JP2022036986A - 赤外光透過型組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外光透過型組成物を提供する。【解決手段】赤色、青色及び黄色色材を含有し、分散剤が、式(1)の構成単位を含み、窒素がカチオンとなるように、式(4)が結合して、塩を形成してなり、樹脂が、ラジカル重合性二重結合が側鎖に導入されたものであり、導入に用いられる化合物が、エポキシ基とラジカル重合性二重結合を有する化合物である赤外光透過型組成物。TIFF2022036986000020.tif76127【選択図】図1

Description

本発明は、赤外光透過型組成物に関し、更に詳しくは、特定の分散剤を用いることによって、近赤外領域における透過率が向上する赤外光透過型組成物に関する。
なお、本明細書において、「可視光」とは波長380nm~750nmの光をいう。また、「赤外光」とは波長750nm~1000μmの光をいい、その中でも、「近赤外光」とは波長750nm~2500nmの光をいう。
人の目に見えない赤外線は、熱源、各種センサ、通信手段等として使用されている。CCD等のセンサや通信手段用途の赤外線を発生する手段として、例えば、中心波長850nmや940nmのLED(発光ダイオード)が使用されている。中心波長850nmのLEDは、一部可視光領域にも裾野が広がっている。
このため、見栄えを良くするため等の目的で、可視光を遮断し、赤外光を透過するフィルム、インキ、塗料等により、対象物をカバーするべく、様々な組成物が開発されている。
このうち、2種以上の顔料を混合して使用することにより、可視光領域においては透過率が低く(可視光を遮断し)、近赤外領域においては透過率が高くなる樹脂組成物を作製する試みがいくつか報告されている(例えば、特許文献1~3)。
特許文献1には、赤色顔料と、特定構造のアルミニウムフタロシアニンである青色顔料を、特定割合で混合した樹脂組成物が開示されている。特許文献1に記載の発明では、2種の顔料を混合した際のザラ(色ムラ)の問題が解決されているが、可視光領域の遮光性の評価については、「光透過率10%以下」を良好としており、十分な遮光性を有しない。
特許文献2には、アゾ系黄色顔料又はイソインドリン系黄色顔料と、ジオキサジン系紫色顔料を混合したカラーフィルタ用着色感放射線性組成物が開示されている。特許文献2に記載の発明では、700nmでの透過率が90%程度であり、可視光領域の光を十分遮断しているとはいえない。
特許文献3には、金属フタロシアニン系の青色顔料と、イソインドリン系の黄色顔料を、特定割合で混合した樹脂組成物が開示されている。特許文献3に記載の発明は、近赤外領域における透過率に改善の余地がある。
各色の顔料の組成や種類を調整することにより、可視光領域の遮光性を十分にすることはある程度可能であるものの、顔料は、近赤外領域にもわずかに吸収を持つため、従来技術では、近赤外領域の透過率は必ずしも十分でなく、その結果、赤外線通過の妨げとなり、センサ等が十分に機能できない場合があった。
このため、可視光領域の遮光性が十分で、かつ、近赤外領域の光の透過率が高くなる赤外光透過型組成物の開発が切望されていた。
特開2015-063593号公報 特開2013-077009号公報 特開2012-022267号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、可視光領域においてほとんど光を透過せず、近赤外領域における透過率が大幅に改善される赤外光透過型組成物を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、赤色、青色及び黄色の色材を混合し、特定の分散剤と併用することによって、近赤外領域における透過率が向上することを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、色材、分散剤、溶剤、重合開始剤及び樹脂を含有する赤外光透過型組成物であって、該色材として、少なくとも、赤色色材、青色色材及び黄色色材を含有し、該分散剤が、下記一般式(1)で表される構成単位を含むものであり、該一般式(1)で表される構成単位のうちの少なくとも一部に、該構成単位の窒素がカチオンとなるように、後述する一般式(4)で表される化合物が結合して、塩を形成してなる分散剤であり、該樹脂が、ラジカル重合性二重結合が側鎖に導入されたものであり、該ラジカル重合性二重結合の導入に用いられる化合物が、エポキシ基とラジカル重合性二重結合を有する化合物であることを特徴とする赤外光透過型組成物を提供するものである。
Figure 2022036986000002
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Aは2価の連結基、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、R及びRが互いに結合して環構造を形成してもよい。
また、本発明は、上記の赤外光透過型組成物を硬化したものであることを特徴とする硬化物を提供するものである。
本発明によれば、可視光領域においてほとんど光を透過せず、近赤外領域における透過率が大幅に改善される赤外光透過型組成物を提供することができる。
本発明の赤外光透過型組成物を使用して得られた光フィルタ(カラーフィルタの光フィルタ部)の透過率を示すグラフである。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
本発明の赤外光透過型組成物は、色材、分散剤及び溶剤を含有する赤外光透過型組成物である。
本発明の赤外光透過型組成物は、色材として、少なくとも、赤色色材、青色色材及び黄色色材を含有する。
本発明の赤外光透過型組成物は、分散剤として、後述の特定の分散剤を含有する。該分散剤を含有することにより、本発明の赤外光透過型組成物は、近赤外領域における透過率が大幅に向上する。
<色材>
本発明の赤外光透過型組成物は、色材として、少なくとも、赤色色材、青色色材及び黄色色材を含有する。他に、本発明の効果を妨げない範囲で、本発明の赤外光透過型組成物は、緑色色材、紫色色材、オレンジ色材、黒色色材等を含有していてもよい。
各色の色材については、特に限定されず、種々の無機顔料、有機顔料、染料等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
[有機顔料]
赤色、青色、黄色、緑色、紫色、オレンジ色、黒色等の有機顔料が種々市販されており、本発明の赤外光透過型組成物に含有される色材として、使用することができる。有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、本発明の赤外光透過型組成物に含有される色材として、好ましい。以下に、有機顔料の具体例をピグメントナンバーで示すが、「C.I.」は、カラーインデックスを意味する。
<<赤色色材>>
赤色色材(赤色顔料)としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上記のうち、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料又はアゾ系顔料であるものを使用するのが好ましい。
その中でも、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が特に好ましい。
また、ジケトピロロピロール系顔料としては、下記一般式(5)で表されるジケトピロロピロール系顔料が特に好ましい。
Figure 2022036986000003
一般式(5)において、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいフェニル基である。
一般式(5)において、X及びXが水素原子であるものは、C.I.ピグメントレッド255である。
一般式(5)において、X及びXが塩素原子であるものは、C.I.ピグメントレッド254である。
一般式(5)において、X及びXがフェニル基であるものは、C.I.ピグメントレッド264である。
<<青色色材>>
青色色材(青色顔料)としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上記のうち、フタロシアニン系顔料又はトリアリールメタン系顔料(トリアリールメタン系レーキ顔料)であるものを使用するのが好ましい。
その中でも、フタロシアニン系顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4が特に好ましい。
<<黄色色材>>
黄色色材(黄色顔料)としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、213等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上記のうち、アゾ系顔料、イソインドリン系顔料又はキノフタロン系顔料であるものを使用するのが好ましい。
その中でも、アゾ系顔料としては、Niアゾ錯体であるC.I.ピグメントイエロー150や、下記黄色色材Yが特に好ましい。
(黄色色材Y)
一般式(6)で表されるアゾ化合物並びにその互変異性構造のアゾ化合物のモノ、ジ、トリ及びテトラアニオンからなる群から選択される少なくとも1種のアニオンと、
Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb,Zn,Fe,Ni,Cu及びMnからなる群から選択される少なくとも2種の金属のイオンと、
下記一般式(7)で表される化合物とを含む黄色色材。
Figure 2022036986000004
一般式(6)において、R1a及びR2aはそれぞれ独立して、-OH、-NH、-NH-CN、アシルアミノ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基である。R1b及びR2bはそれぞれ独立して、-OH又は-NHである。
Figure 2022036986000005
一般式(7)において、R1c、R2c及びR3cはそれぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。
また、イソインドリン系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185が好ましい。中でも、C.I.ピグメントイエロー139が特に好ましい。
<<他の色の色材(有機顔料)>>
本発明の赤外光透過型組成物が赤色、青色、黄色の各色材以外に含有していてもよい色材としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58、59等の緑色色材(緑色顔料);C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等の紫色色材(紫色顔料);C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79等のオレンジ色材(オレンジ顔料);カーボンブラック等の黒色色材;等が挙げられる。
<<レーキ顔料>>
