JP2022051284A - タッチパネルディスプレイ用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐熱性、光学的特性等を維持しつつ、従来技術では達成できなかった、低水蒸気透過量を兼ね備えたタッチパネル部材用フィルム等を提供する。【解決手段】下記一般式(1)および/又は(2)の繰り返し単位からなる樹脂を含み、膜厚10μmにおける波長638nmの光の光学遅延(リタデーション)が100nm以下、であることを特徴とするタッチパネル部材用フィルム等である。TIFF2022051284000007.tif53151【選択図】なし

Description

本発明は、タッチパネルディスプレイ用フィルムに関する。
近年のスマートフォンやパソコンやゲーム機等の画像表示装置では、タッチパネル部材が液晶表示パネル等の画像表示パネル部材上に配置され、このタッチパネル部材表面を手やペン等でタッチすることにより、画像表示装置を操作するものが普及している。
このようなタッチ式の画像表示装置は、タッチパネル部材表面を押す、滑らせる等の方法により簡単に操作できるため、非常に扱いやすく、その市場は急速に拡大している。
一方で、このようなタッチ式の画像表示装置では、従来、タッチパネル部材として曲げの力に対して脆いガラス基板が広く用いられている。そのため、タッチパネル部材に可撓性を持たせることが難しく、かかるガラス基板を部材として用いたタッチパネル部材は、折り畳んで携帯する画像表示装置や人体に着用して用いるウェアラブルデバイスの画像表示装置には適していないのが実情であった。
これに対し従来、タッチパネル部材の可撓性を実現するために、ガラス代替用途等に用いる材料の検討がなされている。
例えば、ガラス代替用途等に用いる材料として、耐熱性および透明性を有し、厚み方向のリタデーション(Rth)を低減することができる特定の分子構造を有したポリイミドフィルムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2016-150998号公報
しかしながら、近年の有機EL等の画像表示装置においては、内蔵する発光素子が水分の影響を受けて劣化する不具合(ダークスポット)が発生することから、かかる画像表示装置内に配されるタッチパネル部材に用いるフィルムには、透明性(高い光透過性)や色むらの抑制などの光学的特性に優れ、かつ耐熱性に優れ、加えて水蒸気透過率を低減させることが必要であり、上記特許文献1に開示されているようなポリイミドフィルムでは、水蒸気透過率の点で満足し得るものではないことに気付いた。
そこで、本発明の主たる目的は、優れた耐熱性や光学的特性等を維持しつつ、従来技術では達成できなかった、低水蒸気透過率を兼ね備えたタッチパネル部材用フィルムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記フィルムを有するタッチパネル部材を提供することにある。
本発明者は、上記目的の実現に向け鋭意検討した。その結果、特定のベンゾオキサゾール構造および/又はベンゾオキサジン構造からなる樹脂を含み、特定の波長における光の光学遅延(リタデーション)を調整したフィルムであれば、耐熱性、光学的特性等を維持しつつ、従来技術では達成できなかった、低水蒸気透過率を兼ね備えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)および/又は(2)の繰り返し単位からなる樹脂を含み、膜厚10μmにおける波長633nmの光の光学遅延(リタデーション)が100nm以下、であることを特徴とするタッチパネル部材用フィルムである。
Figure 2022051284000001
また、本発明の樹脂組成物は、さらに球状アルミナフィラーを含むことが好ましく、前記球状アルミナフィラーの平均粒子径が、10nm~100nm、前記球状アルミナフィラーが、シランカップリング剤によって表面処理されていることが好ましい。
なお、本発明において、球状アルミナフィラーの平均粒子径は、一次粒子の粒子径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒子径も含めた平均粒子径(D50)および最大粒子系(D100)であり、レーザー回折法により測定されたD50およびD100の値である。レーザー回折法による測定装置としては、日機装社製のMicrotrac MT3300EXIIが挙げられる。
本発明のタッチパネル部材は、前記フィルムを有することを特徴とする。
本発明によれば、優れた耐熱性、光学的特性等を維持しつつ、従来技術では達成できなかった、低水蒸気透過率を兼ね備えたタッチパネル部材用フィルムを提供することができる。また、本発明の他の目的は、上記フィルムを有するタッチパネル部材を提供することができる。
本発明のタッチパネル部材用フィルムは、下記一般式(1)および/又は(2)の繰り返し単位からなる樹脂を含み、膜厚10μmにおける波長633nmの光の光学遅延(リタデーション)が100nm以下、であることを特徴とするタッチパネル部材用フィルムである。
Figure 2022051284000002
以下、本発明のタッチパネル部材用フィルムの構成要素について詳述する。
[フィルム用樹脂組成物]
