JP7069892B2 - 水素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素の製造方法に関する。
現代社会のエネルギー利用は化石燃料に依存しているが、資源の枯渇や地球温暖化の問題から、化石燃料の消費を減らし、循環型社会を構築することが課題となっている。循環型社会構築のため、水素エネルギーの利活用が様々な分野で検討されており、実用化に向けて水素の製造費用の低減が求められている。
現時点において、ナフサやLNG(液化天然ガス)などの化石燃料の過熱水蒸気処理が最も安価な水素製造方法であり、石油精製工程、水素ステーションあるいはエネファームなどで実用化されている。しかし、この製造方法は化石燃料を消費するため、水素を循環型エネルギーとして利用しているとは言えない。
また、木質バイオマス燃料をはじめ、活性汚泥、農業用残渣、および食品残渣など様々な分野で発生する炭素化合物が循環型資源として着目されており、水素製造の原料として将来期待されている。
過熱水蒸気処理により発生するガスは水素のみならずメタン、一酸化炭素、および二酸化炭素なども発生する。二酸化炭素は、炭素化合物中の酸素濃度が高いほど発生量が増加し、発生ガス中の水素濃度を低下させる原因となる。
バイオマス燃料は酸素を含んだ品種が多く、過熱水蒸気処理においては、二酸化炭素の発生量を抑えることが課題として挙げられる。二酸化炭素を低減する方法として、触媒として消石灰を用いることで二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定させる方法が広く知られている。しかし、この方法では発生した炭酸カルシウムを再利用する場合、焼成により生石灰へ変化させるなどの工程が必要となり費用が増大する。
また、製鋼スラグのリサイクルは鉄鋼メーカーの共通課題となっている。特許文献1、2および非特許文献1には、このような製鋼スラグのリサイクルに関する技術が開示されている。
特開2011‐242000号公報(2011年12月1日公開) 特許第5640415号(2014年11月7日登録)
高温学会誌,33(2007),p187
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術では、製鋼スラグなどのフッ素含有廃棄物からフッ素を除去し、当該フッ素を回収することを主な目的としており、水素を安価に製造する観点については何も開示されていないという問題点がある。
上述の特許文献2に記載の技術では、水素製造を目的に高温凝固スラグと天然ガスを用いた水蒸気改質が実施されているが、化石燃料を用いるため水素を循環型エネルギーとして利用できない問題がある。
上述の非特許文献1に記載の技術では、水素製造を目的に炭素含有物を超臨界水と反応させるプロセスを検討しており、触媒として用いる消石灰や水酸化カリウムの代替として転炉スラグが利用可能であることを明らかにしている。この技術は安価な転炉スラグを用いることで触媒費用を低減できるメリットを有するが、反応後残渣の有用なリサイクル方法が見出せていない問題がある。また、高温高圧に処理するため、効率的に連続処理することが困難な問題もある。
本発明の一態様は、製造費用を低減しつつ水素を回収し、農業用に好適な肥料を得ることができる水素の製造方法を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る水素の製造方法は、炭素化合物と製鋼スラグとを混合し、その混合物に500℃以上の過熱水蒸気を常圧にて接触させることで水素を発生させて、当該水素を回収するとともに、上記水素を発生させた後の残りの残渣物を農業用の肥料として得る方法である。
