JP2022045385A - プラグ及び樹脂製成型体の製造方法 - Google Patents

プラグ及び樹脂製成型体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性に優れ、かつ、寸法安定性に優れた一端に開口部を有する樹脂製成型体をプラグアシスト成型によって成型するためのプラグを提供する。【解決手段】一端に開口部を有する柱形状の樹脂製成型体をプラグアシスト成型によって成型するためのプラグ1であって、プラグ先端に、深さが5mm以上30mm以下の先端窪みを設け、プラグ先端の外径と内径の差を1.0mm以上6.0mm以下に設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、プラグ及び樹脂製成型体の製造方法に関する。
食品などを入れる容器としては、軽量であること、カップなどの成型が容易であること、生産性に優れること、比較的安価であること、等の理由から樹脂による容器がよく使われている。さらに中身の見える視認性(透明性)が求められる用途には透明樹脂が用いられており、落としても割れないことが求められる用途には耐衝撃性に優れる樹脂が使われている。
近年、コンビニエンスストアー等のアイスコーヒーでは氷をあらかじめ工場で詰めて冷凍輸送することが行われており、-30℃での低温衝撃性を持つ樹脂が求められている。ほとんどの透明樹脂はガラス転移温度が0℃よりも高いものが多く低温衝撃性に優れるものは少ない。透明性を持つポリプロピレン樹脂やPET樹脂であっても低温衝撃性には十分であるとは言えない。
他方、低温での耐衝撃性を持つ樹脂としてポリエチレンがある。ポリエチレンは、ガラス転移温度が非常に低温であることから低温に至るまで耐衝撃性には非常に優れる。しかし可視光線領域から紫外線領域にかけてはポリエチレン特有の球晶構造により透過する光が散乱されることからポリエチレンから成る容器や成型体は透明性に劣り、特にカップに必要な剛性のあるポリエチレンの密度領域(高密度ポリエチレン)では著しく不透明であることから高密度ポリエチレンの透明化の検討が常々行われている。
カップ等自立性のある成型体における高密度ポリエチレンの透明化の技術として、一度成型したポリエチレンシート、ロッド、成型品などに圧延処理を施して透明性を高める方法がある(例えば、特許文献1~5参照)。さらに一度成型したポリエチレンシート、ロッド、成型品などを引張延伸することにより透明性を付与する方法がある(例えば、特許文献6~11参照)
特開昭62-64846号公報 特開2009-149816号公報 特開2013-116938号公報 特表2010-510094号公報 特開2019-44046号公報 特開昭50-25667号公報 特開昭51-34956号公報 特開昭58-173614号公報 特開平2-158320号公報 特開平10-503983号公報 特開2002-104365号公報
特許文献1に記載の一旦成型したポリエチレンシート、ロッド、成型品などに圧延処理を施して透明性を高める方法は、圧延ロールによる圧縮工程があるため生産速度が非常に遅く生産性に劣り、形状付与の自由度が低くカップの形状に適用することが困難である。また特許文献3に記載の延伸シートを再加熱して溶融させカップ賦形する方法は、透明性が失われ白化する問題がある。さらに特許文献2から3に記載の圧延や引張によりフィルムや繊維で成形する方法では透明性が発現することが知られているが、薄膜や糸状の形状に限られカップのような肉厚を持った形状に適用することができない。
他方、特許文献5に記載のシートあるいは特許文献6の成型品を融点以下に加熱したプラグやポンチにより延伸する方法は、依然としてシートに接触するカップの底部が不透明のまま残り、また形状が柱状に限られ容器にテーパーを設けると延伸部根本が白く残るという不具合が発生している。
