JP2017132736A - クロメン化合物、フォトクロミック剤及びフォトクロミック光学材料 - Google Patents

クロメン化合物、フォトクロミック剤及びフォトクロミック光学材料 Download PDF

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Jiro Abe
二朗 阿部
加藤 裕久
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裕久 加藤
由紀 中川
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由紀 中川
久子 井内
Hisako Inouchi
久子 井内
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【課題】発色速度及び消色速度がともに高速で、かつ、消色体が黄ばみを呈しない新規なクロメン化合物、フォトクロミック剤及びフォトクロミック光学材料を提供すること。【解決手段】ピラノキナゾリン骨格を有するクロメン化合物。該クロメン化合物(ピラノキナゾリン誘導体)は下記一般式(1)で示される。【化1】(但し、R1はアリール基又は置換アリール基であり、R2又はR3がH又は電子供与性基である。)。これらのクロメン化合物は、重合性単量体に他の光学機能添加剤とともに添加して硬化させて調光レンズ等の光学製品とする。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なピラノキナゾリン骨格を有するクロメン化合物、このクロメン化合物を含有するフォトクロミック剤、さらには、このフォトクロミック剤を用いたフォトクロミック光学材料に関する。
プラスチック製の室内外で使用可能な調光レンズは、通常、有機のフォトクロミック剤を重合性ポリマーに配合して調製される。
そして、フォトクロミック剤として各種クロメン化合物が周知であり、例えば、ナフトピラン誘導体、ピラノキノキサリン誘導体、ピラノキナゾリン誘導体等がある(特許文献1,2、非特許文献1等)。
そして、フォトクロミック剤は、太陽光や水銀灯の光のような紫外線を含む光で開環反応等の異性化により速やかに発色体となり、光を遮断すると可逆的に速やかに元の消色体に戻ることが求められる。さらには、消色体は、可及的に無色であることが求められる。さらに、昨今、ファッション性の見地から消色体が黄ばみを呈しないことが求められる。
しかし、これらのフォトクロミック剤の特性の全てを解決することができるクロメン化合物が記載された先行技術文献は、本発明者らは寡聞にして知らない。
なお、特許文献1においては、本願発明のクロメン化合物(ピラノキナゾリン誘導体)の上位概念にあたるものが記載されている(例えば、請求項1、請求項7の式(Vi))。さらに非特許文献1においてもクロメン化合物(ピラノキナゾリン誘導体)が記載されている(P728、Fig.1、化合物12)。しかし、特許文献1におけるこれらのピラノキナゾリン誘導体の記載は、下位概念の本願発明におけるピラノキナゾリン誘導体を開示もしくは示唆しているものとは認めがたい。さらに、特許文献1の望ましい態様である実施例1および非特許文献1の化合物12は、後述の「比較例III(構造式(III))」に相当するものである。そして、本願発明の実施例は、比較例IIIに比して後述の如く顕著な効果を奏するものであることからも、本願発明は特許文献1に記載された発明に対して進歩性を有する。
特開平6-135967公報 特開2015-137259公報
本発明は、上記にかんがみて、発色性(発色速度・濃度)が良好で、かつ、消色速度が高速で、さらには消色体が黄ばみを呈しない新規なクロメン化合物、フォトクロミック剤及びフォトクロミック光学材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力する過程で、前記クロメン化合物である下記ナフトピラン誘導体、ピラノキノキサリン誘導体及びピラノキナゾリン誘導体の基本構造の無置換体のフォトクロミック特性に着目した(後述の比較例I,II,IIIの表1参照)。
(I)3,3−ジフェニル−3H−ナフト〔2,1−b〕ピラン
Figure 2017132736
(II)8,8−ジフェニル−8H−ピラノ[3,2−f]キノキサリン
Figure 2017132736
(III)8,8−ジフェニル−8H−ピラノ[3,2−f]キナゾリン
Figure 2017132736
さらに、これらのうちで、発色性の指標である紫外線長波長側端(400nm)におけるモル吸光係数(ε)が、ナフトピラン誘導体程小さくないとともに、消色速度の指標である半減期(τ1/2)が一番短くかつ消色体吸収波長端(λae)が、黄色発生波長域(430〜480nm)の開始波長端より短いキナゾリン誘導体に着目し、さらに実験を重ねた。その結果、キナゾリン環の3位置(後述する一般式(1)におけるR1の導入位置)にフェニル基などのアリール基を導入した場合、消色体吸収波長端(λae)も黄色発生波長域の430nmまでシフトさせず、かつ、半減期(τ1/2)もあまり長くさせずに、格段にモル吸光係数(ε)が増大することを知見して下記構成の本願発明に想到した。