本発明のタッチパネル部材用フィルムは、以下のフィルム用樹脂組成物から形成する。
(樹脂成分)
本発明のフィルム用樹脂組成物は、主成分として一般式(1)に含まれるベンゾオキサゾール構造の前駆体(ヒドロキシアミド構造)で表される下記一般式(3)の繰り返し単位および/又は、一般式(2)に含まれるベンゾオキサジン構造の前駆体(ヒドロキシフェニルアミド構造)で表される下記一般式(4)の繰り返し単位からなる樹脂を含む。
Figure 2022051284000003
本発明における一般式(3)の繰り返し単位は、原料モノマーである4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテルおよび/又は4,4’-オキシビス(ベンゾイドクロリド)と、2,2-ビス(3-アミノ-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとを重合して得ることができる。
本発明における一般式(4)の繰り返し単位は、原料モノマーである4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテルおよび/又は4,4’-オキシビス(ベンゾイドクロリド)と、3,3’-ビス(1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-2,2,2-トリフルオロエチル)-4,4’-メチレンジアニリンとを重合して得ることができる。
本発明では、フィルム用樹脂組成物に含まれる一般式(3)および/又は一般式(4)の繰り返し単位からなる樹脂(前駆体)を、後述するフィルムの製造過程にて脱水反応させ、一般式(1)および/又は一般式(2)の繰り返し単位からなる樹脂とすることで、光学遅延(リタデーション)を低減したフィルムとすることができる。なお、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、フィルムの製造過程前に、フィルム用樹脂組成物中の上記一般式(3)および/又は一般式(4)の繰り返し単位からなる樹脂(前駆体)に、一般式(1)および/又は一般式(2)の繰り返し単位からなる構造を含んでいても良い。
本発明において、一般式(3)および/又は(4)の繰り返し単位からなる樹脂の数平均分子量(Mn)は5,000~100,000であることが好ましく、8,000~50,000であることがより好ましい。また、質量平均分子量(Mw)は10,000~200,000であることが好ましく、16,000~150,000であることがより好ましい。そして、Mw/Mnは2~5であることが好ましく、2.5~4であることがより好ましい。
ここで、数平均分子量および質量平均分子量は、GPCで測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。
本発明のフィルム用樹脂組成物に含まれる一般式(3)および/又は(4)の繰り返し単位からなる樹脂の配合量は、組成物中の樹脂成分およびその他樹脂の総量に対して30~100質量%であることが好ましく、50~100質量%であることがより好ましい。
(その他樹脂)
本発明の樹脂組成物は、一般式(3)および/又は(4)の繰り返し単位からなる樹脂を主成分として含むが、本発明の効果を損なわない範囲において、当該樹脂以外のその他の樹脂をフィルム用樹脂組成物に含有していても良い。その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラス-エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン等のポリシクロオレフィン等が挙げられる。
[球状アルミナフィラー]
本発明のフィルムおよびフィルム用樹脂組成物は、球状アルミナフィラーを含むことができる。球状アルミナフィラーが入ることで、よりフィルムの水蒸気透過率を低減させることができ、さらに表面硬度や弾性率を向上させることができる。
球状アルミナフィラーは、平均粒子径が10nm~100nmであることが好ましく、10nm~70nmであることがより好ましく、30nm~70nmであることがさらに好ましい。平均粒子径が上記のような範囲にあれば、良好な分散性が得られ、曇りを低減し、透明性に優れたフィルムを得ることができる。
ここで、本発明において、球状アルミナフィラーの平均粒子径は、一次粒子の粒子径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒子径も含めた平均粒子径(D50)であり、レーザー回折法により測定されたD50の値である。レーザー回折法による測定装置としては、日機装社製のMicrotrac MT3300EXIIが挙げられる。なお、最大粒子系(D100)および粒子径(D10)についても上記の装置にて同様に測定することができる。
球状アルミナフィラーの配合量は、不揮発性固形分ベースで、本発明のフィルム用樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対して、5質量部~500質量部含まれることが好ましく、50質量部~200質量部含まれることがより好ましい。球状アルミナフィラーの配合量が上述の範囲であれば、フィルムの透明性、加工性、ハンドリング性を損なうことなく、水蒸気透過率をより低減することができる。
