JP2022045062A - リニアソレノイドバルブの制御装置 - Google Patents

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Yasuhiro Tanaka
正憲 松原
Masanori Matsubara
隆明 戸倉
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智之 小池
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Abstract

【課題】リニアソレノイドバルブの励磁電流の制御において、ディザ周期における励磁電流の平均値を精度よく算出することである。【解決手段】ECUは、サンプリング周期毎にリニアソレノイドバルブの電磁石に印加される電圧をサンプリングし、サンプリングされた電圧のサンプリング周期毎の電圧変化ΔVを算出することにより、ディザ周期におけるリニアソレノイドバルブの電磁石に印加される電圧の極大値および極小値を算出する(S1)。ECUは、電圧が極大値となってから極小値となるまでの間においてサンプリングされた電圧の和である合計電圧を算出し(S3)、合計電圧をサンプリング数で除算して平均電圧を算出する(S5)。ECUは、回路の抵抗値を用いて、平均電圧から平均電流を算出する(S7)。【選択図】図6

Description

本開示は、リニアソレノイドバルブの制御装置に関する。
特開2014-197655号公報(特許文献1)には、リニアソレノイドバルブの励磁電流を制御する電流制御装置が開示されている。この電流制御装置は、励磁電流の目標値である目標電流を設定する手段と、PWM(Pulse Width Modulation)周期における励磁電流の平均値が目標電流となるように、PWM信号のデューティ比を調整する手段とを有する。目標電流の設定には、ディザ周期における励磁電流の平均値が用いられる。ディザ周期は、PWM信号のパルス周期であるPWM周期よりも長い周期である。
特開2014-197655号公報
ディザ周期における励磁電流の平均値を算出するためには、所定の演算時間を要する。そのため、ディザ周期における励磁電流の平均値を算出して、当該平均値を次のディザ周期におけるPWM制御に用いるためには、たとえば、ディザ周期に対して、平均値を算出するための励磁電流のサンプリング期間を時間的に前倒して所定の演算時間を確保することが求められる。この場合には、上記平均値に1周期前のディザ周期における励磁電流が含まれるため、目標電流の算出精度が低下してしまう可能性がある。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リニアソレノイドバルブの励磁電流の制御において、ディザ周期における励磁電流の平均値を精度よく算出することである。
この開示に係るリニアソレノイドバルブの制御装置は、リニアソレノイドバルブの励磁電流を制御するPWM制御、および、励磁電流をディザ周期で周期的に変化させるディザ制御を実行可能に構成される。リニアソレノイドバルブの制御装置は、励磁電流の目標値である目標電流を算出する目標電流算出部と、ディザ周期における励磁電流の平均電流を算出する平均電流算出部と、目標電流と平均電流との偏差に基づいて、PWM制御の基本デューティ信号を生成する基本信号生成部と、基本デューティ信号をディザ制御の出力で補正して、リニアソレノイドバルブに出力する信号生成部とを備える。平均電流算出部は、ディザ周期における励磁電流の極大値および極小値の間の励磁電流の平均値を、上記平均電流として算出する。
上記構成によれば、平均電流は、ディザ周期における励磁電流の極大値および極小値の間の励磁電流の平均値として算出される。本発明者らは、ディザ周期における励磁電流の波形が点対称となることに着目した。ディザ周期における励磁電流の波形が点対称となることに鑑みると、ディザ周期における励磁電流の極大値および極小値の区間の励磁電流の平均値をディザ周期における励磁電流Iの平均値と同値と見做すことができるので、極大値および極小値の区間の励磁電流の平均値を算出することで、ディザ周期における励磁電流の平均値(平均電流)を算出することができる。このようにして平均電流を算出することにより、ディザ周期中にサンプリングされた励磁電流を用いて、平均電流を精度よく算出することができる。また、ディザ周期の終わりまで励磁電流をサンプリングしなくても、平均電流を算出することができる。ゆえに、次のディザ周期におけるPWM制御に、精度よく算出された平均電流を用いることができる。
