JP2022043851A - シートおよび日傘 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低廉なコストで耐久性に優れた、例えば日傘を提供する事である。【解決手段】例えば、開いたり閉じたりが繰り返して行われる日傘に張られるシートであって、前記シートはシート生地と前記シート生地の少なくとも一面に設けられた塗膜とを具備してなり、前記塗膜は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満であり、前記塗膜は金属アルミニウム粒子を含有してなり、前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2~5g/m2であり、前記金属アルミニウム粒子は鱗片状であり、前記シート生地は経糸および緯糸を有する織物製である。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば日傘に関する。
日傘のシートとして遮熱性シートが提案(特開2007-325757、特開2008-115488、特開2011-56072、WO2014/185440)されている。前記特開2007-325757にあっては、前記シートは酸化チタン含有塗料が塗布されて表面に酸化チタン含有塗膜を有する。前記特開2008-115488にあっては、前記シートは、裏面に下塗コーティング層と上塗コーティング層とを有し、前記下塗コーティング層はバインダと酸化チタンと黒色顔料とを固形分重量比率で10:10~4:1.2~0.5の割合で含む固形分で20~50g/m2の厚さであり、前記上塗コーティング層は着色料を含む固形分で8~25g/m2(前記下塗コーティング層と前記上塗コーティング層との合計厚さは28~75g/m2)であり、JIS L 1055 A法で照度10万Luxの遮光性試験で99.99%以上の遮光性を有する。前記特開2011-56072にあっては、前記シートは合成樹脂多層フィルムシートであって、前記フィルムシートは少なくとも明色シートと暗色シートとの積層を有するものであり、前記明色シートはシート上面側、前記暗色シートはシート下面側の面を形成し、前記明色シートは傘上方から照射された太陽光をシート面で反射する光反射性シートであり、前記暗色シートは前記明色シートを通過した光や太陽光が地面で反射して入射した光を吸収する光吸収性シートである。前記WO2014/185440にあっては、前記シートは、厚さが好ましくは50~150μmの合成樹脂フィルムが繊維布帛に貼り合わされてなり、前記合成樹脂フィルムが酸化チタンを10~70質量%の割合で含有する多層シートである。前記酸化チタンの代わりに酸化アルミニウムや金属粒子(例えば、Al等)も提案されている。
前記特許文献1,2提案の日傘のシートの遮熱性層は、生地(布帛)の表面に塗料を塗布する事によって設けられた塗膜である。従って、布帛表面に酸化チタン及びバインダ樹脂を含有する塗料を塗布すれば前記シートは簡単に得られる。しかしながら、前記特許文献提案1,2の日傘のシートは、生地の凹凸によるコーティング層に厚みムラが有る。この結果、紫外線や赤外線を十分にカットすることが難しく、遮熱性も不十分となり、日傘としての要望が十分に満たされているとは言い難いものであった。更に、酸化チタン(TiO)は黒色であり、前記酸化チタンを含有する素材では外観性(カラー特性)が悪い。
前記特許文献3提案の日傘のシートは合成樹脂多層フィルムシートである。この多層フィルムシートは共押出成形によって得られたものである。従って、前記特許文献3の多層フィルムシートはコストが高く付く。文献3の技術の日傘はコスト面から満足できない。
前記特許文献4の実施例1にあっては、酸化チタンを40質量%含有する厚さが20μmの合成樹脂フィルムを得、この合成樹脂フィルムをポリウレタン系接着剤によって織物製布帛に接着し、これによって2層シートを得たと記載されている。前記文献4の実施例2にあっては、カーボンブラックを30質量%含有する厚さが18μmの合成樹脂フィルムを得、前記実施例1の酸化チタン含有合成樹脂フィルムと前記カーボンブラック含有合成樹脂フィルムとをラミネート機を用いて貼り合わせ、この2層ラミネート合成樹脂フィルムをポリウレタン系接着剤によって織物製布帛に接着し、これによって3層シートを得たと記載されている。前記文献4の実施例3にあっても、前記文献4の実施例2の2層ラミネート合成樹脂フィルムをポリウレタン系接着剤によって織物製布帛に接着し、これによって3層シートを得たと記載されている。何れにしても、フィルム作製工程が2度、及びフィルムとフィルムとの接着工程が必要な事を鑑みると、コストが高くなる事は容易に想像される。従って、前記特許文献4の技術の日傘はコスト面から満足できない。更に、酸化チタン(TiO)は黒色であり、前記酸化チタンやカーボンブラックを含有する素材では外観性(カラー特性)が悪い。
