WO2023054239A1 - 二酸化炭素の固定方法、炭酸カルシウムの製造方法、及び廃石膏ボードの利用方法 - Google Patents

二酸化炭素の固定方法、炭酸カルシウムの製造方法、及び廃石膏ボードの利用方法 Download PDF

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Abstract

二酸化炭素を効率的に固定し、二酸化炭素から有価物である炭酸カルシウムを効率的に製造すること、また廃石膏ボードを二酸化炭素の固定に利用することで、廃石膏ボードをそのまま廃棄せずに、有効な再利用を図ることができる、アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させてアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び前記第2の溶液と石膏含有物とを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、を含む、方法である。

Description

二酸化炭素の固定方法、炭酸カルシウムの製造方法、及び廃石膏ボードの利用方法
 本発明は、二酸化炭素の固定方法、炭酸カルシウムの製造方法、及び廃石膏ボードの利用方法に関する。
 近年、地球温暖化への関心が高まり、大気中への二酸化炭素の放出量の削減が求められている。発電所、焼却炉、セメント工場、製鉄所、工場設備等の各種設備においては、操業により発生する二酸化炭素を含む排ガスを大気に放出することなく、回収することが検討されている。二酸化炭素の回収方法の1つとして、カルシウムやマグネシウムなどの第2族元素と反応させて炭酸塩を生成する方法が知られている。
 例えば特許文献1には、かん水から生成したアルカリ土類金属酸化物と二酸化炭素とを反応させて、二酸化炭素を固定化する方法が開示されている。特許文献2には、カルシウム等の第2族元素を含む廃コンクリート、鉄鋼スラグ等の廃材、岩石等を硝酸溶液で溶解して第2族元素の硝酸塩溶液を生成し、これとは別に燃焼排ガス中の二酸化炭素と水酸化ナトリウム溶液との反応により得られる炭酸ナトリウム溶液を、前記硝酸塩溶液とを反応させて、炭酸塩として二酸化炭素を固定化する方法が開示されている。
 また、各種設備から排出される排ガス中に含まれる二酸化炭素は、炭酸カルシウムの製造に利用されることがある。特許文献3には、煙道排ガス等の排ガス中の二酸化炭素を気液接触法により苛性ソーダで吸収させて得られる炭酸ソーダ溶液と、生石灰を水和した石灰乳とを反応させて、炭酸カルシウムを製造する方法が開示されている。
特開2020-175344号公報 特開2012-96975号公報 特開2002―293537号公報
 特許文献1の方法では、アルカリ土類金属酸化物を得るために、かん水からアルカリ金属、硫酸等を除去するなど、複数段の工程が必要でとなるためプロセスが煩雑であり、効率的とはいえなかった。また、これらの工程の中には、かん水の蒸発凝縮工程やアルカリ土類金属塩化物の加熱分解するような、多大なエネルギーを要する工程があり、結果として二酸化炭素の効果的な削減には繋がらなかった。
 特許文献2の方法では、廃コンクリート、鉄鋼スラグ等の廃材、また岩石は、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属の含有量が少ないため、効率的に二酸化炭素を固定化させることが難しかった。
 特許文献3の方法において、石灰乳の生成に用いられる生石灰は、通常石灰石を900~1000℃という高温で焼成して得られるが、その際に石灰石に含まれる二酸化炭素が放出されてしまう。このため、特許文献3の方法は、排ガス中の二酸化炭素を吸収させるものであるが、二酸化炭素の削減には繋がらないという問題があった。
 本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、例えば発電所、焼却炉、セメント工場、製鉄所、工場設備等の各種設備から発生する排ガス等に含まれる二酸化炭素について、これを効率的に固定する方法、及びこれを用いて効率的に炭酸カルシウムを製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、廃石膏ボードの新たな利用方法を提供することを目的とする。
 本発明者らは、二酸化炭素の固定に用いるカルシウム源として、石膏(硫酸カルシウム)に着目した。石膏は、天然鉱石から得られるだけではなく、廃石膏ボード、また排煙脱硫処理の回収物等の廃棄物としても多種存在するため、入手がしやすいという利点がある。そこで本発明者らは、廃石膏ボード等の石膏を含む廃棄物といった石膏含有物の新たな利用方法として二酸化炭素の固定に用いることを着想し、本発明に至った。
 上記課題を解決するために、本発明は、以下の二酸化炭素の固定方法及び炭酸カルシウムの製造方法を提供する。
1.アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩の少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び
 前記第2の溶液と石膏含有物とを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、を含む、二酸化炭素の固定方法。
2.アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び
 前記第2の溶液と石膏含有物とを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、を含む、炭酸カルシウムの製造方法。
 また、本発明者らは、石膏含有物の中でも、廃棄物である廃石膏ボードに着目した。廃石膏ボードは、建築物の建て替えに伴い多量に発生する廃棄物である。廃石膏ボードは、地盤改良材やセメント副原料として利用されているが、硫化水素の発生等の問題があり、これまでリサイクルが進んでいないという現状があった。本発明者らは、廃石膏ボードは高濃度でカルシウムを含むことから、これを再利用できないかを検討し、廃石膏ボードを有効に再利用し得る新たな利用方法を見出した。すなわち、本発明は、以下の廃石膏ボードの利用方法を提供する。
3.アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び