また、従来のプラグアシスト成型のプラグは円柱状のもの、あるいは円柱の先端がラウンド形状のもの、プラグ自体にテーパーがついているものがよく使われている。これにより、加熱された樹脂シートをプラグが押していく際にプラグ接触部分の樹脂がプラグ延伸とともに滑り、エアー吹き込みの段階に成型体の側面、底面とも均一に伸ばされる。しかし、ポリエチレン樹脂は、プラグとの接着が起こるため滑りが起こらないこと、さらに比較的長時間プラグに接触していることから冷却固化が起こるかあるいは溶融粘度が増加することにより、この後の工程であるエアー吹き込み工程で延伸されず、成型体の底に不透明な部分が残ってしまう。これは滑り性がよいと言われるポリテトラフルオロ樹脂(テフロン(登録商標))製プラグを用いても滑りが起きず解決されない問題である。
そこで、本発明は、透明性に優れ、かつ、寸法安定性に優れた一端に開口部を有する樹脂製成型体をプラグアシスト成型によって成型するためのプラグおよびそのプラグを用いた一端に開口部を有する樹脂製成型体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討の結果、シートを延伸する際のプラグの形状により透明性に優れ、かつ、寸法安定性に優れた一端に開口部を有する樹脂製成型体を得ることができることを発見して本発明を為すに到った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1] 一端に開口部を有する柱形状の樹脂製成型体をプラグアシスト成型によって成型するためのプラグであって、
プラグ先端に、深さが5mm以上30mm以下の先端窪みが設けられており、
プラグ先端の外径と内径の差が、1.0mm以上6.0mm以下とされている、プラグ。
[2] 前記プラグの温度制御用のヒーター又は加熱媒体循環配管が前記プラグの内部に設けられている、[1]に記載のプラグ。
[3] 前記プラグが、テーパーのついた前記柱形状の樹脂製成型体を成型するためのプラグであって、
プラグの長さ方向中間部に少なくとも1つの段差部が設けられており、
前記段差部の根本部分に、プラグ長さ方向に沿って凹むように形成された段差窪みが設けられており、
前記段差窪みに、エアー吹き出し孔が設けられている[1]又は[2]に記載のプラグ。
[4] 前記エアー吹き出し孔は、前記プラグの周方向に沿って円環状に設けられている、[3]に記載のプラグ。
[5] 前記プラグの吹き出しエアーの流路がプラグ中で少なくとも1か所以上の屈曲部をもつ[3]又は[4]に記載のプラグ。
[6] [1]~[5]のいずれか一項に記載のプラグを使用し、成型する樹脂の融点から2~10℃低い温度で成型を行う工程を含む、樹脂成型体の製造方法。
[7] [1]~[5]のいずれか一項に記載のプラグを使用し、エアーを加熱して吹き込んで成型を行う工程を含む、樹脂成型体の製造方法。
[8] [1]~[5]のいずれか一項に記載のプラグを使用し、プラグでシートを押し出したのちにエアーを吹き込んで成型を行う工程を含む、樹脂成型体の製造方法。
[9] キャビティに、プラグ径よりも大きくキャビティ径より小さい径を有する穴が設けられた成型補助板を配置した後に、加熱されるシートをセットし、金型内へのプラグによる前記シートの延伸とエアーの吹き込みとによって透明カップおよび成型体を得る工程を含む、[6]又は[7]に記載の樹脂成型体の製造方法。
本発明によって、透明性に優れ、かつ、寸法安定性に優れた一端に開口部を有する樹脂製成型体をプラグアシスト成型によって成型するためのプラグおよびそのプラグを用いた一端に開口部を有する樹脂製成型体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施例に係る円筒型プラグの断面図である。 本発明の実施例で使用される成型補助板を示すものであり、(A)は平面図、(B)は(A)のB-B部分の断面図、(C)はC-C部分の端面図である。 本発明の実施例に係る2段型プラグの断面図である。 本発明の実施例に係る2段型プラグの断面図である。 本発明の実施例に係る2段型プラグの断面図である。 、本発明の実施例で使用されるテーパー成型品用のキャビティの断面図である。 本発明の実施例で使用される成型補助板を示すものであり、(A)は平面図、(B)は端面図である。 