JP2022049880A - 磁気記憶装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気抵抗効果素子の加工難易度を低減する。【解決手段】実施形態によれば、磁気記憶装置は、第1方向(X方向)に延伸する第1配線22と、第1配線の上に設けられたセレクタ24と、セレクタの上に設けられた導電体25と、導電体の上に設けられた磁気抵抗効果素子26と、セレクタと同層に設けられた絶縁層23とを含む。セレクタの導電体と向かい合う第1主面の面積は、導電体のセレクタと向かい合う第2主面の面積よりも小さい。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、磁気記憶装置及びその製造方法に関する。
磁気抵抗効果素子を記憶素子として用いた磁気記憶装置(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)が知られている。
磁気抵抗効果素子の加工難易度を低減する。
実施形態の磁気記憶装置は、第1方向に延伸する第1配線と、第1配線の上に設けられたスイッチング素子と、スイッチング素子の上に設けられた導電体と、導電体の上に設けられた磁気抵抗効果素子と、スイッチング素子と同層に設けられた絶縁層とを含む。スイッチング素子の導電体と向かい合う第1主面の面積は、導電体のスイッチング素子と向かい合う第2主面の面積よりも小さい。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、共通する参照符号を有する複数の構成要素を区別する場合、当該共通する参照符号に添え字を付して区別する。なお、複数の構成要素について特に区別を要さない場合、当該複数の構成要素には、共通する参照符号のみが付され、添え字は付さない。ここで、添え字は、下付き文字や上付き文字に限らず、例えば、参照符号の末尾に添加される小文字のアルファベット、及び配列を意味するインデックス等を含む。
1.第1実施形態
第1実施形態に係る磁気記憶装置について説明する。第1実施形態に係る磁気記憶装置は、例えば、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)によって磁気抵抗効果(Magnetoresistive effect)を有する素子(MTJ素子とも称する。)を抵抗変化素子として用いた、垂直磁化方式による磁気記憶装置である。
第1実施形態に係る磁気記憶装置について説明する。第1実施形態に係る磁気記憶装置は、例えば、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)によって磁気抵抗効果(Magnetoresistive effect)を有する素子(MTJ素子とも称する。)を抵抗変化素子として用いた、垂直磁化方式による磁気記憶装置である。
本実施形態および後述する第2実施形態にて、MTJ素子を抵抗変化素子として適用した場合で説明するとともに、表記上、磁気抵抗効果素子MTJとして説明を行う。
1.1 構成
まず、第1実施形態に係る磁気記憶装置の構成について説明する。
まず、第1実施形態に係る磁気記憶装置の構成について説明する。
1.1.1 磁気記憶装置の構成
図1は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、磁気記憶装置1は、メモリセルアレイ10、ロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書き込み回路14、読み出し回路15、電圧生成回路16、入出力回路17、及び制御回路18を含む。
図1は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、磁気記憶装置1は、メモリセルアレイ10、ロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書き込み回路14、読み出し回路15、電圧生成回路16、入出力回路17、及び制御回路18を含む。
メモリセルアレイ10は、各々が行(row)、及び列(column)の組に対応付けられた複数のメモリセルMCを備えている。具体的には、同一行にあるメモリセルMCは、同一のワード線WLに接続され、同一列にあるメモリセルMCは、同一のビット線BLに接続される。
ロウ選択回路11は、ワード線WLを介してメモリセルアレイ10と接続される。ロウ選択回路11は、デコード回路13から、アドレスADDのデコード結果(ロウアドレス)を受信する。ロウ選択回路11は、ロウアドレスに対応するワード線WLを選択状態に設定する。以下において、選択状態に設定されたワード線WLは、選択ワード線WLと表記される。また、選択ワード線WL以外のワード線WLは、非選択ワード線WLと表記される。
カラム選択回路12は、ビット線BLを介してメモリセルアレイ10と接続される。カラム選択回路12は、デコード回路13から、アドレスADDのデコード結果(カラムアドレス)を受信する。カラム選択回路12は、カラムアドレスに対応するビット線BLを選択状態に設定する。以下において、選択状態に設定されたビット線BLは、選択ビット線BLと表記される。また、選択ビット線BL以外のビット線BLは、非選択ビット線BLと表記される。
デコード回路13は、入出力回路17から受信したアドレスADDをデコードする。デコード回路13は、アドレスADDのデコード結果を、ロウ選択回路11、及びカラム選択回路12に供給する。アドレスADDは、カラムアドレス及びロウアドレスを含む。
書き込み回路14は、メモリセルMCへのデータの書き込みを行う。書き込み回路14は、例えば、書き込みドライバ(図示せず)を含む。
読み出し回路15は、メモリセルMCからのデータの読み出しを行う。読み出し回路15は、例えば、センスアンプ(図示せず)を含む。
電圧生成回路16は、磁気記憶装置1の外部(図示せず)から提供された電源電圧を用いて、メモリセルアレイ10の各種の動作のための電圧を生成する。例えば、電圧生成回路16は、書き込み動作の際に必要な種々の電圧を生成し、書き込み回路14に出力する。また、例えば、電圧生成回路16は、読み出し動作の際に必要な種々の電圧を生成し、読み出し回路15に出力する。
