JP2022046290A - 光走査装置および光走査装置を備える画像形成装置 - Google Patents

光走査装置および光走査装置を備える画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光走査装置の筐体の底部には、回転多面鏡が回転することに起因して生じる騒音を抑制するために、シートが貼り付けられることがある。しかしながら、画像形成装置を組み立てる際、作業員は、仕切り板上を滑らせるようにして筐体を画像形成装置内に収容するため、樹脂製のシートと仕切り板とが擦れて、シートに静電気が帯電してしまう。筐体の側壁の外側には、光源や光源を駆動する電子部品が実装された基板が設けられているため、帯電したシートから基板に向けて放電し、基板上の電子部品が損傷する虞がある。【解決手段】 光走査装置の筐体の底部にシートから突出する突出部を設ける。【選択図】 図7

Description

本発明は、電子写真方式を用いて記録用紙に画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置、およびこれらの画像形成装置が備える光走査装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置には、帯電した感光ドラムの表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する光走査装置を備えるものがある。光走査装置は、光源や、光源から出射された光ビームを偏向する回転多面鏡、ミラー、レンズなどの光学系部品と、これら光学系部品を収容する筐体を備える。
一般的に、光走査装置は、特許文献1に記載のように、画像形成装置に対して挿抜可能な構成である。工場で組み立てる際は、作業員が、画像形成装置の側方から光走査装置を収容する。光走査装置が収容される空間と用紙が収容される空間とは仕切り板によって仕切られており、作業員は、画像形成装置の側方から、仕切り板上を滑らせるようにして、光走査装置を画像形成装置内に収容する。
ところで、筐体が収容する回転多面鏡は毎分数万回転というスピードで高速回転している。そして、この回転に起因して筐体自体が振動することがある。回転多面鏡を回転駆動するためのモータは、筐体の底部に設けられることが多い。そのため、特に、筐体の底部が振動することが知られている。
筐体底部の振動に起因して、周囲の空気も振動し、これにより騒音が発生してしまう。この対策として、筐体の底部の外側に防音のための樹脂製のシートを貼り付け、周囲の空気の振動を抑制する方法が取られている。
特開2013-171145号公報
しかしながら、画像形成装置を組み立てる際、作業員は、仕切り板上を滑らせるようにして筐体を画像形成装置内に収容するため、樹脂製のシートと仕切り板とが擦れて、シートに静電気が帯電してしまう。筐体の側壁の外側には、光源や光源を駆動する電子部品が実装された基板が設けられているため、帯電したシートから基板に向けて放電し、基板上の電子部品が損傷する虞がある。
本発明に係る光走査装置は、画像形成装置に収容される光走査装置であって、光ビームを出射する光源と、前記光源を駆動する電子部品と、回転し、前記光源から出射された光ビームが感光体上を走査するように前記光ビームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡を収容する樹脂製の筐体と、前記光源と前記電子部品とを有し、前記筐体の側壁の外側に設けられた基板と、前記筐体の底部の外側に張り付けられ、当該底部の外側を覆う樹脂製のシートと、前記画像形成装置に前記筐体を収容する際の収容方向における前記底部の先端側に設けられ、前記シートよりも前記底部から突出した突出部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、感光体と、光ビームを出射する光源と、前記光源を駆動する電子部品と、回転し、前記光源から出射された光ビームが感光体上を走査するように前記光ビームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡を収容する樹脂製の筐体と、前記光源と前記電子部品とを有し、前記筐体の側壁の外側に設けられた基板と、前記筐体の底部の外側に張り付けられ、当該底部の外側を覆う樹脂製のシートと、用紙を収容する空間と前記筐体を収容する空間とを仕切る金属製の仕切り板と、前記収容部に前記筐体を収容する際の収容方向における前記底部の先端側に設けられ、前記仕切り板と前記シートとの間に間隙を形成するために、前記シートよりも前記底部から突出した突出部と、を備えることを特徴とする。
本発明の光走査装置および画像形成装置によれば、筐体の底部の外側に張り付けた樹脂製のシートが、画像形成装置の収容部と接触してしまう虞を低減することができる。
画像形成装置の一般的な構成を説明する概略構成図。 画像形成装置に対する光走査装置の収容方法について説明するための図。 光走査装置の斜視図。 収容部に収容された光走査装置を説明するための図。 画像形成装置への光走査装置の装着構成について説明するための図。 光走査装置が画像形成装置に装着される仕組みを説明するための図。 光走査装置の底部について説明するための図。 シートと基板との間隔を説明するための図。 光走査装置の底部に設けられる突出部についての変形例の図。
以下にて、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(画像形成装置)
図1は、本実施の形態における画像形成装置1の全体構成を示す概略断面図である。図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)に対応して、4色分の感光ドラム50Y、50M、50C、50Bk(以下、総称して感光ドラム50とも称する)を設けている。画像形成装置1は、各色毎にトナー像を形成する4基の画像形成部10Y、10M、10C、10Bkを備えるタンデム型のカラーレーザービームプリンタである。また、実施の形態は、図1に示すような複数の感光ドラム50を備えるカラー画像形成装置に限られず、1つの感光ドラム50を備えるカラー画像形成装置やモノクロ画像を形成する画像形成装置でも良い。
画像形成装置1は、各画像形成部10Y、10M、10C、10Bk(以下、単に画像形成部10とも称する)にて作像されたトナー像が転写される中間転写ベルト20を備える。中間転写ベルト20は、それぞれの画像形成部10から転写されたトナー像を記録用紙Pに転写する。なお、各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、それぞれの画像形成部10で用いるトナーの色が異なる以外は略同一に構成されている。以下では画像形成部10として画像形成部10Yを例に説明する。画像形成部10M、10C、10Bkについて重複する説明を省略する。
