JP2022053691A - インクジェット用水性インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット方式での印刷の際の吐出性に優れ、かつ、耐擦過性及び耐水性が良好な印刷画像の印刷を可能にするインクジェット用水性インク組成物を提供する。【解決手段】本発明に係るインクジェット用水性インク組成物は、色材と、結着剤と、水性媒体とを少なくとも含むインクジェット用水性インク組成物であって、前記結着剤は、ポリオレフィン樹脂分散体と、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含み、前記ポリオレフィン樹脂分散体の含有量は、前記インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し、固形分換算で1.2質量%以上であり、前記ポリオレフィン樹脂分散体を除く前記結着剤の含有量は、前記インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し、固形分換算で0.75質量%以下である。【選択図】 なし
Description
本発明はインクジェット用水性インク組成物に関し、より詳細には、インクジェット方式での印刷の際の吐出性に優れ、かつ、耐擦過性及び耐水性が良好な印刷画像の印刷を可能にするインクジェット用水性インク組成物に関する。
従来のインクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という場合がある。)に於いては、印刷画像の耐擦過性を向上させるとの観点から、スチレンアクリル酸樹脂(特許文献1)、スチレンマレイン酸樹脂(特許文献2)、又はポリウレタン樹脂(特許文献3)を配合することがある。
しかし、これらの樹脂を配合した水性インク組成物を用いて印刷すると、形成されるインク層の造膜温度は上昇する。そのため、通常の乾燥条件で印刷直後のインク層の乾燥を行っても、十分に造膜させることが困難になる。そのため、十分に造膜させ、これによりインク層の耐擦過性を向上させるためには、スチレンアクリル酸樹脂等の配合量を増やすことが考えられる。しかし、スチレンアクリル酸樹脂等の固形分が増大すると、水性インク組成物がチキソトロピー性を帯びるようになる。水性インク組成物の吐出性を良好に維持するとの観点からは、水性インク組成物はニュートン流体であることが好ましいが、水性インク組成物がチキソトロピー性を帯びることで、インクジェットヘッドから水性インク組成物を吐出する際の吐出性が低下するという問題がある。
また、スチレンアクリル酸樹脂及びスチレンマレイン酸樹脂では、分子中のエステル結合が加水分解されやすく、ポリウレタン樹脂では、分子中のウレタン結合が加水分解されやすい。そのため、これらの樹脂が配合された水性インク組成物により形成されるインク層では、耐水性も低下する。
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、インクジェット方式での印刷の際の吐出性に優れ、かつ、耐擦過性及び耐水性が良好な印刷画像の印刷を可能にするインクジェット用水性インク組成物を提供することにある。
本発明に係るインクジェット用水性インク組成物は、前記の課題を解決するために、色材と、結着剤と、水性媒体とを少なくとも含むインクジェット用水性インク組成物であって、前記結着剤は、ポリオレフィン樹脂分散体と、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含み、前記ポリオレフィン樹脂分散体の含有量は、前記インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し、固形分換算で1.2質量%以上であり、前記ポリオレフィン樹脂分散体を除く前記結着剤の含有量は、前記インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し、固形分換算で0.75質量%以下であることを特徴とする。
前記の構成によれば、結着剤としてポリオレフィン樹脂分散体を用い、かつ、当該結着剤に含まれるスチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「スチレンマレイン酸樹脂等」という場合がある。)の含有量を0.75質量%以下に抑制する。これにより、前記構成の水性インク組成物で印刷されたインク層では、結着剤としてスチレンアクリル酸樹脂等のみからなる従来の水性インク組成物を用いた場合と比較して、当該インク層の造膜温度が高くなるのを抑制することができる。その結果、前記構成では、インク層の耐擦過性の低減を防止又は抑制することができる。
また、ポリオレフィン樹脂分散体を用い、スチレンマレイン酸樹脂等の含有量を0.75質量%以下に抑制して配合することで、インク層中の結着剤が加水分解により劣化するのを抑制又は低減し、耐水性を向上させることができる。
さらに、結着剤にポリオレフィン樹脂分散体を用いることで、水性インク組成物がチキソトロピー性を帯びるようになるのを回避することができる。これにより、前記構成では、水性インク組成物がニュートン流体であることが維持され、前記構成の水性インク組成物をインクジェットヘッドから吐出するときの吐出性も良好にすることができる。
前記構成に於いては、前記結着剤が前記ポリオレフィン樹脂分散体のみからなるものであってもよい。これにより、前記構成の水性インク組成物を用いて印刷されたインク層の耐擦過性及び耐水性を一層向上させることができる。また、インクジェットヘッドからの水性インク組成物の吐出性も良好に維持することができる。
さらに、前記構成に於いて、前記ポリオレフィン樹脂分散体の含有量は、前記インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し固形分換算で、6質量%以下であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂分散体の含有量を固形分で6質量%以下にすることにより、インクジェットヘッドからの水性インク組成物の吐出性を良好に維持することができる。
また、前記構成に於いては、前記ポリオレフィン樹脂分散体がアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョンであることが好ましい。アニオン系ポリオレフィン樹脂分散体を用いた水性インク組成物であると、当該水性インク組成物で印刷したインク層の耐擦過性は、例えば、ノニオン系ポリオレフィン樹脂分散体を用いた場合と比較して、さらに向上させることができる。
本発明のインクジェット用水性インク組成物によれば、インクジェット方式での印刷の際の吐出性に優れており、耐擦過性及び耐水性に優れた印刷画像の印刷を可能にするという効果を奏する。
(インクジェット用水性インク組成物)
本実施の形態に係るインクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という。)について、以下に説明する。
本実施の形態の水性インク組成物は、色材と、結着剤と、水性媒体とを少なくとも含む。この水性インク組成物は、インクジェット方式での印刷に好適に用いることができる。ここで、本明細書に於いて「インクジェット方式」とは、水性インク組成物を含む水性インクを、例えば、公知のピエゾ方式のインクジェットヘッドより液滴として吐出し、その液滴を、記録媒体に定着させ、印刷画像等を形成させる印刷方式を意味する。尚、記録媒体の詳細については後述する。
本実施の形態に係るインクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という。)について、以下に説明する。
