JP2022041646A - ジアリールエテン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光等の紫外線が含まれる光で閉環し、閉環により青系又は赤系~赤紫系の色を呈し、かつ、閉環体から無色の開環体への変換が速いジアリールエテン化合物を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物。TIFF2022041646000031.tif41156(一般式(1)中、R1及びR2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表し、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ジアリールエテン化合物に関する。
フォトクロミック化合物とは、特定の波長の光を受けると分子量を変えることなくその化学結合様式を変えて着色し、別の波長の光や熱反応により元の化学結合様式に戻り、消色(退色)する可逆性を有する化合物である。
フォトクロミック化合物の1つとして、ジアリールエテン化合物が知られている。ジアリールエテン化合物の開環体に紫外線(紫外光)を照射すると、閉環反応して閉環体が生成する。ジアリールエテン化合物の開環体は通常無色であるが、閉環体は着色している。着色したジアリールエテン化合物の閉環体に可視光を照射すると、開環反応により元の無色の開環体に戻る。例えば特許文献1には、紫外線照射によってダークブルーになり、可視光照射によって無色になるジアリールエテン化合物が記載されている。
US2007/0211110A1
ジアリールエテン化合物は、上記のように光照射により開環体と閉環体の2つの状態を可逆的に変換することができる。また、ジアリールエテン化合物は、熱安定性、化学的安定性、着色/退色の繰り返し耐久性に優れているという利点がある。
フォトクロミック化合物には、閉環体から開環体への変換が速いことが求められる場合がある。一方、可視光照射による閉環体から開環体への変換速度が速すぎると、可視光を遮断した状態でなければ着色しにくくなり、例えば太陽光下では着色が見られなくなる。このため、用途によっては、太陽光のような紫外線と可視光が含まれる光でも閉環して着色し、かつ、閉環体から無色の開環体への変換が速いフォトクロミック化合物が求められている。特に、閉環体が青系の色を呈するジアリールエテン化合物については、閉環体から開環体への変換が速い化合物が少なく、当該変換が速い化合物が望まれている。特許文献1に記載されているジアリールエテン化合物も、その変換速度は遅い。
本発明は、太陽光等の紫外線が含まれる光で閉環し、閉環により青系又は赤系~赤紫系の色を呈し、かつ、閉環体から無色の開環体への変換が速いジアリールエテン化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究したところ、下記一般式(1)で表されるジアリールエテン化合物が、太陽光等の紫外線が含まれる光で閉環して青系又は赤系~赤紫系の色を呈し、かつ、閉環体から開環体に戻る速度が速いことを見出した。本発明者らは、この知見に基づきさらに研究を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明の化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2022041646000001
(一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表し、X、X、X、X、X及びXは、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を表し、Yは、一般式(2)又は一般式(3)で表される基を表し、Yは、一般式(4)又は一般式(5)で表される基を表す。
Figure 2022041646000002
(一般式(2)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
Figure 2022041646000003
(一般式(3)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
Figure 2022041646000004
(一般式(4)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
Figure 2022041646000005
(一般式(5)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。))
本発明の化合物においては、一般式(1)におけるX、X、X、X、X及びXがフッ素原子であることが好ましい。
本発明の化合物においては、一般式(1)におけるR及びRが、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であることが好ましい。
一態様において、本発明の化合物においては、一般式(1)におけるYが、一般式(2)で表される基を表し、Yが、一般式(4)で表される基を表すことが好ましい。
別の一態様において、本発明の化合物においては、一般式(1)におけるYが、一般式(2)で表される基を表し、Yが、一般式(5)で表される基を表すことが好ましい。
本発明によれば、太陽光等の紫外線が含まれる光で閉環し、閉環により青系又は赤系~赤紫系の色を呈し、かつ、閉環体から無色の開環体への変換が速いジアリールエテン化合物を提供することができる。
