JP2022037467A - シート矯正手段を備える積層装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アライメントステージ上におけるシートを損傷させることなく、シートの変形を防止することができるシート矯正手段を備える積層装置を提供する。【解決手段】複数枚のシートSを積層する積層装置100であって、アライメントステージ11と、アライメントステージ11に対してシートSを相対的に移動させるシート移動手段と、アライメントステージ11上に載置されたシートSのS位置合せを行うアライメント手段10と、を備え、シート移動手段は、アライメントステージ11との間にシートSを挟持するシート矯正板22を備えるシート矯正手段20を含み、シート矯正板22の荷重WをシートSに負荷した状態で、シート矯正板22をアライメントステージ11の動きに追従させる。これにより、シート矯正板22,122の荷重Wにより、上方からの押圧力をシートSに負荷するため、シートSの変形を矯正できる。【選択図】図4

Description

本発明は、特に、アライメントステージとの間にシートを挟持するシート矯正手段を備える積層装置に関する。
積層装置は、電子部品を構成する複数枚のシートを積層するものであり、アライメント手段と、積層手段とを備える。このアライメント手段は、積層手段によってシートが積層される前に、各シートの位置合わせを行うことより、形成される積層体の各シート同士のずれを抑制している。
例えば、特許文献1には、アライメント手段において、シートをアライメントステージ上に載置した後、シートのアライメントマークの位置情報に基づき、アライメントステージを移動させ、シートの位置合わせを行い、積層体を形成するものが記載されている。
特開2000-173859号公報
近年、このように形成される積層体には、小型化及び低背化が要望されているため、積層されるシート自体の薄化が行われている。この薄化されたシートは、剛性が比較的低いため、特許文献1のように、単に、シートをアライメントステージ上に載置すると、シートには、外周縁に沿った垂直方向の浮きや、中央部の垂直方向のヨレや、アライメントステージ面内の歪みなどの変形が生じるおそれがあった。
さらに、この状態において、アライメントステージにシートを吸着する場合には、シートが、不可逆的に生じた皺によりシートが損傷するだけなく、シートの全面をアライメントステージに密着させることが困難となるおそれがあった。この結果、シート上に設けられたアライメントマークの位置を適切に認識できないため、シートの位置合わせにおける精度が著しく低下し、積層体の各シート同士にずれが生じることを抑制することができないという問題が生じていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、アライメントステージ上におけるシートを損傷させることなく、シートの変形を防止することができるシート矯正手段を備える積層装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の一態様は、複数枚のシートを積層する積層装置であって、アライメントステージと、前記アライメントステージに対して前記シートを相対的に移動させるシート移動手段と、前記アライメントステージ上に載置された前記シートの位置合せを行うアライメント手段と、前記シート移動手段は、前記アライメントステージとの間に前記シートを挟持するシート矯正板を備えるシート矯正手段を含み、前記シート矯正板の荷重を前記シートに負荷した状態で、前記シート矯正板を前記アライメントステージの動きに追従させることを特徴とするものである。
また、上記積層装置であって、前記シート矯正手段は、付勢部材を有し、前記シート矯正板の荷重に加え、前記付勢部材の付勢力を、シートに負荷するものとしてもよい。
また、上記積層装置であって、前記シート矯正手段は、フローティング機構をさらに備え、前記シート矯正板は、前記フローティング機構と一体的に接続されているものとしてもよい。
また、上記積層装置であって、前記シート矯正手段は、フローティング機構と、前記シート矯正板と前記フローティング機構とを着脱自在に接続する矯正板ロック機構と、をさらに備えるものとしてもよい。
また、上記積層装置であって、前記シート矯正手段は、前記フローティング機構を固定状態及び解除状態とするフローティングロック機構を備えるものとしてもよい。
また、上記積層装置であって、前記シート移動手段は、アライメントステージ上から回収対象のシートを回収するシート回収手段としてもよい。
また、上記積層装置であって、前記シート移動手段は、アライメントステージ上へとシートを供給するシート供給手段としてもよい。
本発明によれば、アライメントステージ上におけるシートを損傷させることなく、シートの変形を防止することができるシート矯正手段を備える積層装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る積層装置を示す平面模式図である。 図1に示されるアライメント手段及びシート矯正手段を示す正面模式図であり、(a)待機状態、(b)アライメント状態、(c)回収状態をそれぞれ表す。 図2に示されるシート矯正機構を示す断面模式図であり、(a)アライメントステージ上への移動状態、(b)矯正時の押圧状態をそれぞれ表す。 図2に示されるシート矯正機構を示す断面模式図であり、(a)位置合わせ動作時の押圧状態、(b)待機位置又は回収箱上への移動状態をそれぞれ表す。 本発明の第2の実施形態に係るシート矯正機構を示す断面模式図であり、(a)アライメントステージ上への移動状態、(b)シート矯正板の載置状態をそれぞれ表す。 図5に示されるシート矯正機構を示す断面模式図であり、(a)位置合わせ動作時の押圧状態、(b)シート矯正板の回収直前状態をそれぞれ表す。 図5に示されるシート矯正機構を示す断面模式図であり、(a)シート矯正板の回収状態、(b)シート矯正板の回収直後状態をそれぞれ表す。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、本発明を具体的に実現した形態を例示するものである。よって、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって、以下に説明される実施形態の構成は適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<用語について>
