JP2022043754A - 白色シート - Google Patents

白色シート Download PDF

Info

Publication number
JP2022043754A
JP2022043754A JP2020149209A JP2020149209A JP2022043754A JP 2022043754 A JP2022043754 A JP 2022043754A JP 2020149209 A JP2020149209 A JP 2020149209A JP 2020149209 A JP2020149209 A JP 2020149209A JP 2022043754 A JP2022043754 A JP 2022043754A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
resin
coat layer
white sheet
white
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020149209A
Other languages
English (en)
Inventor
大介 後藤
Daisuke Goto
諭 正岡
Satoshi Masaoka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2020149209A priority Critical patent/JP2022043754A/ja
Publication of JP2022043754A publication Critical patent/JP2022043754A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】良好な防汚性を有し、かつ、抗菌性および防かび性の少なくとも一方が良好な白色シートを提供する。【解決手段】樹脂を含有する基材シート1と、上記基材シートの一方の面側に位置するコート層2と、を有する白色シート10であって、上記コート層は、有機窒素硫黄系化合物を含有し、上記白色シートの上記コート層側の表面において、JISP8148に基づくISO白色度が80%以上であり、JISL1919(A-1法)に基づく防汚性が3級以上であり、JISZ2911:2010(附属書A、方法B)に基づく、30日間経過時のかび生育レベルが1以下である白色シート。【選択図】図1

Description

本開示は、白色シートに関する。
例えば公衆衛生の観点から、抗菌性および防かび性の少なくとも一方が良好なシートが求められている。例えば特許文献1には、防かび剤及び/又は抗菌剤を5~50重量%の割合で含有する剥離剤層を備える転写シートが開示されている。また、特許文献2には、多官能(メタ)アクリレート及び(B)有機窒素硫黄系抗菌剤を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるハードコートが開示され、さらに、そのハードコートを含む化粧シートが開示されている。
特開平7-47798号公報 特開2017-222813号公報
抗菌成分および防かび成分は、通常、シート表面で作用するため、シート表面が汚れると、抗菌性および防かび性の低下を招きやすい。また、シートが透明である場合、表面付着した汚れが視認しにくく、汚れによる機能低下が生じていることに気づきにくい。そのため、汚れが付着していることを視認しやすく、汚れがつきにくく、さらに、汚れが落としやすい機能性シート(機能性フィルム)が求められている。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、良好な防汚性を有し、かつ、抗菌性および防かび性の少なくとも一方が良好な白色シートを提供することを主目的とする。
本開示においては、樹脂を含有する基材シートと、上記基材シートの一方の面側に位置するコート層と、を有する白色シートであって、上記コート層は、有機窒素硫黄系化合物を含有し、上記白色シートの上記コート層側の表面において、JIS P 8148に基づくISO白色度が80%以上であり、JIS L 1919(A-1法)に基づく防汚性が3級以上であり、JIS Z 2911:2010(附属書A, 方法B)に基づく、30日間経過時のかび生育レベルが1以下である、白色シートを提供する。
本開示においては、樹脂を含有する基材シートと、上記基材シートの一方の面側に位置するコート層と、を有する白色シートであって、上記コート層は、有機窒素硫黄系化合物を含有し、上記白色シートの上記コート層側の表面において、JIS P 8148に基づくISO白色度が80%以上であり、JIS L 1919(A-1法)に基づく防汚性が3級以上であり、JIS Z 2801:2010に基づく、大腸菌に対する抗菌活性値Rが5以上である、白色シートを提供する。
本開示における白色シートは、良好な防汚性を有し、かつ、抗菌性および防かび性の少なくとも一方が良好であるという効果を奏する。
本開示における白色シートを例示する概略断面図である。 本開示における白色シートを例示する概略断面図である。 本開示における白色シートを例示する概略断面図である。
以下、本開示における白色シートについて、詳細に説明する。本明細書において、ある部材に対して他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」または「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上または直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方または下方に、別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含む。
同様に、ある部材の面に対して他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材の面に接するように他の部材を配置する場合と、ある部材の面に、別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含む。また、本開示における図面は、説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状について模式的に表わされる場合がある。また、本開示において、「シート」および「フィルム」を同義として用いる場合がある。
図1は、本開示における白色シートを例示する概略断面図である。図1における白色シート10は、基材シート1と、基材シート1の一方の面側に位置し、有機窒素硫黄系化合物を含有するコート層2と、を有する。さらに、白色シート10のコート層2側の表面S1において、ISO白色度が所定の値以上であり、防汚性が所定の評価以上である。また、表面S1において、30日間経過時のかび生育レベルが所定の評価以下であることが好ましい。同様に、表面S1において、大腸菌に対する抗菌活性値Rが、所定の評価以上であることが好ましい。
本開示における白色シートは、良好な防汚性を有し、かつ、抗菌性および防かび性の少なくとも一方が良好である。上記のように、抗菌成分および防かび成分は、通常、シート表面で作用するため、シート表面が汚れると、抗菌性および防かび性の低下を招きやすい。これに対して、本開示における白色シートは、良好な防汚性を有することから、シート表面が汚れにくく、また仮に汚れても容易に清掃することができる。また、本開示における白色シートは、ISO白色度が高いため、汚れが目立ちやすい。特に、大腸菌に対する抗菌活性値Rの算出、および、かび生育レベルの評価は、目視または顕微鏡での状態観察に基づくため、ISO白色度が高いほど厳しい評価となる。そのような厳しい評価であっても、本開示における白色シートは、抗菌性および防かび性の少なくとも一方が良好であるという効果を有する。
また、本開示における白色シートでは、コート層が、有機窒素硫黄系化合物を含有する。ここで、抗菌剤および防かび剤は、主に、有機窒素硫黄系等の有機合成系、Agイオン系、Cuイオン系等の金属イオン系、TiO等の天然無機系、ヒノキチオール等の天然有機系が知られており、それぞれ、抗菌性および防かび性のメカニズムが異なる。
ここで、有機合成系では、そのメカニズムの具体例として、細胞壁結合および酵素阻害が挙げられる。有機合成系は、細菌および真菌(かび)に対する効果が高く、安全性も高いため、食品や化粧品に使用される場合がある。さらに、有機合成系は、インキ化が容易で、コーティングしやすいというメリットもある。一方、金属イオン系では、そのメカニズムの具体例として、たんぱく質の機能阻害が挙げられる。金属イオン系は、効果が長く持続し、安全性が高いというメリットがある反面、酸化および共存物(例えばS2-、Cl)の影響を受けやすいというデメリットがある。