図1は、実施例1で得られた化合物(1-1)の酢酸エチル溶液の光照射による吸収スペクトルの経時変化を示す図である。 図2は、実施例2で得られた化合物(1-2)の酢酸エチル溶液の光照射による吸収スペクトルの経時変化を示す図である。 図3は、実施例3で得られた化合物(1-3)の酢酸エチル溶液の光照射による吸収スペクトルの経時変化を示す図である。 図4は、比較例1で得られた化合物の酢酸エチル溶液の光照射による吸収スペクトルの経時変化を示す図である。 図5は、実施例2で得られた化合物(1-2)の太陽光と紫外光による着色試験の吸収スペクトルである。 図6は、比較例2で得られた化合物の太陽光と紫外光による着色試験の吸収スペクトルである。
本発明の化合物は、下記一般式(1)で示される化合物である。
Figure 2022041646000006
(一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表し、X、X、X、X、X及びXは、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を表し、Yは、一般式(2)又は一般式(3)で表される基を表し、Yは、一般式(4)又は一般式(5)で表される基を表す。
Figure 2022041646000007
(一般式(2)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
Figure 2022041646000008
(一般式(3)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
Figure 2022041646000009
(一般式(4)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
Figure 2022041646000010
(一般式(5)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。))
上記一般式(1)で示される化合物を、本明細書中、化合物(1)ともいう。他の式番号の化合物についても同様であり、例えば一般式(6)で表される化合物を、化合物(6)ともいう。
一般式(1)において、X、X、X、X、X及びXは、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(1)において、X、X、X、X、X及びXは、ハロゲン原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
一般式(1)中のR及びR、一般式(2)中のR、一般式(3)中のR、一般式(4)中のR、一般式(5)中のRにおける置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。本明細書中、置換基を有していてもよい基の炭素数は、置換基を含めた基全体の炭素数である。
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基等の直鎖状アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、3-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2-エチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,5,5-トリメチルペンチル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,2,4-トリメチルペンチル基、1,1-ジメチルヘキシル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、4-エチルオクチル基、4-エチル-4,5-ジメチルヘキシル基、1,3,5,7-テトラメチルオクチル基、4-ブチルオクチル基、6,6-ジエチルオクチル基、6-メチル-4-ブチルオクチル基、3,5-ジメチルヘプタデシル基、2,6-ジメチルヘプタデシル基、2,4-ジメチルヘプタデシル基、2,2,5,5-テトラメチルヘキシル基等の分岐鎖アルキル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基等が挙げられる。置換基を有する直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基として、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基等が挙げられる。
本発明の化合物においては、一般式(1)におけるR及びRが、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であることが好ましい。
及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1~6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~4の直鎖又は分岐鎖アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基又はiso-ブチルであることが特に好ましく、メチル基、エチル基又はiso-ブチルであることが最も好ましい。
