JP2022035784A - エンジン装置 - Google Patents

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Ryota Iwasaki
昌利 林
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Abstract

【課題】冷却装置の複数の熱交換部での冷却性能をより適切に発揮させる。【解決手段】第1分岐流路と第2分岐流路とが互いに並列の分岐流路部を一部に有する冷却水の循環流路、および、循環流路の冷却水を圧送するポンプを有し、第1分岐流路は、循環流路の冷却水と間欠作動される機器の冷却水との熱交換を行なう第1熱交換部を経由するように構成され、第1分岐流路には、流路弁が設けられ、第2分岐流路は、循環流路の冷却水と連絡管を流通する排気との熱交換を行なう第2熱交換部を経由するように構成される冷却装置を備えるものにおいて、第2分岐流路が沸騰領域でないときで且つ機器の冷却が要求されていないときには、流路弁が閉弁されるように冷却装置を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、エンジンと、EGR装置と、冷却装置とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、EGR装置は、エンジンの排気管と吸気管とを連絡するEGR管と、EGR管に設けられたEGRバルブと、EGR管に設けられたEGRクーラとを備える。冷却装置は、電動式ポンプと、電動式ポンプからエンジンに冷媒を流通させる第1流路と、エンジンからラジエータを経由して電動ポンプに冷媒を還流させる第2流路と、第2流路から分岐してラジエータを経由せずに且つヒータコアを経由して第2流路に合流する第3流路と、第1流路から分岐してEGRクーラを経由して第3流路のヒータコアよりも上流側に合流する第4流路と、第3流路に設けられた開閉弁とを備える。
特開2013-108398号公報
近年、冷却装置において、上述の構成とは異なる構成として、第1分岐流路と第2分岐流路とが互いに並列の分岐流路部を一部に有する冷却水の循環流路、および、循環流路の冷却水を圧送するポンプを有し、第1分岐流路が、循環流路の冷却水と間欠作動される機器の冷却水との熱交換を行なう第1熱交換部(ヒータコア)を経由し、第1分岐流路には、流路弁が設けられ、第2分岐流路が、循環流路の冷却水とEGR管を流通する排気との熱交換を行なう第2熱交換部(EGRクーラ)を経由する構成も考えられている。こうした構成の冷却装置において、第1弁を常時開弁すると、EGRクーラを経由する冷却水の流量が常時少なくなり、EGRクーラでの排気に対する冷却性能が常時低くなる。このため、冷却装置の第1熱交換部や第2熱交換部での冷却性能をより適切に発揮させることが求められる。
本発明のエンジン装置は、冷却装置の複数の熱交換部での冷却性能をより適切に発揮させることを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
エンジンと、
前記エンジンの排気管と吸気管とを連絡する連絡管、前記連絡管に設けられたバルブを有する排気再循環装置と、
第1分岐流路と第2分岐流路とが互いに並列の分岐流路部を一部に有する冷却水の循環流路、および、前記循環流路の冷却水を圧送するポンプを有し、前記第1分岐流路は、前記循環流路の冷却水と間欠作動される機器の冷却水との熱交換を行なう第1熱交換部を経由するように構成され、前記第1分岐流路には、流路弁が設けられ、前記第2分岐流路は、前記循環流路の冷却水と前記連絡管を流通する排気との熱交換を行なう第2熱交換部を経由するように構成される冷却装置と、
制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記第2分岐流路が沸騰領域でないときにおいて、前記機器の冷却が要求されているときには、前記流路弁が開弁されるように前記冷却装置を制御し、前記機器の冷却が要求されていないときには、前記流路弁が閉弁されるように前記冷却装置を制御する、
ことを要旨とする。