本実施の形態の水性インク組成物は、色材と、結着剤と、水性媒体とを少なくとも含む。この水性インク組成物は、インクジェット方式での印刷に好適に用いることができる。ここで、本明細書に於いて「インクジェット方式」とは、水性インク組成物を含む水性インクを、例えば、公知のピエゾ方式のインクジェットヘッドより液滴として吐出し、その液滴を、記録媒体に定着させ、印刷画像等を形成させる印刷方式を意味する。尚、記録媒体の詳細については後述する。
[色材]
色材としては、インクジェット方式での印刷に使用される顔料又は染料が挙げられる。
色材としては、インクジェット方式での印刷に使用される顔料又は染料が挙げられる。
顔料としては、無機顔料、有機顔料が挙げられる。無機顔料としては特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化鉄、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、群青、紺青、カーボンブラック、黒鉛、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等が挙げられる。また、有機顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、トリフェニルメタンレーキ系顔料、オキサジンレーキ系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
また、顔料としては、自己分散型顔料又は樹脂分散型顔料を用いることも可能である。これらの顔料のうち、印字濃度(画像濃度)を増大させるとの観点からは、自己分散型顔料が好ましい。
自己分散型顔料は、顔料粒子の表面に種々の官能基を化学結合させ、これにより樹脂又は界面活性剤等の顔料分散剤を用いることなく水性媒体中に分散することが可能な顔料である。自己分散型顔料に用いられる顔料粒子としては特に限定されず、前述の無機顔料及び有機顔料の何れを用いることもできる。また、官能基としては特に限定されず、例えば、ヒドロキシル基、キノン基、カルボニル基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン基、アミン基、又はそれらの塩等が挙げられる。
自己分散型顔料としては、具体的には、例えば、自己分散型カーボンブラック、自己分散型フタロシアニン、自己分散型キナクリドン、自己分散型アゾ等が挙げられる。
樹脂分散型顔料は、水性媒体に溶解可能な樹脂分散剤によって、当該水性媒体中に分散することが可能な顔料である。樹脂分散型顔料に用いられる顔料としては特に限定されず、前述の無機顔料及び有機顔料の何れを用いることもできる。また、樹脂分散剤としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸、アクリル酸-アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-α―メチルスチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-α―メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン-アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン-マレイン酸共重合体、酢酸ビニル-マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル-クロトン酸共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、又はそれらの塩等が挙げられる。これらの樹脂分散剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂分散型顔料に於ける顔料粒子と樹脂分散剤との比率は特に制限されず、適宜必要に応じて設定することができる。
樹脂分散型顔料としては、具体的には、例えば、樹脂分散型カーボンブラック、樹脂分散型フタロシアニン、樹脂分散型キナクリドン、樹脂分散型アゾ等が挙げられる。
染料としては特に限定されず、例えば、赤色2号、赤色4号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、クロロフィリン類色素、天然色素等が挙げられる。クロロフィリン類色素としては特に限定されず、例えば、鉄クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィリンナトリウム等が挙げられる。また、天然色素としては特に限定されず、例えば、コチニール色素、カカオ色素、カラメル色素等が挙げられる。
色材の含有量は、画像濃度、水性インク組成物の保存性、粘度及びpH等に影響を及ぼす。従って、色材の含有量は、これらの点を考慮して適宜設定するのが好ましい。より具体的には、色材の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し固形分換算で1質量%~10質量%の範囲が好ましく、3質量%~10質量%の範囲内がより好ましく、4.5質量%~7質量%の範囲が特に好ましい。色材の含有量を1質量%以上にすることにより画像濃度の低下を抑制することができ、特に4.5質量%以上であるとその効果は一層顕著である。その一方、色材の含有量を10質量%以下にすることによりノズルの目詰まりによる吐出性の低下を防止することができ、特に7質量%以下であるとその効果は一層顕著である。
[結着剤]
結着剤は、ポリオレフィン樹脂分散体と、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含む。
結着剤は、ポリオレフィン樹脂分散体と、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含む。
ポリオレフィン樹脂分散体は、ポリオレフィン樹脂がエマルジョン(ラテックス又はディスパージョン)の形態で水中に分散した樹脂分散体である。ポリオレフィン樹脂をエマルジョンの樹脂分散体の形態で水に添加することにより、水に溶解しないポリオレフィン樹脂が沈降するのを防止する。例えば、粉体状のポリオレフィン樹脂を水に加えた場合には、当該ポリオレフィン樹脂が水に溶解することなく沈降した組成物となる。その結果、当該組成物をインクジェットヘッドから吐出させることができず、インクジェット方式での印刷は困難となる。
本実施の形態のポリオレフィン樹脂分散体は、水性インク組成物中に於いてバインダーとして機能する。ポリオレフィン樹脂分散体を配合することで、本実施の形態の水性インク組成物を用いて印刷されたインク層に於いては、例えば、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂又はポリウレタン樹脂(以下、「スチレンアクリル酸樹脂等」という。)のみを結着剤として用いた水性インク組成物の場合と比較して、造膜温度を低下させることができる。これにより、本実施の形態の水性インク組成物を用いたインク層では、例えば、乾燥温度80℃、乾燥時間10分で乾燥させた場合でも十分に乾燥させることができ、乾燥性に優れる。また、同じ乾燥条件に於いての耐擦過性も、スチレンアクリル酸樹脂等のみを用いた場合と比較して向上させることができる。
ポリオレフィン樹脂分散体に於けるポリオレフィン樹脂としては、アニオン系ポリオレフィン樹脂、ノニオン系ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの内、本発明では、耐擦過性及び耐水性の観点からアニオン系ポリオレフィン樹脂が好ましい。
