JP2022030187A - 車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、及び車両用表示制御方法 - Google Patents

車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、及び車両用表示制御方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022030187000001
【課題】自車と周辺車両との位置関係を必要に応じてより正確に示しつつも、ユーザに煩わしさをより感じさせにくくすることを可能とする。
【解決手段】自車と周辺車両との位置関係を取得する位置関係取得部111と、位置関係取得部111で取得する自車と周辺車両との位置関係を用いて、自車よりも上方の仮想視点から見た自車画像及び周辺車両画像でその位置関係を示す俯瞰図を、自車の車室内で用いられる表示器90に表示させる表示制御部105とを備え、表示制御部105は、自車からの周辺車両の距離が遠くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げる。
【選択図】図2

Description

本開示は、車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、及び車両用表示制御方法に関するものである。
例えば、特許文献1には、自動運転機能を備える車両において、自車と他車との実際の相対的な位置関係に対応する自車アイコンと他車アイコンとを含む俯瞰表示を生成して、車室内に設けられた表示画面に表示させる技術が開示されている。特許文献1には、自車アイコンは俯瞰表示の中央に映し出されることが開示されている。また、特許文献1には、俯瞰表示の生成が繰り返し実施されることが開示されている。
特開2017-166913号公報
特許文献1に開示の技術では、自車アイコンは俯瞰表示の中央に映し出されるため、自車と他車との位置関係が変われば他車アイコンの俯瞰表示における位置が変更されることになる。自車と周辺車両との位置関係を俯瞰表示で示すことは、実際の自車と周辺車両との位置関係をユーザに認識しやすくするために有用と考えられる。しかしながら、繰り返し実施される俯瞰表示の生成の都度、他車アイコンの位置が細かく動き、ユーザに煩わしさを感じさせるおそれがあった。
この開示のひとつの目的は、自車と周辺車両との位置関係を必要に応じてより正確に示しつつも、ユーザに煩わしさをより感じさせにくくすることを可能とする車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、及び車両用表示制御方法を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本開示の車両用表示制御装置は、車両で用いられ、車両と車両の周辺車両との位置関係を取得する位置関係取得部(111)と、位置関係取得部で取得する車両と周辺車両との位置関係を用いて、車両よりも上方の仮想視点から見た車両及び周辺車両のうちの少なくとも周辺車両の画像でその位置関係を示す俯瞰図を、車両の車室内で用いられる表示器(90)に表示させる表示制御部(105,105a,105b)とを備え、表示制御部は、車両及び周辺車両の少なくともいずれかに関する所定の条件に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げる。
上記目的を達成するために、本開示の車両用表示制御方法は、車両で用いられる車両用表示制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、車両と車両の周辺車両との位置関係を取得する位置関係取得工程と、位置関係取得工程で取得した車両と周辺車両との位置関係を用いて、車両よりも上方の仮想視点から見た車両及び周辺車両のうちの少なくとも周辺車両の画像でその位置関係を示す俯瞰図を、車両の車室内で用いられる表示器(90)に表示させる表示制御工程とを含み、表示制御工程では、車両及び周辺車両の少なくともいずれかに関する所定の条件に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げる。
以上の構成によれば、車両と周辺車両との位置関係を示す俯瞰図を表示させるので、自車と周辺車両との位置関係を俯瞰表示で示すことが可能になる。自車に対する周辺車両の画像の表示位置は、逐一変化し得る。しかしながら、車両及び周辺車両の少なくともいずれかに関する条件によっては、自車に対する周辺車両の画像の表示位置を正確に示す必要性が低い場合もある。これに対して、車両及び周辺車両の少なくともいずれかに関する所定の条件に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げるので、正確に示す必要性が低い周辺車両の画像の表示位置については、表示位置が細かく動くことによる煩わしさを抑えることが可能になる。その結果、自車と周辺車両との位置関係を必要に応じてより正確に示しつつも、ユーザに煩わしさをより感じさせにくくすることが可能になる。
上記目的を達成するために、本開示の車両用表示制御システムは、車両で用いられ、車両の車室内で用いられる表示器(90)と、前述の車両用表示制御装置(10,10a,10b)とを含む。
これによれば、前述の車両用表示制御装置を含むので、自車と周辺車両との位置関係を必要に応じてより正確に示しつつも、ユーザに煩わしさをより感じさせにくくすることが可能になる。
車両用システム1の概略的な構成の一例を示す図である。 HCU10の概略的な構成に一例を示す図である。 俯瞰図の表示の一例について説明するための図である。 自車からの周辺車両の距離に応じた周辺車両の表示位置の更新頻度の一例について説明するための図である。 自車からの周辺車両の距離に応じた周辺車両の表示位置の更新頻度の一例について説明するための図である。 周辺車両OVaの、走行車線の中央に対する実際の横位置のずれの一例について説明するための図である。 俯瞰図の表示の一例について説明するための図である。 周辺車両OVaの、走行車線の中央に対する実際の横位置のずれの一例について説明するための図である。 俯瞰図の表示の一例について説明するための図である。 HCU10での表示位置更新関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 HCU10aの概略的な構成に一例を示す図である。 HCU10aでの表示位置更新関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 HCU10bの概略的な構成に一例を示す図である。 HCU10bでの表示位置更新関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 俯瞰図の表示の一例について説明するための図である。 俯瞰図の表示の一例について説明するための図である。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<車両用システム1の概略構成>
以下、本開示の実施形態1について図面を用いて説明する。図1に示す車両用システム1は、自動運転が可能な車両(以下、自動運転車両)で用いられる。車両用システム1は、図1に示すように、HCU(Human Machine Interface Control Unit)10、通信モジュール20、ロケータ30、地図データベース(以下、地図DB)40、車両状態センサ50、周辺監視センサ60、車両制御ECU70、自動運転ECU80、及び表示器90を含んでいる。この車両用システム1が車両用表示制御システムに相当する。車両用システム1を用いる車両は、必ずしも自動車に限るものではないが、以下では自動車に用いる場合を例に挙げて説明を行う。