本明細書および特許請求の範囲の記載において、各用語を以下のように定義する。「XYθ軸への移動」とは、X軸方向及びY軸方向への移動とθ方向への回動を示す。「フローティング機構」とは、XYθ軸への移動、揺れ方向への回動及びZ軸方向への移動を許容することにより、接触する他の可動機構に追従可能とする機構を示す。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層装置100を示す平面模式図であり、図2は、図1に示されるアライメント手段10及びシート矯正手段20を示す正面模式図であり、(a)待機状態、(b)アライメント状態、(c)回収状態をそれぞれ表す。ここで、X軸方向は、アライメントステージ11の移動可能な一方向を示すものであり、Y軸方向は、X軸方向と直交し、かつ、アライメントステージ11の移動可能な他方向を示すものである。また、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向と直交し、かつ、アライメントステージの回転可能な回転軸方向を示すものである。
<積層装置について>
積層装置100は、電子部品の薄化された各種基板である複数枚のシートSを高精度かつ高速に積層するものである。この積層装置100は、アライメント手段10と、シート矯正手段20と、シート回収手段(シート移動手段)30と、積層手段40と、搬送手段50と、を備える。以下、それらを順に説明する。なお、積層装置100は、アライメント手段10、シート矯正手段20、シート回収手段30、積層手段40、及び、搬送手段50の駆動などを制御する制御手段(不図示)をさらに備える。
<アライメント手段について>
アライメント手段10は、アライメントステージ11と、アライメントステージ11のX軸方向及びY軸方向への移動とθ方向への回動(以下、「XYθ軸への移動」という)を行うXYθ軸電動アクチュエータ12と、を備える。さらに、アライメント手段10は、シートSの位置合わせ参照用のマークであるアライメントマークを下方より撮像するアライメント撮像ユニット15を備える。以下、それらを順に説明する。
アライメントステージ11は、シートSをアライメントステージ11上に真空吸着させる複数の吸着ポート(不図示)と、アライメントステージ11の各角部から中心部に向かって延在し、透明な部材からなる複数の窓部(不図示)と、を備える。
XYθ軸電動アクチュエータ12は、制御手段からの指示により、シートSを基準位置へと位置合わせするために、XYθ軸への移動、つまり、XY平面内における移動及び回動を行うことができる。このXYθ軸電動アクチュエータ12は、アライメントステージ11に負荷される上方からの押圧力が所定値未満であれば、所望のXYθ軸への移動を円滑に実行することができる。
アライメント撮像ユニット15は、アライメント用カメラ(不図示)及びアライメント用照明(不図示)を備えるものであり、複数の窓部を介して、アライメントステージ11の下方からシートSのアライメントマークを撮像する。
なお、アライメント手段10は、シートSの撮像またはシートSのシート識別用マークを上方より撮像するシート識別ユニットを更に備えてもよい。例えば、当該シート識別ユニットは、シート識別用カメラ及びシート識別用照明を備えるものであり、アライメントステージ11の上方からシートSのシート識別用マークを撮像する。
(アライメント手段の位置合わせ動作について)
アライメント手段10の位置合わせ動作について、図2(b)を用いて説明する。まず、アライメント手段10は、アライメントステージ11上に載置されたシートSを複数の吸着ポートにより真空吸着する。そして、アライメント撮像ユニットが、シートSに設けられた一対のアライメントマークを下方より撮像する。この撮像された画像は、画像処理装置(不図示)に送信され、画像処理により、一対のアライメントマークのそれぞれの位置が算出されるとともに、この算出された一対のアライメントマークの位置と予め定められた基準位置との誤差が算出される。ここで、この誤差が所定範囲内であれば、シートSの位置合わせが適切に行われたものと判断され、制御手段からの指示により、シートSの位置合わせ動作を終了にする。一方、この誤差が所定範囲外であれば、シートSの位置合わせが適切に行われなかったものと判断される。この際、XYθ軸電動アクチュエータ12が、制御手段からの指示により、誤差が最小となるように、アライメントステージ11を介して、シートSのXYθ軸への移動を行う。この予め定められた基準位置への位置合わせは、誤差が所定範囲内となるまで続けられる。
<シート矯正手段について>
前述したが、アライメント手段10は、アライメントステージ11上に載置されたシートSを、XYθ軸への移動を行うことにより、予め定められた基準位置への位置合わせを行うものである。ここで、シートSは、例えば、10μm~20μmへと薄化されたものである。よって、アライメントステージ11上に載置されたシートSには、外周縁に沿ったZ軸方向の浮きや、中央部のZ軸方向のヨレや、XY平面内の歪みなどの変形(以下、「シートの変形」という)が生じるおそれがある。このシートSの変形により、アライメント手段10における基準位置への位置合わせを適切に行うことができないという問題が生じていた。
そこで、本実施形態におけるシート矯正手段20は、このシートSの変形を矯正するために、アライメントステージ11上に載置されたシートSがアライメントステージ11に吸着される前に、シートSを上方から所望の押圧力で負荷するシート矯正機構21を備える。このシート矯正機構21は、XYθ軸への移動を可能にするフローティング機構23(図3(a)参照)を備えるが、詳細は後述する。ここで、本実施形態におけるシート矯正手段20は、図2(a)に示すように、シート回収手段30に具備されており、シート矯正機構21は、スライド機構34に吊り下げ支持され、Y軸方向(図2(a)の矢印I方向)及びZ軸方向(図2(b)の矢印II方向)へと移動可能となっている。このように、シート矯正手段20がシート回収手段30に具備されることにより、積層装置100の小型化や簡素化などを行うことができる。
(シート矯正手段の矯正動作について)