アニオン系ポリオレフィン樹脂としては特に限定されず、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等の酸変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、非塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂エマルジョンとしては市販品を用いることも可能である。その様な市販品としては、例えば、ハードレン(登録商標)NZ-1004(固形分濃度:30質量%)、ハードレンNZ-1015(固形分濃度:30質量%)(以上、東洋紡株式会社製、商品名)、アローベース(登録商標)DA-1010(固形分濃度25質量%)、アローベースDB-4010(固形分濃度25質量%)(以上、ユニチカ株式会社製、商品名)、スーパークロン(登録商標)E-415(固形分濃度:30質量%)、スーパークロンE-480T(固形分濃度:30質量%)、スーパークロンE-604(固形分濃度:40質量%)(以上、日本製紙株式会社製、商品名)等が挙げられる。
スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びポリウレタン樹脂は任意成分であり、本実施の形態に於いては結着剤として機能する。本実施の形態では、これらの樹脂は顔料分散剤として配合されるものではない。
スチレンアクリル酸樹脂としては特に限定されず、例えば、その構成成分として分子内に、スチレン及びその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のスチレン系モノマー成分と、(メタ)アクリル酸及びその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のアクリル酸系モノマー成分とを含む重合体が挙げられる。また、スチレンアクリル酸樹脂には、スチレン系モノマー成分及びアクリル酸系モノマー成分以外のモノマー成分が含まれていてもよい。尚、本明細書に於いて「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」である場合の他、「メタクリル酸」である場合も含む意味である。
スチレンマレイン酸樹脂としては特に限定されず、例えば、その構成成分として分子内に、スチレン及びその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のスチレン系モノマー成分と、マレイン酸及びその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のマレイン酸系モノマー成分とを含む重合体が挙げられる。また、スチレンマレイン酸樹脂には、スチレン系モノマー成分及びマレイン酸系モノマー成分以外のモノマー成分が含まれていてもよい。
ポリウレタン樹脂としては特に限定されず、例えば、その構成成分にポリイソシアネートやポリオール等を含む重合体が挙げられる。
本実施の形態に於いて、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びポリウレタン樹脂は、水性インク組成物の全質量に対し、固形分換算で0.75質量%以下、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、特に好ましは0質量%となる様に配合される。スチレンアクリル酸樹脂等の含有量を固形分換算で0.75質量%以下にすることにより、本実施の形態の水性インク組成物による印刷で形成されるインク層の造膜温度が過度に高くなるのを抑制することができる。これにより、良好な乾燥性の維持が図れる。また、耐擦過性も、スチレンアクリル酸樹脂等のみを用いた場合と比較して向上させることができる。また、例えば、スチレンアクリル酸樹脂及びスチレンマレイン酸樹脂では、分子中のエステル結合が加水分解されやすく、ポリウレタン樹脂では、分子中のウレタン結合が加水分解されやすい。そのため、これらの樹脂が多く配合された水性インク組成物では、当該水性インク組成物を用いて印刷したインク層の耐水性及び耐溶剤性が良好でない。しかし、本実施の形態のように、スチレンアクリル酸樹脂等の含有量を、水性インク組成物の全質量に対し0.75質量%以下に抑制することで、インク層の耐水性が低下するのを抑制又は防止することができる。
また本実施の形態に於いて、結着剤はポリオレフィン樹脂分散体のみからなることが好ましい。これにより、本実施の形態の水性インク組成物で形成されるインク層の造膜温度を低減させ、通常の乾燥条件下でも十分に乾燥が可能となり、かつ耐擦過性を一層向上させることができる。また、スチレンアクリル酸樹脂等を含有しないため、インク層の耐水性も一層向上させることができる。
ポリオレフィン樹脂分散体の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し、固形分換算で1.2質量%以上であり、好ましくは1.5質量%以上、6質量%以下、より好ましくは3質量%以上、4.5質量%以下である。ポリオレフィン樹脂分散体の固形分換算での含有量を1.2質量%以上にすることにより、耐擦過性を良好に維持することができる。尚、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの固形分換算での含有量を6質量%以下にすることにより、インクジェットヘッドからの水性インク組成物の吐出性を良好に維持することができる。
[水性媒体]
本実施の形態の水性インク組成物で使用する水性媒体としては、水が挙げられる。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものを用いるのが好ましい。
本実施の形態の水性インク組成物で使用する水性媒体としては、水が挙げられる。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものを用いるのが好ましい。
また、水性媒体としては、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を用いてもよい。水溶性有機溶剤としては特に限定されず、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6-へキサントリオール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール類;N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤のうち印字濃度の増大及び水性インク組成物の吐出性の観点からは、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールが好ましく、トリエチレングリコールが特に好ましい。水溶性有機溶剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
水性媒体の含有量は特に限定されないが、通常は、水性インク組成物の全質量に対し、5質量%以上、30質量%以下であり、好ましくは5質量%以上、20質量%以下である。また、水性媒体として、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を用いる場合、水と水溶性有機溶剤との比率は、10:90~50:50の範囲が好ましく、20:80~40:60の範囲がより好ましく、30:70~40:60の範囲がさらに好ましい。
[その他の添加剤]
本実施の形態の水性インク組成物に於いては、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤が配合されていてもよい。添加剤としては、界面活性剤、保湿剤、浸透剤、顔料分散剤、水溶性樹脂、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤、分散安定剤、還元防止剤、酸化防止剤等が挙げられる。界面活性剤、保湿剤及び浸透剤を除き、これらの添加剤の含有量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる(界面活性剤、保湿剤及び浸透剤の含有量については、それぞれ後述する。)。