この本発明のエンジン装置では、第2分岐流路が沸騰領域でないときにおいて、機器の冷却が要求されているときには、流路弁が開弁されるように冷却装置を制御し、機器の冷却が要求されていないときには、流路弁が閉弁されるように冷却装置を制御する。これにより、第2分岐流路が沸騰領域でないときにおいて、機器の冷却が要求されているときには、第1分岐流路(第1熱交換部)に十分な冷却水を流通させることができ、機器の冷却が要求されていないときには、第2分岐流路(第2熱交換部)に十分な冷却水を流通させることができる。この結果、冷却装置の複数の熱交換部(第1熱交換部および第2熱交換部)での冷却性能をより適切に発揮させることができる。ここで、「沸騰領域」は、連絡管を流通する排気との熱交換を行なった後の第2分岐流路の冷却水が高温になる、即ち、冷却水と排気との熱交換のための第2分岐流路の冷却水の流量が不足する可能性のある領域である。第2分岐流路が沸騰領域になる場合としては、例えば、排気再循環装置による排気の還流量が多い場合を挙げることができる。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記エンジンの吸入空気量と前記流路弁の開度とに基づいて、前記第2分岐流路が前記沸騰領域であるか否かを判定するものとしてもよい。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記第2分岐流路が沸騰領域のときには、前記流路弁が閉弁されるように前記冷却装置を制御するものとしてもよい。こうすれば、第2分岐流路の冷却水の流量を増加させ、第2分岐流路の冷却水がより高温になるのを抑制することができる。この場合、前記制御装置は、前記第2分岐流路が沸騰領域のときには、前記機器の作動を制限するものとしてもよい。こうすれば、流路弁が閉弁しているときに、機器の温度上昇を抑制することができる。
本発明の一実施例としてのエンジン装置を搭載する自動車10の構成の概略を示す構成図である。 冷却装置90の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置を搭載する自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、冷却装置90の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車10は、図示するように、エンジン12と、排気再循環装置(以下、「EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置」という)50と、エンジン12のクランクシャフト14に接続されると共にデファレンシャルギヤ62を介して駆動輪64a,64bに接続されエンジン12からの動力を変速して駆動輪64a,64bに伝達する変速機60と、冷却装置90と、エンジン装置全体の制御を行なう電子制御ユニット70とを備える。ここで、変速機60としては、有段変速機が用いられるものとしてもよいし、無段変速機が用いられるものとしてもよい。実施例では、エンジン12とEGR装置50と冷却装置90とECU70とが「エンジン装置」に相当する。
エンジン12は、例えばガソリンや軽油などの燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン12は、エアクリーナ22により清浄された空気を吸気管23に吸入してスロットルバルブ24やサージタンク25の順に流通させると共に吸気管23のサージタンク25よりも下流側で燃料噴射弁26から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ28を介して燃焼室29に吸入し、点火プラグ30による電気火花によって爆発燃焼させる。そして、爆発燃焼によるエネルギにより押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト14の回転運動に変換する。燃焼室29から排気バルブ31を介して排気管33に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒(三元触媒)34aを有する浄化装置34を介して外気に排出されると共に、EGR装置50を介して吸気管23に供給(還流)される。
EGR装置50は、EGR管52とEGRバルブ54とEGRクーラ(第2熱交換部)56とを備える。EGR管52は、排気管33の浄化装置34よりも下流側と吸気管23のサージタンク25とを連絡する。EGRバルブ54は、EGR管52に設けられており、弁座54aおよび弁体54bを有する。弁座54aは、EGR管52の内径よりも小さい径の穴を有する。弁体54bは、ステッピングモータ55により駆動され、弁体54bの軸方向(図中上下方向)に移動する。このEGRバルブ54は、弁体54bが弁座54aに接近する側(図中下側)に移動して弁体54bの先端部(図中下端部)が弁座54aの穴を塞ぐことにより閉弁する。また、EGRバルブ54は、弁体54bが弁座54aから離間する側(図中上側)に移動して弁体54bの先端部が弁座54aから離間して弁座54aの穴を開口させることにより開弁する。EGRクーラ56は、EGR管52のEGRバルブ54よりも排気管33側に設けられ、冷却装置90の冷却水とEGR管52を流通する排気との熱交換を行なう。このEGR装置50は、ステッピングモータ55によってEGRバルブ54の開度を調節することにより、排気管33の排気の還流量を調節して吸気管23に還流させる。エンジン12は、このようにして空気と排気と燃料との混合気を燃焼室29に吸引することができる。以下、この排気の還流を「EGR」といい、排気の還流量を「EGR量」という。