自動運転車両の自動運転の度合い(以下、自動化レベル)としては、例えばSAEが定義しているように、複数のレベルが存在し得る。自動化レベルは、例えば以下のようにレベル0~5に区分される。
レベル0は、システムが介入せずに運転者が全ての運転タスクを実施するレベルである。運転タスクは動的運転タスクと言い換えてもよい。運転タスクは、例えば操舵、加減速、及び周辺監視とする。レベル0は、いわゆる手動運転に相当する。レベル1は、システムが操舵と加減速とのいずれかを支援するレベルである。レベル1は、いわゆる運転支援に相当する。レベル2は、システムが操舵と加減速とのいずれをも支援するレベルである。レベル2は、いわゆる部分運転自動化に相当する。レベル1~2も自動運転の一部であるものとする。
例えば、レベル1~2の自動運転は、安全運転に係る監視義務(以下、単に監視義務)が運転者にある自動運転とする。監視義務としては、目視による周辺監視がある。レベル1~2の自動運転は、セカンドタスクが許可されない自動運転と言い換えることができる。セカンドタスクとは、運転者に対して許可される運転以外の行為であって、予め規定された特定行為である。セカンドタスクは、セカンダリアクティビティ,アザーアクティビティ等と言い換えることもできる。セカンドタスクは、自動運転システムからの運転操作の引き継ぎ要求にドライバが対応することを妨げてはならないとされる。一例として、動画等のコンテンツの視聴,スマートフォン等の操作,読書,食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。
レベル3は、高速道路等の特定の場所ではシステムが全ての運転タスクを実施可能であり、緊急時に運転者が運転操作を行うレベルである。レベル3では、システムから運転交代の要求があった場合に、運転手が迅速に対応可能であることが求められる。レベル3は、いわゆる条件付運転自動化に相当する。レベル4は、対応不可能な道路,極限環境等の特定状況下を除き、システムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。レベル4は、いわゆる高度運転自動化に相当する。レベル5は、あらゆる環境下でシステムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。レベル5は、いわゆる完全運転自動化に相当する。
例えば、レベル3~5の自動運転は、監視義務が運転者にない自動運転とする。レベル3~5の自動運転は、セカンドタスクが許可される自動運転と言い換えることができる。実施形態1での自動運転車両は、自動化レベルの切り替えが可能でない自動運転車両であってもよいし、自動化レベルの切り替えが可能な自動運転車両であってもよい。自動化レベルは、レベル0~5のうちの一部のレベル間でのみ切り替え可能な構成であってもよい。
通信モジュール20は、他車との間で、無線通信を介して情報の送受信を行う。つまり、車車間通信を行う。通信モジュール20は、路側に設置された路側機との間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、路車間通信を行ってもよい。路車間通信を行う場合、通信モジュール20は、路側機を介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を受信してもよい。また、通信モジュール20は、自車の外部のセンタとの間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、広域通信を行ってもよい。広域通信を行う場合、通信モジュール20は、センタを介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を受信してもよい。
ロケータ30は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサを備えている。GNSS受信機は、複数の測位衛星からの測位信号を受信する。慣性センサは、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを備える。ロケータ30は、GNSS受信機で受信する測位信号と、慣性センサの計測結果とを組み合わせることにより、ロケータ30を搭載した自車の車両位置(以下、自車位置)及び進行方向を逐次測位する。自車位置は、例えば緯度経度の座標で表されるものとする。なお、自車位置の測位には、車両に搭載された車速センサから逐次出力される信号から求めた走行距離も用いる構成としてもよい。
地図DB40は、不揮発性メモリであって、リンクデータ,ノードデータ,道路形状,構造物等の地図データを格納している。地図データは、道路形状及び構造物の特徴点の点群からなる3次元地図であってもよい。地図データとして、道路形状及び構造物の特徴点の点群からなる3次元地図を用いる場合、ロケータ30は、GNSS受信機を用いない構成としてもよい。例えば、ロケータ30は、この3次元地図と、道路形状及び構造物の特徴点の点群を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)若しくは周辺監視カメラ等の周辺監視センサ60での検出結果とを用いて、自車位置を特定する構成としてもよい。なお、3次元地図は、REM(Road Experience Management)によって撮像画像をもとに生成されたものであってもよい。
なお、通信モジュール20は、外部サーバから配信される地図データを例えば広域通信で受信し、地図DB40に格納してもよい。この場合、地図DB40を揮発性メモリとし、通信モジュール20が自車位置に応じた領域の地図データを逐次取得する構成としてもよい。
車両状態センサ50は、自車の各種状態を検出するためのセンサ群である。車両状態センサ50としては、車速を検出する車速センサ,操舵角を検出する操舵センサ等がある。車両状態センサ50は、検出したセンシング情報を車内LANへ出力する。なお、車両状態センサ50で検出したセンシング情報は、自車に搭載されるECUを介して車内LANへ出力される構成であってもよい。
周辺監視センサ60は、自車の周辺環境を監視する。一例として、周辺監視センサ60は、歩行者,他車等の移動物体、及び路上の落下物等の静止物体といった自車周辺の障害物を検出する。他にも、自車周辺の走行区画線等の路面標示を検出する。周辺監視センサ60は、例えば、自車周辺の所定範囲を撮像する周辺監視カメラ、自車周辺の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ、ソナー、LIDAR等のセンサである。周辺監視カメラは、逐次撮像する撮像画像をセンシング情報として自動運転ECU80へ逐次出力する。ソナー、ミリ波レーダ、LIDAR等の探査波を送信するセンサは、障害物によって反射された反射波を受信した場合に得られる受信信号に基づく走査結果をセンシング情報として自動運転ECU80へ逐次出力する。周辺監視センサ60で検出したセンシング情報は、自動運転ECU80を介して車内LANへ出力される構成とすればよい。
車両制御ECU70は、自車の走行制御を行う電子制御装置である。走行制御としては、加減速制御及び/又は操舵制御が挙げられる。車両制御ECU70としては、操舵制御を行う操舵ECU、加減速制御を行うパワーユニット制御ECU及びブレーキECU等がある。車両制御ECU70は、自車に搭載された電子制御スロットル、ブレーキアクチュエータ、EPS(Electric Power Steering)モータ等の各走行制御デバイスへ制御信号を出力することで走行制御を行う。
