JP2022021862A - 第二族元素の炭酸塩の製造方法、及び二酸化炭素固定化システム - Google Patents

第二族元素の炭酸塩の製造方法、及び二酸化炭素固定化システム Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化炭素を優れた変換効率で炭酸塩に変換して固定化する、第二族元素の炭酸塩の製造方法、及び二酸化炭素固定化システムを提供する。【解決手段】アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる第一の工程と、前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩を添加し、第二族元素の炭酸塩を製造する第二の工程を含む、第二族元素の炭酸塩の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、第二族元素の炭酸塩の製造方法、及び二酸化炭素固定化システムに関する。
地球温暖化、化石燃料枯渇の問題などから、二酸化炭素に代表される温室効果ガスを固定化する技術や再生可能エネルギーとして利用する技術の開発が望まれている。
そこでアルカリ溶液に二酸化炭素を吸着させた後、炭酸塩を析出させて二酸化炭素を固定化する技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、電気透析槽が硝酸ナトリウム溶液を受け入れて硝酸と水酸化ナトリウムとを生成し、溶解槽に硝酸を供給して第2族元素を含む被溶解物を溶解して、第2族元素の硝酸塩溶液を生成し、ガス吸収塔に水酸化ナトリウムを供給し、二酸化炭素を吸収して炭酸ナトリウム溶液を生成し、第2族元素の硝酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液とを反応槽に供給して第2族元素の炭酸塩を生成し、二酸化炭素を固定化するとともに、反応で生じた硝酸ナトリウム溶液を電気透析槽に循環させる、二酸化炭素固定化装置が記載されている。
特許文献2には、排ガス導入口、アルカリ吸収液導入口、不溶排ガス排出口およびアルカリ吸収液排出口を備え、導入された排ガスとアルカリ吸収液とを気液接触させて該アルカリ吸収液に該排ガス中の二酸化炭素を吸収させる二酸化炭素吸収塔と、前記二酸化炭素吸収塔のアルカリ吸収液排出口から排出されるアルカリ吸収液を前記アルカリ吸収液導入口に還流させるアルカリ吸収液還流ラインと、前記アルカリ吸収液還流ライン内に介挿され、または前記アルカリ吸収液 還流ラインから分岐する配管で接続されたアルカリ吸収液を収容可能な沈殿槽とを具備する排ガス中の二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法が記載されている。
また、特許文献3には、塩水を電気分解して、水素、塩素および水酸化ナトリウム水のそれぞれに分離する電気分解装置と、排ガスとアルカリ溶液を気液接触させて、前記排ガス中の二酸化炭素を回収するとともに、二酸化炭素の吸収によって生成された所定の成分と、前記電気分解装置によって生成された水酸化ナトリウム水とから前記アルカリ溶液を生成する二酸化炭素回収装置と、前記電気分解装置によって分離された塩素を用いて生成された次亜塩素酸水によって、焼却灰からカルシウムを回収し、そのカルシウムを回収した溶液と前記アルカリ溶液の一部とを用いて炭酸カルシウムを生成するカルシウム回収装置とを具備する排ガス中二酸化炭素の回収システムが記載されている。
特開2012-96975号公報 特開2004-352587号公報 特開2006-137620号公報
しかしながら、従来の技術においては、アルカリ溶液への二酸化炭素の吸着効率が十分でなく、アルカリ溶液に吸着した二酸化炭素を炭酸塩に変換する際にもロスが生じるため、より変換効率の高い二酸化炭素の固定化する方法が望まれている。
そこで、本発明の目的は、二酸化炭素を優れた変換効率で炭酸塩に変換して固定化する、第二族元素の炭酸塩の製造方法、及び二酸化炭素固定化システムを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後に第二族元素の塩を用いることにより、二酸化炭素を優れた変換効率で炭酸塩に変換して固定化し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる第一の工程と、
前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩を添加し、第二族元素の炭酸塩を製造する第二の工程を含む、第二族元素の炭酸塩の製造方法。
〔2〕
前記第一の工程において、前記アルカリ吸着液に導入する前記二酸化炭素の物質量が、前記アルカリ吸着液中の前記アルカリの物質量に対して50%~90%である、〔1〕に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
〔3〕
前記第一の工程において、混合ガスとして二酸化炭素を導入する際の圧力は、(二酸化炭素の分圧/混合ガスの全圧)×100が10%~80%である、〔1〕又は〔2〕に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