画像形成部10Yは、感光ドラム50Yと、感光ドラム50Yを一様に帯電させる帯電ローラ12Yと、後述する光走査装置によって感光ドラム50Y上に形成される静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する現像器13Yと、形成されたトナー像を中間転写ベルト20へ転写する一次転写ローラ15Yと、を備える。一次転写ローラ15Yは、中間転写ベルト20を介して感光ドラム50Yとの間に一次転写部を形成している。感光ドラム50Y上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ15Yに所定の転写電圧が印加されることによって中間転写ベルト20に転写される。
中間転写ベルト20は、第1ベルト搬送ローラ21及び第2ベルト搬送ローラ22に架け回された無端状のベルトで、矢印H方向に回転動作する。回転している中間転写ベルト20に各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkで形成されたトナー像が転写される。ここで、4基の画像形成部10は、中間転写ベルト20の鉛直方向下側に並列に配置されている。これにより、中間転写ベルト20には各色の画像情報に応じて感光ドラム50に形成されたトナー像が転写される。
また、第1ベルト搬送ローラ21と二次転写ローラ60とは、中間転写ベルト20を挟んで互いに圧接されている。これにより、第1ベルト搬送ローラ21は、中間転写ベルト20を介して二次転写ローラ60との間に二次転写部を形成する。記録用紙Pは、二次転写部に挿通され、中間転写ベルト20からトナー像が転写される。なお、中間転写ベルト20の表面に残った転写残トナーは、不図示のクリーニング装置によって回収される。
ここで、各画像形成部10は、中間転写ベルト20の回転方向(矢印H方向)において、二次転写部に対して上流側からイエローのトナー像を形成する画像形成部10Y、マゼンタのトナー像を形成する画像形成部10M、シアンのトナー像を形成する画像形成部10C、ブラックのトナー像を形成する画像形成部10Bkが順に配置されている。
また、各画像形成部10の鉛直方向下方には、各色に対応する感光ドラム50それぞれにレーザ光(光ビーム)を走査して、各感光ドラム50の表面上に静電潜像を形成する光走査装置が設けられている。
ここで言う光走査装置は、光学箱(筐体)40と、回転多面鏡41と、反射ミラー62を含む。また、光学箱40は、回転多面鏡41や反射ミラー62などの光学部材を収容する。また、本実施の形態における光学箱40は、各色の画像情報に応じて変調されたレーザ光を出射する不図示の4基の半導体レーザを有する。複数の半導体レーザは、対応する感光ドラム50それぞれを露光するための光源である。回転多面鏡41は、不図示のポリゴンモータによって高速回転される。これにより、各半導体レーザから出射された各レーザ光が、各感光ドラム50の回転軸線方向(主走査方向)に沿って感光ドラム50を走査するように反射される。半導体レーザから出射され回転多面鏡41に反射した各レーザ光は、光学箱40の内部に配置されたレンズ等の光学系部品に案内され、光学箱40の上部に設けられた各出射口それぞれを覆う透過部材42Y、42M、42C、42Bk(以下、単に透過部材42とも称する)を介して光学箱40の内部から外部へと出射される。光学箱40から出射されたレーザ光は各感光ドラム50を露光する。
一方、記録用紙Pは、画像形成装置1の下部に配置される給紙カセット2に収容されている。そして、記録用紙Pは、ピックアップローラ24によって、給送ローラ25とリタードローラ26によって形成される分離ニップ部へと給紙される。ここで、リタードローラ26は、ピックアップローラ24によって記録用紙Pが複数枚給送された場合に逆回転するように駆動が伝達されている。これにより、記録用紙Pを1枚ずつ搬送することで記録用紙Pの重送を防止している。給送ローラ25及びリタードローラ26によって1枚ずつ搬送された記録用紙Pは、画像形成装置1の右側面に沿って略垂直に伸びる搬送路27に搬送される。
そして、記録用紙Pは、搬送路27を通って画像形成装置1の鉛直方向下側から上側へと搬送され、レジストレーションローラ29に搬送される。レジストレーションローラ29は、搬送されてきた記録用紙Pを一旦停止させ、記録用紙Pの斜行を矯正する。その後、レジストレーションローラ29は、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像が二次転写部へ搬送されるタイミングに合わせて記録用紙Pを二次転写部へ搬送する。その後、二次転写部においてトナー像が転写された記録用紙Pは、定着器3へと搬送され、定着器3によって加熱及び加圧されることで記録用紙P上にトナー像が定着される。そして、トナー像が定着された記録用紙Pは、排出ローラ28によって画像形成装置1の外側であって画像形成装置1の本体上部に設けられる排出トレイ420へと排出される。
(光走査装置)
上述したように、本実施の形態の画像形成装置1によるフルカラー画像形成において、光学箱40は、それぞれの色の画像情報に従って画像形成部10のそれぞれの感光ドラム50Y、50M、50C、および50Bkをそれぞれの所定のタイミングで露光する。それによって、それぞれの感光ドラム50上に、それぞれの色の画像情報に応じたそれぞれの色のトナー像が形成される。高品質なフルカラー画像を得るためには、光学箱40により形成されるそれぞれの静電潜像の形成位置は、高精度に再現される必要がある。
図2(a)および図2(b)は、本実施の形態における図1の画像形成装置1の模式図である。図1では不図示としていた読取装置418を備える。読取装置418は圧板部421を有する。以下、図2(a)および図2(b)を用いて画像形成装置1への光学箱40の装着方法について説明する。
図2(a)は画像形成装置1に対して光学箱40を装着する際の様子を説明するための図である。画像形成装置1を組み立てる際、工場において作業者が光学箱40を画像形成装置1に収容する。
図2(a)に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、装置本体100と、装置本体100の上部に設けられた圧板部421と、を備える。装置本体100の手前側(図2(a)の右側)中段には、排出トレイ420が設けられている。装置本体100の側面441には、開口部419が形成されている。光学箱40は、開口部419を通して画像形成装置1の装置本体100の内部に設けられた収容空間である収容部440に収容される。収容部440の出入り口にあたる開口部419は、蓋部材(不図示)により閉ざされる。つまり、開口部419は、装置本体100の外部から内部へ挿入されて装置本体100に取り付けられる光学箱40が通るために、装置本体100の側面に形成された開口の一例である。