本発明の各色の色材としては、公知のレーキ化(造塩化)手法を用いて、染料を不溶化させたレーキ顔料を使用することもでき、前述の各色の色材として使用することができる。
なお、目安として、10gの溶剤(又は混合溶剤)に対して、レーキ顔料の溶解量が10mg以下であれば、当該溶剤(又は混合溶剤)において、当該レーキ顔料(染料)が分散可能であると判定することができる。
レーキ顔料の原料となる染料としては、従来公知の染料の中から適宜選択することができる。このような染料としては、例えば、アゾ系染料、金属錯塩アゾ系染料、アントラキノン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、ナフトキノン系染料、キノンイミン系染料、メチン系染料、フタロシアニン系染料、ペリノン系染料、ジピロメテン系染料等を挙げることができる。
これらのうち、レーキ顔料の原料となる染料としては、耐熱性が高い点からキサンテン系染料が好ましく、その中でも、ローダミン系染料が特に好ましい。
レーキ顔料の原料となるローダミン系染料としては、アシッドレッド50、アシッドレッド52、アシッドレッド289、アシッドバイオレット9、アシッドバイオレット30、アシッドブルー19等が挙げられる。
[無機顔料]
無機顔料も、本発明の赤外光透過型組成物に含有させる各色の色材として使用することができる。
無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、前記の有機顔料や後記の染料と組み合わせて使用してもよい。
<<染料>>
染料も、分散可能であれば、本発明の赤外光透過型組成物に含有させる各色の色材として使用することができる。目安として、10gの溶剤(又は混合溶剤)に対して、染料の溶解量が10mg以下であれば、当該溶剤(又は混合溶剤)において、当該染料は分散可能である。
染料の具体例としては、前記の「レーキ顔料の原料となる染料」と同様のものを使用することができる。
<<色素誘導体>>
本発明の赤外光透過型組成物に含有される色材は、色素誘導体を含有しているのが好ましい。
「色素誘導体」とは、色材の表面を改質し、色材の分散性、分散安定性、分散液の貯蔵安定性等を向上させるために用いられるものである。色素誘導体は、色素の分子に、分散剤との酸性基や塩基性基を導入したものである。
色材(色素)の種類により、併用に適した色素誘導体があるが、色材(色素)と、適した色素誘導体の母体となる骨格は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明に使用される色素誘導体は、後述の分散剤との組み合わせにより、分散性が極めて良好になる等の理由から、酸性基を導入した酸性色素誘導体が好ましい。
酸性色素誘導体の酸性基としては、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシ基や、これらの官能基の金属塩やアンモニウム塩が例示できる。
酸性色素誘導体の母体骨格となる色素分子(顔料分子)としては、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料等が挙げられる。
酸性色素誘導体の具体例としては、下記式(8)で表される化合物、下記式(9)で表される化合物(C.I.ピグメントレッド177のスルホン化誘導体)、下記式(10)で表されるアニオンと下記式(11)で表されるカチオンからなる長鎖アルキルアミノスルホン酸塩が例示できる。
Figure 2022036986000006
式(8)において、nは1~4の整数である。
Figure 2022036986000007
式(9)において、nは1~4の整数である。
Figure 2022036986000008
Figure 2022036986000009
式(11)において、n及びnはそれぞれ、4~20の整数である。
式(8)で表される化合物は、赤色色材であるC.I.ピグメントレッド254との併用に適した色素誘導体である。
式(9)で表される化合物は、赤色色材であるC.I.ピグメントレッド177との併用に適した色素誘導体である。
式(10)で表されるアニオンと式(11)で表されるカチオンからなる長鎖アルキルアミノスルホン酸塩は、青色色材であるC.I.ピグメントブルー15:6との併用に適した色素誘導体である。
本発明の色材全体における、色素誘導体の含有量は、特に限定されないが、色材100質量部に対して、0.5~30質量部であることが好ましく、1~15質量部であることがより好ましく、2~10質量部であることが特に好ましい。
上記下限値以上とすることで、安定分散や微分散を可能になりやすい。また、上記上限値以下とすることで色素誘導体の過剰による色度の変化を抑制することができる。
本発明の色材は、色素誘導体を、1種類含有していてもよいし、2種類以上含有してもよい。上述のように、色材の種類により、併用に適した色素誘導体の種類は異なる。本発明の赤外光透過型組成物は、赤色、青色、黄色の最低3種類の色材を含有し、併用に適した色素誘導体は、色材の種類によるので、本発明では、2種類以上の色材誘導体を含有するのが好ましい。
例えば、本発明の赤外光透過型組成物に含有させる赤色色材としてC.I.ピグメントレッド254を、青色色材としてC.I.ピグメントブルー15:6を使用する場合、「式(8)で表される化合物」及び「式(10)で表されるアニオンと式(11)で表されるカチオンからなる長鎖アルキルアミノスルホン酸塩」を、色素誘導体として使用するのが好ましい。
酸性色素誘導体は、色材粒子の分散体中に、どの段階で添加されてもよいが、酸性色素誘導体を、色材表面に吸着させたり、取り込ませたりすることを考慮すると、色材を製造する工程の中で色材に添加することもできる。添加する段階としては、例えば、色材を合成する工程中、ニーダー等により色材をソルベントソルトミリングする工程中、該工程後の処理の工程中、アトライター等により顔料を乾式粉砕する工程中、分散している工程中、分散後の処理の工程中である。
また、再沈法において良溶媒又は貧溶媒に添加しておくこともでき、顔料粒子の析出後、又は、その後に濃縮若しくは再分散をするときに添加しておくこともできる。
<<色材の比率・組み合わせ>>
本発明の赤外光透過型組成物は、赤色色材100質量部に対して、青色色材を10質量部以上含有するのが好ましく、20質量部以上含有するのがより好ましく、50質量部以上含有するのが特に好ましく、80質量部以上含有するのが最も好ましい。また、赤色色材100質量部に対して、青色色材を300質量部以下含有するのが好ましく、200質量部以下含有するのがより好ましく、150質量部以下含有するのが特に好ましく、120質量部以下含有するのが最も好ましい。
上記範囲内であると、可視光領域における透過率が低く、近赤外領域における透過率を高くしやすくなる。
本発明の赤外光透過型組成物は、赤色色材100質量部に対して、黄色色材を10質量部以上含有するのが好ましく、20質量部以上含有するのがより好ましく、50質量部以上含有するのが特に好ましく、80質量部以上含有するのが最も好ましい。また、赤色色材100質量部に対して、黄色色材を300質量部以下含有するのが好ましく、200質量部以下含有するのがより好ましく、150質量部以下含有するのが特に好ましく、120質量部以下含有するのが最も好ましい。
上記範囲内であると、可視光領域における透過率が低く、近赤外領域における透過率を高くしやすくなる。
460nm~500nmの領域、500nm~540nmの領域、600nm~750nmの領域は、赤色、青色、黄色の各色材を混合した場合に、光を十分に遮断することができない波長部分が現れやすい領域である。
赤色色材がジケトピロロピロール系顔料である場合、黄色色材がイソインドリン系顔料であると、460nm~500nmの領域や600nm~750nmの領域の光を遮断しやすくなる。また、黄色色材がアゾ系顔料であると、460nm~500nmの領域や500nm~540nmの領域の光を遮断しやすくなる。
赤色色材がアントラキノン系顔料である場合、黄色色材がイソインドリン系顔料であると、460nm~500nm、500nm~540nm、600nm~750nmの全ての領域において、光を遮断しやすくなるので、この組み合わせは特に好ましい。また、黄色色材がアゾ系顔料であると、500nm~540nmの領域や600nm~750nmの領域の光を遮断しやすくなる。
なお、上述の好ましい色材の組み合わせにおいて、例えば、「赤色色材がジケトピロロピロール系顔料である」とは、「赤外光透過型組成物に含有させる赤色色材として、複数系統の赤色色材を使用し、そのうち主要な(最も量の多い)赤色色材がジケトピロロピロール系顔料である」場合を含む(ジケトピロロピロール系顔料以外についても同様である)。
<<色材の平均一次粒径>>
色材の平均一次粒径は、特に限定はないが、30nm~500nmが好ましく、40nm~300nmがより好ましく、50nm~200nmが特に好ましい。
平均一次粒径が小さ過ぎると、分散性が低下し、また、粉による汚染等により作業性が低下する場合がある。
<分散剤>
本発明の赤外光透過型組成物は、下記一般式(1)で表される構成単位を含む分散剤(以下、「本発明の分散剤」という場合がある。)を含有する。
Figure 2022036986000010
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Aは2価の連結基、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、R及びRが互いに結合して環構造を形成してもよい。
一般式(1)で表される構成単位は、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミド基;それらの塩;トリアルキルアンモニウム基;等の塩基性基を有する。
本発明の分散剤は、色材吸着部位と溶剤親和部位が機能分離されており、本発明の分散剤を使用することにより、赤外光透過型組成物の可視光領域における透過率が低く、近赤外領域における透過率が高くなりやすい。また、本発明の分散剤は、前記した酸性色素誘導体と併用することにより、前記効果を相乗的に発揮する。
一般式(1)で表される構成単位を含む本発明の分散剤は、塩基性ブロック型分散剤や塩基性グラフト型分散剤である高分子分散剤であることが好ましい。
本発明の分散剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<塩基性ブロック型分散剤>>
「塩基性ブロック型分散剤である本発明の分散剤」は、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミド基;それらの塩;トリアルキルアンモニウム基;等の塩基性基を有し、一般式(1)で表される構成単位を与えるモノマー(以下、「aモノマー」と略記する)と、aモノマーとは異なる他のモノマー(以下、「bモノマー」と略記する)とのブロック共重合体よりなる分散剤であり、2元共重合体でもよく、3元以上の共重合体でもよい。なお、「aモノマー」には、上記「アルキル」を、「アリール」、「アラルキル」、「アルケニル」等と言い換えたものも含まれる。
