JP2022052437A - アルミニウム合金鋳物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境面で優れ、安価に靭性を高めることが可能なAl-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物及びその製造方法を提供する。【解決手段】Al-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物であって、少なくともホウ素とリンとを含有し、ホウ素(B)とリン(P)との重量%は、B/P≧8である。【選択図】図1

Description

本発明は、Al-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物及びその製造方法に関する。
従来、アルミニウムの機械的強度を高めるために、アルミニウムにマグネシウム及びケイ素を加えて合金化したAl-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物が知られている(例えば、特許文献1参照)。このアルミニウム合金鋳物に不純物のリンが含まれていると、Mg-Si系化合物の共晶物を微細化する作用を阻害することが知られている。
特許文献1に記載のアルミニウム合金鋳物は、鋳造の前に脱リン処理を行い、リンの含有量を0.0002重量%以下まで低下させている。更に、特許文献1に記載のアルミニウム合金鋳物は、マンガンの含有量を0.2~2重量%とすることにより、微細なAl-Mn-Si系晶出物がMg-Si系晶出物の晶出核となり、Mg-Si系晶出物を微細化するものである。これにより、靭性に優れたアルミニウム合金鋳物となっている。
従来の脱リン処理としては、特許文献2に記載の方法が挙げられる。特許文献2に記載の脱リン処理方法は、アルミニウム溶湯にマグネシウムを添加し且つ塩素ガスを吹き込むことにより、溶湯内のMgを吸収したMgClを浮上させ、溶湯表面からリンを除去している。
特開2017-210653号公報 特開2002-80920号公報
特許文献1に記載のアルミニウム合金鋳物のように、鋳造前に脱リン処理を行う場合、特許文献2に記載の脱リン処理方法を用いる必要がある。しかしながら、塩素ガスは極めて強い毒性を有していることから取り扱いに注意を要し、オゾンホールの原因物質としても指摘されているため、環境面で問題がある。また、Mgを吸収したMgClを浮上させて除去するため、マグネシウムが無駄になり、更に塩素ガスを無害化するための設備が別途必要となることから、製造コストの上昇を招いてしまう。さらに、一般的な溶湯設備には耐火材バインダーやラドルのコーティング剤にPОが含まれており、このPОに起因するリンが溶湯に混入することにより、Mg-Si系晶出物の微細化が困難であった。
そこで、環境面で優れ、安価に靭性を高めることが可能なAl-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物及びその製造方法が望まれている。
本発明に係るアルミニウム合金鋳物の特徴構成は、アルミニウム(Al)-マグネシウム(Mg)-ケイ素(Si)系のアルミニウム合金鋳物であって、少なくともホウ素(B)とリン(P)とを含有し、前記ホウ素(B)と前記リン(P)との重量%は、B/P≧8を充足する点にある。
本発明者らは、鋳造前に脱リン処理を行うことなく、リンを無害化することにより、Mg-Si系晶出物を微細化できるアルミニウム合金鋳物の組成を見出した。すなわち、本構成では、B/P≧8となるようにホウ素を加えることによりリンが無害化され、Mg-Si系晶出物を微細化し、アルミニウム合金鋳物の靭性を高めることができる。これは、Mg-Si系晶出物の晶出核となるAlP化合物よりもエネルギー的に安定したB-P系化合物(リンの無害化)が生成され、AlP化合物を核としたMg-Si系晶出物の晶出及び成長を抑制しているためであると推測される。
本構成では、食塩と同程度の毒性であるホウ素を用いている。このホウ素は、リンを除去するのではなく無害化するため、マグネシウムを無駄にすることが無い。しかも、従来のように塩素ガスを無害化するための設備も必要としないため、環境面で優れ、安価にアルミニウム合金鋳物の靭性を高めることができる。
特に、本構成では、B/P≧8として、リンを無害化するためのホウ素の必要量を規定し、仮に溶湯設備にPОが含まれていたとしても、ホウ素のリン無害化機能を有効化させている。このように、環境面で優れ、安価に靭性を高めることが可能なAl-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物を提供できた。