すなわち、本願発明のクロメン化合物は、ピラノキナゾリン骨格を有するクロメン化合物において、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするものである。
Figure 2017132736
(但し、R1はアリール基又は置換アリール基であり、R2及びR3はH又は電子供与性基である。)。
そして、上記一般式(1)のクロメン化合物において、R2及び/又はR3をアルコキシ基などの電子供与性基とした場合、モル吸光係数(ε)はほとんど変わらず、消色体吸収波長端(λae) がほとんどシフトしないにも関わらず、半減期が格段に短くなることを知見した。
さらに、上記クロメン化合物において、 (メタ)アクリル基等の極性官能基を導入した場合は、格段にモル吸光係数(ε)が増大しても、消色体吸収波長端(λae)は黄色発生波長域の430nmまでシフトせず、かつ、半減期(τ1/2)もあまり長くならないことを確認している(表1の実施例2と3参照)。そして、炭素−炭素多重結合含有基(特に重合性基)を導入した場合は、クロメン化合物重合体としてフォトクロミック剤を使用でき、取り扱い性等が向上するとともに、レンズ基材のモノマーとの共重合が可能なものとなる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。本願発明のクロメン化合物は、ピラノキナゾリン骨格を有するクロメン化合物において、一般式(1)で示されるものであることを特徴とするものである。
一般式(1)において、R1はアリール基又は置換アリール基であり、アリール基はフェニル基又はナフチル基のいずれでもよい。置換アリール基としては、例えば、下記一般式(i)で示される置換フェニル基が望ましい。置換個数は、通常、1個又は2個とし、置換種は異なっていてもよい。
Figure 2017132736
ここで、R4:アルケニル基、ジメチルアミノ基、アルコキシ基、炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基又はアルデヒド基でもよいが、下記部分構造式(ii)又は(iii)で示される炭素−炭素多重結合含有基(特に重合性基)を有するものがポリマー化して使用でき望ましい。特に(メタ)アクリル基又は(メタ)アクリロアルコキシ基を有するものが望ましい。光学材料の重合性単量体として用いた場合、分散性及び結合性が増大するためである。なお、(メタ)アクリルとは、アクリルとメタクリルとの総称である。
Figure 2017132736
(但し、R5は炭素数1〜10のアルキレン基又はアルコキシレン基を表し、R6は炭素数1〜3のアルキル基又はHを表す。)
Figure 2017132736
(但し、R7は炭素数1〜10のアルキレン基又はアルコキシレン基を表し、R8はエチレン基又はアセチレン基を表す。)
また、一般式(1)における、R2及びR3はH又は電子供与基であり、電子供与基としては、直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アミノ基(イミノ基、飽和モノ窒素複素環を含む。)などが挙げられる。これらの中でも応答速度、導入の容易さ、安定性の観点からアルコキシ基が好ましく、中でも炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1のアルコキシ基であるメトキシ基が特に好ましい。なお、R2及びR3は互いに同一であっても異なる基を選定してもよい。
そして、上記一般式(1)で示されるクロメン化合物(キナゾリン誘導体)は、前記特許文献1や非特許文献1等に記載の公知の反応方法に基づいて合成することができる。なお、キナゾリン誘導体の中間体であるキナゾリノール化合物などは市販品を利用するか、あるいはChemistry of Heterocyclic Compounds, 2011, 46(12), 1481-1484.の論文に記載の反応方法に基づいて合成することができる。なお、市販品としては、2−(4−methoxyphenyl)−6−quinazolinol(シグマアルドリッチジャパン合同会社)などを使用することができる。
本発明の前記一般式(1)で示されるクロメン化合物は、ベンゼン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の一般の有機溶媒によく溶ける。このような溶媒に一般式(1)で示されるクロメン化合物を溶かしたとき、太陽光あるいは紫外線を照射すると速やかに発色し、光を遮断すると速やかに元の無色にもどる良好な可逆的なフォトクロミック作用を呈する。