上記aモノマーとしては、4級アンモニウム塩基、窒素に結合した水素が置換基で置換されていてもよい2級又は3級アミノ基を含有する(メタ)アクリレート化合物が好ましく、特に好ましくは、3級アミノ基や4級アンモニウム塩基を含有する(メタ)アクリレート化合物である。
本発明の「塩基性ブロック型分散剤である本発明の分散剤」は、例えば、塩基性ブロック共重合体を形成するユニットである等の3級アミノ基を、スルホン酸化合物、リン酸化合物等の酸によって塩形成したものであってもよい。また、塩基性ブロック共重合体を形成するユニットであるジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基に、「ハロゲン化アリール、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル等のハロゲン化合物」等を結合させ、4級アンモニウム塩としたものであってもよい。
本発明の分散剤の例としては、上記一般式(1)で表される構成単位のうちの少なくとも一部に、該構成単位の窒素がカチオンとなるように、下記一般式(2)~(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物が結合して、塩を形成してなる分散剤が挙げられる。
Figure 2022036986000011
上記一般式(2)で表される化合物は、スルホン酸化合物の一例である。一般式(2)において、Rは、炭素数1~20の、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基;置換基を有してもよい、ビニル基、フェニル基若しくはベンジル基;又は-O-Rを表し、Rは、炭素数1~20の、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基;置換基を有してもよい、ビニル基、フェニル基若しくはベンジル基;又は炭素数1~4のアルキレン基を介した(メタ)アクリロイル基を表す。
上記一般式(3)で表される化合物は、「ハロゲン化アリール、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル等のハロゲン化合物」の一例である。一般式(3)において、R、Rb’及びRb”は、それぞれ独立に、水素原子;酸性基若しくはそのエステル基;置換基を有してもよい炭素数1~20の、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基;置換基を有してもよいビニル基、フェニル基若しくはベンジル基;又は-O-Rを表し、Rは、置換基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基;置換基を有してもよい、ビニル基、フェニル基若しくはベンジル基;又は炭素数1~4のアルキレン基を介した(メタ)アクリロイル基を表し、Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
一般式(3)中のXが、カウンターアニオン(X)となり塩を形成する。
上記一般式(4)で表される化合物は、リン酸化合物の一例である。一般式(4)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子;水酸基;炭素数1~20の、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基;置換基を有してもよい、ビニル基、フェニル基若しくはベンジル基;又は-O-Rを表し、Rは、炭素数1~20の、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基;置換基を有してもよい、ビニル基、フェニル基若しくはベンジル基;又は炭素数1~4のアルキレン基を介した(メタ)アクリロイル基を表す。ただし、R及びRの少なくとも1つは炭素原子を含む。
上記aモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸のジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のジアリールアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のジアラルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のジアルケニルアミノアルキルエステルや、それらの塩等が挙げられる。「それらの塩」を形成する際に用いられる化合物としては、上記一般式(2)~(4)で表される化合物が挙げられる。
より具体的には、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有化合物;これら3級アミノ基含有化合物の塩;N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミド類;(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム基含有化合物の塩;等が挙げられる。
特に好ましくは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのスルホン酸塩、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのフェニルホスホン酸塩、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
前記aモノマーが(共)重合した塩基性ブロック共重合体又はその塩型の分散剤は、微分散化や分散安定化が可能になり、良好な分散安定性を保持できる。これにより、本発明の赤外光透過型組成物は、可視光領域における透過率が低く、近赤外領域における透過率を高くなる。
前記bモノマーとしては、例えば、芳香族基含有モノマーとして、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアクリレート類;スチレン等のスチレン類;フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;等が挙げられる。
更には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルアルキルエーテル等のアリル基含有化合物;等が挙げられる。
前記bモノマーとしては、カルボキシ基含有モノマーも好ましい。該カルボキシ基含有モノマーとは、共重合可能な不飽和二重結合とカルボキシ基を含有するモノマーを言う。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸ダイマー等が挙げられる。
また、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体と、無水マレイン酸、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物等のような環状無水物との付加反応物;ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等も挙げられる。
また、該カルボキシ基の前駆体として、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の酸無水物を用いたカルボキシ基含有モノマーも挙げられる。
中でも、共重合性、コスト、溶解性等の点から、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
上記bモノマーの選択の包括的な理由としては、溶剤に対して親和性を有し、微分散化や分散安定化が可能になること等が挙げられる。
aモノマー若しくはその塩を含有する重合ブロックを「A」、bモノマーを含有する重合ブロックを「B」とすると、本発明における塩基性ブロック型分散剤は、A-Bブロック共重合体、A-B-Aブロック共重合体、B-A-Bブロック共重合体、A-B-A-Bブロック共重合体、それ以上のブロック共重合体の何れでもよいが、好ましくは、A-Bブロック共重合体である。
aモノマー若しくはその塩を含むブロック共重合体は、Aブロックの部分が色材に吸着し、Bブロックの部分が、溶剤に対して親和性を有するため、色材の分散性を向上させることができると推察される。
本発明における塩基性ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定はないが、500~100000の範囲内であることが好ましく、1000~30000の範囲内であることがより好ましく、3000~20000の範囲内であることが特に好ましく、4000~15000の範囲内であることが最も好ましい。
上記範囲内であることにより、「色材を均一に分散させる濡れ性」と分散安定性とを両立させることが可能となる。また、本願の色材分散剤を赤外光透過型組成物の成分として用いる場合には、上限が上記値以下であると、分散液の粘度が高くなり過ぎない。一方、下限が上記値以上であると十分な分散性が得られる。
ここで、重量平均分子量は(Mw)、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。
塩基性ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)等の測定は、東ソー(株)製のHLC-8120GPCを用い、溶出溶剤を0.01モル/Lの臭化リチウムを添加したN-メチルピロリドンとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw377400、210500、96000、50400、20650、10850、5460、2930、1300、580(以上、Polymer Laboratories社製 Easi PS-2シリーズ)及びMw1090000(東ソー(株)製)とし、測定カラムをTSK-GEL ALPHA-M×2本(東ソー(株)製)として行われたものである。
また、アミン価は、特に限定はないが、好ましくは15~200mgKOH/g、より好ましくは30~150mgKOH/g、特に好ましくは40~130mgKOH/gである。
アミン価が小さ過ぎると十分な分散安定性が得られず、大き過ぎると溶剤への溶解性が低下する。
上記アミン価はJIS-K7237:1995により求めることができる。
また、酸価は、0~50mgKOH/gが好ましく、1~30mgKOH/gがより好ましく、2~18mgKOH/gが特に好ましい。
分子量、アミン価又は酸価が、上記範囲であると、分散されやすく、色材濃度を上げても良好な分散安定性を保持でき、前記した本発明の効果が発揮されやすい。
<<塩基性グラフト型分散剤>>
「塩基性グラフト型分散剤」とは、主鎖に対して側鎖として繰り返し単位が結合した(共)重合体よりなる塩基性の分散剤をいう。
具体的には、先に側鎖を合成しておき、それを(共)重合したもの、すなわち、片末端に重合不飽和基を有するマクロモノマー(片末端に重合性不飽和基を有し繰り返し単位を有するオリゴマー)等を重合成分とする(共)重合体よりなる分散剤が挙げられる。