他の特徴構成は、チタン(Ti)を更に含有し、前記ホウ素(B)と前記リン(P)と前記チタン(Ti)との重量%は、(B-8P)/Ti≧0.13を充足する点にある。
一般的にチタンとホウ素とを同時に添加すると初晶α(Al)相を微細化することが知られているが、本発明者らは、所定量を超えるチタンがホウ素のリン無害化機能を阻害することを見出した。そこで、本構成のように、(B-8P)/Ti≧0.13とすれば、ホウ素によるリン無害化が機能してMg-Si系晶出物を微細化し、アルミニウム合金鋳物の靭性を更に高めることができる。
他の特徴構成は、前記ホウ素(B):0.005重量%以上0.05重量%以下、前記リン(P):0.0003重量%以上0.005重量%以下である点にある。
本構成のようなホウ素の範囲であれば、リンを確実に無害化しつつ、粗大なボロン化合物を形成することもない。
他の特徴構成は、前記マグネシウム(Mg):2.0重量%以上8.0重量%以下、前記ケイ素(Si):1.0重量%以上5.0重量%以下、チタン(Ti):0.2重量%以下であり、残部が前記アルミニウム(Al)及び不可避的不純物からなる点にある。
本構成のような組成であれば、鋳造性(湯流れ性、耐焼付き性、耐鋳造割れ性)や機械的特性に優れる。よって、環境面で優れ、安価に靭性を高めることが可能なAl-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物を提供できる。
本発明に係るアルミニウム合金鋳物の製造方法の特徴は、上述の何れかに記載したアルミニウム合金鋳物の製造方法であって、前記アルミニウム合金鋳物の出発物質を溶解させて溶湯を生成する溶解工程と、前記溶解工程で生成された前記溶湯を50℃/秒以上で冷却する冷却工程と、を含む点にある。
本方法のように、溶解工程で生成された溶湯を50℃/秒以上で冷却すれば、過冷却が起こることによりMg-Si系晶出物の均質核生成が図られ、微細化効果を得ることができる。
鋳造試験の前提条件を示す図である。 実施例1に係るアルミニウム合金鋳物の拡大写真である。 実施例2に係るアルミニウム合金鋳物の拡大写真である。 実施例3に係るアルミニウム合金鋳物の拡大写真である。 実施例4に係るアルミニウム合金鋳物の拡大写真である。 実施例5に係るアルミニウム合金鋳物の拡大写真である。 比較例1に係るアルミニウム合金鋳物の拡大写真である。 比較例2に係るアルミニウム合金鋳物の拡大写真である。 比較例3に係るアルミニウム合金鋳物の拡大写真である。
以下に、本発明に係るAl-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物及びその製造方法の実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
本発明者らは、鋳造前に脱リン処理を行うことなく、リンを無害化することにより、Mg-Si系晶出物を微細化できるアルミニウム合金鋳物の組成を見出した。すなわち、本実施形態では、B/P≧8となるようにホウ素を加えることによりリンが無害化され、Mg-Si系晶出物を微細化し、アルミニウム合金鋳物の靭性を高めることができる。
本実施形態に係るアルミニウム合金鋳物は、マグネシウム(Mg):2.0重量%以上8.0重量%以下、ケイ素(Si):1.0重量%以上5.0重量%以下、ホウ素(B):0.005重量%以上0.05重量%以下、リン(P):0.0003重量%以上0.005重量%以下であり、残部がアルミニウム(Al)及び不可避的不純物からなる。このアルミニウム合金鋳物は、B/P≧8を充足するようにホウ素とリンが含有されている。また、アルミニウム合金鋳物は、鉄(Fe):0.3重量%以下、マンガン(Mn):0.3重量%以上0.8重量%以下、チタン(Ti):0.2重量%以下、ベリリウム(Be):0.001重量%以上0.01重量%以下を含有していても良い。このとき、(B-8P)/Ti≧0.13を充足するようにチタンを添加することが好ましい。
[組成]
(Mg:2.0重量%以上8.0重量%以下)
Mgは、アルミニウム合金鋳物の引張強度の向上に寄与する。Mgが2.0重量%未満であると、Mg-Si系晶出物の量が少なくなり、引張強度が低下する。一方、Mgが8.0重量%を超えると、Mg-Si系晶出物の量が過大となり、延性が低下する。また、Mgが8.0重量%を超えると、溶湯の著しい酸化が発生するため、好ましくない。
(Si:1.0重量%以上5.0重量%以下)