そして、このようなフォトクロミック作用は、有機光学材料中でも同様に発現する。かかる対象となる有機光学材料としては、汎用の有機光学材料を使用することができ、本発明の一般式(1)で示されるクロメン化合物が均一に分散するものであれば特に限定されるものではない。
光学的に好ましくは、例えばポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
さらに、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA ジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン等の多価アクリル酸及び多価メタクリル酸エステル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキシこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチロールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル化合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チオアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリシジルオキシメタクリレート、3−グリシジル−2−オキシエトキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物;ジビニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合してなる熱硬化性樹脂を挙げることができる。
また、これらの各単量体とアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモスチレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能単量体との共重合体が挙げられる。
本発明の一般式(1)で示されるクロメン化合物を有機光学材料(母材)中へ分散させる方法としては特に制限はなく、一般的な手法を用いることができる。
例えば、上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物を溶融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、または上記重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた後、重合触媒を加え熱または光にて重合させ樹脂中に分散させる方法、あるいは上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の表面にクロメン化合物を染色することにより樹脂中に分散させる方法等を挙げることができる。そして、このような製造方法を提供することにより、調光レンズ等の光学製品を、安価に大量に生産することが可能となる。
本発明のクロメン化合物は、クロメン化合物を1種又は複数種混合、適宜他のクロメン化合物と混合してなり、消色半減期が5秒以下を示すフォトクロミック剤とすることができる。特に、最大吸収波長が異なり、消色半減期が近似しているクロメン化合物を複数種混合することにより、多様な色のフォトクロミック剤を設計することができる。
また、このフォトクロミック剤を、重合性単量体に分散させれば、多様な色のフォトクロミック光学材料を調製することができる。そして、このフォトクロミック光学材料を用いた有機光学材料(母材)を構成部材とする光学要素が得られる。さらには、フォトクロミック光学材料で形成した高分子膜で、少なくとも一部が被覆された面を有する光学基材を構成部材とするフォトクロミック光学要素が得られる。ここで、光学要素としては、フォトクロミックレンズ、光学フィルター、ディスプレイ部品、光量計部品、フォトクロミック装飾品等を挙げることができる。
また、本発明のクロメン化合物は、上記光学要素以外に広範囲に利用できる。例えば、銀塩感光材に代る各種の記憶材料、例えば、複写材料、印刷用感光体、陰極線管用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感光材料などに利用できる。
さらには、本発明のクロメン化合物は、装飾等の未知の分野への利用も期待できるものである。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記構造式(a)
Figure 2017132736
で示されるキナゾリノール化合物 30.4 mg (0.14 mmol)、脱水トルエン5 mlにチタン(IV)エトキシド34.3 mg (0.15 mmol)を加え、110℃で20分撹拌した。室温まで放冷し、下記構造式(b)