〔4〕
前記第二の工程で製造した前記第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体を、電気透析することにより酸とアルカリを生成する第三の工程を更に含み、
該アルカリを前記第一の工程で再利用する、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
〔5〕
前記アルカリが、NaOH、KOH、NaCO、KCOより選択される少なくとも一種である、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
〔6〕
前記第二族元素の塩が、CaCl、Ca(NO、CaSO、MgCl、Mg(NO、MgSOより選択される少なくとも一種である、〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
〔7〕
アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる二酸化炭素吸着装置と、
前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩化物を添加し、第二族元素の炭酸塩を得る二酸化炭素固定化装置とを備える、
二酸化炭素固定化システム。
〔8〕
更に、得られた前記第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体を電気透析することにより酸とアルカリを生成する電気透析装置と、該アルカリを前記二酸化炭素吸着装置に供給する手段を備える、〔7〕に記載の二酸化炭素固定化システム。
本発明によれば、二酸化炭素を優れた変換効率で炭酸塩に変換して固定化する、第二族元素の炭酸塩の製造方法、及び二酸化炭素固定化システムを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法の一例を説明するための図である。 図2は、本発明の実施形態に係る二酸化炭素固定化システムの一例を示す概略模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法は、アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる第一の工程と、
前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩を添加し、第二族元素の炭酸塩を製造する第二の工程とを含む。
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法により、二酸化炭素を優れた変換効率で炭酸塩に変換して固定化することができる。
第二族元素としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムが挙げられ、これらの中でも、カルシウム、又はマグネシウムが好ましい。
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法は、前記第二の工程で製造した前記第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体を電気透析により酸とアルカリを生成する第三の工程を更に含んでいてもよく、該アルカリを前記第一の工程で再利用してもよい。
また、分離した前記第二族元素の炭酸塩と、前記酸とを反応させ、二酸化炭素を取り出し、第二族元素の塩を得、該第二族元素の塩を前記第二の工程で再利用してもよい。
〔第一の工程〕
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法において、第一の工程は、アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる工程である。
第一の工程における吸着条件は、特に限定されず、アルカリ吸着液中のアルカリの種類及び濃度や二酸化炭素の濃度等に応じて適宜調整することができる。二酸化炭素の吸着過程で吸着条件を適宜変更することもできる。第一の工程に用いる反応容器の形態も特に限定されない。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カルシウム(KCO)などが挙げられ、これらを単独で又は組み合わせて用いてもよい。コスト低減の観点から水酸化ナトリウムが好ましい。
例えば、アルカリとして水酸化ナトリウムを用いた場合、アルカリ吸着液に二酸化炭素を導入することにより、以下の反応式(1)に表される反応が進行し、二酸化炭素がアルカリ吸着液に吸着され、炭酸ナトリウムが生成する。
2NaOH + CO → NaCO+ HO ・・・(1)
