JP2022045795A - 導電性スクリーンインキ組成物(2020-k006) - Google Patents

導電性スクリーンインキ組成物(2020-k006) Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、導電性インキの硬化及び乾燥において加熱が不要であるとともに、同様に加熱を要する焼成工程を省略した場合であっても、優れた導電性を発揮できる新たな導電性インキを提供する。【解決手段】本発明は、導電性顔料(A)、光重合性化合物(B)、酸化重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を少なくとも含有し、30℃における粘度が18Pa・s以下であることを特徴とする導電性スクリーンインキ組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、スクリーン印刷工程における導電性印刷物の作製において、紫外線硬化型樹脂と酸化重合型樹脂との組み合わせによる導電性スクリーンインキ組成物を提供する。
近年、導電性インキは、RF-IDなどの配線、ディスプレイ、フレキシブル太陽電池、センサ、電子ペーパー等の導電性印刷物のさらなる軽量化、小型化、フレキシブル化、大面積化、さらには、低コスト化、大量生産、省エネ化、化学物質の使用量削減といった要求に応えることが可能であることから、今後、大きな市場形成、経済効果が見込まれている。
導電性インキは、最低でも50℃~120℃程度で加熱して硬化又は乾燥させる必要があり、加熱プロセスが必須条件であった。さらに、得られた導電性印刷物の導電性を高めるためには、100℃以上の焼成工程を必要としていた。ところが、加熱を要する熱硬化性導電性インキでは、硬化に時間を要するため、画線ににじみが生じたり、印刷後に基材を積層することができなかった。さらに、熱に弱い基材を用いることができないことや、硬化、焼成に多大なエネルギーを必要としていたことから、近年では、UV硬化型の導電性インキが開発されている。
前述のUV硬化型の導電性スクリーンインキの一例として、導電性材料、ウレタンアクリレート類のオリゴマー、一官能のアクリレート類及び多官能のアクリレート類からなる光硬化性樹脂、アルキド樹脂、二種以上の光重合開始剤を含有する光硬化型導電性インク組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-14111号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、導電性インキに用いる導電性顔料は、金属である銅や銀をコアとする球状又はフレーク状の顔料であるため、導電性インキを紫外線硬化型インキとする場合には、紫外線照射が導電性印刷物の画線中の導電性顔料下部に届かず、完全に硬化させることが困難であるという課題があった。
また、優れた導電性を得るためには、焼成工程が不可欠であるが、焼成工程を省略するため、導電性顔料の割合を増やすと、さらに硬化不良が発生するといった悪循環があった。
本発明は、前述した問題の解決を目的としたものであり、導電性インキの硬化、乾燥において加熱が不要であり、同様に加熱を要する焼成工程を省略しても、優れた導電性を発揮できる新たな導電性インキを提供する。
本発明は、導電性顔料(A)、光重合性化合物(B)、酸化重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を少なくとも含有し、30℃における粘度が18Pa・s以下であることを特徴とする導電性スクリーンインキ組成物である。
本発明は、酸化重合性化合物(C)が、ヨウ素価100以上の油脂類、又はヨウ素価100以上の油脂類から変性された化合物であり、導電性スクリーンインキ組成物の全重量中の配合割合が0.4wt%から10wt%であることを特徴とする導電性スクリーンインキ組成物である。
本発明の導電性スクリーンインキ組成物は、導電性スクリーンインキ組成物により形成された画線表面を紫外線により硬化後、画線内部の未硬化な樹脂を酸化重合により自然に硬化させることで、画線のにじみ等がなく画線再現性に優れ、硬化後の耐摩擦性に優れる。さらに硬化中に導電性が向上することから優れた導電性を付与することができる。
導電性印刷物の実施例5及び比較例1の耐摩擦性試験に関する図である。
本発明を実施するための形態を以下に説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他様々な形態が実施可能である。
はじめに、本発明における導電性スクリーンインキ組成物の概要について説明する。
(導電性スクリーンインキ組成物)
本発明の導電性スクリーンインキ組成物は、導電性顔料(A)、光重合性化合物(B)、酸化重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を少なくとも含んでなるものである。本発明の導電性スクリーンインキ組成物は、30℃における粘度が18Pa・s以下である。粘度が18Pa・sを超えると、酸化重合中に導電性が向上する効果を得られないからである。各成分について詳細を説明する。
(導電性顔料(A))