Figure 2017132736
で示されるβ-フェニルシンナムアルデヒド34.0 mg (0.16 mmol)を加え、60℃で8時間撹拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出、溶媒を減圧留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタンから再結晶することで下記構造式(1-1)に示される3−フェニル−8,8−ジフェニル−8H−ピラノ[3,2−f]キナゾリンを2.3 mg (収率4.1%)得た。
核磁気共鳴(NMR)測定結果:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.95 (1H, s), 8.51 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.93 (1H, d, J=9.2 Hz), 7.82 (1H, d, J=9.2 Hz), 7.71 (1H, d, J=5.2 Hz), 7.54 (7H, m), 7.38 (4H, t), 7.30 (2H, t), 6.82 (1H, d, J=10.0 Hz)
Figure 2017132736
<実施例2>
前記構造式(a)で示されるキナゾリノール化合物15.5 mg (0.07 mmol)と、下記構造式(c)
Figure 2017132736
で示されるプロパギルアルコール化合物 29.2 mg (0.11 mmol) とを、1,2−ジクロロエタン 2 mlに混合し、さらにp-トルエンスルホン酸ピリジニウム 4.2 mg (0.02 mmol),オルトギ酸トリメチル 30 μlを添加し、60℃で10.5時間撹拌した。ジクロロメタンを加え、有機層をイオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、下記式(1-2)で示される3−フェニル−8,8−ビス(4−メトキシフェニル)−8H−ピラノ[3,2−f]キナゾリンを2.9 mg (収率8.8%)得た。
核磁気共鳴(NMR)測定結果:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.94 (1H, s), 8.51 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.91 (1H, d, J=9.2 Hz), 7.74 (1H, d, J=9.2 Hz), 7.66 (1H, d, J=5.2 Hz), 7.56 (3H, m), 7.37 (4H, d, J=9.2 Hz), 6.92 (4H, d, J=8.8 Hz), 6.67 (1H, d, J=10.0 Hz), 3.72 (6H, s)
Figure 2017132736
<実施例3>
上記構造式(1-2)の3位置フェニル基のp位にヒドロキシル基を導入した下記構造式(d)
Figure 2017132736
で示される化合物26.1 mg (0.06 mmol),炭酸カリウム129.0 mg (0.93 mmol)を加え、不活性雰囲気下で脱水DMF(ジメチルホルムアミド) 2 mlを加え室温で30分撹拌し、メタクリル酸2−ブロモエチル 25.2 mg (0.13 mmol)を加え、室温で17.5時間撹拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出、有機層をイオン交換水で洗浄し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、下記式(1-3)で示される3位置フェニル基のp位にメタクリロエトキシ基を導入したキナゾリン誘導体(クロメン化合物)を16.5 mg(収率44.8%)得た。
核磁気共鳴(NMR)測定結果:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 9.56 (1H, s), 8.49 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.84 (1H, d, J=9.2 Hz), 7.52 (1H, d, J=9.2 Hz), 7.37 (4H, d, J=8.8 Hz), 7.31 (1H, d, J=10.0), 7.04 (2H, d, J=9.2 Hz), 6.87 (4H, d, J=9.2 Hz), 6.32 (1H, d, J=10.0 Hz), 6.17 (1H, s), 5.60 (1H, s), 4.54 (2H, t, J=4.4 Hz), 4.31 (2H, t, J=4.8 Hz), 3.78 (6H, s), 1.97 (3H, s)
Figure 2017132736
<フォトクロミック特性試験>