また、画像形成装置1は用紙が収容される収容空間である収容部443を有している。収容空間443に給紙カセット2が収容されている。収容部443と収容部440とは仕切り板440によって仕切られている。なお、この仕切り板440は、1枚の板に限られるものではなく、複数枚からなっていても構わないし、複数の部材で構成されていても構わない。作業者は、光学箱40を収容部442に収容する際は、仕切り板440上で光学箱40を滑らせて押し込んでいく。つまり、仕切り板440は、光学箱40が画像形成装置1に装着される際のレールの機能を果たす部材である。本実施の形態における仕切り板440は金属製である。
図2(b)は、光学箱40が装置本体100に対して位置決めされた画像形成装置1の模式図である。図2(b)に示すように、光学箱40は、装置本体100の外部から開口部419を介して装置本体100の内部の収容部440に取り付けられ、装置本体100に対して位置決めされる。
次に、図3を用いて光学箱40の構成について説明する。図3において、矢印で示す「上側」「下側」「右側」「左側」は、光学箱40が不図示の装置本体100に装着された状態であると仮定したときに画像形成装置1の各方向(図1および図2参照)に対応する。すなわち、例えば、作業者が光学箱40を装置本体100に取り付けるときは、図3中で示す光学箱40の右側をまず装置本体100の開口部419(図2参照)に挿入する。その後、作業者は光学箱40を装置本体100の右側へ向けて押し込んでいく。この時の、作業者が光学箱40を押し込んでいく方向、すなわち装置本体100の左側から右側へ向かう方向を「収容方向」と定義する。定義した「収容方向」は図3中に矢印で示す通りである。「収容方向」は感光ドラム50の回転軸線と鉛直方向とに垂直は方向に略平行な方向である。ただし、略平行とは、数学的に厳密な意味での平行ではなく、数度の傾きは許容する。
作業者が光学箱40を装置本体100に形成された開口部419を介して収容方向へ移動させていくと、光学箱40の右側の側壁105に設けられた突起107Fおよび突起107Rが、装置本体100に設けられた支持部200Fおよび支持部200R(以下、単に支持部200とも称する)に乗り上げる(支持部200については図4参照)。光学箱40を収容方向に向けて収容していくと、突起107Fおよび突起107Rが支持部200に乗り上げて、支持部200によって支持されることにより、装置本体100に対する光学箱40の位置が決まる。
こうして、光学箱40は支持部200によって装置本体100の内部で支持される。本実施の形態において、光学箱40には突起(107Fと107R)が2箇所に形成されている。すなわち、光学箱40の右側は2箇所で装置本体100に対して位置決めされ支持される。ただし、実施の形態は、光学箱40が2箇所の突起によって装置本体100に支持される構成に限らず、1箇所であっても構わないし、当然ながら複数箇所であっても構わない。
突起107Fおよび突起107Rは光学箱40の右側の側壁に設けられた突起である。突起107Fは光学箱40の右側の側壁のうち手前側に設けられ、突起107Rは突起107Fよりも奥側すなわちは光学箱40の右側の側壁のうち奥側に設けられている。
図3に示すように、突起107Fの上面には後述する第2傾斜部107b(第2領域の一例)と後述する第2平面部107d(第4領域)と、が形成されている。突起107Rにも、これら第2傾斜部107bに相当する領域と第2平面部107dに相当する領域とが形成されているが、ここでは不図示とし説明を割愛する。本実施の形態において、第2傾斜部107bおよび第2平面部107dは、突起107Fから鉛直方向上方へ突出した突起の上面にあたる部分に形成されている。具体的に、第2平面部107dは突起107Fの上面から約1.5mm突出している。第2傾斜部107bと第2平面部107dとは突起107Fから突出した突起に形成されているため、突起107Fとは一体的に成形されている。ただし、これら、第2傾斜部107bおよび第2平面部107dに相当する部分は、別部材に形成されていても良く、その別部材が突起107Fに設けられている構成でも構わない。
詳細は後述するが、第2傾斜部107bと第2平面部107dとには、不図示の線バネ109Fが当接する。本実施の形態として図3に示すように、第2傾斜部107bと第2平面部107dとを突起107Fから突出させて設けていることで、線バネ109Fとの接触面積を少なくすることができる。光学箱40が収容方向へ移動する際、第2傾斜部107bおよび第2平面部107dと線バネ109Fとの接触面積が大きいと、接触抵抗も大きくなり、光学箱40を装置本体100に取り付けるために要する力が大きくなる。このように、突起107Fと線バネ109Fとの接触面積を極力小さくすることで、突起107Fと線バネ109Fとの接触抵抗を低減できる。これにより、作業者は光学箱40を容易に装置本体100に取り付けることができる。なお、線バネ109Fは、1本の線状のバネであり、弾性変形が可能な針金である。
図4は収容空間442に光学箱40が収容されている状態を示す図である。この図を用いて、光学箱40の突起107Fが支持される支持部200Fと突起107Rが支持される支持部200Rについて説明する。図4に示すように、支持部200Fと支持部200Rとは装置本体100に固定されるフレーム210に設けられている。
装置本体100は、その枠体の一部を構成する側板201Lと側板201Rとを備える。側板201Lは装置本体100の左側に設けられており、例えば板金である。同様に、側板201Rは装置本体100の右側に設けられており、例えば板金である。
側板201Lには開口部419が形成されており、この開口部419を介して光学箱40は装置本体100に対して着脱される。ここで、側板201Lおよび側板201Rは、それぞれが1枚の板金を折り曲げ加工などを施されて構成されたものであっても構わないし、複数の板金を組み合わせて構成されたものであっても構わない。また、板金に限らず、棒状の金属フレーム等を組み合わせて、装置本体100の一側壁を構成していても構わない。したがって、開口部419は、側板201Lである板金に開けられた孔である必要はなく、光学箱40の通過経路を構成していれば孔で無くてもよい。
本実施の形態において、フレーム210は、板金を曲げ加工することによって形成されている。フレーム210の左側、すなわち開口部419が位置する側は、側板201Lにネジやビスによって締結されている。フレーム210と側板201Lとの固定方法は、これらネジやビスによる方法に限らず、溶接によるものでも構わない。同様に、フレーム210の右側は、側板201Rに固定されている。