球状アルミナフィラーは、樹脂成分とのなじみや分散状態の安定性を向上する観点からカップリング剤で表面処理することが好ましく、具体的には、シラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等のカップリング剤が使用できる。中でもシラン系カップリング剤がより好ましい。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N-(2-アミノメチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アニリノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、市販品としては、信越化学工業(株)製、KBE-403、KBM-4803、KBM-6803、X-12-967C等が挙げられる。これらは単独で、あるいは併用して使用することができる。
球状アルミナフィラーのカップリング剤による表面処理は、表面未処理の球状アルミナフィラーとカップリング剤を別々に配合して表面処理することもできるが、予め球状アルミナフィラーの表面にカップリング剤を吸着あるいは反応により固定化されていることが好ましい。ここで、球状アルミナフィラー100質量部に対するカップリング剤の処理量は、0.5~10質量部であることが好ましい。
また、球状アルミナフィラーは、粉体または固体状態でフィルム用樹脂組成物に配合してもよく、溶剤や分散剤等と混合してスラリーとした後でフィルム用樹脂組成物に配合してもよい。溶剤としては、本発明の効果を阻害しない限り、公知慣用の溶剤を用いることができ、分散剤としては、酢酸、アジピン酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸等が挙げられ、これらは単独で、あるいは併用して使用することができる。
[その他の成分]
本発明のフィルムおよびフィルム用樹脂組成物には、製膜性や脱泡性等を向上させる目的から、必要に応じて更に公知慣用の添加剤を含有していてもよい。
[フィルムの製造方法]
本発明のフィルムは、例えば、下記のように製造する。
まず、フィルム用樹脂組成物を支持体上に塗布、加熱することにより形成する。脂組成物を支持体上に塗布する方法としては、従来から樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、さらにはインクジェット法等を用いることができる。加熱方法としては、熱風循環式オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブン、ホットプレートによる方法が挙げられる。
本発明では、加熱過程にてフィルム用樹脂組成物に含まれる一般式(3)および/又は一般式(4)の繰り返し単位を有する樹脂(前駆体)を脱水反応させることから、加熱は70~200℃にて20~180分の条件で行うことが好ましい。具体的には、ホットプレート上であれば70~200℃にて20~180分の加熱を行う。また、真空や窒素、アルゴン等の不活性ガスを充填した条件下での加熱も可能である。支持体については、フィルム用樹脂組成物に含まれる成分や塗布方法、加熱方法に対して耐性があり、加熱後に形成されたフィルムを剥離することができれば、各種樹脂や金属等、広く使用できる。
[フィルム]
本発明のフィルムに含まれる一般式(1)および/又は一般式(2)の繰り返し単位からなる樹脂は、上述の通り一般式(3)および/又は一般式(4)の繰り返し単位からなる樹脂(前駆体)を脱水反応させることで形成される。この脱水反応は、後述するフィルムの製造過程にて行うことで、フィルム中の樹脂成分が非晶質(アモルファス)の状態になることで、膜厚10μmにおける波長633nmの光の光学遅延(リタデーション)が100nm以下となる。
なお、本発明において、膜厚10μmにおける波長633nmの光の光学遅延(リタデーション)は、本発明のフィルムを作製し、プリズムカプラ(メトリコン社製2010/M)を用いて、633nmにおける面内屈折率と面外屈折率を測定し、下記の式1より算出する。
リタデーション[nm]=(面内屈折率-面外屈折率)×膜厚10[μm]×1,000 ・・・(式1)
また、本発明のフィルムに含まれる樹脂は、一般式(1)に含まれるベンゾオキサゾール構造、一般式(2)に含まれるベンゾオキサジン構造からなることで、フィルムに優れた耐熱性を付与し、水蒸気透過率を低減する。また、トリフルオロメチル基および/又はヘキサフルオロイソプロパノール基、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテルおよび/又は4,4’-オキシビス(ベンゾイドクロリド)の残基として導入されるエーテル結合は、フィルムに無色透明性を付与すると共に、フィルム中の樹脂を非晶質(アモルファス)の状態とすることでリタデーションを低減する。さらに、前記エーテル結合は、フィルム加工性やハンドリングを向上する。
Figure 2022051284000004
本発明の樹脂フィルムは、5μm以上100μm以下の厚みを有することが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