本発明の実施例1に係る製造方法で製造された透明樹脂製成型体の一例を示す図である。 本発明の実施例3に係る製造方法で製造された透明樹脂製成型体の一例を示す図である。 本発明の実施例4に係る製造方法で製造された透明樹脂製成型体の一例を示す図である。 従来の先端ラウンド型のプラグの断面図である。 従来の先端の平たいテーパープラグの断面図である。 従来の先端ラウンド型テーパープラグの断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について以下詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[プラグ]
本実施形態のプラグは、一端に開口部を有する樹脂製成型体をプラグアシスト成型によって成型するためのプラグであり、先端に窪み(先端窪み)を有する。プラグの材質は、特に限定されないが、金属や樹脂等が挙げられ、金属としてはステンレスやアルミニウムが好ましく、樹脂としてはポリテトラフルオロ樹脂(テフロン(登録商標))が好ましい。先端窪みは、樹脂シートとの接触面積を減らし樹脂シートの固化を抑制する観点から、1つであることが好ましい。
[プラグ先端の窪みの深さ]
本実施形態のプラグの先端窪みの深さは5mm以上30mm以下であり、好ましくは10mm以上30mm以下であり、より好ましくは15mm以上30mm以下である。プラグの先端窪みの深さは5mm以上であることにより、樹脂シートとプラグの先端窪み内部が接触することによる樹脂の固化が抑制され、成型体の底面の透明性を向上させることができ、30mm以下であることにより、プラグ内のヒーターによるプラグ先端への熱伝導が良くなり、延伸中の温度低下による樹脂シートの固化が抑制され、成型体の底面の透明性を向上させることができる。
[プラグ先端の外径と内径の差]
本実施形態のプラグの先端の外径と内径(先端窪みの径)の差は1.0mm以上6.0mm以下であり、好ましくは1.5mm以上4mm以下であり、より好ましくは2.0mm以上3.0mm以下である。プラグ先端の外径と内径の差が1.0mm以上であることにより、プラグ自体の強度を十分なものにすることができ、6.0mm以下であることにより、樹脂シートとの接触面積を減らすことで樹脂シートの冷却による固化を抑制し、底面の透明性を向上させることができる。
[プラグ内部のヒーターまたは加熱媒体循環配管]
本実施形態のプラグの内部には、樹脂シートがプラグと接触することにより冷却され固化することを抑制する観点から、プラグの温度を調節するヒーターあるいは熱媒体を通して加熱できる配管を有することが好ましい。
[プラグ先端窪みの内部のエアー吹き出し孔]
本実施形態のプラグの先端窪みの内部には、少なくとも1つのエアー吹き出し孔を有することが好ましい。プラグの先端窪みの内部に少なくとも1つのエアー吹き出し孔を有することにより、プラグによる延伸後、エアーを吹き込むことでプラグによる延伸方向とは異なる方向へ延伸(二軸延伸)することができ、配向が緩和することで成型体の寸法安定性を向上させることができる。
[プラグ中間の段差]
本実施形態のプラグの長さ方向中間部には、少なくとも1つの段差部を有することが好ましく、その段差部の根本部分に、プラグ長さ方向に沿って凹むように形成された段差窪みを有し、段差窪みにエアー吹き出し孔を有することが好ましい。かかる構成を採用することにより、一端に開口部を有し、テーパーのついた樹脂製成型体を成型することが可能となる。段差部の数は、成型体の高さやテーパー角等によって適宜決められ、多数設置することにより、テーパー角の大きい成型体やテーパー角が途中で変わるような複雑な形状の成型体を成形することが可能となる。
段差窪みのエアー吹き出し孔は、吹き出しの空気圧の偏りを低減し、部分的な冷却による白化を抑制する観点から、等間隔で2つ以上あることが好ましく、等間隔で4つ以上あることがより好ましい。また、エアー吹き出し孔が1つの円環状であることがさらに好ましい。
