JP2022052167A - X線検査装置およびx線検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線源やX線検出器を構成簡素に配置しながらも、被検査物の形状や姿勢の変化にかかわらず好適な観察方向からのX線画像で検査対象を的確に観察でき、低コストで誤検知防止を図ることができるX線検査装置およびX線検査方法を提供する。【解決手段】X線発生器21と、X線検出器24と、X線検出信号に基づいて被検査物の品質状態を判定する判定部33とを備えるX線検査装置で、透過領域ごとのX線検出信号に対応する第1のX線画像Peを記憶するX線画像記憶部31と、学習対象品種に関する疑似3次元情報を生成する疑似3次元情報生成モデル41を有し、学習対象品種に関する第1の検査画像Peを基に疑似3次元情報により第1の検査画像Peとは観察方向が異なる疑似の第2の検査画像Ps1、Ps2を作成する検査画像生成部と、を備え、判定部は、少なくとも検査画像生成部で作成された第2の検査画像に基づき、判定を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、X線検査装置およびX線検査方法に関し、特に複数の検査画像を用いて異物検出や欠品検出、検査対象物品の内容物の形状や配置等を検査するのに好適なX線検査装置およびX線検査方法に関する。
X線により被検査物に要求される品質状態を検査するX線検査装置、特に搬送中の被検査物に照射したX線の所定期間ごとの累積透過量を透過領域ごとのX線検出器により検出し、X線画像を作成するようにしたX線検査装置が、従前より知られている。
また、このようなX線検査装置における検査方法として、異なる複数のX線画像のデータを取得し、それらX線画像のデータを基に異物検出処理に有用な画像を生成して、異物検出等の検査の精度を高めるようにしたものが知られている。
従来のこの種のX線検査装置およびX線検査方法としては、例えば被検査物のX線画像を、異物の画像および異物を含まない被検査物の画像をそれぞれ重み付けして合成した観測画像と見做し、各検査対象物品についてエネルギ帯の異なる複数のX線透過画像を取得することで、異物と被検査物の重み付けを変化させた複数の観測画像を得るようにして、独立成分分析による分離画像に基づいた異物の画像識別および検出処理を行なうものがある(特許文献1参照)。
また、被検査物に対し搬送面から外れる方向であって互いに異なる複数方向にファンビーム状のX線を照射して、各方向からのX線またはいずれかの方向からのX線により異物を認識可能にすることで、異物の形状や配置にかかわらず所要精度の異物検出を実行できるようにしたものもある(特許文献2参照)。
特開2009-192519号公報 特開2002-168802号公報
しかしながら、上記従来の前者のX線検査装置およびX線検査方法にあっては、独立成分分析による異物画像の分離が可能になるものの、搬送中の被検査物を予め設定された方向で撮像したX線画像を基にその撮像方向を観察方向(視線方向)とする検査方式となっていたため、何らかの理由で不測の姿勢変化や形状変化が生じたような場合、例えば重なり等の搬送状態の変化、製品の曲がりや破損、折損等が生じた場合等に、観察方向が好適でないために異物成分の分離や形状の特徴把握が容易でなく、誤検知等を生じてしまう懸念があった。
また、上記従来の後者のX線検査装置およびX線検査方法にあっては、複数方向からのX線ファンビームを被検査物の検査領域内で交差させる構成であったため、複数のX線源および複数のX線検出器が必要になり、X線検査装置の大型化やコスト高を招来してしまうという問題があった。
本発明は、上述のような従来の課題を解決すべくなされたものであり、X線源やX線検出器を構成簡素に配置しながらも、搬送中の被検査物の形状や姿勢の変化にかかわらず常に好適な観察方向からのX線画像で検査対象を的確に観察でき、低コストで誤検知を未然に防止しかつ小型化を図ることができるX線検査装置およびX線検査方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るX線検査装置は、上記目的達成のため、搬送される被検査物を透過するX線を発生するX線発生器と、前記被検査物を透過したX線を検出してX線検出信号を出力するX線検出器と、前記X線検出信号に基づいて生成される検査画像により前記被検査物の品質状態を判定する判定部と、を備えるX線検査装置において、前記X線検出器から出力されるX線検出信号に対応し、前記X線が前記被検査物を透過する方向を観察方向とする第1の検査画像を記憶するX線画像記憶部と、前記被検査物の品種に関する疑似3次元情報を生成する疑似3次元情報生成モデルを有し、前記第1の検査画像と前記疑似3次元情報とにより、前記被検査物について前記第1の検査画像とは異なる観察方向の第2の検査画像を作成する検査画像生成部と、を備え、前記判定部は、少なくとも前記検査画像生成部で作成された前記第2の検査画像に基づき、前記判定を実行するものである。
この構成により、本発明のX線検査装置では、X線検出器からのX線検出信号に対応する第1の検査画像として、X線画像記憶部に記憶される元の画像が学習対象品種の画像であるとき、学習対象品種に関する第1の検査画像を基にその検査画像とは観察方向の異なる第2の検査画像が検査画像生成部によって作成され、それら観察方向の異なる第1の検査画像および第2の検査画像のうち少なくとも第2の検査画像に基づいて判定部による判定が実行される。
したがって、複数の観察方向を有する高検出精度のX線検査装置としながらも、X線源やX線検出器の配置を観察方向に応じて変更、保持するための機構が不要となり、簡素に構成可能となる。その結果、搬送中の被検査物の姿勢や形状の変化にかかわらず常に好適な観察視線方向からのX線画像で検査対象を的確に観察でき、低コストで誤検知を未然に防止しかつ小型化を図ることができるX線検査装置となる。