一般式(1)において、Yは、一般式(2)又は一般式(3)で表される基を表し、Yは、一般式(4)又は一般式(5)で表される基を表す。本発明の化合物として、一般式(1)におけるYが一般式(2)を表し、Yが一般式(4)で表される基を表す化合物、一般式(1)におけるYが一般式(3)を表し、Yが一般式(5)で表される基を表す化合物が好ましい。本発明の化合物として、一般式(1)におけるYが一般式(2)を表し、Yが一般式(5)で表される基を表す化合物であることも好ましい。
本発明において、R、R、R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~4の直鎖又は分岐鎖アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基又はiso-ブチルであることが特に好ましく、メチル基、エチル基又はiso-ブチルであることが最も好ましい。
一般式(1)で表される化合物は通常無色であるが、紫外線が含まれる光(例えば太陽光等)により閉環して、下記一般式(1´)で表される化合物(化合物(1´))が生成する。下記一般式(1´)で表される化合物も本発明に包含される。
Figure 2022041646000011
上記一般式(1´)中のR、R、X、X、X、X、X、X、Y及びYは、一般式(1)と同じである。一般式(1´)中のR、R、X、X、X、X、X、X、Y及びYの好ましい態様も一般式(1)と同じである。
化合物(1´)(閉環体)は、青系又は赤系~赤紫系の色を呈する。化合物(1´)は、可視光(例えば、450nm以上の光)によって速やかに化合物(1)に変換される。
本発明の化合物は、太陽光等の紫外線が含まれる光によって青系又は赤系~赤紫系の色に着色し、着色後に可視光照射によって速やかに消色して無色になることが求められる様々な用途に好適に使用することができる。
本発明の化合物は、太陽光等の紫外線が含まれる光により閉環し、発色して青系又は赤系~赤紫系の色を呈するため、所望の色に応じて一般式(1)で表される化合物を適宜選択することができる。
例えば、一般式(1)において、Yが一般式(2)で表される基を表し、Yが一般式(4)で表される基を表す化合物は、閉環体が青系の色を呈する。また、一般式(1)において、Yが一般式(3)で表される基を表し、Yが一般式(5)で表される基を表す化合物は、閉環体が赤系~赤紫系の色を呈し、一般式(1)において、Yが一般式(2)で表される基を表し、Yが一般式(5)で表される基を表す化合物は、閉環体が赤紫系の色を呈する。
本発明の一態様において、本発明の化合物は、一般式(1)におけるYが、一般式(2)で表される基を表し、Yが、一般式(4)で表される基を表す化合物であることが好ましい。当該化合物は、太陽光等の紫外線が含まれる光で閉環し、閉環により青系の色を呈し、かつ、閉環体から無色の開環体への変換が速いものである。
本発明の化合物の製造方法について、以下に合成方法の一例を挙げて説明するが、本発明の化合物の製造方法は下記方法に限定されるものではない。また、後述の反応を行う際に、当該部位以外の官能基については、必要に応じてあらかじめ適当な保護基により保護しておき、適当な段階においてこれを脱保護してもよい
一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記に示す反応により、パラジウム触媒及び塩基の存在下に合成することができる。下記の反応は、一般式(1)において、Yが、一般式(2)で表される基を表し、Yが、一般式(4)で表される基を表す化合物(下記一般式(1A)で表される化合物)を合成する反応の一例である。
Figure 2022041646000012
一般式(6)及び一般式(1A)中のR、R、X、X、X、X、X及びXは、一般式(1)と同じである。これらの好ましい態様も、一般式(1)と同じである。Z及びZは、同一又は異なって、ハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニル基を表す。Z及びZにおけるハロゲン原子として、上記と同じものが挙げられ、ヨウ素原子、臭素原子が好ましい。
一般式(7a)中のRは、一般式(2)と同じである。一般式(7b)中のRは、一般式(4)と同じである。R及びRの好ましい態様も、一般式(2)及び一般式(4)と同じである。
一般式(6)で表される化合物(化合物(6))は、例えば、特開平03-135977号公報に記載の方法で得た1,2-ビス(ベンゾチエニル)シクロペンテン誘導体を、特開平07-089954号公報に記載の方法によりハロゲン化することによって得ることができる。一般式(7a)で表される化合物(化合物(7a))及び一般式(7b)で表される化合物(化合物(7b))は、公知の合成法によって得ることができるが、市販品を使用することもでき、例えば、東京化成工業株式会社製のアリールボロン酸等を使用可能である。
パラジウム触媒として、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げられる。塩基は特に限定されず、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩や水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化物等の無機塩基等が挙げられる。
化合物(6)、化合物(7a)及び化合物(7b)を反応させる条件などは特に限定されない。
反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒であればよく、特に限定されない。例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒が挙げられ、必要に応じて前記有機溶媒と水との混合溶媒中で反応させることもできる。
