JP2022037467A - シート矯正手段を備える積層装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書および特許請求の範囲の記載において、各用語を以下のように定義する。「XYθ軸への移動」とは、X軸方向及びY軸方向への移動とθ方向への回動を示す。「フローティング機構」とは、XYθ軸への移動、揺れ方向への回動及びZ軸方向への移動を許容することにより、接触する他の可動機構に追従可能とする機構を示す。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層装置100を示す平面模式図であり、図2は、図1に示されるアライメント手段10及びシート矯正手段20を示す正面模式図であり、(a)待機状態、(b)アライメント状態、(c)回収状態をそれぞれ表す。ここで、X軸方向は、アライメントステージ11の移動可能な一方向を示すものであり、Y軸方向は、X軸方向と直交し、かつ、アライメントステージ11の移動可能な他方向を示すものである。また、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向と直交し、かつ、アライメントステージの回転可能な回転軸方向を示すものである。
積層装置100は、電子部品の薄化された各種基板である複数枚のシートSを高精度かつ高速に積層するものである。この積層装置100は、アライメント手段10と、シート矯正手段20と、シート回収手段(シート移動手段)30と、積層手段40と、搬送手段50と、を備える。以下、それらを順に説明する。なお、積層装置100は、アライメント手段10、シート矯正手段20、シート回収手段30、積層手段40、及び、搬送手段50の駆動などを制御する制御手段(不図示)をさらに備える。
アライメント手段10は、アライメントステージ11と、アライメントステージ11のX軸方向及びY軸方向への移動とθ方向への回動(以下、「XYθ軸への移動」という)を行うXYθ軸電動アクチュエータ12と、を備える。さらに、アライメント手段10は、シートSの位置合わせ参照用のマークであるアライメントマークを下方より撮像するアライメント撮像ユニット15を備える。以下、それらを順に説明する。
アライメント手段10の位置合わせ動作について、図2(b)を用いて説明する。まず、アライメント手段10は、アライメントステージ11上に載置されたシートSを複数の吸着ポートにより真空吸着する。そして、アライメント撮像ユニットが、シートSに設けられた一対のアライメントマークを下方より撮像する。この撮像された画像は、画像処理装置(不図示)に送信され、画像処理により、一対のアライメントマークのそれぞれの位置が算出されるとともに、この算出された一対のアライメントマークの位置と予め定められた基準位置との誤差が算出される。ここで、この誤差が所定範囲内であれば、シートSの位置合わせが適切に行われたものと判断され、制御手段からの指示により、シートSの位置合わせ動作を終了にする。一方、この誤差が所定範囲外であれば、シートSの位置合わせが適切に行われなかったものと判断される。この際、XYθ軸電動アクチュエータ12が、制御手段からの指示により、誤差が最小となるように、アライメントステージ11を介して、シートSのXYθ軸への移動を行う。この予め定められた基準位置への位置合わせは、誤差が所定範囲内となるまで続けられる。
前述したが、アライメント手段10は、アライメントステージ11上に載置されたシートSを、XYθ軸への移動を行うことにより、予め定められた基準位置への位置合わせを行うものである。ここで、シートSは、例えば、10μm~20μmへと薄化されたものである。よって、アライメントステージ11上に載置されたシートSには、外周縁に沿ったZ軸方向の浮きや、中央部のZ軸方向のヨレや、XY平面内の歪みなどの変形(以下、「シートの変形」という)が生じるおそれがある。このシートSの変形により、アライメント手段10における基準位置への位置合わせを適切に行うことができないという問題が生じていた。
シート矯正機構21は、図2(b)に示すように、アライメントステージ位置Bにおいて、スライド機構34により、Z軸方向(図2(b)の矢印II方向)の下方に移動され、アライメントステージ11との間にシートSを挟持する。このように、シートSは、シート矯正機構21により、上方から所望の押圧力で負荷されているため、シートSの変形を矯正することができる。また、このシートSが挟持された状態が維持されたまま、アライメント手段10により、シートSの基準位置への位置合わせが行われるように、シート矯正機構21は、フローティング機構23により、アライメントステージ11のXYθ軸への移動に対してずれることなく追従する。これにより、シート矯正機構21は、シートSに対して、上方から所望の押圧力のみを負荷することができるため、シートSへの損傷を抑制できる。さらに、アライメントステージ11は、シート矯正機構21がシートSの変形を矯正した後に、シートSを吸着しているため、不可逆的な皺がシートSに生じることを回避することができる。
シート回収手段30は、図2に示すように、回収したシートSを収納する回収箱31と、横アーム32に沿うY軸方向(矢印I方向)及び縦アーム(不図示)に沿うZ軸方向(矢印II,III方向)へと移動可能であるシート回収機構としても機能するスライド機構34から構成されている。さらに、シート回収手段30は、スライド機構34に吊り下げ支持され、シートSを吸着保持する回収保持機構35を備える。
