JP2022045471A - 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法 - Google Patents

熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導性シートの厚み方向の実効熱伝導率が良好な熱伝導性シートの提供。【解決手段】熱伝導性シート1は、バインダ樹脂2と、鱗片状の第1の熱伝導性フィラー3と、非鱗片状の第2の熱伝導性フィラー4とを含有し、第1の熱伝導性フィラー3と第2の熱伝導性フィラー4とがバインダ樹脂2に分散しており、熱伝導性シート1の厚み方向Bに第1の熱伝導性フィラー3の長軸が配向している。【選択図】図1

Description

本技術は、熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法に関する。
電子機器の高性能化に伴って、半導体素子の高密度化、高実装化が進んでいる。これに伴って、電子機器を構成する電子部品からの発熱をさらに効率的に放熱することが重要である。例えば、半導体装置は、効率的に放熱するために、電子部品が、熱伝導性シートを介して、放熱ファン、放熱板等のヒートシンクに取り付けられている。熱伝導性シートとしては、例えば、シリコーン樹脂に、無機フィラーなどの充填剤を含有(分散)させたものが広く使用されている。この熱伝導性シートのような放熱部材は、更なる熱伝導率の向上が要求されている。例えば、熱伝導性シートの高熱伝導性を目的として、バインダ樹脂などのマトリックス内に配合されている無機フィラーの充填率を高めることが検討されている。しかし、無機フィラーの充填率を高めると、熱伝導性シートの柔軟性が損なわれたり、粉落ちが発生したりするため、無機フィラーの充填率を高めることには限界がある。
無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。また、高熱伝導率を目的として、窒化ホウ素、黒鉛等の鱗片状粒子、炭素繊維などをマトリクス内に充填させることもある。これは、鱗片状粒子等の有する熱伝導率の異方性によるものである。例えば、炭素繊維の場合は、繊維方向に約600~1200W/m・Kの熱伝導率を有することが知られている。また、窒化ホウ素の場合は、面方向に約110W/m・K程度の熱伝導率を有し、面方向に対して垂直な方向に約2W/m・K程度の熱伝導率を有することが知られている。このように、炭素繊維や鱗片状粒子の面方向を、熱の伝達方向であるシートの厚み方向と同じにする、すなわち、炭素繊維や鱗片状粒子をシートの厚み方向に配向させることによって、熱伝導率が飛躍的に向上することが期待できる。
特許文献1には、六方晶窒化ホウ素粉末と酸化アルミニウム粉末を含む熱伝導性フィラーを含むシリコーン樹脂組成物を積層したシリコーン積層体を、積層方向から切断した熱伝導性シートが記載されている。しかし、特許文献1に記載された熱伝導性シートでは、長軸が配向している熱伝導性フィラーと、短軸が配向している熱伝導性フィラーとが混在していると考えられる。そのため、熱伝導性シートをさらに高熱伝導化できる余地があると考えられる。
特開2012-201106号公報
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、熱伝導性シートの厚み方向の実効熱伝導率が良好な熱伝導性シートを提供する。
本技術に係る熱伝導性シートは、バインダ樹脂と、鱗片状の第1の熱伝導性フィラーと、非鱗片状の第2の熱伝導性フィラーとを含有し、第1の熱伝導性フィラーと第2の熱伝導性フィラーとがバインダ樹脂に分散しており、熱伝導性シートの厚み方向に第1の熱伝導性フィラーの長軸が配向している。
本技術に係る熱伝導性シートの製造方法は、鱗片状の第1の熱伝導性フィラーと、非鱗片状の第2の熱伝導性フィラーとを、バインダ樹脂に分散させることにより、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を調製する工程Aと、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物から成形体ブロックを形成する工程Bと、成形体ブロックをシート状にスライスして、熱伝導性シートの厚み方向に第1の熱伝導性フィラーの長軸が配向した熱伝導性シートを得る工程Cとを有する。
本技術によれば、厚み方向の実効熱伝導率が良好な熱伝導性シートを提供できる。
図1は、本技術に係る熱伝導性シートの一例を示す断面図である。 図2は、第1の熱伝導性フィラーの一例である、結晶形状が六方晶型である鱗片状の窒化ホウ素を模式的に示す斜視図である。 図3は、本技術に係る熱伝導性シートを適用した半導体装置の一例を示す断面図である。 図4は、比較例で得られた熱伝導性シートを模式的に示す断面図である。