 前記第2の溶液と廃石膏ボードとを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、を含む、廃石膏ボードの利用方法。
 本発明によれば、二酸化炭素を効率的に固定すること、及び二酸化炭素から有価物である炭酸カルシウムを効率的に製造することができる。また、本発明によれば、廃石膏ボードを二酸化炭素の固定に利用することにより、廃石膏ボードをそのまま廃棄せずに、有効な再利用を図ることができる。
 以下、本発明について、詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されることはなく、発明の効果を阻害しない範囲において任意に変更して実施し得るものである。なお、本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。また、本明細書中において、数値範囲の記載に関する「以上」、「以下」及び「~」に係る数値は任意に組み合わせできる数値である。例えば、とある数値範囲について「CC~DD」及び「EE~FF」と記載されている場合、「CC~FF」、「EE~DD」といった数値範囲も含まれる。
[二酸化炭素の固定方法]
 本発明の一態様は、
 アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩の少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び
 前記第2の溶液と石膏含有物とを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、を含む二酸化炭素の固定方法である。
 第1の工程における第2の溶液の生成、また石膏含有物を用いる第2の工程における炭酸カルシウムの生成に係る反応は、いずれも低エネルギーで、かつ安定して進行しやすい。さらに、第2の工程で用いられる石膏含有物としては、その詳細については後述するが、例えば石膏、廃石膏ボード、排煙脱硫処理の回収物、フッ酸石膏、リン酸石膏、各種排水処理工程で得られる石膏含有スラッジ等が挙げられる。このように、二酸化炭素の固定方法において用いられる石膏含有物としては、廃石膏ボードのような廃棄物、また化学製品の製造過程において副生する副生物等から幅広く入手することができる。
 また、固定方法の対象となる二酸化炭素は、例えば発電所、焼却炉、工場設備等の各種設備から大気に放出(廃棄)される排ガス等に含まれる二酸化炭素とすることができる。
 このように、本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法は、廃棄物、副生物等の利用を図ることができ、かつ低エネルギーで進行する反応を採用していることから、極めて効率的に二酸化炭素を固定することが可能となる。そして、大気に放出される二酸化炭素の量を抑制することができるため、環境負荷の低減に大きく寄与し得るものである。
 以下、本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法について、第1の工程から、その詳細について説明する。
〔第1の工程〕
 第1の工程は、アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩の少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる工程である。
 第1の工程では、以下の反応式(1)及び(2)に示される反応の進行により、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩の少なくとも一方のアルカリ金属塩が生成する。よって、第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触により得られる第2の溶液には、アルカリ金属炭酸塩(MaCO)及びアルカリ金属重炭酸塩(MaHCO)のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩が含まれる。
  2MaOH+CO→MaCO+HO            …(1)
  MaOH+CO→MaHCO                           …(2)
 反応式(1)、(2)中、Maは、アルカリ金属である。
(二酸化炭素を含むガス)
 第1の工程において第1の溶液と接触させる二酸化炭素(CO)を含むガスとしては、二酸化炭素を含むガスであれば特に制限なく用いることができ、例えば、発電所、焼却炉、セメント工場、製鉄所、工場設備等の各種設備から排出される排ガスを利用することができる。
 各種設備の運転状況、採用されるプロセス等に応じて変わり得るため、一概にはいえないが、例えば発電所からの排ガス中の二酸化炭素(CO)の濃度は通常8~15体積%、焼却炉の排ガス中の二酸化炭素(CO)の濃度は通常5~15体積%、セメント工場からの排ガス中の二酸化炭素(CO)の濃度は通常15~25体積%、また製鉄所からの排ガス中の二酸化炭素(CO)の濃度は通常20~30体積%である。
 上記排ガスの中でも、セメント工場からの排ガス、製鉄所からの排ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度が高いため、上記反応式(1)及び(2)の反応を効率的に進行させることができ、また配管サイズ等を含む全体の設備をコンパクトにすることができる。そのため、本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法において、上記の各種排ガスの中でもセメント工場、製鉄所からの排ガスが、好適に用いられる。
 第1の工程で用いられる二酸化炭素を含むガスとして用いられ得る上記の各種排ガスには、通常塩化水素、粉塵(「ダスト」、「燃焼飛灰」、「ばい塵」等とも称される。)等の不純物が含まれる。そのため、上記各種設備には、通常塩化水素を除去する脱塩設備、また脱塩設備で得られた脱塩ダスト、前記粉塵を除去する電気集塵機、バグフィルター等の集塵機が備えられている。
 二酸化炭素を含むガスとしては、ガス中の二酸化炭素と第1の溶液中のアルカリ金属水酸化物との反応の効率の向上等の観点から、塩化水素、ダスト等の不純物を除去したものを用いることが好ましい。