本実施の形態の水性インク組成物に於いては、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤が配合されていてもよい。添加剤としては、界面活性剤、保湿剤、浸透剤、顔料分散剤、水溶性樹脂、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤、分散安定剤、還元防止剤、酸化防止剤等が挙げられる。界面活性剤、保湿剤及び浸透剤を除き、これらの添加剤の含有量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる(界面活性剤、保湿剤及び浸透剤の含有量については、それぞれ後述する。)。
界面活性剤としては特に限定されず、具体的には、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレンジオール系界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられる。また、フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、F-410、444、553(以上、DIC株式会社製、商品名)、FS-65、34、35、31、30(以上、デュポン株式会社製、商品名)、BYK-340(以上、ビックケミージャパン株式会社製、商品名)等が挙げられる。これらのフッ素系界面活性剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
シリコーン系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。また、シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、BYK-306、BYK-307、BYK-333、BYK-341、BYK-345、BYK-346、BYK-347、BYK-348、BYK-349(以上、ビックケミージャパン株式会社製、商品名)、KF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、KF-6020、X-22-4515、KF-6011、KF-6012、KF-6015、KF-6017(以上、信越化学株式会社製、商品名)等が挙げられる。これらのシリコーン系界面活性剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
アセチレンジオール系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、アセチレンジオール骨格を有する化合物や、アセチレンジオール系化合物にエチレンオキサイドを付加して得られる化合物等が挙げられる。また、アセチレンジオール系界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフィノール(登録商標)104PA、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465(以上、エアプロダクツ株式会社製、商品名)、オルフィン(登録商標)E1010、オルフィンSTG(以上、日信化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。これらのアセチレンジオール系界面活性剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
以上に説明した界面活性剤のうち、水性インク組成物の吐出性及び環境面等の観点からは、シリコーン系界面活性剤及びアセチレンジオール系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上、5質量%以下の範囲内であることが好ましく、0.5質量%以上、4質量%以下の範囲内であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が0.1質量%以上であると、インクジェット方式で印刷を行う際に、インクジェットヘッドに於けるノズルでのメニスカス形成不良等による吐出不良を防止し、当該ノズルの目詰まりが発生するのを一層防止することができ、特に0.5質量%以上であるとその効果は特に顕著である。その結果、吐出性の向上が図れる。その一方、界面活性剤の含有量が5質量%以下であると、界面活性剤の不溶分や乳化不良による水性インク組成物の吐出への悪影響を抑制することができ、特に4質量%以下であるとその効果は一層顕著である。
保湿剤としては特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。これらのうち、ノズル表面の乾燥防止の観点からは、グリセリン及びポリグリセリン等の高沸点水溶性多価アルコールが好ましい。これらの保湿剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
保湿剤の添加量は、水性インク組成物の全質量に対し、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることが好ましく、5質量%以上、15質量%以下の範囲内であることがより好ましい。保湿剤の含有量を1質量%以上にすることにより、インクジェット方式で印刷を行う際に、インクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まりを防止し、吐出性能の一層の向上が図れ、特に5質量%以上であるとその効果は一層顕著である。その一方、保湿剤の含有量を20質量%以下にすることにより、水性インク組成物の粘度を適性に制御することができ、特に15質量%以下であるとその効果は一層顕著である。
浸透剤としては特に限定されず、例えば、エタノール及びイソプロピルアルコール等の低級アルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル、2-ピロリドン等のピロリドン等が挙げられる。これらの浸透剤のうち、印字物のインクの裏抜け防止の観点からは、グリコールエーテル及びピロリドンが好ましい。これらの浸透剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
浸透剤の添加量は、水性インク組成物の全質量に対し、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることが好ましく、5質量%以上、15質量%以下の範囲内であることがより好ましい。浸透剤の含有量を1質量%以上にすることにより、水性インク組成物の記録媒体への十分な浸透性を保持することができ、特に5質量%以上であるとその効果は一層顕著である。その一方、浸透剤の含有量を20質量%以下にすることにより、水性インク組成物の粘度が過度に大きくなるのを抑制し、水性インク組成物の安定性も維持することができ、特に15質量%以下であるとその効果は一層顕著である。
尚、色材として、前述の自己分散型顔料又は樹脂分散型顔料を用いる場合、顔料分散剤の水性インク組成物への配合は省略することができる。自己分散型顔料及び樹脂分散型顔料以外の顔料を用いる場合には、水性インク組成物に顔料分散剤を配合するのが好ましい。顔料分散剤としては特に限定されず、公知のものを適宜採用することができる。
[その他]
本実施の形態の水性インク組成物の粘度は、インクジェットノズルからの吐出性を考慮すると、インクジェットノズル吐出時において、3mPa・s~6mPa・sが好ましく、3.5mPa・s~5.7mPa・sがより好ましい。水性インク組成物の粘度を前記数値範囲内にすることにより、インクジェットノズルでの目詰まりの発生を一層抑制して良好な吐出性の維持が図られる。尚、水性インク組成物の粘度は、例えば、粘度計(商品名:VISCOMATE MODEL VM-10A、(株)セコニック製)を用いて、測定温度25℃の条件下で測定することにより得られる。