本開示によれば、リニアソレノイドバルブの励磁電流の制御において、ディザ周期における励磁電流の平均値を精度よく算出することができる。
実施の形態に係る制御システムの全体構成図である。 比較例に係る平均電流の算出手法を説明するための図である。 実施の形態に係る平均電流の算出手法を説明するための図である。 PWM制御およびディザ制御におけるECUの機能ブロック図である。 ディザ補正デューティの算出手法を説明するための図である。 ECUで実行される平均電流を算出するための処理の手順を示すフローチャートである。 ECUで実行されるリニアソレノイドバルブを制御するための処理の手順を示すフローチャートである。 ディザ周期における励磁電流の極大値および極小値の算出を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<制御システムの全体構成>
図1は、本実施の形態に係る制御システム1の全体構成図である。制御システム1は、自動変速機10を制御するためのシステムである。制御システム1は、自動変速機10と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)30と、駆動回路40とを備える。
自動変速機10は、たとえば、車両用の自動変速機である。自動変速機10は、変速機構12と、油圧回路20とを含む。変速機構12は、クラッチおよびブレーキ等を含む係合機構14を有する。油圧回路20は、係合機構14に供給される作動油の圧力(すなわち油圧)を調整するリニアソレノイドバルブ25を有する。
リニアソレノイドバルブ25は、スリーブ26と、スプール27と、電磁石28と、スプリング29とを含む。スリーブ26は、複数のポートを有する。スプール27は、スリーブ26内を軸方向に移動し、各ポートの開閉状態を切り替える。スプリング29は、スプール27を軸方向の一方に付勢する。電磁石28は、通電によって発生する磁力により、スプール27を軸方向に移動させる。
駆動回路40は、リニアソレノイドバルブ25の電磁石28に接続されている。駆動回路40は、ECU30からの制御信号に応じて、電磁石28の励磁電流Iを変化させる。励磁電流Iが変化すると、スリーブ26内におけるスプール27の位置が変化する。これにより、リニアソレノイドバルブ25から係合機構14に供給される油圧が変化する。
ECU30は、駆動回路40を制御することにより、自動変速機10を制御する。ECU30は、CPU(Central Processing Unit)32と、メモリ34と、入出力ポート(図示せず)とを含む。メモリ34は、ROMおよびRAMを含み、CPU32により実行されるプログラム等を記憶する。CPU32は、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。CPU32は、入力ポートに入力される各種信号、およびメモリ34に記憶された情報に基づいて、所定の演算処理を実行し、演算結果に基づいて各種の制御を実行する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
ECU30の入力ポートには、各種のセンサからの信号が入力される。各種のセンサには、たとえば、油圧センサ50と、電圧センサ52とが含まれる。油圧センサ50は、油圧回路20から係合機構14に供給される作動油の温度(油圧温度)Toilを検出し、その検出結果を示す信号をECU30に出力する。電圧センサ52は、電磁石28に印加される電圧Vを検出し、その検出結果を示す信号をECU30に出力する。ECU30は、回路(主として、油圧回路20および駆動回路40)の抵抗値Rを用いて、電圧Vを抵抗値Rで除算することにより、電磁石28の励磁電流Iを算出可能に構成される。回路の抵抗値Rは、制御システム1の仕様等に基づいて予め定められ、たとえば、ECU30のメモリ34に記憶されている。
ECU30が実行する主要な制御として、PWM制御およびディザ制御が挙げられる。PWM制御は、パルス信号であるPWM信号Spwmを駆動回路40に出力してリニアソレノイドバルブ25(電磁石28)の励磁電流Iを調整する制御である。ディザ制御は、励磁電流Iを周期的に変化(増減)させて、リニアソレノイドバルブ25のスプール27を微振動させる制御である。なお、以下においては、PWM信号Spwmのパルス周期を「PWM周期」とも称する。また、ディザ制御によるスプール27の振動周期を「ディザ周期」とも称する。本実施の形態においては、ディザ周期は、PWM周期の5倍の長さに設定される。