入出力回路17は、磁気記憶装置1の外部から受信したアドレスADDを、デコード回路13に転送する。入出力回路17は、磁気記憶装置1の外部から受信したコマンドCMDを、制御回路18に転送する。入出力回路17は、種々の制御信号CNTを、磁気記憶装置1の外部と、制御回路18との間で送受信する。入出力回路17は、磁気記憶装置1の外部から受信したデータDATを書き込み回路14に転送し、読み出し回路15から転送されたデータDATを磁気記憶装置1の外部に出力する。
制御回路18は、制御信号CNT及びコマンドCMDに基づいて、磁気記憶装置1内のロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書き込み回路14、読み出し回路15、電圧生成回路16、及び入出力回路17の動作を制御する。
1.1.2 メモリセルアレイの回路構成
次に、メモリセルアレイ10の構成の一例について図2を用いて説明する。図2は、メモリセルアレイ10の構成を示す回路図である。図2の例では、ワード線WLがインデックス(“<>”)を含む添え字によって分類されて示されている。
次に、メモリセルアレイ10の構成の一例について図2を用いて説明する。図2は、メモリセルアレイ10の構成を示す回路図である。図2の例では、ワード線WLがインデックス(“<>”)を含む添え字によって分類されて示されている。
図2に示すように、メモリセルMCは、メモリセルアレイ10内でマトリクス状に配置され、複数のビット線BL(BL<0>、BL<1>、…、BL<N>)のうちの1本と、複数のワード線WL(WL<0>、WL<1>、…、WL<M>)のうちの1本と、の組に対応付けられる(M及びNは、任意の整数)。すなわち、メモリセルMC<i、j>(0≦i≦M、0≦j≦N)は、ワード線WL<i>とビット線BL<j>との間に接続される。
メモリセルMC<i、j>は、直列に接続されたセレクタSEL<i、j>及び磁気抵抗効果素子MTJ<i、j>を含む。より具体的には、セレクタSEL<i、j>の一端は、1本のワード線WL<i>と接続され、他端は、磁気抵抗効果素子MTJ<i、j>の一端と接続される。磁気抵抗効果素子MTJ<i、j>の他端は、1本のビット線BL<j>と接続されている。
セレクタSEL(スイッチング素子とも称する)は、対応する磁気抵抗効果素子MTJへの書き込み動作及び読み出し動作時において、磁気抵抗効果素子MTJへの電流の供給を制御するスイッチとしての機能を有する。より具体的には、例えば、メモリセルMC内のセレクタSELは、当該メモリセルMCに印加される電圧が予め設定された閾値電圧未満の場合、抵抗値の大きい絶縁体として電流を遮断し(オフ状態となり)、閾値電圧以上の場合、抵抗値の小さい導電体として電流を流す(オン状態となる)。すなわち、セレクタSELは、流れる電流の方向によらず、メモリセルMCに印加される電圧の大きさに応じて、電流を流すか遮断するかを切替え可能な機能を有する。
セレクタSELは、例えば2端子型のスイッチング素子であってもよい。2端子間に印加する電圧が閾値電圧未満の場合、そのスイッチング素子は”高抵抗”状態、例えば電気的に非導通状態である。2端子間に印加する電圧が閾値電圧以上の場合、スイッチング素子は”低抵抗”状態、例えば電気的に導通状態である。スイッチング素子は、電圧がどちらの極性でもこの機能を有していてもよい。
磁気抵抗効果素子MTJは、セレクタSELによって供給を制御された電流により、抵抗値を低抵抗状態と高抵抗状態とに切替わることができる。磁気抵抗効果素子MTJは、その抵抗状態の変化によってデータを書き込み可能であり、書込まれたデータを不揮発に保持し、読み出し可能である記憶素子として機能する。
1.1.3 メモリセルアレイの構造
次に、メモリセルアレイ10の構造の一例について図3及び図4を用いて説明する。以下の説明では、半導体基板20の表面と平行な面をXY平面とし、XY平面に垂直な方向をZ方向とする。また、XY平面内において、ワード線WLに沿う方向をX方向とし、ビット線BLに沿う方向をY方向とする。また、各構成要素において、Z方向の半導体基板を向く面を下面とし、対向する面を上面とする。図3は、Y方向に沿ったメモリセルアレイ10の断面図である。図4は、XY平面における中間電極ME(導電体25)の平面図を示している。
次に、メモリセルアレイ10の構造の一例について図3及び図4を用いて説明する。以下の説明では、半導体基板20の表面と平行な面をXY平面とし、XY平面に垂直な方向をZ方向とする。また、XY平面内において、ワード線WLに沿う方向をX方向とし、ビット線BLに沿う方向をY方向とする。また、各構成要素において、Z方向の半導体基板を向く面を下面とし、対向する面を上面とする。図3は、Y方向に沿ったメモリセルアレイ10の断面図である。図4は、XY平面における中間電極ME(導電体25)の平面図を示している。
図3に示すように、半導体基板20の上には、絶縁層21が設けられる。そして、絶縁層21内の上部領域には、X方向に延伸し、ワード線WLとして機能する複数の配線層22が設けられる。配線層22は、導電材料により構成される。なお、配線層22は、半導体基板20の上面上に設けられてもよい。
絶縁層21の上面上には、絶縁層23が設けられている。より具体的には、絶縁層23は、複数の素子24の間、すなわち素子24と同層に設けられる。絶縁層23には、例えば、SiO2が用いられる。
各配線層22の上には、セレクタSELとして機能する複数の素子24が設けられる。1つの素子24が1つのメモリセルMCのセレクタSELに対応する。例えば、複数の素子24は、XY平面において、X方向及びY方向に沿ってマトリクス状に配置される。そして、X方向に配置された複数の素子24が1つの配線層22の上面上に設けられる。なお、配線層22と素子24との間には、配線層22と素子24とを電気的に接続する電極が設けられてもよい。素子24は、絶縁体からなる材料で形成されており、イオン注入により導入されたドーパントを含有する。絶縁体は、例えば酸化物を含み、例えば、SiO2あるいはSiO2から実質的に構成された材料を含む。ドーパントは、例えば、ヒ素(As)またはゲルマニウム(Ge)を含む。
