JP2022039025A - 二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体 - Google Patents
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Abstract
Description
二酸化炭素の処理方法であって、
水酸化カルシウムを含む水分散体を準備することと、
前記水分散体と二酸化炭素を含むガスとを接触させることと、
前記水酸化カルシウムと前記二酸化炭素とを反応させることと、を備え、
前記水分散体はアセトニトリルを含む、ことを特徴とする二酸化炭素の処理方法。
本発明に係る二酸化炭素の処理方法は、水酸化カルシウムを含む水分散体を準備することと、水分散体に二酸化炭素を含むガスを接触させることと、水酸化カルシウムと二酸化炭素とを反応させることと、を備える。さらに、水分散体はアセトニトリルを含み、これにより、二酸化炭素の処理速度を調節することができる。
本発明に係る水分散体は、水と、水酸化カルシウム(消石灰、Ca(OH)2)と、アセトニトリル(CH3CN)と、を含む。水分散体の調整において、構成成分の混合の順番は特に限定されない。例えば、水分散体は、水と水酸化カルシウムとの分散体にアセトニトリルを添加して形成されても、水とアセトニトリルとの混合液に水酸化カルシウムまたは水酸化カルシウム前駆体を添加して形成されても、水酸化カルシウムとアセトニトリルとの分散体に水を添加して形成されてもよい。
一実施形態において、水分散体は、予め水と水酸化カルシウムとの分散体を作製し、その分散体にアセトニトリルを投入して形成される。水と水酸化カルシウムとの分散体は、水に水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを添加して形成され得る。または、水と水酸化カルシウムとの分散体として、市販の水と水酸化カルシウムとの分散体が使用され得る。
水分散体に含まれるアセトニトリルは、特に限定されるものでない。アセトニトリルの純度は、一実施形態において90重量%以上、別の実施形態において95重量%以上、さらに別の実施形態において98重量%以上、さらに別の実施形態において99重量%以上とすることができる。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収速度の調節が向上する。
一実施形態において、水と、水酸化カルシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体は、種々の添加物、例えば分散剤を含むことができる。分散剤の材料は特に制限されるものでなく、例えば、無機化合物の分散剤、高分子界面活性剤等が例示される。これにより、水酸化カルシウムの固形分濃度が高い場合でも、水酸化カルシウムの分散性が向上し、水酸化カルシウムと二酸化炭素との反応が均一となる。一実施形態において、分散剤は、水と水酸化カルシウムとの分散体の作製において、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを投入する前に予め水に投入し、次いで水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを投入することで、水酸化カルシウムを均一に分散させることができる。
本発明に係る二酸化炭素の接触および反応では、二酸化炭素を含むガスが、上述の水分散体と接触させられ、水分散体中の水酸化カルシウムと反応させられる。二酸化炭素を含むガスを水分散体と接触および反応させる方法は、特に限定されないが、二酸化炭素を水分散体中にバブリングにより導入する方法、二酸化炭素を含むガス中に水分散体を散布する方法、二酸化炭素を含むガスと水分散体とを向流接触させる方法等が例示される。
本発明に係る二酸化炭素の接触および反応では、炭酸カルシウムが生成する。炭酸カルシウムは、ろ過等の従来公知の方法によって回収することができる。炭酸カルシウムは、紙の填料および顔料、塗料、インキ、プラスチック、またはゴム等の充填剤、医療用、食品添加物、および電子デバイス材料等で利用され得る。
図1は、二酸化炭素の処理を実施する処理装置を示す。処理装置100は、水分散体を保持するフラスコ10と、ドライアイスを保持するフラスコ20と、フラスコ10とフラスコ20を連結するチューブ30と、水分散体を支持および撹拌する撹拌装置40と、ドライアイスを支持する支持装置50と、を備える。処理装置100は、密閉式の装置である。また、フラスコ10は、吸収された二酸化炭素を測定するために水分散体を採取する採取口60を備え、フラスコ20は、ドライアイスの気化を促進させる水を添加するための水導入口70を備える。