一端に開口部を有し、テーパーのついた樹脂製成型体をプラグアシスト成型によって成型する際、一般的に使用される段差のないテーパーのついたプラグでは、側面の延伸が十分でないことにより、テーパーのついた成型体の側面に白残りが生じてしまうが、本実施形態のように、プラグの長さ方向中間部に少なくとも1つの段差部を設け、その段差部の根本部分に段差窪みを設け、その段差窪みにエアー吹き出し孔を有すると、それぞれの段での側面の延伸が十分であることにより、テーパーのついた成型体の側面の白残りを抑制し、透明性を向上させることができる。
[樹脂製成型体の製造方法]
本実施形態のプラグを使用した樹脂製成型体の製造方法は、例えば、シート成型によりシートを成型して押し出されたシートをそのまま常温まで冷却することなく(好ましくはシートの融点より2~10℃低い成型温度に保った状態で)、又は、常温まで冷却されたシートを所定の時間(20~200秒)内に常温からシートの融点T℃までの温度(好ましくは融点より2~10℃低い温度)に上げ、製品中間体の温度制御の範囲がT℃±10%以内になる工程を有し、金型内へのプラグによる延伸とエアーの吹込みとによって成型体を得る工程を含む。所定の時間内に昇温することによりシートの垂れを抑えることができる。加熱されたシートを所定の条件下でプラグや押し棒で押して延伸すると透明な容器を得ることができるが一方向のいわゆる一軸延伸では成型品への配向がかかり、加熱時の収縮など寸法安定性に影響することがある。また樹脂や成型条件によっては配向方向に縦裂けや落下衝撃試験時の破壊につながることもある。プラグや押し棒で一軸延伸を行った後、キャビティ内でさらにエアーを吹込みブローすることによりプラグや押し棒による延伸方向と異なる方向に延伸(二軸延伸)をかけることができ、得られる成型体は、配向の緩和により、寸法安定性や透明性が向上するとともに耐衝撃性も向上する。
プラグ先端に接触した樹脂が冷却されエアー吹き込み後にカップ底部に白い不透明な部分が生成することを防ぐために、プラグ内部にヒーターあるいは熱媒体を通す配管を設置して融点以下10℃にコントロールすることが好ましい。
プラグに吹き込むエアーは常温でも良いが、シートに直接エアーが当たって冷却されることに起因する白残りの発生を予防する観点から、加熱されたエアーが好ましい。また、例えば図3A、図3B、図3Cに示すように、プラグ内のエアーの配管に屈曲部(これらの図において符号20で示す部分)を設けることにより、プラグの熱をエアーに伝えることができて白残りの発生を予防することができて好ましい。プラグがシートを押す速度は特に限定されないが、早いほど成型サイクルが短くなることから15000mm/秒以上が好ましく、29400mm/秒以上がより好ましい。
本実施形態においては、プラグで延伸された樹脂を冷やさずに延伸することを目的とすることから、エアーによる延伸を行う最初の一撃で、加熱されたエアーを吹き込むことが好ましい。このため、プラグでの延伸中(このときエアーは配管内で動かない)に、いかに多くのエアーを滞留させて、プラグの熱でエアーを温めるかが重要となる。エアー配管全体としては、管の全体の長さ、管の径の細さ、管の数の多さ、管の屈曲部の多さもプラグからエアーへ熱を伝えるのに役立つものと考えられる。但し、径が細すぎるとエアーが流れず賦形するに十分な圧力が得られなかったり、複雑な経路(屈曲部が多く、経路が長い)にするとプラグの工作が困難になったり、エアーの圧力低下につながったりするという問題が発生する。また、エアーを吹き込んでいる最中にもエアーを温めるという観点からは、屈曲部20の形状として、内部に浅いくぼみ(図3Bにおいて符号30で示す部分)があると、流れるエアーがくぼみ30にあたって渦を作り滞留し、エアーの加熱が促進されることが推察される。なお、元から温かいエアーを使用する場合は、プラグの熱を使って温める必要がないため、図3A~図3Bのようなエアー配管の工夫をせずに使用することもできる。なお、本実施形態のプラグを使用した樹脂製成型体の製造方法においては、プラグからのエアーの吹込みに加えて(又はそれに代えて)、プラグとキャビティの間へのエアーの吹込みを採用することもでき、さらに、キャビティからの減圧を併用することもできる。