本発明の導電性スクリーンインキ組成物に用いる導電性顔料(A)は、導電性を有するものであれば特に限定されないが、金属やカーボンナノチューブなどが挙げられる。金属としては、例えば、ニッケル、銅、銀、金、アルミニウム、クロム、白金、パラジウム、タングステン、モリブデン等の単体、これら二種類以上の金属からなる合金、これら金属のコーティング顔料、あるいはこれら金属の化合物で良好な導電性を有する顔料が挙げられる。コーティング顔料としては、コア材にシリカ、アルミナ、アルミニウム、ニッケル、銅などを用い、コア材の表面に銀等の高い導電性を有する金属でめっきした顔料である。例えば、商品名として、TOYALTecFillerTFM-C05F、TFM-C15F、TFM-N05P、TFM-S02P、TFM-S05P、TFM-L05B、TFM-L10F、TFM-A05P(東洋アルミニウム株式会社製)等がある。コア材を変えることにより、導電性や密度、形状を制御することができる。
本発明の導電性スクリーンインキ組成物に用いる導電性顔料(A)の形状及び粒径は、特に限定されず、形状としては、一般的な球状、フレーク状、又はそれらの混合物を用いることができる。粒径は、印刷方式等によって適宜選択することができる。例えば、印刷方式としてスクリーン印刷を選んだ場合には、スクリーン版面の開口領域以下の粒径の顔料であれば印刷することが可能である。顔料の粒径は、動的光散乱(DLS)、レーザー回析、沈殿法などのような周知の方法で測定することができる。
導電性顔料(A)の配合量は、導電性スクリーンインキ組成物の総重量に対して、40wt%から90wt%である。導電性顔料(A)の配合量が40wt%未満の場合は、十分な導電性を得られない。導電性顔料(A)の配合量が90wt%を超えた場合は、導電性スクリーンインキ組成物が高粘度となり、酸化重合中に導電性が高まらず、さらには、硬化成分が少なくなることから堅ろう性が劣る。なお、より好ましくは、50wt%から80wt%である。50wt%から80wt%とすることで導電性スクリーンインキ組成物の粘度を30℃(室温)において、良好な印刷適性となる0.5Pa・sから3.0Pa・sに収めることができ、また、当該組成物に十分な堅ろう性を付与することができる。
(光重合性化合物(B))
光重合性化合物(B)は、少なくとも1つの光重合性モノマーから成る。
単官能光重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピロリドン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、二官能光重合性モノマーとしては、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキシド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキシド)付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
三官能光重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等の三価以上の多価アルコールのトリアクリレート又はトリメタクリレート類が挙げられる。
四官能以上の光重合性モノマーとしては、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート混合物、ジペンタエリスリトールポリエトキシヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリプロポキシヘキサ(メタ)アクリレート等があげられる。
また、光重合性化合物(B)の物性を調整するため、適宜光重合性オリゴマーを配合してもよい。光重合性オリゴマーとしては、ウレタン系、エポキシ系、ポリエーテル系、ポリエステル系、アクリル系オリゴマー等が挙げられる。
ウレタン系オリゴマーとしては、例えば、ポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させてウレタンプレポリマーを作製し、ウレタンプレポリマーにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるものがある。また、有機ポリイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるもの等を挙げることができる。このような多官能ウレタン系オリゴマーを使用することによって、インキ硬化皮膜の弾力性を向上し、インキ硬化皮膜が脆くなることを防止するためである。
ウレタン系オリゴマーの具体例としては、商品名として、紫光UV-2000B、紫光UV-2750B、紫光UV-3000B、紫光UV-3200B、紫光UV-3210EA、紫光UV-3300B、紫光UV-3310B、紫光UV-3500BA、紫光UV-3520TL、紫光UV-3700B、紫光UV-6640B(日本合成化学工業株式会社製)、UF-8001G、DAUA-167(共栄社化学株式会社製)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらのウレタン系オリゴマーは、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