シート矯正機構21は、図2(b)に示すように、アライメントステージ位置Bにおいて、スライド機構34により、Z軸方向(図2(b)の矢印II方向)の下方に移動され、アライメントステージ11との間にシートSを挟持する。このように、シートSは、シート矯正機構21により、上方から所望の押圧力で負荷されているため、シートSの変形を矯正することができる。また、このシートSが挟持された状態が維持されたまま、アライメント手段10により、シートSの基準位置への位置合わせが行われるように、シート矯正機構21は、フローティング機構23により、アライメントステージ11のXYθ軸への移動に対してずれることなく追従する。これにより、シート矯正機構21は、シートSに対して、上方から所望の押圧力のみを負荷することができるため、シートSへの損傷を抑制できる。さらに、アライメントステージ11は、シート矯正機構21がシートSの変形を矯正した後に、シートSを吸着しているため、不可逆的な皺がシートSに生じることを回避することができる。
<シート回収手段について>
シート回収手段30は、図2に示すように、回収したシートSを収納する回収箱31と、横アーム32に沿うY軸方向(矢印I方向)及び縦アーム(不図示)に沿うZ軸方向(矢印II,III方向)へと移動可能であるシート回収機構としても機能するスライド機構34から構成されている。さらに、シート回収手段30は、スライド機構34に吊り下げ支持され、シートSを吸着保持する回収保持機構35を備える。
ここで、アライメント手段10において、所定時間内に、位置合わせが適切に行われなかったと判断されたシートS(以下、「回収対象のシート」という)は、積層ステージ41において積層されることがないように、シート回収機構30によって回収される。これにより、異状があるシートSの積層が防止され、積層体における各シートS同士のずれが抑制される。
(シート回収手段の回収動作について)
回収保持機構35は、図2(b)に示すように、アライメントステージ位置Bにおいて、回収対象のシートSを吸着保持し、スライド機構34により、回収箱位置Cに移動する。その後、回収保持機構35は、図2(c)に示すように、回収箱位置Cにおいて、シートSへの吸着保持が解除され、シートSが回収箱31内に回収される。
<積層手段及び搬送手段について>
積層手段40及び搬送手段50について、図1を用いて説明する。積層手段40は、シートSが積層される積層ステージ41を備える。
搬送手段50は、X軸方向(待機位置D、アライメントステージ位置B、積層ステージ位置E)及びZ軸方向へと移動可能である搬送スライド機構(不図示)と、搬送スライド機構に吊り下げ支持され、シートSを吸着保持する搬送保持機構(不図示)と、を備える。
(積層手段及び搬送手段の積層動作について)
積層手段40及び搬送手段50の積層動作について、図1を用いて説明する。なお、搬送保持機構は、初期状態として、待機位置Dで停止している。まず、アライメント手段10において、制御手段により、シートSの位置合わせが適切に行われたと判断された場合には、搬送スライド機構によって、搬送保持機構を、待機位置Dからアライメントステージ位置Bに移動させた後、Z軸方向の下方へと移動させる。そして、搬送保持機構を、アライメントステージ11上の位置合わせが適切に行われたシートSに当接させ、真空吸着によりシートSを保持させる。その後、搬送保持機構を、搬送スライド機構によって、Z軸方向の上方へと移動させ、アライメントステージ位置Bから積層ステージ位置Eに移動させた後、Z軸方向の下方へと移動させ、積層ステージ41の上面、又は、既に積層された他のシートSに当接させる。そして、搬送保持機構における吸着保持を解除して、シートSを積層ステージ41の所定位置に載置させた後、搬送スライド機構によって、待機位置Dへと移動させる。この搬送手段50の積層動作によって、位置合わせが適切に行われたシートSを積層ステージ41上に積層することができる。
本実施形態における積層装置100は、アライメント手段10、シート矯正手段20、シート回収手段30、積層手段40、搬送手段50、及び、制御手段を備えるものである。しかしながら、本実施形態における積層装置100は、これに限らず、例えば、シートSをアライメントステージ11上に供給するシート供給手段(シート移動手段)や、シートSを覆うフィルムを剥離する剥離手段や、シートSの積層体を圧着し一体化する圧着手段などを備えてもよい。また、本実施形態における積層装置100は、シートSを覆うフィルムが剥離された後において、アライメント手段10を用いたシートSの基準位置への位置合わせを行っている。しかしながら、これに限らず、例えば、剥離手段のシートSを覆うフィルムが剥離される前において、アライメント手段10を用いたシートSの基準位置への位置合わせを行ってもよい。さらに、本実施形態において、シート矯正手段20は、シート回収手段30に具備されるものであるが、これに限らず、例えば、シート矯正手段20は、シート供給手段に具備されるものとしてもよい。このように、シート矯正手段20がシート供給手段に具備されることにより、積層装置100の小型化や簡素化などを行うことができる。
図3及び図4は、図2に示されるシート矯正機構21をYZ平面により切断した断面模式図を示す。図3(a)は、アライメントステージ11上への移動状態、図3(b)は、矯正時の押圧状態、図4(a)は、位置合わせ動作時の押圧状態、図4(b)は、待機位置A又は回収箱C上への移動状態をそれぞれ表す。
<シート矯正機構の詳細について>
シート矯正機構21は、シート矯正板22と、フローティング機構23と、フローティング機構23を固定するフローティングロック機構24と、を備える。以下、それらを順に説明する。なお、本実施形態におけるシート矯正機構21は、シート矯正板22が、複数のスプリングなどからなる付勢部材29を介して、フローティング機構23の取付部23bmと一体的に接続されている構成である。
<シート矯正板について>
シート矯正板22は、Z軸方向から見て、シートSを覆い得るように設定された略矩形形状を有し、Z軸方向に貫通する複数の吸着ポート35aと、複数の開口部(不図示)と、を備えている。
複数の吸着ポート35aは、上方を負圧チューブ35bに常時接続させるものであり、シートSを吸着保持するときには、負圧チューブ35bを介して負圧を導入し、シートSの吸着保持を解除するときには、大気開放又は正圧を導入する。この複数の吸着ポート35a及び負圧チューブ35bは、シートSを回収箱31へ回収する際に、シートSを吸着保持する回収保持機構35として形成されている。なお、本実施形態において、複数の吸着ポート35aにより、シートSを真空吸着するものであるが、これに限らず、より確実にシートSを吸着保持するために、例えば、シート矯正板22の中央部にベンチュリー効果を利用した非接触吸着パッドなどを設けてもよい。