フレーム210の上面は、開口部419から装置本体100の内部に挿入された光学箱40が載置される装着部440を構成する。装着部440は、光学箱40が開口部419に挿入されてから装置本体100に取り付けられるまで、光学箱40を支える機能をもつ。作業者は、光学箱40を開口部419に挿入した後、光学箱40を装着部440の上を滑らせるようにして装置本体100の右側へ向けて挿入する。これにより、作業者は容易に光学箱40を装置本体100の右側へ向けて押し込むことができる。
図4は、光学箱40が装置本体100に取り付けられる直前の様子を説明するための図である。光学箱40が図4に示す状態から更に装置本体の右側へと押し込まれて装置本体100に対する光学箱40の取り付けが完了する。
図4に示すように、フレーム210の右側は鉛直方向上方へ向けて折り曲げられている。この折り曲げられた部分には、光学箱40の突起107Fおよび突起107Rのそれぞれを支持する支持部200Fおよび支持部200Rが形成されている。支持部200Fは、フレーム210の右側の手前側に形成された開口220Fの下側の座面である。この開口220Fに突起107Fが嵌まる。また、支持部200Rは、フレーム210の右側の奥側に形成された開口220Rの下側の座面である。この開口220Rに突起107Rが嵌る。座面である支持部200Fに突起107Fが乗り上げ、座面である支持部200Rに突起107Rが乗り上げる。
フレーム210には、支持部200Fが形成された開口220Fと左右方向において重なるように線バネ109Fが設けられている。具体的には、支持部200Fが形成された開口220F上を掛け渡すようにして線バネ109Fが配置されている。更に具体的には、線バネ109Rは、鉛直方向(上下方向)と収容方向(左右方向)との双方に垂直な垂直方向において、支持部200Rよりも一方側と支持部200Rよりも他方側とに架設されている。
光学箱40の収容方向において、線バネ109Fは開口220F上に位置する。この開口220Fに挿入された突起107Fは、その下側が支持部200Fによって支持され、その上側が線バネ109Fによって支持部200Fに向けて押圧されることによって、突起107Fはフレーム210に対する鉛直方向の位置が決まる。光学箱40が装置本体100に取り付けられる際の、突起107F、支持部200F、線バネ109Fそれぞれの位置関係については後で詳細を説明する。
同様に、フレーム210には、支持部200Rが形成された開口220Rと左右方向において重なるように線バネ109Rが設けられている。具体的には、支持部200Rが形成された開口220R上を掛け渡すようにして線バネ109Rが配置されている。更に具体的には、線バネ109Rは、鉛直方向(上下方向)と収容方向(左右方向)との双方に垂直な垂直方向において、支持部200Rよりも一方側と支持部200Rよりも他方側とに架設されている。
光学箱40の収容方向において、線バネ109Rは開口220R上に位置する。この開口220Rに挿入された突起107Rは、その下側が支持部200Rによって支持され、その上側が線バネ109Rによって支持部200Rに向けて押圧されることによって、突起107Rはフレーム210に対する鉛直方向の位置が決まる。光学箱40が装置本体100に取り付けられる際の、突起107R、支持部200R、線バネ109Rそれぞれの位置関係については後で詳細を説明する。
光学箱40の突起107Fが支持部200Fによって支持され、かつ、光学箱40の突起107Rが支持部200Rによって支持された状態において、フレーム210の左側と光学箱40の左側とがネジによって締結される。すなわち、光学箱40の右側は支持部200によって支持され、光学箱40の左側はフレーム210の左側においてネジによって支持される。このとき、装着部440と光学箱40とは非接触である。光学箱40の右側と左側とがフレーム210に固定され、フレーム210に対する光学箱40の位置が決まる。上述したようにフレーム210は装置本体100に対して固定されているため、フレーム210に対する光学箱40の位置が決まることで、装置本体100に対する光学箱40の位置が決まる。こうして、光学箱40は装置本体100に取り付けられ、固定される。
(フレームに対する突起の位置決め)
図5はフレーム210の右側の手前側に設けられた支持部200Fの拡大図である。光学箱40が、図5の状態から更に不図示の装置本体100の右側へ押し込まれることによって、装置本体100に対する光学箱40の取り付けが完了する。以下、図5を用いて、光学箱40の突起107Fが、開口220Fに嵌り支持部200Fによって支持される様子について説明する。なお、突起107Rが開口220Rに嵌り支持部200Rによって支持される様子は、突起107Fが開口220Fに嵌り支持部200Fによって支持される様子と同様であるため、説明を割愛する。
図5において符合210Rとして示すフレーム210の右側の部分が上方へ向けて折り曲げられる。言い換えれば、フレーム210の右側は上方へ向けて折り曲げられ側壁210Rを構成する。この側壁210Rに開口220Fが形成されている。開口220Fの下側は装置本体100の右側へ向けて折り曲げられ、座面である支持部200Fが形成されている。開口220Fに突起107Fが嵌ると、突起107Fは支持部200Fによって支持される。
また、開口220F上には線バネ109Fが配置されている。線バネ109Fは一端側がフレーム210の内側、すなわちフレーム210の折り曲げられた部分よりも左側からフレーム210に形成された孔109cを通して固定されている。線バネ109Fの他端側は留め部109aと留め部109bとによってフレーム210に対して留められている。留め部109aはフレーム210から突き出した突起であって、線バネ109Fを支える。一方、留め部109bは、留め部109aよりも線バネ109Fの他端側を上方から下方へ向けて抑えるようにして線バネ109Fをフレーム210に対して固定している。まとめると、線バネ109Fの一端側はフレーム210に形成された孔に通されており、線バネ109Fの他端側は留め部109aによって支持され、留め部109bによって鉛直方向下向きに押圧されている。これにより、線バネ109Fは留め部109aを支点として、留め部109aよりも一端側と他端側とが鉛直方向下方へ向けて撓んでいる。言い換えれば、線バネ109Fは、常に留め部109aを鉛直方向下方へ押圧している。以上のようにして、線バネ109Fはフレーム210に対して固定されている。
詳しくは後述するが、光学箱40が図5の状態から更に装置本体100の右側へと押し込まれると、突起107Fが支持部200Fと線バネ109Fとの間に入り込む。この状態から更に光学箱40が装置本体100の右側へと押し込まれると、突起107Fが線バネ109Fを鉛直方向上方へ向けて押し上げながら、装置本体100の右側へと移動する。このとき、線バネ109Fは鉛直方向上方へ弾性変形している。装置本体100に対する光学箱40の取り付けが完了したとき、突起107Fは弾性変形した線バネ109の復元力によって支持部200Fに向けて押圧されている。こうして、突起107Fはフレーム210に対して位置決めされる。