 例えば、二酸化炭素を含むガスが、セメント工場から排出される排ガスである場合には、前記排ガスが、集塵機を通過した後の排ガス、並びに窯尻ダクトから燃焼ガスが抽気されて脱塩ダストを回収する塩素バイパス設備から排出される排ガスから選ばれる少なくとも1つの排ガスであることが好ましい。
 このように、二酸化炭素を含むガスが、集塵機を通過した後の排ガスであると、集塵機によってガス中から粉塵が除去されているため、排ガス中の二酸化炭素と、第1の溶液中のアルカリ金属水酸化物とを効率よく反応させることができる。
 また、二酸化炭素を含むガスが、窯尻ダクトから燃焼ガスが抽気されて脱塩ダストを回収する塩素バイパス設備から排出される排ガスであると、集塵機を通過した排ガス中の二酸化炭素の濃度と同程度の濃度の二酸化炭素が含まれるため、第1の溶液中のアルカリ金属水酸化物と効率よく反応させることができる。
 集塵機を通過した排ガス中の二酸化炭素の濃度は、通常15~25体積%であり、通過しない排ガスと同様である。二酸化炭素の濃度としては、好ましくは20~25体積%である。塩素バイパス設備から排出される排ガス中の二酸化炭素の濃度も同様である。
 第1の工程で用いられる二酸化炭素を含むガスは、アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と接触させる前に、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、深冷分離法、酸素燃焼法等の方法によって、予めガス中の二酸化炭素を回収し、二酸化炭素の濃度を高めてからアルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と接触させてもよい。
 化学吸収法は、アミン等の溶剤を用いて化学的に排ガスから二酸化炭素(CO)を吸収させて高濃度の二酸化炭素(CO)ガスとして分離する方法である。物理吸収法は、高圧下で二酸化炭素(CO)を物理吸収液に吸収させて高濃度の二酸化炭素(CO)ガスとして分離する方法である。膜分離法は、二酸化炭素(CO)が選択的に透過する膜を用いて高濃度の二酸化炭素(CO)ガスとして分離する方法である。深冷分離法は、極低温下で液化し沸点の違いを用いて分離する方法である。また、酸素燃焼法は、空気分離装置で製造した酸素を燃焼させ、二酸化炭素(CO)濃度を高濃度にして分離する方法である。
 上記の方法により、ガス中の二酸化炭素(CO)濃度を高めてから、第1の溶液と接触させることで、アルカリ金属酸化物と効率よく反応させることができるので、より効率的にアルカリ金属炭酸塩が得られる。
(第1の溶液)
 第1の溶液に含まれるアルカリ金属水酸化物としては、特に制限はないが、上記反応式(1)及び(2)の反応の進行のしやすさ、アルカリ金属水酸化物の入手のしやすさ等を考慮すると、アルカリ金属として、好ましくはリチウム(Li)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、より好ましくはカリウム(K)、ナトリウム(Na)、更に好ましくはナトリウム(Na)である。すなわち、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)が好ましく、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)がより好ましく、水酸化ナトリウム(NaOH)が更に好ましい。
 第1の工程において、アルカリ金属水酸化物は、上記の水酸化物を単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
 第1の溶液は、アルカリ金属塩化物水溶液の電気分解、水酸化カルシウムとアルカリ金属炭酸塩との複分解反応、固体状のアルカリ金属水酸化物の水和などによって得られる。イオン交換膜法による電気分解により第1の溶液を製造することもできる。低エネルギーでアルカリ金属水酸化物を得られることから、バイポーラ膜電気透析による方法も好ましく挙げられる。
 第1の溶液は、上記の製法等を考慮すると、水溶液であることが好ましい。また、水溶液であると、使用する装置等の仕様について特段の配慮が不要となり、また環境負荷の点でも優位である。水溶液とする場合、媒体となる水としては、特に制限なく、例えば水道水、蒸留水、イオン交換水、工業用水等、各種の水を使用することができる。
 第1の溶液に含まれるアルカリ金属水酸化物の濃度は、0.1mol/L以上であることが好ましく、0.5mol/L以上であることがより好ましい。該濃度が上記範囲であることにより、第1の溶液への二酸化炭素の吸収量を高め、二酸化炭素の効率的な固定することができる。また、第2の溶液におけるアルカリ金属濃度及び炭酸イオン濃度を、後述する第2の工程に適した濃度とすることができる。
 第1の溶液に含まれるアルカリ水酸化物の濃度の上限については、例えば二酸化炭素の効率的な固定の観点からは特に限定されず、高ければ高いほど好ましい。他方、例えば濃度が8mol/L(25質量%程度に該当)以上になると冬季に配管内で凍結を生じるおそれがあり、インシュレーション、ジャケットヒータ等の設備が必要となる場合がある。また、濃度が1.25mol/L(5質量%程度に該当)以上になると法令上(毒物及び劇物取締法等)の劇物として扱われるため、これに対応する設備が必要となる。第1の溶液の取扱いのしやすさ、装置の仕様等による設備費の増加の抑制を考慮すると、1.1mol/L以下が好ましく、1.0mol/L以下がより好ましい。
 第1の溶液に含まれるアルカリ水酸化物の濃度は、アルカリ金属がナトリウムの場合はJIS K0102:2019(48.2 フレーム原子吸光法)に準拠して、またアルカリ金属がカリウムの場合は、JIS K0102:2019(49.2 フレーム原子吸光法)に準拠して測定される濃度である。
 生成した第1の溶液は、二酸化炭素を含む排ガスと接触させるまでの間タンク等に貯留されていてもよい。あるいは、生成した第1の溶液は、直接、二酸化炭素を含む排ガスと接触させるための設備(後述するスクラバー等)に供給されてもよい。
 本発明において、第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させて第2の溶液を生成する設備は、上記の二酸化炭素を含む排ガスを排出する設備に隣接して設けられることが好ましい。このように設けることにより、排ガスを搬送するための配管の敷設距離を短くすることができるので、工業的に優位である。