また、先に主鎖を合成しておいてから、その主鎖に対して、ところどころに側鎖としてペンダントに(枝のように)繰り返し単位を結合させた(共)重合体よりなる分散剤が挙げられる。
「塩基性グラフト型分散剤」の塩基性は、どのように付与されていてもよいが、塩基性を有する窒素原子含有モノマーを共重合させることにより塩基性が付与されているものが好ましい。
共重合させる塩基性のモノマーとしては特に限定はないが、具体的には、例えば、前記<<塩基性ブロック型分散剤>>の項で記載した前記「aモノマー」が挙げられる。
前記「片末端に重合性基不飽和基を有するマクロモノマー」としては特に限定はなく公知のものが使用可能である。
かかるマクロモノマーにおける繰り返し単位を構成する重合成分としては、特に限定はないが、具体的には、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルアルキルエーテル等のアリル基含有化合物;等が挙げられる。本発明におけるマクロモノマーとしては、上記重合成分が重合した単位を有するものであることが好ましい。
「塩基性グラフト型分散剤」において、上記「片末端に重合性基不飽和基を有するマクロモノマー」と「共重合させる塩基性のモノマー」以外に、他の重合性モノマーが共重合されていてもよい。
かかる「他の重合性モノマー」としては、特に限定はないが、具体的には、例えば、前記「塩基性ブロック型分散剤」の項で記載した前記「bモノマー」等が挙げられる。
マクロモノマーの導入率は、特に限定はないが、主鎖の繰り返し単位100個中に、平均で0.1個~20個の割合で導入されることが好ましく、0.3個~10個の割合で導入されることが特に好ましい。
本発明における塩基性グラフト型分散剤の分子量は、特に限定はないが、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)として、通常1000~100000、好ましくは2000~40000、より好ましくは3000~30000、特に好ましくは4000~25000、更に好ましくは5000~20000である。
上記範囲であると、分散されやすく、「色材分散液を調製する際の最終分散工程」で微分散化が可能となったり、分散時間の短縮が可能となったりする。その結果、該色材分散液を用いて得られた赤外光透過型組成物は、可視光領域における透過率が低く、近赤外領域における透過率を高くなりやすい。
本発明の赤外光透過型組成物は、一般式(1)で表される構成単位を含む本発明の分散剤の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、他の分散剤(高分子分散剤や低分子分散剤)を含有していてもよい。
<溶剤>
本発明の赤外光透過型組成物に含有される溶剤としては特に限定はなく、公知のものが用いられる。
具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のアルキレングリコールエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のジアルキレングリコールエーテル類;トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル等のトリアルキレングリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のトリアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシ酢酸ブチル、3-メチル-3-メトキシ酢酸ブチル(3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート)、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシプロパン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸イソアミル等のエステル類;等が挙げられる。
これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
中でも、特に、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシ酢酸ブチル、3-メチル-3-メトキシ酢酸ブチル(3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2-ヒドロキシプロパン酸メチルが好ましい。
2種類以上の溶剤を含有する混合溶剤を使用する場合、第1溶剤としては、安全性が高い;適度な揮発性を持つ;適度な溶解性を持つために分散性が良好である;等の理由から、グリコールエーテルアセテート系溶剤(前記した、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、トリアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等)を使用するのが好ましい。また、その中でも、沸点(大気圧における沸点をいう。以下同じ。)が150℃未満であるエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が特に好ましい。
第2溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、ジアセトンアルコール、乳酸エチル等のアルコール性水酸基を持つ溶剤;ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート(3-メトキシ酢酸ブチル)等の沸点150℃以上の溶剤が好ましい。
第2溶剤としてアルコール系溶剤を使用すると、分散性が良好になり再溶解性が良好になる。また、極性が高く染料の溶解に優れている。
アルコール系溶剤の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃)、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(沸点174℃)、ジアセトンアルコール(沸点166℃)、乳酸エチル(沸点151℃)等が挙げられる。
<樹脂>
本発明の赤外光透過型組成物は、樹脂を含有していてもよい。樹脂は、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与する機能を有する。樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂は、塗膜に充分な硬度を付与するために、硬化性樹脂であることが好ましい。
硬化性樹脂としては、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる感光性樹脂;加熱により重合硬化させることができる熱硬化性樹脂;これらの混合物等を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性樹脂としては、特に限定されず、例えば、光架橋反応や光重合反応を利用した感光性樹脂が挙げられる。
カラーフィルタ用途等、パターニングが必要な場合は、紫外線照射等の際にマスキングすることにより、未露光部をアルカリ水溶液で容易に除去することができる点から、本発明の赤外光透過型組成物が含有する樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂を使用するのが好ましい。
<<アルカリ可溶性樹脂>>
アルカリ可溶性樹脂として、特に限定はなく、アルカリ性の現像液で好適に現像できるものであれば使用可能である。アルカリ可溶性樹脂としては、好ましくは、酸基を有するモノマーを共重合成分とする共重合体である。また、重合体に後から酸基を導入したものであってもよい。
ここで、酸基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸(メチレンコハク酸)等のカルボキシ基を有するモノマー;4-ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー;等が挙げられる。
また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、ラジカル重合性二重結合が導入されたものが、感度が向上する点、赤外光透過型組成物が露光され光硬化し、未露光部が現像された結果、強固な塗膜ができる点等から好ましい。
ラジカル重合性二重結合を導入するには、例えば、(共)重合後にラジカル重合性二重結合を導入し得るモノマーを(共)重合した後に、後述するような「ラジカル重合性二重結合の導入に用いられる化合物」を反応させて、ラジカル重合性二重結合を側鎖に導入する。
かかる「重合後にラジカル重合性二重結合を導入し得るモノマー」としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシ基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー;等が挙げられる。
前記「ラジカル重合性二重結合の導入に用いられる化合物」としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o-又はm-又はp-ビニルベンジルグリシジルエーテル等の「エポキシ基とラジカル重合性二重結合」を有する化合物や、メタクリロイルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート等の「イソシアナト基とラジカル重合性二重結合」を有する化合物等が挙げられる。
このうち、「エポキシ基とラジカル重合性二重結合」を有する化合物が、保存安定性の点から好ましい。
該アルカリ可溶性樹脂には、上記の他に、これらと共重合可能なモノマーを使用することができ、該モノマー(以下、「他のモノマー」と略記する)として、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーが挙げられ、具体的には、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルアルキルエーテル等のアリル基含有化合物;ベンジルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;等が共重合される。
前記「酸基を有するモノマー」、「重合後にラジカル重合性二重結合を導入し得るモノマー」、「ラジカル重合性二重結合の導入に用いられる化合物」及び「他のモノマー」は、用いられる場合には、それぞれ1種又は2種以上が用いられて、(共)重合や反応に供される。ただし、「酸基を有するモノマー」と「重合後にラジカル重合性二重結合を導入し得るモノマー」は同一種であってもよい(兼用されていてもよい)。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、特に限定はないが、30~200mgKOH/gが好ましく、40~150mgKOH/gがより好ましく、50~120mgKOH/gが特に好ましい。