[タッチパネル部材]
本発明のフィルムを用いてタッチパネル部材を製造することができる。例えば、本発明のフィルムの下層にITO等の透明電極を配したタッチパネル部材として、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等の画像表示装置上に積層し、タッチ式の画像表示装置とすることができる。中でも、本発明のフィルムは、優れた光学的特性に加え、屈曲性や柔軟性も有することから、フレキシブルな画像表示装置に用いることができ、特に低水蒸気透過率も兼ね備えることから、発光素子が水分の影響を受け易い有機ELディスプレイに好適に用いることができる。
本発明のフィルムには、フィルムの表面上下層に、さらに機能性層を設けてもよい。機能性層は、例えば、ITO等の透明電極層、表面硬度を付与するハードコート層、視認性を向上するインデックスマッチング層、ガスバリア性を付与するガスバリア層等が挙げられる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り、すべて質量基準である。また、本実施例においては、膜厚は、(株)ミツトヨ製のマイクロメーターを用いて測定した。
(樹脂成分(I):一般式(3)の繰り返し単位からなる樹脂の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN-メチルピロリドン212gを仕込み、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシアミドフェニル)ヘキサフルオロプロパン28.00g(76.5mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0~5℃に保ちながら、4,4-ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド22.58g(76.5mmol)を固体のまま5gずつ30分間かけて加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で5時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を1Lのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した個体を回収後、減圧乾燥して、一般式(3)の繰り返し単位を有する樹脂として樹脂成分(I)を得た。樹脂成分(I)の数平均分子量(Mn)は79,200、重量平均分子量(Mw)は293,000、Mw/Mnは3.70であった。
(樹脂成分(II):一般式(4)の繰り返し単位からなる樹脂の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN-メチルピロリドン212gを仕込み、3,3‘-ビス(1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-2,2,2-トリフルオロエチル)-4,4’-メチレンジアニリン40.56g(76.5mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0~5℃に保ちながら、4,4-ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド22.58g(76.5mmol)を固体のまま5gずつ30分間かけて加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を1Lのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した個体を回収後、減圧乾燥して、一般式(4)の繰り返し単位を有する樹脂として樹脂成分(II)を得た。樹脂成分(II)の数平均分子量(Mn)は84,300、重量平均分子量(Mw)は295,000、Mw/Mnは3.50であった。
(樹脂成分(III):樹脂成分(I)と樹脂成分(II)とを混合した樹脂)
上記樹脂成分(I)150gと、上記樹脂成分(II)50gを混合し、均一になるまで撹拌して樹脂成分(III)を得た。樹脂成分(III)の数平均分子量(Mn)は79,500、重量平均分子量(Mw)は295,000、Mw/Mnは3.71であった。
(樹脂成分(IV):ポリイミド前駆体からなる樹脂の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にジメチルアセトアミド212gを仕込み、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン24.50g(76.5mmol)を撹拌溶解した。その後、4,4-オキシジフタル酸無水物23.73g(76.5mmol)を固体のまま5gずつ30分間かけて加え、室温で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続け、ポリイミド前駆体からなる樹脂溶液として樹脂成分(IV)を得た。樹脂成分(IV)の数平均分子量(Mn)は47,000、重量平均分子量(Mw)は160,000、Mw/Mnは3.40であった。