また、光重合性化合物(B)は、光重合性モノマーを少なくとも一種類配合していればよく、複数のモノマー、オリゴマーを合わせて配合することができる。粘度調整に用いる希釈剤として、30℃における粘度が0.5Pa・s以下である光重合性モノマーを少なくとも一種類選択することがより好ましい。硬化性に悪影響なく、高い希釈効率で導電性スクリーンインキ組成物の30℃における粘度を18Pa・s以下、好ましくは0.5から3.0Pa・sに収めることができるためである。
光重合性化合物(B)の配合割合は、導電性スクリーンインキ組成物の総重量に対して、10wt%から50wt%である。10wt%未満であると光重合による硬化性が不十分であり、50wt%を超えると導電性顔料の配合割合が不足し、導電性が不十分となるためである。
(酸化重合性化合物(C))
酸化重合性化合物(C)は、不飽和脂肪酸残基又は飽和脂肪酸残基を有する化合物又はこれらの混合物を含むヨウ素価100以上のポリマー、オリゴマー又はモノマーである。詳細には、植物油、植物性脂肪、動物油、動物性脂肪、動植物油脂の変性物、脂肪酸アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、テルペン樹脂、ビニルポリマー、ポリアミド等を一種類以上含有するものであるが、これらに限定されない。ヨウ素価100未満の油脂類又はその変性物を用いると乾燥が遅くなったり、乾燥しない場合がある。
ヨウ素価は、二重結合にハロゲンが付加する反応を利用し、油脂又は脂肪酸にハロゲンを作用させた場合に、吸収されるハロゲンの量をヨウ素価に換算し、試料100gに吸収されるヨウ素の量をグラム単位で表した数である。ヨウ素価が、130以上で乾燥性が大きい油脂を乾性油といい、きり油、あまに油、大豆油、脱水ひまし油等がある。ヨウ素価が、100から130の油脂を半乾性油といい、とうもろこし油、綿実油等がある。ヨウ素価が、100以下の油脂を不乾性油といい、つばき油、オリブ油、ヤシ油等がある。よって、本発明の導電性スクリーンインキ組成物における酸化重合性化合物(C)は、ヨウ素価に応じて、酸化重合触媒を合わせて配合して、酸化重合の架橋硬化の速度を調整することができる。
なお、酸化重合性化合物(C)の配合割合は、導電性スクリーンインキ組成物の総重量に対して、0.4wt%から10wt%である。0.4wt%未満であると酸化重合による硬化性が不十分であり、10wt%を超えると導電性顔料の配合割合が不足し、導電性が不十分となるためである。
(光重合開始剤(D))
光重合開始剤(D)は、4-ジメチルアミノ安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシアセトフェノン、ベンゾフェノン及びベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4-ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾイン誘導体等の公知の光重合開始剤を単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(D)の具体的な商品名としては、DAROCUR 1173、DAROCUR MBF、IRGACURE 127、IRGACURE 184、IRGACURE 369、IRGACURE 379EG、IRGACURE 651、IRGACURE 907、IRGACURE 2959(BASF社製)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの光重合開始剤は、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
光重合開始剤(D)の配合割合は、前述の光重合性化合物(B)の総重量に対して、0.5wt%から10wt%である。0.5wt%未満であると光重合による硬化性が不十分であり、10wt%を超えると導電性顔料の配合割合が不足し、導電性が不十分となるためである。
(添加剤)
その他、以下に示す化合物(添加剤)を適宜配合し、導電性スクリーンインキ組成物の性能を高めることが可能である。
(酸化重合触媒)
本発明の導電性スクリーンインキ組成物には、酸化重合性化合物(C)の酸化重合を促進するための化合物である酸化重合触媒としてコバルト、マンガン、鉛、鉄等の金属化合物、ホウ酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、及び一酸化鉛等を用いることができる。
(高分子分散剤)
本発明の導電性スクリーンインキ組成物には、高分子分散剤を配合することによって、導電性顔料(A)の分散安定化を図ることができる。高分子分散剤は、主鎖骨格と吸着基を構成要素とする。高分子分散剤の主鎖骨格は、特に制限はないが、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレアなどが挙げられる。また、吸着基についても特に制限はなく、例えば、カルボキシル基、リン酸基、アミノ基などが挙げられる。高分子分散剤の構造に関しても特に制限はなく、直鎖構造、ランダム構造、ブロック構造、くし型構造などが挙げられる。