自動運転ECU80は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで自動運転に関する処理を実行する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。
自動運転ECU80は、第1自動運転ECU81及び第2自動運転ECU82を備える。第1自動運転ECU81及び第2自動運転ECU82が、それぞれプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるものとして以降の説明を行う。なお、仮想化技術によって共通のプロセッサが第1自動運転ECU81及び第2自動運転ECU82の機能を担う構成としてもよい。
第1自動運転ECU81は、前述のレベル2以下の自動運転の機能を担う。言い換えると、第1自動運転ECU81は、監視義務のある自動運転を、実施可能にする。例えば、第1自動運転ECU81は、自車の縦方向制御及び横方向制御の少なくともいずれかを実行可能である。縦方向とは、自車の前後方向と一致する方向である。横方向とは、自車の幅方向と一致する方向である。第1自動運転ECU81は、縦方向制御として、自車の加減速制御を実行する。第1自動運転ECU81は、横方向制御として、自車の操舵制御を実行する。第1自動運転ECU81は、機能ブロックとして、第1環境認識部、ACC制御部、及びLTA制御部等を備える。
第1環境認識部は、周辺監視センサ60から取得するセンシング情報,通信モジュール20で受信する自車の周辺車両の情報に基づき、自車の周囲の走行環境を認識する。一例として、第1環境認識部は、例えば自車の走行車線(以下、自車線)の左右の区画線等の情報から、自車線における自車の詳細な位置を認識する。他にも、第1環境認識部は、周辺車両の自車に対する位置、周辺車両の進行方向、周辺車両の自車に対する相対速度、周辺車両の速度、周辺車両の加速度等も認識すればよい。
周辺車両の進行方向は、例えば周辺車両の自車に対する位置の時系列的な変化から認識すればよい。周辺車両の進行方向は、周辺車両の向きと言い換えることもできる。周辺車両の速度は、例えば自車の車速と周辺車両の相対速度とから認識すればよい。周辺車両の速度は、周辺車両の情報として周辺車両の速度が通信モジュール20で受信できる場合には、受信した情報から認識してもよい。周辺車両の加速度は、例えば前後加速度,左右加速度を認識すればよい。前後加速度は、例えば周辺車両の速度の単位時間あたりの変化をもとに認識すればよい。左右加速度は、例えば周辺車両の位置の単位時間あたりの変化をもとに認識すればよい。周辺車両の加速度は、周辺車両の情報として周辺車両の加速度が通信モジュール20で受信できる場合には、受信した情報から認識してもよい。
また、第1環境認識部は、周辺車両のウィンカーランプの点灯状態も認識すればよい。周辺車両のウィンカーランプの点灯状態は、例えば周辺車両の撮像画像に対する画像認識処理によって認識すればよい。なお、第1環境認識部は、後述の第2環境認識部と同様の構成としてもよい。
ACC制御部は、目標速度での自車の定速走又は先行車への追従走行を実現するACC(Adaptive Cruise Control)制御を実行する。ACC制御部は、第1環境認識部で認識した自車の周囲の車両の位置及び速度を用いて、ACC制御を実行すればよい。ACC制御部は、車両制御ECU70で加減速制御を行わせることでACC制御を実行すればよい。LTA制御部は、自車の車線内走行を維持するLTA(Lane Tracing Assist)制御を実行する。LTA制御部は、第1環境認識部で認識した走行車線における自車の詳細な位置を用いて、LTA制御を実行すればよい。LTA制御部は、車両制御ECU70で操舵制御を行わせることでLTA制御を実行すればよい。なお、ACC制御は縦方向制御の一例である。LTA制御は横方向制御の一例である。
第1自動運転ECU81は、ACC制御およびLTA制御の両方を実行することで、レベル2の自動運転を実現する。第1自動運転ECU81は、ACC制御及びLTA制御のいずれか一方を実行することで、レベル1の自動運転を実現してもよい。
一方、第2自動運転ECU82は、前述のレベル3以上の自動運転の機能を担う。言い換えると、第2自動運転ECU82は、監視義務のない自動運転を、実施可能にする。第2自動運転ECU82は、機能ブロックとして、第2環境認識部、行動判断部、及び軌道生成部等を備える。
第2環境認識部は、周辺監視センサ60から取得するセンシング情報、ロケータ30から取得する自車位置、地図DB40から取得する地図データ、及び通信モジュール20で取得する他車の情報等に基づき、自車の周囲の走行環境を認識する。一例として、第2環境認識部は、これらの情報を用いて、実際の走行環境を再現した仮想空間を生成する。なお、第2環境認識部でも、第1環境認識部と同様に、自車に対する周辺車両の位置、周辺車両の進行方向、自車に対する周辺車両の相対速度、周辺車両の速度、周辺車両の加速度等も認識すればよい。第2環境認識部は、第1環境認識部での認識結果を利用する構成としてもよい。また、第2環境認識部は、例えば自車線及び周辺車線の左右の区画線等の情報と、自車に対する周辺車両の位置とから、各車線における周辺車両の詳細な位置を認識すればよい。
第2環境認識部は、自車の走行地域における手動運転エリア(以下、MDエリア)の判別を行う。第2環境認識部は、自車の走行地域における自動運転エリア(以下、ADエリア)の判別を行う。第2環境認識部は、ADエリアにおけるST区間の判別を行う。第2環境認識部は、ADエリアにおける非ST区間の判別を行う。
MDエリアは、自動運転が禁止されるエリアである。言い換えると、MDエリアは、自車の縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視の全てを運転者が実行すると規定されたエリアである。例えば、MDエリアは、一般道路とすればよい。
ADエリアは、自動運転が許可されるエリアである。言い換えると、ADエリアは、縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視のうちの1つ以上を、自車が代替すること可能と規定されたエリアである。例えば、ADエリアは、高速道路,自動車専用道路とすればよい。
ADエリアは、レベル2以下の自動運転が可能な非ST区間と、レベル3以上の自動運転が可能なST区間とに区分される。本実施形態では、レベル1の自動運転が許可される非ST区間と、レベル2の自動運転が許可される非ST区間とを分けて区分しないものとする。ST区間は、例えば渋滞が発生している走行区間(以下、渋滞区間)とすればよい。また、ST区間は、例えば高精度地図が整備された走行区間とすればよい。非ST区間は、ST区間に該当しない区間とすればよい。
行動判断部は、第2環境認識部での走行環境の認識結果に基づいて、自車に予定される行動(以下、将来行動)を判断する。行動判断部は、自動運転によって自車を走行させるための将来行動を判断する。行動判断部は、目的地に到着するために自車が取るべき振る舞いの類型を将来行動として決定すればよい。この類型としては、例えば直進,右折,左折,車線変更等が挙げられる。
また、行動判断部は、運転者への運転制御権の移譲(つまり、運転交代)が必要であると判断した場合に、運転交代要求を生成し、HCU10へと提供する。運転者への運転制御権の移譲が必要となる場合の一例としては、自車がADエリアからMDエリアに移る場合が挙げられる。他にも、センサロスト,通信不具合等で第2環境認識部での走行環境の認識に不具合が生じた場合が挙げられる。