本実施の形態の水性インク組成物の粘度は、インクジェットノズルからの吐出性を考慮すると、インクジェットノズル吐出時において、3mPa・s~6mPa・sが好ましく、3.5mPa・s~5.7mPa・sがより好ましい。水性インク組成物の粘度を前記数値範囲内にすることにより、インクジェットノズルでの目詰まりの発生を一層抑制して良好な吐出性の維持が図られる。尚、水性インク組成物の粘度は、例えば、粘度計(商品名:VISCOMATE MODEL VM-10A、(株)セコニック製)を用いて、測定温度25℃の条件下で測定することにより得られる。
本実施の形態の水性インク組成物は、記録媒体の表面にインク層を形成して印刷画像を形成することが可能な水性インク組成物として用いることができる。また、本実施の形態の水性インク組成物は、最終製品たるインクジェット用水性インクに含まれるものである場合の他、当該インクジェット用水性インクそのものとしても用いることができる。
(インクジェット用水性インク組成物の製造方法)
本実施の形態の水性インク組成物は、色材、結着剤、水性媒体及び必要に応じて配合するその他の添加剤を任意の順序で混合して製造することができる。例えば、色材として顔料を用いる場合、顔料、結着剤及び水性媒体を一度に混合し、この混合液に対し通常の分散機を用いて分散処理を施す。このときの分散時間は特に限定されないが、分散状態にある顔料のD50及びD99が前記の数値範囲内となるように設定するのが好ましい。
本実施の形態の水性インク組成物は、色材、結着剤、水性媒体及び必要に応じて配合するその他の添加剤を任意の順序で混合して製造することができる。例えば、色材として顔料を用いる場合、顔料、結着剤及び水性媒体を一度に混合し、この混合液に対し通常の分散機を用いて分散処理を施す。このときの分散時間は特に限定されないが、分散状態にある顔料のD50及びD99が前記の数値範囲内となるように設定するのが好ましい。
顔料の分散処理の際に使用される分散機としては、一般に使用される分散機であれば特に限定されない。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ナノマイザー等が挙げられる。
続いて、分散処理により得られた分散液に対し、さらに前述の他の添加剤を適宜な方法で混合し、これにより、色材として顔料を用いた水性インク組成物を得ることができる。
各材料の混合方法としては特に限定されず、例えば、ディスパー、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合を行うことができる。また、濾過方法としては特に限定されず、例えば、遠心濾過、フィルター濾過等を採用することができる。
(記録媒体)
記録媒体としては特に限定されず、従来公知のものを採用することができる。具体的には、例えば、コート紙、アート紙、及びマット紙等の印刷用紙、並びにフィルム等が挙げられる。
記録媒体としては特に限定されず、従来公知のものを採用することができる。具体的には、例えば、コート紙、アート紙、及びマット紙等の印刷用紙、並びにフィルム等が挙げられる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、以下の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
(実施例1)
表1に示す通り、40質量%(固形分換算:6質量%)の自己分散型ブラック顔料(固形分濃度15質量%)と、5質量%(固形分換算:1.5質量%)のアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン(商品名:ハードレン(登録商標)NZ-1004、東洋紡株式会社製、固形分濃度:30質量%)と、1質量%のサーフィノール(登録商標)104PA(商品名、エアプロダクツ株式会社製)と、0.5質量%のサーフィノール465(商品名、エアプロダクツ株式会社製)と、0.5質量%のオルフィン(登録商標)E1010(商品名、日信化学工業株式会社製)と、5質量%のジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ハイソルブDB、東邦化学工業株式会社製)、5質量%のトリエチレングリコールと、43質量%の水とを混合し、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表1に示す通り、40質量%(固形分換算:6質量%)の自己分散型ブラック顔料(固形分濃度15質量%)と、5質量%(固形分換算:1.5質量%)のアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン(商品名:ハードレン(登録商標)NZ-1004、東洋紡株式会社製、固形分濃度:30質量%)と、1質量%のサーフィノール(登録商標)104PA(商品名、エアプロダクツ株式会社製)と、0.5質量%のサーフィノール465(商品名、エアプロダクツ株式会社製)と、0.5質量%のオルフィン(登録商標)E1010(商品名、日信化学工業株式会社製)と、5質量%のジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ハイソルブDB、東邦化学工業株式会社製)、5質量%のトリエチレングリコールと、43質量%の水とを混合し、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例2)
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例3)
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を15質量%に変更し、水の含有量を33質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を15質量%に変更し、水の含有量を33質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例4)
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール104PAの含有量を0.8質量%に変更し、水の含有量を38.2質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール104PAの含有量を0.8質量%に変更し、水の含有量を38.2質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例5)
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール104PAの含有量を1.2質量%に変更し、水の含有量を37.8質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール104PAの含有量を1.2質量%に変更し、水の含有量を37.8質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例6)
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を20質量%に変更し、水の含有量を28質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表1に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を20質量%に変更し、水の含有量を28質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例7)
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール104PAの含有量を0.5質量%に変更し、水の含有量を38.5質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール104PAの含有量を0.5質量%に変更し、水の含有量を38.5質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例8)