高分子分散剤の具体的な商品名としては、DISPERBYK-102、DISPERBYK-103、DISPERBYK-106等(ビックケミー社製)、SOLSPERSE3000、SOLSPERSE5000、SOLSPERSE9000、SOLSPERSE11200、SOLSPERSE12000、SOLSPERSE20000、SOLSPERSE21000等(日本ルーブリゾール社製)が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの高分子分散剤は、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
(シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物)
本発明の導電性スクリーンインキ組成物には、シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物を添加することによって、導電性スクリーンインキ組成物の表面張力を低下させて、表面欠陥を抑制する化合物であり、これらの化合物を単独もしくは同時に使用することができる。
シリコーン系化合物としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジエンシリコーン、オキシアルキレン変性シリコーン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルシロキサン、ポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンなどが挙げられる。
シリコーン系化合物の具体的な商品名としては、BYK-300、BYK-301、BYK-302、BYK-306等(ビックケミー社製)、Tegorad-2100、Tegorad-2200、Tegorad-2500等(テゴケミー社製)が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらのシリコーン系化合物は、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
フッ素系化合物としては、ポリフルオロアルキル基を含有するモノマーのホモポリマー又はコポリマーを使用することができ、好ましくはノニオン系のものが用いられる。ポリフルオロアルキル基含有モノマーは、通常、炭素数2~16個、好ましくは2~8個のパーフルオロアルキル基含有モノマーやパーフルオロアルキル基を有するビニルエーテルが好適である。
フッ素系化合物の具体的な商品名としては、、F-251、F-477、F-554、F-556、F-557等(DIC株式会社製)、BYK-340(ビックケミー社製)が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらのフッ素系化合物は、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
本発明の導電性スクリーンインキ組成物に、シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物を少なくとも一種類配合することにより、インキ組成物の表面張力を下げることで、インキ膜厚が減少し導電性顔料が密となり、導電性が向上する。
本発明の導電性スクリーンインキ組成物には、上記の成分以外に、必要により消泡剤、重合禁止剤、希釈剤、着色剤、レオロジーコントロール剤、ワックス等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することが可能である。
(導電性スクリーンインキ組成物の作製方法)
本発明の導電性スクリーンインキ組成物は、一般的なインキ製造方法により作製することができる。例えば、導電性顔料(A)、光重合性化合物(B)、酸化重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)及びその他添加剤を混合し、3本ロールミルやビーズミルを用いた製造方法がある。
導電性顔料(A)がコア材の表面に銀をコーティングした顔料である場合には、光重合性化合物(B)、酸化重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)及びその他添加剤を予め3本ロールミルやビーズミル等により混合した後、導電性顔料(A)を加え、プロペラ攪拌機、ヘンシェルミキサー、ディゾルバ攪拌機等で再び撹拌する製造方法が望ましい。導電性顔料(A)の構造を破壊しないためである。
(導電性印刷物の作製方法)
本発明の導電性スクリーンインキ組成物は、導電性顔料の転移量を増やし、導電性を高めるためにはスクリーン印刷方式が好ましく、粘度等の流動特性を調整することによって、フラットベッドスクリーン印刷のみならず、ロータリースクリーン印刷にも適用することができる。
印刷に用いる基材については、本発明の導電性スクリーンインキ組成物を受理できれば特に限定されない。例えば、PET、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミドのようなプラスチック基材、上質紙、コート紙、アート紙のような紙基材などが挙げられる。