(2)本発明の好ましい実施形態においては、前記疑似3次元情報により前記第2の検査画像を作成するときの前記観察方向を指定する指定手段をさらに有する構成とすることができる。
この場合、例えば学習対象品種について経験的に予測され、あるいは搬送条件から当然に予測される好適な観察方向を指定手段によって予め指定したり、調整したりすることができ、処理時間の短縮や観察方向の最適化が可能となる。
(3)本発明の好ましい実施形態においては、前記判定部が、前記第1の検査画像および前記第2の検査画像に基づいて、所定の特徴抽出処理を実行する画像処理手段を有している構成とすることもできる。
所定の特徴抽出処理は、例えばX線画像データに微分処理を施すことによってX線透過量に応じた画像濃度の変化が急峻なエッジや検出対象形状の輪郭等を強調するような処理であり、X線透過画像にあらわれる局所的な濃淡の特徴をとらえることができる。
(4)本発明の好ましい実施形態においては、前記疑似3次元情報生成モデルは、前記被検査物の品種に関する複数の観察方向のX線画像から、前記被検査物の品種の3次元形状に応じた濃淡パターンを学習したものとすることができる。
ここにいう複数の観察方向には、被検査物の品種に関する第1の検査画像の観察方向と、同観察方向に対し視点位置を前後左右に移動させた別の複数の観察方向を含めることができ、例えば第1の検査画像の観察方向に対し略直交する複数の別観察方向を含めることができる。
(5)本発明の好ましい実施形態においては、前記指定手段は、前記第2の検査画像を作成するときの前記観察方向を複数指定可能である構成とするのがよい。
(6)本発明に係るX線検査方法は、上記目的達成のため、搬送される被検査物を透過するX線を発生するX線発生ステップと、前記被検査物を透過したX線を検出してX線検出信号を出力するX線検出ステップと、前記X線検出信号に基づいて生成される検査画像により前記被検査物の品質状態を判定する判定ステップと、を含むX線検査方法であって、前記X線検出ステップで出力されるX線検出信号に対応し、前記X線が前記被検査物を透過する方向を観察方向とする第1の検査画像を記憶するX線画像記憶ステップと、前記被検査物の品種に関する疑似3次元情報を生成する疑似3次元情報生成モデルと前記第1の検査画像とにより、前記被検査物について前記第1の検査画像とは異なる観察方向の第2の検査画像を作成する検査画像生成ステップと、をさらに含み、前記判定ステップでは、少なくとも前記検査画像生成ステップで生成された前記第2の検査画像に基づき、前記判定を実行することを特徴とする。
この構成により、本発明のX線検査方法では、X線検出信号に対応する第1の検査画像として記憶された元の画像が被検査物の品種の画像であるとき、その品種に関する第1の検査画像を基にその検査画像とは観察方向の異なる第2の検査画像を作成し、それら観察方向の異なる第1の検査画像および第2の検査画像のうち少なくとも第2の検査画像に基づいて、被検査物の品質状態についての判定を実行する。
このようにすると、第1の検査画像の観察方向すなわち被検査物に対してX線を照射する方向に拘束されない任意の方向を観察方向とするX線画像を第2の検査画像とすることができ、例えば搬送形態が不測の形状をなすような重なり状態や、倒れやすい被検査物の搬送を安定化するために優先される載置状態によって制約を受ける観察方向がX線画像に死角を生じさせる状態等であっても、異物や特定形状を的確に検出可能な検査が可能となる。
本発明によれば、X線源やX線検出器を構成簡素に配置しながらも、搬送中の被検査物の姿勢や形状の変化にかかわらず好適な観察視線方向からのX線画像で検査対象を的確に観察でき、低コストで誤検知を未然に防止しかつ小型化を図ることができるX線検査装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るX線検査装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係るX線検査装置で実施されるX線検査方法の概略の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るX線検査装置におけるX線検査方法で、元の画像から観察方向の異なる複数の疑似検査画像を生成する段階の説明図である。 本発明の第2実施形態に係るX線検査装置におけるX線検査方法で、元の画像から観察方向の異なる複数の疑似検査画像を生成する段階の説明図である。 本発明の第3実施形態に係るX線検査装置におけるX線検査方法で、被検査物をX線透視した元の画像から観察方向の異なる複数の疑似検査画像を生成する段階の説明図である。 本発明の第3実施形態に係るX線検査装置におけるX線検査方法で、不良の被検査物をX線透視した元の画像から観察方向の異なる複数の疑似検査画像を生成する段階の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図3は、本発明を、搬送される被検査物(物品)中に混入した異物の検出が可能なX線検出装置およびX線検査方法として実施するための第1実施形態を示している。
まず、本実施形態のX線検査装置の構成について説明する。
図1および図2に示すように、X線検査装置1は、搬送部10、X線検査部20およびそれらの制御部30を具備しており、搬送部10によりコンベア搬送される被検査物Wに対しX線検査部20でX線を照射し、その透過X線量分布画像データを基に被検査物Wの品質状態を検査、例えば包装された食品等の被検査物W中への異物C(図3参照)の混入を検出するようになっている。なお、ここにいう品質状態とは、被検査物Wに製品として要求される品質や物理量の適否等、例えば混入異物の有無、欠品の有無、内容物の形状・サイズ・収納状態等の合否、密度・厚さ・体積もしくは質量の分布等である。