回収保持機構35は、図2(b)に示すように、アライメントステージ位置Bにおいて、回収対象のシートSを吸着保持し、スライド機構34により、回収箱位置Cに移動する。その後、回収保持機構35は、図2(c)に示すように、回収箱位置Cにおいて、シートSへの吸着保持が解除され、シートSが回収箱31内に回収される。
積層手段40及び搬送手段50について、図1を用いて説明する。積層手段40は、シートSが積層される積層ステージ41を備える。
積層手段40及び搬送手段50の積層動作について、図1を用いて説明する。なお、搬送保持機構は、初期状態として、待機位置Dで停止している。まず、アライメント手段10において、制御手段により、シートSの位置合わせが適切に行われたと判断された場合には、搬送スライド機構によって、搬送保持機構を、待機位置Dからアライメントステージ位置Bに移動させた後、Z軸方向の下方へと移動させる。そして、搬送保持機構を、アライメントステージ11上の位置合わせが適切に行われたシートSに当接させ、真空吸着によりシートSを保持させる。その後、搬送保持機構を、搬送スライド機構によって、Z軸方向の上方へと移動させ、アライメントステージ位置Bから積層ステージ位置Eに移動させた後、Z軸方向の下方へと移動させ、積層ステージ41の上面、又は、既に積層された他のシートSに当接させる。そして、搬送保持機構における吸着保持を解除して、シートSを積層ステージ41の所定位置に載置させた後、搬送スライド機構によって、待機位置Dへと移動させる。この搬送手段50の積層動作によって、位置合わせが適切に行われたシートSを積層ステージ41上に積層することができる。
シート矯正機構21は、シート矯正板22と、フローティング機構23と、フローティング機構23を固定するフローティングロック機構24と、を備える。以下、それらを順に説明する。なお、本実施形態におけるシート矯正機構21は、シート矯正板22が、複数のスプリングなどからなる付勢部材29を介して、フローティング機構23の取付部23bmと一体的に接続されている構成である。
シート矯正板22は、Z軸方向から見て、シートSを覆い得るように設定された略矩形形状を有し、Z軸方向に貫通する複数の吸着ポート35aと、複数の開口部(不図示)と、を備えている。
フローティング機構23は、保持部材23aと、フローティング部材23bと、スラスト軸受23cと、ボールプランジャ23dと、を備える。
フローティングロック機構24は、フローティング機構23を固定状態及び解除状態へと切り換えるものであり、フローティング部材23bの上端部に設けられる一対の突起部24aと、センターリングロック24bと、センターリングロック24bをZ軸方向(図4(a)及び図4(b)の矢印IV方向)に移動させる固定用エアシリンダー24cと、を備える。ここで、一対の突起部24aの先端は、半球形状の凸部24apを有している。また、センターリングロック24bの下面は、半球形状からなる一対の凹部24brを有している。この凸部24ap及び凹部24brは、互いの半球面同士が面接触し得る対応した形状を有している。ここで、固定用エアシリンダー24cにより、凸部24ap及び凹部24brをZ軸方向に係合させるとともに、フローティング部材23bのフランジ部23bfを、スラスト軸受23cを介して保持部材23aに押し付けて拘束することにより、フローティング機構23の自由度(XYθ軸への移動、揺れ方向への回動及びZ軸方向への移動)が完全に失われ、フローティングロック機構24が固定状態となる。一方、固定用エアシリンダー24cにより、凸部24ap及び凹部24brをZ軸方向に相互に離間させるとともに、フローティング部材23bのフランジ部23bfの拘束を解放することにより、フローティングロック機構24が解除状態となる。なお、シート矯正機構21がアライメントステージ位置Bに配置され、フローティングロック機構24が固定状態にある場合には、Z軸方向から見た、シート矯正板22及びアライメントステージ11の中心位置、及び、θ方向への回動角度がそれぞれ一致する位置(以下、「センターリング位置」という)に配置されるように予め設定されている。本実施形態において、一対の凸部24ap及び一対の凹部24brは、互いに対応した半球形状としたが、これに限らず、例えば、互いに対応した円錐形状、円錐台形状、円筒形状、及び、角柱形状などであってもよい。
まず、図3及び図4を用いて、シート矯正機構21を用いた位置合わせ動作について説明する。なお、初期状態として、シート矯正機構21は、待機位置Aで停止しており、フローティングロック機構24は、固定状態となっている。
図5から図7は、第2の実施形態に係るシート矯正機構121をYZ平面により切断した断面模式図を示す。図5(a)は、アライメントステージ11上への移動状態、図5(b)は、シート矯正板122の載置状態、図6(a)は、位置合わせ動作時の押圧状態であってシート矯正板112の分離後又は回収前における移動状態、図6(b)は、シート矯正板112の回収直前状態、図7(a)は、シート矯正板122の回収状態、図7(b)は、シート矯正板112の回収直後状態をそれぞれ表す。