上記方法によれば、炭素化合物と製鋼スラグとを混合し、その混合物に500℃以上の過熱水蒸気を常圧にて接触させることで水素を発生させて、当該水素を回収する。「常圧にて接触させる」とは、竹チップと転炉スラグとの混合物を過熱水蒸気に接触させるときに、意図的に加圧しないという意味である。安価な製鋼スラグを触媒として用いているので、製造費用を低減しつつ水素を発生させることができる。また、反応系を加圧することなく常圧にて混合物に過熱水蒸気を接触させるため、加圧装置などの付加的な設備を設ける必要がないため、製造費用を低減しつつ水素を発生させることができる。また、上記方法によれば、水素を発生させた後の残りの残渣物を農業用の肥料として利用できる。製鋼スラグは、栄養源としてCa以外にFe、MnおよびPを含んでおり、pH調整の持続性も高いため、元来、肥料として好適な材料である。このため、農業用に好適な肥料を得ることができる。以上により、製造費用を低減しつつ水素を回収し、農業用に好適な肥料を得ることができる。
また、本発明の一態様に係る水素の製造方法は、上記炭素化合物が、木質バイオマス、廃プラスチック、活性汚泥、食品残渣、および農業残渣の中から選ばれる1種以上であっても良い。上記方法によれば、炭素化合物を安価な材料で構成することができるため、製造費用をより低減しつつ水素を発生させることができる。
また、本発明の一態様に係る水素の製造方法は、上記炭素化合物および上記製鋼スラグのそれぞれの粒径が5.0mm以下であることが好ましい。炭素化合物および製鋼スラグのそれぞれの粒径が小さい程、反応面積が大きくなるため、粒径を5.0mm以下とすることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る水素の製造方法は、上記木質バイオマスが竹を粉砕したものであっても良い。昨今西日本では、放置竹による竹林の面積が増加し、竹林以外の森林への浸食が問題となっている。従って、木質バイオマスとして竹を用いることで、このような問題を解決することができる。
本発明の一態様によれば、製造費用を低減しつつ水素を回収し、農業用に好適な肥料を得ることができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態に係るガス発生装置の概要構成を示す模式図である。 本発明の実施の一形態に係るコ・ジェネレーションシステムの概要構成を示す模式図である。 試験に用いた試験装置の概要構成を示す模式図である。 (a)は、試験に用いた転炉スラグの化学成分(質量%)を示す図であり、(b)は、試験に用いた各試料の重量を示す図であり、(c)は、試験結果を示す図である。 (a)は、各触媒による発生ガス量を比較した図であり、(b)は、転炉スラグ重量と各気体の発生ガス濃度との関係、および転炉スラグ重量と各気体のガス発生量との関係を示す図である。 スラグおよび過熱水蒸気処理後のサンプルのX線回折スペクトルを示す図である。
〔ガス発生装置について〕
図1は、本発明の実施の一形態に係るガス発生装置10の概要構成を示す模式図である。同図に示すように、ガス発生装置10は、投入口1、スクリューコンベア2、ブロア3、スクリューコンベア4、投入口5、反応炉6、導入管12、スクリューコンベア13および排熱口14を備える。
投入口1からは、竹チップ(炭素化合物)7および転炉スラグ(製鋼スラグ)8が投入される。なお、本実施形態では、炭素化合物の例として竹チップ7を用いる形態を示したが、炭素化合物としてはその他、竹チップ7以外の木質バイオマス、廃プラスチック、活性汚泥、食品残渣、および農業残渣の中から選ばれる1種以上であっても良い。これにより、炭素化合物を安価な材料で構成することができるため、後述するように、製造費用をより低減しつつ水素を発生させることができる。
また、本実施形態では、製鋼スラグの例として転炉スラグ8を用いる形態を示したが、製鋼スラグとしてはその他、溶銑予備処理スラグ、電気炉スラグ、および二次精錬スラグ等を利用することができる。
なお、竹チップ7および転炉スラグ8のそれぞれの粒径は、5.0mm以下であることが好ましい。竹チップ7および転炉スラグ8のそれぞれの粒径が小さい程、反応面積が大きくなるため、粒径を5.0mm以下とすることが好ましい。
スクリューコンベア2は、水平方向に延伸する回転軸2bと、回転軸2bの周囲に螺旋状に配置された搬送羽根2cと、回転軸2bを回転させるモーター2aと、を備える。なお、本実施形態では、竹チップ7と転炉スラグ8との混合物を攪拌しつつ搬送する装置としてスクリューコンベアを用いる例を示したが、スクリューコンベアに替えてロータリーキルンを用いても良い。