搬送部10は、ループ状の搬送ベルト11を複数の搬送ローラ12、13に巻回させ、搬送ベルト11の上走区間11aにより被検査物Wを図1中の右方向に順次搬送することができるコンベアであり、図示しない筐体に支持されている。
X線検査部20は、搬送部10により搬送される被検査物Wを透過する所定エネルギ帯のX線を発生するX線発生器21(X線源)を有しており、X線発生器21は、公知のX線管22でその管電流および管電圧に応じた波長および強度のX線を発生させるとともに、外囲器23のX線窓部23aを通し、搬送ベルト11上の所定検査区間の被検査物Wに対して、搬送部10の物品搬送方向とは直交する主観察方向に向かうファンビーム状のX線を照射できるようになっている。
X線検査部20は、さらに、搬送ベルト11の上走区間11aの直下に配置されたX線検出器24を有している。
このX線検出器24は、詳細を図示しないが、例えば蛍光体であるシンチレータとフォトダイオードもしくは電荷結合素子とからなる検出素子を、搬送部10の搬送路の幅員方向にアレイ状に所定ピッチで配設し、所定解像度でのX線検出を行なうようにしたX線ラインセンサカメラで構成されており、X線発生器21からのX線照射位置に対応する搬送方向所定位置に配置されている。
すなわち、X線検出器24は、X線発生器21から照射されて被検査物Wを透過したX線を前記検出素子に対応する所定透過領域ごとに検出し、そのX線の透過量に応じた電気信号に変換して、X線の透過する方向を観察方向とするX線透過画像を生成するためのX線検出信号を出力できるようになっている。
制御部30は、搬送部10での搬送ベルト11による被検査物Wの搬送速度や搬送間隔等を制御する搬送制御手段と、X線検査部20におけるX線照射強度や照射期間を制御したり被検査物Wの搬送速度に応じたX線検出器24のX線ラインセンサでのX線検出周期および各被検査物Wの検出期間等を制御したりする検査制御手段とを含んでいるが、詳細な図示は省略している。
制御部30は、また、各被検査物Wの検査期間中にX線検出器24からの所定周期ごとのX線検出信号を取り込んでX線透過画像を記憶するX線画像記憶部31と、X線画像記憶部31に取り込まれた画像データを基に生成されるX線画像を検査画像として取り込んで所定のフィルタ処理等の画像処理を実行する画像処理部32と、その画像処理部32による処理後の画像データを基に所定の判定処理、例えば異物の有無の判定処理を実行する判定部33と、判定部33での判定結果を表示出力可能な表示器34と、を有している。
X線画像記憶部31は、画像入力ユニットであり、例えばX線検出器24の複数の検出素子からの複数透過領域分のX線検出信号をそれぞれA/D変換し、X線検出器24における検出素子サイズに対応する所定の単位搬送時間ごとに、その検出素子の数n個(nは1より大きい整数で、例えば640個)すべての検出素子領域について、その単位時間内の累積の透過量のデータを、例えば0から1023までの階調を表す濃度レベルのデジタルデータとして画像メモリに書き込む動作(以下、ライン走査という)を実行するようになっている。
また、X線画像記憶部31は、ライン走査が各被検査物Wの検査期間に応じた所定走査回数だけ繰り返されるとき、順次メモリに書き込まれた透過濃度データをX線画像データD1として生成し、画像処理部32に出力する機能を発揮するデータ処理プログラムおよび作業メモリ(図示していない)を有している。
画像処理部32および判定部33は、例えば図示しないCPU、ROM、RAMおよびI/Oインターフェースを有するマイクロコンピュータと、後述する複数の処理部の各機能を発揮するための制御プログラムをROMと協働して読み出し可能に記憶した補助記憶装置と、タイマー回路等を含んで構成されており、ROM等に格納された制御プログラムに従って、CPUがRAM等との間でデータを授受しながら所定の演算処理を実行するとともに前記制御プログラムを実行するようになっている。
画像処理部32は、X線画像記憶部31から取り込まれる被検査物WごとのX線画像に所定のフィルタ処理や長さ算出処理等を施すフィルタ処理手段32aを有している。このフィルタ処理手段32aは、被検査物WごとのX線画像に異物の輪郭(エッジ)の強調処理を施す特徴抽出フィルタ、例えばSobelフィルタのような微分フィルタで、注目画素の近傍領域に所定の演算式に基づく微分処理等を施して異物のエッジを強調するようになっている。
画像処理部32は、さらに被測定物Wの混入異物検出を行う異物検出プログラムを有しており、この異物検出プログラムは、観察方向が異なる複数のX線画像として、元のX線画像データD1に対応する第1の検査画像Peと、後述する疑似検査画像のデータD2に対応する第2の検査画像Ps1、Ps2とについて、フィルタ処理手段32aによる前述の特徴抽出フィルタ処理を実行できるようになっている。
判定部33は、画像処理部32からの観察方向の異なる複数の検査画像から被検査物W中に検出された特徴形状や異物等を検出したり、その検出対象物の面積、輪郭長および濃度和等の特徴量を算出したりして、そのような特徴量を所定の判定基準値と比較することで、判定条件を満たす異物あるいは不良形状(局所の特徴形状を含む)が被検査物W内に含まれるか否かをするようになっている。