反応の際の温度は、20~100℃とすることができ、30~70℃が好ましい。反応時間は、例えば、1~50時間とすることができ、2~40時間が好ましい。
一般式(1)において、Yが一般式(3)で表される基を表し、Yが一般式(5)で表される基を表す化合物は、例えば、上記反応において、化合物(7a)の代わりに下記一般式(8a)で表される化合物(化合物(8a))を使用し、化合物(7b)の代わりに下記一般式(8b)で表される化合物(化合物(8b))を使用して得ることができる。
Figure 2022041646000013
一般式(8a)中のRは、一般式(3)と同じである。一般式(8b)中のRは、一般式(5)と同じである。R及びRの好ましい態様も、一般式(3)及び一般式(5)と同じである。
一般式(1)において、Yが一般式(2)で表される基を表し、Yが一般式(5)で表される基を表す化合物は、例えば、化合物(6)と化合物(7a)とを反応させて一般式(9)で表される化合物(化合物(9))とした後、化合物(9)と化合物(8b)とを反応させることによって得ることができる。一般式(9)中、R、R、X、X、X、X、X及びX、並びに、それらの好ましい態様は、一般式(1)と同じである。一般式(9a)中のR及びその好ましい態様は、一般式(2)と同じである。Z及びその好ましい態様は、一般式(6)と同じである。
Figure 2022041646000014
上記の製造方法における各生成物の単離や精製は、通常の有機合成で用いられる方法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、各種クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うことができる。また、中間体においては、特に精製せずに次の反応に供することも可能である。
本発明の化合物において幾何学異性が存在する場合、本発明はその幾何学異性体のいずれも包含する。また、本発明の化合物において1つ以上の不斉炭素原子が存在する場合、本発明は各々の不斉炭素原子がR配置の化合物、S配置の化合物及びそれらの任意の組み合せの化合物のいずれも包含する。またそれらのラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物のいずれも本発明に包含される。
本発明の化合物は、有機溶媒に溶解する化合物であることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン等)、エーテル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、エステル類(例えば、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル等)及びこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。
本発明の化合物は、上記有機溶媒の少なくとも1種に対し、0.1重量%以上溶解することが好ましく、例えば、0.1重量%以上50重量%以下溶解することが好ましく、1重量%以上40重量%以下溶解することがより好ましく、3重量%以上30重量%以下溶解することが更に好ましい。より好ましくは、20℃における有機溶媒に対する溶解性がこのような範囲にあることである。有機溶媒に対する溶解性がこのような範囲にあると、本発明の化合物を、例えば、後述する用途等に好適に用いることができる。
本発明の化合物は、フォトクロミック化合物として使用することができる。
本発明の化合物は、例えば樹脂等と混合することにより、フォトクロミック樹脂組成物等のフォトクロミック組成物とすることができる。
上記樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を、着色組成物の用途等に応じて適宜選択すればよい。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の樹脂が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フォトクロミック樹脂組成物における本発明の化合物の配合量は、例えば、フォトクロミック樹脂組成物の総固形分に対して該化合物が0.001~50重量%であることが好ましく、0.01~40重量%であることがより好ましい。
フォトクロミック樹脂組成物は、その用途等に応じて、本発明の化合物及び樹脂以外の任意成分を含んでもよい。任意成分として、例えば、酸化防止剤、消泡剤、他の色素(染料、顔料等)、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、重合性単量体、重合開始剤、増感剤等が挙げられる。
フォトクロミック樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、本発明の化合物及び樹脂、並びに、所望により配合される任意成分を混合すればよい。