[補助板]
また、キャビティの内径よりも小さくプラグの外径より大きな穴の開いた成型補助板をキャビティの上部に設置することが好ましい。テーパーがついた成型体は上部ほど外径が大きくなる構造となっている。プラグ先端の外径は成型体下部の内径より大きくすることはできないのでキャビティの内径に対してプラグ先端の外径はかなり小さくなりプラグがシートに接触するときのキャビティとプラグのクリアランスは大きなものとなる。加熱されて半溶融のポリエチレンのシートにプラグが接触する際にポリエチレンの粘弾性からプラグに接触した近傍のみが伸ばされてほとんどの部分は伸ばされずに残り、次のエアー吹き込みにより未延伸のままキャビティ上部に折り返されるため白く残ってしまうことがある。さらにプラグに接触した近傍のみが伸ばされるため成型体側面が全体的に薄肉化してしまう。白く残った部分はトリミングで除くことは可能であるが、切断工程が増え、および所望の肉厚が得られない、というデメリットがある。キャビティの内径よりも小さくプラグの外径より大きな穴の開いた成型補助板をキャビティの上部に設置することにより、成型体上部の白残りを減少させ、成型体側面の肉厚を増加させることができる。補助板は平板に必要とする穴をあけたものでも良いし、複数の板が合わさることにより必要とする穴形状を形作るものでも良い。
プラグの外径と成型補助板の穴径の差のクリアランスは、シートの厚み以上とされることが必要であるが、クリアランスが大きすぎると肉厚維持の効果が薄れるため、クリアランスは5mm以下が好ましく3mm以下がより好ましい。成型補助板の形状は穴の開いた1枚板とし、成型後に不要部分をカットするものでもよいし、2枚以上の組み合わせで穴の形状を絞り込むものでも良い。またシャッターの絞りのように多数のパーツで構成されてもよい。プラグが完全な円柱形でクリアランスが狭いと、次の工程のエアブローの際に十分にエアーが通らないため、プラグが挿入された時に補助板よりも下部までエアーの通り道を形成するためにプラグ側面に切り欠きを設けることが好ましい。またプラグ内部にエアーの通る流路を設けプラグの先端窪みの吹き出し孔からエアーを吹き出すようにすることがより好ましい。
本発明を実施例に基づいて説明する。
物性測定及び成型方法は以下のとおりである。
(1)側面、口部、底部の透明性
島津製作所社製紫外可視分光光度計UV-1280を用い、成型体の側面、口部、底部から採取した厚み0.3mmの試験片(透明部分)を用い、1波長測定モードで200nmから1100nmの範囲の透過度を測定した。可視光線及び紫外線領域は300nmから800nmの範囲の透過度を測定した。可視光線及び紫外線領域において、透過度が70%以上の場合を「〇:透過する」とし、透過度が70%未満の場合を「×:透過しない」とした。
(2)側面ヘイズ
成型されたカップの側面からサンプルを採取し、測定部分の肉厚を測定し、ヘイズメータでヘイズを測定した。
(3)側面透明部厚み
成型したカップを1/2高さの位置で切り取り、その厚みをノギスで周方向に4点測定し平均を計算して厚みとした。
[触媒調製]
(1)酸化クロム触媒(I)の合成
三酸化クロム4モルを蒸留水80リットルに溶解し、この溶液中にシリカ(W.Rグレースアンドカンパニ製グレード952)20kgを浸漬し、室温にて1時間攪拌後、このスラリーを加熱して水を留去し、続いて120℃にて10時間減圧乾燥を行った後、600℃にて5時間乾燥空気を流通させて焼成し、クロムを1.0重量%含有した酸化クロム触媒(I)を得た。
(2)有機アルミニウム化合物(II)の合成
トリエチルアルミニウム100モル、メチルヒドロポリシロキサン(30℃における粘度:30センチストークス)100モル(Si基準)、n‐ヘキサン150リットルを窒素雰囲気下耐圧容器に秤取し、攪拌下90℃で5時間反応させてAl(C252(OSi・H・CH3・C25)ヘキサン溶液を調整した。次にこの溶液100モル(Al基準)を窒素雰囲気下600リットルの反応器に移し、Al(C252Al(O-C25)100モル(Al基準)とn-ヘキサン50リットルの混合溶液を80℃にて攪拌下に添加し、3時間反応させてAl(C252.0(OC250.5(OSi・H・CH3・C250.5ヘキサン溶液を調整した。