PWM制御においては、励磁電流Iの平均値をフィードバックして、励磁電流Iの目標電流と、上記平均値との差がゼロに近づくようにフィードバック制御が行なわれる。ここで、上記の励磁電流Iの平均値には、ディザ周期における励磁電流Iの平均値(平均電流)が用いられることがある。ディザ周期における励磁電流Iの平均値(平均電流)は、たとえば、以下の比較例に係る手法により算出されることがある。
図2は、比較例に係る平均電流の算出手法を説明するための図である。図2の横軸には時間が示され、縦軸には励磁電流Iが示されている。図2において、時刻t1から時刻t2がディザ周期の1周期分である。平均電流は、時刻t1から時刻t2の間にサンプリングされた励磁電流Iの平均値として算出される。そして、算出された平均電流は、次のディザ周期(時刻t2から時刻t3)におけるPWM制御に用いられる。
ここで、平均電流を算出するためには、所定の演算時間を要する。そのため、時刻t1から時刻t2まで励磁電流Iをサンプリングして平均電流を算出すると、次のディザ周期(時刻t2から時刻t3)におけるPWM制御の開始時に上記平均電流を用いることができない。上記平均電流を次のディザ周期におけるPWM制御に用いるためには、たとえば、ディザ周期に対して、平均電流を算出するためのサンプリング期間を時間的に前倒して所定の演算時間を確保することが求められる。具体的には、図2に示すように、ディザ周期に対して時間Δtaだけサンプリング期間を前倒しすることが考えられる。時間Δtaは、所定の演算時間以上の時間に設定される。これにより、平均電流を算出して、次のディザ周期(時刻t2から時刻t3)におけるPWM制御に用いることができる。
しかしながら、比較例に係る上記ケースにおいては、平均電流に1周期前のディザ周期における励磁電流(具体的には、時刻t1aから時刻t1においてサンプリングされた励磁電流I)が含まれるため、ディザ周期における励磁電流Iの平均値(時刻t1から時刻t2においてサンプリングされた励磁電流Iの平均値)との間に差異が生じ得る。そのため、平均電流の算出精度が低下し得る。
そこで、本発明者らは、ディザ周期における励磁電流の波形が点対称となることに着目した。ディザ周期における励磁電流の波形が点対称となることに鑑みると、ディザ周期における極大値および極小値の間の励磁電流Iの平均値は、ディザ周期における励磁電流Iの平均値と同値と見做すことができる。そこで、ディザ周期における励磁電流Iの極大値および極小値を探索し、極大値および極小値の区間の励磁電流Iの平均値を算出することで、ディザ周期における励磁電流Iの平均値(平均電流Iav)を算出することができる。
図3は、本実施の形態に係る平均電流の算出手法を説明するための図である。図3の横軸には時間が示され、縦軸には励磁電流Iが示されている。図3に示されるように、本実施の形態に係るECU30は、サンプリング周期毎の電流変化ΔIを計算し、励磁電流Iの極大値Imaxおよび極小値Iminを探索する。図3に示される例においては、極大値Imaxが現われた後に、極小値Iminが現われる。ECU30は、極大値Imaxおよび極小値Iminを探索できた時点で(図3においては時刻t2b)、極大値Imaxから極小値Iminまでの間(時刻t1bから時刻t2b)でサンプリングされた励磁電流Iの平均値を算出して、平均電流Iavを求める。当該平均電流Iavの算出に用いられた励磁電流Iは、今回のディザ周期(時刻t1から時刻t2)の値であるので、平均電流に1周期前のディザ周期における励磁電流が含まれる場合に比べ、精度よく平均電流Iavを算出することができる。また、ディザ周期の開始(時刻t1)から終わり(時刻t2)まで励磁電流Iをサンプリングしなくても平均電流Iavを算出することができるので、次のディザ周期が到来するまでに平均電流Iavを算出しておくことができる。これにより、次のディザ周期におけるPWM制御に精度よく算出された平均電流Iavを用いることができる。