冷却装置90は、図2に示すように、循環流路92とポンプ99とを備える。循環流路92は、単一の流路部93と、流路部93の下流側および上流側にそれぞれ上流側および下流側が接続される流路部(分岐流路部)94と、で冷却水が循環するように形成されている。流路部93は、エンジン12を経由するように構成されている。流路部94は、互いに並列の分岐流路94a~94dを有する。分岐流路(第1分岐流路)94aは、熱交換部(第1熱交換部)96aを経由するように構成されている。熱交換部96aは、循環流路92の冷却水と、車室内の空調を行なう空調装置の冷却媒体やウィンドウの曇りを除去するデフロスタの冷却媒体との熱交換を行なう。分岐流路94aには、流路弁98aが設けられている。分岐流路(第2分岐流路)94bは、上述のEGRクーラ56を経由するように構成されている。EGRクーラ56は、上述したように、循環流路92の冷却水とEGR管52を流通する排気との熱交換を行なう。分岐流路94cは、熱交換部96cを経由するように構成されている。熱交換部96cは、循環流路92の冷却水と変速機60のオイルとの熱交換を行なう。分岐流路94cには、流路弁98cが設けられている。分岐流路94dは、ラジエータ97を経由するように構成されている。ラジエータ97は、循環流路92の冷却水と空気(走行風など)との熱交換を行なう。分岐流路94dには、サーモスタット98dが設けられている。サーモスタット98dは、冷却水の温度が所定温度未満のときには閉成し、冷却水の温度が所定温度以上のときには開成する。ポンプ99は、循環流路92の流路部93に設けられ、冷却水を圧送する。
電子制御ユニット70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートを備える。電子制御ユニット70には、エンジン12を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力される。
電子制御ユニット70に入力される信号としては、例えば、エンジン12のクランクシャフト14の回転位置を検出するクランクポジションセンサ40からのクランク角θcrや、エンジン12の冷却水の温度を検出する水温センサ42からの冷却水温Twを挙げることができる。吸気バルブ28を開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ31を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ44からのカム角θci,θcoも挙げることができる。スロットルバルブ24のポジションを検出するスロットルポジションセンサ46からのスロットル開度THや、吸気管23に取り付けられたエアフローメータ48からの吸入空気量Qa、吸気管23に取り付けられた温度センサ49からの吸気温Ta、サージタンク25に取り付けられた圧力センサ57からのサージタンク25内の圧力の検出値としての検出吸気圧Pindも挙げることができる。排気管33に取り付けられた空燃比センサ35aからの空燃比AFや、排気管33に取り付けられた酸素センサ35bからの酸素信号O2も挙げることができる。イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号IGや、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPも挙げることができる。アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vも挙げることができる。
電子制御ユニット70からは、エンジン12を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力される。電子制御ユニット70から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ24のポジションを調節するスロットルモータ36への制御信号や、燃料噴射弁26への制御信号、点火プラグ30への制御信号、EGRバルブ54の開度を調整するステッピングモータ55への制御信号を挙げることができる。また、変速機60への制御信号も挙げることができる。さらに、冷却装置90の流路弁98a,98cやポンプ99への制御信号も挙げることができる。
電子制御ユニット70は、クランクポジションセンサ40からのクランク角θcrに基づいてエンジン12の回転数Neを演算している。また、電子制御ユニット70は、エアフローメータ48からの吸入空気量Qaとエンジン12の回転数Neとに基づいて、エンジン12の負荷率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の割合)KLも演算している。