素子24は、例えば略円柱形状を有し得る。略円柱形状は、上面及び下面が真円あるいは真円と概略等しい形状である場合を含む。なお、素子24の形状は、円柱形状に限定されない。素子24の形状は、例えば、ドーパントのプロファイルに依存する。このため、例えば、素子24は円錐台であってもよい。更には、素子24の上面が矩形形状であってもよい。以下では、説明を簡略化するため、素子24が円柱形状である場合について説明する。
本実施形態の素子24は、絶縁層23にドーパントを注入することにより形成される。すなわち、素子24は、ドライエッチング等による加工を用いずに形成される。このため、絶縁層23と素子24との界面は、例えば、TEM(Transmission Electron Microscope)では観察できない。但し、素子24は、例えば、TEMのEDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)分析等を用いてドーパントの分布を測定することによって確認できる。
素子24の上面上には、セレクタSEL(素子24)と磁気抵抗効果素子MTJ(素子26)との中間電極ME(Middle Electrode)として機能する導電体25が設けられる。導電体25は、導電材料により構成され、例えば、窒化チタン(TiN)を含む。
導電体25の上面上には、磁気抵抗効果素子MTJとして機能する素子26が設けられる。素子26は、例えば、略円柱形状を有し得る。なお、素子26の形状は、円柱形状に限定されない。例えば、素子26の側面は、素子26を加工する際のエッチング特性に依存してテーパー状になる場合がある。このような場合、素子26は円錐台であってもよい。更には、素子26の上面が矩形形状であってもよい。以下では、説明を簡略化するため、素子26が円柱形状である場合について説明する。素子26の構成の詳細については、後述する。
素子26上面の上には、ハードマスク27が設けられている。ハードマスク27は、素子26を加工する際のハードマスクとして機能する。ハードマスク27は、導電材料により構成され、例えば、TiNを含む。
素子26及びハードマスク27の側面には、絶縁体28が設けられる。絶縁体28は、導電体25を加工する際に素子26を保護するための保護膜、すなわちサイドウォールSWとして機能する。円柱形状の素子26及びハードマスク27の側面に設けられた絶縁体28は、円筒形状を有する。絶縁体28は、絶縁材料により構成され、例えば、窒化シリコン(SiN)が用いられる。
導電体25は、ハードマスク27及び絶縁体28をハードマスクとして加工される。このため、導電体25の上面の外周の形状と、絶縁体28の外周の形状とは概略同じである。概略同じとは、例えば、材料の違いによるエッチングレートの違い等、製造工程上の誤差を含み得る。従って、本実施形態では、導電体25の上面は、円形形状を有する。以下では、説明を簡略化するため、導電体25が円柱形状である場合について説明する。なお、導電体25の形状は円柱形状に限定されない。導電体25の形状は、例えば円錐台であってもよい。
絶縁層23の上面上には、絶縁層29が設けられる。絶縁層29には、例えばSiO2が用いられる。
各ハードマスク27の上面は、Y方向に延伸する複数の配線層30のいずれかの下面に接続される。より具体的には、Y方向に沿って配置された複数のハードマスク27(すなわち素子26)が1つの配線層30に接続される。配線層30は、ビット線BLとして機能する。配線層30は、導電材料により構成され、例えば、タングステン(W)を含む。なお、ハードマスク27と配線層30との間に、ハードマスク27と配線層30とを電気的に接続する電極が設けられてもよい。
図4に示すように、本実施形態では、例えば、素子24の上面が略円形である場合、最も長い直径(以下、「長径」と表記する)をd1とする。また、導電体25の素子24と向かい合う下面が略円形である場合、その長径をd2とする。すると、d1とd2とはd1<d2の関係にある。換言すれば、本実施形態では、素子24の上面(導電体25と向かい合う面)の面積は、導電体25の下面(素子24と向かい合う面)の面積よりも小さい。従って、隣接する素子24の上面間の距離をd3とし、隣接する導電体25の下面間の距離をd4とする。すると、d3とd4とはd3>d4の関係にある。なお、素子24の上面の形状と、これに接する導電体25の下面の形状とは同じでなくてもよい。例えば、素子24の上面または導電体25の下面のいずれかが円形であり、他方が矩形であってもよい。
また、本実施形態では、ワード線WLの上方に磁気抵抗効果素子MTJ及びビット線BLを配置する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ビット線BLの上方に磁気抵抗効果素子MTJ及びワード線WLを配置してもよい。この場合、配線層22がビット線BLとして機能し、配線層30がワード線WLとして機能する。
1.1.4 磁気抵抗効果素子の構成
次に、磁気抵抗効果素子MTJの構成の一例について図5を用いて説明する。図5は、素子26、すなわち磁気抵抗効果素子MTJの構成を示す断面図である。
次に、磁気抵抗効果素子MTJの構成の一例について図5を用いて説明する。図5は、素子26、すなわち磁気抵抗効果素子MTJの構成を示す断面図である。
図5に示すように、磁気抵抗効果素子MTJは、例えば、下地層UL(Under layer)として機能する非磁性体31、シフトキャンセル層SCL(Shift cancelling layer)として機能する強磁性体32、スペーサ層SP(Spacer layer)として機能する非磁性体33、参照層RL(Reference layer)として機能する強磁性体34、トンネルバリア層TB(Tunnel barrier layer)として機能する非磁性体35、記憶層SL(Storage layer)として機能する強磁性体36、キャップ層CAP(Capping layer)として機能する非磁性体37、及びトップ層TOP(Top layer)として機能する非磁性体38を含む。