投入口1から投入された竹チップ7および転炉スラグ8は、搬送羽根2cの回転により混合されつつ、紙面に対して右側から左側に搬送され、左側の端部に形成された孔から使用済み原料(肥料11)として排出される。スクリューコンベア2の中央上部には、水18または水蒸気19を導入する導入管12が設けられており、この導入管12を介して反応炉6の内部に水18または水蒸気19が流入される。スクリューコンベア2の内部の温度制御性を向上するため、水蒸気19を予め加熱し、過熱水蒸気としてスクリューコンベア2の内部へ導入しても良い。ブロア3は、上側から冷空気を流入させ、左右向きの矢印に示す方向に冷空気を流す機能を有する。
投入口5からは木質バイオマスとしての竹チップ7が投入される。スクリューコンベア4は、スクリューコンベア2と同様の構造を有しており、水平方向に延伸する回転軸4bと、回転軸4bの周囲に螺旋状に配置された搬送羽根4cと、回転軸4bを回転させるモーター4aと、を備える。投入口5から投入された竹チップ7は、搬送羽根4cの回転により、紙面に対して右側から左側に搬送され、反応炉6の内部に搬送される。
投入口5から投入される燃料は、竹チップ7に限定されず、反応炉6の内部の温度を500℃~1000℃に維持できる燃料であれば、どのような燃料であってもよい。
反応炉6の内部においては竹チップ7を燃焼させ、その温度が500℃~1000℃に維持される。この熱によりスクリューコンベア2の内部に導入された水18または水蒸気19は過熱水蒸気と成り、過熱水蒸気はスクリューコンベア2の内部に存在している竹チップ7と転炉スラグ8との混合物と接触する。この混合物に接触する過熱水蒸気の温度は、少なくとも500℃以上である。この過熱水蒸気が上記混合物と接触することにより、水素(H)の他、CH(メタン)、CO(一酸化炭素)およびCO(二酸化炭素)などが発生する。
転炉スラグ8中のCaO(酸化カルシウム)などが、上記混合物から生成されるCO(二酸化炭素)と反応し、CaCO(炭酸カルシウム)を生成するため、発生ガス中のCOの濃度が低減される。
燃焼した竹チップ7は竹灰として残り、スクリューコンベア2の下部に設置された別のスクリューコンベア13により、左側から右側に搬送されて排出される。スクリューコンベア13は、スクリューコンベア2と同様の構造を有しており、水平方向に延伸する回転軸13bと、回転軸13bの周囲に螺旋状に配置された搬送羽根13cと、回転軸13bを回転させるモーター13aと、を備える。排熱口14からは熱が排熱される。
以上で説明した方法では、竹チップ7と転炉スラグ8との混合物を攪拌させつつ過熱水蒸気を接触させている。これにより、連続処理が可能となる。
〔コ・ジェネレーションシステムについて〕
図2は、本発明の実施の一形態に係るコ・ジェネレーションシステム100の概要構成を示す模式図である。同図に示すように、コ・ジェネレーションシステム100は、上述したガス発生装置10、燃料電池15および水素分離器16を備える。
放置竹林より竹を伐採し、粉砕して竹チップ7とする。昨今西日本では、放置竹による竹林の面積が増加し、竹林以外の森林への浸食が問題となっている。従って、木質バイオマスとして竹を用いることで、このような問題を解決することができる。
竹チップ7の一部は、燃焼に用いられ、その熱によりガス発生装置10の反応炉6が加熱される。このとき、竹チップ7の燃焼により発生したCOは、適宜ばい塵を除去した後、有機栽培(植物成長促進)において光合成促進のために利用される。
反応炉6には、竹チップ7の残りの一部、転炉スラグ8、および水20が投入される。反応炉6の内部に投入された水20は、竹チップ7の燃焼による加熱により過熱水蒸気となる。これにより、竹チップ7と転炉スラグ8との混合物に過熱水蒸気が接触する。
反応炉6の内部では、竹チップ7と転炉スラグ8との混合物と、過熱水蒸気(500℃以上)とが接触することにより、水素の他、COやCHが発生し、これらの気体は、燃料電池15の燃料となる。燃料電池15の電力は、有機栽培において照明21に用いられ、この照明光により農産物の光合成が促進される。