複数の開口部は、第1に、シート矯正板22の荷重W(図3(b)参照)によるシートSへの押圧力を調整するため、第2に、シートSに対する接触面積を調整し、シート矯正板22にシートSが張り付くことを防止するため、第3に、シートSのシート識別用マークを上方より撮像するために設けられている。
<フローティング機構について>
フローティング機構23は、保持部材23aと、フローティング部材23bと、スラスト軸受23cと、ボールプランジャ23dと、を備える。
保持部材23aは、本体部23bbを保持すべき囲む形状を有し、底部に開口23aoを備える。保持部材23aは、スライド機構34に固定されるとともに、スライド機構34との間に収容空間Asを画定する。
フローティング部材23bは、Z軸方向に延在する本体部23bbと、本体部23bbの中間部に設けられ、XY平面内に延在するフランジ部23bfと、本体部23bbの下端に設けられ、XY平面内に延在する取付部23bmと、を備える。この本体部23bbの上端は、スライド機構34に対して非接触の状態で、スライド機構34の開口34oの内部に位置する。本体部23bbの下端は、スライド機構34非接触の状態で、保持部材23aの開口23aoの外部に位置している。また、フランジ部23bfは、上方に位置するスライド機構34、及び、側方から下方に位置する保持部材23aとは、離間した状態で、収容空間Asに収容される。
スラスト軸受23cは、フランジ部23bfと保持部材23aとの間に上下方向に挟持された状態で、収容空間Asに収容される。このスラスト軸受23cにより、フローティング部材23bのスムーズなXYθ軸への移動、つまり、XY平面内における移動及び回動が可能になっている。なお、スラスト軸受23cは、図示は省略するが、例えば、環状に配列された複数の貫通孔を有するリテーナと、各貫通孔に保持された球形状の転動体と、を備え、転動体のZ軸方向の上下端部は、リテーナより外方に突出するものとしてもよい。
ボールプランジャ23dは、スプリングと、このスプリングの付勢力Fbにより、Z軸方向の下方へと常時付勢されるボールと、を備える。ボールプランジャ23dは、スライド機構34の下面において、スライド機構34の開口34oを取り囲むように、円周方向に沿って複数配置されており、フランジ部23bfをZ軸方向の下方へと常時付勢する。このボールプランジャ23dにより、フローティング部材23bのXY平面内、かつ、フローティング部材23bのZ軸に平行な中心軸と交差する軸を中心とした回動(以下、「揺れ方向への回動」という)(図4(a)の矢印P参照)が許容される。本実施形態において、ボールプランジャ23dにより、フローティング部材23bの揺れ方向Pへの回動を許容することより、例えば、シート矯正手段20における組立誤差などを吸収することができる。
このように、フローティング機構23は、スラスト軸受23cにより、スムーズなXYθ軸への移動が可能であるとともに、ボールプランジャ23dにより、揺れ方向Pへの回動を許容することができる。
<フローティングロック機構について>
フローティングロック機構24は、フローティング機構23を固定状態及び解除状態へと切り換えるものであり、フローティング部材23bの上端部に設けられる一対の突起部24aと、センターリングロック24bと、センターリングロック24bをZ軸方向(図4(a)及び図4(b)の矢印IV方向)に移動させる固定用エアシリンダー24cと、を備える。ここで、一対の突起部24aの先端は、半球形状の凸部24apを有している。また、センターリングロック24bの下面は、半球形状からなる一対の凹部24brを有している。この凸部24ap及び凹部24brは、互いの半球面同士が面接触し得る対応した形状を有している。ここで、固定用エアシリンダー24cにより、凸部24ap及び凹部24brをZ軸方向に係合させるとともに、フローティング部材23bのフランジ部23bfを、スラスト軸受23cを介して保持部材23aに押し付けて拘束することにより、フローティング機構23の自由度(XYθ軸への移動、揺れ方向への回動及びZ軸方向への移動)が完全に失われ、フローティングロック機構24が固定状態となる。一方、固定用エアシリンダー24cにより、凸部24ap及び凹部24brをZ軸方向に相互に離間させるとともに、フローティング部材23bのフランジ部23bfの拘束を解放することにより、フローティングロック機構24が解除状態となる。なお、シート矯正機構21がアライメントステージ位置Bに配置され、フローティングロック機構24が固定状態にある場合には、Z軸方向から見た、シート矯正板22及びアライメントステージ11の中心位置、及び、θ方向への回動角度がそれぞれ一致する位置(以下、「センターリング位置」という)に配置されるように予め設定されている。本実施形態において、一対の凸部24ap及び一対の凹部24brは、互いに対応した半球形状としたが、これに限らず、例えば、互いに対応した円錐形状、円錐台形状、円筒形状、及び、角柱形状などであってもよい。
<シート矯正機構を用いた位置合わせ及び回収動作について>
まず、図3及び図4を用いて、シート矯正機構21を用いた位置合わせ動作について説明する。なお、初期状態として、シート矯正機構21は、待機位置Aで停止しており、フローティングロック機構24は、固定状態となっている。
シート矯正機構21を、スライド機構34によって、待機位置Aからアライメントステージ位置Bに移動させた後、図3(a)に示すように、Z軸方向の下方(矢印II(1)方向)へと移動させて、シート矯正板22を、アライメントステージ11上のシートSに当接させる。この際、フローティングロック機構24が固定状態となっているため、移動中に、シート矯正機構21が不安定な姿勢となることを防ぐことができるとともに、シート矯正板22を、センターリング位置に配置させることができる。
次に、シートSの変形を矯正するために、図3(b)に示すように、シート矯正機構21を、スライド機構34によって、さらにZ軸方向の下方(矢印II(2)方向)へと移動させて、シート矯正板22と取付部23bmとの間に設けられた複数の付勢部材29を圧縮させることにより、シートSに付勢力Fkを負荷する。ここで、シートSに負荷される上方からの押圧力は、この圧縮された複数の付勢部材29による付勢力Fkと、シート矯正板22による荷重Wとの合力である。よって、この押圧力が所望の値となるように、シート矯正板22の重量、付勢部材のばね係数、及び、シート矯正機構21のZ軸方向下方へ(矢印II(2)方向)の移動量などを調整することができる。本実施形態における付勢部材29は、圧縮ばねを採用するものであるが、これに限らず、例えば、引っ張りばねを採用することにより、付勢力Fkを、Z軸方向上方に作用させ、シート矯正板22による荷重Wの影響を軽減させることができる。このように、本実施形態において、シートSが、シート矯正機構21により、上方から所望の押圧力で負荷されているため、シートSの変形を矯正することができる。なお、シート矯正機構21により、上方から負荷される押圧力は、XYθ軸電動アクチュエータ12がアライメントステージ11のXYθ軸への移動を円滑に実行することができるように、所定値未満となるように設定されている。