また、天然無機系では、そのメカニズムの具体例として、強烈な酸化反応が挙げられる。天然無機系は、即効性が高く、強い殺菌力を発揮するというメリットがある反面、紫外線による活性化が必要であったり、シートの他の成分(例えば樹脂)も脆化させてしまったりするというデメリットがある。また、天然有機系では、そのメカニズムの具体例として、たんぱく質の機能阻害が挙げられる。天然有機系は、昔から使用されてきた実績があり、安全性が高いというメリットがある反面、天然資源に依存するため、環境負荷が大きいというデメリットがある。
このように、抗菌剤および防かび剤には、多くの種類があるが、上記のように、有機合成系は、効果および安全性が高く、さらにコーティングしやすいというメリットがある。また、相対的に酸化および共存物の影響を受けにくく、紫外線による活性化も不要であり、環境負荷が小さいというメリットもある。
1.コート層
本開示におけるコート層は、基材シートの一方の面側に位置する層である。コート層は、有機窒素硫黄系化合物を含有する。有機窒素硫黄系化合物は、通常、防かび剤および抗菌剤の少なくとも一つとして機能する。
有機窒素硫黄系化合物は、通常、1分子中に、1以上の窒素原子と、1以上の硫黄原子とを有する有機化合物である。有機窒素硫黄系化合物は、ヘテロ原子として1以上の窒素原子を含むヘテロ環化合物であり、1分子中に1以上の硫黄原子を有していてもよい。
有機窒素硫黄系化合物としては、例えば、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン(CAS番号2682-20-4)、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(CAS番号2634-33-5)、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン(CAS番号26472-55-4)、および2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(CAS番号26530-20-1)等のイソチアゾリン系化合物;1-ヒドロキシピリジン-2(1H)-チオン等のピリチオン系化合物;が挙げられる。
有機窒素硫黄系化合物の具体例としては、ネオシントールAF-362N、ネオシントールAF935等のネオシントールシリーズ(住化エンバイロメンタルサイエンス社製)、SB-50(大原パラヂウム化学社製)、サンアイゾール5404(三愛石油社製)、ホクサイド6500(北興産業社製)が挙げられる。コート層は、有機窒素硫黄系化合物を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
コート層における有機窒素硫黄系化合物の割合は、コート層に含まれる樹脂に対して、例えば5質量%以上であり、7質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよい。有機窒素硫黄系化合物の割合が少なすぎると、十分な抗菌性または防かび性が得られない可能性がある。一方、コート層における有機窒素硫黄系化合物の割合は、コート層に含まれる樹脂に対して、例えば30質量%以下であり、20質量%以下であってもよく、15質量%以下であってもよい。有機窒素硫黄系化合物の割合が多すぎても、抗菌性および防かび性の効果に差が生じず、コスト面で不利になる可能性がある。また、効果持続性の観点で適宜前記範囲の濃度で選ばれることが好ましい。コート層は、基材シートの一方の面側のみに位置してもよく、基材シートの一方の面側および他方の面側に位置してもよい。
コート層は、有機窒素硫黄系化合物に加えて、通常、樹脂を有する。上記樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。コート層は、1種の樹脂を含有していてよく、2種以上の樹脂を含有していてもよい。ポリウレタン系樹脂は、薄膜として表面強度が強く好ましい。ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクタムポリウレタン、および、それらの混合物が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂のガラス転移温度Tg(℃)は特に限定されないが、例えば、-60℃以上、0℃以下である。また、ポリウレタン系樹脂の重量平均分子量Mwは特に限定されないが、例えば10,000以上、80,000以下である。
ポリウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリマーポリオールとを、溶液重合等の公知の方法で反応させ、必要に応じて、ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤および反応停止剤を使用することによって得られる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、2,2,4-または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;1,3-または1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;m-またはp-フェニレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-または2、6-トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートが挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、飽和炭化水素系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとから得られるポリエステルポリオール、ラクトン環の開環重合で得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、直鎖飽和炭化水素系のアジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、セバシン酸等の脂肪族多価カルボン酸;不飽和脂肪酸系のフマル酸、マレイン酸等の不飽和脂肪族多価カルボン酸;シクロヘキシル基を有する1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族多価カルボン酸が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、キシリレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-または1,3-プロパンジオール、1,2-、1,3-または1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール等の脂肪族、脂環族の多価アルコール、芳香族多価アルコールが挙げられる。
一方、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のオキシラン化合物に、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコールを重合開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、上記ポリエーテルポリオールに上記多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。
コート層は、樹脂を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。コート層における樹脂の割合は、例えば60質量%以上であり、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよい。
白色シートのコート層側の表面において、JIS P 8148で評価されるISO白色度は、例えば80%以上であり、85%以上であってもよい。ISO白色度が高いほど、汚れが目立ちやすく、衛生的に優れた白色シートとすることができる。ここで、「白色シートのコート層側の表面」とは、基材シートを基準にした場合における、コート層側に位置する白色シートの表面をいい、例えば図1における表面S1が該当する。一方、白色シートのコート層側の表面において、JIS P 8148に基づくISO白色度は、100%であってもよく、100%未満であってもよい。ISO白色度の測定方法は、後述する実施例で説明する。
白色シートのコート層側の表面における可視光反射率は、高いことが好ましい。可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、例えば70%以上であり、80%以上であってもよく、90%以上であってもよい。可視光反射率の測定は、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所UV-3600)および積分球付属装置(ISR-3100)を用いて、入射角8°で可視領域波長380nm以上780nm以下での反射率(全反射率)を測定し、その平均反射率を求めることにより算出することができる。なお、標準板として米国ラブスフェア社製スペクトラロン(テフロン(登録商標)製)を用いる。