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール104PAの含有量を1.5質量%に変更し、水の含有量を27.5質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール104PAの含有量を1.5質量%に変更し、水の含有量を27.5質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例9)
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール465を配合しなかった。また、水の含有量を38.5質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、サーフィノール465を配合しなかった。また、水の含有量を38.5質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例10)
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、オルフィンE1010を配合しなかった。また、水の含有量を38.5質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、オルフィンE1010を配合しなかった。また、水の含有量を38.5質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例11)
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、浸透剤をトリエチレングリコールジメチルエーテルに変更した。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、浸透剤をトリエチレングリコールジメチルエーテルに変更した。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例12)
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、浸透剤をトリエチレングリコールモノメチルエーテルに変更した。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表2に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、浸透剤をトリエチレングリコールモノメチルエーテルに変更した。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例13)
表3に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、浸透剤をプロピレングリコールモノプロピルエーテルに変更した。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表3に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、浸透剤をプロピレングリコールモノプロピルエーテルに変更した。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例14)
表3に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、水溶性有機溶剤をジエチレングリコールに変更した。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表3に示す通り、本実施例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を10質量%に変更し、水溶性有機溶剤をジエチレングリコールに変更した。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例15)
表3に示す通り、本実施例に於いては、色材を、40質量%(固形分換算:6.4質量%)の樹脂分散型ブラック顔料(固形分濃度16質量%)に変更し、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表3に示す通り、本実施例に於いては、色材を、40質量%(固形分換算:6.4質量%)の樹脂分散型ブラック顔料(固形分濃度16質量%)に変更し、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例16)
表3に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、9質量%(固形分換算:2.7質量%)のアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン(商品名:ハードレン(登録商標)NZ-1004、東洋紡株式会社製、固形分濃度:30質量%)と、1質量%(固形分換算:0.3質量%)のスチレンアクリル酸樹脂(商品名:ジョンクリル 96J、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度:30質量%)とを用いた。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表3に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、9質量%(固形分換算:2.7質量%)のアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン(商品名:ハードレン(登録商標)NZ-1004、東洋紡株式会社製、固形分濃度:30質量%)と、1質量%(固形分換算:0.3質量%)のスチレンアクリル酸樹脂(商品名:ジョンクリル 96J、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度:30質量%)とを用いた。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例17)
表3に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、8質量%(固形分換算:2.4質量%)のアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン(商品名:ハードレン(登録商標)NZ-1004、東洋紡株式会社製、固形分濃度:30質量%)と、2質量%(固形分換算:0.6質量%)のスチレンアクリル酸樹脂(商品名:ジョンクリル 96J、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度:30質量%)とを用いた。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表3に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、8質量%(固形分換算:2.4質量%)のアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン(商品名:ハードレン(登録商標)NZ-1004、東洋紡株式会社製、固形分濃度:30質量%)と、2質量%(固形分換算:0.6質量%)のスチレンアクリル酸樹脂(商品名:ジョンクリル 96J、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度:30質量%)とを用いた。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(比較例1)
表4に示す通り、本比較例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を3質量%(固形分換算:0.9質量%)に変更し、水の含有量を45質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