従って、本発明が解決しようとする課題は、例えば日傘などに好適に用いる事が出来る低廉なコストで、遮熱性に優れ、更にはカラー特性(色彩的)にも優れたシートを提供する事である。
先ず、コスト面からの検討を行った。1層で十分な遮熱性が有るフィルムを作製し、これを生地に接着剤で貼り合わすと言った手法の採用が考えられた。
しかしながら、白色フィルム及び暗色フィルムのみでは遮熱性に劣っていた。
前記問題の原因の検討が本願発明者によって推し進められて行った。その結果、どうも、フィルムに含有されている酸化チタン、カーボンブラック等の遮熱剤が大きな原因ではないだろうかと言う事が判って来た。すなわち、遮熱剤の選定が重要であることが判って来た。
例えば、前記特許文献1における酸化チタン含有塗膜(遮熱性層)の厚さは5g/m2(実施例1),30g/m2(実施例2),50g/m2(実施例3)であり、前記特許文献1における実施例1,2,3の遮熱性層(塗膜)は満足できるものではなかった。
前記特許文献2における実施例1では下塗コーティング層の厚さが23g/m2で上塗コーティング層の厚さが11.3g/m2(合計厚さ34.3g/m2)であり、実施例2では下塗コーティング層の厚さが25.1g/m2で上塗コーティング層の厚さが10g/m2(合計厚さ35.1g/m2)であり、実施例3では下塗コーティング層の厚さが25.6g/m2で上塗コーティング層の厚さが14.6g/m2(合計厚さ40.2g/m2)であり、実施例4では下塗コーティング層の厚さが25.6g/m2+13.7g/m2で上塗コーティング層の厚さが11.9g/m2(合計厚さ51.2g/m2)であり、前記特許文献2における実施例1,2,3,4の遮熱性層(塗膜)も満足できるものではなかった。
斯かる知見を基にして本発明が達成された。
本発明は、
開いたり閉じたりが繰り返して行われる日傘に張られるシートであって、
前記シートは、
シート生地と、
前記シート生地の少なくとも一面に設けられた層
とを具備してなり、
前記層は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満であり、
前記層は金属アルミニウム粒子を含有してなり、
前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2~5g/m2であり、
前記金属アルミニウム粒子は鱗片状であり、
前記シート生地は経糸および緯糸を有する織物製である
日傘に張られるシートを提案する。
開いたり閉じたりが繰り返して行われる日傘に張られるシートであって、
前記シートは、
シート生地と、
前記シート生地の少なくとも一面に設けられた層
とを具備してなり、
前記層は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満であり、
前記層は金属アルミニウム粒子を含有してなり、
前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2~5g/m2であり、
前記金属アルミニウム粒子は鱗片状であり、
前記シート生地は経糸および緯糸を有する織物製である
日傘に張られるシートを提案する。
本発明は、好ましくは、前記シートが遮熱性レフランプ法で4℃以上の遮熱性を有する前記日傘に張られるシートを提案する。
本発明は、前記シートが張られてなる日傘を提案する。
本発明は、
例えば、タープ、テント、家屋壁面、家屋窓面の日除けに用いられるシートであって、
前記シートは、
シート生地と、
前記シート生地の少なくとも一面に設けられた層
とを具備してなり、
前記層は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満であり、
前記層は金属アルミニウム粒子を含有してなり、
前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2~5g/m2であり、
前記金属アルミニウム粒子は鱗片状であり、
前記シート生地は経糸および緯糸を有する織物製である
シートを提案する。
例えば、タープ、テント、家屋壁面、家屋窓面の日除けに用いられるシートであって、
前記シートは、
シート生地と、
前記シート生地の少なくとも一面に設けられた層
とを具備してなり、