(接触)
 第1の工程では、アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させることを要する。接触により、アルカリ金属水酸化物と二酸化炭素との反応、すなわち上記反応式(1)及び(2)が進行し、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩の少なくとも一方のアルカリ金属塩が得られる。
 第1の工程における接触は、第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとの接触、すなわち気液接触となる。接触に用いられる機器としては、気液接触に用いられる機器であれば特に制限なく採用でき、例えばラヒシリング、ポールリング等の各種充填剤が充填された充填塔、シーブトレイ、バブルキャップトレイ等の各種トレイを備える棚段塔等の機器(「スクラバー」とも総称される。)が好ましく挙げられる。このようなスクラバーを採用することで、上記反応式(1)及び(2)の反応が進行しやすくなり、より効率的に二酸化炭素を固定することができる。
 スクラバーを採用する場合、第1の工程における接触は基本的に流通式が採用されることとなる。
 また、スクラバー以外の機器としては、例えば液体を収容できる容器、及び当該容器に気体を供給し得る供給口を備える反応器を用いることもできる。この場合、液体を連続的に供給しかつ排出する流通式を採用してもよいし、液体を容器内に保持して気体を一定時間供給して排出するバッチ式(回分式)を採用してもよい。
 気体を容器に供給する供給口の形式については特に制限はないが、当該容器の底面からバブル状に供給し得る分散ノズル、バブル発生ノズル等の冶具を備えているとよい。気液接触が進行しやすくなるため、上記反応式(1)及び(2)がより進行しやすくなり、効率的に二酸化炭素を固定することができる。また、これと同様の理由により、上記容器は、撹拌機を備えていてもよい。
 接触においては、アルカリ金属炭酸塩(MaCO)をより多くする、すなわち上記反応式(1)の反応をより進行させることが好ましい。後述する反応式(3)及び(4)に示されるように、アルカリ金属炭酸塩(MaCO)を用いた方が、より少ない使用量で炭酸カルシウムとすることができるため、より効率的に二酸化炭素の固定ができるからである。
 上記反応式(1)の反応を(2)の反応よりも優先的に進行させる方法としては、pHの調整、反応温度、反応時間等により調整することができ、pHの調整が最も容易に、かつ確実である。
 pHとしては、好ましくは8.5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは11以上、より更に好ましくは12以上である。pHを上げながら反応させることにより、上記反応式(1)の反応が上記反応式(2)の反応に比べて優先的に進行しやすくなるため、アルカリ金属炭酸塩(MaCO)をより多く得ることができる。
 上記反応式(1)の優先的な進行の観点から、上限としては特に制限はないが、より効率的に上記反応式(1)を優先的に進行させるためには、pHは、好ましくは13.5以下、より好ましくは13以下である。
 pHの調整は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ剤を用いればよい。また必要に応じて塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸等の有機酸を用いてもよい。
 反応温度としては、特に制限はなく、例えば10~80℃の間とすればよく、より効率的に反応を進行させる観点から、好ましくは15~60℃、より好ましくは20~45℃である。
 また、反応時間としては、特に制限なく、例えば10分~1時間の間で行えばよく、より効率的に反応を進行させる観点から、好ましくは15~50分、より好ましくは20~45分である。
 第1の溶液に含まれるアルカリ金属水酸化物に対する第1の溶液に接触させる排ガス中に含まれる二酸化炭素のモル比(二酸化炭素/アルカリ金属水酸化物)は、0.1~1.0であることが好ましく、0.2~0.9であることがより好ましく、0.3~0.8であることが更に好ましい。モル比が上記範囲であると、排ガス中の二酸化炭素を効率的に第1の溶液中に吸収させることができる。また、後述する石膏含有物との反応に十分な濃度とすることができるため、効率的に二酸化炭素を固定することができる。
〔第2の工程〕
 第2の工程は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方を含む第2の溶液と、石膏含有物とを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる工程である。
 第2の工程では、
上記第1の工程で得られるアルカリ金属塩の種類に応じて、すなわちアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩に応じて、以下の反応式(3)及び(4)に示される反応が進行する。
  MaCO+CaSO→CaCO+MaSO4                                                    …(3)
  2MaHCO+CaSO→CaCO+MaSO+CO+HO         …(4)
 反応式(3)、(4)中、Maは、アルカリ金属であり、上記反応式(1)、(2)におけるMaと同じである。
(石膏含有物)
 本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法において用いられる石膏含有物としては、硫酸カルシウム及び硫酸カルシウム水和物の少なくとも一方である石膏を含む含有物であれば特に制限なく用いることが可能である。
 硫酸カルシウム、すなわち無水物のものは、無水石膏と称されるものであり、硫酸カルシウム水和物としては、二水石膏と称される二水和物、半水石膏と称される1/2水和物が挙げられる。本発明の一態様である固定方法においては、これらの無水物及び水和物のいずれを用いることもできる。
 また、無水物については、例えば上記水和物を焼成することで、可溶性無水石膏(「II型無水石膏」とも称される。)、不溶性無水石膏(「II型無水石膏」とも称される。)、更には焼成の仕方等によりα型、β型等の焼石膏も存在するが、本発明の一態様である固定方法においては、これらの無水物のいずれを用いることもできる。