反応炉6から排出される使用済み原料(残渣物)は、農産物の肥料11として活用される。反応炉6から発生する熱は、ハウス栽培の温度調整のために上述した排熱口14から排熱される。また、反応炉6には、水素分離器16が接続されている。水素分離器16は、反応炉6の内部で生成された気体から水素を分離する装置であり、分離方法として水素分離膜などが用いられる。これにより水素が回収されて貯蔵・販売が行われる。
上記方法によれば、竹チップ7と転炉スラグ8とを混合し、その混合物に500℃以上の過熱水蒸気を常圧にて接触させることで水素を発生させて回収する。安価な転炉スラグ8を触媒として用いているので、製造費用を低減しつつ水素を発生させることができる。「常圧にて接触させる」とは、竹チップ7と転炉スラグ8との混合物を過熱水蒸気に接触させるときに、意図的に加圧しないという意味である。
また、反応系を加圧することなく常圧にて混合物に過熱水蒸気を接触させるため、加圧のための装置などの付加的な設備を設ける必要がない。そのため、製造費用を低減しつつ水素を発生させることができる。また、上記方法によれば、水素を発生させた後の残りの残渣物(反応後の竹チップ7と転炉スラグ8との混合物)を農業用の肥料11として利用できる。転炉スラグ8は、栄養源としてCa以外にFe、Mn、およびPを含んでおり、pH調整の持続性も高いため、元来、肥料11として好適な材料である。竹チップ7に含まれているKおよびPは植物の重要な栄養源であり、肥料11に残留するため肥料11の施肥効果を高める。このため、農業用に好適な肥料11を得ることができる。以上により、製造費用を低減しつつ水素を回収し、農業用に好適な肥料11を得ることができる。
〔転炉スラグと竹チップを用いた水素生成試験〕
水素生成挙動に及ぼす影響因子(混合比等)を把握するため、図3に示す試験装置30を用意して試験を行った。以下、この試験方法およびその結果について説明する。同図に示すように、試験装置30は、流量調整器31、冷却トラップパージライン32、送液ポンプ33、反応管34、熱電対35、電気炉36A、電気炉36Bおよびリボンヒーター37等を備える。
反応管34の内部には、試料39が設置される。また、純水38は、送液ポンプ33により反応管34の内部に導入される。流量調整器31は、Heの流量を調整する。冷却トラップパージライン32には、流量調整器31によって流量が調整された冷却用のHeが導入される。熱電対35は、反応管34の内部の温度を計測するためのものである。リボンヒーター37は、反応管34の内部の温度を調整するためのものである。
電気炉36Aは、反応管34の一部を約550℃に加熱し、電気炉36Bは、反応管34の試料39が設置された付近を約700℃に加熱している。これにより、試料39に過熱水蒸気が接触し、水素の他、COやCHなどの各ガスが発生し、これらの気体が回収され、ガスクロマトグラフィー分析が行われる。
試験は、下記(1)~(5)の手順で行った。
(1)まず、反応管34内に試料39を設置し、Heガスを導入(管内をHe置換)した。
(2)次に、反応管34内の加熱と同時に純水38を連続導入(0.14ml/min)した。
(3)次に、30℃/minで700℃まで加熱し、700℃で20分間保持した。
(4)次に、加熱開始から終了までの発生ガスをテドラーバックに回収した。
(5)次に、分析結果からHe分を除き、発生ガスの組成と体積を算出した。
図4の(a)は、試験に用いた転炉スラグの化学成分(質量%)を示す図である。同図に示すように、転炉スラグ中には、CaOが46・3重量%、SiOが17.8重量%、Alが4.23重量%、MgOが、4.00重量%、T.Fe(全鉄量)が13.2重量%、f‐CaO(遊離酸化カルシウム)が4.0重量%を含まれている。
次に、図4の(b)は、試験に用いた各試料の重量(g)を示す図である。条件A、BおよびCの条件では竹と転炉スラグの粒径を250μm以下に調整したものを用いた。条件A(実施例)では、竹を0.5g、スラグを1.0g使用した。条件B(実施例)では、条件Aと比較してスラグの重量を0.5g増加させて1.5gとした。条件C(比較例)では、竹0.5gを使用し、スラグを投入していない。条件Dでは試料粒径の影響を見るため、竹と転炉スラグの粒径を10mm以下に調整し、竹を0.5g、スラグを1.0g使用した。