前記層は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満であり、
前記層は金属アルミニウム粒子を含有してなり、
前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2~5g/m2であり、
前記金属アルミニウム粒子は鱗片状であり、
前記シート生地は経糸および緯糸を有する織物製である
シートを提案する。
本発明は、前記シートであって、前記シート生地と前記層との間に接着層を有するシートを提案する。
本発明は、前記シートであって、前記層はフィルムであり、前記シート生地と前記フィルムとの間に接着層を有するシートを提案する。
本発明は、前記シートであって、前記層はフィルムであり、前記シート生地と前記フィルムとの間に接着層を有し、前記接着層は前記シート生地(又は前記フィルム)に対して全面的に設けられておらず、例えば点状(スポット状)あるいは線状に設けられており、前記シート生地と前記フィルムとは接着剤で接着されていない個所を持っているシートを提案する。
本発明は、前記シートであって、JIS L1099 B-1法による透湿度が1.5×105/24hr/m2以下であるシートを提案する。
本発明は、前記シートであって、油性顔料を含むシートを提案する。
本発明は、前記シートであって、前記シートが張られてなる日傘を提案する。
前記本発明の構成要件を具備した本発明になるシートは、低廉なコストで得られる。布帛を用いている事から、前記特許文献3の如きシート生地にフィルムを用いた場合よりも高級感に富む。しかも、遮熱効果に優れていた。「前記層は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満」「前記層は金属アルミニウム粒子を含有」「前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2~5g/m2」「前記金属アルミニウム粒子は鱗片状」の要件全てを満たしていた場合には、前記層の厚さにムラが少なく、かつ、遮熱効果が特に優れていた。
「含有される鱗片状金属アルミニウム粒子の層が9μm以上で15μm未満である」事から、傘の開閉が繰り返して行われても、前記塗膜の耐久性に優れていた。
色彩感に優れていた。
「含有される鱗片状金属アルミニウム粒子の層が9μm以上で15μm未満である」事から、傘の開閉が繰り返して行われても、前記塗膜の耐久性に優れていた。
色彩感に優れていた。
遮熱特性のみを鑑みたならば、金属アルミニウム粒子含有塗膜の代わりに、金属Al粒子をスパッタや蒸着等の手段で設ける方が効果的である。しかし、開閉が繰り返される傘のシートにあっては、シート膜表面に設けられたスパッタ膜や蒸着膜は損傷が起き易く、鱗片状金属アルミニウム粒子含有塗膜に比べて耐久性が劣っていた。
本発明になるシートは、例えばタープ、テント、家屋壁面、家屋窓面の日除けに好適に用いられる。勿論、前記以外の用途に用いる事も出来る。
本発明の一つは日傘に張られるシートである。本発明にあっては雨傘・日傘兼用の傘も日傘と見做される。日傘を雨傘として用いる事も出来、このような場合も本発明が言う日傘に見做される。前記日傘は開いたり閉じたりの動作が繰り返して行われる日傘である。前記シートはシート生地と層とを具備する。前記層は前記シート生地の少なくとも一面に設けられている。前記層は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満である。前記厚さが9μm未満では、層の厚さが薄過ぎて、耐久性が劣り、かつ、遮熱効果が乏しかった。好ましくは、10μm以上であった。逆に、厚さが15μmを越えると、層が厚過ぎて、これ、また、耐久性が劣っていた。但し、層中に存在する遮熱材(Al)の量が多い事から、遮熱効果には優れていた。好ましくは、14.5μm以下であった。尚、前記厚さが10μmは約13g/m2に相当していた。前記層は金属アルミニウム粒子を含有する。遮熱材としては、例えば酸化アルミニウム等の白色顔料も考えられた。Ag,Ti,Ni,Cu,Cr,Sn,Pt,SUS等も考えられた。しかしながら、本発明にあっては、遮熱性やコストの観点から、金属アルミニウムが採用された。特に、耐久性や遮熱性の観点から、鱗片状金属アルミニウム粒子が採用された。前記鱗片状金属アルミニウム粒子は、表面が平滑で、金属光沢が良好であり、隠蔽性が良かった。すなわち、鱗片状金属アルミニウム粒子を用いる事によって、層の耐久性や遮熱性が向上した。