アルカリ吸着液中のアルカリ濃度は、二酸化炭素の吸着量を増加させるため0.5mol/L以上であることが好ましく、1mol/L以上であることがより好ましく、1.5mol/L以上であることがさらに好ましい。また、アルカリ吸着液に二酸化炭素が吸着された後に生成する、炭酸塩の沈殿を防ぐため、4mol/L以下であることが好ましく、2mol/L以下であることがより好ましい。例えば、アルカリとして水酸化ナトリウムを使用した場合は、生成した炭酸ナトリウムの沈殿を防ぐため2mol/L以下であることが好ましい。
本発明の実施形態に係るアルカリ吸着液における溶媒としては、アルカリを溶解しアルカリ吸着液とし得る溶媒であることが好ましく、特に制限は無いが、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等を用いることができる。より好適には、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、更に好適には水を用いることができる。
二酸化炭素の導入は、例えば、アルカリ吸着液を投入した二酸化炭素吸着装置に二酸化炭素を含むガスを導入することにより行うことができる。
二酸化炭素の導入量は、アルカリ吸着液中のアルカリの物質量に対して、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。二酸化炭素の導入量が、アルカリ吸着液中のアルカリの物質量に対して50%以上であれば、導入した二酸化炭素をほぼすべてアルカリ吸着液に吸着させやすくなる。二酸化炭素の導入量はアルカリ吸着液中の物質量に対してなるべく高い方が、アルカリの二酸化炭素吸着率が高くなり、アルカリの材料コストの観点から有利となる。また、二酸化炭素の導入量は、アルカリ吸着液中のアルカリの物質量に対して、90%以下であることが好ましい。二酸化炭素の導入量を、アルカリ吸着液中のアルカリの物質量に対して90%以下にすることにより、導入した二酸化炭素を高い吸着率で吸着することができる。また、導入した二酸化炭素のほぼ全てをアルカリ吸着液中に吸着可能となる。これは、二酸化炭素の導入量がアルカリ吸着液中のアルカリの物質量に対して90%よりも高くなると、導入した気体状態の二酸化炭素とアルカリ吸着液に吸着された二酸化炭素の間で気液平衡状態になり、導入した二酸化炭素の全てを吸着するのは困難となるためである。これは、アルカリ吸着液中のアルカリの物質量に対して二酸化炭素の導入量が90%よりも高くなると、導入した気体状態の二酸化炭素とアルカリ吸着液に吸着された二酸化炭素の間で気液平衡状態になり、導入した二酸化炭素の全てを吸着するのが困難となるためである。
二酸化炭素を含むガスは、純粋な二酸化炭素ガスでもであってもよく、二酸化炭素以外の成分を含む混合ガスであってもよい。二酸化炭素ガスと他のガスをそれぞれ導入してもよく、導入の前に混合ガスとしてもよい。
本発明の実施形態に用いられる二酸化炭素としては、二酸化炭素ガスボンベ、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素およびドライアイス等を用いることができる。
二酸化炭素を含むガスとしては、例えば、大気、排ガス等が挙げられ、これらをそのまま用いてもよく、二酸化炭素濃度を調整したものを用いてもよい。
二酸化炭素以外の成分としては、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水蒸気、排ガス等に含まれるその他の任意の成分が挙げられる。
前記二酸化炭素を混合ガスとして導入した際の分圧は、(二酸化炭素の分圧/混合ガスの全圧)×100が10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。また、二酸化炭素ガスの濃縮にかかるエネルギーを抑える観点から80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。
導入する前記二酸化炭素混合ガスの分圧条件において、(二酸化炭素の分圧/混合ガスの全圧)×100を10%~80%にすることにより、二酸化炭素以外に導入された気体の分圧により加圧されることで、二酸化炭素がすべてアルカリ吸着液に吸着可能となる効果が得られる。
二酸化炭素の導入量を、アルカリ吸着液中のアルカリの物質量に対して90%以下とし、かつ、導入する前記二酸化炭素混合ガスの分圧、(二酸化炭素の分圧/混合ガスの全圧)×100を10%~80%にすることにより、導入した二酸化炭素を高い効率でアルカリ吸着液に吸着させることができる。これは、導入した二酸化炭素とアルカリ吸着液に吸着された二酸化炭素との間で気液平衡関係にならず二酸化炭素が全て吸着される条件と、二酸化炭素以外の導入した気体の分圧により、導入した二酸化炭素が全てアルカリ吸着液に吸着される条件を満たすことによる相乗効果によると考えらえる。
二酸化炭素を含むガスの圧力は、装置の耐圧性能の観点から10MPa以下であることが好ましく、5MPa以下であることがより好ましく、1MPa以下であることがさらに好ましい。
また、二酸化炭素を含むガスは、アルカリ吸着液中にバブリング(吹込み)してもよい。また、二酸化炭素を含むガスを導入後、反応容器を回転させる等によりアルカリ吸着液と攪拌してもよい。