図1および図3に示すように、制御部30は、さらに、被検査物Wの品種に関して学習対象品種とした物品について、予めX線撮影した複数の観察方向のX線画像(透視画像)を基に、既知形状等に基づく3次元認識を行ったり、同一観察領域について互いに観察方向が異なる複数のX線画像を教師画像とする順伝播方向の深層学習を行ったりすることで、第1の検査画像Peからそれとは観察方向の異なる第2の検査画像Ps1、Ps2を生成可能にするための疑似3次元情報を取得する生成モデルである疑似3次元情報生成モデル41と、X線画像記憶部31からの2次元の所定画像サイズの第1の検査画像Peに対し、疑似3次元情報生成モデル41から供給される疑似3次元情報を基に所定のレンダリング処理を実行し、観察方向の異なる複数の疑似検査画像を第2の検査画像Ps1、Ps2として作成する検査画像生成部42と、学習対象品種の設定入力および第2の検査画像Ps1、Ps2の観察方向(別観察方向)の指定入力が可能な設定器43(指定手段)とを有している。
ここでいう学習対象品種の物品とは、検査対象の被検査物Wに対して、内容物の形状や包装形態が類似したサンプル物品(Ws:図示せず)を指す。さらには、内容物の形状や包装形態について想定される変動を再現した複数のサンプル物品(Ws1、Ws2、・・・)としても良い。このようなサンプル物品(Ws)は、好ましくは、被検査物Wと同一種類、同一包装形態(内容物の数量等)であるとよいが、必ずしも実際に検査対象となる被検査物と同一でなくとも、材質、形状や包装形態が類似していれば、実用上問題ない精度のモデルが生成可能である点に留意すべきである。
疑似3次元情報生成モデル41は、各学習対象品種の物品(Ws)について予め取得された観察方向が異なる(例えば満遍なく全方位にばらつく)複数の多諧調濃度のX線画像の画像データを用いて、それらの画像間における観察方向の違いとそれに伴う被検査物Wの局所的な、および、それより広い領域的な2次元投影像中の各要素の形状変化や画像濃度分布(例えば輝度勾配)の変化等といった特徴量の違いを学習し、更には既知の凹凸やテクスチャ情報等を把握した上で、それら特徴量の相違する複数の2次元画像を基に三角測量の原理等を用いて学習対象品種の物品(Ws)についての3次元モデル形状の情報を取得することができる学習器(図示せず)を含んで構成されている。
この疑似3次元情報生成モデル41は、好ましくは所定角度単位の全方位的な多観察方向の多諧調濃度のX線画像の画像データを用いて、学習対象品種についての3次元モデル形状の情報を取得する。また、ここにいう複数の観察方向には、学習対象品種に関する第1の検査画像の観察方向と、同観察方向に対し視線が傾く(交差する)ように視点位置を移動させた少なくとも1つの別観察方向を含めることができ、さらに、第1の検査画像の観察方向に対し直交する方向やその直交方向を主観察方向回りに回転させるよう視点位置を移動させた別観察方向を含めることができる。このとき、ボトル入りの液体など倒れやすい形状の被検査物Wについて搬送形態に制約がある場合でも、保持姿勢を変えることができるケースなどを用いれば、容易に別観察方向のX線画像の画像データを得られる。
また、疑似3次元情報生成モデル41は、X線画像記憶部31からの第1の検査画像の入力データが学習対象品種であるとき、その学習対象品種の被検査物Wについて学習済みの3次元形状等の情報を疑似3次元情報として検査画像生成部42に出力することができる。そして、検査画像生成部42は、疑似3次元情報を用いて、第1の検査画像の入力データから観察方向の異なる第2の検査画像のデータを作成するようになっている。
具体的には、疑似3次元情報生成モデル41は、例えば学習対象品種の被検査物Wについて指定され得る観察方向ごとに、同品種の被検査物Wの予めラベル付けされた複数の学習対象のX線画像について、例えば各X線画像中にフィルタ(特徴抽出)処理可能な小領域を設定し、その小領域の画像データから局所特徴量を抜き出す畳み込み処理を、そのX線画像中で小領域を順次スライドさせながら繰り返してフィルタ内情報が畳み込まれた1層の畳込み層のレイヤ画像を作成したり、これを更に圧縮した1層のプーリング層のレイヤ画像を作成する特徴抽出と隣接するレイヤ画像間のノード(前述の特徴量の値)のランダムな重み付け結合からの組合せの特徴抽出を、フィルタや移動範囲等を変化させて多層に実行したりして、領域ベースでなければ抽出し難い特徴量変化を対象画像中の被検査物Wの位置ずれや回転等にかかわらず自動抽出可能な多層(n層)のニューラルネットワークを含んで構成されている。
また、疑似3次元情報生成モデル41は、被検査物Wの所定の品種ごとにX線撮影によりサンプル作成された多数の第1の検査画像および第2の検査画像の学習対象画像の特徴点を予め検出した上で、ニューラルネットワークの各層の特徴量や隣接もしくは近接層のノード間の特徴量の関係を複数の観察方向の間で比較し、被検査物Wに照射されるX線の照射方向と観察方向のなす交差角度および交差方向の差異に対応する特徴量の差異、例えば2次元投影像の局所的なおよびそれより広い領域の特徴形状、その長さや半径、輝度勾配、透過量等の変化を把握して、多層のニューラルネットワークのレイヤ間の特定のノードの結合の組合せにおける特徴量の重み付け係数や活性化関数等の演算式を特定し、第1の検査画像の観察方向とは異なる任意の別観察方向の第2の検査画像に変更した場合に得られるX線画像の擬似検査画像を作成するための前述の疑似3次元情報として出力できるようになっている。
検査画像生成部42は、疑似3次元情報生成モデル41における多層のニューラルネットワークに対応する画像生成用のニューラルネットワーク、例えば学習済みの各層の局所特徴のパラメータや重み付け係数等を用いる畳み込みニューラルネットワークを有しており、X線画像記憶部31からX線透過方向に対応する主観察方向の第1の検査画像のデータが入力されるとき、その入力画像と、疑似3次元情報生成モデル41からの前述の疑似3次元情報とに基づいて、主観察方向とは異なる観察方向として予め指定された観察方向の疑似検査画像である第2の検査画像のデータD2を生成することができる。なお、図1中では、第2の検査画像のデータD2は、主観察方向に対して直交する搬送面に対しそれぞれ略平行で互いに直交するA方向の疑似検査画像Ps1とB方向の疑似検査画像Ps2とを含んでいるが、第2の検査画像の観察方向およびその数は任意であり、観察方向の指定手段である設定器43により設定可能および変更可能である。