そして、シート矯正板22を、アライメントステージ11の移動に追従させるために、図4(a)に示すように、フローティングロック機構24により、フローティング機構23を固定状態から解除状態へと切り換える。具体的には、固定用エアシリンダー24cをZ軸方向の上方(矢印IV(3)方向)へと移動させると、凸部24ap及び凹部24brが非係合状態となり、フローティング機構23によるXYθ軸への移動が可能な解除状態となる。この際、フローティング部材23bは、各ボールプランジャ23dにより、揺れ方向Pへの回動が可能となる。これにより、シート矯正板22は、アライメントステージ11との間にシートSを挟持した状態で、アライメントステージ11のXYθ軸への移動を伴う位置合わせ動作にずれることなく追従することができるため、アライメント動作を阻害せず、シートSへの損傷などを抑制することができる。
その後、アライメント手段10において、制御手段により、所定時間内に、シートSの位置合わせが適切に行われたものと判断された場合には、シート矯正機構21を、図4(a)に示すように、スライド機構34によって、Z軸方向の上方(矢印II(4)方向)へと移動させる。そして、シート矯正機構21がシートSから離間した後に、図4(b)に示すように、フローティングロック機構24により、フローティング機構23を解除状態から固定状態へと切り換える。具体的には、固定用エアシリンダー24cをZ軸方向の下方(矢印IV(5)方向)へと移動させると、凸部24ap及び凹部24brが係合するとともに、フローティング部材23bのフランジ部23bfが拘束され、フローティング機構23の自由度(XYθ軸への移動、揺れ方向への回動及びZ軸方向への移動)が完全に失われ、センターリング位置において固定状態となる。これにより、シート矯正機構21が移動する際に、不安定な姿勢となることを防ぐことができる。そして、シート矯正機構21を、さらにZ軸方向の上方(矢印II(6)方向)へと移動させ、アライメントステージ位置Bから待機位置Aに移動させる。
一方、アライメント手段10において、制御手段により、所定時間内に、シートSの位置合わせが適切に行われなかったものと判断された場合には、回収保持機構35として機能するシート矯正板22の吸着ポート35aを用いて回収動作が行われる。この回収動作は、図4(a)及び図4(b)を用いて説明するが、図4(b)においては、回収保持機構35により、シートSがシート矯正板22の下面側に真空吸着されているものとして説明する。
まず、図4(a)に示すように、シートSを、シート矯正板22の吸着ポート35a(回収保持機構35)における真空吸着により保持させる。その後、前述のシートSの位置合わせが適切に行われたものと判断された場合と同様に、シート矯正機構21を、スライド機構34によって、Z軸方向の上方(矢印II(4)方向)へと移動させる。そして、シート矯正機構21がシートSから離間した後に、図4(b)に示すように、フローティングロック機構24の固定用エアシリンダー24cをZ軸方向の下方(矢印IV(5)方向)へと移動させ、フローティング機構23を解除状態から固定状態へと切り換える。これにより、シート矯正機構21が移動する際に、不安定な姿勢となることを防ぐことができる。そして、シート矯正機構21を、さらにZ軸方向の上方(矢印II(6)方向)へと移動させ、アライメントステージ位置Bから回収箱位置Cに移動させた後、Z軸方向の下方(矢印III(7)方向)へと移動させ、回収箱31の内側底面、又は、既に回収された他のシートSに当接させる。そして、シート矯正板22の吸着ポート35aにおける吸着保持を解除して、シートSを回収箱31内に載置させた後、シート矯正機構21を、スライド機構34によって、待機位置Aへと移動させる。
本実施形態のシート矯正機構21は、シート矯正板22の重量及びシート矯正機構21のZ軸方向下方への移動量を調整することにより、上方から所望の押圧力によってシートSに負荷を加えることができるため、シートSの変形を矯正することができる。また、本実施形態において、シート矯正板22は、フローティング機構23により、アライメントステージ11との間にシートSを挟持した状態で、アライメントステージ11のXYθ軸への移動を伴う位置合わせ動作にずれることなく追従することができるため、シートSへの損傷などを抑制することできる。さらに、本実施形態において、アライメントステージ11は、シート矯正機構21がシートSの変形を矯正した後に、シートSを吸着しているため、不可逆的な皺がシートSに生じることを回避することができる。
(第2の実施形態)
図5から図7は、第2の実施形態に係るシート矯正機構121をYZ平面により切断した断面模式図を示す。図5(a)は、アライメントステージ11上への移動状態、図5(b)は、シート矯正板122の載置状態、図6(a)は、位置合わせ動作時の押圧状態であってシート矯正板112の分離後又は回収前における移動状態、図6(b)は、シート矯正板112の回収直前状態、図7(a)は、シート矯正板122の回収状態、図7(b)は、シート矯正板112の回収直後状態をそれぞれ表す。
<シート矯正機構の詳細について>
シート矯正機構121は、シート矯正板122と、フローティング機構23と、フローティング機構23を固定するフローティングロック機構24と、シート矯正板122を固定する矯正板ロック機構126と、を備える。以下、それらを順に説明する。なお、本実施形態におけるシート矯正機構121は、シート矯正板122が、矯正板ロック機構126を介して、フローティング機構23と着脱自在に接続されている構成を有している点で、第1の実施形態に係るシート矯正機構21と相違する。しかしながら、その他の基本構成は第1の実施形態と同一であるため、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
<シート矯正板について>