(樹脂成分(V):一般式(3)の繰り返し単位とポリイミド前駆体とを含む樹脂の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN-メチルピロリドン212gを仕込み、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシアミドフェニル)ヘキサフルオロプロパン28.00g(76.5mmol)を撹拌溶解した。その後、4,4-オキシジフタル酸無水物2.37g(7.65mmol)を固体のまま加え、室温で30分間撹拌した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0~5℃に保ちながら、4,4-ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド20.32g(68.85mmol)を固体のまま5gずつ30分間かけて加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を1Lのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した個体を回収後、減圧乾燥して、一般式(3)の繰り返し単位とポリイミド前駆体とを含む樹脂の合成として樹脂成分(V)を得た。樹脂成分(V)の数平均分子量(Mn)は28,600、重量平均分子量(Mw)は100,000、Mw/Mnは3.50であった。
(樹脂成分(VI):一般式(1)の繰り返し単位合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN-メチルピロリドン212gを仕込み、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシアミドフェニル)ヘキサフルオロプロパン28.00g(76.5mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0~5℃に保ちながら、4,4-ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド22.58g(76.5mmol)を固体のまま5gずつ30分間かけて加え、氷浴中で30分間撹拌後、室温で5時間撹拌を行った。その後、スルホラン40g、ポリリン酸10g加え、200℃で2時間撹拌し、ベンゾオキサゾール構造の前駆体(ヒドロキシアミド構造)を脱水閉環した後、溶液に1Lのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した個体を回収後、減圧乾燥して、一般式(1)の繰り返し単位を有する樹脂として樹脂成分(VI)を得た。樹脂成分(VI)の数平均分子量(Mn)は49,100、重量平均分子量(Mw)は135,000、Mw/Mnは2.75であった。
(評価用樹脂フィルムの製造方法)
(実施例1)
樹脂成分(I)10gをジメチルアセトアミド90gに加え、目視で透明になるまで撹拌、溶解し、フィルム用樹脂組成物を得た。これを平滑なガラス基板上にコーターで塗布した後、80℃の送風式オーブンで30分間乾燥し、200℃のイナートガスオーブンで60分間乾燥させた。フィルムをガラス基板から剥離し、膜厚10μmのフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は72nmであった。
(実施例2)
実施例1の樹脂成分(I)を樹脂成分(II)に変更した以外は、実施例1と同様な方法でフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は35nmであった。
(実施例3)
樹脂成分(I)5gをジメチルアセトアミド70gに加え、目視で透明になるまで撹拌、溶解した。その後、アルミナフィラー5gを加え、均一になるまで撹拌しフィルム用樹脂組成物を得た。これを平滑なガラス基板上にコーターで塗布した後、80℃の送風式オーブンで30分間乾燥し、200℃のイナートガスオーブンで60分間乾燥させた。フィルムをガラス基板から剥離し、膜厚10μmのフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は44nmであった。
(実施例4)
実施例3の樹脂成分(I)の配合量を7g、アルミナフィラーの配合量を3gに変更した以外は、実施例3と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は58nmであった。
(実施例5)
実施例3の樹脂成分(I)を樹脂成分(II)に変更した以外は、実施例3と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は30nmであった。
(実施例6)
実施例3の樹脂成分(I)を樹脂成分(III)に変更した以外は、実施例3と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は60nmであった。
(実施例7)
実施例1のフィルム用樹脂組成物に、さらにシリコーン樹脂を1g配合した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は21nmであった。
(比較例1)