水と、水酸化カルシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体におけるアセトニトリルの濃度が、実施例2では約14重量%(試料S2)、実施例3では約19重量%(試料S3)、実施例4では約24重量%(試料S4)となるように、実施例1で使用したものと同様の水と水酸化カルシウムの分散体に、アセトニトリルを投入して、水分散体を調整した。この点を除き、実施例2から4では、実施例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図3から5に、実施例2から4の時間に対する二酸化炭素(ドライアイス)の消失量をそれぞれ示す。
実施例1で使用したものと同様の水と水酸化カルシウムの分散体にアセトニトリルを投入しない水分散体(試料RS1)、すなわち、上記の水と水酸化カルシウムの分散体を、フラスコ10に投入する水分散体としたことを除き、実施例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図5に、実施例4の結果と合わせて参考例1の時間に対する二酸化炭素(ドライアイス)の消失量を示す。
二酸化炭素の処理方法であって、
水酸化カルシウムを含む水分散体を準備することと、
前記水分散体と二酸化炭素を含むガスとを接触させることと、
前記水酸化カルシウムと前記二酸化炭素とを反応させることと、を備え、
前記水分散体はアセトニトリルを含み、前記アセトニトリルは、前記水分散体に24重量%以上、30重量%以下含まれる、ことを特徴とする二酸化炭素の処理方法。
図1は、二酸化炭素の処理を実施する処理装置を示す。処理装置100は、水分散体を保持するフラスコ10と、ドライアイスを保持するフラスコ20と、フラスコ10とフラスコ20を連結するチューブ30と、水分散体を支持および撹拌する撹拌装置40と、ドライアイスを支持する支持装置50と、を備える。処理装置100は、密閉式の装置である。また、フラスコ10は、吸収された二酸化炭素を測定するために水分散体を採取する採取口60を備え、フラスコ20は、ドライアイスの気化を促進させる水を添加するための水導入口70を備える。
水と、水酸化カルシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体におけるアセトニトリルの濃度が、参考例2では約14重量%(試料S2)、参考例3では約19重量%(試料S3)、実施例1では約24重量%(試料S4)となるように、参考例1で使用したものと同様の水と水酸化カルシウムの分散体に、アセトニトリルを投入して、水分散体を調整した。この点を除き、参考例2および3、および実施例1では、参考例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図3から5に、参考例2および3、および実施例1の時間に対する二酸化炭素(ドライアイス)の消失量をそれぞれ示す。
参考例1で使用したものと同様の水と水酸化カルシウムの分散体にアセトニトリルを投入しない水分散体(試料RS1)、すなわち、上記の水と水酸化カルシウムの分散体を、フラスコ10に投入する水分散体としたことを除き、参考例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図5に、実施例1の結果と合わせて比較例1の時間に対する二酸化炭素(ドライアイス)の消失量を示す。
Claims (7)
- 二酸化炭素の処理方法であって、
水酸化カルシウムを含む水分散体を準備することと、
前記水分散体と二酸化炭素を含むガスとを接触させることと、
前記水酸化カルシウムと前記二酸化炭素とを反応させることと、を備え、
前記水分散体はアセトニトリルを含む、ことを特徴とする二酸化炭素の処理方法。 - 前記アセトニトリルは、前記水分散体に1重量%以上、30重量%以下含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の処理方法。
- 前記水酸化カルシウムと前記二酸化炭素との反応は、前記水分散体を攪拌しながら行われる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の二酸化炭素の処理方法。
- 前記水分散体の準備は、
酸化カルシウムを水に分散させて分散体を準備すること、
前記分散体にアセトニトリルを投入すること、を備える、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。 - 前記酸化カルシウムは100μm以下の平均粒径(D50)を有する、ことを特徴とする請求項4に記載の二酸化炭素の処理方法。
- 前記二酸化炭素を含むガスは、天然ガス由来によるものである、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法で使用する水分散体であって、
前記水分散体は、水と、水酸化カルシウムと、アセトニトリルと、を含み、
前記アセトニトリルは、前記水分散体に1重量%以上、30重量%以下含まれる、ことを特徴とする水分散体。
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