シート矯正板122は、Z軸方向から見て、シートSを覆い得るように設定された略矩形形状を有し、Z軸方向に貫通する複数の吸着ポート135aと、複数の開口部(不図示)と、を備えている。この複数の吸着ポート135aの上方は、第2のセンターリングロック126bに配置されている垂直に延在した負圧チューブ135bに着脱自在に接続されるものである。ここで、複数の吸着ポート135aと負圧チューブ135bとを接続した連通状態において、負圧チューブ135bに負圧を導入することにより、複数の吸着ポート135aにシートSを吸着保持することができる一方、負圧チューブ135bに大気開放又は正圧を導入することにより、複数の吸着ポート135aへのシートSの吸着保持を解除することができる。この複数の吸着ポート135a及び負圧チューブ135bは、第1の実施形態と同様に、シートSを回収箱31へ回収する際に、シートSを吸着保持する回収保持機構135として形成されている。また、複数の開口部は、第1の実施形態と同様に、第1に、シート矯正板122の荷重W(図6(a)参照)によるシートSへの押圧力を調整するため、第2に、シートSに対する接触面積を調整し、シート矯正板122にシートSが張り付くことを防止するため、第3に、シートSのシート識別用マークを上方より撮像するために設けられている。
次に、フローティング機構23及びフローティングロック機構24については、第1の実施形態と同一であるため、説明は省略する。
<矯正板ロック機構について>
図5(b)に用いて、矯正板ロック機構126について説明する。矯正板ロック機構126は、シート矯正板122の上面側に取り付けられる一対の第2の突起部126aと、第2のセンターリングロック126bと、X軸方向に対向する一対の挟持部材126cと、一対の挟持部材126c(一方のみ図示)を近接及び離間させるようにX軸方向(矢印V方向)に移動させる挟持用エアシリンダー126dと、を備える。
矯正板ロック機構126は、フローティング機構23及びシート矯正板122を互いに分離状態及び接続状態とすることにより、アライメントステージ11上に対してシート矯正板122を載置及び回収するものである。この矯正板ロック機構126は、フローティング機構23とシート矯正板122との相対的な移動を拘束する手段、つまり、XY平面内の相対的な移動を拘束する手段(以下、「XY平面内の拘束手段」という)、及び、Z軸方向における相対的な移動を拘束する手段(以下、「Z軸方向の拘束手段」という)を有している。
まず、XY平面内の拘束手段は、シート矯正板122の上面に設けられる一対の第2の突起部126aと、第2のセンターリングロック126bと、を備える。ここで、一対の第2の突起部126aの先端は、半球形状の第2の凸部126apを有している。また、第2のセンターリングロック126bの下面は、半球形状からなる一対の第2の凹部126brを有している。この第2の凸部126ap及び第2の凹部126brは、互いの半球面同士が面接触し得る対応した形状を有している。ここで、第2の凸部126ap及び第2の凹部126brがZ軸方向に係合することにより、フローティング機構23及びシート矯正板122におけるXY平面内の相対的な移動が拘束される。
次に、Z軸方向の拘束手段は、図6(a),(b)に示すように、第2の突起部126aの基部側に形成される縮径部126arと、この縮径部126arを挟んで、X軸方向に対向する一対の挟持部材126cに形成される一対の窪み部126crと、からなる。なお、図6(a),(b)には、一方の挟持部材126cのみが示されているが、図示が省略されている他方の挟持部材は、一方の挟持部材126cと対向するように、紙面の手前側に配置されている。この縮径部126ar及び一対の窪み部126crは、X軸方向に係合する互いの側面同士が対応する形状を有している。具体的には、縮径部126arを、Z軸方向から見ると、円形状を有しており、また、一対の窪み部126crを、Z軸方向から見ると、それぞれ対向する側に中心を有する略半円形状を有している。ここで、挟持用エアシリンダー126dにより、一対の挟持部材126cを、互いに近接させるようにX軸方向へと移動させて、縮径部126arを一対の窪み部126crにより挟持することにより、フローティング機構23及びシート矯正板122におけるZ軸方向の移動が拘束される。なお、図5(b)に示すように、シート矯正機構121がアライメントステージ位置Bに配置され、フローティングロック機構24が固定状態、かつ、矯正板ロック機構126が接続状態である場合には、Z軸方向から見て、XY平面上におけるシート矯正板122及びアライメントステージ11の中心位置、及び、θ方向への回動角度が一致するセンターリング位置に配置されるように予め設定されている。本実施形態のZ軸方向の拘束手段は、第2の突起部126aの縮径部126arと、一対の挟持部材126cの一対の窪み部126crとからなるものとしたが、これに限らず、例えば、シート矯正板122に接続される部材及び第2のセンターリングロック126bに接続される部材が、それぞれ引っ掛かる様態で係合し、Z軸方向への動きが拘束されるものであれば、いかなる拘束手段であってもよい。また、本実施形態において、一対の第2の凸部126ap及び一対の第2の凹部126brは、互いに対応した半球形状としたが、これに限らず、例えば、互いに対応した円錐形状、円錐台形状、円筒形状、及び、角柱形状などであってもよい。
<シート矯正機構を用いた位置合わせ動作及び回収動作について>
まず、図5及び図6を用いて、シート矯正機構121を用いた位置合わせ動作について説明する。なお、初期状態として、シート矯正機構121は、待機位置Aで停止しており、フローティングロック機構24は固定状態、矯正板ロック機構126は接続状態となっており、吸着ポート135a及び負圧チューブ135bは、連通状態となっている。
スライド機構34によって、待機位置Aからアライメントステージ位置Bにシート矯正機構121を移動させた後、図5(a)に示すように、Z軸方向の下方(矢印II(1)方向)へと移動させて、シート矯正板122を、アライメントステージ11上のシートSに当接させる。この際、フローティングロック機構24が固定状態とされているため、移動中に、シート矯正機構121が不安定な姿勢となることを防ぐとともに、シート矯正板122を、アライメントステージ11と中心位置、及び、θ方向への回動角度がそれぞれ一致するセンターリング位置に配置させることができる。