樹脂成分(IV)を平滑なガラス基板上にコーターで塗布した後、80℃の送風式オーブンで30分間乾燥し、200℃のイナートガスオーブンで60分間乾燥させた。フィルムをガラス基板から剥離し、膜厚10μmのフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は300nmであった。
(比較例2)
実施例1の樹脂成分(I)を樹脂成分(V)に変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は280nmであった。
(比較例3)
実施例1の樹脂成分(I)を樹脂成分(VI)に変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの波長638nmにおける光学遅延(リタデーション)の測定値は887nmであった。
なお、表1の配合量は、不揮発性固形分の質量基準配合量である。
このようにして得た実施例1~7および比較例1~3の評価サンプル(フィルム)について、以下の評価を行った。これらの結果を併せて表1中に示す。
(全光線透過率評価)
ヘーズメーター(日本電飾工業(株)製、NDH 7000 II)を用いて、JIS K 7361-1に準拠して測定した。全光線透過率の評価基準は以下の通りとした。
〇:全光線透過率が85%以上であった。
×:全光線透過率が85%未満であった。
(ガラス転移温度Tg評価)
TMA測定装置(島津製作所(株)製、TMA6000)を用い測定した。ガラス転移温度Tgの評価基準は以下の通りとした。
〇:Tgが200℃以上であった。
×:Tgが200℃未満であった。
(CTE評価)
TMA測定装置(島津製作所(株)製、TMA6000)を用い、CTEα1(0-50℃)を測定した。CTEの評価基準は以下の通りとした。
◎◎:CTEが5ppm/℃未満であった。
◎:CTEが5ppm/℃以上15ppm/℃未満であった。
〇:CTEが15ppm/℃以上40ppm/℃未満であった。
△:CTEが40ppm/℃以上60ppm/℃未満であった。
×:CTEが60ppm/℃以上であった。
(吸水率評価)
評価サンプルの質量を測定し、次にこの評価サンプルをPCT装置(TABAI ESPEC HAST SYSTEM TPC-412MD)を用いて121℃、100%RHの条件で24時間処理し、処理後の硬化物の質量を測定し、下記算式により硬化物の吸水率を求めた。
吸水率(%)={(W-W)/(W-W)}×100
ここで、Wは評価サンプルの質量、WはPCT処理後の評価サンプルの質量、Wはガラス板の質量である。吸水率の評価基準は以下の通りとした。
◎:吸水率が1%未満であった。
〇:吸水率が1%以上1.5%未満であった。
△:吸水率が1.5%以上3%未満であった。
×:吸水率が3%以上であった。
(水蒸気透過量評価)
水蒸気透過率については、JIS K 7126-2(等圧法)に準じたガスクロマトグラフ方式(GTRテック社製、GTR-10XFKS)を用いて、25℃90%相対湿度の条件で評価した。水蒸気透過量の評価基準は以下の通りとした。
◎◎:水蒸気透過量が20g/(m・24h)未満であった。
◎:水蒸気透過量が20g/(m・24h)以上、50g/(m・24h)未満であった。
○:水蒸気透過量が50g/(m・24h)以上、80g/(m・24h)未満であった。
×:水蒸気透過量が80g/(m・24h)以上であった。
Figure 2022051284000005
表1中に記載の、各実施例、比較例に使用された各成分は以下のものである。
(*1):前述の樹脂成分(I)
(*2):前述の樹脂成分(II)
(*3):前述の樹脂成分(III)
(*4):前述の樹脂成分(IV)
(*5):前述の樹脂成分(V)
(*6):前述の樹脂成分(VI)
(*7):トーヨーカラー製 OP-1860(球状アルミナフィラー(平均粒子径70nm)のジメチルアセトアミドスラリー、不揮発成分18.6質量%)
(*8):カネカ製 サイリルMA440
上記表中に示す結果から、本発明によれば、優れた耐熱性、光学的特性等を維持しつつ、従来技術では達成できなかった、低水蒸気透過量を兼ね備えたタッチパネル部材用フィルムが得られることが分かる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)および/又は(2)の繰り返し単位からなる樹脂を含み、
    膜厚10μmにおける波長638nmの光の光学遅延(リタデーション)が100nm以下、
    であることを特徴とするタッチパネル部材用フィルム。
    Figure 2022051284000006
  2. さらに球状アルミナフィラーを含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記球状アルミナフィラーの平均粒子径が、10nm~100nmであることを特徴とする請求項2に記載のフィルム。
  4. 前記球状アルミナフィラーが、シランカップリング剤によって表面処理されていることを特徴とする請求項2または3に記載のフィルム。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のフィルムを有するタッチパネル部材。


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