 上記の石膏を含む石膏含有物としては、石膏そのものに加えて、例えば石膏ボード、廃石膏ボード等の石膏を用いた製品又はその廃棄物;排煙脱硫処理の回収物(「排煙脱硫石膏」とも称され、例えば銅精錬等における排煙脱硫処理の際の回収物である。)、フッ酸石膏(フッ化水素を製造する工程で副生する。)、リン酸石膏(湿式リン酸を製造する工程で副生する。)、チタン石膏(酸化チタンを製造する工程で副生する。)、活性ケイ酸石膏(活性ケイ酸を製造する工程で副生する。)等の化学製品の製造過程において副生する副生物等が挙げられる。
 また、例えば都市ごみ等の焼却過程で発生する焼却灰には、無水石膏が含まれている。そのため、焼却灰のような廃棄物も石膏含有物として使用可能である。その他廃棄物としては各種排水処理工程で得られる石膏含有スラッジも石膏含有物として使用可能である。
 このように、本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法において、石膏含有物としては、石膏そのものに加えて、各種廃棄物、各種副生物の中から幅広く採用することができる。
 石膏含有物に含まれる石膏の含有量は、石膏が無水石膏、水和物(二水石膏、半水石膏)のいずれで存在するかによって変わり得るため、また石膏含有物として上記石膏、副生物、廃棄物のいずれを採用するかによっても異なるため、一概にはいえない。
 本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法において、石膏は石膏含有物に少しでも含まれていれば二酸化炭素を固定することはできるが、石膏含有物の使用量を抑制し、効率的に二酸化炭素を固定する観点から、硫酸カルシウム(無水物)としての含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。また効率的に二酸化炭素を固定する観点から、上限についての制限は特になく、入手の容易性を考慮すると、97質量%以下である。
 本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法において用いられる石膏含有物としては、上記石膏含有物の中から適宜選択して用いればよく、石膏を再利用するという工業的な優位性を考慮すると、廃石膏ボード、焼却灰等の各種廃棄物;排煙脱硫石膏、フッ酸石膏、リン酸石膏、チタン石膏、活性ケイ酸石膏等の各種副生物を用いることが好ましく、より効率的に二酸化炭素を固定する観点から、廃石膏ボード、上記各種副生物が好ましく、廃棄物の有効活用の観点から、廃石膏ボードがより好ましい。
 石膏含有物は、固体、又は混合液(スラリー)として、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方を含む第2の溶液と、接触させればよい。
 石膏含有物を固体で第2の溶液と接触させる場合は、取扱いのしやすさを考慮すると、石膏含有物の平均粒径は、10mm以下、1.0mm以下、0.5mm以下とするとよい。また、混合液(スラリー)として第2の溶液と接触させる場合、安定した混合液(スラリー)とする観点から、石膏含有物の粒径を500μm以下程度とするとよい。
 石膏含有物の平均粒径は、ふるい分け法により測定され、JIS Z 8801:2019の規定に準拠した基準ふるいを使用したロータップ式自動ふるい器を使用し、目開きの小さなものから順に重ね合わせて、それぞれのふるい上に残った試料を秤量し、累積50%となる粒径を平均粒径とする。
 石膏含有物は、上記粒径とするため、予めローラミル等の粉砕機を用いて粉砕してもよい。
 また、廃石膏ボードを用いる場合は、予め、表面の壁紙等を除去した上で粉砕されることが好ましい。
 石膏含有物の混合液を用いる場合、媒体は水であることが好ましい。硫酸カルシウムは水に対する溶解性が低いため、混合液は石膏含有物のスラリーとなる。石膏含有物と媒体(水)との混合比(石膏含有物/媒体)は、1:3~1:50の範囲内であることが好ましく、1:5~1:20の範囲内であることがより好ましい。上記混合比とすることにより、石膏含有物と第2の溶液とを接触させやすくなり、より効率的に上記の反応式(3)、(4)の反応を進行させることができる。
(第2の溶液)
 第2の工程での反応に用いられる第2の溶液は、上記第1の工程で得られるアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む溶液である。
 第2の溶液は、上記第1の溶液として水溶液が好ましいこと、また第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させて得られること、を考慮すると、第1の溶液と同様に、水溶液であることが好ましい。水溶液であると、使用する装置等の仕様について特段の配慮が不要となる点、また環境負荷の点でも優位である。
 第2の溶液としては、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む溶液、すなわちアルカリ金属炭酸塩のみを含む溶液、アルカリ金属重炭酸塩のみを含む溶液、またアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩を含む溶液のいずれであってもよいが、既述のように、より効率的に二酸化炭素の固定を図る観点から、上記反応式(1)の反応を(2)の反応よりも優先的に進行させる、すなわちアルカリ金属炭酸塩をより多く含む溶液であることが好ましい。
 既述のように、第2の溶液として、アルカリ金属炭酸塩を含む溶液を得ようとする場合は、pHの調整等により上記反応式(1)の反応を優先的に進行させて行うことができるが、上記反応式(2)も進行し、アルカリ金属重炭酸塩を含む場合がある。すなわち、上記反応式(1)の反応を優先的に進行させようとしても、上記反応式(2)の進行を止めることは実質的には不可能である。そのため、第1の工程で得られる第2の溶液は、実質的にはアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩を含む溶液である、といえる。