磁気抵抗効果素子MTJは、例えば、ワード線WL(配線層22)側からビット線BL(配線層30)側に向けて、非磁性体31、強磁性体32、非磁性体33、強磁性体34、非磁性体35、強磁性体36、非磁性体37、及び非磁性体38の順に、複数の膜が積層される。なお、ワード線WL(配線層22)側からビット線BL(配線層30)側に向けて、非磁性体38、非磁性体37、強磁性体36、非磁性体35、強磁性体34、非磁性体33、強磁性体32、及び非磁性体31の順に、複数の膜が積層されてもよい。
磁気抵抗効果素子MTJは、例えば、磁気抵抗効果素子MTJを構成する磁性体の磁化方向が膜面に対して垂直方向(図5の例ではZ方向)を向く垂直磁化型の磁気抵抗効果素子として機能する。なお、磁気抵抗効果素子MTJは、上述の各層31~38の間に、図示しない更なる層を含んでいてもよい。
非磁性体31は、非磁性の導電体であり、セレクタSEL(素子24)との電気的な接続性を向上させる電極としての機能を有する。また、非磁性体31は、例えば、高融点金属を含む。高融点金属とは、例えば、鉄(Fe)及びコバルト(Co)より融点が高い材料を示し、例えば、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ルテニウム(Ru)、及び白金(Pt)から選択される少なくとも1つの元素を含む。
強磁性体32は、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体32の磁化方向は、固定されており、図5の例では、強磁性体34の方向を向いている。なお、「磁化方向が固定されている」とは、強磁性体36(記憶層SL)の磁化方向を反転させ得る大きさの電流(スピントルク)によって、磁化方向が変化しないことを意味する。強磁性体32は、例えばコバルト白金(CoPt)、コバルトニッケル(CoNi)、及びコバルトパラジウム(CoPd)から選択される少なくとも1つの合金を含む。強磁性体32は、複数の層からなる積層体であってもよい。その場合、強磁性体32は、例えば、コバルト(Co)と白金(Pt)との多層膜(Co/Pt多層膜)、コバルト(Co)とニッケル(Ni)との多層膜(Co/Ni多層膜)、及びコバルト(Co)とパラジウム(Pd)との多層膜(Co/Pd多層膜)から選択される少なくとも1つの多層膜を含み得る。
非磁性体33は、強磁性体32(シフトキャンセル層SCL)と強磁性体34(参照層RL)との間に設けられる。非磁性体33は、非磁性の導電体であり、例えばルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、バナジウム(V)、及びクロム(Cr)から選択される少なくとも1つの元素を含む。
強磁性体34は、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体34の磁化方向は、固定されており、図5の例では、強磁性体32の方向を向いている。強磁性体34は、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、及びニッケル(Ni)のうちの少なくとも1つを含む。また、強磁性体34は、ボロン(B)を更に含んでいてもよい。より具体的には、例えば、強磁性体34は、鉄コバルトボロン(FeCoB)またはホウ化鉄(FeB)を含み、体心立方系の結晶構造を有し得る。
なお、図5では図示を省略しているが、強磁性体34は、複数の層からなる積層体であってもよい。具体的には例えば、強磁性体34を構成する積層体は、上述の鉄コバルトボロン(FeCoB)またはホウ化鉄(FeB)を含む層を非磁性体35との界面層として有しつつ、当該界面層と非磁性体33との間に、非磁性の導電体を介して、更なる強磁性体が積層される構造であってもよい。強磁性体34を構成する積層体内の非磁性の導電体は、例えば、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、及びチタン(Ti)から選択される少なくとも1つの金属を含み得る。強磁性体34を構成する積層体内の更なる強磁性体は、例えば、コバルト(Co)と白金(Pt)との多層膜(Co/Pt多層膜)、コバルト(Co)とニッケル(Ni)との多層膜(Co/Ni多層膜)、及びコバルト(Co)とパラジウム(Pd)との多層膜(Co/Pd多層膜)から選択される少なくとも1つの多層膜を含み得る。
強磁性体32及び34は、非磁性体33によって反強磁性的に結合される。すなわち、強磁性体32及び34は、互いに反平行な磁化方向を有するように結合される。このため、図5の例では、強磁性体32及び34の磁化方向は、互いに向かい合う方向を向いている。このような強磁性体32、非磁性体33、及び強磁性体34の結合構造を、SAF(Synthetic Anti-Ferromagnetic)構造という。これにより、強磁性体32は、強磁性体34の漏れ磁場が強磁性体36の磁化方向に与える影響を相殺することができる。このため、強磁性体34の漏れ磁場等によって強磁性体36の磁化の反転し易さに非対称性が発生すること(すなわち、強磁性体36の磁化の方向の反転する際の反転し易さが、一方から他方に反転する場合と、その逆方向に反転する場合とで異なること)が抑制される。
非磁性体35は、非磁性の絶縁体であり、例えば酸化マグネシウム(MgO)を含む。非磁性体35は、例えば膜面が(001)面に配向したNaCl結晶構造を有し、強磁性体36の結晶化処理において、強磁性体36との界面から結晶質の膜を成長させるための核となるシード材として機能する。非磁性体35は、強磁性体34と強磁性体36との間に設けられて、これら2つの強磁性体と共に磁気トンネル接合を形成する。
強磁性体36は、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。換言すれば、強磁性体36は、Z方向に沿って、ビット線BL側、ワード線WL側のいずれかの方向に向かう磁化方向を有する。強磁性体36は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、及びニッケル(Ni)のうちの少なくともいずれか1つを含む。強磁性体36は、ボロン(B)を更に含む。より具体的には、例えば、強磁性体36は、鉄コバルトボロン(FeCoB)またはホウ化鉄(FeB)を含み、体心立方系の結晶構造を有し得る。
