された裏当て材兼用主補強鋼板54とを備えている。
裏当て材兼用主補強鋼板54の形状や固定個所、副補強鋼板(図示せず)の構成、ハット形鋼矢板への適用等については、長尺化溶接接合構造10、30と同様である。
長尺化溶接接合構造50においても、溶接空間60への溶接時に裏当て材兼用主補強鋼板54が裏当て材としての役目を果たす等の主要な効果は、長尺化溶接接合構造10と同等であり、従来技術に対して十分な有用性を有している。
なお、上記の例では、左側に位置するU形鋼矢板(第5鋼矢板)52に裏当て材兼用主補強鋼板54が固定されているが、右側に位置するU形鋼矢板(第6鋼矢板)58に裏当て材兼用主補強鋼板54を固定してもよい。
(長尺化溶接接合方法)
長尺化溶接接合構造10を用いた鋼矢板の溶接接合方法について説明する。U形鋼矢板12の上端においてU形鋼矢板12のフランジ12aの平坦面の内側に上方に突出するように裏当て材兼用主補強鋼板14を固定する。次いで、U形鋼矢板12を下側に配置する。次いで、下端の継手部以外の個所に開先18aが設けられたU形鋼矢板18を、U形鋼矢板12の上端との間に所定のルート間隔が保持されるようにU形鋼矢板12の上側に配置する。次いで、裏当て材兼用主補強鋼板14を裏当て材としてU形鋼矢板12の上端とU形鋼矢板18の下端との間に形成された溶接空間20内において溶接する。最後に、裏当て材兼用主補強鋼板14をU形鋼矢板18にすみ肉溶接によって固定する。
裏当て材兼用主補強鋼板14の形状や固定個所、副補強鋼板の構成、ハット形鋼矢板への適用等については、長尺化溶接接合構造10と同様である。
長尺化溶接接合構造30、50を用いた鋼矢板の溶接接合方法についても、長尺化溶接接合構造10を用いた鋼矢板の溶接接合方法と実質的に同一である。
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、図示されている構成要素の寸法や細部は、単なる例示的なものにすぎず、これらの寸法や細部を修正してもよい。
10 鋼矢板の長尺化溶接接合構造(第1の実施形態)
12 下側に位置する鋼矢板(第1鋼矢板)
12a フランジ
12b ウェブ
12c 継手部
12d アーム部
14 裏当て材兼用主補強鋼板
14a 短対角線
14b 長対角線
16 すみ肉溶接
18 上側に位置する鋼矢板(第2鋼矢板)
18a 開先
20 溶接空間
22 ルート間隔保持ビード
24 副補強鋼板
24a 裏当て材(鋼棒)
24b 裏当て材(平鋼)
30 鋼矢板の長尺化溶接接合構造(第2の実施形態)
32 下側に位置する鋼矢板(第3鋼矢板)
34 裏当て材兼用主補強鋼板
34a 短対角線
34b 長対角線
36 すみ肉溶接
38 上側に位置する鋼矢板(第4鋼矢板)
40 溶接空間
42 ルート間隔保持ビード
50 鋼矢板の長尺化溶接接合構造(第3の実施形態)
52 左側に位置する鋼矢板(第5鋼矢板)
54 裏当て材兼用主補強鋼板
54a 短対角線
54b 長対角線
56 すみ肉溶接
58 右側に位置する鋼矢板(第6鋼矢板)
60 溶接空間
62 ルート間隔保持ビード
B 裏当て材兼用主補強鋼板の長さ
0 平坦部の長さ
D ルート間隔
α 開先角度

Claims (14)

  1. 鋼矢板の長尺化溶接接合構造であって、
    下側に位置する第1鋼矢板と、
    上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第2鋼矢板とを備え、
    前記第1鋼矢板の上端において、裏当て材兼用主補強鋼板の下方部が、前記第1鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定されており、
    前記第2鋼矢板の前記下端を、前記第1鋼矢板の前記上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第1鋼矢板の前記上端と前記第2鋼矢板の前記下端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接することによって前記第1鋼矢板と前記第2鋼矢板と前記裏当て材兼用主補強鋼板が一体的に接合されるように構成されていることを特徴とする溶接接合構造。
  2. 前記裏当て材兼用主補強鋼板が、ひし形の形状を有し、ひし形の短対角線が前記第1鋼矢板の前記上端と実質的に同じ個所に位置し、ひし形の長対角線が前記第1鋼矢板のフランジの中心線と実質的に同じ個所に位置するように固定されていることを特徴とする請求項1に記載された溶接接合構造。
  3. 鋼矢板の長尺化溶接接合構造であって、
    下側に位置する第3鋼矢板と、
    上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第4鋼矢板とを備え、
    前記第4鋼矢板の前記下端において、裏当て材兼用主補強鋼板の上方部が、前記第4鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定されており、
    前記第4鋼矢板の前記下端を、前記第3鋼矢板の上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第3鋼矢板の前記上端と前記第4鋼矢板の前記下端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接することによって前記第3鋼矢板と前記第4鋼矢板と前記裏当て材兼用主補強鋼板が一体的に接合されるように構成されていることを特徴とする溶接接合構造。
  4. 前記裏当て材兼用主補強鋼板が、ひし形の形状を有し、ひし形の短対角線が前記第4鋼矢板の前記下端と実質的に同じ個所に位置し、ひし形の長対角線が前記第4鋼矢板のフランジの中心線と実質的に同じ個所に位置するように固定されていることを特徴とする請求項3に記載された溶接接合構造。
  5. 鋼矢板の長尺化溶接接合構造であって、
    左側又は右側に位置する第5鋼矢板と、
    右側又は左側に位置する第6鋼矢板とを備え、
    前記第5鋼矢板の右端又は左端において、裏当て材兼用主補強鋼板の左方部又は右方部が、前記第5鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定されており、
    前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端、及び前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端の継手部以外の個所に開先が設けられており、