第一の工程における温度は、特に限定されないが、二酸化炭素の吸着を効率よく進行させるため、例えば、第一の工程におけるアルカリ吸着エネルギーの効率を抑える観点から50℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましく、25℃以下であることがさらに好ましい。加熱エネルギーの効率を抑える観点から50℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましく、25℃以下であることがさらに好ましい。
第一の工程における二酸化炭素の吸着時間は、特に限定されないが、例えば、二酸化炭素をより多くアルカリ吸着液に吸着させる0.25時間以上であることが好ましく、時間以上であることがより好ましく、0.5時間以上であることがさらに好ましい。また、工程時間の短縮の観点から10時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましく、3時間以下であることがさらに好ましい。
第一の工程に用いるアルカリ吸着液(アルカリ及び溶媒)や二酸化炭素などの反応容器内への導入方法については、特に制限されないが、すべての原料などを一括で導入してもよく、一部またはすべての原料などを段階的に導入してもよく、一部またはすべての原料などを連続的に導入してもよい。また、これらの方法を組み合わせた導入方法でもよい。
第一の工程により、二酸化炭素をアルカリ吸着液に吸着することができ、液体として取り扱うことができる。このため簡便な取り扱いが可能であるという利点がある。この工程により二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液は、第二の工程に供することができる。
〔第二の工程〕
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法において、第二の工程は、前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩を添加し、第二族元素の炭酸塩を製造する工程である。
第一の工程においてアルカリ吸着液中に吸着された二酸化炭素は炭酸イオンとして存在する。第二の工程により炭酸イオンと第二族元素の塩とが反応し第二族元素の炭酸塩が生成する。
第二の工程における反応条件は、特に限定されず、アルカリ吸着液中の炭酸イオン濃度や第二族元素の塩の種類に応じて適宜調整することができる。反応過程で反応条件を適宜変更することもできる。第二の工程に用いる反応容器の形態も特に限定されない。
アルカリ吸着液のpHは10以上に調整することが必要であり、11以上に調整することが好ましく、11.5以上に調整することがより好ましい。
pHの調整は、pH調整溶液としてアルカリを含む溶液を添加することにより行うことができる。
アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基性化合物、ジメチルアミン、トリメチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ピリジン、アニリン、N,N-ジメチルアニリン等の有機塩基性化合物が挙げられ、コスト低減の観点から水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
第二族元素の塩としては、例えば、塩化カルシウム(CaCl)、硝酸カルシウム(Ca(NO)、硫酸カルシウム(CaSO)、塩化マグネシウム(MgCl)、硝酸マグネシウム(Mg(NO)、硫酸マグネシウム(MgSO)等が挙げられる。中でも、溶解度が高く高濃度の溶液を調製可能であり設備の小面積化が可能で生産性が高いことから塩化カルシウムが好ましい。
第二の工程における反応時間は、特に限定されないが、例えば、反応を進行させるため1分以上であることが好ましく、3分以上であることがより好ましく、5分以上であることがさらに好ましい。また、工程時間の短縮の観点から10時間以下であることが好ましく、4時間以下であることがより好ましく、3時間以下であることがさらに好ましい。
第二族元素の塩の使用量は、特に限定されないが、アルカリ吸着液に吸着された二酸化炭素をすべて炭酸塩に変換するため、アルカリ吸着液に吸着された二酸化炭素の物質量よりも第二族元素の塩の使用する物質量が多いことが好ましい。
また、炭酸塩に変換できない第二族元素の塩のロスを抑えるために、アルカリ吸着液中に存在するアルカリの物質量よりも第二族元素の塩の使用量が少ないことが好ましい。
第一の工程におけるアルカリとして水酸化ナトリウムを用いた場合、アルカリ吸着液に二酸化炭素を導入することにより、上述のとおり反応式(1)に表される反応が進行し、二酸化炭素がアルカリ吸着液(水酸化ナトリウム水溶液)に吸着され、炭酸ナトリウムが生成する。
そして、アルカリ吸着液(水酸化ナトリウム水溶液)に第二族元素の塩を添加することにより、下記の反応式(2)に表される反応が進行し、第二族元素の炭酸塩が生成する。第二族元素の炭酸塩は溶解度が低く、アルカリ吸着液から析出し固体として沈殿する。このため分離が容易であり、かつ、二酸化炭素を固体として固定化することができ、輸送や保管のコストが抑えられ、取り扱いに優れるという利点がある。下記の反応式(2)では、アルカリ吸着液として水酸化ナトリウムを用い、第二族元素の塩として塩化カルシウムを用いた場合を一例として記載している。