(3)チタン触媒(III)の合成
充分に窒素置換された15リットルの反応器に、トリクロルシランを2モル/リットルのn-ヘプタン溶液として3リットル仕込み、攪拌しながら-10℃に保ち、組成式AlMg6(C253(n-C496で示される有機マグネシウム成分のn-ヘキサン溶液7リットル(マグネシウム換算で5モル)を3時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、n-ヘキサン7リットルで4回洗浄を行い、固体物質スラリーを得た。この固体物質スラリーから固体(チタン触媒(III))を分離・乾燥して分析した結果、20.3重量%のチタンを有していた。
[ポリエチレン樹脂Aの製造]
単段重合プロセスにおいて、容積230Lの重合器で重合した。重合温度は84℃、重合圧力は0.98MPaである。この重合器に(1)で合成した酸化クロム触媒(I)50gに、(2)で調整した有機アルミニウム化合物(II)0.03モル(Al基準)を加えて、室温で1時間反応させて得られた固体触媒を2g/時間の速度で、エタノールとトリエチルアルミニウムとをモル比0.98:1で反応させることにより得られた有機アルミニウム化合物が重合器中の濃度が0.08ミリモル/リットルになるよう供給し調整した。精製ヘキサンは60L/時間の速度で供給し、またエチレンを10kg/時間の速度で、分子量調節剤として水素を気相濃度が約5モル%になるように供給し重合を行い、MIが1.0g/10分、密度が960kg/m3のポリエチレン樹脂Aを製造した。
[ポリエチレン樹脂Bの製造]
最初に1段目の重合で低分子量成分を製造するために、反応容積300リットルのステンレス製重合器1を用い、重合温度83℃、重合圧力1MPaの条件で、触媒は上記の固体触媒(III)を1.4ミリモル(Ti原子基準)/時間、トリイソブチルアルミニウムを10ミリモル(金属原子基準)/時間、またヘキサンは40リットル/時間の速度で導入した。分子量調整剤としては水素を用い、エチレンに対する水素濃度が70モル%になるように供給し重合を行った。重合器1内のポリマースラリー溶液を圧力0.1MPa、温度75℃のフラッシュドラムに導き、未反応のエチレン、水素を分離した後反応容積250リットルの重合器2にスラリーポンプで昇圧して導入した。重合器2では、温度77℃、圧力0.5MPaの条件下で、トリイソブチルアルミニウムを23ミリモル/時間、ヘキサンは95リットル/時間の速度で導入した。これに、エチレン、水素、ブテン-1を水素の気相濃度が約9モル%、ブテンの気相濃度が約10モル%になるように導入して、重合器1で生成した低分子量部分の量に対して、重合器2で生成した高分子量部分の重量比が1.0倍となるように高分子量部分を重合し、MIが0.43g/10分、密度が940kg/m3のポリエチレン樹脂Bを製造した。尚、重合器1で生成した低分子量部分のMIは、70g/10分、密度は972kg/m3であった。
[ポリエチレン樹脂組成物(PE1)の製造]
上記の如くして製造したポリエチレン樹脂A及びBのパウダーを重量比で、39対61の割合で混合し、次いでこの混合物にステアリン酸カルシウム300ppm及びアデカ社製アデカスタブ(登録商標)AO-50を300ppm、アデカスタブ(登録商標)2112を500ppmの濃度になるよう添加し、混合機で攪拌混合した。この混合物をシリンダー径44mmの二軸押出機(日本製鋼所社製TEX44HCT-49PW-7V)を使用し、シリンダー温度200℃、押出量35kg/時間の条件で、ポリエチレン樹脂組成物(PE1)を得た。
[シート作成]
ポリエチレン樹脂組成物としてPE1を用い圧縮成型にて温度200℃でペレットを加熱溶融し300mm角、厚みが1.2mmのシートを作成した。
[カップ成型]