本明細書において、熱伝導性フィラーの平均粒径(D50)とは、熱伝導性フィラーの粒子径分布全体を100%とした場合に、粒径分布の小粒子径側から粒子径の値の累積カーブを求めたとき、その累積値が50%となるときの粒子径をいう。なお、本明細書における粒度分布(粒子径分布)は、体積基準によって求められたものである。粒度分布の測定方法としては、例えば、レーザー回折型粒度分布測定機を用いる方法が挙げられる。
本明細書において、鱗片状の熱伝導性フィラー(後述する第1の熱伝導性フィラー3)とは、長軸と短軸と厚みとを有する熱伝導性フィラーであって、高アスペクト比(長軸/厚み)であり、長軸を含む面方向に等方的な実効熱伝導率を有するものである。短軸とは、鱗片状の熱伝導性フィラーの長軸を含む面において、鱗片状の熱伝導性フィラーの長軸に交差する方向であって、鱗片状の熱伝導性フィラーの最も短い部分の長さをいう。厚みとは、鱗片状の熱伝導性フィラーの長軸を含む面の厚みを10点測定して平均した値をいう。
<熱伝導性シート>
図1は、本技術に係る熱伝導性シート1の一例を示す断面図である。熱伝導性シート1は、バインダ樹脂2と、鱗片状の第1の熱伝導性フィラー3と、非鱗片状の第2の熱伝導性フィラー4とを含有し、第1の熱伝導性フィラー3と第2の熱伝導性フィラー4とがバインダ樹脂2に分散している。また、熱伝導性シート1は、熱伝導性シート1の厚み方向Bに、第1の熱伝導性フィラー3の長軸が配向している。このように、熱伝導性シート1は、熱伝導性シート1の厚み方向Bに、第1の熱伝導性フィラー3の長軸が配向しているため、厚み方向Bの実効熱伝導率が良好である。熱伝導性シート1の厚み方向Bに、第1の熱伝導性フィラー3の長軸が配向しているとは、例えば、熱伝導性シート1中の全ての第1の熱伝導性フィラーのうち、熱伝導性シート1の厚み方向Bに長軸が配向している鱗片状熱伝導性フィラーの割合が50%以上であることをいう。
以下、熱伝導性シート1の構成要素について説明する。
<バインダ樹脂>
バインダ樹脂2は、第1の熱伝導性フィラー3と第2の熱伝導性フィラー4とを熱伝導性シート1内に保持するためのものである。バインダ樹脂2は、熱伝導性シート1に要求される機械的強度、耐熱性、電気的性質等の特性に応じて選択される。バインダ樹脂2としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂の中から選択することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のエチレン-αオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン- ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、架橋ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。架橋ゴムの具体例としては、天然ゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレン共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、及びシリコーンゴムが挙げられる。
バインダ樹脂2としては、例えば、電子部品の発熱面とヒートシンク面との密着性を考慮するとシリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂としては、例えば、アルケニル基を有するシリコーンを主成分とし、硬化触媒を含有する主剤と、ヒドロシリル基(Si-H基)を有する硬化剤とからなる、2液型の付加反応型シリコーン樹脂を用いることができる。アルケニル基を有するシリコーンとしては、例えば、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンを用いることができる。硬化触媒は、アルケニル基を有するシリコーン中のアルケニル基と、ヒドロシリル基を有する硬化剤中のヒドロシリル基との付加反応を促進するための触媒である。硬化触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられ、例えば、白金族系硬化触媒、例えば白金、ロジウム、パラジウムなどの白金族金属単体や塩化白金などを用いることができる。ヒドロシリル基を有する硬化剤としては、例えば、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンを用いることができる。バインダ樹脂2は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱伝導性シート1中のバインダ樹脂2の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、熱伝導性シート1中のバインダ樹脂2の含有量の下限値は、20体積%以上とすることができ、25体積%以上であってもよく、30体積%以上であってもよい。また、熱伝導性シート1中のバインダ樹脂2の含有量の上限値は、70体積%以下とすることができ、60体積%以下であってもよく、50体積%以下であってもよい。熱伝導性シート1の柔軟性の観点から、熱伝導性シート1中のバインダ樹脂2の含有量は、25~60体積%とすることが好ましい。