Siは、アルミニウム合金鋳物の引張強度の向上に寄与する。Siが1.0重量%未満であると、Mg-Si系晶出物の量が少なくなり、引張強度が低下する。また、Siが1.0重量%未満であると、鋳造性(湯流れ性、耐焼付き性、耐鋳造割れ性)が低下し、好ましくない。一方、Siが5.0重量%を超えると、Mg-Si系晶出物の量が過大となり、延性が低下する。
(Fe:0.3重量%以下)
Feは、アルミニウム合金鋳物の引張強度の向上に寄与する。一方、Feが0.3重量%を超えると、Al-Si-Fe系晶出物が生成され、延性が低下する。
(Mn:0.3重量%以上0.8重量%以下)
Mnは、鋳型の焼き付け性を向上させる。Mnが0.3重量%未満であると、鋳型に対するアルミニウム合金鋳物の焼付き抑制効果が得られ難い。一方、Mnが0.8重量%を超えると、Al-Si-Mn系晶出物が生成され、延性が低下する。
(B:0.005重量%以上0.05重量%以下)
Bはリンを無害化し、Mg-Si系晶出物を微細化させる。Bが0.005重量%未満であると、リンの無害化機能が発揮できない。一方、Bが0.05重量%を超えると、AlB系の粗大な化合物が晶出し、延性が低下する。
(P:0.0003重量%以上0.005重量%以下)
Pは、0.0003重量%以上であるとMg-Si系化合物の共晶物を微細化する作用を阻害する。Pを0.0003重量%未満にするためには、事前に脱リン処理が必要となる。一方、Pが0.005重量%を超えると、Mg-Si系晶出物の晶出核となるAlP化合物が晶出し、延性が低下する。
(B/P≧8)
上述した範囲内にあるホウ素とリンの割合としてB/P≧8とする。この範囲にてホウ素を加えることによりリンが無害化され、Mg-Si系晶出物を微細化し、アルミニウム合金鋳物の靭性を高めることができる。これは、Mg-Si系晶出物の晶出核となるAlP化合物よりもエネルギー的に安定したB-P系化合物(リンの無害化)が生成され、AlP化合物を核としたMg-Si系晶出物の晶出及び成長を抑制しているためであると推測される。
本実施形態では、食塩と同程度の毒性であるホウ素を用いている。このホウ素は、リンを除去するのではなく無害化するため、マグネシウムを無駄にすることが無い。しかも、従来のように塩素ガスを無害化するための設備も必要としないため、環境面で優れ、安価にアルミニウム合金鋳物の靭性を高めることができる。特に、本実施形態では、B/P≧8として、リンを無害化するためのホウ素の必要量を規定し、仮に溶湯設備にPОが含まれていたとしても、ホウ素のリン無害化機能を有効化させている。
(Ti:0.2重量%以下)
Tiは初晶α(Al)相を微細化する物質として知られている。一方、Tiが0.2重量%を超えると、ホウ素のリン無害化機能を阻害する。また、Tiが0.2重量%を超えると、AlTi系の粗大な化合物が晶出し、延性が低下する。
((B-8P)/Ti≧0.13)
一般的にチタンとホウ素とを同時に添加すると初晶α(Al)相を微細化することが知られているが、本発明者らは、所定量を超えるチタンがホウ素のリン無害化機能を阻害することを見出した。そこで、B/P≧8を前提として、(B-8P)/Ti≧0.13とすれば、ホウ素によるリン無害化が機能してMg-Si系晶出物を微細化し、アルミニウム合金鋳物の靭性を更に高めることができる。
(Be:0.001重量%以上0.01重量%以下)
Beは、溶湯の酸化抑制効果を発揮する。Beが0.001重量%未満であると、溶湯の酸化抑制効果が得られ難い。一方、Beが0.01重量%を超えて含有されていても、溶湯の酸化抑制効果に変化がない。
[製造方法]
本実施形態におけるアルミニウム合金鋳物の製造方法は、アルミニウム合金鋳物の出発物質を溶解させて溶湯を生成する溶解工程と、溶解工程で生成された溶湯を鋳型で鋳造してアルミニウム合金鋳物を製造する鋳造工程とを含んでいる。この鋳造工程は、溶湯を50℃/秒以上で冷却する冷却工程を含んでいる。このアルミニウム合金鋳物は、車体部品やエンジン部品等に用いられる。本方法のように、溶解工程で生成された溶湯を50℃/秒以上で冷却すれば、過冷却が起こることによりMg-Si系晶出物の均質核生成が図られ、微細化効果を得ることができる。なお、本実施形態におけるアルミニウム合金鋳物の製造方法は、重力鋳造であっても良いし、ダイカストであっても良い。
図1には、本実施形態に係る実施例と比較例とのアルミニウム合金鋳物の組成、B/Pの比率、(B-8P)/Tiの比率、及び冷却速度が示されている。図1に示す組成を有するアルミニウム合金鋳物の出発物質を坩堝に入れ、電気溶解炉を用いて溶解温度760℃~780℃にて溶解した(溶解工程)。このとき、坩堝内を50回撹拌し、アルゴンガスを2L/minで15分間バブリングした後、15分静置した。溶解工程で生成された溶湯を銅鋳型に入れ、鋳造温度720℃にて鋳造してアルミニウム合金鋳物を得た(鋳造工程)。この鋳造工程では、図1に示す冷却速度で溶湯を冷却し、所定時間保持した(冷却工程)。