シートをクランプし、シートの温度が樹脂の融点(Tm)より5~10℃低い温度になるようにヒーター間で加熱し、カップ形状のキャビティが下に位置した状態で上部からプラグで押したのちエアーを吹き込むことによってカップを成型した。ヒーターはセラミックヒーターを使用しシートに対して温度ムラが少ないようにしてヒーター温度を360℃、余熱時間は85秒とした。
[実施例1]
プラグとして、図1の円筒型プラグ1(長さ115mm、先端の外径50mm、先端窪みの深さ15mm、先端の外径と内径の差5.4mm)を用いるとともに、キャビティとして、図示していない径70mmの円筒型キャビティを用いた。プラグ1は、棒ヒーター10により125℃となるように調整した。78秒の間に常温から原料のシートの融点より5℃低い温度に上げ、金型内へのプラグ1による2軸延伸の方法でシートの温度124℃、押し棒速度15000mm/秒で押したのち、プラグとキャビティの間にエアーを吹き込んでカップを成型した。成型の結果を表1に示す。得られたカップにおいて、視認性又は光線透過を有する透明部分の厚みは、0.30mmであった。
[実施例2]
プラグとして図1の円筒型プラグ1、キャビティとして径70mmの円筒型キャビティを用いるとともに、成型補助板として図2の内径60mmの穴の開いた板2を用いた。プラグ1はヒーターにより125℃となるように調整した。78秒の間に常温から原料のシートの融点より5℃低い温度に上げ、金型内へのプラグ1による2軸延伸の方法でシートの温度124℃、押し棒速度15000mm/秒で押したのち、プラグとキャビティの間にエアーを吹き込んでカップを成型した。成型の結果を表1に示す。得られたカップにおいて、視認性又は光線透過を有する透明部分の厚みは、0.30mmであった。
[実施例3]
プラグとして図3Aの2段型プラグ1A(長さ105mm、先端の外径40mm、先端窪みの深さ15mm、先端の外径と内径の差5.4mm、段差窪みの深さ5mm)、キャビティとして図4の最大口径84mm、テーパー角6.882°のテーパー成型品のキャビティ3を用いるとともに、成型補助板として図5の内径70mmの穴の開いた板2Aを用いた。プラグ1Aはヒーターにより125℃となるように調整した。78秒の間に常温から原料のシートの融点より5℃低い温度に上げ、金型内へのプラグ1Aによる2軸延伸の方法でシートの温度124℃、プラグ速度15000mm/秒で押したのち、プラグとキャビティの間にエアーを吹き込むとともにプラグからエアーを吹き込んでカップを成型した。成型の結果を表1に示す。得られたカップにおいて、視認性又は光線透過を有する透明部分の厚みは、0.29mmであった。なお、図3B及び図3Cは、エアー配管の変形例である。
[実施例4]
成型補助板2Aを使わないほかは、実施例3と同様にして成型を行った。成型の結果を表1に示す。カップの口部にあたる部分が白く残ったものの、側面の大部分、底部は透明になった。得られたカップにおいて、視認性又は光線透過を有する透明部分の厚みは、0.29mmであった。
[実施例5]
プラグ速度を29400mm/秒とした以外は、実施例3と同様に成型を行った。成型の結果を表1に示す。得られたカップにおいて、視認性又は光線透過を有する透明部分の厚みは、0.29mmであった。
図6、図7、図8は、以上の実施例1、実施例3、実施例4で各々成型されたカップ(透明樹脂製成型体)を示す図である。
[比較例1]
プラグとして図9の先端ラウンド型のプラグ100(長さ125mm、先端の外径60mm、先端ラウンド部の曲率半径30mm)、キャビティは実施例3と同様のキャビティ3を用いた。プラグ100はヒーターにより125℃となるように調整した。78秒の間に常温から原料のシートの融点より5℃低い温度に上げ、金型内へのプラグ100による2軸延伸の方法でシートの温度124℃、押し棒速度15000mm/秒で押したのちエアーを吹き込んでカップを成型した。成型の結果を表1に示す。得られたカップにおいて、視認性又は光線透過を有する透明部分の厚みは、0.30mmであった。
[比較例2]