白色シートのコート層側の表面において、JIS L 1919(A-1法)に基づく防汚性は、例えば3級以上であり、3.5級以上であってもよく、4級以上であってもよい。防汚性が高いほど、汚れが着きにくく、例え汚れても容易に汚れを除去できる。一方、白色シートのコート層側の表面において、JIS L 1919(A-1法)に基づく防汚性は、5級であってもよく、5級未満であってもよい。防汚性の評価方法の詳細は、後述する実施例で説明する。
白色シートのコート層側の表面において、JIS Z 2911:2010(附属書A, 方法B)に基づく、30日間経過時のかび生育レベルは1以下であることが好ましく、0であってもよい。かび生育レベルの評価方法の詳細は、後述する実施例で説明する。
白色シートのコート層側の表面において、JIS Z 2801:2010に基づく、大腸菌に対する抗菌活性値Rは、例えば5以上であり、6以上であってもよい。一方、白色シートのコート層側の表面において、大腸菌に対する抗菌活性値Rは、特に限定されないが、例えば8以下である。大腸菌に対する抗菌活性値Rの算出方法の詳細は、後述する実施例で説明する。
コート層は、ハードコート性を有しないことが好ましい。「ハードコート性を有しない」とは、JIS K 5600に基づく鉛筆硬度試験を実施した際の基準が2H以下であることをいい、H以下であってもよい。
コート層の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1μm以上であり、0.3μm以上であり、0.6μm以上であってもよい。コート層が薄すぎると、十分な抗菌性または防かび性が得られない可能性がある。一方、コート層の厚さは、例えば5.0μm以下であり、2.5μm以下であってもよい。コート層が厚すぎると、防汚性が低下する可能性がある。また、白色シートは、コート層を最表面に有していてもよく、内部に有していてもよい。
コート層の形成方法としては、例えば、有機窒素硫黄系化合物を含有するコート層形成用組成物を塗工する方法が挙げられる。塗工方法としては、例えば、グラビアコート、リバースロールコート、スプレーコート、ナイフコート、ワイヤバーコート、エアナイフコート、ドクターブレードコート、ディップコート、ダイコートが挙げられる。コート層形成用組成物を塗工した後に、乾燥を行うことが好ましい。
2.基材シート
本開示における基材シートは、樹脂を含有する。基材シートは、無延伸シートであってもよく、延伸シート(一軸延伸シートまたは二軸延伸シート)であってもよい。
(1)樹脂
基材シートにおける樹脂の種類は特に限定されず、典型的には、熱可塑性樹脂が挙げられる。また、樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、飽和エステル系樹脂が挙げられ、中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンの単独重合体、2種類以上のオレフィンの共重合体、1種類以上のオレフィンと、オレフィンと重合可能な1種類以上の重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。上記オレフィン(モノマー単位)としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンが挙げられる。また、共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよい。また、共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらのなかでは、高密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。高密度ポリエチレンは、耐候性および引張強度に優れているからである。さらに高密度ポリエチレンを含有するシートは、長尺の巻物にしても弛みがなく折り曲げ加工時に白化による外観不良が発生しにくい。また、高密度ポリエチレンは不透明であり、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機充填剤を添加することで、白色シートの白色度が向上しやすい。
特に、樹脂成分がポリエチレン系樹脂のみである場合は、高密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を用いることが好ましい。また、高密度ポリエチレンは、加工時の耐熱性および加工性に優れるため、カレンダー加工によるシート成形に特に適している。
ポリエチレン系樹脂は、JIS K 7210に基づいて測定されたメルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が、例えば、0.1g/10min以上、4.0g/10min以下であり、0.4g/10min以上、2.0g/10min以下であってもよい。メルトフローレート(MFR)が上記範囲にあると、カレンダー加工によるシート成形に特に適している。
基材シートは、ポリエチレン系樹脂を樹脂成分の主成分として含有していてもよい。樹脂成分の合計量に対するポリエチレン系樹脂の割合は、例えば50質量%以上であり、70質量%以上であってもよい。
一方、ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、単独重合ポリプロピレン(h-PP)、ランダム共重合ポリプロピレン(r-PP)、ブロック共重合ポリプロピレン(b-PP)、メタロセンポリプロピレンが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これらのなかでは、ランダム共重合ポリプロピレンが好ましい。ランダム共重合ポリプロピレンは、単独重合ポリプロピレンおよびブロック共重合体ポリプロピレンに比べて、フレキシビリティがあるからである。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンと、他のαオレフィンとの共重合体であってもよい。他のαオレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン-1、ヘキセン-1、ヘプテン-1,4-メチルペンテン-1の少なくとも一種が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンをモノマー単位の主成分とすることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、JIS K 7210に基づいて測定されたメルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が、例えば、0.1g/10min以上、4.0g/10min以下であり、0.4g/10min以上、2.0g/10min以下であってもよい。メルトフローレート(MFR)が上記範囲にあると、カレンダー加工によるシート成形に特に適している。
基材シートは、ポリプロピレン系樹脂を樹脂成分の主成分として含有していてもよい。樹脂成分の合計量に対するポリプロピレン系樹脂の割合は、例えば50質量%以上であり、70質量%以上であってもよい。基材シートは、樹脂成分として、ポリプロピレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂の両方を含有していてもよい。
他のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体成分およびポリブチレン成分の少なくとも一方と、ポリプロピレン成分とを有する共重合体(所謂、リアクターTPO)が挙げられる。
(2)無機充填剤
基材シートは、無機充填剤を含有することが好ましい。無機充填剤を添加することで、白色度および光反射性を高めることができるからである。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル固溶体が挙げられ、中でも、炭酸カルシウム、酸化チタンが好ましい。白色度および光反射性を高めやすいからである。基材シートは、無機充填剤として、炭酸カルシウムおよび酸化チタンの少なくとも一方を主成分として含有することが好ましく、炭酸カルシウムおよび酸化チタンの少なくとも一方のみを含有していてもよい。
基材シートにおける無機充填剤の含有量は、樹脂に対して、例えば30質量%以上であり、50質量%以上であってもよく、55質量%以上であってもよく、60質量%以上であってもよい。無機充填剤の含有量が少なすぎると、基材シートの白色度および光反射性が低くなる可能性がある。一方、無機充填剤の含有量は、樹脂に対して、例えば80質量%以下であり、75質量%以下であってもよく、70質量%以下であってもよい。無機充填剤の含有量が多すぎると、基材シートの可とう性が低くなる可能性がある。