非磁性体37は、強磁性体36のダンピング定数の上昇を抑制し、書き込み電流を低減させる機能を有する。非磁性体37は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、窒化マグネシウム(MgN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化シリコン(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ハフニウム(HfN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化クロム(CrN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化チタン(TiN)、窒化バナジウム(VN)から選択される少なくとも1つの窒化物または酸化物を含む。また、非磁性体37は、これら窒化物または酸化物の混合物でもよい。すなわち、非磁性体37は、2種類の元素からなる二元化合物に限らず、3種類の元素からなる三元化合物、例えば、窒化チタンアルミニウム(AlTiN)等を含み得る。
非磁性体38は、非磁性の導電体であり、磁気抵抗効果素子MTJの上端とビット線BLとの電気的な接続性を向上させる上部電極(top electrode)としての機能を有する。非磁性体38は、例えば、タングステン(W)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、及び窒化チタン(TiN)から選択される少なくとも1つの元素または化合物を含む。
本実施形態では、磁気抵抗効果素子MTJに書き込み電流を流し、この書き込み電流によって記憶層SLにスピントルクを注入する。そして、注入されたスピントルクにより、記憶層SLの磁化方向を制御するスピン注入書き込み方式を採用する。磁気抵抗効果素子MTJは、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係が平行か反平行かによって、低抵抗状態及び高抵抗状態のいずれかを取ることが出来る。
磁気抵抗効果素子MTJに、図5における矢印A1の方向、即ち記憶層SLから参照層RLに向かう方向に、ある大きさの書き込み電流Ic0を流すと、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係は、平行になる。この平行状態の場合、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は最も低くなり、磁気抵抗効果素子MTJは低抵抗状態に設定される。この低抵抗状態は、「P(Parallel)状態」と呼ばれ、例えばデータ“0”の状態と規定される。
また、磁気抵抗効果素子MTJに、図5における矢印A2の方向、即ち参照層RLから記憶層SLに向かう方向(矢印A1と反対方向)に、書き込み電流Ic0より大きい書き込み電流Ic1を流すと、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係は、反平行になる。この反平行状態の場合、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は最も高くなり、磁気抵抗効果素子MTJは高抵抗状態に設定される。この高抵抗状態は、「AP(Anti-Parallel)状態」と呼ばれ、例えばデータ“1”の状態と規定される。
なお、以下の説明では、上述したデータの規定方法に従って説明するが、データ“1”及びデータ“0”の規定の仕方は、上述した例に限られない。例えば、P状態をデータ“1”と規定し、AP状態をデータ“0”と規定してもよい。
1.2 メモリセルアレイの製造方法
次に、メモリセルアレイ10の製造方法の一例について図6~図15を用いて説明する。図6は、メモリセルアレイ10の製造方法を示すフローチャートである。図7~図15は、メモリセルアレイ10の製造方法を説明するためのメモリセルアレイ10の断面図である。以下の説明では、素子26(磁気抵抗効果素子MTJ)を構成する積層構造の詳細については説明を省略する。
次に、メモリセルアレイ10の製造方法の一例について図6~図15を用いて説明する。図6は、メモリセルアレイ10の製造方法を示すフローチャートである。図7~図15は、メモリセルアレイ10の製造方法を説明するためのメモリセルアレイ10の断面図である。以下の説明では、素子26(磁気抵抗効果素子MTJ)を構成する積層構造の詳細については説明を省略する。
図7に示すように、半導体基板20の上面上に、絶縁層21を形成する。次に、絶縁層21内に、ワード線WLとして機能する配線層22を形成する(図6のステップS1、WL形成)。なお、配線層22は、絶縁層21の上部に溝パターンを形成した後、溝パターン内部を導電材料で埋め込んで形成される溝配線であってもよい。あるいは、配線層22は、絶縁層21上に導電材料を堆積した後、当該導電材料を加工して、形成されてもよい。この場合、配線層22を形成後に、配線層22の間を埋め込むように、絶縁層21が形成される。
絶縁層21及び配線層22の上面上に、例えばCVD(Chemical Vapor deposition)により、絶縁層23を堆積する(図6のステップS2、絶縁体23堆積)。
図8に示すように、絶縁層23の上面上にフォトリソグラフィ技術を用いて、イオン注入(I/I:Ion Implantation)用のレジストマスク40を形成する(図6のステップS3、I/I用マスク形成)。レジストマスク40は、セレクタSEL(素子24)に対応する領域が開口されている。この状態で、例えば、Asをドーパントとしたイオン注入を行う。イオン注入後、レジストマスク40は、例えばO2アッシングにより、除去される。次に、Asの活性化のための熱処理を行う。これにより、絶縁層23のAsがドープされた領域に素子24が形成される(図6のステップS4、As注入(SEL形成))。
図9に示すように、導電体25、及び素子26に対応する積層膜(すなわち非磁性体31、強磁性体32、非磁性体33、強磁性体34、非磁性体35、強磁性体36、非磁性体37、及び非磁性体38)が、CVDあるいはスパッタリング技術等により、順次堆積される(図6のステップS5、ME/MTJ堆積)。