酸価は、上限が上記値以下だと基板との十分な密着性が得られ、下限が上記値以上だと十分なアルカリ現像性が得られる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の分子量は、特に限定はないが、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)として、通常、3000~25000、好ましくは、4000~20000、特に好ましくは、5000~15000である。
重量平均分子量(Mw)は、上限が上記値以下だと他の構成成分との相溶性が向上し、現像性が良くなり、また粘度が高くなり過ぎない。一方、下限が上記値以上だと、基板との密着性が向上する。
アルカリ可溶性樹脂は、着色層の密着性が優れる点等から、更に、炭化水素環を有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂に嵩高い基である、炭化水素環を有することにより硬化時の収縮が抑制され、基板との間の剥離が緩和し、基板密着性が向上する。また、炭化水素環を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることにより、得られた着色層の耐溶剤性、特に着色層の膨潤が抑制される。作用については未解明であるが、着色層内に嵩高い炭化水素環が含まれることにより、着色層内における分子の動きが抑制される結果、塗膜の強度が高くなり溶剤による膨潤が抑制されるものと推定される。
このような炭化水素環としては、置換基を有していてもよい環状の脂肪族炭化水素環、置換基を有していてもよい芳香族環、及びこれらの組み合わせが挙げられ、炭化水素環がカルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、アミド基等の置換基を有していてもよい。
炭化水素環の具体例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン(ジシクロペンタン)、アダマンタン等の脂肪族炭化水素環;ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン等の芳香族環;ビフェニル、ターフェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、スチルベン等の鎖状多環や、下記式(12)に示されるカルド構造等が挙げられる。
Figure 2022036986000012
炭化水素環として、脂肪族環を含む場合には、着色層の耐熱性や密着性が向上すると共に、得られた着色層の輝度が向上する点から好ましい。
また、前記一般式(12)に示されるカルド構造を含む場合には、着色層の硬化性が向上し、耐溶剤性(NMP膨潤抑制)が向上する点から特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、2つ以上の環が2以上の原子を共有した構造を有する脂肪族基である、架橋環式脂肪族基を有するのも好ましい。
架橋環式脂肪族基の具体例としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、ジシクロペンテニル基、ジシクロペンタニル基、トリシクロペンテニル基、トリシクロペンタニル基、トリシクロペンタジエン基、ジシクロペンタジエン基;これらの基の一部が置換基によって置換された基が挙げられる。
上記置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヒドロキシル基、ケトン基、ニトロ基、アミン基、ハロゲン原子等が挙げられる。
架橋環式脂肪族基の炭素数は、他の材料との相溶性やアルカリ現像液に対する溶解性の観点から、下限は5以上が好ましく、7以上が特に好ましい。上限は、12以下が好ましく、10以下が特に好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂は、N-シクロペンチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-シクロオクチルマレイミド等の脂肪族環を持つマレイミド;N-フェニルマレイミド、N-メチルフェニルマレイミド、N-エチルフェニルマレイミド、N-ジメチルフェニルマレイミド、N-ジエチルフェニルマレイミド、N-メトキシフェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ヒドロキシフェニルマレイミド、N-ナフチルマレイミド等の芳香族環を持つマレイミド;等のマレイミド構造単位を有していてもよい。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂において、カルボキシル基を有する構成単位とは別に、上記炭化水素環を有する構成単位を有するアクリル系共重合体を用いることが、各構成単位量を調整しやすく、上記炭化水素環を有する構成単位量を増加して当該構成単位が有する機能を向上させやすい点から好ましい。
カルボキシルを有する構成単位と、上記炭化水素環とを有するアクリル系共重合体は、前述の“共重合可能なその他のモノマー”として炭化水素環を有するエチレン性不飽和モノマーを用いることにより調製することができる。
炭化水素環を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、スチレン、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられ、塗膜の皺の発生の抑制効果に優れる点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、N-フェニルマレイミドが好ましく、特にスチレンが好ましい。
<<重合性多官能化合物>>
本発明の赤外光透過型組成物がアルカリ可溶性樹脂を含有する場合、アルカリ可溶性樹脂の重合性官能基だけが重合してもよいが、赤外光透過型組成物には、更に重合性多官能化合物が含有されていることも好ましい。
重合性多官能化合物としては、特に限定はなく、公知の重合性多官能化合物が用いられる。「重合性多官能化合物」は、1分子中に2個以上の重合性官能基を有するものであれば、特に限定はなく、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル化合物;等が挙げられる。
このうち、ポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の直鎖アルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の3価以上のアルコールの部分(メタ)アクリル酸エステル;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系ジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
3官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε-カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-s-トリアジン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリプロピオネート等が挙げられる。
4官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステルテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの重合性多官能化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、カルボキシ基を有する多官能モノマーと、カルボキシ基を有しない多官能モノマーを組み合わせて用いてもよい。耐熱性及び密着性を向上し、塗膜の皺の発生を抑制する点から、カルボキシ基を有しているペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、カルボキシ基を有しているジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物等が好ましい。
<重合開始剤等>
本発明の赤外光透過型組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては特に限定はなく、ラジカル重合に対して従来用いられている公知のものが使用可能である。
光重合開始剤としては、具体的には、紫外線のエネルギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、例えば、α-アミノケトン系化合物;ビイミダゾール系化合物;キサントン誘導体又はチオキサントン誘導体;アシルフォスフィンオキサイド系化合物;オキシムエステル系化合物;ベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン誘導体;クロロスルフォニル、クロロメチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合物、クロロメチルベンゾフェノン類等の含ハロゲン化合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;有機硫黄化合物;過酸化物;等が挙げられる。
α-アミノケトン系化合物の光重合開始剤の例としては、例えば、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(例えばイルガキュア907、BASF社製)、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン(例えばイルガキュア369、BASF社製)、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(イルガキュア379EG、BASF社製)等が挙げられる。
ビイミダゾール系化合物の光重合開始剤の例としては、例えば、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス(4-エトキシカルボニルフェニル)-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-ブロモフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス(4-エトキシカルボニルフェニル)-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-ブロモフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4-ジブロモフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4,6-トリブロモフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール等が挙げられる。