(3)添加剤
基材シートは、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有することが好ましい。
(i)光安定剤
光安定剤の種類は特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、中でも、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。NOR型ヒンダードアミン系光安定剤は、耐酸性に優れているからである。NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の一例としては、一般式(1)で表される基を含む化合物が挙げられる。
Figure 2022043754000002
一般式(1)において、Rは置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。Rとしては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、フェニルアルキル基、アルキル基置換フェニル基、水酸基置換アルキル基、アシル基、アルコキシ置換アルキル基、チオアルコキシ基置換アルキル基が挙げられる。なお、一般式(1)における*および**は、他の元素と結合可能な状態を示している。
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の他の例としては、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022043754000003
一般式(2)において、RおよびRは、それぞれ独立に、上述した一般式(1)におけるRと同様に、置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。中でも、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数4以上20以下のアルキル基であることが好ましい。
一般式(3)において、RおよびRは、それぞれ独立に、上述した一般式(1)におけるRと同様に、置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。中でも、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数4以上20以下のアルキル基であることが好ましい。また、Rは、炭素数1以上8以下のアルキレン基である。
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、例えば、アデカ社製アデカスタブLA-81、BASF社製チヌビン123(デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル)が挙げられる。
基材シートにおける光安定剤の含有量は、樹脂に対して、例えば0.05質量%以上であり、0.1質量%以上であってもよく、0.15質量%以上であってもよい。光安定剤の含有量が少なすぎると、基材シートの耐候性が向上しない可能性がある。また、光安定剤の含有量は、樹脂に対して、例えば5質量%よりも多くてもよい。一方、光安定剤の含有量は、樹脂に対して、例えば20質量%以下であり、9.0質量%以下であってもよく、8.0質量%以下であってもよい。光安定剤の含有量が多すぎると、基材シートに割れ等の外観異常が発生する可能性がある。
(ii)酸化防止剤
酸化防止剤の種類は特に限定されないが、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピネート〕、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、4,4’-メチレン-ビス(2,6-ジ-t-ブチル)フェノール、4,4’-ブチリデン-ビス(6-t-ブチル-3-メチル)フェノール、2,2-メチレン-ビス(6-t-ブチル-3-メチル)フェノール、2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチル)フェノール、4,4’-チオビス(2-メチル-6-t-ブチル)フェノール、4,4’-チオビス(3-メチル-2-t-ブチル)フェノール、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-α-ヒドロキシベンゼン、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが挙げられる。
一方、リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2-第三ブチル-4-(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ第三ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチリデンビス(2-第三ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、トリス(2-〔(2,4,8,10-テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ〕エチル)アミンが挙げられる。
基材シートにおける酸化防止剤の含有量は、樹脂に対して、例えば0.05質量%以上であり、0.1質量%以上であってもよく、0.4質量%以上であってもよい。酸化防止剤の含有量が少なすぎると、基材シートの耐候性が向上しない可能性がある。一方、基材シートにおける酸化防止剤の含有量は、樹脂に対して、例えば5.0質量%以下であり、3.0質量%以下であってもよく、1.0質量%以下であってもよい。酸化防止剤の含有量が多すぎると、ブリードアウトによる外観不良につながる可能性がある。
(iii)紫外線吸収剤
紫外線吸収剤の種類は特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられる。さらに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ第三ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-カルボオクトキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4-第三オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)等の2-ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール化合物が挙げられる。
基材シートにおける紫外線吸収剤の含有量は、樹脂に対して、例えば0.05質量%以上であり、0.1質量%以上であってもよく、0.4質量%以上であってもよい。紫外線吸収剤の含有量が少なすぎると、基材シートの耐候性が向上しない可能性がある。一方、基材シートにおける紫外線吸収剤の含有量は、樹脂に対して、例えば5.0質量%以下であり、3.0質量%以下であってもよく、1.0質量%以下であってもよい。紫外線吸収剤の含有量が多すぎると、ブリードアウトによる外観不良、紫外線吸収剤の種類によっては着色による外観不良につながる可能性がある。
(iv)その他
基材シートは、重金属不活性剤を含有していてもよい。重金属不活性剤としては、例えば、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体が挙げられ、より具体的には、商品名Eastman InhibitorOAB H(イーストマンコダック社製)、アデカスタブ CDA-1,CDA-6(以上アデカ社製)、Chel-180、Inganox MD 1024(以上BASF社製)が例示できる。また、基材シートは、滑剤、熱安定剤、顔料、改質剤、難燃剤、帯電防止剤、補強剤、抗菌剤、防かび剤等の公知の添加剤を適量含有していてもよい。なお、基材シートは、抗菌剤を含有しなくてもよく、防かび剤を含有しなくてもよい。
(4)基材シート
基材シートは、内部に空隙を有しないシートであってもよく、内部に空隙を有するシート(多孔質基材シート)であってもよい。また、基材シートは、単層構造を有していてもよく、複層構造を有していてもよい。基材シートが複層構造を有する場合、各層に含まれる樹脂成分は、同一であってもよく、異なっていてもよい。複層構造の基材シートの一例としては、内層と、上記内層の両面に位置する2つの外層とを有し、2つの外層に含まれる樹脂成分が同一であり、外層に含まれる樹脂成分と内層に含まれる樹脂成分が異なる基材シートが挙げられる。