検査画像生成部42は、さらに、第1の検査画像の教師画像を入力したとき、その入力に対するニューラルネットワーク出力と対応する第2の検査画像の教師画像との間における局所特徴量の誤差を算出し、その誤差を最小化するように、いわゆる逆伝播法によるパラメータ学習等を実行するようになっており、第1の検査画像の教師画像を入力したときの検査画像生成部42から出力されるデータD2が、第2の検査画像の教師画像に疑似する程度を所要の類似レベルに向上させ得るようになっている。
制御部30は、このように観察方向が互いに異なる第1の検査画像および第2の検査画像のX線画像データ(例えばn行k列のデータ)を基に、被検査物Wに対するそれら複数の観察方向の検査画像における局所特徴量の違いを、多層のニューラルネットワーク構成の疑似3次元情報生成モデル41で学習しておき、その学習結果を用いる検査画像生成部42により、X線画像記憶部31から第1の検査画像のデータD1を基に他の観察方向の第2の検査画像のデータD2を作成することで、異物や不良形状等の的確な観察画像を取得できるように構成されている。
この検査画像生成部42で生成された各第2の検査画像は、X線画像記憶部31からの第1の検査画像と同様に画像処理部32に取り込まれ、そこで、前述のフィルタ処理手段32aによって被検査物W内に含まれる異物等のエッジを強調する画像処理等がなされて判定部33に出力される。そして、判定部33により、例えば被検査物Wの内部に含まれる物体の2値画像から、その物体の面積、輪郭長および濃度和の3種類の特微量を算出し、それらの特微量を所定の判定基準値と比較することで、異物が被検査物W内に含まれるか否かが判定される。
このように、本実施形態では、被検査物Wが所定の検査区間を通過する度にX線画像記憶部31に記憶される主観察方向の第1の検査画像のデータD1を基に、観察方向が異なる別観察方向の第2の検査画像のデータD2が作成されるとともに、その第2の検査画像が互いに観察方向の異なるA方向の疑似検査画像Ps1およびB方向の疑似検査画像Ps2として作成される。これにより、被検査物Wが部分的に重なってしまうような搬送形状変化が生じて、重なり部のX線透過厚さに応じて主観察方向における重なり部の画像濃度が増加し、X線吸収線量が大きい異物等と重なり部が区別し難くなるような場合でも、いずれかの観察方向の好適な第2の検査画像、例えばA方向の疑似検査画像Ps1を用いることで、異物等やその位置関係を的確に観察可能にしている。
なお、ここでは、第1の検査画像は主観察方向を特定する真の透過画像として扱い、判定部33による判定は、互いに観察方向の異なる第1および第2の検査画像のうち第2の検査画像に基づいて実行されるものとしているが、必要に応じ第2の検査画像と併せて第1の検査画像を判定に用いることは勿論可能である。すなわち、判定部33による判定は、第1および第2の検査画像のうち少なくとも第2の検査画像に基づいて実行され得るものである。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2は、本実施形態のX線検査装置1で実行される一実施形態のX線検査方法における概略の処理手順を示している。
図2および図3に示すように、まず、搬送部10により被検査物W(図3中では、例えば複数のソーセージ)が所定の速度および搬送間隔で搬送されるとともに、所定の検査区間を通過する。次いで、検査区間内への被検査物Wの進入が図示しない物品検知センサで検知されると、X線検査部20のX線発生器21で被検査物Wを透過可能なX線を発生させる(X線発生ステップ)。このX線は被検査物Wに照射され、透過したX線がX線検出器24のライン走査によって所定透過領域ごとに検出されて(X線検出ステップ)、そのX線の透過量に応じたX線検出信号が、X線検出器24から出力されてX線画像記憶部31に順次取り込まれる(X線画像記憶ステップ)。
そして、X線検出器24のライン走査が所定走査回数だけ繰り返される間に、X線画像記憶部31に順次書き込まれた透過量をその各画素の濃度値とする元の画像(以下、元画像という)のデータが取得され(ステップS11)、第1の検査画像のデータD1として画像処理部32に出力されるとともに、検査画像生成部42にも出力される。
次いで、検査画像生成部42により、X線画像記憶部31からの入力画像である第1の検査画像と疑似3次元情報生成モデル41からの前述の疑似3次元情報とに基づいて、観察方向の異なる疑似検査画像である第2の検査画像のデータD2が生成される(ステップS12;検査画像生成ステップ)。
次いで、画像処理部32により、X線画像記憶部31からの主観察方向の第1の検査画像Peと、検査画像生成部42からの第2の検査画像であるA方向の疑似検査画像Ps1およびB方向の疑似検査画像Ps2とを用いて、各観察方向の検査画像Pe、Ps1、Ps2について、異物や輪郭のエッジ強調等の処理がなされた判定用画像データD3が生成されるとともに、判定用画像データD3が例えば2値化され、所定の特微量D4(例えば長さ)が算出される。そして、判定部33で、特微量D4を所定の判定基準値と比較することで、異物の有無に対応する良否判定が実行される(ステップS13;判定ステップ)。