プラグとして図10の先端の平たいテーパープラグ200(長さ110mm、先端の外径49.2mm)を用いた。プラグ200はヒーターにより125℃となるように調整した。78秒の間に常温から原料のシートの融点より5℃低い温度に上げ、金型内へのプラグ200による2軸延伸の方法でシートの温度124℃、押し棒速度15000mm/秒で押したのちエアーを吹き込んでカップを成型した。成型の結果を表1に示す。得られたカップにおいて、視認性又は光線透過を有する透明部分の厚みは、0.30mmであった。
[比較例3]
プラグとして図11の先端ラウンド型のテーパープラグ300(長さ125mm、先端ラウンド部の曲率半径73mm)を用いた。プラグ300はヒーターにより125℃となるように調整した。78秒の間に常温から原料のシートの融点より5℃低い温度に上げ、金型内へのプラグ300による2軸延伸の方法でシートの温度124℃、押し棒速度15000mm/秒で押したのちエアーを吹き込んでカップを成型した。成型の結果を表1に示す。得られたカップにおいて、視認性又は光線透過を有する透明部分の厚みは、0.30mmであった。
[比較例4]
プラグ1の温度を130℃となるように調整した以外は実施例1と同様に成型した。成型の結果を表1に示す。プラグ1がシートを突き破ってしまい成型できなかった。
[比較例5]
プラグ1の温度を115℃となるように調整した以外は実施例1と同様に成型した。成型の結果を表1に示す。プラグ1がシートに接触した部分が冷やされて延伸されなかったために成型品の側面下部に白く不透明な部分が残ってしまった。
Figure 2022045385000002
本実施形態のプラグは、一端に開口部を有する柱形状またはテーパー形状の樹脂製成型体をプラグアシスト成型による成型に用いるプラグとして、産業上の利用可能性を有する。

Claims (9)

  1. 一端に開口部を有する柱形状の樹脂製成型体をプラグアシスト成型によって成型するためのプラグであって、
    プラグ先端に、深さが5mm以上30mm以下の先端窪みが設けられており、
    プラグ先端の外径と内径の差が、1.0mm以上6.0mm以下とされている、プラグ。
  2. 前記プラグの温度制御用のヒーター又は加熱媒体循環配管が前記プラグの内部に設けられている、請求項1に記載のプラグ。
  3. 前記プラグが、テーパーのついた前記柱形状の樹脂製成型体を成型するためのプラグであって、
    プラグの長さ方向中間部に少なくとも1つの段差部が設けられており、
    前記段差部の根本部分に、プラグ長さ方向に沿って凹むように形成された段差窪みが設けられており、
    前記段差窪みに、エアー吹き出し孔が設けられている請求項1又は2に記載のプラグ。
  4. 前記エアー吹き出し孔は、前記プラグの周方向に沿って円環状に設けられている、請求項3に記載のプラグ。
  5. 前記プラグの吹き出しエアーの流路がプラグ中で少なくとも1か所以上の屈曲部をもつ請求項3又は4に記載のプラグ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のプラグを使用し、成型する樹脂の融点から2~10℃低い温度で成型を行う工程を含む、樹脂成型体の製造方法。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載のプラグを使用し、エアーを加熱して吹き込んで成型を行う工程を含む、樹脂成型体の製造方法。
  8. 請求項1から5のいずれか一項に記載のプラグを使用し、プラグでシートを押し出したのちにエアーを吹き込んで成型を行う工程を含む、樹脂成型体の製造方法。
  9. キャビティに、プラグ径よりも大きくキャビティ径より小さい径を有する穴が設けられた成型補助板を配置した後に、加熱されるシートをセットし、金型内へのプラグによる前記シートの延伸とエアーの吹き込みとによって透明カップおよび成型体を得る工程を含む、請求項6又は7に記載の樹脂成型体の製造方法。

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