励磁電流Iのサンプリングは、たとえば、電圧センサ52から電磁石28の電圧Vを取得して、当該電圧Vを電流に変換することにより行なうことができる。あるいは、電圧センサ52に代えて、電磁石28の励磁電流Iを検出する電流センサを設け、励磁電流Iをサンプリングしてもよい。さらに、平均電流Iavを算出するにあたり、電磁石28の電圧Vをサンプリングして平均電圧Vavを求め、平均電圧Vavを平均電流Iavに変換することにより、平均電流Iavを算出してもよい。本実施の形態における以下の説明においては、平均電流Iavを算出するにあたり、電磁石28の電圧Vをサンプリングして平均電圧Vavを求め、平均電圧Vavを平均電流Iavに変換する手法を採用した例について説明する。
<ECUの機能ブロック>
図4は、PWM制御およびディザ制御におけるECU30の機能ブロック図である。図4を参照して、ECU30は、目標電流演算部301と、フィードフォワード(FF)項演算部302と、減算部303と、フィードバック(FB)項演算部304と、加算部305と、ディザ補正デューティ演算部306と、加算部307と、PWM信号生成部308と、極値演算部309と、ディザ平均電圧演算部310と、ディザ平均電流演算部311とを含む。
目標電流演算部301は、目標油圧Ptに基づいて、励磁電流Iの目標値である目標電流Itagを算出する。目標油圧Ptは、油圧回路20から係合機構14に供給される油圧の目標値である。目標油圧Ptは、車両の運転状態、たとえば、エンジン回転数、要求トルク、および、油圧温度Toil等に基づいて設定される。目標電流演算部301は、たとえば、目標油圧Ptを引数として、目標油圧Ptと目標電流Itagとの関係を定めた第1マップを用いて、目標電流Itagを算出する。第1マップは、実験結果またはシミュレーション結果等に基づいて予め定められ、たとえば、ECU30のメモリ34に記憶される。目標電流演算部301は、目標電流ItagをFF項演算部302および減算部303に出力する。
FF項演算部302は、目標電流Itagに基づいて、フィードフォワード値Dffを算出する。フィードフォワード値Dffは、PWM信号Spwmのデューティ比である。フィードフォワード値Dffは、目標電流Itagが大きいほど大きな値となるように算出される。FF項演算部302は、フィードフォワード値Dffを加算部305に出力する。
減算部303は、目標電流Itagと、平均電流Iavとの偏差Idiffを算出する。減算部303は、偏差IdiffをFB項演算部304に出力する。
FB項演算部304は、偏差Idiffに基づいて、フィードバック値Dfbを算出する。フィードバック値Dfbは、偏差Idiffをゼロに近づけるようにPWM信号Spwmのデューティ比を補正するための値である。FB項演算部304は、たとえば、偏差Idiffについて所定ゲインによるPI(比例積分)演算を行なって制御偏差を求め、この制御偏差に応じたフィードバック値Dfbを算出する。FB項演算部304は、フィードバック値Dfbを加算部305に出力する。
加算部305は、フィードフォワード値Dffにフィードバック値Dfbを加算して、基本デューティDbasを算出する。加算部305は、基本デューティDbasを加算部307に出力する。
ディザ補正デューティ演算部306は、油圧温度Toilに基づいて、ディザ補正デューティDdiを算出する。ディザ補正デューティDdiは、リニアソレノイドバルブ25のスプール27を振動させるための振動成分である。ディザ補正デューティDdiを用いて、基本デューティDbasが補正される。ディザ補正デューティDdiとしては、ディザ周期の1周期内においてPWM周期毎に異なる値が設定される。ディザ補正デューティDdiは、油圧温度Toilが低いほど、その値(デューティ比)が大きくなるように算出される。すなわち、油圧温度Toilが低いほど、励磁電流Iの補正量が大きくなるように、ディザ補正デューティDdiが算出される。これは、油圧温度Toilが低いほどスプール27が動きにくくなるため、油圧温度Toilの低下に伴なうスプール27の動作速度の低下を抑えるためである。ディザ補正デューティ演算部306は、たとえば、油圧温度Toilを引数として、油圧温度Toilとディザ補正デューティDdiとの関係を定めた第2マップを用いて、ディザ補正デューティDdiを算出する。第2マップは、実験結果またはシミュレーション結果等に基づいて予め定められ、たとえば、ECU30のメモリ34に記憶される。ディザ補正デューティ演算部306は、ディザ補正デューティDdiを加算部307に出力する。
加算部307は、基本デューティDbasにディザ補正デューティDdiを加算して、目標デューティDtagを算出する。加算部307は、目標デューティDtagをPWM信号生成部308に出力する。