例えば、金属アルミニウム含有重量が同じ場合に、球状金属アルミニウム粒子を用いた場合よりも、鱗片状金属アルミニウム粒子を用いた場合の方が、層(塗膜)の耐久性や遮熱性が向上していた。前記鱗片状金属アルミニウム粒子は、例えば平均長径が0.5μm~5μmであり、最大長径が10μm以下であり、平均厚みが5~100nmであり、アスペクト比が20以上である。前記層中における前記金属アルミニウム粒子の含有量は0.2~5g/m2である。前記層中における前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2g/m2未満では、遮熱性が乏しかった。逆に、前記含有量が5g/m2を越えて多過ぎると、層(塗膜)の耐久性が劣っていた。好ましくは、0.5g/m2以上であった。好ましくは、3g/m2以下であった。本発明にあっては、前記シート生地は経糸および緯糸を有する織物製(布帛)である。前記糸は天然繊維が用いられたものでも、合成繊維が用いられたものでも、両者が併用されたものでも良い。
前記層(塗膜)中に顔料や染料などの着色材が含有されていても良い。例えば、DILAC YELLOW PV-5822KA、DILAC RED PV-5808KA等の顔料が含有されていた場合には、遮熱性を損なうことなく着色が出来ているので好ましい。しかも、カラー特性が損なわれない。尚、本発明にあっては、基本的には、カーボンブラックは含まれない。なぜならば、カラー(色)が限定されるからである。
シートの柔軟性を高めたい場合には、前記布帛と前記層の間に接着層を介し、かつ、前記接着層を前記布帛上に点状または線状に配置する。接着剤を点状(スポット状)或いは線状に設ける事で、布帛と当該層が或る程度独立して動くことが出来、柔軟性を有するようになった。この構成の場合、一旦、前記層をフィルム状に巻き取り、前記布帛と前記フィルムとを接着層を介して接着すれば良い。
前記層(塗膜)におけるバインダ樹脂としては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン-プロピレンゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、ニトリルイソプレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどから選ばれるゴム、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ロジン系樹脂などの有機高分子化合物が挙げられる。これらは何れか1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記シートは、遮熱性レフランプ法で、例えば4℃以上の遮熱性を有する。好ましくは5℃以上であった。更に好ましくは6℃以上であった。本明細書において、遮熱性レフランプ法は次の方法による。例えば、温度20±2℃の試験室内において、黒画用紙の5mm上にスペーサを用いて2点以上の試料を保持し、試料上部50cmからレフランプ(100V500W)でランプ光を試料すべてに同時に照射して、15分後の黒画用紙裏面の表面温度を測定する。次に生地の位置を入れ替えて測定し、そのデータの平均を測定値とする。例えば、日本洋傘振興協議会の遮熱性に対して一般財団法人カケンテストセンターが行っている方法である。
前記シートは吸湿性を有するのが好ましい。我が国において日傘や日除けが必要な状況では多湿の場合が多い。このような場合、シートが吸湿性を有しておれば、シートが太陽光を受けた場合に、遮熱効果のみならず、水蒸気の蒸発(気化熱)による冷却効果も見込める。吸湿性は透湿性の評価方法であるJIS L1099 B-1法によって測定することが出来る。本発明においては、透湿度が1.5×105g/24hr/m2以下であることが好ましい。透湿度が1.5×105g/24hr/m2以上の場合は、吸湿しすぎて、層の形状が維持され難い。
本発明の一つは、例えばタープ、テント、家屋壁面、家屋窓面の日除け、および家屋壁面、家屋窓面の保温に好適に用いられるシートである。勿論、前記以外の用途に用いる事も出来る。本シートは、前記日傘に張られるシートと同等構成のシートである。このシートは、低廉なコストで得られ、かつ、耐久性に富み、しかも遮熱性に優れている。
前記シートは、例えば傘本体に対して着脱可能(着脱自在も含まれる。)である。前記傘は、傘としての基本的な要素を備えている。例えば、中棒、手元、親骨、受骨、露先、石突などである。勿論、前記要素は必要に応じて取捨選択される。
以下、具体的な実施形態が挙げられる。しかし、本発明は以下の例にのみ限定されない。本発明の特長が大きく損なわれない限り、各種の変形例や応用例も本発明に含まれる。