本発明の化合物を含むフォトクロミック組成物は、紫外線を含む光により着色する。また、本発明の化合物を含むフォトクロミック組成物は、可視光照射によって速やかに消色する。このため、本発明の化合物を含むフォトクロミック組成物は、例えば、光学フィルタ用の色素、プリントシャツ等の繊維製品、印刷インク、装飾材、玩具、ディスプレイ材料、窓材、農業用フィルム、包装材料、文具、記録材料等の製造に好適に用いられる。本発明の化合物を含む光学フィルタ、光学フィルタ用の色素、プリントシャツ等の繊維製品、印刷インク、装飾材、玩具、ディスプレイ材料、窓材、農業用フィルム、包装材料、文具、記録材料等も本発明に包含される。光学フィルタ用の色素、プリントシャツ等の繊維製品、印刷インク、装飾材、玩具、ディスプレイ材料、窓材、農業用フィルム、包装材料、文具、記録材料等は、本発明の化合物を含むものであればよく、その構成は特に限定されない。
本発明の化合物を含むフォトクロミック組成物は、印刷インク、ディスプレイ材料、玩具、記録材料等に使用されるフォトクロミック組成物として特に好適である。
光学フィルタは、本発明の化合物を含むものであればよく、例えば、従来のものと同様に、支持体を有し、必要に応じて、光学機能層等を有することができる。光学フィルタにおいて、本発明の化合物は、支持体又は光学機能層に含有されていることが好ましい。
支持体及び光学機能層の構成も特に限定されない。例えば支持体は、通常、透明樹脂を用いて形成される。透明樹脂としては、例えば、環状オレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド(アラミド)系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
光学フィルタの製造方法は特に限定されない。例えば、支持体上に本発明の化合物を含む光学機能層を形成する方法として、溶媒中に本発明の化合物及びバインダー樹脂等を溶解又は分散させた後、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法等の塗工方法によって支持体上に塗膜形成する方法が挙げられる。上記溶媒としては、特に制限されないが、上述した有機溶媒等が挙げられる。
また、本発明の化合物を含む光学機能層又は支持体の製造方法として、本発明の化合物と、光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂並びに光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤とを混合した後、光照射及び/又は加熱処理により硬化膜を形成し、これを光学機能層又は支持体とすることもできる。
光学フィルタの一例であるレンズを製造する方法としては、例えば、透明樹脂に本発明の化合物を混練し、射出成形法、圧縮成形法、押出成形法等により成形する方法や、上記の支持体上に本発明の化合物を含む光学機能層を形成する方法等の各種の方法を採ることができる。
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下で、得られた化合物の物性を測定する際に使用した機器は次の通りである。
(NMR)
日本電子(株)製 核磁気共鳴装置JNM-ECZ400S
パラレル及びアンチパラレルコンフォメーションの混合溶液として解析した。
<合成例1>
中間体(10a-1)~(10a-3)及び中間体(10b-1)~(10b-3)の合成
Figure 2022041646000015
Journal of the American Chemical Society,1953,75,3278-3280に記載の方法と同様にして、一般式(9a)で表される化合物から中間体(10a-1)、(10a-2)及び(10a-3)を得た。また、一般式(9b)で表される化合物から中間体(10b-1)、(10b-2)及び(10b-3)を得た。
中間体(10a-1)~(10a-3)は、一般式(10a)において、Rが表1に示される基である化合物である。中間体(10b-1)~(10b-3)は、一般式(10b)において、Rが表1に示される基である化合物である。表1~4中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、n-Prはn-プロピル基を表す。
具体的には、一般式(9a)において、Rがメチル基である化合物から、中間体(10a-1)を得た。一般式(9a)において、Rがエチル基である化合物から、中間体(10a-2)を得た。一般式(9a)において、Rがn-プロピル基である化合物から、中間体(10a-3)を得た。
また、一般式(9b)において、Rがメチル基である化合物から、中間体(10b-1)を得た。一般式(9b)において、Rがエチル基である化合物から、中間体(10b-2)を得た。一般式(9b)において、Rがn-プロピル基である化合物から、中間体(10b-3)を得た。
Figure 2022041646000016
<合成例2>
中間体(11-1)~(11-3)の合成
Figure 2022041646000017
特開平03-135977号公報に記載の方法と同様にして、中間体(11-1)、中間体(11-2)及び中間体(11-3)を得た。中間体(11-1)~(11-3)は、上記一般式(11)において、R及びRが表2に示される基である化合物である。
具体的には、合成例1で得た中間体(10a-1)及び(10b-1)を使用して、特開平03-135977号公報に記載の方法と同様にして、中間体(11-1)を得た。中間体(10a-1)及び(10b-1)の代わりに、中間体(10a-2)及び(10a-2)を使用した以外は、上記と同じ方法で中間体(11-2)を得た。中間体(10a-1)及び(10b-1)の代わりに、中間体(10a-3)及び(10b-3)を使用した以外は、上記と同じ方法で中間体(11-3)を得た。
Figure 2022041646000018