軌道生成部は、第2環境認識部での走行環境の認識結果、及び行動判断部で決定された将来行動に基づき、自動運転を実行可能な区間での自車の走行軌道を生成する。走行軌道には、例えば進行に応じた自車の目標位置および各目標位置での目標速度等が含まれる。軌道生成部は、生成した走行軌道を、自動運転において自車が従う制御指令として車両制御ECU70に逐次提供する。
以上の自動運転ECU80を含んで構成される自動運転システムにより、自車においてレベル2以下、及びレベル3以上の自動運転が実行可能となる。また、例えば自動運転ECU80は、必要に応じて自車の自動運転の自動化レベルを切り替える構成とすればよい。一例として、自車がADエリアのうちのST区間から非ST区間に移る場合に、レベル3以上の自動運転からレベル2以下の自動運転に切り替えればよい。また、自動運転ECU80は、監視義務のない自動運転から監視義務のある自動運転に切り替える場合に、周辺監視要求を生成し、HCU10へと提供する構成とすればよい。
表示器90は、自車に設けられる表示装置である。表示器90は、自車の車室内に表示面が向くように設けられる。例えば、表示器90は、自車の運転席正面に表示面が位置するように設けられる。表示器90としては、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,ヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)等の種々のディスプレイを用いることができる。
HCU10は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるコンピュータを主体として構成され、表示器90と車内LANとに接続されている。HCU10は、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、表示器90での表示を制御する。このHCU10が車両用表示制御装置に相当する。なお、表示器90での表示の制御に関するHCU10の構成については以下で詳述する。
<HCU10の概略構成>
続いて、図2を用いてHCU10の概略構成についての説明を行う。HCU10は、表示器90での表示の制御に関して、図2に示すように、情報取得部101、距離特定部102、車線変更特定部103、ずれ特定部104、及び表示制御部105を機能ブロックとして備える。また、コンピュータによってHCU10の各機能ブロックの処理が実行されることが、車両用表示制御方法が実行されることに相当する。なお、HCU10が実行する機能の一部又は全部を、一つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、HCU10が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
情報取得部101は、HCU10の外部から入力される情報を取得する。情報取得部101は、例えば自動運転ECU80で認識した走行環境の認識結果を取得する。情報取得部101は、サブ機能ブロックとして、位置関係取得部111を備える。位置関係取得部111は、自車と周辺車両との位置関係を取得する。この位置関係取得部111での処理が位置関係取得工程に相当する。位置関係取得部111は、例えば自動運転ECU80で認識した自車に対する周辺車両の位置を、自車と周辺車両との位置関係として取得すればよい。また、位置関係取得部は、車線に対する周辺車両の位置関係も取得する。位置関係取得部111は、例えば自動運転ECU80で認識した各車線における周辺車両の詳細な位置を、車線に対する周辺車両の位置関係として取得すればよい。
距離特定部102は、周辺車両別に、自車と周辺車両との距離を特定する。距離特定部102は、位置関係取得部111で取得した自車と周辺車両との位置関係から、自車と周辺車両との距離を特定すればよい。距離特定部102は、自車と周辺車両との距離として、自車と周辺車両との直線距離を特定すればよい。この場合、距離特定部102は、自車の位置座標と周辺車両の位置座標との直線距離を算出することで、自車と周辺車両との直線距離を特定すればよい。また、距離特定部102は、自車と周辺車両との距離として、自車の前後方向における自車と周辺車両との距離を特定してもよい。
車線変更特定部103は、周辺車両の車線変更が行われることを特定する。一例として、車線変更特定部103は、自動運転ECU80でウィンカーランプの点灯を認識した周辺車両について、車線変更が行われることを特定すればよい。他にも、車線変更特定部103は、自動運転ECU80で認識した左右加速度が閾値以上の周辺車両について、車線変更が行われることを特定すればよい。ここで言うところの閾値とは、車線変更が行われると推定される左右加速度か否かを区別する値とすればよい。
ずれ特定部104は、周辺車両の走行する車線の中央に対するその周辺車両の横位置のずれを特定する。一例として、ずれ特定部104は、自動運転ECU80で認識した各車線における周辺車両の詳細な位置を用いて、周辺車両の走行する車線の中央に対するその周辺車両の横位置のずれを特定すればよい。横位置とは道路幅方向における位置と言い換えることもできる。
表示制御部105は、表示器90での表示を制御する。この表示制御部105での処理が表示制御工程に相当する。表示制御部105は、位置関係取得部111で取得する自車と周辺車両との位置関係を用いて、自車よりも上方の仮想視点から見た、自車と周辺車両との位置関係を示す俯瞰図を表示器90に表示させる。この仮想視点は、自車の直上であってもよいし、自車の直上からずれた位置であってもよい。例えば、自車よりも上方且つ後方の仮想視点から見た俯瞰図であってもよい。本実施形態では、俯瞰図には、自車線と周辺車線との区画線を示す画像と、自車と周辺車両とを示す画像とを含む構成とすればよい。なお、俯瞰図において自車位置が固定である場合には、俯瞰図に自車の画像(以下、自車画像)を含まない構成としてもよい。例えば、自車よりも前方の状況に絞って示す俯瞰図において、俯瞰図の下端に自車前端が位置するものとして、自車と周辺車両とのうちの周辺車両の画像(以下、周辺車両画像)のみを示す場合が例に挙げられる。なお、以降では、俯瞰図には、自車線と周辺車線との区画線を示す画像を含む場合を例に挙げて説明を行う。
表示制御部105は、俯瞰図における自車画像の表示位置を固定するものとする。また、表示制御部105は、俯瞰図における自車画像の向きも固定するものとする。よって、俯瞰図において表示位置及び向きが更新されるのは、自車画像と周辺車両画像とのうちの周辺車両画像のみとなる。なお、自車画像の向きとは、画像で示される自車の向きを表す。一例として、表示制御部105は、自車に対する周辺車両の位置を示す座標を、俯瞰図における座標に座標変換することで、実際の自車と周辺車両との位置関係を模した俯瞰図を表示させればよい。自車線と周辺車線との区画線を示す画像については、実際の区画線の湾曲度合いを模していない画像としてもよいし、実際の区画線の湾曲度合いを模した画像としてもよい。自車と周辺車両との位置関係をより正確に示しためには、自車線と周辺車線との区画線を示す画像を、実際の区画線の湾曲度合いを模した画像とすることが好ましい。
ここで、図3を用いて、俯瞰図の表示の一例について説明を行う。図3では、自車よりも上方且つ後方の仮想視点から見た俯瞰図を表示させる場合の一例を示す。図3のScが表示器90の表示画面を示す。図3のHVIが自車画像を示す。図3のOVIa,OVIb,OVIcが周辺車両画像を示す。周辺車両画像OVIaで示される周辺車両を以降では周辺車両OVaとする。周辺車両画像OVIbで示される周辺車両を以降では周辺車両OVbとする。周辺車両画像OVIcで示される周辺車両を以降では周辺車両OVcとする。周辺車両OVaは自車線に位置する。周辺車両OVb,周辺車両OVcは周辺車線に位置する。また、自車からの距離は、周辺車両OVa,周辺車両OVb,周辺車両OVcの順に長くなっているものとする。俯瞰図では、実際の自車と周辺車両OVa,周辺車両OVb,周辺車両OVcとの位置関係を模した自車画像HVI,周辺車両画像OVIa,周辺車両画像OVIb,周辺車両画像OVIcが表示される。また、俯瞰図では、自車線と周辺車線との区画線を示す画像PLIも表示される。