シート矯正機構121は、シート矯正板122と、フローティング機構23と、フローティング機構23を固定するフローティングロック機構24と、シート矯正板122を固定する矯正板ロック機構126と、を備える。以下、それらを順に説明する。なお、本実施形態におけるシート矯正機構121は、シート矯正板122が、矯正板ロック機構126を介して、フローティング機構23と着脱自在に接続されている構成を有している点で、第1の実施形態に係るシート矯正機構21と相違する。しかしながら、その他の基本構成は第1の実施形態と同一であるため、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
シート矯正板122は、Z軸方向から見て、シートSを覆い得るように設定された略矩形形状を有し、Z軸方向に貫通する複数の吸着ポート135aと、複数の開口部(不図示)と、を備えている。この複数の吸着ポート135aの上方は、第2のセンターリングロック126bに配置されている垂直に延在した負圧チューブ135bに着脱自在に接続されるものである。ここで、複数の吸着ポート135aと負圧チューブ135bとを接続した連通状態において、負圧チューブ135bに負圧を導入することにより、複数の吸着ポート135aにシートSを吸着保持することができる一方、負圧チューブ135bに大気開放又は正圧を導入することにより、複数の吸着ポート135aへのシートSの吸着保持を解除することができる。この複数の吸着ポート135a及び負圧チューブ135bは、第1の実施形態と同様に、シートSを回収箱31へ回収する際に、シートSを吸着保持する回収保持機構135として形成されている。また、複数の開口部は、第1の実施形態と同様に、第1に、シート矯正板122の荷重W(図6(a)参照)によるシートSへの押圧力を調整するため、第2に、シートSに対する接触面積を調整し、シート矯正板122にシートSが張り付くことを防止するため、第3に、シートSのシート識別用マークを上方より撮像するために設けられている。
図5(b)に用いて、矯正板ロック機構126について説明する。矯正板ロック機構126は、シート矯正板122の上面側に取り付けられる一対の第2の突起部126aと、第2のセンターリングロック126bと、X軸方向に対向する一対の挟持部材126cと、一対の挟持部材126c(一方のみ図示)を近接及び離間させるようにX軸方向(矢印V方向)に移動させる挟持用エアシリンダー126dと、を備える。
まず、図5及び図6を用いて、シート矯正機構121を用いた位置合わせ動作について説明する。なお、初期状態として、シート矯正機構121は、待機位置Aで停止しており、フローティングロック機構24は固定状態、矯正板ロック機構126は接続状態となっており、吸着ポート135a及び負圧チューブ135bは、連通状態となっている。
10 アライメント手段
11 アライメントステージ
12 XYθ軸電動アクチュエータ
20 シート矯正手段
21 シート矯正機構
22 シート矯正板
23 フローティング機構
24 フローティングロック機構
29 付勢部材
30 シート回収手段(シート移動手段)
34 スライド機構
35 回収保持機構
40 積層手段
50 搬送手段
121 シート矯正機構
122 シート矯正板
126 矯正板ロック機構
135 回収保持機構
A 待機位置
B アライメントステージ位置
C 回収箱位置
Fk 付勢部材による付勢力
S シート
W シート矯正板による荷重
Claims (7)
- 複数枚のシートを積層する積層装置であって、
アライメントステージと、
前記アライメントステージに対して前記シートを相対的に移動させるシート移動手段と、
前記アライメントステージ上に載置された前記シートの位置合せを行うアライメント手段と、
前記シート移動手段は、前記アライメントステージとの間に前記シートを挟持するシート矯正板を備えるシート矯正手段を含み、前記シート矯正板の荷重を前記シートに負荷した状態で、前記シート矯正板を前記アライメントステージの動きに追従させることを特徴とする積層装置。 - 前記シート矯正手段は、付勢部材を有し、前記シート矯正板の荷重に加え、前記付勢部材の付勢力を、前記シートに負荷することを特徴とする請求項1に記載の積層装置。
- 前記シート矯正手段は、フローティング機構をさらに備え、
前記シート矯正板は、前記フローティング機構と一体的に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層装置。 - 前記シート矯正手段は、フローティング機構と、前記シート矯正板と前記フローティング機構とを着脱自在に接続する矯正板ロック機構と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の積層装置。
- 前記シート矯正手段は、前記フローティング機構を固定状態及び解除状態とするフローティングロック機構を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の積層装置。
- 前記シート移動手段は、前記アライメントステージ上から回収対象の前記シートを回収するシート回収手段であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の積層装置。
- 前記シート移動手段は、前記アライメントステージ上へと前記シートを供給するシート供給手段であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の積層装置。
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