表4に示す通り、本比較例に於いては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を3質量%(固形分換算:0.9質量%)に変更し、水の含有量を45質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
(比較例2)
表4に示す通り、本比較例に於いては、結着剤として、10質量%(固形分換算:3質量%)のスチレンアクリル酸樹脂(商品名:ジョンクリル 96J、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度:30質量%)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
表4に示す通り、本比較例に於いては、結着剤として、10質量%(固形分換算:3質量%)のスチレンアクリル酸樹脂(商品名:ジョンクリル 96J、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度:30質量%)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
(比較例3)
表4に示す通り、本比較例に於いては、結着剤として、10質量%(固形分換算:3質量%)のスチレンマレイン酸樹脂(商品名:SMA 1440H、TOTAL株式会社製、固形分濃度:30質量%)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
表4に示す通り、本比較例に於いては、結着剤として、10質量%(固形分換算:3質量%)のスチレンマレイン酸樹脂(商品名:SMA 1440H、TOTAL株式会社製、固形分濃度:30質量%)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例18)
表4に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、10質量%のノニオン系ポリオレフィン樹脂(商品名:AQUACER(登録商標)515、ビックケミージャパン株式会社製)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表4に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、10質量%のノニオン系ポリオレフィン樹脂(商品名:AQUACER(登録商標)515、ビックケミージャパン株式会社製)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例19)
表4に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、10質量%のノニオン系ポリオレフィン樹脂(商品名:AQUACER(登録商標)531、ビックケミージャパン株式会社製)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表4に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、10質量%のノニオン系ポリオレフィン樹脂(商品名:AQUACER(登録商標)531、ビックケミージャパン株式会社製)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(実施例20)
表4に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、10質量%のノニオン系ポリオレフィン樹脂(商品名:AQUACER(登録商標)551、ビックケミージャパン株式会社製)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
表4に示す通り、本実施例に於いては、結着剤として、10質量%のノニオン系ポリオレフィン樹脂(商品名:AQUACER(登録商標)551、ビックケミージャパン株式会社製)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る水性インク組成物を作製した。
(比較例4)
表4に示す通り、本比較例に於いては、結着剤として、10質量%のポリウレタン樹脂(商品名:WBR-016U、大成ファインケミカル株式会社製)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
表4に示す通り、本比較例に於いては、結着剤として、10質量%のポリウレタン樹脂(商品名:WBR-016U、大成ファインケミカル株式会社製)を用い、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
(比較例5)
表4に示す通り、本比較例に於いては、結着剤として、7質量%(固形分換算:2.1質量%)のアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン(商品名:ハードレン(登録商標)NZ-1004、東洋紡株式会社製、固形分濃度:30質量%)と、3質量%(固形分換算:0.9質量%)のスチレンアクリル酸樹脂(商品名:ジョンクリル 96J、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度:30質量%)とを用いた。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
表4に示す通り、本比較例に於いては、結着剤として、7質量%(固形分換算:2.1質量%)のアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン(商品名:ハードレン(登録商標)NZ-1004、東洋紡株式会社製、固形分濃度:30質量%)と、3質量%(固形分換算:0.9質量%)のスチレンアクリル酸樹脂(商品名:ジョンクリル 96J、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度:30質量%)とを用いた。また、水の含有量を38質量%に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係る水性インク組成物を作製した。
(耐擦過性)
実施例1~20、比較例1~5の水性インク組成物を用いて、インクジェット上質紙(商品名:Next-IJ、日本製紙株式会社製)上にインクジェット方式で印刷を行い、インク層を形成した。具体的には、インクジェットプリンタ(商品名:PX-105、エプソン株式会社製)を用いてシングルパス(ワンパス)方式にて印刷を行った。印刷は気温25℃、相対湿度60%の環境下で行った。その後、温度80℃の熱風を10分間直接当て、印刷面を十分に乾燥させた。これにより、各実施例及び各比較例に係るサンプルを作製した。その後、各サンプルのインク層について、耐擦過性の評価を行った。
実施例1~20、比較例1~5の水性インク組成物を用いて、インクジェット上質紙(商品名:Next-IJ、日本製紙株式会社製)上にインクジェット方式で印刷を行い、インク層を形成した。具体的には、インクジェットプリンタ(商品名:PX-105、エプソン株式会社製)を用いてシングルパス(ワンパス)方式にて印刷を行った。印刷は気温25℃、相対湿度60%の環境下で行った。その後、温度80℃の熱風を10分間直接当て、印刷面を十分に乾燥させた。これにより、各実施例及び各比較例に係るサンプルを作製した。その後、各サンプルのインク層について、耐擦過性の評価を行った。
耐擦過性の評価は、具体的には、得られた各サンプルに於けるインク層の印刷面に対し金属棒を用いて1回擦過を行った。これにより、インク層の剥がれ度合(耐擦過性)を評価した。結果を表1~表4に示す。
尚、耐擦過性の評価は、以下の基準を用いて行った。
○:印字面(インク層)に全く剥がれなし