<合成例3>
中間体(6-1)~(6-3)の合成
Figure 2022041646000019
特開平07-089954号公報に記載の方法と同様にして、中間体(6-1)、中間体(6-2)及び中間体(6-3)を得た。中間体(6-1)~(6-3)は、上記一般式(6A)において、R及びRが表3に示される基である化合物である。
具体的には、合成例2で得た中間体(11-1)を使用して、特開平07-089954号公報に記載の方法と同様にして、中間体(6-1)を得た。中間体(11-1)の代わりに、中間体(11-2)を使用した以外は、上記と同じ方法で中間体(6-2)を得た。中間体(11-1)の代わりに、中間体(11-3)を使用した以外は、上記と同じ方法で中間体(6-3)を得た。
Figure 2022041646000020
<実施例1>
化合物(1-1)の合成
合成例3で得た中間体(6-1)を使用して化合物(1-1)を合成した。
Figure 2022041646000021
反応容器に、中間体(6-1)3.4g、5-メチル-2-チオフェンボロン酸2.0g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.24g、THF28mL、20wt%炭酸ナトリウム水溶液28mLを仕込み、約50℃で30時間撹拌した。水/酢酸エチルに排出して酢酸エチルで抽出し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、60℃で乾燥し、化合物(1-1)を2.5g得た。
H-NMR(400MHz,CDCl):δ2.21(s,4H),2.50(s,8H),6.68(d,2H),7.05(s,0.7H),7.13(s,1.3H),7.38(s,0.7H),7.45-7.65(m,3.3H),7.74(s,0.7H),7.84(s,1.3H)
<実施例2>
化合物(1-2)の合成
合成例3で得た中間体(6-2)を使用した。
化合物(1-1)の合成における中間体(6-1)を中間体(6-2)に変更した以外は実施例1と同様にして、化合物(1-2)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl):δ0.83(t,4.4H),1.28(t,2H),2.40-2.52(m,7H),2.70-2.72(m,2H),2.91-2.93(m,0.6H),6.68(d,0.6H),6.74(d,1.4H),7.05(d,0.6H),7.15(d,1.4H),7.40(d,0.6H),7.52(d,0.6H),7.55-7.65(m,2.8H),7.75(s,0.6H),7.87(s,1.4H)
<実施例3>
化合物(1-3)の合成
合成例3で得た中間体(6-3)を使用した。
化合物(1-1)の合成における中間体(6-1)を中間体(6-3)に変更した以外は実施例1と同様にして、化合物(1-3)を得た。
化合物(1-1)~(1-3)は、一般式(1A-1)で表される化合物である。一般式(1A-1)で表される化合物は、一般式(1)において、X~Xがフッ素原子であり、Yが一般式(2)で表される基であり、Yが一般式(4)で表される基である化合物である。化合物(1-1)~(1-3)は、一般式(1A-1)において、R、R、R及びRが、表4に示される基である化合物である。
Figure 2022041646000022
Figure 2022041646000023
<比較例1>
Journal of the American Chemical Society,2000,122(20),4871に記載の方法で、下記式(I)で表される化合物(比較例1の化合物)を合成した。
Figure 2022041646000024
<比較例2>
Journal of Photochemistry and Photobiology,A:Chemistry,2006,178(2-3),pp162-169に記載の方法により、下記式(II)で表される化合物(比較例2の化合物)を合成した。
Figure 2022041646000025
(吸収スペクトル測定)
化合物(1-1)~(1-3)をそれぞれ酢酸エチルに溶解して蓋付きセルに入れ、紫外光として254nmの光を照射して光定常状態とし、このとき閉環体の可視光領域における吸収極大の吸光度が1.0以下となるように溶液濃度を調製しておき、紫外可視分光光度計で吸収スペクトルを測定した。
可視光として、一般的な昼白色光のLED照明の下で、前記セルを2分間静置して光を照射し、吸収スペクトルを測定した。
分光光度計からセルを取り出し、同一照明の下でセルを更に2分間静置して光を照射し(計4分間照射)、吸収スペクトルを測定した。
同様の操作を更に2分間行い、可視光を計6分間照射したときの吸収スペクトルを測定した。
比較例1の化合物について同様の操作を行い、光定常状態、可視光を10分間照射時、20分間照射時、30分間照射時、60分間照射時の吸収スペクトルをそれぞれ測定した。
なお、各スペクトルは、光定常状態のときの500nmから700nmの領域における吸収極大波長の吸光度を1として規格化し、描画した。
図1~図4に結果を示す。
図1は、実施例1で得られた化合物(1-1)の酢酸エチル溶液の光照射による吸収スペクトルの経時変化を示す図である。
図2は、実施例2で得られた化合物(1-2)の酢酸エチル溶液の光照射による吸収スペクトルの経時変化を示す図である。
図3は、実施例3で得られた化合物(1-3)の酢酸エチル溶液の光照射による吸収スペクトルの経時変化を示す図である。