    前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端を、前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端と前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接することによって前記第5鋼矢板と前記第6鋼矢板と前記裏当て材兼用主補強鋼板が一体的に接合されるように構成されていることを特徴とする溶接接合構造。
  6. 前記裏当て材兼用主補強鋼板が、ひし形の形状を有し、ひし形の短対角線が前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端と実質的に同じ個所に位置し、ひし形の長対角線が前記第5鋼矢板のフランジの中心線と実質的に同じ個所に位置するように固定されていることを特徴とする請求項5に記載された溶接接合構造。
  7. 前記裏当て材兼用主補強鋼板が、矩形の形状、多角形の形状、台形の形状、又は矩形と三角形を組み合わせた形状を有することを特徴とする請求項1、請求項3、又は請求項5のいずれか1項に記載された溶接接合構造。
  8. 前記第1鋼矢板及び前記第2鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であり、前記第3鋼矢板及び前記第4鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であり、第5鋼矢板及び前記第6鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された溶接接合構造。
  9. 前記裏当て材兼用主補強鋼板が、一般構造用圧延鋼材、溶接構造用圧延鋼材、又は建築構造用圧延鋼材のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された溶接接合構造。
  10. 鋼矢板の長尺化溶接接合方法であって、
    下側に位置する第1鋼矢板を準備する段階と、
    上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第2鋼矢板を準備する段階と、
    前記第1鋼矢板の上端において、前記第1鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に、裏当て材兼用主補強鋼板の下方部を固定する段階と、
    前記第2鋼矢板の前記下端を、前記第1鋼矢板の前記上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第1鋼矢板の前記上端と前記第2鋼矢板の前記下端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接する段階と、
    前記裏当て材兼用主補強鋼板の上方部を、前記第2鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定する段階と、
    を含むことを特徴とする溶接接合方法。
  11. 鋼矢板の長尺化溶接接合方法であって、
    下側に位置する第3鋼矢板を準備する段階と、
    上側に位置し、下端の継手部以外の個所に開先が設けられた第4鋼矢板を準備する段階と、
    前記第4鋼矢板の下端において、前記第4鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に、裏当て材兼用主補強鋼板の上方部を固定する段階と、
    前記第4鋼矢板の前記下端を、前記第3鋼矢板の前記上端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第3鋼矢板の前記上端と前記第4鋼矢板の前記下端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接する段階と、
    前記裏当て材兼用主補強鋼板の下方部を、前記第3鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定する段階と、
    を含むことを特徴とする溶接接合方法。
  12. 鋼矢板の長尺化溶接接合方法であって、
    左側又は右側に位置し、右端又は左端の継手部以外の個所に開先が設けられた第5鋼矢板を準備する段階と、
    右側又は左側に位置し、左端又は右端の継手部以外の個所に開先が設けられた第6鋼矢板を準備する段階と、
    前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端において、前記第5鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に、裏当て材兼用主補強鋼板の左方部又は右方部を固定する段階と、
    前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端を、前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端との間に所定のルート間隔が保持されるように配置して、前記第5鋼矢板の前記右端又は前記左端と前記第6鋼矢板の前記左端又は前記右端との間に溶接空間を形成し、前記裏当て材兼用主補強鋼板を裏当て材として前記溶接空間内において溶接する段階と、
    前記裏当て材兼用主補強鋼板の前記右方部又は前記左方部を、前記第6鋼矢板のフランジの平坦面の内側又は外側に固定する段階と、
    を含むことを特徴とする溶接接合方法。
  13. 溶接する前記段階の前又は後に、前記第1鋼矢板と前記第2鋼矢板を跨ぐように前記第1鋼矢板及び前記第2鋼矢板に副補強鋼板を固定し、前記第3鋼矢板と前記第4鋼矢板を跨ぐように前記第3鋼矢板及び前記第4鋼矢板に副補強鋼板を固定し、又は前記第5鋼矢板と前記第6鋼矢板を跨ぐように前記第5鋼矢板及び前記第6鋼矢板に副補強鋼板を固定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載された溶接接合方法。
  14. 前記第1鋼矢板及び前記第2鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であり、前記第3鋼矢板及び前記第4鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であり、第5鋼矢板及び前記第6鋼矢板がU形鋼矢板又はハット形鋼矢板であることを特徴とする請求項10から請求13までのいずれか1項に記載された溶接接合方法。
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