そして、図5(b)に示すように、矯正板ロック機構126を接続状態から分離状態へと切り換え、Z軸方向の拘束手段を非係合状態とさせる。具体的には、まず、挟持用エアシリンダー126dにより、一対の挟持部材126cを、互いに離間させるようにX軸方向(矢印V(2)方向)へと移動させる。この際、Z軸方向から見て、一対の窪み部126crを縮径部126arから離間させるとともに、第2の突起部126aの最外周面と重ならない外方位置まで移動させることにより、Z軸方向の拘束手段が非係合となり、フローティング機構23及びシート矯正板122におけるZ軸方向への相対的な移動が可能となる。さらに、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、Z軸方向の上方(矢印II(3)方向)へと移動させることにより、XY平面内の拘束手段が非係合状態となる。これにより、シート矯正板122は、アライメントステージ11との間にシートSを挟持するように、アライメントステージ11上に載置される。
このように、本実施形態において、シートSが、シート矯正板122の荷重Wにより、上方から所望の押圧力で負荷されているため、シートSの変形を矯正することができる。なお、シート矯正機構121により、上方から負荷される押圧力は、アライメントステージ11のXYθ軸への移動によって、シート矯正板122がずれないように、かつ、XYθ軸電動アクチュエータ12がアライメントステージ11のXYθ軸への移動を円滑に実行することができるように設定されている。これにより、シート矯正板122は、アライメントステージ11との間にシートSを挟持した状態で、アライメントステージ11のXYθ軸への移動を伴う位置合わせ動作にずれることなく追従することができるため、シートSへの損傷などを抑制することができる。
その後、図6(a)に示すように、スライド機構34によって、Z軸方向の上方(矢印II(4)方向)へとシート矯正機構121を移動させ、更にアライメントステージ位置Bから待機位置Aにシート矯正機構121を移動させる。これにより、回収保持機構135における吸着ポート135a及び負圧チューブ135bは、非連通状態となる。この際、フローティングロック機構24は固定状態であるため、シート矯正機構121が移動する際に、不安定な姿勢となることを防ぐことができる。
なお、アライメント手段10による位置合わせ動作については、第1の実施形態に係るアライメント手段10と同一であるため、説明は省略する。
その後、アライメント手段10において、制御手段により、所定時間内に、シートSの位置合わせが適切に行われたものと判断された場合には、シート矯正板122を回収する回収動作が行われる。なお、初期状態として、シート矯正機構121は、待機位置Aで停止しており、フローティングロック機構24は固定状態であり、矯正板ロック機構126は分離状態となっている。
まず、図6(a)に示すように、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、待機位置Aからアライメントステージ位置Bに移動させた後、図6(a)に示すように、Z軸方向の下方(矢印II(5)方向)へと移動させる。
さらに、図6(b)に示すように、矯正板ロック機構126における、シート矯正板122の上面に設けられる一対の第2の突起部126aと、第2のセンターリングロック126bとを近接させる。そして、フローティングロック機構24の固定用エアシリンダー24cをZ軸方向の上方(矢印IV(6)方向)へと移動させ、フローティング機構23を固定状態から解除状態へと切り換える。その後、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、Z軸方向の下方(矢印II(7)方向)へとさらに移動させる。
そして、図7(a)に示すように、矯正板ロック機構126を分離状態から接続状態へと切り換える。具体的には、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、Z軸方向の下方へと移動させ、第2の凸部126ap及び第2の凹部126br、つまり、XY平面内の拘束手段をZ軸方向に係合状態とすることにより、フローティング機構23及びシート矯正板122におけるXY平面内の相対的な移動が拘束される。さらに、縮径部126ar及び窪み部126cr、つまり、Z軸方向の拘束手段をX軸方向(矢印V(8)方向)に係合状態とすることにより、フローティング機構23及びシート矯正板122におけるZ軸方向の移動が拘束される。これにより、シート矯正板122を、アライメントステージ11上から回収することができる。また、回収保持機構135における吸着ポート135a及び負圧チューブ135bは、接続状態となる。この際、フローティング機構23は、スムーズなXYθ軸への移動及び揺れ方向への回動が可能であるため、シート矯正板122に不要な外力が加わることがなく、シートSへの損傷を抑制できる。
その後、図7(a)に示すように、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、Z軸方向の上方(矢印II(9)方向)へと移動させる。そして、シート矯正機構121がシートSから離間した後に、図7(b)に示すように、フローティングロック機構24の固定用エアシリンダー24cをZ軸方向の下方(矢印IV(10)方向)へと移動させ、フローティング機構23を解除状態から固定状態へと切り換える。そして、シート矯正機構121を、さらにZ軸方向の上方(矢印II(11)方向)へと移動させ、アライメントステージ位置Bから待機位置Aに移動させる。
一方、アライメント手段10において、制御手段により、所定時間内に、シートSの位置合わせが適切に行われなかったものと判断された場合には、回収保持機構135として機能するシート矯正板122の吸着ポート135aを用いて回収動作が行われる。この回収動作は、図6(a)から図7(b)を用いて説明するが、図7(b)においては、回収保持機構135により、シートSがシート矯正板122の下面側に真空吸着されているものとして説明する。なお、初期状態として、シート矯正機構121は、待機位置Aで停止しており、フローティングロック機構24は固定状態であり、矯正板ロック機構126は分離状態となっている。
まず、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、待機位置Aからアライメントステージ位置Bに移動させた後、図6(a)に示すように、アライメントステージ11に近接するように、Z軸方向の下方(矢印II(5)方向)へと移動させる。