図6は突起107Fが支持部200Fに乗り上げて、光学箱40が装置本体100に取り付けられる様子を説明するための模式図である。以下、図6を用いて突起107Fが支持部200Fに乗り上げて線バネ109Fを撓ませる様子を説明する。
図6(a)に示すように、フレーム210の右側であって、折り曲げられた部分である側壁210Rは、その一部が更に折り曲げられて支持部200Fを構成する。本実施の形態において、支持部200Fは、フレーム210の側壁210Rの一部が右側へ向けて90°に折り曲げられている。こうして折り曲げられていることで、フレーム210には、支持部200Fと側壁210Rとの境界部分でもある折り目が形成される。ここで、図6中において、この「折り目」にあたる部分を符合Cで示す。突起107Fの第1傾斜部107a(第1領域の一例)が支持部200Fに乗り上げている状態というのは、第1傾斜部107aが側壁210Rと支持部200Fとの境界部分に接触している状態のことを言う。フレーム210は、側壁210Rと支持部200Fとの境界部分である折り目が滑らかになるように曲げ加工が施されるため、第1傾斜部107aが支持部200Fに乗り上げた状態で光学箱40が収容方向へ移動しても、第1傾斜部107aは滑らかに支持部200Fに乗り上げて移動する。なお、ここで言う、「収容方向」は、図6中に示す「突起107Fの移動方向」と一致する方向である。
図6(a)は、光学箱40が開口部419に挿入され、装着部440に接触しながら装置本体100の右側へと移動しているときの図である。このとき、突起107Fと支持部200Fとは非接触である。ここで、突起107Fは、第1傾斜部107a(第1領域の一例)と、第2傾斜部107b(第2領域の一例)と、第1平面部107c(第3領域の一例)と、第2平面部107d(第4領域の一例)と、を備える。図6(a)に示すように、突起107Fには第1傾斜部107aと第2傾斜部107bとが形成されており、突起107Fの右側は先細りになっている。第1傾斜部107aは、光学箱40の収容方向、すなわち装置本体100の左側から右側へと向かう方向において、鉛直方向上方へ傾斜している。また、第2傾斜部107bは、光学箱40の収容方向、すなわち装置本体100の左側から右側へと向かう方向において、鉛直方向下方へ傾斜している。このように、第1傾斜部107aと第2傾斜部107bとは、収容方向における下流側へ向けて互いに近付くように傾いている。具体的には、突起107Fの右側端部が尖るように第1傾斜部107aと第2傾斜部107bとが形成されている。本実施の形態において、第1傾斜部107aは収容方向に対して28°傾斜しており、また、第2傾斜部107bは収容方向に対して10°傾斜している。すなわち、収容方向に対する第1傾斜部107aの傾斜角度は、収容方向に対する第2傾斜部107bの傾斜角度よりも大きい。言い換えれば、第2傾斜部107bは、第1傾斜部107aよりも収容方向に対する傾斜が緩い。ただし、これらの傾斜角度の関係は、上記の形態に限らず、例えば、第2傾斜部107bは、第1傾斜部107aよりも収容方向に対する傾斜が急な角度であっても構わない。
また、鉛直方向における第1傾斜部107aの高さおよび鉛直方向における第2傾斜部107bの高さは、線バネ109Fのバネ係数によって調整される必要がある。例えば、線バネ109Fのバネ係数が大きければ大きいほど、少ない変形量でも大きな復元力を得ることが出来るため、線バネ109Fが弾性変形すべき量は小さくても構わない。しかしながら、バネの変形量が小さければ小さいほど、その公差による影響が大きくなる。したがって、バネの弾性変形に起因した任意の復元力を得るためには、バネ係数の小さいバネを大きく変形させて所定の復元力を得ることが一般的である。そのため、本実施の形態においては、図3を用いて説明したように第2傾斜部107bおよび第2平面部107dを突起107Fから鉛直方向上方へ突出させて、鉛直方向における突起107Fの幅を少しでも大きくとっている。
第1平面部107cは、開口部419への光学箱40の収容方向において第1傾斜部107aよりも上流側に設けられている。また、第1平面部107cは、収容方向に対する傾斜角度が第1傾斜部107aよりも小さくなるように突起107Fの一部に形成されている。本実施の形態では、第1平面部107cは収容方向と平行な平面である。しかしながら、前述の通り、第1平面部107cの収容方向に対する傾斜角度は、第1傾斜部107aの収容方向に対する傾斜角度よりも小さければ構わない。収容方向に対する第1平面部107cの傾斜角度は、好ましくは0°~5°である。
第2平面部107dは、開口部419への光学箱40の収容方向において第2傾斜部107bよりも上流側、かつ、第1平面部107cよりも鉛直方向上方に設けられている。また、第2平面部107dは、収容方向に対する傾斜角度が第2傾斜部107bよりも小さくなるように突起107Fの一部に形成されている。本実施の形態では、第2平面部107dは収容方向と平行な平面である。しかしながら、前述の通り、第2平面部107dの収容方向に対する傾斜角度は、第2傾斜部107bの収容方向に対する傾斜角度よりも小さければ構わない。収容方向に対する第2平面部107dの傾斜角度は、好ましくは0°~5°である。
図6(b)は、光学箱40が図6(a)の状態から更に装置本体100の右側へ向けて挿入された状態である。図6(b)に示すように光学箱40が装置本体100の右側へ向けて移動していくと、第1傾斜部107aが支持部200Fに対して収容方向へ向けて突き当たる。図6(b)は、第1傾斜部107aと支持部200Fとが接触した状態を示している。このときの光学箱40の位置を第1位置と定義する。ここで、前述したように、第1傾斜部107aは左側から右側へ向けて鉛直方向上方へ傾斜している。そのため、第1傾斜部107aと支持部200Fとが接触した状態で光学箱40が収容方向へ向けて移動されると、第1傾斜部107aは支持部200Fを乗り上げるため、光学箱40は図6(b)中における矢印方向へ移動する。第1傾斜部107aはテーパの機能も果たすため、作業者は突起107Fを容易に支持部200Fの上に乗せることができる。なお、このとき、第2傾斜部107bと線バネ109Fとは非接触である。更に光学箱40が押し込まれて、第1傾斜部107aが支持部200Fに乗り上げることにより、第2傾斜部107bは線バネ109Fに対して収容方向へ向けて突き当たる。