PWM信号生成部308は、目標デューティDtagに基づいてPWM信号Spwmを生成する。PWM信号生成部308は、PWM信号Spwmを駆動回路40に出力する。駆動回路40は、PWM信号Spwmに従って電磁石28をオンおよびオフさせる。これによって、電磁石28の励磁電流Iが目標デューティDtagに応じた値に調整される。
極値演算部309は、電磁石28に印加される電圧Vをサンプリングして、ディザ周期における電圧Vの極値(極大値および極小値)を算出する。極値演算部309は、サンプリング周期毎に電圧センサ52から電圧Vを取得して、電圧Vをサンプリングする。極値演算部309は、サンプリング周期毎の電圧変化ΔVを算出することにより、ディザ周期における電圧Vの極大値および極小値を算出する。極大値および極小値を算出すると、極値演算部309は、電圧Vが極大値となってから極小値となるまでの間においてサンプリングされた電圧(極大値と極小値との間においてサンプリングされた電圧)の和である合計電圧ΣVを算出する。極値演算部309は、合計電圧ΣVをディザ平均電圧演算部310へ出力する。
ディザ平均電圧演算部310は、電圧Vが極大値となってから極小値となるまでの間におけるサンプリング数で合計電圧ΣVを除算して、平均電圧Vavを算出する。ディザ平均電圧演算部310は、平均電圧Vavをディザ平均電流演算部311へ出力する。
ディザ平均電流演算部311は、回路(主として、油圧回路20および駆動回路40)の抵抗値Rを用いて、平均電圧Vavを抵抗値Rで除算することにより、平均電流Iavを算出する。ディザ平均電流演算部311は、平均電流Iavを減算部303へ出力する。
図5は、ディザ補正デューティDdiの算出手法を説明するための図である。上述のとおり、ディザ周期は、PWM周期の5倍の長さに設定されている。図5においては、ディザ周期に含まれる各PWM周期を、時間経過の順に第1~第5PWM周期とそれぞれ記載している。図5には、上から順に、ディザ補正デューティDdi、PWM信号Spwm、および、励磁電流Iの波形が示されている。
ディザ補正デューティDdiの波形は、基本デューティDbasに対する補正を表わしている。ディザ補正デューティDdiは、ディザ周期の1周期内において、ディザ補正デューティDdiによる励磁電流Iの増加分と、ディザ補正デューティDdiによる励磁電流Iの減少分とが、互いに相殺されるように設定される。本実施の形態においては、第1PWM周期および第2PWM周期において、励磁電流Iが増加するように、ディザ補正デューティDdiが基本デューティDbasに対してHIに設定されている。そして、第3PWM周期、第4PWM周期および第5PWM周期において、励磁電流Iが減少するように、ディザ補正デューティDdiが基本デューティDbasに対してLOに設定されている。基本デューティDbasからのHI側への補正量をHI側ディザデューティ、基本デューティDbasからのLO側への補正量をLO側ディザデューティとすると、LO側ディザデューティは、HI側ディザデューティの3分の2の大きさに設定される。上記のようにディザ補正デューティDdiが設定されることにより、ディザ補正デューティDdiによる励磁電流Iの増加分と、ディザ補正デューティDdiによる励磁電流Iの減少分とが、互いに相殺される。
PWM信号Spwmは、基本デューティDbasが上記のようなディザ補正デューティDdiにより補正されることにより、第1PWM周期および第2PWM周期においてHI期間がLO期間よりも多くなるパルス波形となり、第3PWM周期、第4PWM周期および第5PWM周期においてLO期間がHI期間よりも多くなるパルス波形となっている。
励磁電流Iの波形として、実電流波形およびフィルタ回路後電流波形が示されている。励磁電流Iは、平均電流Iavに対して周期的に変動し、その振幅としてディザ振幅をもった波形となっている。このように、ディザ制御が実行してリニアソレノイドバルブ25のスプール27を常時微振動させることにより、スプール27の動作への摩擦の影響を緩和したり、ソレノイドバルブ25内に侵入した異物を除去したりすることができる。
<ECUにおいて実行される処理>
図6は、ECU30で実行される平均電流Iavを算出するための処理の手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、ディザ周期毎にECU30によって実行される。なお、図6および後述の図7に示すフローチャートの各ステップ(以下ステップを「S」と略す)は、ECU30によるソフトウェア処理によって実現される場合について説明するが、その一部あるいは全部がECU30内に作製されたハードウェア(電子回路)によって実現されてもよい。