上記で合成した実施例1〜3の各クロメン化合物(ピラノキナゾリン誘導体)及び比較例I〜IIIの各クロメン化合物をベンゼンに溶解(5 ×10-5 mol/L)させ、試料溶液とした。
なお、比較例は、クロメン化合物として、前述したナフトピラン誘導体、ピラノキノキサリン誘導体、ピラノキナゾリン誘導体を用いた。
比較例I…3,3−ジフェニル−3H−ナフト〔2,1−b〕ピラン
比較例II…8,8−ジフェニル−8H−ピラノ[3,2−f]キノキサリン
比較例III…8,8−ジフェニル−8H−ピラノ[3,2−f]キナゾリン
(a)消色体、発色体の吸収スペクトル及び(b)消色速度について、下記方法によって測定した。
(a)吸収スペクトル
消色体の紫外可視吸収スペクトルは島津製作所製分光光度計(UV-3150)を用いて測定して、400nmにおけるモル吸光係数(ε)とともに消色体吸収波長端(λae)を求めた。なお、モル吸光係数とは物質が特定波長の光を吸収する強さを示すもので、紫外線吸収の観点から、消色体の400nmにおけるモル吸光係数(ε)は1000(L/mol・cm)以上であることが好ましい。また、吸収波長端とは紫外可視吸収スペクトルで紫外線の透過率が80%以下となる波長域の上限波長を示すもので、消色体吸収波長端(λae)は光学材料の黄色発生波長域(430〜480nm)未満の範囲であることが好ましい。
また、発色体の吸収スペクトルはOcean Optics製マルチチャンネル分光器(USB 4000)を用いて測定し最大吸収波長(λmax)を求めた。
(b)消色速度の半減期[τ1/2 (sec)]
消色速度は上記分光器を用い、励起光にはUV-LED 365 nmを用い、紫外光照射停止後、試料の発色体の最大吸収波長における吸光度が最大値の1/2まで低下するのに要する時間(半減期)を計測した。
<フォトクロミック特性試験結果>
それらの結果を表1から、下記のことが確認できた。
・実施例1は、モル吸光係数(ε)が比較例IIIより格段に増大(5倍)しているが、消色体吸収波長端(λae)が比較例IIIよりわずかしか(412から420)増大していないとともに、半減期(τ1/2)もあまり増大していない(1.3sから2.1s)。
・実施例1において8,8-ジフェニルに電子供与基を導入した実施例2は、モル吸光係数(ε)が実施例1より増大(1500から1900L/mol・cmへ)しているが、消色体吸収波長端(λae)が実施例1と変わらないとともに、半減期(τ1/2)が格段に短くなっている(2.1sから0.36s)。
・実施例2において3位置フェニル基にメタクリロエトキシ基を導入した実施例3は、モル吸光係数(ε)が実施例2より格段に増大(1900から2900L/mol・cmに)しているが、消色体吸収波長端(λae)が実施例2と変わらないとともに、半減期(τ1/2)もあまり変わらない(0.36sと0.43s)。
これらから、本発明のクロメン化合物(ピラノキナゾリン誘導体)は、調光レンズ等にフォトクロミック剤として適用した場合、発色性に優れるとともに、消色時の黄ばみも目立たず、かつ、実用的乃至高速な消色速度を得やすいことが確認できた。
Figure 2017132736

Claims (6)

  1. ピラノキナゾリン骨格を有するクロメン化合物において、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするクロメン化合物。
    Figure 2017132736
    (但し、R1はアリール基又は置換アリール基であり、R2及びR3はH又は電子供与性基である。)。
  2. 前記R1がフェニル基又は置換フェニル基であるとともに、前記R2及び/又はR3が炭素数1〜3のアルコキシ基であることを特徴とする請求項1に記載のクロメン化合物。
  3. 前記R1が炭素−炭素多重結合含有基で置換された置換フェニル基であることを特徴とする請求項2記載のクロメン化合物。
  4. 前記炭素−炭素多重結合含有基が(メタ)アクリロアルコキシ基であることを特徴とする請求項3記載のクロメン化合物。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載のクロメン化合物の1種又は複数種を含むフォトクロミック剤であって、消色体の400nmにおけるモル吸光係数(ε)が1000L/mol・cm以上であり、消色体吸収波長端(λae)が430nm未満の範囲にあるとともに、消色速度半減期(τ1/2)が5秒以下を示すものであることを特徴とするフォトクロミック剤。
  6. 請求項5記載のフォトクロミック剤が、重合性単量体に分散又は共重合されてなることを特徴とするフォトクロミック光学材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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