図6(c)は、光学箱40が図6(b)の状態、すなわち第1位置から更に装置本体100の右側へと移動し、第2傾斜部107bと線バネ109Fとが接触した状態を示す。このときの光学箱40の位置を第2位置と定義する。この状態から突起107Fが図6(c)中における矢印方向へ移動すると、第2傾斜部107bが線バネ109Fを鉛直方向上方へ更に弾性変形させる。第2傾斜部107bは収容方向において鉛直方向下方へ向けて傾斜しているため、線バネ109Fから第2傾斜部107bを見ると、第2傾斜部107bに乗り上げるようにして両者の位置関係が変わっていく。このように、第1傾斜部107aが支持部200Fに乗り上げながら、図6(c)中における矢印方向へ突起107Fが移動することにより、線バネ109Fが鉛直方向上方へ押し上げられ弾性変形する。同時に、第2傾斜部107bは弾性変形した線バネ109Fの復元力を受け、突起107Fは支持部200Fへ向けて押圧される。このとき、作業者は、線バネ109Fが突起107Fを鉛直方向下方へ向けて押圧する力と、光学箱40の重力と、に抗して、光学箱40を収容方向へ押し込んでいくことになる。この状態のときに光学箱40を押し込むために要する力が、従来例と比べて本実施の形態の方が少なくて済む。すなわち、突起107Fの第1傾斜部107aが支持部200Fに乗り上げているときに線バネ109Fが突起107Fに付与する力が少なくて済む。
図6(d)は、光学箱40が図6(c)の状態、すなわち第2位置から更に装置本体100の右側へ向けて押し込まれた状態を示す図である。突起107Fが弾性変形した線バネ109Fの復元力に抗して、線バネ109Fを更に鉛直方向上方へ向けて弾性変形させる。このとき、第1平面部107cが支持部200F上に乗り上げている。すなわち、第2傾斜部107bが線バネ109Fに接触した状態において、光学箱40が挿入の方向へ向けて移動すると、第1傾斜部107aが支持部200Fに乗り上げて、第1平面部107cが支持部200Fと接触する。言い換えれば、第2傾斜部107bと線バネ109Fとが接触している状態で、突起107Fのうち支持部200Fと接触する部分が第1傾斜部107aから第1平面部107cへと移り変わる。図6(d)に示す状態のとき、第2傾斜部107bは鉛直方向上方へ弾性変形した線バネ109Fによって支持部200Fへ向けて押圧され、第1平面部107cは支持部200Fによって支持されている。このときの光学箱40の位置を第3位置と定義する。
図6(e)は、光学箱40が図6(d)の状態、すなわち第3位置から更に装置本体100の右側へ向けて押し込まれた状態を示す図である。第1平面部107cと支持部200Fとが接触した状態のときに、突起107Fのうち線バネ109Fと接触する部分が第2傾斜部107bから第2平面部107dへと移り変わる。このとき、第2平面部107dは鉛直方向上方へ弾性変形した線バネ109Fによって支持部200Fへ向けて押圧され、第1平面部107cは支持部200Fによって支持されている。突起107Fは、弾性変形した線バネ109Fの復元力によって支持部200Fに向けて押圧され、光学箱40はフレーム210に対して位置決めされる。このときの光学箱40の位置が第4位置である。光学箱40が第3位置から第4位置へと移動し、光学箱40の一部がフレーム210の一部に突き当たって静止したところで、光学箱40とフレーム210とは不図示のネジやビスなどによって固定される。
(突起の詳細構造について)
図6を参照して突起107Fの構成について更に詳細を説明する。図6に示すように、本実施の形態において、第1傾斜部107aと第1平面部107cとは連続した平面をなす。第1傾斜部107aと第1平面部107cとの境界部分は滑らかになるように加工が施されている。これにより、突起107Fが支持部200Fに乗り上げていったときでも、フレーム210の側壁210Rと支持部200Fとの境界部分の接触先は、第1傾斜部107aから第1平面部107cまで滑らかに移り変わる。
また、第2傾斜部107bと第2平面部107dも連続した平面をなす。第2傾斜部107bと第2平面部107dとの境界部分は滑らかになるように加工が施されている。これにより、突起107Fが支持部200Fに乗り上げていったときでも、線バネ109Fの接触先は、第2傾斜部107bから第2平面部107dまで滑らかに移り変わる。
図6に示すように、第1傾斜部107aと第1平面部107cとの境界部分は、第2傾斜部107bと第2平面部107dとの境界部分よりも収容方向における下流側に位置する。言い換えれば、収容方向における第1傾斜部107aの上流側端部は、収容方向における第2傾斜部107bの上流側端部よりも収容方向における下流側に位置する。従来例と実施例1に係る形態とで支持部200Fに対する線バネ109Fの位置が変わらないと仮定すると、従来例では収容方向に対する第2傾斜部108bの傾斜角度が急で、第1傾斜部108aと第1平面部108cとの境界部分は、第2傾斜部108cと第2平面部108dとの境界部分よりも収容方向における上流側に位置する。そのため、従来例に比べて実施例1の形態の方が、光学箱40が収容方向へ移動していったときに、第2傾斜部108bと線バネ109Fとが接触するタイミングが遅い。こうして、第1傾斜部108aが支持部200Fに乗り上がり切った後に第2平面部108dと線バネ109Fとが接触する構成が実現される。当然ながら、支持部200Fに対する線バネ109Fの位置を従来例によりも収容方向における上流側に配置することによって、光学箱40を収容方向へ移動させていったときの、第2傾斜部108b(107b)と線バネ109Fとの接触のタイミングを早くしても構わない。
以上説明したように、光学箱40は第1位置から第4位置まで順に移動して、装置本体100に対して位置決めされる。
(光走査装置の底部の構造)
図7は光学箱40の底部の構造について説明するための図である。図7(a1)はシート102が貼り付けられた光学箱40の斜視図、図7(a2)は光学箱40の内部構成について説明するための図、図7(b)はシート102を説明するための図、図7(c)はシート102が貼り付けられた光学箱40を下方からみた図である。
図7(a1)に示すように、光学箱40の底部には突出部(第1の突出部)101a、突出部(第2の突出部)101bが形成されている。以降、これらの突出部101aおよび突出部101bのことを総称して突出部101と言うこともある。なお、本実施の形態においては、突出部101aおよび突出部101bは光学箱40の底部に一体的に成形されているが、これらは別部材であっても構わない。例えば、ビスで留められていても構わないし、接着剤等で別途固定されている構成でも構わない。
ここで、本実施の形態において、突出部101aの突出量は0.5mmである。シート102の厚さが0.2mmであるため、突出部101aは必ずシート102から突き出す。したがって、光学箱40を仕切り板440上に置いた場合でも、シート102と仕切り板440との間には間隙が形成される。つまり、光学箱40を仕切り板440上に置いた状態で作業者が光学箱40を収容方向へ押し込んでも、シート102と仕切り板440とが擦れないため、シート102に静電気が帯電してしまう虞を低減することができる。シート102に静電気が帯電してしまうことについての課題は次に述べる通りである。