キサントン誘導体又はチオキサントン誘導体の光重合開始剤の例としては、例えば、キサントン、2,4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の光重合開始剤の例としては、例えば、ベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、3,4-ジメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメチルベンゾイル)-エチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物の光重合開始剤の例としては、例えば、商品名では、イルガキュアOXE-01、イルガキュアOXE-02、イルガキュアOXE-03、イルガキュアOXE-04(以上、BASF社製)、ADEKA OPT-N-1919、アデカアークルズNCI-930、アデカアークルズNCI-831(以上、ADEKA社製)、TR-PBG-304、TR-PBG-326、TR-PBG-3057(以上、常州強力電子新材料社製)等が挙げられる。
また、オキシムエステル系化合物の具体的な化合物名としては、以下のものを挙げることができる。
・1-ペンタノン,1-[4-[[4-(2-ベンゾフラニルカルボキシ)フェニル]チオ]フェニル]-4-メチル,1-(O-アセチルオキシム)
・2-(ベンゾイルオキシイミノ)-1-[4(フェニルチオ)フェニル]-1-オクタノン
・エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)
・エタノン,1-[9-エチル-6-(1,3-ジオキソラン,4-(2-メトキシフェノキシ))-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)
・プロパノン,2-シクロペンチル-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)
・メタノン,[8-[[(アセチルオキシ)イミノ][2-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)フェニル]メチル]-11-(2-エチルヘキシル)-11H-ベンゾ[a]カルバゾール-5-イル](2,4,6-トリメチルフェニル)
・メタノン,(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)[4-(2-メトキシ-1-メチルエトキシ)-2-メチルフェニル]-,O-アセチルオキシム
・1,2-ブタンジオン,1-[4-[[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]チオ]フェニル]-,2-(O-アセチルオキシム)
本発明の赤外光透過型組成物は、特に、オキシムエステル系化合物の光重合開始剤(以下、「オキシムエステル開始剤」という場合がある。)を含有しているのが好ましい。
赤外光透過型組成物を硬化し、塗膜を調製する際には、表面のみ硬化が進行し、下部の硬化が不十分である場合があり、熱工程を経る等により、塗膜表面に皺が発生する場合がある。本発明の赤外光透過型組成物に、オキシムエステル開始剤を含有させることにより、塗膜表面の皺の発生を抑制しやすくなる。
オキシムエステル開始剤は、1種単独で使用してもよいが、2種以上を併用すると、皺の発生の抑制効果が特に強くなるので、2種以上を併用するのが好ましい。
2種以上を併用すると、それぞれのオキシムエステル開始剤の吸収波長が異なるため、露光時の紫外光をそれぞれの吸収波長において効果的に使えるためと推定される。
本発明の赤外光透過型組成物において用いられる光重合開始剤の合計含有量は、本発明の効果が損なわれない限り特に制限はないが、赤外光透過型組成物の固形分全量に対して、好ましくは0.1質量%以上16.0質量%以下、特に好ましくは1.0質量%以上12.0質量%以下の範囲内である。
なお、本発明において、固形分とは、上述した溶剤以外のもの全てであり、液状の多官能モノマー等も含まれる。
また、本発明の赤外光透過型組成物は、メルカプト化合物を含有していてもよい。メルカプト化合物は反応の遅いラジカルからラジカルを受け取り、反応を早めるという性質を有するため、塗膜表面硬化を促進し、塗膜の皺の発生を抑制することができる。
メルカプト化合物としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾイミダゾール、3-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸メチル、3-メルカプトプロピオン酸エチル、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
メルカプト化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の赤外光透過型組成物において、メルカプト化合物の合計含有量は、本発明の効果が損なわれない限り特に制限はないが、赤外光透過型組成物の固形分全量に対して、好ましくは0.2質量%以上7質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以上5質量%以下の範囲内である。
上記範囲内であると、塗膜の皺の発生を効果的に抑制することができる。
<<含有割合>>
本発明の赤外光透過型組成物における、アルカリ可溶性樹脂と重合性多官能化合物との含有割合は、特に限定はないが、感度、解像度及び現像性の観点から、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、重合性多官能化合物0~500質量部が好ましく、10~300質量部がより好ましく、20~200質量部が特に好ましい。
赤外光透過型組成物の固形分合計量に対して、アルカリ可溶性樹脂は5~80質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましい。また、該固形分全量に対して、重合性多官能化合物は5~60質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましい。
重合開始剤の含有割合は、感度、解像度及び現像性の観点から、重合性多官能化合物100質量部に対して、通常3~50質量部、好ましくは7~40質量部、特に好ましくは10~35質量部である。
赤外光透過型組成物の固形分合計量に対して、色材は3~65質量%が好ましく、6~55質量%がより好ましく、10~45質量%が特に好ましい。
この範囲であると、前記した本発明の効果を奏しやすい。
また、溶剤の含有量は、当該溶剤を含む上記着色組成物の全量に対して、55~95質量%の範囲内であることが好ましく、65~88質量%の範囲内であることが特に好ましい。
上記溶剤の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
<<その他の成分>>
本発明の赤外光透過型組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、レベリング剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、密着促進剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤、重合停止剤、連鎖移動剤等を含有させることができる。
<<赤外光透過型組成物の調製方法>>
本発明の赤外光透過型組成物は、赤色、青色及び黄色の色材、分散剤並びに溶剤を含有し、必要に応じて前記した各成分を含有する。
本発明の赤外光透過型組成物を調製する場合、調製の手順に特に限定は無く、例えば、全ての成分を一度に混合して調製してもよいし、色材、分散剤、溶剤等を混合して色材分散液をまず調製し、重合性多官能化合物や重合開始剤等を、追加の溶剤と共に該色材分散液に後から添加してもよい。
後者の方法(予め色材分散液を調製する方法)は、色材の凝集を効果的に防ぎ、均一に分散させ得るため好ましい。
また、後者の方法の場合、例えば、赤色、青色及び黄色それぞれの色材分散液を別々に調製してもよいし、全ての色材を含有する色材分散液を調製してもよい。
<<透過率>>
本発明の赤外光透過型組成物を使用して作製される赤外光透過材は、可視光領域においてほとんど光を透過せず、近赤外領域における透過率が高い。
単に赤色、青色及び黄色の各色材を混合しただけであると、通常、460nm~500nmの領域、500nm~540nmの領域、600nm~750nmの領域等に、光の透過を十分に防止できない領域ができてしまう場合がある。
本発明の分散剤を使用し、また、赤色、青色及び黄色の各色材の種類や含有割合を調整することにより、このような波長領域においても、光を十分に遮断することができる。
本発明の赤外光透過型組成物を使用して作製される赤外光透過材は、可視光領域(380nm~750nm)における最大透過率として、8%以下にするのが好ましく、5%以下にするのがより好ましく、3%以下にするのが、遮蔽性を高くし、特に好ましい。
近赤外光領域(750nm~2500nm)のうち、850nmにおける透過率を90.5%以上にするのが好ましく、92%以上にするのがより好ましく、93%以上にするのが特に好ましい。また、940nmにおける透過率を96%以上にするのが好ましく、97%以上にするのがより好ましく、98%以上にするのが、近赤外を効果的に使用できるために特に好ましい。
<<作用原理>>
以下の作用原理が当てはまる範囲に本発明が限定されるわけではないが、一般式(1)で表される構成単位を含む分散剤を使用した本発明の赤外光透過型組成物が、近赤外領域における透過率を改善させる作用原理は、以下のように推定される。
本発明の分散剤を使用した組成物中においては、色材がより微細に分散されており、そのため、可視光領域の着色はそのままに、赤外領域の透過率が向上すると推察される。すなわち、可視光領域の透過は、顔料の着色によって抑えつつ、赤外領域の透過率のみ改善することができたと推察される。
<<赤外光透過型組成物の用途>>
本発明は、該赤外光透過型組成物を硬化したものであることを特徴とする硬化物にも関する。
本発明の赤外光透過型組成物は、各種の赤外光透過材を作製するための赤外光透過材用色材組成物である。赤外光透過材の具体例としては、赤外光透過型インキ材料、赤外光透過型フィルム材料、赤外光透過型フィルタ材料、赤外光透過型塗料材料、赤外光透過型黒加飾インキ材料、赤外光透過型黒加飾フィルム材料、赤外光透過型黒加飾フィルタ材料、赤外光透過型黒加飾塗料材料等が挙げられる。
上記の各種の赤外光透過材は、限定されるものではないが、例えば、CCD等のセンサや赤外線通信等の発光部や受光部、カラーフィルタの光フィルタ部等の可視光遮光のために使用される。
例えば、中心波長850nmのLEDは、一部可視光領域にも裾野が広がっている。本発明の赤外光透過型組成物を使用した赤外光透過材は、裾野である可視光領域を遮光しつつ、中心波長付近の近赤外光に対しては、高感度になる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
調製例1
<分散剤A(分散剤溶液A)の調製>
<<ブロック共重合体Aの合成>>
500mLの4口セパラブルフラスコを減圧して乾燥後、内部をアルゴン(Ar)で置換した。