 本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法において、第2の溶液におけるアルカリ金属炭酸塩の含有量はいかなる含有量であっても二酸化炭素を固定することは可能であるため特に制限はないが、より効率的に二酸化炭素を固定する観点から、第2の溶液に含まれるアルカリ金属の全量に対する、アルカリ金属炭酸塩となるアルカリ金属の割合は、好ましくは90mol%以上、より好ましくは95mol%以上、更に好ましくは99mol%以上である。
 また上限としては、より効率的に二酸化炭素を固定する観点から、高ければ高いほど好ましく、例えば上記のpHの調整等の手段により比較的容易に調整できることから100mol%としてもよい。
 第2の溶液に含まれるアルカリ金属の濃度は、0.1mol/L以上が好ましく、0.25mol/L以上がより好ましく、0.4mol/L以上が更に好ましい。アルカリ金属の濃度及び炭酸イオンの濃度を上記範囲にすることにより、式(3)、(4)の反応効率を高め、炭酸カルシウムの生成量を増大させることができる。また、石膏含有物として廃石膏ボードを用いる場合には、廃石膏ボードの処理効率を高めることができる。
 これと同様の理由から、第2の溶液に含まれる炭酸イオンの濃度は、0.05mol/L以上が好ましく、0.10mol/L以上がより好ましく、0.25mol/L以上が更に好ましい。
 第2の溶液に含まれるアルカリ金属の濃度の上限としては、二酸化炭素の効率的な固定の観点からは特に限定されず、高ければ高いほど好ましいが、他方装置の仕様等による設備費の増加の抑制を考慮すると、2.0mol/L以下が好ましく、1.5mol/L以下がより好ましく、1.0mol/L以下が更に好ましい。
 また、これと同様の理由から、第2の溶液に含まれる炭酸イオンの濃度の上限としては、1.5mol/L以下が好ましく、1.0mol/L以下がより好ましく、0.5mol/L以上が更に好ましい。
 第2の溶液に含まれるアルカリ金属の濃度は上記第1の溶液に含まれるアルカリ金属の濃度の測定方法と同じ方法により測定することができる。また、第2の溶液に含まれる炭酸イオンの濃度は、全有機炭素(TOC(Total Organic Carbon))測定装置を用いて測定した炭素の濃度から算出した値である。
(接触)
 第2の工程では、第2の溶液と、石膏含有物とを接触させて、炭酸カルシウムが得られる。
 石膏含有物は既述のように固体又は混合液(スラリー)であり、第2の溶液が液体である。よって、第2の溶液と、石膏含有物との接触は、固液接触又は液液接触となる。石膏含有物が固体である場合は第2の溶液中に固体状の石膏含有物を加える、又は固体状の石膏含有物に第2の溶液を加えて混合し、また石膏含有物が混合液(スラリー)である場合は第2の溶液と石膏含有物とを混合して行われる。
 第2の溶液と、石膏含有物との接触の方法としては、より具体的には、石膏含有物を収容する容器に、第2の溶液を供給する方法が好ましく挙げられる。この場合、例えば(ia)容器に所定の濃度の硫酸カルシウムを含む石膏含有物を収容し、硫酸カルシウム濃度に応じて、所定量の第2の溶液を供給する方法、(ib)上記(ia)とは逆に、容器に所定量の第2の溶液を収容して、硫酸カルシウムを含む石膏含有物を供給する方法、(ii)石膏含有物と第2の溶液とが所定の比率を満たすように、石膏含有物及び第2の溶液を容器に連続的または間欠的に供給する方法、がある。上記(ia)、(ib)及び(ii)の方法は、石膏含有物が固体、混合液(スラリー)のいずれであっても適用可能である。
 第2の溶液と、石膏含有物との接触には、例えば石膏含有物を収納できる容器、及び第2の溶液を供給できる供給口を備える反応器、あるいは、第2の溶液を収納できる容器、及び石膏含有物を供給できる供給口を備える反応器を用いることができる。
 第2の溶液を供給できる供給口は、第2の溶液の供給の方法に応じた供給手段を備えていることが好ましい。例えば第2の供給を滴下して行う場合は滴下用ノズルを備えているとよい。また、流量調整手段を備えているとよい。石膏含有物を混合液(スラリー)として供給する場合も、第2の液体と同様である。
 第2の溶液と、石膏含有物との接触に用いられる反応器は、第2の溶液と、石膏含有物との接触を進行させて、より効率的に上記反応式(3)及び(4)を進行させるため、撹拌機を備えていることが好ましい。
 第2の溶液と、石膏含有物との接触は、流通式を採用してもよいし、またバッチ式(回分式)を採用してもよい。上記(ia)及び(ib)は基本的にはバッチ式(回分式)となるが、例えば容器内の石膏含有物が第2の溶液との接触により消失するたびに石膏含有物を供給すれば流通式のようにして行うこともできる。
 第2の工程における接触の形式については、上記第1の工程における接触の形式も考慮の上、例えば本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法を実施し得る敷地面積、生産効率に関する要望、その他の諸事情を総合的に勘案して決定すればよい。
 石膏含有物に含まれる硫酸カルシウム(CaSO)に対する第2の溶液に含まれる炭酸イオンのモル比(炭酸イオン/硫酸カルシウム)は、上記反応式(3)より、少なくとも1.0以上とすることが好ましい。また、上限としては、炭酸イオンを硫酸カルシウムに対して過剰に供給して効率的に反応式(3)の反応を進行させる観点から、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
 また、石膏含有物に含まれる硫酸カルシウム(CaSO)に対する第2の溶液に含まれる炭酸水素イオンのモル比(炭酸水素イオン/硫酸カルシウム)は、上記反応式(4)より、少なくとも2.0以上とすることが好ましく、より好ましくは2.3以上、更に好ましくは2.5以上である。また、上限としては、炭酸イオンを硫酸カルシウムに対して過剰に供給して効率的に反応式(4)の反応を進行させる観点から、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下、更に好ましくは3.0以下である。
 第2の工程における上記接触により生じる反応の反応温度としては、特に制限はなく、例えば10~80℃の間とすればよく、より効率的に反応を進行させる観点から、好ましくは15~60℃、より好ましくは20~45℃である。
 また、反応時間としては、特に制限なく、例えば10分~1時間の間で行えばよく、より効率的に反応を進行させる観点から、好ましくは15~50分、より好ましくは20~45分である。