こうして構成された実施例のエンジン装置を搭載する自動車10では、電子制御ユニット70は、アクセル開度Accや車速Vに基づいて変速機60の目標変速段Gs*を設定し、変速機60の変速段Gsが目標変速段Gs*となるように変速機60を制御する。また、アクセル開度Accや車速V、変速機60の変速段Gsに基づいてエンジン12の目標トルクTe*を設定し、エンジン12が目標トルクTe*に基づいて運転されるように、エンジン12の運転制御(例えば、吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御など)や、EGR装置50の制御を行なう。
ここで、EGR装置50の制御では、エンジン12の運転ポイント(目標トルクTe*および回転数Ne)などに基づいて要求EGR量Vegrtgを設定し、設定した要求EGR量Vegrtgに基づいて目標EGR量Vegr*を設定し、目標EGR量Vegr*に基づいてEGRバルブ54の目標開度Ov*を設定し、EGRバルブ54の目標開度Ov*に基づいてステッピングモータ55を制御する。
次に、こうして構成された実施例のエンジン装置を搭載する自動車10の動作、特に流路弁98aの開閉を制御するときの動作について説明する。図3は、電子制御ユニット70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、繰り返し実行される。
図3の処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70は、最初に、沸騰領域フラグFhtや冷却要求フラグFcrなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、沸騰領域フラグFhtは、図示しない沸騰領域フラグ設定ルーチンにより設定された値が入力される。沸騰領域フラグ設定ルーチンでは、分岐流路94bが沸騰領域であると判定したときには、沸騰領域フラグFhtに値1を設定し、分岐流路94bが沸騰領域でないと判定したときには、沸騰領域フラグFhtに値0を設定する。この判定は、例えば、エアフローメータ48からの吸入空気量Qaや、流路弁98a,98cの開度(実施例では、開弁または閉弁)に基づいて行なうことができる。ここで、分岐流路94bの沸騰領域は、EGRクーラ56で熱交換した後の分岐流路94bの冷却水が高温になる、即ち、冷却水と排気との熱交換のための分岐流路94bの冷却水の流量が不足する可能性のある領域である。分岐流路94bが沸騰領域になる場合としては、例えば、EGR装置50のEGR量が多い場合を挙げることができる。流路弁98aは、本ルーチンにより開閉が制御される。流路弁98cは、基本的には、トリップ中(システム起動からシステム停止までの間)は、常に開弁している。
冷却要求フラグFcrは、図示しない冷却要求フラグ設定ルーチンにより設定された値が入力される。冷却要求フラグ設定ルーチンでは、機器(例えば、車室内の空調を行なう空調装置やウィンドウの曇りを除去するデフロスタ)の冷却が要求されているときには、冷却要求フラグFcrに値1を設定し、機器の冷却が要求されていないときには、冷却要求フラグFcrに値0を設定する。機器の冷却が要求されているときとしては、例えば、機器が作動しているときを挙げることができる。
こうしてデータを入力すると、沸騰領域フラグFhtの値を調べる(ステップS110)。この処理は、分岐流路94bが沸騰領域であるか否かを判定する処理である。沸騰領域フラグFhtが値0のとき、即ち、分岐流路94bが沸騰領域でないときには、冷却要求フラグFcrの値を調べる(ステップS120)。この処理は、機器の冷却が要求されているか否かを判定する処理である。冷却要求フラグFcrが値1のとき、即ち、機器の冷却が要求されているときには、流路弁98aを開弁して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。これにより、分岐流路94aの熱交換部96aに冷却水を流通させ、機器を冷却することができる。なお、この場合、流路弁98aが開弁しているときに比して、EGR装置50のEGR量を制限するのが好ましい。こうすれば、流路弁98aを開弁しているとき、即ち、流路弁98aを閉弁しているときに比して分岐流路94bの冷却水の流量が少ないときに、EGRクーラ56で熱交換した後の分岐流路94bの冷却水の温度上昇を抑制したり、吸気管23に還流される排気が高温になるのを抑制したりすることができる。