NaCO + CaCl → CaCO↓ + 2NaCl ・・・(2)
本発明者らの検討によれば、pHを調整せずに第一の工程で得た二酸化炭素が吸着したアルカリ吸着液に第二族元素の塩を添加すると、ガスが発生する。このガスの発生について検討したところ、以下が推察できる。
第一の工程において、上述の反応式(1)に表される反応の他に、下記の反応式(3)に表される副反応が起こることにより炭酸水素ナトリウムが生成すると推察できる。そして、この炭酸水素ナトリウムが第二族元素の塩と反応することにより、下記の反応式(4)に表される反応により二酸化炭素が生成し、ガスが発生すると考えられる。下記の反応式(4)では、第二族元素の塩として塩化カルシウムを用いた場合を一例として記載している。
3NaOH + 2CO → NaCO+ NaHCO+ HO ・・・(3)
2NaHCO + CaCl → CaCO↓ + CO↑ + 2NaCl + HO・・・(4)
二酸化炭素が吸着したアルカリ吸着液のpHをpH調整溶液により10以上に調整することにより、反応式(3)で表される副反応で生成した炭酸水素ナトリウムを、下記の反応式(5)に表される反応により炭酸ナトリウムに変換することができる。その後塩化カルシウムを添加することにより、反応式(3)で表される副反応により生成した炭酸水素ナトリウムを炭酸ナトリウムに変換し、反応式(2)で表される反応に供することができる。このため、アルカリ吸着液に吸着した二酸化炭素が反応式(4)で表される反応により二酸化炭素として排出されるロスを抑え、高い変換率で炭酸カルシウムに変換して固定化することが可能となった。
NaHCO+ NaOH→ NaCO + HO ・・・(5)
第二の工程で製造した第二族元素の炭酸塩を分離した後の溶液を電気透析することにより酸とアルカリを生成する第三の工程を更に含んでもよく、該アルカリを前記第一の工程で再利用してもよい。
第二の工程において、反応式(2)に表される反応終了後、第二族元素の炭酸塩は析出し沈殿するため、通常用いられる方法により容易に分離することができる。
第二族元素の炭酸塩としては、炭酸ナトリウム塩が好ましい。水への溶解度が低いことから固体として析出させやすく、また固体としての潮解性も低くハンドリング性に優れるためである。
第二族元素の炭酸塩の分離方法に特に限定はなく、濾過、脱水等により分離することができる。
濾過方法としては、例えば、自然濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過等の方法が用いられる。また、濾材としては、例えば、濾紙、メンブレンフィルター、セルロースやグラスファイバー等を圧縮成型した濾過板等が挙げられる。
濾過により分離回収された第二族元素の炭酸塩は、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等により乾燥させてもよい。
本発明の実施形態においては、第二の工程により生成した第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体にはアルカリ塩が含まれる。この液体を、第三の工程により電気透析装置を用いて処理することで、電気透析により該液体中に含まれるアルカリ塩の少なくとも一部をプロトン化して酸とアルカリを生成することができる。
電気透析装置は、例えば、陽極と陰極との間にカチオン交換膜とアニオン交換膜とが交互に配置され、これらカチオン交換膜及びアニオン交換膜により複数のセルが構成されているものである。各アニオン交換膜とその陰極側に配置されたカチオン交換膜との間にそれぞれ塩室が形成され、且つ各アニオン交換膜とその陽極側に配置されたカチオン交換膜との間にそれぞれアルカリ室が形成されているものであり、通電しながら該塩室に炭酸塩を分離した後の液体を循環供給することにより、アルカリ室に水酸化物(アルカリ)を生成しながら該塩室に循環供給されているアルカリ塩化物塩が塩酸に転換されていく。
電気透析には、上述したとおり、第二の工程により生成した炭酸塩を分離した後の液体を、そのまま用いてもよく、必要に応じ純水を加えて濃縮して用いてもよい。
電気透析により生成したアルカリは第一の工程で再利用することができる。
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法について、アルカリ吸着液として水酸化ナトリウム水溶液を用い、pHを水酸化ナトリウムで調整し、第二族元素の塩として塩化カルシウムを用いた場合について、図1を参照して説明する。
図1における二酸化炭素吸着装置10は、水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素を導入して吸着させるものである。