<第1の熱伝導性フィラー>
第1の熱伝導性フィラー3は、鱗片状の熱伝導性フィラーである。第1の熱伝導性フィラー3は、鱗片状のものであれば特に限定されず、例えば、窒化ホウ素(BN)、雲母、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、シリカ、酸化亜鉛、二硫化モリブデン等を用いることができる。
図2は、第1の熱伝導性フィラー3の一例である、結晶形状が六方晶型である鱗片状の窒化ホウ素3Aを模式的に示す斜視図である。図2中、aは鱗片状の窒化ホウ素3Aの長軸を表し、bは鱗片状の窒化ホウ素3Aの厚みを表し、cは鱗片状の窒化ホウ素3Aの短軸を表す。第1の熱伝導性フィラー3としては、熱伝導性シート1の実効熱伝導率の観点から、図2に示すように結晶形状が六方晶型である鱗片状の窒化ホウ素3Aを用いることが好ましい。第1の熱伝導性フィラー3は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本技術に係る熱伝導性シート1は、第1の熱伝導性フィラー3として、球状の熱伝導性フィラー(例えば球状の窒化ホウ素)よりも安価な鱗片状の熱伝導性フィラー(例えば、鱗片状の窒化ホウ素3A)を用いて、優れた熱特性を発揮させることができる。また、熱伝導性シート1は、熱伝導性シート1の厚み方向Bに、第1の熱伝導性フィラー3の長軸が選択的に配向されているため、第1の熱伝導性フィラー3を高充填せずに熱伝導性シート1を高熱伝導化することができる。そのため、第1の熱伝導性フィラー3として鱗片状の窒化ホウ素3Aを用いたときに、鱗片状の窒化ホウ素3Aを高充填する必要がなくなるため、第1の熱伝導性フィラー3の長軸が選択的に配向されていない熱伝導性シートに比べて熱伝導性シート1の製造コストを削減できる。さらに、熱伝導性シート1は、熱伝導性シート1の厚み方向Bに、第1の熱伝導性フィラー3の長軸が選択的に配向されることで、鱗片状の窒化ホウ素3Aを高充填する必要がなくなるためシートの比重をより低くできる。そのため、熱伝導性シート1を発熱体と放熱体との間に配置させたときに、IC等の発熱体への負荷をより軽減できる。また、熱伝導性シート1は、鱗片状の窒化ホウ素3Aを高充填する必要がなくなるため、シートの柔軟性が損なわれることや、粉落ちの発生をより効果的に抑制できる。
第1の熱伝導性フィラー3の平均粒径(D50)は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、第1の熱伝導性フィラー3の平均粒径の下限値は、10μm以上とすることができ、20μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、35μm以上であってもよい。また、第1の熱伝導性フィラー3の平均粒径の上限値は、150μm以下とすることができ、100μm以下であってもよく、90μm以下であってもよく、80μm以下であってもよく、70μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、45μm以下であってもよい。熱伝導性シート1の実効熱伝導率の観点から、第1の熱伝導性フィラー3の平均粒径は、10~100μmとすることができ、10~40μmとすることもできる。
第1の熱伝導性フィラー3のアスペクト比は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、第1の熱伝導性フィラー3のアスペクト比は、5以上とすることができ、10以上であってもよく、15以上であってもよく、20以上であってもよい。また、第1の熱伝導性フィラー3のアスペクト比は、100以下とすることができ、50以下であってもよく、40以下であってもよく、30以下であってもよく、20以下であってもよい。例えば、第1の熱伝導性フィラー3のアスペクト比は、5~100の範囲とすることができ、5~50の範囲とすることもできる。第1の熱伝導性フィラー3のアスペクト比がこのような範囲であることにより、熱伝導性シート1の厚み方向Bに第1の熱伝導性フィラー3の長軸がより配向しやすくなり、熱伝導性シート1の厚み方向Bと面方向Aとの実効熱伝導率の差がより顕著に表れると考えられる。第1の熱伝導性フィラー3の長軸及び厚みは、例えば、マイクロスコープ、走査型電子顕微鏡(SEM)、粒度分布計などにより測定できる。一例として、第1の熱伝導性フィラー3として、図2に示すような結晶形状が六方晶型である鱗片状の窒化ホウ素3Aを用いた場合、SEMで撮影された画像から200個以上の窒化ホウ素3Aを任意に選択し、それぞれの長軸aと厚みbの比(a/b)を求めて平均値を算出すればよい。