また、表示制御部105は、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置を更新する。表示制御部は、周辺車両別に周辺車両画像の表示位置を更新することが可能なものとする。表示制御部105は、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置を、周期的に更新するものとすればよい。表示制御部105は、周辺車両画像の表示位置を更新する周期(以下、更新頻度)を、周辺車両別に変更可能となっているものとする。一例として、デフォルトの更新頻度は、位置関係取得部111で自車と周辺車両との位置関係を周期的に取得する頻度と同じとすればよい。なお、表示制御部105は、俯瞰図における周辺車両画像の表示向きも周期的に更新する構成としてもよい。
表示制御部105は、周辺車両別に、距離特定部102で特定した距離が遠くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を下げればよい。ここで、更新頻度を下げるとは、少なくとも2段階以上存在する更新頻度を下げることを示す。例えば、デフォルトの更新頻度よりも下げる構成とすればよい。
一例としては、表示制御部105は、図4に示すように、距離が遠くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を段階的に下げればよい。図4の縦軸が周辺車両画像の表示位置の更新頻度を示している。図4の横軸が自車からの周辺車両の距離を示している。図4の例では、距離が閾値TH以上か否かで、更新頻度を「低」と「高」との2段階に変更する例を示す。ここで、更新頻度「高」が、デフォルトの更新頻度に該当する構成とすればよい。なお、図4の例に限らず、閾値THを2以上とすることで更新頻度を3段階以上に変更する構成としてもよい。また、表示制御部105は、図5に示すように、距離が遠くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を直線的に下げてもよい。なお、図5の縦軸が周辺車両画像の表示位置の更新頻度を示している。図5の横軸が自車からの周辺車両の距離を示している。
表示制御部105は、距離特定部102で特定した距離に応じた表示位置の更新頻度が規定値以下の周辺車両であって、且つ、ずれ特定部104で特定したずれが閾値未満の周辺車両については、その周辺車両の画像の表示位置の更新を行う際に、俯瞰図において、その周辺車両の走行車線に対する横位置を、その周辺車両の走行車線の中央の位置に表示させることが好ましい。ここで言うところの規定値は、少なくとも2段階以上存在する更新頻度が切り替わる距離であって、任意に設定可能とすればよい。一例として、更新頻度は前述の「高」と「低」との2段階であって、規定値は頻度「低」である場合を例に挙げて以降の説明を続ける。また、ずれの閾値は、任意に設定可能な値であって、例えば対象とする周辺車両が走行車線の区画線を跨ぐか否かを区分する値とすればよい。以下ではずれの閾値をずれ閾値と呼ぶ。
以上の構成によれば、図6に示すように、走行車線の中央に対する実際の横位置HDのずれが小さくおさまっている場合には、図7に示すように、模式図においては走行車線の中央に周辺車両画像OVIaを表示させることになる。なお、図6の一点鎖線が周辺車両OVaの走行車線の中央を示している。図6のHDが、周辺車両OVaの、走行車線の中央に対する実際の横位置のずれを示している。走行車線の中央に対する実際の横位置のずれが小さくおさまっている場合には、模式図において走行車線の中央に周辺車両画像を表示させたとしても、自車と周辺車両との位置関係は大きく異ならない。よって、表示位置の更新頻度を下げることで細かく表示位置が動く煩わしさを抑えつつも、自車と周辺車両との位置関係をより正確に示すことが可能になる。
一方、表示制御部105は、距離特定部102で特定した距離に応じた表示位置の更新頻度が上述の規定値以下の周辺車両であって、且つ、車線変更特定部103で車線変更が行われることを特定した周辺車両については、その周辺車両の画像の表示位置の更新を行う際に、俯瞰図において、その周辺車両の走行車線に対する横位置を、位置関係取得部111で取得するその走行車線に対するその周辺車両の位置関係に従った位置に表示させることが好ましい。
これによれば、車線変更が行われる周辺車両については、模式図において実際の位置関係に従った位置に表示させることになる。車線変更を行う周辺車両は、自車の走行に影響を与える可能性が比較的高いため、より正確な自車に対する位置関係を示す必要性が高いと考えられる。これに対して、以上の構成によれば、表示位置の更新頻度を下げることで細かく表示位置が動く煩わしさを抑えつつも、車線変更が行われる周辺車両については、自車と周辺車両との位置関係をより正確に示すことが可能になる。
また、表示制御部105は、距離特定部102で特定した距離に応じた表示位置の更新頻度が上述の規定値以下の周辺車両であって、且つ、ずれ特定部104で特定したずれがずれ閾値以上の周辺車両については、その周辺車両の画像の表示位置の更新を行う際に、俯瞰図において、その周辺車両の走行車線に対する横位置を、位置関係取得部111で取得するその走行車線に対するその周辺車両の位置関係に従った位置に表示させることが好ましい。
以上の構成によれば、図8に示すように、走行車線の中央に対する実際の横位置のずれが大きくなっている場合には、図9に示すように、模式図において実際の自車HVと周辺車両OVaとの位置関係に従った位置に周辺車両画像OVIaを表示させることになる。走行車線の中央に対する実際の横位置のずれが大きくなっている周辺車両は、自車の走行に影響を与える可能性が比較的高いため、より正確な自車に対する位置関係を示す必要性が高いと考えられる。これに対して、以上の構成によれば、表示位置の更新頻度を下げることで細かく表示位置が動く煩わしさを抑えつつも、自車の走行に影響を与える可能性が比較的高いと考えられる周辺車両については、自車と周辺車両との位置関係をより正確に示すことが可能になる。
なお、俯瞰図における周辺車両画像の表示向きも周期的に更新する場合には、表示位置の更新に併せて表示向きの更新も行う構成とすればよい。
<HCU10での表示位置更新関連処理>
ここで、図10のフローチャートを用いて、HCU10での周辺車両画像の表示位置の更新に関する処理(以下、表示位置更新関連処理)の流れの一例について説明を行う。図10のフローチャートは、自車の内燃機関又はモータジェネレータを始動させるためのスイッチ(以下、パワースイッチ)がオンになって前述の俯瞰図が表示される場合に開始する構成とすればよい。他にも、周辺車両画像の表示を行う機能のオンオフを切り替えることができる構成の場合には、周辺車両画像の表示を行う機能がオンとなっている状態でパワースイッチがオンされる場合に開始する構成とすればよい。他にも、パワースイッチがオンになっている状態において、周辺車両画像の表示を行う機能がオフからオンに切り替わった場合に開始する構成としてもよい。図10の例では、更新頻度が「高」と「低」との2段階である場合を例に挙げて説明を行う。