S1において、ECU30は、ディザ周期における電圧Vの極値(極大値および極小値)を算出する。具体的には、ECU30は、サンプリング周期毎に電圧Vをサンプリングし、サンプリングした電圧Vのサンプリング周期毎の電圧変化ΔVを算出することにより、ディザ周期における電圧Vの極大値および極小値を算出する。
S3において、ECU30は、電圧Vが極大値となってから極小値となるまでの間においてサンプリングされた電圧の和である合計電圧ΣVを算出する。
S5において、ECU30は、電圧Vが極大値となってから極小値となるまでの間におけるサンプリング数で合計電圧ΣVを除算して、平均電圧Vavを算出する。
S7において、ECU30は、平均電圧Vavを平均電流Iavに変換する。具体的には、ECU30は、回路の抵抗値Rを用いて、平均電圧Vavを抵抗値Rで除算することにより、平均電流Iavを算出する。
S9において、ECU30は、算出された平均電流Iavを、たとえばメモリ34に記憶する。
図7は、ECU30で実行されるリニアソレノイドバルブ25を制御するための処理の手順を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、所定の制御周期(たとえばPWM周期)毎にECU30によって繰り返し実行される。
S10において、ECU30は、目標油圧Ptに基づいて、目標電流Itagを算出する。具体的には、目標油圧Ptを引数として、上述の第1マップを用いて目標電流Itagを算出する。
S20において、ECU30は、たとえば、平均電流Iavを読み出す。平均電流Iavは、たとえば、ECU30のメモリ34に記憶されている。
S30において、ECU30は、目標電流Itag、および、目標電流Itagと平均電流Iavとの偏差Idiffを用いて、基本デューティDbasを算出する。具体的には、ECU30は、目標電流Itagに基づいて、フィードフォワード値Dffを算出する。また、ECU30は、偏差Idiffに基づいて、フィードバック値Dfbを算出する。ECU30は、フィードフォワード値Dffとフィードバック値Dfbとを加算して、基本デューティDbasを算出する。
S40において、ECU30は、油圧温度Toilに基づいて、ディザ補正デューティDdiを算出する。具体的には、ECU30は、油圧温度Toilを引数として、上述の第2マップを用いてディザ補正デューティDdiを算出する。
S50において、ECU30は、基本デューティDbasにディザ補正デューティDdiを加算して、目標デューティDtagを算出する。
S60において、ECU30は、目標デューティDtagに基づいて、PWM信号Spwmを生成し、駆動回路40に出力する。駆動回路40がPWM信号Spwmに従って駆動することにより、リニアソレノイドバルブ25が制御される。
以上のように、本実施の形態に係る制御システム1においては、PWM制御に用いられる平均電流Iavを算出するにあたり、ディザ周期における励磁電流Iの波形が点対称となることに鑑みて、ディザ周期における励磁電流Iの極大値および極小値の間の励磁電流Iの平均値が平均電流Iavとして算出される。ディザ周期における励磁電流Iの波形が点対称となることから、極大値および極小値の間の励磁電流Iの平均値は、ディザ周期における励磁電流Iの平均値と同値と見做すことができる。上記のようにして平均電流Iavを算出することにより、ディザ周期中にサンプリングされた励磁電流を用いて、平均電流を精度よく算出することができる。なお、上記では、ディザ周期において電圧Vが極大値となってから極小値となるまでの間における電圧Vの平均電圧Vavを求めて、平均電流Iavを算出する例を説明した。
また、本実施の形態に係る制御システム1によれば、ディザ周期における励磁電流Iの極大値および極小値の間の励磁電流Iの平均値を平均電流Iavとするので、ディザ周期の終わりまで励磁電流I(または電圧V)をサンプリングしなくても、平均電流Iavを算出することができる。すなわち、次のディザ周期が到来するまでに平均電流Iavを算出しておくことができる。ゆえに、次のディザ周期におけるPWM制御に精度よく算出された平均電流Iavを用いることができる。
[変形例]