ステップS120で冷却要求フラグFcrが値0のとき、即ち、機器の冷却が要求されていないときには、流路弁98aを閉弁して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。これにより、流路弁98aを開弁しているときに比して、分岐流路94bの冷却水の流量を増加させ、EGRクーラ56での排気に対する冷却性能を高めることができる。
ステップS110で沸騰領域フラグFhtが値1のとき、即ち、分岐流路94bが沸騰領域であるときには、流路弁98aを閉弁して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。これにより、分岐流路94bの冷却水の流量を増加させ、分岐流路94bの冷却水がより高温になるのを抑制することができる。このとき、機器の作動を制限することが好ましい。こうすれば、流路弁98aが閉弁しているときに、機器の温度上昇を抑制することができる。
以上説明した実施例の自動車10に搭載されるエンジン装置では、分岐流路(第2分岐流路)94bが沸騰領域でないときにおいて、機器の冷却が要求されているときには、流路弁98aが開弁されるように冷却装置90を制御し、機器の冷却が要求されていないときには、流路弁98aが閉弁されるように冷却装置90を制御する。これにより、分岐流路94bが沸騰領域でないときにおいて、機器の冷却が要求されているときには、分岐流路94a(熱交換部96a)に十分な冷却水を流通させることができ、機器の冷却が要求されていないときには、分岐流路94b(インタークーラ56)に十分な冷却水を流通させることができる。この結果、熱交換部96aおよびインタークーラ56での冷却性能をより適切に発揮させることができる。
実施例の自動車10に搭載されるエンジン装置では、冷却装置90は、互いに並列の分岐流路94a~94dを有するものとした。しかし、冷却装置90は、分岐流路94dと互いに並列の分岐流路94a~94cとが直列に構成されるものとしてもよい。また、冷却装置90は、分岐流路94cを有しないものとしてもよい。
実施例のエンジン装置では、エンジン12の出力により走行する自動車10に搭載されるものとしたが、エンジンに加えて走行用のモータを備えるハイブリッド車両に搭載されるものとしてもよく、建設設備などの移動しない設備に搭載されるものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン12が「エンジン」に相当し、EGR装置50が「排気再循環装置」に相当し、冷却装置90が「冷却装置」に相当し、電子制御ユニット70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、14 クランクシャフト、22 エアクリーナ、23
吸気管、24 スロットルバルブ、25 サージタンク、26 燃料噴射弁、28 吸気バルブ、29 燃焼室、30 点火プラグ、31 排気バルブ、32 ピストン、33
排気管、34 浄化装置、35a 空燃比センサ、35b 酸素センサ、36 スロットルモータ、40 クランクポジションセンサ、42 水温センサ、44 カムポジションセンサ、46 スロットルポジションセンサ、48 エアフローメータ、49 温度センサ、50 EGR装置、52 EGR管、54 EGRバルブ、54a 弁座、54b 弁体、55 ステッピングモータ、56 EGRクーラ、57 圧力センサ、60 変速機、62 デファレンシャルギヤ、64a,64b 駆動輪、70 電子制御ユニット、90 冷却装置、92 循環流路、93,94 流路部、94a~94d 分岐流路、96a,96c 熱交換部、97 ラジエータ、98a,98c 流路弁、98d サーモスタット、99 ポンプ。

Claims (1)

  1. エンジンと、
    前記エンジンの排気管と吸気管とを連絡する連絡管、前記連絡管に設けられたバルブを有する排気再循環装置と、
    第1分岐流路と第2分岐流路とが互いに並列の分岐流路部を一部に有する冷却水の循環流路、および、前記循環流路の冷却水を圧送するポンプを有し、前記第1分岐流路は、前記循環流路の冷却水と間欠作動される機器の冷却水との熱交換を行なう第1熱交換部を経由するように構成され、前記第1分岐流路には、流路弁が設けられ、前記第2分岐流路は、前記循環流路の冷却水と前記連絡管を流通する排気との熱交換を行なう第2熱交換部を経由するように構成される冷却装置と、
    制御装置と、
    を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記第2分岐流路が沸騰領域でないときにおいて、前記機器の冷却が要求されているときには、前記流路弁が開弁されるように前記冷却装置を制御し、前記機器の冷却が要求されていないときには、前記流路弁が閉弁されるように前記冷却装置を制御する、
    エンジン装置。
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