印刷後、加熱処理を要さず、紫外線照射することで瞬時に導電性印刷物の画線表面を硬化することができる。導電性印刷物の画線表面が硬化するのは、紫外線照射により光重合性化合物が硬化するためであり、印刷画線内部には導電性顔料により紫外線が届かないためである。印刷画線形状については、インキ粘度や、シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物によって調整が可能であり、顔料の分散状態については高分子分散剤の配合により適宜設計することができる。紫外線照射装置の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、UV-LED等が挙げられる。
紫外線照射後、酸化重合性化合物によって導電性印刷物の画線内部が徐々に硬化する。完全硬化までの時間に導電性顔料が沈殿し、導電性顔料が接触し合うことで導電性が向上する。このため、焼成工程を省略することが可能である。酸化重合に要する時間については、酸化重合触媒の種類・配合割合によって適宜設計することができる。
本発明の導電性スクリーンインキ組成物の用途としては、RF-ID、ICタグ、太陽電池、タッチパネル等のプリンテッドエレクトロニクス関連製品が挙げられる。特にPETフィルムのような熱処理に弱い基材に、高膜厚又は、高顔料コンテントで優れた導電性の付与が要求される製品に利用することができる。さらに、完全に内部まで硬化することで密着性や耐摩耗性等に優れており、人・物との接触にも耐えうることから、機能性印刷物、偽造防止印刷物として利用することも可能である。
(実施例)
以下、上記の本発明の導電性スクリーンインキ組成物について具体的な実施例を挙げ、詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(導電性スクリーンインキ組成物)
本発明の導電性スクリーンインキ組成物と比較例1の紫外線硬化型の導電性スクリーンインキ組成物の配合を表1に示す。各成分を容器に計量し、ディゾルバ撹拌機にて室温で30分間撹拌し、導電性スクリーンインキ組成物を作製した。
Figure 2022045795000002
希釈剤は、N-ビニルホルムアミド(ビームセット770(荒川化学工業(株)))を用いた。導電性顔料(A)は、TOYALTecFillerTFM-S05P、及びTFM-C05P(東洋アルミニウム株式会社製)を用いた。高分子分散剤は、SOLSPERSE41000(日本ルーブリゾール(株))を用いた。シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物には、シリコン系樹脂であるBYK-UV3510(ビックケミー・ジャパン(株))を用いた。
(混合ワニス(1)、混合ワニス(2))
本発明の導電性スクリーンインキ組成物に使用する混合ワニス(1)と混合ワニス(2)の配合を表2に示す。混合ワニス(1)は、光重合性化合物(B)、酸化重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)を容器に計量し、85 ℃(光重合開始剤の融点付近)で2時間加熱・撹拌した。その後、室温にて上記容器に計量した酸化重合触媒を加えて撹拌し、混合ワニス(1)を作製した。また、混合ワニス(2)は、酸化重合触媒による導電性顔料(A)に対する酸化の影響を考慮して、酸化重合触媒を未配合とした。なお、混合ワニス(2)は、光重合性化合物(B)、酸化重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)を容器に計量し、85 ℃(光重合開始剤の融点付近)で2時間加熱・撹拌し、混合ワニス(2)を作製した。
Figure 2022045795000003
光重合性化合物(B)は、ウレタンオリゴマーとアクリレートモノマーの混合物であり、30℃における粘度を1.3Pa・sとした。酸化重合性化合物(C)は、粘度を調整するため、ヨウ素価が130以上のあまに油をグリセリンとエステル交換後、酸無水物(無水コハク酸)と反応させて、あまに油変性アルキド樹脂とし、30℃における粘度を10.3Pa・s、ヨウ素価を100とした。光重合開始剤(D)は、α-アミノアルキルフェノン系の化合物とした。酸化重合触媒は、2-エチルヘキサン酸コバルト及び2-エチルヘキサン酸の混合物とした。
(比較例1紫外線硬化ワニス)
次に、比較例1の紫外線硬化性ワニスの配合を表3に示す。紫外線硬化性ワニスは、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリレートモノマー、及び光重合開始剤を容器に計量し、ディゾルバ撹拌機にて60℃で30分間撹拌し紫外線硬化ワニスを作製した。
Figure 2022045795000004
(粘度測定)
上記作製した本発明の導電性スクリーンインキ組成物と比較例1の紫外線硬化型導電性スクリーンインキ組成物の粘度測定の結果と、作製した導電性印刷物の測定結果を表4に示す。
