以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る車両用表示システムについて詳細に説明する。なお、各図面は各部材の位置関係を説明することを目的としているため、必ずしも実際の各部材の寸法関係を表すものではない。また、各実施形態の説明において、同一または対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用表示システム10を搭載した車両100の側面図である。図2は、本発明の実施形態に係る車両用表示システム10を搭載した車両100の背面図である。図3は、本発明の実施形態に係る車両用表示システム10を説明するための機能ブロック図である。
本実施形態に係る車両用表示システム10は、車両外部から視認可能に設けられたディスプレイ装置12と、車両の状態情報をディスプレイ装置12に表示させるディスプレイ制御装置16(図3参照)とを備える。
ディスプレイ装置12は、薄型ディスプレイであれば特に限定されず、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイを好適に用いることができる。図1に示すように、ディスプレイ装置12は、車両の外部、すなわち車両100の側面のフロントドア101、リヤドア102およびリヤフェンダー103に配置されている。また、図2に示すように、ディスプレイ装置12は、車両100の背面のトランクフード104にも配置されている。しかしながら、ディスプレイ装置12の配置される位置は、これらに限定されず、たとえば車両100のボンネット105、ルーフ106、フロントバンパー107等に配置されてもよい。例えば車両100のルーフ106にディスプレイ装置12を配置した場合には、高層ビル、飛行機、ヘリコプターなど上空から見える広告を表示してもよい。また、ディスプレイ装置12の配置される位置は、車両外部から視認可能であればよく、例えばウィンドウガラスの内側など、車両の内部に配置されてもよい。また、図1および図2に示すディスプレイ装置12の形状は一例であり、当然ながらこれらの形状に限定されない。
図4は、ディスプレイ装置12の発光状態を説明するための図である。本実施形態において、ディスプレイ装置12は、図4に示すように車両周囲の路面を照らすよう配置される。このように車両周囲の路面を照らすことにより、車両周囲を通行する歩行者等が路面状況を確認しやすくなる。
ディスプレイ制御装置16は、ディスプレイ装置12の表示内容を制御する。ディスプレイ制御装置16は、車両100の内部(例えばダッシュボード内)に搭載される。
ディスプレイ制御装置16には、車両100から車両周囲の物体までの距離を検知するための距離センサ14が接続される。この距離センサ14の検知対象物は、人、他の車両等である。距離センサ14の種類は特に限定されず、例えば超音波センサや赤外線センサを好適に用いることができる。図1に示すように、距離センサ14は、車両100の側面のフロントドア101、リヤドア102およびリヤフェンダー103に配置されている。また、図2に示すように、距離センサ14は、車両100の背面のリヤバンパー108にも配置されている。しかしながら、距離センサ14の配置される位置および個数は特に限定されない。
ディスプレイ制御装置16は、距離センサ14から信号を受け取り、該信号に基づいて車両100から車両周囲の物体までの距離を演算する。ディスプレイ制御装置16は、該距離に応じて、ディスプレイ装置12の表示を変更してよい。例えば、車両100から所定距離以内に歩行者が接近した場合、ディスプレイ制御装置16は、ディスプレイ装置12の発光強度を高めたり、発光色を変化させる。これにより、歩行者に対して車両が近づいていることを認識させることができる。また、ディスプレイ制御装置16にスピーカを設け、光に加えて音で車両の接近を歩行者に認識させてもよい。
図3に示すように、ディスプレイ制御装置16には、ドアの開閉状態を検知するための開閉センサ15が接続されてもよい。ディスプレイ制御装置16は、開閉センサ15から信号を受け取り、該信号に基づいてディスプレイ装置12の表示を変更してもよい。例えば、ドアが開かれた際にディスプレイ装置12を発光させることにより、搭乗者の足下を照らすことができる。
ディスプレイ装置12は、単に発光するだけでなく、車両の状態情報を歩行者や他の車両に提示するために、図形や文字を表示可能に構成されてよい。図5は、ディスプレイ装置12に表示される図形(アイコン)の一例を示す。アイコン50は、車両前方で事故が発生していることを他の車両や歩行者に示すものである。図3に示すように、ディスプレイ制御装置16は、車両前方の事故情報を取得するためにナビゲーションシステム17に接続されてよい。このような情報を提示することにより、歩行者や他の車両に注意喚起をすることができる。また、後続車の運転者は、視線を自車のナビゲーションシステムに向けることなく情報を取得できるため、安全性を高めることができる。
図5に示すアイコン51は、車両が減速または停止することを他の車両や歩行者に示すものである。図3に示すように、ディスプレイ制御装置16は、減速や停止情報を取得するために、車両のブレーキシステム19に接続されてよい。このような減速情報はストップランプによっても提示されるが、それに加えてディスプレイ制御装置16でも提示することで、歩行者や他の車両に対する注意喚起を高めることができる。同様に、ディスプレイ制御装置16は、車両前方の歩行者、落下物等の情報や、進行方向の渋滞情報をディスプレイ装置12に表示してもよい。
車両100が自動運転または手動運転が可能な車両である場合、図5に示すアイコン52を表示してもよい。アイコン52は、車両100が自動運転中であるか手動運転中であるかを示す。すなわち、アイコン52が点灯している場合は車両100が自動運転中であることを示し、アイコン52が消灯している場合は車両100が手動運転中である。図3に示すように、ディスプレイ制御装置16は、車両100が自動運転中であるか手動運転中であるかの情報を取得するために、自動運転制御装置20に接続されてよい。このような自動運転中であるか手動運転中であるかを示すアイコン52を提示することで、歩行者や他の車両に対して注意喚起をすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用表示システム10によれば、車両周囲の歩行者や他の車両のドライバーにより多くの車両情報を提示することができる。