次に、図4の(c)は、試験結果を示す図である。条件Aでは、Hガスの発生ガス濃度は、51vol%となり、発生ガス量は、5.8mmolとなった。条件Aにおける水素発生率は、14%である。条件Bでは、Hガスの発生ガス濃度は、52vol%となり、発生ガス量は、7.2mmolとなった。条件Bにおける水素発生率は、17%である。ここで、水素発生率は、理想的なHの発生量(mol)に対する実際のHの発生量(mol)の割合である。また、理想的なHの発生量とは、原料中の炭素原子数の2倍の物質量であり、下記に示す炭素と水分子が全て水素と二酸化炭素に変化すると仮定した反応式(C+2HO→2H+CO)をもとに設定した。
条件Cでは、Hガスの発生ガス濃度は、38vol%となり、発生ガス量は、2.5mmolとなった。条件Cにおける水素発生率は、6%である。これらの試験結果より、スラグ無しの場合(条件C)と比較してスラグ有りの場合(条件A,B)の方が、水素発生率が高いことが分かる。
条件Dでは、Hガスの発生ガス濃度は、40vol%となり、発生ガス量は、2.9mmolとなった。条件Dにおける水素発生率は、7%である。なお、同一試料重量では粒径を250μm以下に調整した場合(条件A)よりも、粒径を10mm以下に調整した場合(条件D)の方がHガス発生量および水素発生率が共に低い。Hガス発生量および水素発生率に粒径が影響していると考えられる。
次に、図5の(a)は、条件D以外の条件について各触媒による発生ガス量を比較した図である。同図では、触媒として、転炉スラグ0g、転炉スラグ1.0g、転炉スラグ1.5gのそれぞれを使用した場合の各気体のガス発生量を示している。
図5の(b)は、条件D以外の条件について転炉スラグ重量と各気体の発生ガス濃度との関係、および転炉スラグ重量と各気体のガス発生量との関係を示す図である。この図より、追加する転炉スラグの量が多い程、Hガスの発生量が高くなることが分かる。スラグは水素生成の促進効果を有していると考えられる。なお、その他、追加する転炉スラグの量が多い程、COガスの発生ガス濃度は低くなっている。また、追加する転炉スラグの量が多い程、COガスの発生量は高くなっている。
次に、図6は、スラグおよび過熱水蒸気処理後のサンプルのX線回折スペクトルを示す図である。試験前後のサンプルについてX線回折を行い、水素生成挙動に及ぼすCa存在形態の影響を検討した。転炉スラグ中のCa系主要鉱物は、2CaO・SiO、Ca(OH)等である。スラグ有りの条件Aでは、試験前のスラグに比べCa(OH)およびCaOの回折強度が減少し、CaCOの強度が増加した。このことから、スラグを添加した条件では過熱水蒸気処理により以下の反応が生じたと考えられる。
C+2HO+CaO→CaCO+2H
C+HO+Ca(OH)→CaCO+2H
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
7 竹チップ(炭素化合物)
8 転炉スラグ(製鋼スラグ)
11 肥料

Claims (4)

  1. 炭素化合物と製鋼スラグとを混合し、その混合物に500℃以上の過熱水蒸気を常圧にて接触させることで水素を発生させて、当該水素を回収するとともに、上記水素を発生させた後の残りの残渣物を農業用の肥料として得ることを特徴とする水素の製造方法。
  2. 上記炭素化合物が、木質バイオマス、廃プラスチック、活性汚泥、食品残渣、および農業残渣の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の水素の製造方法。
  3. 上記炭素化合物および上記製鋼スラグのそれぞれの粒径が5.0mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の水素の製造方法。
  4. 上記木質バイオマスが竹を粉砕したものであることを特徴とする請求項2に記載の水素の製造方法。
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