図1は開かれた状態での日傘の側面図である。
図1中、1は中棒、2は手元、3は親骨、4は露先、5は石突である。6は開いたり閉じたりの動作が繰り返して行われる日傘に張られたシートである。このシート6は着脱自在である。斯かる構成は従来からの傘(日傘)にあっても周知であるから、詳細は省略される。
前記シート6は、シート生地(経糸および緯糸を有する織物製布帛)と、このシート生地の表面(日傘に配置された場合には日傘の上側)に設けられた塗膜(層)とからなる。前記層は前記布帛の表面に設けられた遮熱材含有層である。前記層は乾燥厚が9μm以上で15μm未満であった。前記層中の遮熱材は鱗片状金属アルミニウム粒子であった。前記鱗片状金属アルミニウム粒子は、平均長径が0.5μm~5μm、最大長径が10μm以下、平均厚みが5~100nm、アスペクト比が20以上であった。前記層中の鱗片状金属アルミニウム粒子の含有量は0.2~5g/m2であった。前記層中のバインダ樹脂はウレタン樹脂であった。前記層中にカーボンブラック及び酸化チタン(TiO)は含まれていない。前記層は、前記鱗片状金属アルミニウム粒子および前記ウレタン樹脂を含有する塗料の塗布によって得られた。
上記の如くに構成させた日傘が用いられていると、太陽光が降りかかって来ても、太陽光はシート6で遮られ、日傘の内側(下)に居る者にとってのクーリング効果が大きかった。例えば、前記シート6は遮熱性レフランプ法で4℃以上の遮熱性を有していた。
前記例における塗膜の代わりに厚さ(乾燥厚)が7μmの塗膜が設けられたシートが作製され、これが日傘本体に取り付けられた。この日傘の遮熱性は、塗膜の厚さが薄い事から、即ち、鱗片状金属アルミニウム粒子の量が少ない事から、遮熱性に劣っていた。かつ、塗膜が薄い事から、傘の開閉動作回数が多くなった場合に、塗膜にひび割れや剥離が認められるに至った。
前記例における塗膜の代わりに厚さ(乾燥厚)が20μmの塗膜が設けられたシートが作製され、これが傘本体に取り付けられた。この日傘の遮熱性は、塗膜の厚さが厚い事から、即ち、鱗片状金属アルミニウム粒子の量が多い事から、遮熱性には優れていた。しかし、塗膜が厚い事から、傘の開閉動作回数が多くなった場合に、塗膜にひび割れや剥離が認められるに至った。
前記シート6と同等構成のシートが、タープ、テント、家屋壁面、家屋窓面の日除けおよび家屋壁面、家屋窓面の保温に用いられた。この場合のシートも、低廉なコストで得られ、かつ、耐久性に富み、しかも遮熱性、保温性に優れていた。
1 中棒
2 手元
3 親骨
4 露先
5 石突
6 シート
2 手元
3 親骨
4 露先
5 石突
6 シート
Claims (8)
- 開いたり閉じたりが繰り返して行われる日傘に張られるシートであって、
前記シートは、
シート生地と、
前記シート生地の少なくとも一面に設けられた層
とを具備してなり、
前記層は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満であり、
前記層は金属アルミニウム粒子を含有してなり、
前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2~5g/m2であり、
前記金属アルミニウム粒子は鱗片状であり、
前記シート生地は経糸および緯糸を有する織物製である
シート。 - シートであって、
前記シートは、
シート生地と、
前記シート生地の少なくとも一面に設けられた層
とを具備してなり、
前記層は前記シート生地表面からの厚さが9μm以上で15μm未満であり、
前記層は金属アルミニウム粒子を含有してなり、
前記金属アルミニウム粒子の含有量が0.2~5g/m2であり、
前記金属アルミニウム粒子は鱗片状であり、
前記シート生地は経糸および緯糸を有する織物製である
シート。 - 前記シートは遮熱性レフランプ法で4℃以上の遮熱性を有する
請求項1又は請求項2のシート。 - 前記層はフィルムであり、
前記シート生地と前記フィルムとの間に接着層を有する
請求項1~請求項3いずれかのシート。 - 前記接着層は、前記シート生地および/または前記フィルムに点状および/または線状に設けられてなる
請求項4のシート。 - JIS L1099 B-1法による透湿度が1.5×105g/24hr/m2以下である
請求項1~請求項5いずれかのシート。 - 油性顔料を含む
請求項1~請求項6いずれかのシート。 - 請求項1~請求項7いずれかのシートが張られてなる日傘。
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