また、基材シートの表面において、JIS P 8148に基づくISO白色度は、例えば80%以上であり、85%以上であってもよい。基材シートのISO白色度が高いほど、白色シートのコート層側の表面におけるISO白色度も高くなりやすい。一方、基材シートの表面において、JIS P 8148に基づくISO白色度は、100%であってもよく、100%未満であってもよい。
基材シートの表面における可視光反射率は、高いことが好ましい。可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、例えば70%以上であり、80%以上であってもよく、90%以上であってもよい。
また、基材シートの表面において、JIS L 1919(A-1法)に基づく防汚性は、例えば3級以上であり、3.5級以上であってもよく、4級以上であってもよい。基材シートの防汚性が高いほど、白色シートのコート層側の表面における防汚性も高くなりやすい。一方、基材シートの表面において、JIS L 1919(A-1法)に基づく防汚性は、5級であってもよく、5級未満であってもよい。
また、基材シートの表面において、JIS Z 2911:2010(附属書A, 方法B)に基づく、30日間経過時のかび生育レベルは1以下であることが好ましく、0であってもよい。
また、基材シートの表面において、JIS Z 2801:2010に基づく、大腸菌に対する抗菌活性値Rは、例えば5以上であり、6以上であってもよい。一方、基材シートの表面において、大腸菌に対する抗菌活性値Rは、特に限定されないが、例えば8以下である。
基材シートは、上述したように、多孔質基材シートであってもよい。多孔質基材シートにおける空隙の平均径は、例えば、1μm以上50μm以下であり、2μm以上40μm以下であってもよく、5μm以上30μm以下であってもよい。なお、空隙の最大径(L)とそれに直角な方向の最大の径(M)を測定して平均したもの[(L+M)/2]を空隙の径とする。少なくともn個(nは1以上の整数であり、100以上の整数であることが好ましい)の空隙の径を測定し、その平均値を、空隙の平均径とする。試料の断面観察には、例えば、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡S-2400を用いることができる。
多孔質基材シートの空隙率は、例えば15%以上70%以下であり、35%以上60%以下であってもよく、40%以上58%以下であってもよい。ここで、空隙率とは、多孔質基材シート中に占める空隙の割合を示しており、下記式から算出できる。
各層の密度=積層した各層のm当たりの質量/積層した各層の厚さ
空隙率=(1-各層の密度/空隙を形成しない基材シートの密度)×100
基材シートは、所定の耐候性試験に対して、劣化が少ないシートであることが好ましい。本開示における「耐候性試験」とは、サンプルに、放射照度90mW/cm以上100mW/cm以下の条件でメタルハライドランプ式耐候性試験(装置規格:JTMG-01:2000、日本試験機工業会)を行うことをいう。なお、放射照度は、装置によっては多少変動するため、幅をもって90mW/cm以上100mW/cm以下に設定している。また、メタルハライドランプの照射時間は、評価対象によって異なるが、例えば、100時間以上300時間以下の任意の時間である。なお、後述する「耐候性試験(照射時間100時間)後」は、100時間以上300時間以下の任意の時間に変更して読み替えることができる。例えば、「耐候性試験(照射時間100時間)後」を、「耐候性試験(照射時間300時間)後」に読み替えることができる。
基材シートは、上述した耐候性試験(照射時間100時間)後の可視光反射率が高いことが好ましい。耐候性試験後の可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、例えば70%以上であり、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、耐候性試験前の基材シートの可視光平均反射率をR(%)とし、耐候性試験(照射時間100時間)後の基材シートの可視光平均反射率をR100(%)とした場合、R100/Rの値は、例えば0.90以上であり、0.95以上であってもよい。
基材シートは、上述した耐候性試験(照射時間100時間)後の引張強度が大きいことが好ましい。耐候性試験後の引張強度は、例えば、7N/15mmより大きく、10N/15mm以上であってもよく、15N/15mm以上であってもよい。引張強度測定は、JIS K 7127およびJIS K 7161に基づき、精密万能試験機(島津製作所製 「オートグラフAG-500N」)を用いて、流れ方向(MD方向)、サンプル幅15mm、標点間距離15mm、引張速度200mm/minの条件で測定することにより求めることができる。
基材シートは、上述した耐候性試験(照射時間100時間)後の破断伸度が大きいことが好ましい。耐候性試験後の破断伸度は、例えば、300%以上であり、400%以上であってもよく、500%以上であってもよい。破断伸度測定は、JIS K 7127に基づいて求めることができる。具体的に、精密万能試験機(島津製作所製 「オートグラフAG-500N」)を用いて、流れ方向(MD方向)、サンプル幅15mm、速度200mm/minの条件で引張り、サンプルが破断したときの長さから算出することができる。
破断伸度(%)=(L-Lo)/Lo×100
Lo:試験前のサンプル長さ、L:破断時のサンプル長さ
また、耐候性試験前の基材シートの破断伸度をE(%)とし、耐候性試験(照射時間100時間)後の基材シートの破断伸度をE100(%)とした場合、E100/Eの値は、例えば0.50以上であり、0.70以上であってもよい。
基材シートにおける樹脂は、上述した耐候性試験(照射時間100時間)後の数平均分子量が大きいことが好ましい。耐候性試験後の数平均分子量は、樹脂の種類によるが、例えば、20,000以上であり、30,000以上であってもよく、50,000以上であってもよい。数平均分子量測定には、高温GPC装置(センシュー科学 SSC-7120 HT-GPC System)を使用することができる。前処理として、基材シート(試験片)を145℃のo-ジクロロベンゼン中に1時間静置し、その後1時間撹拌することで溶解させ、フィルター孔径0.5μmおよび1.0μmのメンブレンフィルターを用いて加圧ろ過する。測定条件は、以下のように設定する。
サンプル:溶媒3mLに対して、試験片5mg前後
注入量:300μL
ガードカラム:HT-G
カラム:HT-806M 2本
カラム温度:145℃
移動相:o-ジクロロベンゼン(0.025質量%BHT含有)
流速:1.0mL/min
検出器:示差屈折計
分子量校正:ポリスチレン換算
基材シートにおける樹脂は、上述した耐候性試験(照射時間100時間)後の数平均分子量の維持率が大きいことが好ましい。耐候性試験前の樹脂の数平均分子量をMとし、耐候性試験(照射時間100時間)後の樹脂の数平均分子量をM100とした場合、M100/Mの値は、例えば0.50以上であり、0.60以上であってもよく、0.70以上であってもよく、0.90以上であってもよい。
基材シートの厚さは、特に限定されないが、例えば25μm以上であり、30μm以上であってもよく、40μm以上であってもよい。一方、基材シートの厚さは、例えば90μm以下であり、80μm以下であってもよい。基材シートの厚さが上記範囲内にあることで、例えばカレンダー加工により基材シートを作製した場合に、優れた表面平滑性および高い厚さ精度を有するシートを得ることができる。
基材シートは、透湿性、通気性および遮水性の少なくとも一つを有していてもよい。なお、透湿性とは、気体としての水すなわち水蒸気を通過させる性質をいい、通気性とは、二酸化炭素をはじめとする気体を通過させる性質をいい、遮水性とは、液体としての水を通過させない性質をいう。
(5)基材シートの製造方法
基材シートの製造方法は、目的とする基材シートが得られる方法であれば特に限定されないが、例えば、少なくとも樹脂を含有する樹脂組成物を作製する工程と、上記樹脂組成物をシート化(フィルム化)し、基材シートを作製する工程とを有する製造方法が挙げられる。
樹脂組成物の作製方法は、特に限定されないが、所定量の各原料を溶融混練して樹脂組成物を作製する方法が好ましい。溶融混練に用いられる装置としては、例えば、連続混練機、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機が挙げられる。溶融混練する際の加熱温度は、例えば、150℃以上200℃以下である。
樹脂組成物をシート化する方法としては、カレンダー加工、押出成形等の公知の成形方法が挙げられ、特に、カレンダー加工が好ましい。例えばシートの厚さが薄い場合、厚さの均一なシートを製造するのに適しているからである。また、カレンダー成形は、成形機の構造上、サイズ、樹脂の種類に対応し易く、小ロットにも対応し易い点でも好適である。さらに、本開示において、無機充填剤の含有量が高い樹脂組成物を用いる場合、カレンダー加工により成形することが好ましい。無機充填剤を多量に含有させる場合、例えば、押出成形によって成形すると、得られるシートの表面が荒れ、シートが裂け易くなるが、カレンダー加工による成形では、このような不都合が発生せず、表面の平滑なシートを製造することができる。さらに、無機充填剤の含有量が高い樹脂組成物を用いる場合のカレンダー加工の優位性は、基材シートの厚さが、例えば30μm以上70μm以下程度と薄い場合に特に顕著に認められる。