図10に示すように、素子26に対応する積層膜の上にハードマスク27が形成される(図6のステップS6。HM形成)。
図11に示すように、ハードマスク27をマスクとして、例えばIBE(Ion Beam Etching)により、素子26に対応する積層膜を加工し、素子26を形成する。すなわち、磁気抵抗効果素子MTJが形成される(図6のステップS7、MJT加工)。
図12に示すように、導電体25の上面、素子26の側面、並びにハードマスク27の上面及び側面を覆うように、例えばCVDにより、絶縁体28を堆積する(図6のステップS8、絶縁体28堆積)。
図13に示すように、例えばRIE(Reactive ion etching)によるエッチバックにより、導電体25の上面及びハードマスク27の上面の絶縁体28を除去する(図6のステップS9、SWエッチバック)。これにより、絶縁体28による素子26及びハードマスク27のサイドウォールSWが形成される。
図14に示すように、ハードマスク27及び絶縁体28をマスクとして、例えばRIEにより、導電体25を加工する(図6のステップS10、ME加工)。これにより中間電極MEが形成される。
図3に示すように、導電体25及び絶縁体28の間を埋め込むように絶縁層29を形成する(図6のステップS11、絶縁層29形成)。その後、ハードマスク27の上面上に、配線層30を形成する(図6のステップS12、BL形成)。
1.3 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、磁気抵抗効果素子MTJの加工の難易度を低減させることができる。以下、本効果につき詳述する。
本実施形態に係る構成であれば、磁気抵抗効果素子MTJの加工の難易度を低減させることができる。以下、本効果につき詳述する。
セレクタSELの上面上に中間電極ME及び磁気抵抗効果素子MTJが設けられた構造では、磁気抵抗効果素子MTJの上面上に形成されたハードマスク27をマスクとして、磁気抵抗効果素子MTJ、中間電極ME、及びセレクタSELの加工を行う場合がある。このため、ハードマスク27は、これら材料の加工の途中で消失しないような比較的厚い膜厚で形成される。ハードマスク27の膜厚が厚くなると、磁気抵抗効果素子MTJを加工する際のアスペクト比が増加する。このため、中間電極ME及びセレクタSELを加工するために求められる磁気抵抗効果素子MTJの形状(ハードマスク27の残膜、磁気抵抗効果素子MTJの側面の角度等)に対する要求は高くなる。すなわち、磁気抵抗効果素子MTJの加工の難易度が上昇する。
例えば、磁気抵抗効果素子MTJ、中間電極ME、及びセレクタSELの側面がテーパー状に加工された場合、隣り合うセレクタSEL間の距離は、隣り合う中間電極ME間の距離よりも短くなる。この場合、隣り合うセレクタSEL間でリーク電流の発生あるいは容量カップリング等による干渉が発生しやすくなり、書き込み動作及び読み出し動作において誤動作が生じる可能性が高くなる。更には、隣り合うセレクタSEL間の干渉を抑制するため、XY平面におけるメモリセルMCのセル密度を向上できなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態に係る構成であれば、中間電極ME及びセレクタSELを形成する前に、セレクタSELを形成できる。すなわち、ハードマスク27を用いずにセレクタSELを形成できる。従って、ハードマスク27は、磁気抵抗効果素子MTJ及び中間電極MEの加工の途中で消失しない程度の薄膜にできる。このため、ハードマスク27の厚膜化による磁気抵抗効果素子MTJの加工の難易度の上昇を抑制できる。
更に、本実施形態に係る構成であれば、セレクタSELの上面の直径を中間電極MEの下面の直径よりも小さくできる。すなわち、セレクタSELの上面の面積を中間電極MEの下面の面積よりも小さくできる。このため、隣り合うセレクタSEL間の距離を隣り合う中間電極ME間の距離をよりも長くできる。従って、隣り合うセレクタSEL間の干渉を抑制できる。すなわち、隣り合う磁気抵抗効果素子MTJ間の干渉を抑制できる。よって、誤動作を抑制し、磁気記憶装置の信頼性を向上できる。
更に、本実施形態に係る構成であれば、磁気抵抗効果素子MTJの加工難易度の上昇を抑制でき、且つ隣り合う磁気抵抗効果素子MTJ間の干渉を抑制できるため、メモリセルMCのセル密度を向上でき、磁気記憶装置の高集積化ができる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について、説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なるメモリセルMCの製造方法について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
次に、第2実施形態について、説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なるメモリセルMCの製造方法について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
2.1 メモリセルアレイの断面構造
まず、メモリセルアレイ10の断面構造の一例について図15を用いて説明する。図15は、メモリセルアレイの構成を説明するための断面図の一例を示している。
まず、メモリセルアレイ10の断面構造の一例について図15を用いて説明する。図15は、メモリセルアレイの構成を説明するための断面図の一例を示している。
図15に示すように、本実施形態では、絶縁層21の上面上に絶縁層50が設けられる。絶縁層50は、例えば、第1実施形態で説明した絶縁層23に、セレクタSELのドーパント(例えばAs)と、これを不活性化させるためのドーパントが注入された層である。以下では、セレクタSELのドーパントであるAsを不活性化させるドーパントとしてボロン(B)を用いた場合について説明する。例えば、Bの濃度は、Asを不活性化させるため、Asの濃度以上であり、且つ絶縁層50の表面に析出して絶縁層50の表面のラフネスを悪化させない濃度であるほうが好ましい。換言すれば、Bの濃度は、隣り合う素子24を電気的に素子分離できる濃度であればよい。