図2~図9には、夫々のアルミニウム合金鋳物の金属組織拡大写真が示されている。同写真中にある濃灰色の針状の組織がMg-Si系晶出物であり、薄灰色の部分がアルミニウムの母材部分である。
Tiを含有しない場合において、Pが0.0011質量%でBが添加されていない比較例1(B/P=0,(B-8P)/Ti=∞,冷却速度:50℃/sec)は、図7に示す通りMg-Si系共晶物が粗大である(濃灰色の針状組織が太く長い)のに対し、Pが0.0010質量%でBが0.0080質量%添加されている実施例1(B/P=8,(B-8P)/Ti=∞,冷却速度:50℃/sec)や、Pが0.0011質量%でBが0.0200質量%添加されている実施例2(B/P=18,(B-8P)/Ti=∞,冷却速度:50℃/sec)では、図2~図3に示す通りMg-Si系共晶物が微細化されている(濃灰色の針状組織が細く短い)。また、Pが0.0010質量%でBが0.0060質量%添加されている比較例2(B/P=6,(B-8P)/Ti=-∞,冷却速度:50℃/sec)では、図8に示す通りMg-Si系共晶物が粗大である。このことから、Tiを含有しない場合において、B/P≧8であれば、Mg-Si系共晶物が微細化され、Tiを含有する場合において、(B-8P)/Ti≧0.13であれば、Mg-Si系共晶物が微細化されることが理解できる。
Tiを含有する場合において、Tiが0.04質量%,Pが0.0017質量%でBが0.0377質量%添加されている実施例3(B/P=22,(B-8P)/Ti=0.6,冷却速度:50℃/sec)や、Tiが0.13質量%,Pが0.0021質量%でBが0.0334質量%添加されている実施例4(B/P=16,(B-8P)/Ti=0.13,冷却速度:50℃/sec)では、図4~図5に示す通りMg-Si系共晶物が微細化されている。また、Tiが0.13質量%,Pが0.0018質量%でBが0.0147質量%添加されている実施例5(B/P=8,(B-8P)/Ti=0.002,冷却速度:50℃/sec)では、図示しないアルミニウム合金鋳物のごく一部で粗大なMg-Si系共晶物があったが、図6に示す通りMg-Si系共晶物は概ね微細化されている。このことから、Tiを含有する場合において、(B-8P)/Ti≧0.13であれば、Mg-Si系共晶物を確実に微細化できることが判明した。
また、冷却速度が10℃/secと遅い比較例3は、冷却速度が50℃/secの実施例1と同じ化学成分であるが、図9に示す通りMg-Si系共晶物は粗大である。つまり、冷却工程において、冷却速度が50℃/sec以上であれば、Mg-Si系共晶物が微細化されることが理解できる。
本発明は、Al-Mg-Si系のアルミニウム合金鋳物及びその製造方法に利用可能である。

Claims (5)

  1. アルミニウム(Al)-マグネシウム(Mg)-ケイ素(Si)系のアルミニウム合金鋳物であって、
    少なくともホウ素(B)とリン(P)とを含有し、
    前記ホウ素(B)と前記リン(P)との重量%は、B/P≧8を充足するアルミニウム合金鋳物。
  2. チタン(Ti)を更に含有し、
    前記ホウ素(B)と前記リン(P)と前記チタン(Ti)との重量%は、(B-8P)/Ti≧0.13を充足する請求項1に記載のアルミニウム合金鋳物。
  3. 前記ホウ素(B):0.005重量%以上0.05重量%以下、前記リン(P):0.0003重量%以上0.005重量%以下である請求項1又は2に記載のアルミニウム合金鋳物。
  4. 前記マグネシウム(Mg):2.0重量%以上8.0重量%以下、前記ケイ素(Si):1.0重量%以上5.0重量%以下、チタン(Ti):0.2重量%以下であり、残部が前記アルミニウム(Al)及び不可避的不純物からなる請求項3に記載のアルミニウム合金鋳物。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金鋳物の製造方法であって、
    前記アルミニウム合金鋳物の出発物質を溶解させて溶湯を生成する溶解工程と、
    前記溶解工程で生成された前記溶湯を50℃/秒以上で冷却する冷却工程と、を含むアルミニウム合金鋳物の製造方法。
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