アルゴンフローしながら、脱水テトラヒドロフラン(THF)100g、メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール2.0g、テトラブチルアンモニウム-3-クロロベンゾエート(TBACB)の1Mアセトニトリル溶液0.15mL、及び、メシチレン0.2gを加え撹拌して混合した。
そこに、滴下ロートを用いて、メチルメタクリレート36.7gを45分かけて滴下した。反応が進むと発熱するため、氷冷することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、前記「aモノマー」として、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)13.3gを15分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール5gを加えて反応を停止させた。
溶剤を減圧除去して、ブロック共重合体Aを得た。
GPC測定(NMP、LiBr10mM)により求めた質量平均分子量は、6000であった。また、アミン価は95mgKOH/gであった。
得られたブロック共重合体Aを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させ、60質量%のブロック共重合体溶液を作製した。
<<ブロック共重合体を塩にする工程(塩基性ブロック型分散剤の調製工程)>>
次に、100mL丸底フラスコ中で、PGMEAの23.76質量部に、上記で得られたブロック共重合体溶液を5.0質量部混合し、塩形成成分であるフェニルホスホン酸(東京化成(株)社製)を0.94質量部(ブロック共重合体のDMAEMAユニットに対し、0.5モル当量)加え、反応温度40℃で2時間撹拌することにより、「分散剤A」とし、更に、適宜PGMEAで希釈して、固形分20質量%の「分散剤溶液A」を調製した。
調製例2
<(2-1)樹脂1の合成>
BzMAを40質量部、MMAを15質量部、MAAを25質量部、及び、AIBNを3質量部の混合液を、PGMEAを150質量部入れた重合槽中に、窒素気流下、100℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃で3時間加熱し、重合体溶液を得た。
この重合体溶液中の重合体の重量平均分子量は、7000であった。
次に、得られた重合体溶液に、GMA20質量部、トリエチルアミン0.2質量部、及び、p-メトキシフェノール0.05質量部を添加し、110℃で10時間加熱することにより、主鎖のメタクリル酸のカルボキシ基と、GMAのエポキシ基との反応を行って、樹脂1を合成した。
反応中は、GMAの重合を防ぐために、反応溶液中に空気をバブリングさせた。反応は溶液の酸価を測定することで追跡した。
得られた樹脂1は、BzMA、MMA及びMAAの共重合により形成された重合体の主鎖に、GMAを用いてエチレン性二重結合を有する側鎖を導入した樹脂であり、固形分40質量%、酸価74mgKOH/g、重量平均分子量12000であった。
<<略称の名称>>
BzMA ベンジルメタクリレート
MMA メチルメタクリレート
MAA メタクリル酸
GMA グリシジルメタクリレート
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
PGMEA プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<(2-2)樹脂2の合成>
上記(2-1)で、GMAの代わりに、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを用いた以外は上記(2-1)と同様にして樹脂2を得た。
得られた樹脂2は、固形分40質量%、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量11000であった。
調製例3
<(3-1)色素誘導体1の合成>
下記式(13)で表されるナフトールアゾ色素30質量部を、20%発煙硫酸300質量部に添加し、その後、40℃で4時間反応させた。冷却後、反応混合物を3000質量部の氷水中に析出させ、濾過及び水洗し、水ペーストを得た。この水ペーストを乾燥させることによりナフトールアゾスルホン酸である色素誘導体1を得た。
Figure 2022036986000013
<(3-2)色素誘導体2の合成>
アントラキノン系色材(C.I.ピグメントレッド177、商品名Chromofine Red 6605、大日精化工業(株)製)30質量部を、20%発煙硫酸300質量部に添加し、その後、40℃で4時間反応させた。冷却後、反応混合物を3,000質量部の氷水中に析出させ、濾過及び水洗し、水ペーストを得た。この水ペーストを乾燥させることによりC.I.ピグメントレッド177のスルホン化物である色素誘導体2を得た。
なお、得られた色素誘導体の構造、スルホン酸基の導入個数は、核磁気共鳴装置(ブルカー・バイオスピン社製、AVANCEIII HD500MHz)を用いて測定した1H-及び13C-NMRスペクトル、MALDI-TOF-MS装置(日本電子株式会社製、型番JMS-S3000)を用いて測定したMSスペクトルにより確認した。
調製例4
<(4-1)色材分散液R1の調製>
調製例2で得られた「樹脂1」(BzMA/MMA/MAA/GMA=40/15/25/20(質量比)、重量平均分子量12000)の固形分40質量%PGMEA溶液14.2質量部、分散剤溶液A10.0質量部、PGMEA60.8質量部を、ディゾルバーで撹拌混合して均一に溶解させた。
この溶液に、ピグメントレッド254(Hostaperm Red D2B-COFLV3781、CLARIANT製)14.3質量部と、調製例(3-1)で得られた「色素誘導体1」0.8質量部とを加え、粒径2.0mmジルコニアビーズ100質量部をマヨネーズビンに入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)にて1時間振盪した。
次いで、粒径2.0mmジルコニアビーズを取り出し、粒径0.1mmのジルコニアビーズ200質量部を加えて、同様に、本解砕としてペイントシェーカーにて4時間分散を行い、赤色の色材分散液R1を調製した。
<(4-2)色材分散液R2の調製>
上記(4-1)において、色素誘導体1を使用せず、その分だけピグメントレッド254の量を増やした以外は、上記(4-1)と同様にして、赤色の色材分散液R2を調製した。
<(4-3)色材分散液R2’の調製>
上記(4-2)において、樹脂1の代わりに樹脂2を使用した以外は、上記(4-2)と同様にして、赤色の色材分散液R2’を調製した。
<(4-4)色材分散液r2’の調製>
上記(4-3)において、分散剤A(分散剤溶液A)の代わりに、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース24000を、固形分換算で分散剤Aと同一質量となるようにして使用した以外は、上記(4-3)と同様にして、赤色の色材分散液r2’を調製した。
<(4-5)色材分散液R3の調製>
上記(4-1)において、ピグメントレッド254ではなく、同じ量のピグメントレッド255(Cromophtal Coral Red C、BASF社製)を使用した以外は、上記(4-1)と同様にして、赤色の色材分散液R3を調製した。
<(4-6)色材分散液R4の調製>
上記(4-1)において、ピグメントレッド254ではなく、同じ量のBr-DPP(Irgaphor RED S 3621CF、BASF社製)を使用した以外は、上記(4-1)と同様にして、赤色の色材分散液R4を調製した。
<(4-7)色材分散液R5の調製>
上記(4-1)において、ピグメントレッド254ではなく、同じ量のピグメントレッド264(Irgazin DPP Red Ultra Opaque、BASF社製)を使用した以外は、上記(4-1)と同様にして、赤色の色材分散液R5を調製した。
<(4-8)色材分散液R6の調製>
上記(4-1)において、ピグメントレッド254ではなく、同じ量のピグメントレッド177(Chromofine Red 6605、大日精化工業(株)製)を使用した点、及び、色素誘導体1ではなく、調製例(3-2)で得られた色素誘導体2を使用した点以外は、上記(4-1)と同様にして、赤色の色材分散液R6を調製した。
<(4-9)色材分散液R7の調製>
上記(4-8)において、色素誘導体2を使用せず、その分だけピグメントレッド177の量を増やした以外は、上記(4-8)と同様にして、赤色の色材分散液R7を調製した。
<(4-10)色材分散液B1の調製>
上記(4-1)において、ピグメントレッド254ではなく、同じ量のピグメントブルー15:6(Chromofine Blue 5201A、大日精化工業(株)製)を使用した点、及び、色素誘導体1ではなく、ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製、フタロシアニン系誘導体)を使用した点以外は、上記(4-1)と同様にして、青色の色材分散液B1を調製した。
<(4-11)色材分散液B2の調製>
上記(4-10)において、ソルスパース12000を使用せず、その分だけピグメントブルー15:6の量を増やした以外は、上記(4-10)と同様にして、青色の色材分散液B2を調製した。
<(4-12)色材分散液B2’の調製>
上記(4-11)において、樹脂1の代わりに樹脂2を使用した以外は、上記(4-11)と同様にして、青色の色材分散液B2’を調製した。
<(4-13)色材分散液b2’の調製>
上記(4-12)において、分散剤A(分散剤溶液A)の代わりに、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース24000を、固形分換算で分散剤Aと同一質量となるようにして使用した以外は、上記(4-12)と同様にして、青色の色材分散液b2’を調製した。
<(4-14)色材分散液Y1の調製>
上記(4-2)において、ピグメントレッド254ではなく、同じ量のピグメントイエロー139(Irgaphor Yellow 2R-CF、BASF社製)を使用した以外は、上記(4-2)と同様にして、黄色の色材分散液Y1を調製した。
<(4-15)色材分散液Y1’の調製>
上記(4-14)において、樹脂1の代わりに樹脂2を使用した以外は、上記(4-14)と同様にして、黄色の色材分散液Y1’を調製した。
<(4-16)色材分散液y1’の調製>
上記(4-15)において、分散剤A(分散剤溶液A)の代わりに、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース24000を、固形分換算で分散剤Aと同一質量となるようにして使用した以外は、上記(4-15)と同様にして、黄色の色材分散液y1’を調製した。
<(4-17)色材分散液Y2の調製>
上記(4-2)において、ピグメントレッド254ではなく、同じ量のピグメントイエロー150(E-4GN、Lanxess社製)を使用した以外は、上記(4-2)と同様にして、黄色の色材分散液Y2を調製した。
透過型組成物調製例1~13、101