第1の熱伝導性フィラー3の長軸は、例えば、10μm以上とすることができ、20μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、40μm以上であってもよい。また、第1の熱伝導性フィラー3の長軸は、50μm以下とすることができ、40μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。例えば、第1の熱伝導性フィラー3の長軸は、10~20μmとすることができ、20~30μmであってもよく、30~40μmであってもよく、40~50μmであってもよい。また、第1の熱伝導性フィラー3の厚みは、例えば、1~2μmの範囲とすることができる。
第1の熱伝導性フィラー3の長軸と短軸との比(長軸/短軸)の平均値は、例えば、0.5~10の範囲とすることができ、1~5の範囲とすることもでき、1~3の範囲とすることもできる。第1の熱伝導性フィラー3の長軸及び短軸は、例えば、マイクロスコープ、走査型電子顕微鏡(SEM)、粒度分布計などにより測定することができる。一例として、第1の熱伝導性フィラー3として、図2に示すような結晶形状が六方晶型である鱗片状の窒化ホウ素3Aを用いた場合、SEMで撮影された画像から200個以上の窒化ホウ素3Aを任意に選択し、それぞれの長軸aと短軸cの比(a/c)を求めて平均値を算出すればよい。
第1の熱伝導性フィラー3の短軸は、例えば、5μm以上とすることができ、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。また、第1の熱伝導性フィラー3の短軸は、25μm以下とすることができ、20μm以下であってもよく、10μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。例えば、第1の熱伝導性フィラー3の短軸は、5~10μmとすることができ、10~15μmであってもよく、15~20μmであってもよく、20~25μmであってもよい。
熱伝導性シート1中の第1の熱伝導性フィラー3の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、熱伝導性シート1中の第1の熱伝導性フィラー3の含有量の下限値は、15体積%以上とすることができ、20体積%以上であってもよく、25体積%以上であってもよい。また、熱伝導性シート1中の第1の熱伝導性フィラー3の含有量の上限値は、45体積%以下とすることができ、40体積%以下であってもよく、35体積%以下であってもよく、30体積%以下であってもよい。熱伝導性シート1の実効熱伝導率及び柔軟性の観点から、熱伝導性シート1中の第1の熱伝導性フィラー3の含有量を20~35体積%とすることが好ましい。
<第2の熱伝導性フィラー>
第2の熱伝導性フィラー4は、上述した第1の熱伝導性フィラー3以外の熱伝導性フィラーである。第2の熱伝導性フィラー4は、非鱗片状であり、例えば球状、粉末状、顆粒状、扁平状等の熱伝導性フィラーが挙げられる。第2の熱伝導性フィラー4の材質は、本技術の効果を考慮して、熱伝導性シート1の絶縁性を確保できる材料が好ましく、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、サファイア)、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ジルコニア、炭化ケイ素などが挙げられる。第2の熱伝導性フィラー4は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、第2の熱伝導性フィラー4としては、熱伝導性シート1の実効熱伝導率の観点から、窒化アルミニウム粒子と、アルミナ粒子とを併用することが好ましい。窒化アルミニウム粒子の平均粒径は、熱硬化前の熱伝導性シート1の粘度低下の観点から、1~5μmとすることが好ましく、1~3μmであってもよく、1~2μmであってもよい。また、アルミナ粒子の平均粒径は、熱硬化前の熱伝導性シート1の粘度低下の観点から、1~3μmとすることが好ましく、1.5~2.5μmであってもよい。
熱伝導性シート1中の第2の熱伝導性フィラー4の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。熱伝導性シート1中の第2の熱伝導性フィラー4の含有量の下限値は、10体積%以上とすることができ、15体積%以上であってもよく、20体積%以上であってもよい。また、熱伝導性シート1中の第2の熱伝導性フィラー4の含有量の上限値は、50体積%以下とすることができ、40体積%以下であってもよく、30体積%以下であってもよく、25体積%以下であってもよい。熱伝導性シート1中の第2の熱伝導性フィラー4の含有量は、例えば、30~60体積%とすることができる。