本実施形態の絶縁層50は、素子24に対応する層にBを注入することにより形成される。すなわち、素子24及び絶縁層50は、ドライエッチング等による加工を用いずに形成される。このため、絶縁層50と素子24との界面は、例えば、TEMでは観察できない。但し、絶縁層50は、例えば、TEMのEDX分析等を用いてドーパントの分布を測定することによって確認できる。
本実施形態では、ハードマスク27、絶縁体28、及び導電体25をマスクとして絶縁層50に対応する領域にBのイオン注入が行われる。例えば、イオン注入の条件(イオンの入射角等)あるいは、熱処理によるBの拡散等の影響により、素子24の上面の長径d1と、導電体25の下面の長径d2とは、d1≦d2の関係にある。
2.2 メモリセルアレイの製造方法
次に、メモリセルアレイ10の製造方法の一例について図16~図19を用いて説明する。図16は、メモリセルアレイ10の製造方法を示すフローチャートである。図17~図19は、メモリセルアレイ10の製造方法を説明するためのメモリセルアレイ10の断面図である。以下の説明では、素子26(磁気抵抗効果素子MTJ)を構成する積層構造の詳細については説明を省略する。
次に、メモリセルアレイ10の製造方法の一例について図16~図19を用いて説明する。図16は、メモリセルアレイ10の製造方法を示すフローチャートである。図17~図19は、メモリセルアレイ10の製造方法を説明するためのメモリセルアレイ10の断面図である。以下の説明では、素子26(磁気抵抗効果素子MTJ)を構成する積層構造の詳細については説明を省略する。
図16に示すように、絶縁層23を堆積するまでの工程(ステップS1及びS2)は、第1実施形態と同様である。
図17に示すように、絶縁層23堆積後、Asをドーパントとしたイオン注入を行う(図16のステップS21、As注入)。次に、Asの活性化のための熱処理を行う。これにより、絶縁層21及び配線層22の上面上に素子24に対応する層51が形成される。なお、Asは、絶縁層21の表面近傍、すなわち配線層22の上面よりも下側の位置(半導体基板20に近い位置)まで拡散していてもよい。
図18に示すように、第1実施形態の図6のステップS5~S10、及び図9~図14と同様に、導電体25、素子26、ハードマスク27、及び絶縁体28を形成する。すなわち、磁気抵抗効果素子MTJ及び中間電極MEを形成する。
図19に示すように、導電体25の加工後、Bをドーパントとしたイオン注入を行う(図16のステップS22、B注入)。これにより、層51のハードマスク27、絶縁体28、及び導電体25でマスクされていない領域にBが注入される。次に、Bの活性化(Asの不活性化)のための熱処理を行う。これにより、層51のBが注入されている領域には、絶縁層50が形成され、Bが注入されていない領域には、素子24が形成される。なお、熱処理後のBの深さ方向(Z方向)の濃度プロファイルは、素子24を互いに分離するため、Asの濃度プロファイルよりも深い、すなわち、BがAsより半導体基板20に近い方向まで拡散している方が好ましい。As及びBのプロファイルは、例えば、TEMのEDX分析等により測定できる。
その後、第1実施形態の図6のステップS11及びS12と同様に、絶縁層29及び配線層30を形成する。
2.3 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様が得られる。
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様が得られる。
更に、本実施形態に係る構成であれば、Asを注入する際に、レジストマスクが不要となるため、フォトリソグラフィ工程の増加を抑制できる。
3.変形例等
なお、上述の実施形態に限らず、種々の変形が適用可能である。
なお、上述の実施形態に限らず、種々の変形が適用可能である。
例えば、上述の実施形態では、記憶層SLが参照層RLの上方に設けられるトップフリー型の磁気抵抗効果素子MTJについて説明したが、これに限られない。例えば、磁気抵抗効果素子MTJは、記憶層SLが参照層RLの下方に設けられるボトムフリー型であってもよい。
また、上述の実施形態では、全てのメモリセルMCが同一の層内に設けられるメモリセルアレイ10について説明したが、これに限られない。複数のメモリセルMCがZ方向に積層されてもよい。
また、上述の実施形態では、セレクタSELの上面上に、中間電極ME及び磁気抵抗効果素子MTJが設けられる構造について説明したが、これに限定されない。例えば、磁気抵抗効果素子の上面上に、中間電極ME及びセレクタSELが設けられる構造であってもよい。
また、中間電極ME及び磁気抵抗効果素子MTJの製造方法は、上述の実施形態に限定されない。セレクタSELの製造方法が、上述の実施形態と同様であれば、中間電極ME及び磁気抵抗効果素子MTJは、任意の方法で製造できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…磁気記憶装置、10…メモリセルアレイ、11…ロウ選択回路、12…カラム選択回路、13…デコード回路、14…書き込み回路、15…読み出し回路、16…電圧生成回路、17…入出力回路、18…制御回路、20…半導体基板、21、23、29、50…絶縁層、22、30…配線層、24、26…素子、25…導電体、27…ハードマスク、28…絶縁体、31、33、35、37、38…非磁性体、32、34、36…強磁性体、40…レジストマスク、51…層。
Claims (20)
- 第1方向に延伸する第1配線と、
前記第1配線の上に設けられたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の上に設けられた導電体と、
前記導電体の上に設けられた磁気抵抗効果素子と、
前記スイッチング素子と同層に設けられた絶縁層と
を備え、
前記スイッチング素子の前記導電体と向かい合う第1主面の面積は、前記導電体の前記スイッチング素子と向かい合う第2主面の面積よりも小さい、