図1~3において、実線は、光定常状態(一定の光を連続して照射したとき、光異性化の結果得られる生成物の生成と消失がつり合った状態であり、ここでは、化合物(1)から化合物(1´)の生成と化合物(1´)から化合物(1)への戻り反応とがつり合った状態を指す)のスペクトルであり、点線は、2分間可視光を照射したときの、破線は4分間可視光を照射したときの、一点破線は6分間可視光を照射したときの吸収スペクトルである。
図4は、比較例1で得られた化合物の酢酸エチル溶液の光照射による吸収スペクトルの経時変化を示す図である。図4において、実線は、光定常状態、点線は、10分間可視光を照射したときの、破線は20分間可視光を照射したときの、一点破線は30分間可視光を照射したときの、二点破線は60分間可視光を照射したときの吸収スペクトルである。
実施例1~3で得られた化合物(1-1)~(1-3)は、紫外線照射により青系の色に着色した。上記で測定した着色体(閉環体)の吸収極大波長は、化合物(1-1)が564nm、化合物(1-2)が582nm、化合物(1-3)が581nmであった、比較例1の化合物も紫外線照射により青系の色に着色した。比較例1の化合物の着色体の吸収極大波長は582nmであった。
図1~3から、化合物(1-1)~(1-3)は、可視光照射後2分後に、着色体の吸収極大波長における吸光度が光定常状態と比較して60%未満に減少し、可視光照射6分後には、10%未満に減少し、ほぼ無色となった。一方比較例1の化合物は、可視光照射から20分後に上記吸収極大波長における吸光度が光定常状態と比較して54%となり、60分後に14%となった。
以上の結果から、化合物(1-1)~(1-3)は、紫外線照射によって青系の色に着色し、閉環体から無色の開環体への変換が速いことが確認された。
(太陽光照射による着色試験)
実施例2で得られた化合物(1-2)について、太陽光と紫外光による着色試験を行った。
化合物(1-2)を酢酸エチルに溶解して蓋付きセルに入れ、254nmの光を照射して光定常状態とし、このとき閉環体の可視光領域における吸収極大の吸光度が1.0以下となるように溶液濃度を調製しておき、紫外可視分光光度計で吸収スペクトルを測定した。
次に、同一濃度の溶液を蓋付きセルに入れ、太陽光を90秒間照射し、吸収スペクトルを測定した。太陽光照射は、2020年8月17日13時に京都市南区(天気:晴れ)において実施した。
比較例2の化合物について化合物(1-2)と同様に太陽光と紫外光による着色試験を行った。
図5~図6に結果を示す。
図5は、実施例2で得られた化合物(1-2)の太陽光と紫外光による着色試験の吸収スペクトルである。図6は、比較例2で得られた化合物の太陽光と紫外光による着色試験の吸収スペクトルである。図5及び図6は、化合物の酢酸エチル溶液の吸収スペクトルである。図5及び図6において、実線は、245nmの光を照射した光定常状態の吸収スペクトルであり、点線は太陽光を90秒照射後の吸収スペクトルであり、破線は開環体の吸収スペクトルである。
比較例2の化合物では、太陽光照射での着色がほとんどみられないのに対し、実施例2で得られた化合物(1-2)は、太陽光照射でも可視光領域に吸収があり(図5中の点線)、着色していることがわかった。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    Figure 2022041646000026
    (一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表し、
    、X、X、X、X及びXは、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を表し、
    は、一般式(2)又は一般式(3)で表される基を表し、
    は、一般式(4)又は一般式(5)で表される基を表す。
    Figure 2022041646000027
    (一般式(2)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
    Figure 2022041646000028
    (一般式(3)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
    Figure 2022041646000029
    (一般式(4)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。)
    Figure 2022041646000030
    (一般式(5)中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を表す。*は、一般式(1)との結合部位を示す。))
  2. 、X、X、X、X及びXがフッ素原子である、請求項1に記載の化合物。
  3. 及びRが、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. が、一般式(2)で表される基を表し、Yが、一般式(4)で表される基を表す請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. が、一般式(2)で表される基を表し、Yが、一般式(5)で表される基を表す請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。

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