第2の熱伝導性フィラー4として、アルミナ粒子を単独で用いる場合、熱硬化前の熱伝導性シート1の粘度低下の観点から、熱伝導性シート1中、アルミナ粒子の含有量は10~45体積%とすることが好ましい。また、上述のように、第2の熱伝導性フィラー4として、窒化アルミニウム粒子と、アルミナ粒子とを併用する場合、熱硬化前の熱伝導性シート1の粘度低下の観点から、熱伝導性シート1中、アルミナ粒子の含有量は10~25体積%とすることが好ましく、窒化アルミニウム粒子の含有量は10~25体積%とすることが好ましい。
熱伝導性シート1は、本技術の効果を損なわない範囲で、上述した成分以外の他の成分をさらに含有してもよい。他の成分としては、例えば、分散剤、硬化促進剤、遅延剤、粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤などが挙げられる。
以上のように、第1の熱伝導性フィラー3と第2の熱伝導性フィラー4とがバインダ樹脂2に分散している熱伝導性シート1は、熱伝導性シート1の厚み方向Bに、第1の熱伝導性フィラー3の長軸が配向している。特に、第1の熱伝導性フィラー3と第2の熱伝導性フィラー4とを併用することにより、第2の熱伝導性フィラー4で第1の熱伝導性フィラー3の配向を支え、第1の熱伝導性フィラー3の長軸を選択的に熱伝導性シート1の厚み方向Bに配向させることができる。
熱伝導性シート1は、第1の熱伝導性フィラー3の長軸が、熱伝導性シート1の厚み方向Bに配向しており、厚み方向Bの実効熱伝導率が面方向Aの実効熱伝導率よりも大きいことが好ましい。例えば、熱伝導性シート1は、第1の熱伝導性フィラー3の配向方向(例えば、熱伝導性シート1の厚み方向B)における実効熱伝導率が、第1の熱伝導性フィラー3の非配向方向(例えば、熱伝導性シート1の面方向A)における実効熱伝導率の1.8倍以上であってもよい。熱伝導性シート1の厚み方向Bの実効熱伝導率は、例えば、1W/m・K以上とすることができ、4W/m・K以上とすることもでき、7W/m・K以上とすることもでき、9W/m・K以上とすることもできる。熱伝導性シート1の面方向Aの実効熱伝導率は、例えば、1W/m・K以上とすることができ、3W/m・K以上とすることもでき、3.5W/m・K以上とすることもできる。
熱伝導性シート1の平均厚みは、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、熱伝導性シート1の平均厚みの下限値は、0.05mm以上とすることができ、0.1mm以上とすることもできる。また、熱伝導性シート1の平均厚みの上限値は、5mm以下とすることができ、4mm以下であってもよく、3mm以下であってもよい。熱伝導性シート1の取り扱い性の観点から、熱伝導性シート1の平均厚みは、0.1~4mmとすることが好ましい。熱伝導性シート1の平均厚みは、例えば、熱伝導性シート1の厚みを任意の5箇所で測定し、その算術平均値から求めることができる。
<熱伝導性シートの製造方法>
本技術に係る熱伝導性シートの製造方法は、下記工程Aと、工程Bと、工程Cとを有する。
<工程A>
工程Aでは、第1の熱伝導性フィラー3と第2の熱伝導性フィラー4とをバインダ樹脂2に分散させることにより熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を調製する。熱伝導性シート形成用の樹脂組成物は、第1の熱伝導性フィラー3と、第2の熱伝導性フィラー4と、バインダ樹脂2との他に、必要に応じて各種添加剤や揮発性溶剤とを公知の手法により均一に混合することにより調製することができる。
<工程B>
工程Bでは、調製された熱伝導性シート形成用の樹脂組成物から成形体ブロックを形成する。成形体ブロックの形成方法としては、押出成形法、金型成形法などが挙げられる。押出成形法、金型成形法としては、特に制限されず、公知の各種押出成形法、金型成形法の中から、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物の粘度や熱伝導性シートに要求される特性等に応じて適宜採用することができる。
例えば、押出成形法において、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物をダイより押し出す際、あるいは金型成形法において、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を金型へ圧入する際、バインダ樹脂が流動し、その流動方向に沿って第1の熱伝導性フィラー3が配向する。
成形体ブロックの大きさ・形状は、求められる熱伝導性シート1の大きさに応じて決めることができる。例えば、断面の縦の大きさが0.5~15cmで横の大きさが0.5~15cmの直方体が挙げられる。直方体の長さは必要に応じて決定すればよい。
<工程C>