△:印字面(インク層)に若干の剥がれが生じる
×:印字面(インク層)が完全に剥がれる
○:印字面(インク層)に全く剥がれなし
△:印字面(インク層)に若干の剥がれが生じる
×:印字面(インク層)が完全に剥がれる
(吐出性)
吐出性の評価は、耐擦過性を評価した場合と同様、実施例1~20及び比較例1~5の水性インク組成物をそれぞれ用いて、インクジェット上質紙上にインクジェット方式による印刷を行った。結果を表1~表4に示す。
吐出性の評価は、耐擦過性を評価した場合と同様、実施例1~20及び比較例1~5の水性インク組成物をそれぞれ用いて、インクジェット上質紙上にインクジェット方式による印刷を行った。結果を表1~表4に示す。
尚、吐出性の評価は、以下の基準を用いて行った。
○:問題なく吐出可能
△:印字乱れが若干発生
×:吐出不可
○:問題なく吐出可能
△:印字乱れが若干発生
×:吐出不可
(耐水性)
耐擦過性を評価した場合と同様、実施例1~20及び比較例1~5の水性インク組成物をそれぞれ用いて、インクジェット上質紙上にインクジェット方式による印刷を行った。これにより、各実施例及び各比較例に係るサンプルを作製した。
耐擦過性を評価した場合と同様、実施例1~20及び比較例1~5の水性インク組成物をそれぞれ用いて、インクジェット上質紙上にインクジェット方式による印刷を行った。これにより、各実施例及び各比較例に係るサンプルを作製した。
次に、各サンプルの印刷面を純水(水温25℃)に5分間浸漬し、その後、印刷面の印刷状態を観察して耐水性の評価を行った。結果を表1~表4に示す。
尚、耐水性の評価は、以下の基準を用いて行った。
○:印字面(インク層)に全く剥がれなし
△:印字面(インク層)に若干の剥がれが生じる
×:印字面(インク層)が完全に剥がれる
○:印字面(インク層)に全く剥がれなし
△:印字面(インク層)に若干の剥がれが生じる
×:印字面(インク層)が完全に剥がれる
(印字濃度)
耐擦過性を評価した場合と同様、実施例1~20及び比較例1~5の水性インク組成物をそれぞれ用いて、インクジェット上質紙上にインクジェット方式による印刷を行った。これにより、各実施例及び各比較例に係るサンプルを作製した。
耐擦過性を評価した場合と同様、実施例1~20及び比較例1~5の水性インク組成物をそれぞれ用いて、インクジェット上質紙上にインクジェット方式による印刷を行った。これにより、各実施例及び各比較例に係るサンプルを作製した。
続いて、印刷画像の画像濃度(印字濃度)を反射濃度計(商品名:Exact、ビデオジェット・エックスライト株式会社製)により測定した。測定は、印刷画像中の無作為に選択した10箇所の領域ついて、それぞれ画像濃度を測定し、得られた測定値の算術平均値を評価対象の印字濃度とした。結果を表1~表4に示す。
(結果)
実施例1及び比較例1から分かる通り、アニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を5質量%(固形分換算で1.5質量%)以上にすることで、良好な耐擦過性及び耐水性を有するインク層を印刷できることが確認された。特に、アニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量が5質量%~15質量%(固形分換算で1.5質量%~4.5質量%)の範囲の実施例1~3の水性インク組成物であると、実施例6や比較例1の水性インク組成物と比べ、耐擦過性、吐出性及び耐水性の全てで良好な性能を示し、かつ、印字濃度(画像濃度)も1.3となり、高い印字濃度で印刷できることが確認された(表1及び表4参照)。
実施例1及び比較例1から分かる通り、アニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量を5質量%(固形分換算で1.5質量%)以上にすることで、良好な耐擦過性及び耐水性を有するインク層を印刷できることが確認された。特に、アニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョンの含有量が5質量%~15質量%(固形分換算で1.5質量%~4.5質量%)の範囲の実施例1~3の水性インク組成物であると、実施例6や比較例1の水性インク組成物と比べ、耐擦過性、吐出性及び耐水性の全てで良好な性能を示し、かつ、印字濃度(画像濃度)も1.3となり、高い印字濃度で印刷できることが確認された(表1及び表4参照)。
また、実施例1~3の水性インク組成物の様に、浸透剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルを用い、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールを用いた場合には、それ以外のエーテル類を浸透剤に用いた実施例11~13の水性インク組成物や、ジエチレングリコールを水溶性有機溶剤に用いた実施例14の水性インク組成物と比較して、印字濃度をさらに濃くできることも確認された。さらに、実施例2及び15から分かる通り、色材として自己分散型顔料を用いた場合にも、樹脂分散型顔料を用いた場合と比べ、印字濃度をさらに濃くできることが確認された(表1~表3参照)。
また、実施例2、16及び17、並びに比較例5から分かる通り、結着剤としてアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョンの他にスチレンアクリル酸樹脂を併用する場合にも、当該スチレンアクリル酸樹脂の含有量を3質量%(固形分換算で0.9質量%)未満に抑制することで、良好な耐擦過性を維持できることが確認され、さらに、結着剤としてアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョン以外に何も配合しない方が、耐擦過性、吐出性、耐水性及び印字濃度の全てで良好であることが確認された(表1、表3及び表4参照)。
また、実施例2、18~20から分かる通り、結着剤に関し、ポリオレフィン樹脂エマルジョンとしてアニオン系を用いた方が、ノニオン系を用いた場合と比較して、耐擦過性、耐水性及び印字濃度が良好であることが確認された(表1及び表4参照)。
Claims (4)
- 色材と、結着剤と、水性媒体とを少なくとも含むインクジェット用水性インク組成物であって、
前記結着剤は、
ポリオレフィン樹脂分散体と、
スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含み、
前記ポリオレフィン樹脂分散体の含有量は、前記インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し、固形分換算で1.2質量%以上であり、
前記ポリオレフィン樹脂分散体を除く前記結着剤の含有量は、前記インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し、固形分換算で0.75質量%以下であるインクジェット用水性インク組成物。 - 前記結着剤が前記ポリオレフィン樹脂分散体のみからなる請求項1に記載のインクジェット用水性インク組成物。
- 前記ポリオレフィン樹脂分散体の含有量は、前記インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し固形分換算で、6質量%以下である請求項1又は2に記載のインクジェット用水性インク組成物。
- 前記ポリオレフィン樹脂分散体がアニオン系ポリオレフィン樹脂エマルジョンである請求項1~3の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク組成物。
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2020
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2021
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