さらに、図6(b)に示すように、フローティングロック機構24の固定用エアシリンダー24cをZ軸方向の上方(矢印IV(6)方向)へと移動させ、フローティング機構23を固定状態から解除状態へと切り換える。その後、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、Z軸方向の下方(矢印II(7)方向)へとさらに移動させる。
そして、図7(a)に示すように、第2の凸部126ap及び第2の凹部126br、つまり、XY平面内の拘束手段を係合状態とする。また、挟持用エアシリンダー126dをX軸方向(矢印V(8)方向)へと移動させ、縮径部126ar及び窪み部126cr、つまり、Z軸方向の拘束手段を係合状態とすることにより、矯正板ロック機構126が分離状態から接続状態へと切り換わる。この際、回収保持機構135における吸着ポート135a及び負圧チューブ135bは、接続状態となっている。この負圧チューブ135bに負圧を導入させて、吸着ポート135aにシートSを真空吸着させた状態で、シート矯正板122を、アライメントステージ11上から回収する。
その後、図7(a)に示すように、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、Z軸方向の上方(矢印II(9)方向)へと移動させる。そして、シート矯正機構121がシートSから離間した後に、図7(b)に示すように、フローティングロック機構24の固定用エアシリンダー24cをZ軸方向の下方(矢印IV(10)方向)へと移動させ、フローティング機構23を解除状態から固定状態へと切り換える。これにより、シート矯正機構121が移動する際に、不安定な姿勢となることを防ぐことができる。そして、シート矯正機構121を、Z軸方向の上方(矢印II(11)方向)、及び、アライメントステージ位置Bから回収箱位置Cへと移動させる。さらに、シート矯正機構121を、Z軸方向の下方(矢印III(12)方向)へと移動させ、回収箱31の内側底面、又は、既に回収された他のシートSに当接させる。そして、シート矯正板122の吸着ポート135aにおける吸着保持を解除して、シートSを回収箱31内に載置させた後、シート矯正機構121を、スライド機構34によって、待機位置Aへと移動させる。
本実施形態のシート矯正機構121は、シート矯正板122の荷重Wにより、上方からの押圧力をシートSに負荷するため、シートSの変形を矯正することができる。また、本実施形態のシート矯正板122は、アライメントステージ11との間にシートSを挟持した状態で、アライメントステージ11のXYθ軸への移動を伴う位置合わせ動作にずれることなく追従することができるため、シートSへの損傷などを抑制することができる。さらに、本実施形態において、アライメントステージ11は、シート矯正機構121がシートSの変形を矯正した後に、シートSを吸着しているため、不可逆的な皺がシートSに生じることを回避することができる。
100 積層装置
10 アライメント手段
11 アライメントステージ
12 XYθ軸電動アクチュエータ
20 シート矯正手段
21 シート矯正機構
22 シート矯正板
23 フローティング機構
24 フローティングロック機構
29 付勢部材
30 シート回収手段(シート移動手段)
34 スライド機構
35 回収保持機構
40 積層手段
50 搬送手段
121 シート矯正機構
122 シート矯正板
126 矯正板ロック機構
135 回収保持機構
A 待機位置
B アライメントステージ位置
C 回収箱位置
Fk 付勢部材による付勢力
S シート
W シート矯正板による荷重
上記課題を解決する本発明の一態様は、複数枚のシートを積層する積層装置であって、アライメントステージと、前記アライメントステージに対して前記シートを相対的に移動させるシート移動手段と、前記アライメントステージ上に載置された前記シートの位置合せを行うアライメント手段と、を備え、前記シート移動手段は、前記アライメントステージとの間に前記シートを挟持するシート矯正板を備えるシート矯正手段を含み、前記シート矯正板の荷重を前記シートに負荷した状態で、前記シート矯正板を前記アライメントステージの動きに追従させることを特徴とするものである。

Claims (7)

  1. 複数枚のシートを積層する積層装置であって、
    アライメントステージと、
    前記アライメントステージに対して前記シートを相対的に移動させるシート移動手段と、
    前記アライメントステージ上に載置された前記シートの位置合せを行うアライメント手段と、
    前記シート移動手段は、前記アライメントステージとの間に前記シートを挟持するシート矯正板を備えるシート矯正手段を含み、前記シート矯正板の荷重を前記シートに負荷した状態で、前記シート矯正板を前記アライメントステージの動きに追従させることを特徴とする積層装置。
  2. 前記シート矯正手段は、付勢部材を有し、前記シート矯正板の荷重に加え、前記付勢部材の付勢力を、前記シートに負荷することを特徴とする請求項1に記載の積層装置。
  3. 前記シート矯正手段は、フローティング機構をさらに備え、
    前記シート矯正板は、前記フローティング機構と一体的に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層装置。
  4. 前記シート矯正手段は、フローティング機構と、前記シート矯正板と前記フローティング機構とを着脱自在に接続する矯正板ロック機構と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の積層装置。
  5. 前記シート矯正手段は、前記フローティング機構を固定状態及び解除状態とするフローティングロック機構を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の積層装置。
  6. 前記シート移動手段は、前記アライメントステージ上から回収対象の前記シートを回収するシート回収手段であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の積層装置。
  7. 前記シート移動手段は、前記アライメントステージ上へと前記シートを供給するシート供給手段であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の積層装置。
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