なお、表示器90に表示される俯瞰図には、自車画像,周辺車両画像,自車線と周辺車線との区画線を示す画像を含むものとする。俯瞰図に含ませる周辺車両画像は、距離特定部102で特定された距離が一定以内の周辺車両についてのものに絞る構成とすればよい。ここで言うところの一定とは、前述の閾値THよりも大きい値であって、任意に設定可能な値とすればよい。また、周辺車両画像の表示位置は、表示制御部105によって、位置関係取得部111で取得する自車と周辺車両との位置関係を用いて、周辺車両別に設定される更新頻度で更新されるものとする。更新頻度関連処理は、俯瞰図での周辺車両画像の表示の対象となる周辺車両ごとに行われる構成とすればよい。
ステップS1では、距離特定部102が、自車と周辺車両との距離を特定する。ステップS2では、S1で特定した距離が閾値TH以上であった場合(S2でYES)には、ステップS4に移る。一方、S1で特定した距離が閾値TH未満であった場合(S2でNO)には、ステップS3に移る。
ステップS3では、表示制御部105が、周辺車両画像の表示位置の更新頻度の設定を、デフォルトの「高」に維持して、ステップS9に移る。一方、ステップS4では、表示制御部105が、周辺車両画像の表示位置の更新頻度の設定を、デフォルトの「高」から「低」に下げる。
ステップS5では、車線変更特定部103で周辺車両の車線変更が行われることを特定した場合(S5でYES)には、ステップS6に移る。一方、車線変更特定部103で周辺車両の車線変更が行われることを特定していない場合(S5でNO)には、ステップS7に移る。
ステップS6では、表示制御部105が、例えば周辺車両の画像の表示位置の更新を行う際に、俯瞰図において、その周辺車両の走行車線に対する横位置を、位置関係取得部111で取得するその走行車線に対するその周辺車両の位置関係に従った位置に表示させるように設定し、ステップS9に移る。
ステップS7では、ずれ特定部104で特定したずれがずれ閾値以上の場合(S7でYES)には、ステップS6に移る。一方、ずれ特定部104で特定したずれがずれ閾値未満の場合(S7でNO)には、ステップS8に移る。ステップS8では、表示制御部105が、例えば周辺車両の画像の表示位置の更新を行う際に、俯瞰図において、その周辺車両の走行車線に対する横位置を、その周辺車両の走行車線の中央の位置に表示させるように設定し、ステップS9に移る。
ステップS9では、表示位置更新関連処理の終了タイミングであった場合(S9でYES)には、表示位置更新関連処理を終了する。一方、表示位置更新関連処理の終了タイミングでなかった場合(S9でNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。表示位置更新関連処理の終了タイミングの一例としては、パワースイッチがオフになったこと,周辺車両画像の表示を行う機能がオフになったこと等が挙げられる。
なお、更新頻度が3段階以上である場合には、閾値THの代わりに、3段階以上の更新頻度を高頻度と低頻度とに区分する閾値を用いる構成とすればよい。
<実施形態1のまとめ>
実施形態1の構成によれば、自車と周辺車両との位置関係を示す俯瞰図を表示させるので、自車と周辺車両との位置関係を俯瞰表示で示すことが可能になる。自車に対する周辺車両の画像の表示位置は、逐一変化し得る。しかしながら、自車から近い周辺車両は自車への影響が大きいために表示位置を正確に示す必要性が高い一方、自車から遠い周辺車両は自車への影響が小さいために表示位置を正確に示す必要性が低い。これに対して、自車からの周辺車両の距離が遠くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げるので、正確に示す必要性が低い周辺車両の画像の表示位置については、表示位置が細かく動くことによる煩わしさを抑えることが可能になる。その結果、自車と周辺車両との位置関係を必要に応じてより正確に示しつつも、ユーザに煩わしさをより感じさせにくくすることが可能になる。
(実施形態2)
実施形態1では、自車からの周辺車両の距離に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を変更する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、周辺車両の挙動に関する値に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を変更する構成(以下、実施形態2)としてもよい。以下では、実施形態2の一例について図を用いて説明する。実施形態2の車両用システム1は、HCU10の代わりにHCU10aを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
<HCU10aの概略構成>
続いて、図11を用いてHCU10aの概略構成についての説明を行う。HCU10aは、表示器90での表示の制御に関して、図11に示すように、情報取得部101a、距離特定部102、車線変更特定部103、ずれ特定部104、及び表示制御部105aを機能ブロックとして備える。HCU10aは、情報取得部101及び表示制御部105の代わりに情報取得部101a及び表示制御部105aを備える点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10aが車両用表示制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10aの各機能ブロックの処理が実行されることが、車両用表示制御方法が実行されることに相当する。
情報取得部101aは、挙動関連値取得部112を備える。この挙動関連値取得部112が周辺挙動関連値取得部に相当する。情報取得部101aは、挙動関連値取得部112を備える点を除けば、実施形態1の情報取得部101と同様である。挙動関連値取得部112は、周辺車両の挙動に関する値(以下、挙動関連値)を取得する。挙動関連値としては、周辺車両の車速,自車に対する周辺車両の相対速度,周辺車両の加速度等が挙げられる。挙動関連値取得部112は、自動運転ECU80で認識した挙動関連値を取得する構成とすればよい。
表示制御部105aは、自車からの周辺車両の距離の代わりに、挙動関連値取得部112で取得した挙動関連値に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を変更する点を除けば、実施形態1の表示制御部105と同様である。この表示制御部105aでの処理が表示制御工程に相当する。
表示制御部105aは、周辺車両別に、車速が遅くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を下げることが好ましい。ここで、更新頻度を下げるとは、少なくとも2段階以上存在する更新頻度を下げることを示す。例えば、デフォルトの更新頻度よりも下げる構成とすればよい。以降の更新頻度を下げるとの記載についても同様とする。表示制御部105aは、車速が遅くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を段階的に下げればよい。また、表示制御部105aは、車速が遅くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を直線的に下げてもよい。
周辺車両の車速が遅い場合、周辺車両の大きな動きは少ない。よって、周辺車両の大きな動きが多い場合に比べて、自車への影響が小さく、表示位置を正確に示す必要性が低い。これに対して、以上の構成によれば、周辺車両の車速が遅くなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げるので、正確に示す必要性が低い周辺車両の画像の表示位置については、表示位置が細かく動くことによる煩わしさを抑えることが可能になる。また、特に周辺車両が渋滞している場合には、周辺車両の大きな動きは少なくなる。よって、表示制御部105aは、周辺車両が渋滞と推定される車速以下の場合に、周辺車両が渋滞と推定される車速よりも大きい場合よりも、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げる構成としてもよい。