図7(a2)に示すように、光学箱40は後方側の側壁の外側に基板104aおよび基板104bを有する。基板104aは光源51aおよび光源51bを備える。それぞれの光源から出射された光は回転多面鏡41によって、感光体上を走査するように偏光される。同様に、基板104bは光源51cおよび光源51dを備える。それぞれの光源から出射された光は回転多面鏡41によって、感光体上を走査するように偏光される。基板104aおよび基板104bには、各光源を駆動するためのIC52が設けられている。IC52は電子部品の一例である。基板上には、ICの他にも、コンデンサやコイルなど、様々な電子部品が実装されている。また、本実施の形態では、2枚の基板に分かれているが、1枚の基板で構成されていても構わない。つまり、1枚の基板104が4つの光源を備える構成でも構わない。
図7(b)は、光学箱40の底部に貼り付けられるシート102である。原材料の主成分はポリエチレンテレフタラートである。つまり、シート102は樹脂製である。光学箱40に収容される回転多面鏡41は高速回転する。近年の画像形成装置には、印刷スピードの高速化が求められており、回転多面鏡が1分間に4~5万回転するものも珍しくない。回転多面鏡を高速回転させると、当該回転に起因して光学箱40自体が微小に振動してしまう。本実施の形態のように、回転多面鏡41を回転させるためのポリゴンモータを光学箱40の底部に設ける場合、特に光学箱40の底部の振動が大きくなることが知られている。光学箱40の底部の振動に起因して、周囲の空気も振動するため、騒音が生じてしまう。
そこで、光学箱40の底部を覆うようにシートを貼り付けて対策を取る方法がある。本実施形態のように、光学箱40の底部の外側を覆うように樹脂製のシート102を貼り付けることで、光学箱40の底部の振動に起因する騒音の発生を抑制することができる。なお、ここで言う「覆う」とは、光学箱40の底部が完全に見えなくなるように覆う構成のみを意味するのではなく、例えば一部に開口が設けられている構成でも構わないし、光学箱40の底部よりも一回り小さな(例えば10mm程度)シートを用いても構わない。つまり、光学箱40の底部を見たとき、シート102から光学箱40の底部の一部が露出していても構わない。ただし、騒音を抑制する観点から、光学箱40の底部の90%以上の領域を覆うようなシート102を用いることが好ましい。
しかしながら、上述したように、シート102はポリエチレンテレフタラートを用いた樹脂製であるため、光学箱40を仕切り板440上で滑らせた場合に、シート102と仕切り板440とが擦れてしまい、シート102に静電気が帯電してしまう虞がある。詳しくは後述するが、光学箱40の側壁の外側には基板104が取り付けられており、シート102との物理的距離が比較的近いため、帯電したシート102から基板104に向けて放電してしまう可能性が無視できない。そこで、本実施の形態では、シート102から突出する突出部101を光学箱40の底部に形成している。
図7(c)に示すように、突出部101aおよび突出部101bは収容方向に沿って延出している。収容方向における延出した突出部101aの先端部分は、収容方向における光学箱40の底部の先端側に位置している。一方、収容方向における延出した突出部101bの後端部分は、収容方向における光学箱40の底部の後端側に位置している。突出部101bについても同様である。
ここで、「先端側」とは、収容方向における光学箱40の先端と後端とを結んだ仮想線Lを三等分するように、光学箱40を3つの領域(先端側から順に、領域F、領域C、領域R)に区切ったときに、光学箱40の先端側の領域である領域Fのことを言う。一方、「後端側」とは領域Rのことを言う。つまり、突出部101の一部が領域Fにかかっている場合は、突出部101aが収容方向における光学箱40の先端側に設けられていると言うことができる。
このように、突出部101aおよび突出部101bが光学箱40の底部の先端側から後端側にかけて延出していることで、光学箱40を収容部に収容する場合に、シート102を貼り付けた光学箱40の底部が、仕切り板440に擦れてしまうことを極力減らすことができる。なお、本実施の形態においては、光学箱40の収容方向における先端から突出部101の先端までの距離は105mm、光学箱40の収容方向における後端から突出部101の後端までの距離も105mmである。突出部101自体の長さは121mmである。
また、図7(c)に示すように、突出部101aは光学箱40の後方側に設けられ、突出部101bは光学箱40の前方側に設けられている。なお、ここで言う「後方側」とは、光学箱40の底部を前後方向において二等分した場合における後方側の領域のことを言う。ここで、前後方向は、鉛直方向と収容方向と垂直な方向と略平行な方向のことを言う。「前方側」についても同様に、光学箱40の底部を前後方向において二等分した場合における前方側の領域のことを言う。このように、1対の突出部101のうち、一方が光学箱40の底部の後方側に設けられ、他方が光学箱40の底部の前方側に設けられていることで、仕切り板440上を滑らせて光学箱40を収容する際に、光学箱40が傾いて、シート102の一部が仕切り板440に擦ってしまう虞を低減することができる。つまり、作業者は容易に光学箱40を収容部442に収容することができる。
なお、突出部101は1カ所だけに設けられていても構わない。例えば、光学箱40の底部の先端側の中央付近に1箇所だけ設けられていても構わない。
図8は、光学箱40を下方から見た場合における、基板104付近の拡大図である。図8に示すように、シート102と基板104との距離は、最も近い場所で25mmである。これは、シート102の帯電電圧が1kV以上であれば、シート102から基板104への放電が生じる可能性を示唆している。基板104上には、光源51a~51dやこれらの光源を駆動するための電子部品
ここで、発明者の実験によると、突出部101aおよび突出部101bを設けずに、収容部442への光学箱40の挿抜を20回繰り返した場合、つまり光学箱40の底部と仕切り板440とが擦れる状態で光学箱40の挿抜を20回繰り返した場合、シート102の帯電電圧は5.48kVであった。一方、突出部101aおよび突出部101bが設けられた光学箱40を収容部442に対して20回挿抜した場合、シート102の帯電電圧は0.36kVであった。このように、光学箱40の底部に突出部101aおよび突出部101bを設けたことで、光学箱40を収容部442に収容する場合に、シート102に帯電してしまう静電気の量を抑えることができる。
図9は上述した本実施の形態の変形例である。光学箱40の底部に設ける突出部の箇所は、図9に示すような位置でも構わない。