工程Cでは、成形体ブロックをシート状にスライスして、熱伝導性シート1の厚み方向Bに第1の熱伝導性フィラー3の長軸が配向した熱伝導性シートを得る。スライスにより得られるシートの表面(スライス面)には、第1の熱伝導性フィラー3が露出する。スライスする方法としては特に制限はなく、成形体ブロックの大きさや機械的強度により公知のスライス装置の中から適宜選択することができる。成形体ブロックのスライス方向としては、成形方法が押出成形法である場合、押出し方向に第1の熱伝導性フィラー3が配向しているものもあるため、押出し方向に対して60~120度であることが好ましく、70~100度の方向であることがより好ましく、90度(垂直)の方向であることがさらに好ましい。
このように、工程Aと、工程Bと、工程Cとを有する熱伝導性シートの製造方法では、バインダ樹脂2と、第1の熱伝導性フィラー3と、第2の熱伝導性フィラー4とを含有し、第1の熱伝導性フィラー3と第2の熱伝導性フィラー4とがバインダ樹脂2に分散しており、熱伝導性シート1の厚み方向Bに第1の熱伝導性フィラー3の長軸が選択的に配向した熱伝導性シート1が得られる。
本技術に係る熱伝導性シートの製造方法は、上述した例に限定されず、例えば、工程Cの後に、スライス面をプレスする工程Dをさらに有していてもよい。熱伝導性シートの製造方法がプレスする工程Dを有することで、工程Cで得られるシートの表面がより平滑化され、他の部材との密着性をより向上できる。プレスの方法としては、平盤と表面が平坦なプレスヘッドとからなる一対のプレス装置を使用することができる。また、ピンチロールでプレスしてもよい。プレスの際の圧力としては、例えば、0.1~100MPaとすることができる。プレスの効果をより高め、プレス時間を短縮するために、プレスは、バインダ樹脂2のガラス転移温度(Tg)以上で行うことが好ましい。例えば、プレス温度は、0~180℃とすることができ、室温(例えば25℃)~100℃の温度範囲内であってもよく、30~100℃であってもよい。
<電子機器>
本技術に係る熱伝導性シート1は、例えば、発熱体と放熱体との間に配置させることにより、発熱体で生じた熱を放熱体に逃がすためにそれらの間に配された構造の電子機器(サーマルデバイス)とすることができる。電子機器は、発熱体と放熱体と熱伝導性シート1とを少なくとも有し、必要に応じて、その他の部材をさらに有していてもよい。
発熱体としては、特に限定されず、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの集積回路素子、トランジスタ、抵抗器など、電気回路において発熱する電子部品等が挙げられる。また、発熱体には、通信機器における光トランシーバ等の光信号を受信する部品も含まれる。
放熱体としては、特に限定されず、例えば、ヒートシンクやヒートスプレッダなど、集積回路素子やトランジスタ、光トランシーバ筐体などと組み合わされて用いられるものが挙げられる。放熱体としては、ヒートスプレッダやヒートシンク以外にも、熱源から発生する熱を伝導して外部に放散させるものであればよく、例えば、放熱器、冷却器、ダイパッド、プリント基板、冷却ファン、ペルチェ素子、ヒートパイプ、金属カバー、筐体等が挙げられる。
図3は、本技術に係る熱伝導性シート1を適用した半導体装置50の一例を示す断面図である。例えば、熱伝導性シート1は、図3に示すように、各種電子機器に内蔵される半導体装置50に実装され、発熱体と放熱体との間に挟持される。図3に示す半導体装置50は、電子部品51と、ヒートスプレッダ52と、熱伝導性シート1とを備え、熱伝導性シート1がヒートスプレッダ52と電子部品51との間に挟持される。熱伝導性シート1が、ヒートスプレッダ52とヒートシンク53との間に挟持されることにより、ヒートスプレッダ52とともに、電子部品51の熱を放熱する放熱部材を構成する。熱伝導性シート1の実装場所は、ヒートスプレッダ52と電子部品51との間や、ヒートスプレッダ52とヒートシンク53との間に限らず、電子機器や半導体装置の構成に応じて、適宜選択できる。
以下、本技術の実施例について説明する。実施例では、熱伝導性シートを作製し、熱伝導性シートの厚み方向と面方向の実効熱伝導率を測定した。なお、本技術は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