図1に示すように、二酸化炭素吸着装置10に導入した水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素を導入することにより、二酸化炭素が水酸化ナトリウム水溶液に吸着され、上記反応式(1)に表される反応が進行し、炭酸ナトリウムが生成する(第一の工程)。副反応として上記反応式(3)により生成した炭酸水素ナトリウムは、pH調整溶液として、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH調整をすることで上記反応式(5)に表される反応によって炭酸ナトリウムとなり、得られた炭酸ナトリウムを二酸化炭素固定化装置20に導入し、塩化カルシウムを導入することにより上記反応式(2)が進行し、析出した炭酸カルシウムを固体として得ることができる(第二の工程)。
炭酸カルシウムを分離した後の液体として得られる塩化ナトリウム水溶液は、電気透析装置30を用いた電気透析に供することができる。塩化ナトリウム水溶液の電気透析により、塩酸と水酸化ナトリウムが生成し、水酸化ナトリウムは第一の工程にて再利用することができる。
〔第二族元素の炭酸塩の製造方法〕
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法は、アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる第一の工程と、
前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩を添加し、第二族元素の炭酸塩を製造する第二の工程とを含む。
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法は、前記第二の工程で製造した前記第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体を、電気透析することにより酸とアルカリを生成する第三の工程を更に含んでもよく、該アルカリを前記第一の工程で再利用してもよい。
本発明の実施形態に係る第二族元素の炭酸塩の製造方法において、第一の工程、第二の工程及び第三の工程における条件は、第二族元素の炭酸塩の製造方法と同様の条件を適宜採用できる。
〔二酸化炭素固定化システム〕
本発明の実施形態に係る二酸化炭素固定化システムは、アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる二酸化炭素吸着装置と、
前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩を添加し、第二族元素の炭酸塩を得る二酸化炭素固定化装置を備える。
本発明の実施形態に係る二酸化炭素固定化システムは、二酸化炭素吸着装置と、二酸化炭素固定化装置を備えるものであればよく、各装置により得られた生成物を輸送や保存の後に他の装置に供給してもよい。
本発明の実施形態に係る二酸化炭素固定化システムは、更に、前記第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体を電気透析することにより酸とアルカリを生成する電気透析装置と、該アルカリを二酸化炭素吸着装置に供給する手段を備えていてもよい。
本発明の実施形態に係る二酸化炭素固定化システムは、二酸化炭素吸着装置と、二酸化炭素固定化装置を備えるものであればよく、各装置により得られた生成物を輸送や保存の後に他の装置に供給してもよい。
図2は、本発明の実施形態に係る二酸化炭素固定化システムの一例を示す図である。
図2に示される二酸化炭素固定化システム100は、二酸化炭素吸着装置10と、二酸化炭素固定化装置20とを備える。
図2に示される二酸化炭素固定化システム100は、更に電気透析装置30を備えていてもよい。また、二酸化炭素を二酸化炭素吸着装置10に導入する二酸化炭素ボンベ40と、必要に応じ二酸化炭素の濃度を調整するガスボンベ50を更に備えていてもよい。二酸化炭素濃度及び圧力は配管L1及び配管L2に備えるバルブ1、及びバルブ2により調整することができる。
二酸化炭素吸着装置10にはアルカリ吸着液を予め投入してもよく、二酸化炭素を配管L1を介して導入することができる。二酸化炭素吸着装置10に二酸化炭素が導入されると、二酸化炭素吸着装置10内で二酸化炭素がアルカリ吸着液に接し、アルカリ吸着液中に吸着される。
二酸化炭素吸着装置10は耐圧リアクター等であってもよい。
図2に示される二酸化炭素固定化システム100においては、二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液にpH調整溶液供給部60よりpH調整溶液を配管L3を介して供給し、二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液のpHを10以上に調整することができる。pH調整溶液の供給量はバルブ3により調整できる。pHを10以上に調整したアルカリ吸着液は配管L4を介して二酸化炭素固定化装置20に供給される。