(炭酸カルシウム)
 第2の工程により炭酸カルシウムが生成する。第2の工程により生成する炭酸カルシウムは、水に対して難溶性であるため、炭酸カルシウムは沈殿物となる。本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法において、沈殿した炭酸カルシウムを回収してもよい。炭酸カルシウムの回収は、例えばデカンテーション、ろ過等により行うことができ、更に加熱による乾燥を行ってもよい。
 回収した炭酸カルシウムは、セメント用組成物、モルタル及びコンクリート用の材料、フィラー、建材等に利用することができる。
 本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法では、ガスに含まれる二酸化炭素、より具体的には、例えば発電所、焼却炉、工場設備等の各種設備から発生する排ガス等に含まれる二酸化炭素は、炭酸カルシウムとして固定される。炭酸カルシウムは、上記のように有価物であることから、本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法は、単に二酸化炭素を固定するだけにとどまらず、付加価値を与え得る固定方法といえる。また、石膏含有物として廃石膏ボード等の廃棄物、フッ酸石膏等の副生物を用いることで、これらの廃棄物、副生物を廃棄することなく有効に再利用できるというメリットもある。
 本発明の一態様である二酸化炭素の固定方法は、効率的に二酸化炭素を固定し得る方法であるが、さらに経済的な付加価値を与えるだけでなく、廃棄物、副生物を減らすという面からも環境負荷を低減するという副次的な効果も得られる。
〔炭酸カルシウムの製造方法〕
 本発明の一態様は、
 アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び
 前記第2の溶液と石膏含有物とを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、
を含む、
炭酸カルシウムの製造方法である。
 本発明の一態様である炭酸カルシウムの製造方法において、第1の工程及び第2の工程は、上記二酸化炭素の固定方法で説明した内容と同じである。
 上記二酸化炭素の固定方法で説明したように、第1の工程及び第2の工程により、効率的に二酸化炭素を固定することができるが、二酸化炭素を固定することにより炭酸カルシウムが得られることから、効率的な二酸化炭素の固定することは、効率的な炭酸カルシウムの製造を意味する。よって、本発明の一態様である炭酸カルシウムの製造方法によれば、効率的に炭酸カルシウムを製造することが可能となる。
 本発明の一態様である炭酸カルシウムの製造方法によれば、炭酸カルシウムの収率を、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、99質量%以上、99.5質量%以上、さらには100質量%とし得る。炭酸カルシウムは、上記第2の工程における接触の際の温度、すなわち第2の溶液の温度における溶解度分が第2の溶液に残存する可能性はあるが、それ以外は炭酸カルシウムとして沈殿し、回収し得る。ここで、炭酸カルシウムの収率は、石膏含有物により供給されるカルシウム(Ca)量に対する、炭酸カルシウム中のカルシウム(Ca)量の質量比である。
 このように、本発明の一態様である炭酸カルシウムの製造方法によれば、効率的に炭酸カルシウムを製造することが可能であるといえる。
 また、本発明の一態様である炭酸カルシウムの製造方法によれば、効率的に炭酸カルシウムを製造できるだけにとどまらず、排ガス等に含まれる二酸化炭素を固定できることから環境改善に寄与するものであり、また石膏含有物として廃石膏ボード等の廃棄物、フッ酸石膏等の副生物を用いることで、これらの廃棄物、副生物を廃棄することなく有効に再利用でき、かつ環境改善に寄与するというメリットもある。
〔廃石膏ボードの利用方法〕
 本発明の一態様は、
アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる工程、及び
 前記第2の溶液と廃石膏ボードとを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる工程、
を含む、
廃石膏ボードの利用方法である。
 本発明の一態様である廃石膏ボードの利用方法において、第1の工程及び第2の工程は、上記二酸化炭素の固定方法で説明した内容と同じであり、当該第2の工程において、石膏含有物として廃石膏ボードが採用される。
 上記二酸化炭素の固定方法で説明したように、第1の工程及び第2の工程により、効率的に二酸化炭素を固定することができ、石膏含有物として廃棄物である廃石膏ボードを用いても二酸化炭素を固定することにより炭酸カルシウムが得られる。
 廃石膏ボードを廃棄する場合、産業廃棄物として廃棄する必要があるため、廃棄するだけでも費用がかかるところ、本発明の一態様である廃石膏ボードの利用方法によれば、廃石膏ボードの廃棄量を削減し、かつ有価物となる炭酸カルシウムを製造することが可能となる。このような廃石膏ボードの利用方法は、従来知られた方法ではない、新たな利用方法である。そして、新たな利用方法というだけでなく、経済的な付加価値を与えることができ、また二酸化炭素を固定でき、かつ廃棄物を低減できることから環境改善に大きく寄与するものである。
[実施例1]
 セメント工場から排出される排ガスを模擬して、Nガス80体積%、COガス20体積%の割合で混合した模擬排ガスを製造した。
 第1の溶液として、水道水を溶媒とし、水酸化ナトリウム(NaOH、20質量%、特級試薬、関東化学株式会社製)を用いて水酸化ナトリウム溶液(0.5N)を準備した。この水酸化ナトリウム溶液1Lを、二酸化炭素を含むガスを供給できる供給口を、その下部に有する容器内に貯留し、当該供給口から上記の模擬排ガス(N:80体積%、CO:20体積%)を2L/minの流通速度で、30分間通気した。通気の過程で、容器内の溶液のpHは11であり、炭酸ナトリウム(NaCO)を含む第2の溶液を得た。得られた第2の溶液中のナトリウム濃度は0.5mol/Lであり、炭酸イオン濃度0.25mol/Lであった。
 炭酸イオン含有量が1molに相当する量を含む第2の溶液(4L)を、二水石膏粉末1mol(平均粒径:0.5mm)を収容した容器内に一度に添加し、20℃にて30分間撹拌した。撹拌後に反応液を濾過し、回収物を乾燥させた。