表1に示す赤色、青色及び黄色の各色の色材分散液と、以下に示す各成分を混合し、赤外光透過型組成物1~13、101を調製した。各色の色材分散液の比率は、表1に示す組成となるようにした。また、以下に示す各成分の含有量は、各色の色材分散液の合計量を100質量部とした場合の含有量である。
・色材分散液を調製する際に使用した樹脂と同一の樹脂を「アルカリ可溶性樹脂」として用い、該アルカリ可溶性樹脂:15.3質量部
・重合性多官能化合物(東亞合成社製、アロニックスM-520、酸変性光硬化性多官能単量体):12.1質量部
・光重合開始剤:3.5質量部
・界面活性剤(DIC(株)製、メガファックF-559):0.1質量部
・PGMEA:121.1質量部
・シランカップリング剤(信越シリコーン社製、KBM-503):0.9質量部
透過型組成物調製例1~12、101では、光重合開始剤として、イルガキュア907(BASF社製。表1では「Irg907」と略記。)を使用した。
透過型組成物調製例13では、光重合開始剤として、TR-PBG-3057(常州強力電子新材料社製。表1では「PBG3057」と略記。)と、NCI-930(ADEKA社製、表1では「NCI930」と略記。)を、PBG3057:NCI930=1:1(質量比)で使用した。
<分光透過率の測定>
本発明の赤外光透過型組成物を使用することで得られる光フィルタの一例として、以下のようにして、基材と、基材上に形成されたブラックマトリクスと、光フィルタ部と、赤色着色部と、緑色着色部と、青色着色部とを有するカラーフィルタを作製した。
具体的には、まず、赤外光透過型組成物1~13、101を用いて、ガラス基材上に顔料分散レジスト塗膜を形成し、次に、フォトリソグラフィー技術によってこの顔料分散レジスト塗膜をパターニングすることにより、ガラス基材上にブラックマトリクスを形成した。パターニングにおいて、各着色部を形成するための貫通孔と、光フィルタ部を形成するための貫通孔と、がブラックマトリクスに形成されるようにした。その後、ブラックマトリクスの貫通孔内に、各着色部および光フィルタ部を作製し、カラーフィルタを得た。各着色部および光フィルタ部は、ブラックマトリクスと同様に、ガラス基材上に顔料分散レジスト塗膜を形成し、次に、フォトリソグラフィー技術を用いてこの顔料分散レジスト塗膜をパターニングすることにより、作製した。
光フィルタ部、着色部及びブラックマトリクスを作製するための各顔料分散レジスト塗膜は、それぞれ、樹脂組成物をガラス基板上に塗布して形成した。光フィルタ部、着色部及びブラックマトリクスを作製するための各樹脂組成物は、それぞれ、顔料の他、顔料を分散させるための分散剤、製版性や平坦性を向上させるための樹脂、架橋反応を生じさせるためのモノマー、光硬化を開始させるための開始剤、塗布性を向上させるための活性剤、並びに、顔料分散レジスト塗膜と基材との密着性を向上させるためのカップリング材等を含むようにした。
作製したカラーフィルタの遮光部(ブラックマトリクスの一部分)について、JIS-R-3106に準拠して、分光透過率を測定した。分光透過率の測定には、LAMBDA 19(PERKIN ELMER社製)を用いた。
各赤外光透過型組成物を使用して作製したカラーフィルタについて得られた光フィルタ部の380nm~500nmの波長域での最大透過率、並びに、850nm、860nm及び940nmにおける透過率を表1に示す。また、赤外光透過型組成物12及び101を使用して作製したカラーフィルタについて得られた光フィルタ部の透過率を図1に示す。
<皺の評価>
各赤外光透過型組成物を、ガラス基板(NHテクノグラス(株)社製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートを用いて80℃で3分間乾燥し、超高圧水銀灯を用いて60mJ/cmの紫外線で露光することにより、ガラス基板上に厚さ2.0μmの着色層を形成した。
次いで、0.05wt%カリウム(KOH)を現像液としてスピン現像し後、230℃で30分間焼成し、光フィルタを得た。
得られた光フィルタを目視で観察し、下記基準で判定した。AA又はAであれば、実用上使用できる。結果を表1に示す。
<<判定基準>>
AA:皺が観察されなかった。
A:一部で皺が観察された。
B:全体で皺が観察された。
Figure 2022036986000014
表1中、分散剤「X」は、ソルスパース24000(日本ルーブリゾール(株)製)であり、一般式(1)で表される構成単位を持たない。
赤外光透過型組成物12と赤外光透過型組成物101の比較から、本発明の分散剤を使用すると、近赤外領域における透過率が向上することがわかる。
赤外光透過型組成物7と赤外光透過型組成物12の比較から、アルカリ可溶性樹脂が、エポキシ基とラジカル重合性二重結合を有する化合物によりラジカル重合性二重結合が側鎖に導入されたものである場合、近赤外領域における透過率が向上することがわかる。
赤外光透過型組成物1、赤外光透過型組成物5、赤外光透過型組成物6、赤外光透過型組成物7の比較から、各色材に適した色素誘導体を併用すると、近赤外領域における透過率(特に、近赤外領域において比較的短波長側の850nm~860nm付近の透過率)が向上することがわかる。
本発明の赤外光透過型組成物は、可視光領域においてほとんど光を透過せず、近赤外領域における透過率が高いので、赤外線を利用したCCD等のセンサや通信用のリモコン等の発光部や受光部等に使用されるフィルム、インキ、塗料等として広く利用されるものである。

Claims (8)

  1. 色材、分散剤、溶剤、重合開始剤及び樹脂を含有する赤外光透過型組成物であって、該色材として、少なくとも、赤色色材、青色色材及び黄色色材を含有し、該分散剤が、下記一般式(1)で表される構成単位を含むものであり、該一般式(1)で表される構成単位のうちの少なくとも一部に、該構成単位の窒素がカチオンとなるように、下記一般式(4)で表される化合物が結合して、塩を形成してなる分散剤であり、該樹脂が、ラジカル重合性二重結合が側鎖に導入されたものであり、該ラジカル重合性二重結合の導入に用いられる化合物が、エポキシ基とラジカル重合性二重結合を有する化合物であることを特徴とする赤外光透過型組成物。
    Figure 2022036986000015
    [一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Aは2価の連結基、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、R及びRが互いに結合して環構造を形成してもよい。]
    Figure 2022036986000016
    [一般式(4)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子;水酸基;炭素数1~20の、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基;置換基を有してもよい、ビニル基、フェニル基若しくはベンジル基;又は-O-Rを表し、Rは、炭素数1~20の、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基;置換基を有してもよい、ビニル基、フェニル基若しくはベンジル基;又は炭素数1~4のアルキレン基を介した(メタ)アクリロイル基を表す。ただし、R及びRの少なくとも1つは炭素原子を含む。]
  2. 上記分散剤が、塩基性ブロック型分散剤及び塩基性グラフト型分散剤のうち1種以上である請求項1に記載の赤外光透過型組成物。
  3. 上記赤色色材が、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料及びアゾ系顔料からなる群より選択される1種以上の色材であり、上記青色色材が、フタロシアニン系顔料及びトリアリールメタン系顔料からなる群より選択される1種以上の色材であり、上記黄色色材が、アゾ系顔料、イソインドリン系顔料及びキノフタロン系顔料からなる群より選択される1種以上の色材である請求項1又は請求項2に記載の赤外光透過型組成物。
  4. 上記赤色色材が、C.I.ピグメントレッド177及び下記一般式(5)で表されるジケトピロロピロール系顔料からなる群より選択される1種以上の色材であり、
    上記青色色材が、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4及びトリアリールメタン系レーキ顔料からなる群より選択される1種以上の色材であり、
    上記黄色色材が、C.I.ピグメントイエロー150、下記黄色色材Y、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー138からなる群より選択される1種以上の色材である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の赤外光透過型組成物。
    (黄色色材Y)
    一般式(6)で表されるアゾ化合物並びにその互変異性構造のアゾ化合物のモノ、ジ、トリ及びテトラアニオンからなる群から選択される少なくとも1種のアニオンと、
    Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb,Zn,Fe,Ni,Cu及びMnからなる群から選択される少なくとも2種の金属のイオンと、
    下記一般式(7)で表される化合物とを含む黄色色材。
    Figure 2022036986000017
    [一般式(5)において、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいフェニル基である。]
    Figure 2022036986000018
    [一般式(6)において、R1a及びR2aはそれぞれ独立して、-OH、-NH、-NH-CN、アシルアミノ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基である。R1b及びR2bはそれぞれ独立して、-OH又は-NHである。]
    Figure 2022036986000019
    [一般式(7)において、R1c、R2c及びR3cはそれぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。]
  5. 上記樹脂が、炭化水素環を有するものである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の赤外光透過型組成物。
  6. 上記色材が、酸性色素誘導体を含有する請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の赤外光透過型組成物。
  7. 上記色材が、2種以上の酸性色素誘導体を含有する請求項6に記載の赤外光透過型組成物。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の赤外光透過型組成物を硬化したものであることを特徴とする硬化物。
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