図9(a)は光学箱40の底部の先端側の2カ所に突出部110a、110bを設けた例である。作業者は光学箱40を収容する際、光学箱40の後端側を手で支えながら、光学箱40を押し込む。つまり、作業者が光学箱40の底部の後端側が仕切り板440に接触しないように注意して光学箱40を保持していれば、光学箱40の底部に貼り付けたシート102と仕切り板440とが擦れてしまうことを防ぐことができる。光学箱40の底部に形成されたこれらの突出部110a、110bを仕切り板440に接触させた状態で、光学箱40を押し込んでいくことを考えると、突出部と仕切り板440との接触面積が小さければ小さいほど、摩擦力も小さくなる。したがって、突出部が光学箱40の底部の先端側から後端側にかけて延設されている場合に比べて、光学箱40を収容部442に収容する際に小さな力で押し込むことができる。
図9(b)は光学箱40の底部の先端側と後端側それぞれに2カ所ずつ突出部110a~110dを設けた例である。このように突出部110a~110dを形成することで、本実施形態の例に比べて、小さな力で光学箱40を収容部442に押し込めることに加えて、図9(a)の例のように、作業者が注意して光学箱40の後端を保持する必要が無くなる。したがって、作業者は、より簡単に光学箱40を収容部442に収容することができる。
図9(c)は光学箱40の先端側2カ所に突出部110aおよび110bを、後端側1カ所に突出部111を形成した例である。3点で光学箱40を支持する構成をとることで、より安定的に光学箱を仕切り板440に支持させることができる。また、4点で支持する構成に比べて、光学箱40を収容部442に収容する際に生じる摩擦力を低減することができる。
以上のように、光学箱40の底部に突出部を設け、シート102から突出させることで、光学箱40を収容部442に収容する際にシート102に静電気が帯電してしまう虞を低減することができ、シート102から基板104に放電してしまう虞を低減することができる。
1 画像形成装置
40 光学箱
41 回転多面鏡
100 装置本体
101a 突出部(第1の突出部)
101b 突出部(第2の突出部)
102 シート
104 基板
110a~110d 突出部
111 突出部
419 開口部
440 仕切り板
442 収容部
443 収容部

Claims (12)

  1. 画像形成装置に収容される光走査装置であって、
    光ビームを出射する光源と、
    前記光源を駆動する電子部品と、
    回転し、前記光源から出射された光ビームが感光体上を走査するように前記光ビームを偏向する回転多面鏡と、
    前記回転多面鏡を収容する樹脂製の筐体と、
    前記光源と前記電子部品とを有し、前記筐体の側壁の外側に設けられた基板と、
    前記筐体の底部の外側に張り付けられ、当該底部の外側を覆う樹脂製のシートと、
    前記画像形成装置に前記筐体を収容する際の収容方向における前記底部の先端側に設けられ、前記シートよりも前記底部から突出した突出部と、を備えることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記突出部は前記底部に一体的に成形されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記突出部は、第1の突起と第2の突起とを有し、
    前記第1の突起は、前記収容方向と前記回転多面鏡の回転軸線方向とに垂直な方向における前記底部の一方側に設けられ、
    前記第2の突起は、前記収容方向と前記回転軸線方向とに垂直な方向における前記底部の他方側に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記第1の突起と前記第2の突起とは前記収容方向における前記底部の先端側から後端側にかけて延設されていることを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 前記基板は前記筐体の側壁のうち、前記収容方向と前記回転多面鏡の回転軸線方向とに垂直な方向における一方側の側壁に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光走査装置。
  6. 前記シートはポリエチレンテレフタラートを主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光走査装置。
  7. 感光体と、
    光ビームを出射する光源と、
    前記光源を駆動する電子部品と、
    回転し、前記光源から出射された光ビームが感光体上を走査するように前記光ビームを偏向する回転多面鏡と、
    前記回転多面鏡を収容する樹脂製の筐体と、
    前記光源と前記電子部品とを有し、前記筐体の側壁の外側に設けられた基板と、
    前記筐体の底部の外側に張り付けられ、当該底部の外側を覆う樹脂製のシートと、
    用紙を収容する空間と前記筐体を収容する空間とを仕切る金属製の仕切り板と、
    前記収容部に前記筐体を収容する際の収容方向における前記底部の先端側に設けられ、前記仕切り板と前記シートとの間に間隙を形成するために、前記シートよりも前記底部から突出した突出部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記突出部は前記底部に一体的に成形されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記突出部は、第1の突起と第2の突起とを有し、
    前記第1の突起は、前記収容方向と前記回転多面鏡の回転軸線方向とに垂直な方向における前記底部の一方側に設けられ、
    前記第2の突起は、前記収容方向と前記回転軸線方向とに垂直な方向における前記底部の他方側に設けられていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記第1の突起と前記第2の突起とは前記収容方向における前記底部の先端側から後端側にかけて延設されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記基板は前記筐体の側壁のうち、前記収容方向と前記回転多面鏡の回転軸線方向とに垂直な方向における一方側の側壁に設けられていることを特徴とする請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記シートはポリエチレンテレフタラートを主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項7から請求項11までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
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