また、二酸化炭素固定化装置20には第二族元素の塩供給部70から配管L5を介して第二族元素の塩が供給される。第二族元素の塩の供給量はバルブ4により調整できる。供給された第二族元素の塩は二酸化炭素固定化装置20内で二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液中の炭酸イオンと反応し、第二族元素の炭酸塩が固体状で生成し、二酸化炭素を固定化する。生成した第二族元素の炭酸塩は固液分離され、配管L6を介して排出することができる。
また第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体は配管L7を介して電気透析装置30に供給され、電気透析により酸とアルカリを生成することができる。該液体の供給量はバルブ5により調整できる。電気透析により生成した酸は配管L8を介して排出すことができる。また、電気透析により生成したアルカリは配管L9を介して二酸化炭素吸着装置10に供給し、再利用することができる。電気透析により生成したアルカリの二酸化炭素吸着装置10への供給量はバルブ6により調整できる。
本実施形態の第二族元素の炭酸塩の製造方法、及び二酸化炭素固定化システムによれば、二酸化炭素を優れた変換効率で炭酸塩に変換して固定化することにより、二酸化炭素を取り扱いに優れた状態で貯蔵し得る、第二族元素の炭酸塩の製造方法、及び二酸化炭素固定化システムを提供することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
[実施例1~14]
<第一の工程(二酸化炭素吸着工程)>
アルカリ吸着液として2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20mlを耐圧リアクターに入れた。耐圧リアクター内に、常温で(二酸化炭素の分圧/混合ガスの全圧)×100(%)が10~100%になるような二酸化炭素と水素の混合ガスを、表1に記載のとおり、アルカリである水酸化ナトリウムの物質量に対する二酸化炭素の物質量((導入二酸化炭素物質量/アルカリ物質量)×100(%))が50~100%になるように調整して導入した。実施例1~14における各条件は、表1に示す。
二酸化炭素混合ガスを導入後、回転速度800rpmで攪拌させると、圧力が次第に下がった。圧力の減少量と耐圧リアクターの体積より、二酸化炭素の吸着率を算出した。圧力が減少しないことを確認後、圧力を開放した。耐圧リアクターから耐熱容器を取り出し、二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液を回収した。
アルカリ吸着液への導入二酸化炭素の吸着率(%)は下記式により算出した。
アルカリ吸着液への導入二酸化炭素の吸着率(%)=(N2/N1)×100
N1:耐圧リアクター内に導入した二酸化炭素の物質量(mol)
N2:アルカリ吸着液に吸着された二酸化炭素の物質量(mol)
<第二の工程(炭酸塩固定化工程)>
水酸化ナトリウムに二酸化炭素を吸着させた実施例1~14のアルカリ吸着液に粒状水素ナトリウムを投入することで溶液のpHを調整した。pHの測定にはLAQUAtwin-pH-11(株式会社堀場アドバンスドテクノ)(測定精度pH±0.1)を使用した。pH調整後の実施例1~14の各アルカリ吸着液に、二酸化炭素吸着工程において吸着した二酸化炭素と等量の物質量になるように、第二族元素の塩として塩化カルシウムを入れ、15分攪拌すると沈殿物が生成した。塩化カルシウム投入時の気体発生量は水上置換法を用いて定量した。
炭酸塩固定化工程でのアルカリ吸着液中の吸着二酸化炭素ロス率(%)は下記式により算出した。
吸着二酸化炭素ロス率(%)=(1-V/22.4/N)×100
V:アルカリ吸着液に塩化カルシウム投入時の発生気体量(L)
N:二酸化炭素吸着工程においてアルカリ吸着液に吸着した二酸化炭素の物質量(mol)
標準状態の二酸化炭素1molの体積を22.4Lとした。
攪拌後、懸濁液をろ過し、ろ紙上に残った粉末は、100℃のオーブンで乾燥させて回収した。
<炭酸カルシウムの同定>
上記粉末の組成と純度の分析をX線回折(XRD)分析により行った。分析に使用した装置はリガク製SmartLabである。観測されたXRDのピークは炭酸カルシウムのピークに一致しており、粉末中の炭酸カルシウム純度は99.3%であった。最後に粉末の回収質量を用いて、導入二酸化炭素の炭酸カルシウムへの変換率(%)を算出した。
[比較例1]
比較例1は、実施例1と同条件で、アルカリ吸着液に二酸化炭素を吸着させた。二酸化炭素を吸着させたアルカリ吸着液に、pHの調整を行わず、吸収二酸化炭素と等量の物質量になるように塩化カルシウムを入れ、15分攪拌すると沈殿物が生成した。塩化カルシウム投入時の気体発生量は水上置換法を用いて定量した。攪拌後、懸濁液をろ過し、ろ紙上に残った粉末は、100℃のオーブンで乾燥させて回収した。粉末の回収質量を用いて、導入二酸化炭素から炭酸カルシウムへの変換率(%)を算出した。
[比較例2]