カレンダー加工では、例えば、溶融混練して得られた樹脂組成物を、加熱したカレンダーロールに供給し、圧延することにより、基材シートを得ることができる。カレンダーロールの加熱温度は、例えば、150℃以上220℃以下であり、160℃以上190℃以下であってもよい。カレンダー装置としては、3本型、4本L型、4本逆L型、4本Z型、6本型等、適宜のものを使用すればよい。
樹脂組成物をシート化した後に、必要に応じて、各種表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えば、コロナ処理(コロナ放電処理)、プラズマ処理、紫外線処理、電子線処理(電子線放射処理)が挙げられる。
2.補強シート
白色シートは、基材シートのコート層とは反対の面側に補強シートを有していてもよい。補強シートは、基材シートを補強するシートである。図2に示す白色シート10は、基材シート1のコート層2とは反対の面側に補強シート3を有する。図2に示すように、基材シート1および補強シート3は、接着層4等の他の層を介して対向していてもよく、図3に示すように、基材シート1および補強シート3は、直接接触するように対向していてもよい。
補強シートとしては、例えば、不織布および織布が挙げられる。不織布としては、例えば、繊維直交不織布、長繊維不織布、短繊維不織布、湿式不織布、乾式不織布、エアレイド不織布、カード式不織布、パラレル式不織布、クロス式不織布、ランダム不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸不織布、ケミカルボンド不織布、水流交絡不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布、サーマルボンド不織布、バーストファイバー不織布、トウ開繊不織布、スプリットファイバー不織布、複合不織布、積層不織布、コーテッド不織布、ラミネート不織布が挙げられる。
繊維直交不織布は、2枚以上の延伸シートを、延伸方向が直交するように積層した不織布であり、例えば、JX ANCI株式会社製ワリフ(登録商標)が挙げられる。繊維直交不織布の目付は、例えば5g/m以上100g/m以下であり、20g/m以上50g/m以下であってもよい。繊維直交不織布の目付が上記下限を有することにより、十分な強度を有する補強シートとすることができる。また、長繊維不織布の繊維径は、例えば3μm以上20μm以下である。一方、短繊維不織布の繊維径は、例えば3μm未満である。
一方、補強シートの他の例としては、クロス式不織布が挙げられる。クロス式不織布としては、例えば特開2007-259734号公報に開示されたポリオレフィンメッシュクロスが挙げられる。ポリオレフィンメッシュクロスは、ポリエチレンメッシュクロスであることが好ましい。ポリエチレンメッシュクロスは、例えば押出し成形での接着性を考慮して好適に使用される。クロス式不織布は、厚さが例えば30μm以上100μm以下であり、50μm以上80μm以下であってもよい。
補強シートは、樹脂を含有することが好ましい。樹脂の種類は特に限定されないが、典型的には、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、飽和エステル系樹脂が挙げられ、中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。本開示においては、補強シートは、ポリオレフィン系樹脂を含有する繊維直交不織布であることが好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。
本開示においては、補強シートおよび基材シートの両方が、ポリエチレン系樹脂を含有することが好ましい。両者が強固に接着した白色シートが得られるからである。また、熱および水分等による膨張や収縮の程度が近いため、反りが発生し難いという利点もある。その結果、耐久性が高い白色シートとなる。また、ポリエチレン系樹脂を用いることで、耐水性が高い白色シートとなる。また、補強シートおよび基材シートの両方がポリエチレン系樹脂を含有する場合、リサイクル性のある白色シートとなり、廃棄時の環境負荷が少ない。特に、白色シート全層がポリエチレン系樹脂を含有することが好ましい。また、補強シートがポリプロピレン系樹脂を含有し、基材シートがポリエチレン系樹脂を含有していてもよい。このような組み合わせを採用することで、白色シートの加工性が向上する。
補強シートの厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上、150μm以下であり、20μm以上、100μm以下であってもよい。また、白色シートは、補強シートを最表面に有していてもよく、内部に有していてもよい。
3.接着層
白色シートが、基材シートおよび補強シートを有する場合、白色シートは、基材シートおよび補強シートの間に接着層を有していてもよく、接着層を有しなくてもよい。接着層は、例えば、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂を含有することが好ましい。このような接着層は、例えば、樹脂を押出コーティングすることにより得ることができる。
押出しコーティングでは、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂を使用することができる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これらのなかでは、ポリエチレン系樹脂が適し、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレンがより好ましい。低密度ポリエチレンは、加工適性に優れ、ポリエチレン製不織布への接着性に優れており、安価である。
ポリエチレン系樹脂は、JIS K 7210に基づいて測定されたメルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が、例えば、0.1g/10min以上、4.0g/10min以下であり、0.4g/10min以上、2.0g/10min以下であってもよい。メルトフローレート(MFR)が上記範囲にあると、押出しコーティングに特に適している。
また、基材シートとの補強シートとの接着性を強化するため、例えば基材シート上にアンカーコーティング剤をコーティングしてアンカーコート剤層を設けてもよい。アンカーコート剤層を形成するアンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネート等の有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤が挙げられる。
本開示における接着層は、後述する接着材を含有する層であってもよい。このような接着層は、例えば、接着材組成物を塗布することにより得られる。接着材の種類は特に限定されないが、例えば、ポリエーテル系接着材、ポリエステル系接着材、ポリウレタン系接着材、ビニル系接着材、(メタ)アクリル系接着材、ポリアミド系接着材、エポキシ系接着材、ゴム系接着材が挙げられる。接着材は、一液硬化型であってもよく、二液硬化型であってもよい。
接着層の厚さは、例えば20μm以下である。例えば、押出しコーティングにより接着層を形成する場合、接着層の厚さは、10μm以上20μm以下であることが好ましい。また、例えば、接着材組成物を塗布することにより接着層を形成する場合、接着層の厚さは、10μm以下であることが好ましい。
4.白色シート
白色シートは、基材シートおよびコート層を少なくとも有する。白色シートは、補強シート等の他の部材をさらに有していてもよい。白色シートは、コート層側の表面において、所定のISO白色度、防汚性、かび生育レベル、大腸菌に対する抗菌活性値Rを有することが好ましい。これらの点については、上記「1.コート層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
白色シートは、上述した耐候性試験(照射時間100時間)後のISO白色度が高いことが好ましい。白色シートのコート層側の表面において、JIS P 8148で評価されるISO白色度(耐候性試験後)は、例えば80%以上であり、85%以上であってもよい。ISO白色度が高いほど、汚れが目立ちやすく、衛生的に優れた白色シートとすることができる。一方、白色シートのコート層側の表面において、JIS P 8148に基づくISO白色度(耐候性試験後)は、100%であってもよく、100%未満であってもよい。