実施例1から4により得られた導電性スクリーンインキ組成物の粘度測定には、粘度が高く、2.0Pa・s以上あることから、MCR302型レオメータ(アントンパール社)を用いた。コーンプレートCP25、測定温度30℃とし、せん断速度を0(1/s)から10(1/s)に変化させ、次に、10(1/s)から0(1/s)に変化させたときのせん断応力(フローカーブ)を測定し、せん断速度降下時のフローカーブをビンガム流体に近似し、粘度を算出した。実施例5から7、及び比較例1の粘度測定には、粘度が低く、1.0Pa・s以下であることから、ハイシェア粘度計RS600(HAAKE社)を用いた。コーンプレートセンサーは、PK5-0.5を用い、せん断速度0(1/s)から500(1/s)、次に500(1/s)から0(1/s)に変化させたときのせん断応力(フローカーブ)を測定し、せん断速度下降時のフローカーブをビンガム流体に近似し、粘度を算出した。
(導電性印刷物の作製)
導電性印刷物は、スクリーン印刷により作製した。対象図柄は、図1に示すように、全長124.5cm、画線幅0.12cmの電子回路図柄とした。基材は、コート紙(ニューエイジ90kg_王子製紙(株))、版面は、250線/インチの樹脂メッシュを用いた。印刷後、メタルハライドランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射することによって、導電性スクリーンインキ組成物を硬化させた。
(体積抵抗値)
体積抵抗値は、実施例1から7、及び比較例1により得られた導電性印刷物について、電気抵抗値をFLUKE 733 MULTIMETER(FLUKE社)にて測定、算出した。測定は、電子回路(全長124.5cm)の両端に端子を接触させて行った。測定した電気抵抗値について、全長、画線幅を設計値とし、画線厚みを11μmとして体積抵抗値に換算した。画線厚みは、三次元粗さ測定器(SURFCOM1500D×3_東京精密(株))にて測定した。体積抵抗値は、紫外線照射直後の体積抵抗値を体積抵抗値(初期)、室温にて24時間経過後の体積抵抗値を体積抵抗値(室温_24時間後)、及び、紫外線照射直後100℃のオーブンにて15分間焼成し、その後室温にて24時間経過後の体積抵抗値を体積抵抗値(焼成_24時間後)として測定した。なお、表4の実施例7における※印を付した項目は、酸化重合触媒が未配合であることから導電性スクリーンインキの硬化に時間を要するため、体積抵抗値(室温_24時間後)、体積抵抗値(焼成_24時間後)に代わり、体積抵抗値(室温_3ヵ月後)、体積抵抗値(焼成_3ヵ月後)とした。
(抵抗値減少率)
次に、導電性スクリーンインキ組成物が完全硬化するまでの間に変化した抵抗値を比較するため抵抗値減少率を算出した。抵抗値減少率は、体積抵抗値(初期)に対する体積抵抗値(室温_24時間後)が減少した分の割合とし、抵抗値減少率が大きくなるほど導電性が向上したことを示す。
(耐摩擦性試験)
耐摩擦性試験は、学振型摩擦堅ろう度試験機(かなきん3号、荷重500kg_テスター産業)を用いて評価した。評価方法は、導電性印刷物を試験機に取り付け、室温にて10往復摩擦試験した後、導電性印刷物の画線の摩耗の度合いを目視にて観察、評価した。評価については、○を画線の劣化なし、×を画線の劣化あり、とした。導電性印刷物は、紫外線照射後3週間室温にて静置した後、試験に用いた。なお、実施例7のみ3ヵ月後に試験した。(比較例1の導電性スクリーンインキ組成物は、UV照射により瞬時に画線表面が硬化し、それ以降硬化が進行せず、24時間後において画線内部は未硬化であるため、24時間後の体積抵抗値は測定していないことから、-と表記した。)
Figure 2022045795000005
上記の結果から、実施例1から7はいずれも耐摩擦性に優れており、室温にて画線内部まで硬化していた。一方、図1に示すように、代表例である実施例5の導電性印刷物に対し、比較例1では、画線内部が未硬化な状態であり、耐摩擦性に劣ったことから、本発明の導電性スクリーンインキ組成物は加熱なしの条件において硬化性に優れる。
また、実施例1から7は、体積抵抗値(初期)に比べ体積抵抗値(室温_24時間後)が小さくなっており、抵抗値減少率が正の値である。本発明の導電性スクリーンインキ組成物とすることで室温乾燥中において導電性が向上する。特に粘度を3.0Pa・s以下である実施例4、5、6、7とすることで体積抵抗値(室温_24時間後)が体積抵抗値(焼成_24時間後)以下であることから、焼成工程を省略できる。

Claims (2)

  1. 導電性顔料(A)、光重合性化合物(B)、酸化重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を少なくとも含有し、30℃における粘度が18Pa・s以下であることを特徴とする導電性スクリーンインキ組成物。
  2. 前記酸化重合性化合物(C)が、ヨウ素価100以上の油脂類、又はヨウ素価100以上の油脂類から変性された化合物であり、前記導電性スクリーンインキ組成物の全重量中の配合割合が0.4wt%から10wt%であることを特徴とする請求項1記載の導電性スクリーンインキ組成物。
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