シリコーン樹脂33体積%と、結晶形状が六方晶型であり、アスペクト比が20~50である鱗片状の窒化ホウ素(D50が40μm)27体積%と、窒化アルミニウム(D50が1.2μm)20体積%と、アルミナ粒子(D50が2μm)20体積%とを均一に混合することにより、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を調製した。押出成形法により、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を、直方体状の内部空間を有する金型(開口部:50mm×50mm)中に流し込み、60℃のオーブンで4時間加熱させて成形体ブロックを形成した。なお、金型の内面には、剥離処理面が内側となるように剥離ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付けておいた。得られた成形体ブロックの長さ方向に直交する方向に、成形体ブロックを超音波カッターで1mm厚のシート状にスライスすることにより、鱗片状の窒化ホウ素の長軸がシートの厚み方向に配向した熱伝導性シートを得た。
<実施例2>
結晶形状が六方晶型であり、アスペクト比が20~50である鱗片状の窒化ホウ素(D50が40μm)に替えて、結晶形状が六方晶型であり、アスペクト比が15~40である鱗片状の窒化ホウ素(D50が30μm)を用いて、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様の方法で、鱗片状の窒化ホウ素の長軸がシートの厚み方向に配向した熱伝導性シートを得た。
<実施例3>
結晶形状が六方晶型であり、アスペクト比が20~50である鱗片状の窒化ホウ素(D50が40μm)に替えて、結晶形状が六方晶型であり、アスペクト比が10~30である鱗片状の窒化ホウ素(D50が20μm)を用いて、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様の方法で、鱗片状の窒化ホウ素の長軸がシートの厚み方向に配向した熱伝導性シートを得た。
<実施例4>
結晶形状が六方晶型であり、アスペクト比が20~50である鱗片状の窒化ホウ素(D50が40μm)に替えて、結晶形状が六方晶型であり、アスペクト比が5~20である鱗片状の窒化ホウ素(D50が10μm)を用いて、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様の方法で、鱗片状の窒化ホウ素の長軸がシートの厚み方向に配向した熱伝導性シートを得た。
<比較例1>
実施例1で調製した熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を10mm×50mmの大きさにプレスし、プレスした樹脂組成物を積層させ、50mm×50mmのブロック状の成形体を作製した。このブロック状の成形体を、60℃のオーブンで4時間加熱させて成形体ブロックを形成した。そして、この成形体ブロックを超音波カッターで1mm厚のシート状にスライスすることにより、シートの厚み方向に、長軸が配向している鱗片状の窒化ホウ素3Aと、短軸が配向している鱗片状の窒化ホウ素3Aとが混在した熱伝導性シート100を得た(図4参照)。
<比較例2>
実施例2で調製した熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を10mm×50mmの大きさにプレスし、プレスした樹脂組成物を積層させ、50mm×50mmのブロック状の成形体を作製した。このブロック状の成形体を、60℃のオーブンで4時間加熱させて成形体ブロックを形成した。そして、この成形体ブロックを超音波カッターで1mm厚のシート状にスライスすることにより、シートの厚み方向に、長軸が配向している鱗片状の窒化ホウ素3Aと、短軸が配向している鱗片状の窒化ホウ素3Aとが混在した熱伝導性シート100を得た(図4参照)。
<比較例3>
実施例3で調製した熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を10mm×50mmの大きさにプレスし、プレスした樹脂組成物を積層させ、50mm×50mmのブロック状の成形体を作製した。このブロック状の成形体を、60℃のオーブンで4時間加熱させて成形体ブロックを形成した。そして、この成形体ブロックを超音波カッターで1mm厚のシート状にスライスすることにより、シートの厚み方向に、長軸が配向している鱗片状の窒化ホウ素3Aと、短軸が配向している鱗片状の窒化ホウ素3Aとが混在した熱伝導性シート100を得た(図4参照)。
<比較例4>
実施例4で調製した熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を10mm×50mmの大きさにプレスし、プレスした樹脂組成物を積層させ、50mm×50mmのブロック状の成形体を作製した。このブロック状の成形体を、60℃のオーブンで4時間加熱させて成形体ブロックを形成した。そして、この成形体ブロックを超音波カッターで1mm厚のシート状にスライスすることにより、シートの厚み方向に、長軸が配向している鱗片状の窒化ホウ素3Aと、短軸が配向している鱗片状の窒化ホウ素3Aとが混在した熱伝導性シート100を得た(図4参照)。
<実効熱伝導率>