このとき、例えば複数の被検査物Wの搬送形態が相互の重なりを生じ、その重なり部分で片方の被検査物Wに異物Cが混入していたとすると、図3中の第1の検査画像PeおよびB方向の疑似検査画像Ps2に示すように、重なり部分や長さ方向への観察ではX線の吸収線量が増加するためにX線画像の濃度が濃くなり、その範囲内に異物Cが混入していることが観察画像から容易に判定できないことが懸念される。しかしながら、本実施形態では、A方向からの疑似検査画像Ps1においては被検査物Wの重なり部分がなく、片方の被検査物W中に混入した異物Cが的確に観察可能となる。
このように、本実施形態においては、X線検出器24からのX線検出信号に対応する元の画像としてX線画像記憶部31に記憶される第1の検査画像が、予め登録された学習対象品種の画像であるとき、その学習対象品種に関する第1の検査画像のデータD1を基に、その検査画像とは観察方向の異なる第2の検査画像のデータD2が検査画像生成部42によって生成される。そして、それら観察方向の異なる第1の検査画像Peおよび第2の検査画像Ps1、Ps2に基づいて判定部33による所定の判定処理が実行されることで、複数の観察方向を有する高異物検出精度のX線検査装置としながらも、X線発生器21やX線検出器24を簡素に配置可能な装置構成となる。その結果、被検査物Wの搬送中の姿勢や形状の変化にかかわらず常に好適な異物の検出や位置関係の把握に好適な観察視線方向からのX線画像で検査対象を的確に観察することができ、低コストで誤検知を未然に防止しかつ小型化を図ることができるX線検査装置を提供することができる。
また、本実施形態では、疑似3次元情報生成モデル41により第2の検査画像のデータD2を作成するときの観察方向を指定する指定手段としての設定器43を有しているので、例えば学習対象品種について経験的に予測される、または形状から決定づけられる画像上での重なり合いが少ない観察方向、あるいは搬送条件から当然に予測される好適な観察方向を設定器43によって予め指定したり、その観察方向の水平方向の向きや垂直方向の傾き角を調整したりすることができ、処理時間の短縮や観察方向の最適化ができる。
さらに、本実施形態では、第1の検査画像のデータD1および第2の検査画像のデータD2がそれぞれ2次元の画像であり、制御部30が、判定部33に加えて、両検査画像のデータD1、D2に対して、所定の特徴抽出処理を実行する画像処理部32(画像処理手段)を有しているので、例えば各検査画像のデータD1、D2に微分処理を施すことによってX線透過量に応じた画像濃度の変化が急峻なエッジや検出対象形状の輪郭等を強調することが可能となり、X線透過画像の局所的な特徴をとらえて検査精度を有効に高めることができる。
加えて、本実施形態では、疑似3次元情報生成モデル41を、学習対象品種に関する全方位的な多観察方向のX線画像から、被検査物Wの3次元形状を学習したものとするので、第2の検査画像のデータD2を生成するのに有効な疑似3次元情報を生成可能となる。
また、本実施形態では、指定手段として設定器43が、第2の検査画像を作成するときの観察方向を複数指定可能であるので、第1の検査画像の観察方向に拘束されない任意の複数方向からの観察画像を第2の検査画像とすることができ、例えば被検査物Wの搬送形態が不測の形状をなすような重なり状態等であっても、異物や特定形状を的確に検出可能な検査が可能となる。
設定器43による別観察方向の指定は、主観察方向に対して所定交差角(例えば90度、45度等)をなすとともに互いに等角度間隔(例えば90度、45度等)をなす複数の候補観察方向のうちいずれかを選択して指定するものであってもよいし、その所定交差角や等角度間隔を可変設定するものであってもよい。
本実施形態のX線検査方法では、X線検出信号に対応する第1の検査画像Peとして記憶された元の画像が被検査物の品種の画像であるとき、その品種に関する第1の検査画像Peを基にその検査画像とは観察方向の異なる第2の検査画像Ps1、Ps2が作成され、それら観察方向の異なる第1の検査画像Peおよび第2の検査画像Ps1、Ps2のうち少なくとも第2の検査画像Ps1、Ps2に基づいて、被検査物の品質状態についての判定処理が実行される。
したがって、第1の検査画像Peの観察方向すなわち被検査物に対してX線を照射する方向に拘束されない任意の方向を観察方向とするX線画像を第2の検査画像Ps1、Ps2とすることができ、例えば搬送形態が不測の形状をなすような重なり状態や、倒れやすい被検査物の搬送を安定化するために優先される載置状態によって制約を受ける観察方向がX線画像に死角を生じさせる状態等であっても、異物や特定形状を的確に検出可能な検査処理が可能となる。
このように、本実施形態においては、簡素な構成にしながらも、搬送中の被検査物Wの姿勢や形状の変化にかかわらず好適な観察視線方向からのX線画像で検査対象を的確に観察でき、低コストで誤検知を未然に防止しかつ小型化を図ることができるX線検査装置およびX線検査方法を提供することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明を、被検査物Wの形状やサイズの許容範囲から外れる形状不良品を検出可能なX線検出装置として実施するための第2実施形態を示している。
本実施形態は、基本的な装置構成が図1に示す第1実施形態と同様のものであり、その動作が、元の画像から観察方向の異なる複数の疑似検査画像を生成するX線検査処理を実行することにより、被検査物Wの曲がり等の変形や折れによる長さ不足等を不良として検出する点で、第1実施形態とは相違する。以下、第1実施形態と同様な構成については図1に示した対応する構成要素と同一の符号を用い、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図4に示すように、制御部30は、前述の疑似3次元情報を深層学習によって取得する疑似3次元情報生成モデル41と、X線画像記憶部31からの2次元の所定画像サイズの第1の検査画像Peに対し、疑似3次元情報生成モデル41からの疑似3次元情報を基に、観察方向の異なる複数の第2の検査画像Ps1、Ps2を作成する検査画像生成部42とを含んで構成されている。