実施の形態では、ディザ周期における電磁石28に印加される電圧Vの極大値および極小値を、サンプリング周期毎の電圧変化ΔVを算出することによって探索する手法について説明した。あるいは、実施の形態では、ディザ周期における励磁電流Iの極大値および極小値を、サンプリング周期毎の電流変化ΔIを算出することによって探索する手法を用いてもよいことを説明した。変形例では、他の手法により、ディザ周期における励磁電流Iの極大値および極小値を探索する例について説明する。
図8は、ディザ周期における励磁電流Iの極大値および極小値の算出を説明するための図である。実施の形態において説明したとおり、ディザ周期は第1~第5PWM周期を含んでいる。具体的には、図8において、時刻t1から時刻tcが第1PWM周期、時刻tcから時刻tdが第2PWM周期、時刻tdから時刻teが第3PWM周期、時刻teから時刻tfが第4PWM周期、時刻tfから時刻t2が第5PWM周期である。第1~第5PWM周期のPWM信号Spwmのデューティ波形は、たとえば実施の形態において説明した図5に示されたように制御される。ECU30は、PWM信号Spwmのデューティ波形から、ディザ周期において励磁電流Iの極大値および極小値が、第1~第5PWM周期のいずれに現われるかを予め推測(認識)することができる。変形例においては、たとえば、極大値は第2PWM周期(すなわち時刻tcから時刻tdの間)において現われ、極小値は第4PWM周期(すなわち、時刻teから時刻tf)において現われる。
そこで、変形例に係るECU30は、第2PWM周期においてサンプリングされた励磁電流I同士を比較し、その中で最大のものを極大値とする。また、ECU30は、第4PWM周期においてサンプリングされた励磁電流I同士を比較し、その中で最小のものを極小値とする。このように、変形例においては、微分を用いることなく、値の比較によって極大値および極小値を算出することができる。
そして、ECU30は、極大値から極小値までの間においてサンプリングされた励磁電流Iの平均値を平均電流Iavとして算出する。
なお、実施の形態と同様に、電磁石28に印加される電圧Vをサンプリングして、平均電圧Vavを算出して、回路の抵抗値Rを用いて平均電流Iavを算出する手法を採用してもよい。具体的には、第2PWM周期においてサンプリングされた電圧V同士を比較し、その中で最大のものを電圧Vの極大値とし、第4PWM周期においてサンプリングされた電圧V同士を比較し、その中で最小のものを電圧Vの極小値とし、極大値から極小値までの間においてサンプリングされた電圧Vの平均値を平均電圧Vavとして算出すればよい。
変形例における手法によっても、ディザ周期における励磁電流I(あるいは電圧V)の極大値および極小値を探索することができ、実施の形態と同様の効果を奏することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 制御システム、10 自動変速機、12 変速機構、14 係合機構、20 油圧回路、25 リニアソレノイドバルブ、26 スリーブ、27 スプール、28 電磁石
29 スプリング、30 ECU、32 CPU、34 メモリ、40 駆動回路、50 油圧センサ、52 電圧センサ、301 目標電流演算部、302 フィードフォワード(FF)項演算部、303 減算部、304 フィードバック(FB)項演算部、305 加算部、306 ディザ補正デューティ演算部、307 加算部、308 PWM信号生成部、309 極値演算部、310 ディザ平均電圧演算部、311 ディザ平均電流演算部。

Claims (1)

  1. リニアソレノイドバルブの励磁電流を制御するPWM制御、および、前記励磁電流をディザ周期で周期的に変化させるディザ制御を実行可能に構成された前記リニアソレノイドバルブの制御装置であって、
    前記励磁電流の目標値である目標電流を算出する目標電流算出部と、
    前記ディザ周期における前記励磁電流の平均電流を算出する平均電流算出部と、
    前記目標電流と前記平均電流との偏差に基づいて、前記PWM制御の基本デューティ信号を生成する基本信号生成部と、
    前記基本デューティ信号を前記ディザ制御の出力で補正して、前記リニアソレノイドバルブに出力する信号生成部とを備え、
    前記平均電流算出部は、前記ディザ周期における前記励磁電流の極大値および極小値の間の前記励磁電流の平均値を、前記平均電流として算出する、リニアソレノイドバルブの制御装置。
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