白色シートは、上述した耐候性試験(照射時間100時間)後の可視光反射率が高いことが好ましい。耐候性試験後の可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、白色シートのコート層側の表面において、例えば70%以上であり、80%以上であってもよく、90%以上であってもよい。また、耐候性試験前の白色シートの上記可視光平均反射率をR(%)とし、耐候性試験(照射時間100時間)後の白色シートの上記可視光平均反射率をR100(%)とした場合、R100/Rの値は、例えば0.90以上であり、0.95以上であってもよい。
白色シート(特に、補強シートを有する白色シート)は、上述した耐候性試験(照射時間100時間)後の引張強度が大きいことが好ましい。耐候性試験後の引張強度は、例えば、40N/15mmより大きく、45N/15mm以上であってもよく、80N/15mm以上であってもよい。
白色シートは、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が、例えば1.4N以上であり、2.5N以上であってもよい。一方、上記引裂強度は、例えば15N以下であり、10N以下であってもよい。
白色シートは、一方の表面から他方の表面を貫通する貫通孔を複数有していてもよい。貫通孔の割合は、例えば、1万個/m以上100万個/m以下であり、10万個/m以上70万個/m以下であってもよい。
白色シートの厚さは、特に限定されないが、例えば25μm以上であり、50μm以上であってもよく、80μm以上であってもよい。一方、白色シートの厚さは、例えば200μm以下であり、150μm以下であってもよい。
白色シートの用途は、特に限定されず、抗菌性および防かび性の少なくとも一方が求められる任意の用途に用いることができる。白色シートの用途としては、例えば、パーティションの表面を被覆する被覆シート、床面または壁面を被覆する被覆シート、靴棚(例えば下駄箱)、商品陳列等の棚への敷布物、ベッド、ソファー等の家具への被覆シート(特に、不特定多数の者が利用する家具への一時的な被覆シート)、胸当てエプロン、腰エプロン等のエプロン(特に、ディスポーザブルエプロン)が挙げられる。また、本開示における白色シートは、ISO白色度が高いことから、農業シートとして用いることもできる。農業シートは、例えば、土壌または農作物を被覆するマルチングシートとして用いることができる。他にも、農業シートは、例えば、光線不足の解消、収穫物の着色促進、地温抑制、雑草対策等の農業用途全般に用いることができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても、本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(基材シートの作製)
ポリエチレン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、融点125℃、MFR(190℃、2160g):2.0g/10min)100質量部、紫外線吸収剤として2(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール0.1質量部、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤(アデカ社製、アデカスタブLA-81、ビス(1-ウンデカンオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート)0.4質量部、フェノール系酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピネート〕0.1質量部、無機充填剤1として炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム(充填率60%のPEマスターバッチ):PEの含有量8質量部)20質量部、無機充填剤2としてチタン顔料(充填率80%のPEマスターバッチ:PEの含有量8質量部)40質量部を混合し、バンバリーミキサーを用いて、180℃で溶融混練した。
なお、得られた混練物中に含まれるポリエチレン系樹脂の合計量は116質量部であり、ポリエチレン系樹脂に対する、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は0.34質量%である。また、ポリエチレン系樹脂に対する、無機充填剤1、2の含有量は51.7質量%である。
次に、得られた混錬物を、直径12インチ×30Lコモンヘッド型ミキシングロール(回転速度:18rpm)に供給し、ロール温度165℃以上190℃以下で圧延し、厚さ30μmの基材シート(ポリエチレンシート)を得た。
(白色シートの作製)
得られた基材シート上にウレタン系のアンカーコーティング剤をコ-ティングして、厚さ0.5g/m(乾燥状態)のアンカーコート剤層を形成した。さらに、アンカーコート剤層の上に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、MI=8.0、密度=0.911)を溶融押し出しながら、その溶融押し出し樹脂面にオゾン処理を施しながら、厚さ15μmで押し出しコーティングし、補強シートと貼り合せた。LLDPEの溶融樹脂温度は260℃であった。
次に、基材シートの補強シートとは反対側の表面に、有機窒素硫黄系化合物を含有するウレタン系インキを、マイヤーバーにより塗工し、コート層を形成し、白色シートを得た。<ウレタン系インキの組成>
・主剤および硬化剤の2液体タイプ
・主剤および硬化剤の割合(主剤91.3質量%、硬化剤8.7質量%)
・主剤の組成(有機窒素硫黄系化合物(ネオシントールAF-362N、住化エンバイロメンタルサイエンス社製)6.6質量%、ニス成分(ポリオール、アクリル、溶媒)93.4質量%)
・硬化剤の組成(イソシアネート、酢酸エチル)
[比較例1]
コート層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして白色シートを得た。
[比較例2]
有機窒素硫黄系化合物の代わりに、銀系化合物(AC-10、シナネンゼオミック社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色シートを得た。
[比較例3]
有機窒素硫黄系化合物の代わりに、銅系化合物(G99、CMS Technology, Inc.社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色シートを得た。
[比較例4]
有機窒素硫黄系化合物の代わりに、ニッケル系化合物(ケニファインSH、株式会社高秋化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、白色シートを得た。
[比較例5]
市販の白色シート(ハルシックイ(登録商標)、日榮新化社製)を準備した。
[評価]
(ISO白色度測定)
実施例1および比較例1~5で得られた白色シートに対して、ISO白色度を測定した。具体的には、JIS P 8148に基づき、試験片を、透過した光の反射を拾わないように、黒色の下地上に設置し、分光測色計(コニカミノルタ製CM-700d)を用いて、白色シートのコート層側の表面におけるISO白色度を測定した。光源の設定はD65光源とし、視野角は2°に設定した。また、反射モードはSCI(Specular Component Include、正反射光を含む)モードにて測定を実施した。
また、耐候性試験後の試験片に対しても同様にISO白色度測定を行った。耐候性試験では、試験片(5cm×5cm)に、メタルハライドランプ式耐候性試験(装置規格:JTMG01:2000、日本試験機工業会)による耐候性試験を行った(放射照度90mW/cm以上100mW/cm以下、照射時間100時間)。
(防汚性評価)
実施例1および比較例1~5で得られた白色シートに対して、防汚性評価を行った。具体的には、JIS L 1919(A-1法)に基づき、一般財団法人ボーケン品質評価機構にて、白色シートのコート層側の表面における防汚性を評価した。
(抗菌性評価)
実施例1および比較例1~5で得られた白色シートに対して、抗菌性評価を行った。具体的には、JIS Z 2801:2010に基づき、比較例1で得られた白色シートを無加工品として扱い、白色シートのコート層側の表面における、大腸菌に対する抗菌活性値Rを求めた。まず、大腸菌NBRC3972を1/100NB培地に懸濁し、10CFU/mlの菌液を調製した。その後、コントロール試験片として、PEフィルムを用意し、比較対象の試験片として、実施例1および比較例1~5で得られた白色シートの試験片を準備した。それぞれシャーレ上に試験片を設置し、菌液0.4mlを接種し、PE製被覆フィルムを上から覆った。37℃、24時間培養したのち、SCDLP培地で試験片上の菌体を洗浄、回収し、生菌数測定し、抗菌活性値Rを算出した。抗菌活性値Rは、24時間後のコントロール試験片の生菌数を、対象試験片の生菌数で除し、その対数値にて表したものである。抗菌活性値Rが2以上である場合、抗菌性を有すると判断される。