疑似3次元情報生成モデル41は、第1の検査画像Peの主観察方向に対し直交するA方向およびB方向を2つの別観察方向として、X線画像記憶部31からの第1の検査画像Peが学習対象品種に関するものであるとき、その学習対象品種の被検査物Wについて学習済みの3次元形状等の情報を疑似3次元情報として検査画像生成部42に出力する。
そして、検査画像生成部42は、入力される第1の検査画像Peと対応する疑似3次元情報とを用いて、第1の検査画像Peの入力データD1から観察方向の異なる第2の検査画像Ps1、Ps2のデータD2を作成する。
このとき、例えば折れ易い被検査物Wの一部が折れて脱落してしまい、被検査物Wが形状やサイズの許容範囲から外れる程度に短くなってしまったとすると、図4中の第1の検査画像Peおよび第2の検査画像である疑似検査画像Ps1、Ps2に示すように、主観察方向およびA方向からの観察によって長さ(幅方向長さを含む)不足の不良形状を把握可能となる。
ただし、B方向からの観察画像に示すように、被検査物Wに反りや湾曲が生じたために製品としての長さ幅が正常であるにもかかわらず、主観察方向からの観察では長さ不足と観察される場合には、必要な製品質量を満たす正常品であっても長さ不足の不良と判定されることが懸念される。勿論、被検査物Wが重なったために、主観察方向からの観察では長さが過大となる形状不良と判定されることも懸念される。
本実施形態では、被検査物Wに曲りが生じ、A方向の疑似検査画像Ps1では厚さが増した程度でその曲りが把握し難い場合であっても、B方向の観察画像から被検査物Wの側面の輪郭形状を把握したりその輪郭長さを算出したりすることで、製品が正常品で長さ不足でないことが的確に判定可能となる。
このように、本実施形態においても、X線発生器21やX線検出器24を構成簡素に配置しながらも、搬送中の被検査物Wの姿勢や形状の変化にかかわらず好適な観察視線方向からのX線画像で検査対象を的確に観察でき、第1実施形態と同様な効果を得ることができるものとなる。
(第3実施形態)
図5および図6は、本発明を、被検査物Wが内容物や内腔の形状もしくはサイズの許容範囲から外れる形状不良品であることを検出可能なX線検出装置として実施するための第3実施形態を示している。
本実施形態も、第2実施形態と同様に、基本的な装置構成が図1に示す第1実施形態と同様のものであって、その動作が、元の画像から観察方向の異なる複数の疑似検査画像を生成するX線検査処理を実行することにより、被検査物Wの内容物や内腔の形状やサイズの不良を検出する点で、第1、第2実施形態とは相違する。
図5および図6に示すように、制御部30は、前述の疑似3次元情報生成モデル41および検査画像生成部42を含んで構成されおり、疑似3次元情報生成モデル41は、X線画像記憶部31からの第1の検査画像Peが学習対象品種に関するものであるとき、その学習対象品種の被検査物Wについて学習済みの3次元形状等の情報を疑似3次元情報として検査画像生成部42に出力する。そして、検査画像生成部42は、入力される第1の検査画像Peと対応する疑似3次元情報とを用いて、第1の検査画像Peの入力データD1から観察方向の異なる第2の検査画像Ps1、Ps2のデータD2を作成する。
ここで、被検査物Wが複数の食品w1ないしw6を含み、各食品w1~w6が例えば所定形状の具材や果肉等の中身を他の食用ケーシング材等で包んだものであった場合、図5に示すように食品w4の中身が他の食品w1~w3、w5、w6の中身とは異なる斜め姿勢になったときには、主観察方向の第1の検査画像Pe中では食品w4の中身がその長さ方向に傾いた観察方向から観察されることになり、短く見えるが、正常品である。
この場合、主観察方向の第1の検査画像Peのみで良否判定を行うと、被検査物Wに入った食品w4の中身がサイズ不足と判定されることが懸念される。
しかしながら、本実施形態では、各食品w1~w6の中身の形状のような局所特徴量を含む観察透過領域ごとに、B方向からの疑似検査画像Ps11、Ps12やA方向からの疑似検査画像Ps21、Ps22、Ps23を準備することで、図5中のA方向画像では食品w4の中身は他より厚く見えるだけであるが、図5中のB方向画像に示すように、食品w4の中身の姿勢を把握できるので、中身が正常であるにもかかわらず、主観察方向からの観察ではサイズ不足と観察されることを防止できる。
一方、図6に示すように食品w4の中身が他の食品w1~w3、w5、w6の中身より短いサイズ不足の不良品であったときには、主観察方向の第1の検査画像Pe中では食品w4の中身の長さが不足に見えるが姿勢が傾いたものかも知れず、的確に把握できない。よって、主観察方向の第1の検査画像Peのみで良否判定を行うと、被検査物Wに入った食品w4の中身がサイズ不足と判定されないことが懸念される。
しかしながら、本実施形態では、各食品w1~w6の中身の形状のような局所特徴量を含む観察透過領域ごとに、B方向からの疑似検査画像Ps11、Ps12やA方向からの疑似検査画像Ps21、Ps22、Ps23を準備することで、図6中のA方向画像では食品w4の中身は他と同様に見えるだけであるが、図6中のB方向画像に示すように、食品w4の中身の長さが不足していることが的確に把握できるので、中身が不良であるにもかかわらず、正常と誤判定されることが防止できることになる。
このように、本実施形態においても、X線発生器21やX線検出器24を構成簡素に配置しながらも、搬送中の被検査物Wの姿勢や形状の変化にかかわらず好適な観察視線方向からのX線画像で検査対象を的確に観察でき、第1実施形態と同様な効果を得ることができるものとなる。