図6は、本発明の別の実施形態に係る車両用表示システム60を説明するための図である。図6に示す車両用表示システム60は、例えばショッピングモール62の駐車場において、店舗63の広告を車両100のディスプレイ装置12に表示するものである。
車両用表示システム60は、車両100の外部から視認可能に設けられたディスプレイ装置12と、店舗63から無線で送信された広告情報を受信する受信装置61と、受信装置61で受信した広告情報をディスプレイ装置12に表示させるディスプレイ制御装置16とを備える。
店舗63と受信装置61との間の無線通信方式は特に限定されず、例えば無線LAN等であってよい。受信装置61は、専用の受信器を用いてもよいし、例えばスマートフォンやナビゲーションシステムの受信器で代用してもよい。
ディスプレイ装置12は、例えば図6に示すように車両100のウィンドウに設けられてもよいし、図1に示すように車両100のドアに設けられてもよい。車両100のウィンドウに設ける場合には、透過型のディスプレイであることが望ましい。
この車両用表示システム60によれば、駐車場内の歩行者に対して有効に広告情報を提示することができる。特に、広告情報を歩行者のスマートフォンに送信する方式と比較して、歩行者が歩きながらスマートフォンを見る必要がなく安全性が高いという点で有利である。
図7は、本発明のさらに別の実施形態に係る車両用表示システム70を説明するための機能ブロック図である。図7に示すように、車両用表示システム70においては、ディスプレイ制御装置16にステアリングホイール(図示せず)の操舵角を検知する操舵角センサ71が接続されている。また、ディスプレイ制御装置16には、ターンシグナルランプ73の点消灯を切り替えるためのターンシグナルスイッチ72も接続されている。
図8は、本実施形態に係る車両用表示システム70の動作を説明するための図である。図8は、車両100の背面を示す。車両100のトランクフード104にディスプレイ装置12が配置されている。また、ディスプレイ装置12の下方には左右両側にターンシグナルランプ73L,73Rが配置されている。
車両用表示システム70において、ディスプレイ制御装置16は、操舵角センサ71から得られた操舵角に応じて、ディスプレイ装置12の左端領域12L、右側領域12Rの発光強度を変化させる。例えばターンシグナルスイッチ72の操作により左側のターンシグナルランプ73Lがオンされると、ターンシグナルランプ73Lが点灯する。このとき、ステアリングホイールが操作されて操舵角センサ71により操舵角情報がディスプレイ制御装置16に入力されると、ディスプレイ制御装置16は、ディスプレイ装置12の左端領域12Lを点灯させる。ここで、ディスプレイ制御装置16は、操舵角センサ71から得られた操舵角に応じて、ディスプレイ装置12の左端領域12Lの発光強度を変化させる。例えば、操舵角が大きくなるほど、左端領域12Lの発光強度を高くする。これにより、歩行者や他の車両(例えば後続車)に対して、自車両がどの方向に曲がろうとしているのかを提示することができる。これにより、歩行者等は、早いタイミングで車両の進行方向を察知することができるので、安全性を向上することができる。
上記では、操舵角センサ71から得られた操舵角に応じて、ディスプレイ装置12の左端領域12L、右側領域12Rの発光強度を変化させたが、発光強度変化させるのに加えて又は代えて、左端領域12L、右側領域12Rの発光面積を変化させてもよい。例えば、操舵角が大きくなるほど、左端領域12L、12Rの発光面積を大きくする。この場合も、歩行者や後続車に対して、自車両がどの方向に曲がろうとしているのかを好適に提示することができる。
図9は、本発明のさらに別の実施形態に係る車両用表示システム90を説明するための機能ブロック図である。図9に示すように、車両用表示システム90においては、ディスプレイ制御装置16に入力デバイス91が接続されている。この入力デバイス91は、インターネット93を介してデータベース92から色、配光パターン、点滅パターンなどの情報をダウンロードし、ダウンロードした情報をディスプレイ制御装置16に送信する。ディスプレイ制御装置16は、入力デバイス91から入力された情報に基づき、ディスプレイ装置12の色、配光パターン、点滅パターンなどを制御する。
図10は、本実施形態に係る車両用表示システム90の動作を説明するための図である。車両用表示システム90によれば、図10の左側に示すパターン(円形)から右側に示すパターン(三角形)に変化させるといったように、ディスプレイ装置12を任意のパターンに光らせることができる。
図11は、タッチパネルを用いたキーレスエントリーシステム110を示す。図11に示すように、車両100のドア111にタッチパネル112が配置されている。また、タッチパネル112内またはその近傍に、カメラ113が配置されている。
このキーレスエントリーシステム110においては、図11に示すように、タッチパネル112に予め設定された図形を描くと、ドア111のロックが解除される。カメラ113は、タッチパネル112の操作者の顔を撮影し、制御装置(図示せず)に送る。制御装置は、使用する人の顔、使用頻度を記録する。制御装置は、画像記録にない者がロックを解除した場合、車両100の所有者の携帯端末114に警報を通知する。また、制御装置は、画像記録にない者がロック解除を規定回数以上失敗した場合、車両100の所有者の携帯端末114に警報を通知してもよい。その際、カメラ113で撮影した操作者の顔を送ってもよい。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。