(防かび性評価)
実施例1および比較例1~5で得られた白色シートに対して、防かび性評価を行った。具体的には、JIS Z 2911:2010(附属書A, 方法B)に基づき、白色シートのコート層側の表面における防かび性を評価した。具体的には、界面活性剤エロゾールOTを0.005質量%の割合で含むグルコース添加無機塩溶液に、以下のカビ胞子をそれぞれ懸濁させ、10個/mlに調整したのち、それらを等量混合し、混合胞子懸濁液を得た。
Aspergillus niger NBRC 105649
Penicillium citrinum NBRC 6352
Cladosporium cladosporioides NBRC 6348
Rhizopus oryzae NBRC 311005
Chaetomium globosum NBRC 6348
次に、グルコース添加無機塩寒天培地上に、試験片を設置し、混合胞子懸濁液を噴霧により接種した。その後28℃、80%RHの雰囲気下で培養し、1ヶ月後のカビの生育状態を観察した。防かび性の評価基準を表1に示す。
Figure 2022043754000004
実施例1および比較例1~5で得られた白色シートに対する、ISO白色度、防汚性、抗菌性、防かび性の結果を表2に示す。
Figure 2022043754000005
表2に示すように、実施例1は、防汚性、抗菌性および防かび性がいずれも良好であることが確認された。また、実施例1は、耐候性試験後のISO白色度も良好であった。一方、比較例1は、防汚性は良好であるものの、抗菌性および防かび性がともに低かった。このことから、コート層を設けたことで、防汚性を維持しつつ、抗菌性および防かび性の向上が図れることが確認された。
また、比較例2~4は、実施例1に比べて、防汚性が低かった。その理由は、コート層に含まれる金属化合物が、白色シートの表面状態を悪化させた可能性が考えられる。また、比較例2~4は、実施例1に比べて、抗菌性は良好であったものの、防かび性は大きく劣っていた。これに対して、実施例1は、良好な抗菌性および防かび性をバランス良く発揮することができた。また、比較例5は、実施例1に比べて、ISO白色度および防汚性が低かった。
1…基材シート
2…コート層
3…補強シート
4…接着層
10…白色シート

Claims (9)

  1. 樹脂を含有する基材シートと、
    前記基材シートの一方の面側に位置するコート層と、を有する白色シートであって、
    前記コート層は、有機窒素硫黄系化合物を含有し、
    前記白色シートの前記コート層側の表面において、
    JIS P 8148に基づくISO白色度が80%以上であり、
    JIS L 1919(A-1法)に基づく防汚性が3級以上であり、
    JIS Z 2911:2010(附属書A, 方法B)に基づく、30日間経過時のかび生育レベルが1以下である、白色シート。
  2. 前記白色シートの前記コート層側の表面において、
    JIS Z 2801:2010に基づく、大腸菌に対する抗菌活性値Rが5以上である、請求項1に記載の白色シート。
  3. 樹脂を含有する基材シートと、
    前記基材シートの一方の面側に位置するコート層と、を有する白色シートであって、
    前記コート層は、有機窒素硫黄系化合物を含有し、
    前記白色シートの前記コート層側の表面において、
    JIS P 8148に基づくISO白色度が80%以上であり、
    JIS L 1919(A-1法)に基づく防汚性が3級以上であり、
    JIS Z 2801:2010に基づく、大腸菌に対する抗菌活性値Rが5以上である、白色シート。
  4. 前記コート層は、ハードコート性を有しない、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の白色シート。
  5. 前記基材シートは、前記樹脂として、ポリオレフィン系樹脂を含有する、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の白色シート。
  6. 前記基材シートは、前記ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン系樹脂を含有する、請求項5に記載の白色シート。
  7. 前記基材シートは、無機充填剤をさらに含有し、
    前記基材シートにおける前記無機充填剤の含有量が、前記樹脂に対して30質量%以上である、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の白色シート。
  8. 前記基材シートの厚さが、25μm以上、90μm以下である、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の白色シート。
  9. 前記白色シートに、放射照度90mW/cm以上100mW/cm以下、照射時間100時間の条件でメタルハライドランプ式耐候性試験を行った場合に、JIS P 8148に基づくISO白色度が80%以上である、請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の白色シート。
JP2020149209A 2020-09-04 2020-09-04 白色シート Pending JP2022043754A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020149209A JP2022043754A (ja) 2020-09-04 2020-09-04 白色シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020149209A JP2022043754A (ja) 2020-09-04 2020-09-04 白色シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022043754A true JP2022043754A (ja) 2022-03-16

Family

ID=80668621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020149209A Pending JP2022043754A (ja) 2020-09-04 2020-09-04 白色シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022043754A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7097912B2 (en) Multilayer oriented antimicrobial and antifogging films
AU2013329071B2 (en) Multi-layer articles
JP6414311B1 (ja) 農業シート
US20140272357A1 (en) Film materials comprising biodegradable and/or sustainable polymeric components
KR20130097152A (ko) 강인화된 폴리락트산 섬유
KR20130097154A (ko) 개질된 폴리락트산 섬유
CN104144974A (zh) 具有低模量和高拉伸伸长率的可再生聚酯膜
JP5733641B2 (ja) 農業用シート
JP6919335B2 (ja) 農業シート
JP7005938B2 (ja) 農業シート
JP2022043754A (ja) 白色シート
JP2002154906A (ja) 抗菌剤組成物
JP6922389B2 (ja) 植物栽培装置および反射シート
JP7271916B2 (ja) 植物栽培装置および反射シート
KR20160036157A (ko) 폴리올레핀 컴파운드 조성물을 코팅한 섬유벨트제품의 제조방법
JP2003079256A (ja) 農業用マルチフィルム
KR101572158B1 (ko) 자동차 도막 보호용 필름
JP2018166478A (ja) 農業用フィルム
KR19990017236A (ko) 농업용 멀칭 필름과 그 제조 방법
JPH06311824A (ja) 果樹栽培用フィルム
JP2018126112A (ja) 栽培装置および栽培システム
JP7206879B2 (ja) 農業シート
JP2016010905A (ja) カバーシート材
JP2018085977A (ja) 農業シート
JP2019172756A (ja) ポリエステル系樹脂組成物の製造方法及びポリエステル系樹脂組成物並びに成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240604