比較例2は、実施例12と同条件で、2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液に二酸化炭素を吸着させた。二酸化炭素吸着後、アルカリ吸着液をろ過し、沈殿物を取り除いた。ろ過液に70℃の熱を加え、炭酸水素ナトリウムを熱分解により除去した。熱分解により発生した気体量は水上置換法を用いて定量した。その後、溶液に吸収した二酸化炭素と等量のモル比になるように塩化カルシウムを入れ、15分攪拌すると沈殿物が生成した。攪拌後、懸濁液をろ過し、ろ紙上に残った粉末を、100℃のオーブンで乾燥させて回収した。粉末の回収質量を用いて、導入二酸化炭素の炭酸カルシウムへの変換率(%)を算出した。
実施例1~14、比較例1及び2の結果を表1に示す。
Figure 2022021862000002
表1に示すように、第二の工程において二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液のpHを10以上に調整した実施例1~14では、投入した二酸化炭素から炭酸カルシウムへの変換率が高く、高効率で二酸化炭素を固定化し得ることが判った。一方、二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液のpHを調製せず炭酸カルシウムを製造した比較例1及び2では、第一の工程においても第二の工程においても二酸化炭素のロスが多く、投入した二酸化炭素から炭酸カルシウムへの変換率が低く、生産性に劣る。
また、第一の工程において、(二酸化炭素の分圧/混合ガスの全圧)×100(%)が80%以下である実施例4~7、9~14は、二酸化炭素の吸着率が100%となり、極めて優れた二酸化炭素の吸着率を示した。さらに、第二の工程において二酸化炭素を吸着したアルカリ吸着液のpHを11.5に調整した実施例1~4、7~14では二酸化炭素のロス率が0%となり、二酸化炭素を優れた変換効率で炭酸塩に変換して固定化することが可能であることを示した。
1、2、3、4、5 バルブ
10 二酸化炭素吸着装置
20 二酸化炭素固定化装置
30 電気透析装置
40 二酸化炭素ボンベ
50 ガスボンベ
60 pH調整溶液供給部
70 第二族元素の塩供給部
100 二酸化炭素固定化システム
L1、L2、L3、L4、L5、L6 配管

Claims (8)

  1. アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる第一の工程と、
    前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩を添加し、第二族元素の炭酸塩を製造する第二の工程を含む、第二族元素の炭酸塩の製造方法。
  2. 前記第一の工程において、前記アルカリ吸着液に導入する前記二酸化炭素の物質量が、前記アルカリ吸着液中の前記アルカリの物質量に対して50%~90%である、請求項1に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
  3. 前記第一の工程において、混合ガスとして前記二酸化炭素を導入する際の圧力は、(二酸化炭素の分圧/混合ガスの全圧)×100が10%~80%である、請求項1又は2に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
  4. 前記第二の工程で製造した前記第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体を、電気透析することにより酸とアルカリを生成する第三の工程を更に含み、
    該アルカリを前記第一の工程で再利用する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
  5. 前記アルカリが、NaOH、KOH、NaCO、KCOより選択される少なくとも一種である、請求項1~4のいずれか一項に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
  6. 前記第二族元素の塩が、CaCl、Ca(NO、CaSO、MgCl、Mg(NO、MgSOより選択される少なくとも一種である、請求項1~5のいずれか一項に記載の第二族元素の炭酸塩の製造方法。
  7. アルカリを含むアルカリ吸着液に二酸化炭素を導入して吸着させる二酸化炭素吸着装置と、
    前記二酸化炭素を吸着した前記アルカリ吸着液のpHを10以上に調整した後、前記アルカリ吸着液に第二族元素の塩化物を添加し、第二族元素の炭酸塩を得る二酸化炭素固定化装置とを備える、
    二酸化炭素固定化システム。
  8. 更に、得られた前記第二族元素の炭酸塩を分離した後の液体を電気透析することにより酸とアルカリを生成する電気透析装置と、該アルカリを前記二酸化炭素吸着装置に供給する手段を備える、請求項7に記載の二酸化炭素固定化システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023054239A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 住友大阪セメント株式会社 二酸化炭素の固定方法、炭酸カルシウムの製造方法、及び廃石膏ボードの利用方法

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