磁気記憶装置。 - 前記第1主面の長径は、前記第2主面の長径よりも短い、
請求項1に記載の磁気記憶装置。 - 前記スイッチング素子はシリコン及びヒ素を含み、
前記絶縁層は、シリコンを含み、ヒ素を含まない、
請求項1に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗効果素子の上に設けられたハードマスクと、
前記ハードマスクの上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延伸する第2配線と
を更に備える、
請求項1に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗効果素子は、参照層と、記憶層と、前記参照層と前記記憶層との間に設けられたトンネルバリア層とを含む、
請求項1に記載の磁気記憶装置。 - 第1方向に延伸する第1配線と、
前記第1配線の上に設けられたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の上に設けられた導電体と、
前記導電体の上に設けられた磁気抵抗効果素子と、
前記スイッチング素子と同層に設けられ、ヒ素及びボロンを含む絶縁層と
を備える、
磁気記憶装置。 - 前記スイッチング素子はヒ素を含み、ボロンを含まない、
請求項6に記載の磁気記憶装置。 - 前記スイッチング素子の前記導電体と向かい合う第1主面の長径は、前記導電体の前記スイッチング素子と向かい合う第2主面の長径以下である、
請求項6に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗効果素子の上に設けられたハードマスクと、
前記磁気抵抗効果素子及び前記ハードマスクの上に設けられた第2配線と
を更に備える、
請求項6に記載の磁気記憶装置。 - 前記磁気抵抗効果素子は、参照層と、記憶層と、前記参照層と前記記憶層との間に設けられたトンネルバリア層とを含む、
請求項6に記載の磁気記憶装置。 - 第1絶縁層内に、第1方向に延伸する第1配線を形成する工程と、
前記第1絶縁層及び前記第1配線の上に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層の上に、前記第1配線の上に設けられるスイッチング素子に対応するレジストマスクを形成する工程と、
前記第2絶縁層の前記レジストマスクが形成されていない領域にヒ素を注入して、前記スイッチング素子を形成する工程と、
前記スイッチング素子の上に、導電体及び磁気抵抗効果素子を形成する工程と
を備える、
磁気記憶装置の製造方法。 - 前記導電体及び前記磁気抵抗効果素子を形成する前記工程は、
前記導電体、及び前記磁気抵抗効果素子に対応する積層膜を堆積する工程と、
前記積層膜の上にハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスクをマスクとして前記積層膜を加工して前記磁気抵抗効果素子を形成する工程と、
前記ハードマスク及び前記磁気抵抗効果素子の側面に絶縁体を形成する工程と、
前記ハードマスク及び前記絶縁体をマスクとして前記導電体を加工する工程と
を含む、
請求項11に記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 前記積層膜は、第1強磁性体、第2強磁性体、及び前記第1強磁性体と前記第2強磁性体との間に設けられた非磁性体を含む、
請求項12に記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 前記ハードマスクの上に、前記第1方向に交差する第2方向に延伸する第2配線を形成する工程を更に備える、
請求項12に記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 第1絶縁層内に、第1方向に延伸する配線を形成する工程と、
前記第1絶縁層及び前記配線の上に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層に、スイッチング素子に含まれるヒ素を注入して第1層を形成する工程と、
前記配線の上方に、導電体及び磁気抵抗効果素子を形成する工程と、
前記第1層にボロンを注入して第3絶縁層を形成する工程と
を備える、
磁気記憶装置の製造方法。 - 前記導電体及び前記磁気抵抗効果素子を形成する前記工程は、
前記導電体、及び前記磁気抵抗効果素子に対応する積層膜を堆積する工程と、
前記積層膜の上にハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスクをマスクとして前記積層膜を加工して前記磁気抵抗効果素子を形成する工程と、
前記ハードマスク及び前記磁気抵抗効果素子の側面に絶縁体を形成する工程と、
前記ハードマスク及び前記絶縁体をマスクとして前記導電体を加工する工程と
を含む、
請求項15に記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 前記第1層にボロンを注入して前記第3絶縁層を形成する前記工程は、前記ハードマスク、前記絶縁体、及び前記導電体をマスクにして実行される、
請求項16に記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 前記第1層のヒ素及びボロンを含む領域が前記第3絶縁層として機能し、ヒ素を含み、ボロンを含まない領域が前記スイッチング素子として機能する、
請求項15に記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 前記積層膜は、第1強磁性体、第2強磁性体、及び前記第1強磁性体と前記第2強磁性体との間に設けられた非磁性体を含む、
請求項16に記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 前記ハードマスクの上に、前記第1方向に交差する第2方向に延伸する第2配線を形成する工程を更に備える、
請求項16に記載の磁気記憶装置の製造方法。
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