表示制御部105aは、周辺車両別に、自車に対する周辺車両の相対速度が小さくなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を下げることが好ましい。表示制御部105aは、自車に対する周辺車両の相対速度が小さくなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を段階的に下げればよい。また、表示制御部105aは、自車に対する周辺車両の相対速度が小さくなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を直線的に下げてもよい。
自車に対する周辺車両の相対速度が小さい場合、自車に対する周辺車両の動きは少ない。よって、自車に対する周辺車両の動きが多い場合に比べて、自車への影響が小さく、表示位置を正確に示す必要性が低い。これに対して、以上の構成によれば、自車に対する周辺車両の相対速度が小さくなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げるので、正確に示す必要性が低い周辺車両の画像の表示位置については、表示位置が細かく動くことによる煩わしさを抑えることが可能になる。
表示制御部105aは、周辺車両別に、周辺車両の加速度の絶対値が小さくなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を下げればよい。表示制御部105aは、周辺車両の加速度の絶対値が小さくなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を段階的に下げればよい。また、表示制御部105aは、周辺車両の加速度の絶対値が小さくなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両画像の表示位置の更新頻度を直線的に下げてもよい。
周辺車両の加速度の絶対値が小さい場合、周辺車両の動きは少ない。よって、周辺車両の動きが多い場合に比べて、自車への影響が小さく、表示位置を正確に示す必要性が低い。これに対して、以上の構成によれば、周辺車両の加速度の絶対値が小さくなるのに応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げるので、正確に示す必要性が低い周辺車両の画像の表示位置については、表示位置が細かく動くことによる煩わしさを抑えることが可能になる。
<HCU10aでの表示位置更新関連処理>
ここで、図12のフローチャートを用いて、HCU10aでの表示位置更新関連処理の流れの一例について説明を行う。図12のフローチャートも図10のフローチャートと同様にして開始する構成とすればよい。図12の例でも、更新頻度が「高」と「低」との2段階である場合を例に挙げて説明を行う。更新頻度が「高」がデフォルトの更新頻度とすればよい。
ステップS21では、挙動関連値取得部112が、挙動関連値を取得する。挙動関連値としては、例えば周辺車両の車速,自車に対する周辺車両の相対速度,周辺車両の加速度を取得する。ステップS22では、S21で特定した周辺車両の車速が、更新頻度を「高」と「低」とに区分する車速の閾値(以下、車速閾値)未満であった場合(S22でYES)には、ステップS26に移る。一方、S21で特定した周辺車両の車速が車速閾値以上であった場合(S22でNO)には、ステップS23に移る。
ステップS23では、S21で特定した自車に対する周辺車両の相対速度が、更新頻度を「高」と「低」とに区分する相対速度の閾値(以下、相対速度閾値)未満であった場合(S23でYES)には、ステップS26に移る。一方、S21で特定した自車に対する周辺車両の相対速度が相対速度閾値以上であった場合(S23でNO)には、ステップS24に移る。
ステップS24では、S21で特定した周辺車両の加速度の絶対値が、更新頻度を「高」と「低」とに区分する加速度の閾値(以下、加速度閾値)未満であった場合(S24でYES)には、ステップS26に移る。一方、S21で特定した周辺車両の加速度の絶対値が加速度閾値以上であった場合(S24でNO)には、ステップS25に移る。
ステップS25では、表示制御部105aが、周辺車両画像の表示位置の更新頻度の設定を、デフォルトの「高」に維持して、ステップS31に移る。一方、ステップS26では、表示制御部105aが、周辺車両画像の表示位置の更新頻度の設定を、デフォルトの「高」から「低」に下げる。
ステップS27~ステップS30の処理は、S5~S8の処理と同様にして行う。ステップS31では、表示位置更新関連処理の終了タイミングであった場合(S31でYES)には、表示位置更新関連処理を終了する。一方、表示位置更新関連処理の終了タイミングでなかった場合(S31でNO)には、S21に戻って処理を繰り返す。
なお、更新頻度が3段階以上である場合には、車速閾値,相対速度閾値,加速度閾値として、3段階以上の更新頻度を高頻度と低頻度とに区分する閾値を用いる構成とすればよい。
<実施形態2のまとめ>
実施形態2の構成によっても、自車と周辺車両との位置関係を示す俯瞰図を表示させるので、自車と周辺車両との位置関係を俯瞰表示で示すことが可能になる。自車に対する周辺車両の画像の表示位置は、逐一変化し得る。しかしながら、前述したように、周辺車両の車速,自車に対する周辺車両の相対速度,周辺車両の加速度といった周辺車両の挙動に関する値によっては、自車に対する周辺車両の画像の表示位置を正確に示す必要性が低い場合もある。これに対して、周辺車両の車速,自車に対する周辺車両の相対速度,周辺車両の加速度といった周辺車両の挙動に関する値に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げるので、正確に示す必要性が低い周辺車両の画像の表示位置については、表示位置が細かく動くことによる煩わしさを抑えることが可能になる。その結果、自車と周辺車両との位置関係を必要に応じてより正確に示しつつも、ユーザに煩わしさをより感じさせにくくすることが可能になる。
実施形態2では、周辺車両の挙動に関する値として、周辺車両の車速、自車に対する周辺車両の相対速度、及び周辺車両の加速度を用いる場合を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。例えば、周辺車両の車速、自車に対する周辺車両の相対速度、及び周辺車両の加速度のうちの一部のみを用いる構成としてもよい。また、周辺車両の正確な位置を認識する必要性が切り替わるような周辺車両の挙動に関する値であれば、周辺車両の車速、自車に対する周辺車両の相対速度、及び周辺車両の加速度以外の値を用いる構成としてもよい。
(実施形態3)
実施形態1,2では、自動運転車両でHCU10,10aを用いる場合を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。例えば、自動運転機能を有していない車両でHCU10,10aを用いる構成としてもよい。ただし、自動運転車両では、自動運転時において自車と周辺車両との位置関係を俯瞰図で示す要求が、自動運転機能を有していない車両よりも高いと考えられる。よって、HCU10,10aは、自動運転車両で用いられることが好ましい。特に、HCU10,10aは、自動運転車両での自動運転時に用いられることが好ましい。