 上記第2の溶液に含まれるアルカリ金属塩が炭酸ナトリウムであるか、炭酸水素ナトリウムであるかの確認のため、第2の溶液の一部について、加熱して得られた粉末を、以下の方法によりX線回折測定を行った。また、上記乾燥により得られた回収物についても、同様にしてX線回折測定を行った。
(X線回折測定)
 粉末X線回析装置(「X’pert Pro」(商品名)、パナリティカル社製)を用い、測定条件を、以下の条件として測定した。
 測定範囲:2θ=10~70°
 ステップサイズ:0.01°
 スキャンスピード:0.05°/s
 電圧:45kV
 電流:40mA
 X線回折測定により得られたX線回折プロファイルから物質同定を行った結果、上記第2の溶液に含まれるアルカリ金属塩は、大半が炭酸ナトリウム(約99.5mol%)であることが確認された。上記乾燥により得られた回収物についても、これと同様に物質同定を行った結果、全量が炭酸カルシウムであることが確認された。また、炭酸カルシウムの収率は、100%であった。
[実施例2]
 水酸化ナトリウム溶液(0.5N)1Lに、模擬排ガス(N:80体積%、CO:20体積%)を2L/minの流通速度で、45分間通気したこと、またpHを10に調整したこと以外は、実施例1と同様にして、第2の溶液を得た。得られた第2の溶液は、ナトリウム濃度は0.5mol/L、炭酸イオン濃度0.34mol/Lであった。得られた第2の溶液の一部を採取し、上記の方法により第2の溶液に溶解する溶解物を同定したところ、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとが半々(各々50mol%)であることが確認された。
 炭酸イオン含有量が1molに相当する量の第2の溶液(2.94L)を、二水石膏粉末1mol(粒径:0.5mm以下)を収容した容器内に一度に添加し、20℃にて30分間撹拌した。撹拌後に反応液を濾過し、回収物を乾燥させた。
 実施例1と同様の条件で、実施例2の回収物についてX線回折測定を行い、X線回折プロファイルを得た。X線回折プロファイルから物質同定を行った結果、得られた回収物の全量が炭酸カルシウムであることが確認された。また、炭酸カルシウムの収率は、100%であった。
[実施例3]
 石膏含有物として、廃石膏ボードを準備した。廃石膏ボード表面の壁紙を剥離し、粉砕した。粉砕した廃石膏ボードを、篩で分級し、5mm以下の粉末を回収した。
 得られた廃石膏ボード粉末中の硫酸カルシウムの含有量は、93質量%であった。なお、廃石膏ボード中の硫酸カルシウムの含有量は、JIS R 9101:2018「せっこうの化学分析方法」により準拠して測定した。
 廃石膏ボード粉末(硫酸カルシウム1mol相当)を容器に収容した。実施例1と同じ第2の溶液を、炭酸イオン含有量が1molに相当する量で、上記容器内に一度に添加し、20℃にて30分間撹拌した。撹拌後に反応液を濾過し、回収物を乾燥させた。
 実施例1と同様の条件で、実施例3の回収物についてX線回折測定を行い、X線回折プロファイルを得た。X線回折プロファイルから物質同定を行った結果、得られた回収物の全量が炭酸カルシウムであることが確認された。また、炭酸カルシウムの収率は、100%であった。

Claims (11)

  1.  アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩の少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び
     前記第2の溶液と石膏含有物とを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、を含む、二酸化炭素の固定方法。
  2.  前記第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとの接触を、pH8.5以上13.5以下で行う請求項1に記載の二酸化炭素の固定方法。
  3.  前記石膏含有物に含まれる石膏の含有量が、硫酸カルシウムとして1質量%以上である請求項1又は2に記載の二酸化炭素の固定方法。
  4.  前記石膏含有物が、廃石膏ボードである、請求項1~3のいずれか1項に記載の二酸化炭素の固定方法。
  5.  アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び
     前記第2の溶液と石膏含有物とを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、を含む、炭酸カルシウムの製造方法。
  6.  前記第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとの接触を、pH8.5以上13.5以下で行う請求項5に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
  7.  前記石膏含有物に含まれる石膏の含有量が、硫酸カルシウムとして1質量%以上である請求項1又は2に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
  8.  前記石膏含有物が、廃石膏ボードである、請求項5~7のいずれか1項に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
  9.  アルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとを接触させ、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩のうち少なくとも一方のアルカリ金属塩を含む第2の溶液を生成させる第1の工程、及び
     前記第2の溶液と廃石膏ボードとを接触させ、炭酸カルシウムを生成させる第2の工程、を含む、廃石膏ボードの利用方法。
  10.  前記第1の溶液と二酸化炭素を含むガスとの接触を、pH8.5以上13.5以下で行う請求項9に記載の廃石膏ボードの利用方法。
  11.  前記廃石膏ボードに含まれる石膏の含有量が、硫酸カルシウムとして1質量%以上である請求項10又は11に記載の廃石膏ボードの利用方法。

     
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