ASTM-D5470に準拠した熱抵抗測定装置を用いて、荷重1kgf/cmをかけて熱伝導性シートの厚み方向及び面方向の実効熱伝導率(W/m・K)をそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。表中、「厚み方向」及び「面方向」とは、熱伝導性シートにおける実効熱伝導率の測定方向を表す。
Figure 2022045471000002
Figure 2022045471000003
実施例1~4では、バインダ樹脂と、鱗片状の第1の熱伝導性フィラーと、非鱗片状の第2の熱伝導性フィラーとを含有し、第1の熱伝導性フィラーと第2の熱伝導性フィラーとがバインダ樹脂に分散しており、熱伝導性シートの厚み方向に第1の熱伝導性フィラーの長軸が配向した熱伝導性シートが得られることが分かった。このように、実施例1~4で得られた熱伝導性シートは、シートの厚み方向に第1の熱伝導性フィラーの長軸が配向しているため、シートの厚み方向の実効熱伝導率が良好であることが分かった。具体的に、実施例1~4で得られた熱伝導性シートは、第1の熱伝導性フィラーの長軸の配向方向における実効熱伝導率が、第1の熱伝導性フィラーの長軸の非配向方向における実効熱伝導率の1.8倍以上であることが分かった。
一方、比較例1~4で得られた熱伝導性シートは、長軸が配向している第1の熱伝導性フィラーと、短軸が配向している第1の熱伝導性フィラーとが混在しているため、シートの厚み方向の熱伝導率が良好ではないことが分かった。
1 熱伝導性シート、2 バインダ樹脂、3 第1の熱伝導性フィラー、3A 鱗片状の窒化ホウ素、a 長軸、b 厚み、c 短軸、4 第2の熱伝導性フィラー、50 半導体装置、51 電子部品、52 ヒートスプレッダ、53 ヒートシンク、100 熱伝導性シート
Figure 2022045471000008
Figure 2022045471000009

Claims (15)

  1. バインダ樹脂と、鱗片状の第1の熱伝導性フィラーと、非鱗片状の第2の熱伝導性フィラーとを含有し、上記第1の熱伝導性フィラーと上記第2の熱伝導性フィラーとが上記バインダ樹脂に分散しており、
    当該熱伝導性シートの厚み方向に上記第1の熱伝導性フィラーの長軸が配向した熱伝導性シート。
  2. 上記第1の熱伝導性フィラーが、鱗片状の窒化ホウ素を含有する、請求項1に記載の熱伝導性シート。
  3. 上記第2の熱伝導性フィラーが、窒化アルミニウム粒子と、アルミナ粒子とを含有する、請求項2に記載の熱伝導性シート。
  4. 上記第1の熱伝導性フィラーのアスペクト比が5~50である、請求項2又は3に記載の熱伝導性シート。
  5. 上記第1の熱伝導性フィラーの平均粒径が10~100μmである、請求項2~4のいずれか1項に記載の熱伝導性シート。
  6. 上記第1の熱伝導性フィラーの含有量が20~35体積%である、請求項2~5のいずれか1項に記載の熱伝導性シート。
  7. 上記アルミナ粒子の平均粒径が1~3μmである、請求項3に記載の熱伝導性シート。
  8. 上記アルミナ粒子の含有量が10~25体積%である、請求項3又は7に記載の熱伝導性シート。
  9. 上記窒化アルミニウム粒子の平均粒径が1~5μmである、請求項3、7、8のいずれか1項に記載の熱伝導性シート。
  10. 上記窒化アルミニウム粒子の含有量の合計が10~25体積%である、請求項3、7~9のいずれか1項に記載の熱伝導性シート。
  11. 上記第1の熱伝導性フィラーの長軸の配向方向における実効熱伝導率が、上記第1の熱伝導性フィラーの長軸の非配向方向における実効熱伝導率の1.8倍以上である、請求項2~10のいずれか1項に記載の熱伝導性シート。
  12. 鱗片状の第1の熱伝導性フィラーと、非鱗片状の第2の熱伝導性フィラーとを、バインダ樹脂に分散させることにより、熱伝導性シート形成用の樹脂組成物を調製する工程Aと、
    上記熱伝導性シート形成用の樹脂組成物から成形体ブロックを形成する工程Bと、
    上記成形体ブロックをシート状にスライスして、上記熱伝導性シートの厚み方向に上記第1の熱伝導性フィラーの長軸が配向した熱伝導性シートを得る工程Cとを有する、熱伝導性シートの製造方法。
  13. 上記工程Bでは、上記熱伝導性シート形成用の樹脂組成物から、押出成形法又は金型成形法により成形体ブロックを形成する、請求項12に記載の熱伝導性シートの製造方法。
  14. 上記工程Bでは、上記熱伝導性シート形成用の樹脂組成物から、押出成形法により成形体ブロックを形成し、
    上記工程Cでは、上記成形体ブロックをシート状にスライスする際のスライス方向が、上記押出形成法の押出し方向に対して60~120度とする、請求項12又は13に記載の熱伝導性シートの製造方法。
  15. 発熱体と、
    放熱体と、
    発熱体と放熱体との間に配置された請求項1~11のいずれか1項に記載の熱伝導性シートとを備える、電子機器。
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