なお、上述の第1実施形態においては、第1の検査画像Peが鉛直方向の主観察方向のみからのX線画像であるものとしたが、本発明は、鉛直方向に対し互いに逆方向に傾く2つの主観察方向からの元画像を用いて、それら複数の第1の検査画像と対応する別観察方向の複数の第2の検査画像とによって第1ないし第3実施形態におけるようなX線検査の処理を実行するようにしてもよいことはいうまでもない。
また、本発明にいう疑似透過画像を作成する検査画像生成部42は、AI(人工知能)を用いた多層式のニューラルネットワーク構成の学習器や画像生成モデルを使用するものとしたが、製品によっては定形であり、多方向観察したX線画像情報中での観察方向による定形部分の傾きや形状変化、画像濃度勾配等から従来の3次元認識技術を用いて疑似3次元情報を生成可能となる場合も考えられる。
さらに、検査画像作成部42が判定部33に対して出力する検査画像を疑似検査画像である第2の検査画像Ps1、Ps2等として説明したが、勿論、第1、第2の検査画像のデータD1、D2を判定に適した画像に処理した後、それぞれに対応する画像を判定部33に出力することもでき、複数の判定結果を基に総合判定することができることはいうまでもない。
以上説明したように、本発明は、X線源やX線検出器を構成簡素に配置しながらも、搬送中の被検査物の形状や姿勢の変化にかかわらず常に好適な観察方向からのX線画像で検査対象を的確に観察でき、低コストで誤検知を未然に防止しかつ小型化を図ることができるX線検査装置を提供することができるものである。かかる本発明は、複数の検査画像を用いて異物検出や欠品検出、検査対象物品の内容物の形状や配置等を検査するのに好適なX線検査装置全般に有用である。
1 X線検査装置
10 搬送部
11 搬送ベルト
11a 上走区間
12、13 搬送ローラ
20 X線検査部
21 X線発生器(X線源)
22 X線管
23 外囲器
23a X線窓部
24 X線検出器(X線ラインセンサ)
30 制御部
31 X線画像記憶部
32 画像処理部
32a フィルタ処理手段
33 判定部
34 表示器
41 疑似3次元情報生成モデル(学習器、検査画像作成部)
42 検査画像生成部(検査画像作成部、疑似検査画像生成部)
43 設定器(指定手段)
D1 第1の検査画像のデータ(元のX線画像のデータ)
D2 第2の検査画像のデータ(疑似検査画像のデータ)
D3 判定用画像データ
D4 特微量
Pe 第1の検査画像(元のX線画像)
Ps1、Ps2 疑似検査画像(第2の検査画像、観察画像)
Ps11、Ps12 疑似検査画像(第2の検査画像、観察画像)
Ps21、Ps22、Ps23 疑似検査画像(第2の検査画像、観察画像)
W 被検査物
w1~w6 食品(中身、内容物)

Claims (6)

  1. 搬送される被検査物を透過するX線を発生するX線発生器と、
    前記被検査物を透過したX線を検出してX線検出信号を出力するX線検出器と、
    前記X線検出信号に基づいて生成される検査画像により前記被検査物の品質状態を判定する判定部と、を備えるX線検査装置において、
    前記X線検出器から出力されるX線検出信号に対応し、前記X線が前記被検査物を透過する方向を観察方向とする第1の検査画像を記憶するX線画像記憶部と、
    前記被検査物の品種に関する疑似3次元情報を生成する疑似3次元情報生成モデルを有し、前記第1の検査画像と前記疑似3次元情報とにより、前記被検査物について前記第1の検査画像とは異なる観察方向の第2の検査画像を作成する検査画像生成部と、を備え、
    前記判定部は、少なくとも前記検査画像生成部で作成された前記第2の検査画像に基づき、前記判定を実行することを特徴とするX線検査装置。
  2. 前記疑似3次元情報により前記第2の検査画像を作成するときの前記観察方向を指定する指定手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 前記判定部が、前記第1の検査画像および前記第2の検査画像に基づいて、所定の特徴抽出処理を実行する画像処理手段を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のX線検査装置。
  4. 前記疑似3次元情報生成モデルは、前記被検査物の品種に関する複数の観察方向のX線画像から、前記被検査物の品種の3次元形状に応じた濃淡パターンを学習したものであることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のX線検査装置。
  5. 前記指定手段は、前記第2の検査画像を作成するときの前記観察方向を複数指定可能であることを特徴とする請求項2に記載のX線検査装置。
  6. 搬送される被検査物を透過するX線を発生するX線発生ステップと、
    前記被検査物を透過したX線を検出してX線検出信号を出力するX線検出ステップと、
    前記X線検出信号に基づいて生成される検査画像により前記被検査物の品質状態を判定する判定ステップと、を含むX線検査方法であって、
    前記X線検出ステップで出力されるX線検出信号に対応し、前記X線が前記被検査物を透過する方向を観察方向とする第1の検査画像を記憶するX線画像記憶ステップと、
    前記被検査物の品種に関する疑似3次元情報を生成する疑似3次元情報生成モデルと前記第1の検査画像とにより、前記被検査物について前記第1の検査画像とは異なる観察方向の第2の検査画像を作成する検査画像生成ステップと、をさらに含み、
    前記判定ステップでは、少なくとも前記検査画像生成ステップで生成された前記第2の検査画像に基づき、前記判定を実行することを特徴とするX線検査方法。
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