(実施形態4)
実施形態1では、自車からの周辺車両の距離に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を変更する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自車の自動運転に関する状態に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を変更する構成(以下、実施形態4)としてもよい。以下では、実施形態4の一例について図を用いて説明する。実施形態4の車両用システム1は、HCU10の代わりにHCU10bを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
本実施形態では、レベル3~5の自動運転は、監視義務が運転者にない自動運転とする。レベル3~5の自動運転は、セカンドタスクが許可される自動運転と言い換えることができる。本実施形態では、レベル3以上の自動化レベルとレベル2以下の自動化レベルとの切り替えで監視義務の有無が切り替わるものとする。よって、レベル3以上の自動化レベルからレベル2以下の自動化レベルに切り替わる場合に、安全運転に係る監視が運転者に要求されることになるものとする。一方、運転者への運転交代については、レベル2以上の自動化レベルからレベル1以下の自動化レベルに切り替わる場合に要求される構成としてもよい。また、レベル3以上の自動化レベルからレベル2以下の自動化レベルに切り替わる場合に、運転者への運転交代が要求される構成としてもよい。
本施形態の自動運転車両は、自動化レベルが切り替え可能であるものとする。自動化レベルは、レベル0~5のうちの一部のレベル間でのみ切り替え可能な構成であってもよい。本実施形態では、自動運転車両が、自動化レベル3の自動運転と、自動化レベル2以下の自動運転若しくは手動運転とを切り替え可能な場合を例に挙げて説明を行う。例えば、自動化レベル3の自動運転は、渋滞時に限定して許可されるものとすればよい。
<HCU10bの概略構成>
続いて、図13を用いてHCU10bの概略構成についての説明を行う。HCU10bは、表示器90での表示の制御に関して、図13に示すように、情報取得部101b、距離特定部102、車線変更特定部103、ずれ特定部104、及び表示制御部105bを機能ブロックとして備える。HCU10bは、情報取得部101及び表示制御部105の代わりに情報取得部101b及び表示制御部105bを備える点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10bが車両用表示制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10bの各機能ブロックの処理が実行されることが、車両用表示制御方法が実行されることに相当する。
情報取得部101bは、自動運転関連取得部113を備える。この自動運転関連取得部113が自動運転関連状態取得部に相当する。情報取得部101bは、自動運転関連取得部113を備える点を除けば、実施形態1の情報取得部101と同様である。自動運転関連取得部113は、自車の自動運転に関する状態(以下、自動運転関連状態)を取得する。自動運転関連状態としては、自車の運転者の周辺監視義務の有無,運転交代要求の有無,周辺監視要求の有無等が挙げられる。運転交代要求,周辺監視要求は、自車側のシステムからの運転者への要求である。自動運転関連取得部113は、自動運転ECU80の行動判断部から、これらの自動運転関連状態を取得する構成とすればよい。
表示制御部105bは、自車からの周辺車両の距離の代わりに、自動運転関連取得部113で取得した自動運転関連状態に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を変更する点を除けば、実施形態1の表示制御部105と同様である。この表示制御部105bでの処理が表示制御工程に相当する。
表示制御部105bは、自動運転関連取得部113で取得する自動運転関連状態に応じて、周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げる。表示制御部105bは、自動運転関連取得部113で取得する自動運転関連状態が、運転者の周辺監視義務がなく、且つ、運転交代要求及び周辺監視要求のない状態である場合は、運転者の周辺監視義務がある、若しくは運転交代要求又は周辺監視要求のある状態である場合よりも、周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げることが好ましい。
自車の運転者に周辺監視義務がある場合、自車の運転者に周辺監視義務がない場合に比べ、自車に対する周辺車両の画像の表示位置を正確に示す必要性が高い。一方、自車の運転者に周辺監視義務がない場合、自車に対する周辺車両の画像の表示位置を正確に示す必要性が低い。また、自車側のシステムから運転者に運転交代要求又は周辺監視要求が行われている場合は、運転者が周辺状況を即座に把握する必要性が高い。これに対して、以上の構成によれば、自車に対する周辺車両の画像の表示位置を正確に示す必要性が低い場合に、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げる。よって、正確に示す必要性が低い場合に、周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げ、表示位置が細かく動くことによる煩わしさを抑えることが可能になる。
<HCU10bでの表示位置更新関連処理>
ここで、図14のフローチャートを用いて、HCU10bでの表示位置更新関連処理の流れの一例について説明を行う。図14のフローチャートも図10のフローチャートと同様にして開始する構成とすればよい。図14の例では、更新頻度が「高」と「低」との2段階であるものとする。更新頻度が「高」がデフォルトの更新頻度とすればよい。
ステップS41では、自動運転関連取得部113が、自動運転関連状態を取得する。自動運転関連状態としては、例えば自車の運転者の周辺監視義務の有無,運転交代要求の有無,周辺監視要求の有無を取得する。ステップS42では、S41で取得した自動運転関連状態が、自車の運転者の周辺監視義務ありの状態であった場合(S42でYES)には、ステップS44に移る。一方、S41で取得した自動運転関連状態が、自車の運転者の周辺監視義務なしの状態であった場合(S42でNO)には、ステップS43に移る。
ステップS43では、S41で取得した自動運転関連状態が、運転交代要求又は周辺監視要求ありの状態であった場合(S43でYES)には、ステップS44に移る。一方、S41で取得した自動運転関連状態が、運転交代要求及び周辺監視要求なしの状態であった場合(S43でNO)には、ステップS45に移る。
ステップS44では、表示制御部105bが、周辺車両画像の表示位置の更新頻度の設定を、デフォルトの「高」に維持して、ステップS50に移る。一方、ステップS45では、表示制御部105bが、周辺車両画像の表示位置の更新頻度の設定を、デフォルトの「高」から「低」に下げる。
ステップS46~ステップS49の処理は、S5~S8の処理と同様にして行う。ステップS50では、表示位置更新関連処理の終了タイミングであった場合(S50でYES)には、表示位置更新関連処理を終了する。一方、表示位置更新関連処理の終了タイミングでなかった場合(S50でNO)には、S41に戻って処理を繰り返す。
<実施形態4のまとめ>
実施形態4の構成によっても、自車と周辺車両との位置関係を示す俯瞰図を表示させるので、自車と周辺車両との位置関係を俯瞰表示で示すことが可能になる。自車に対する周辺車両の画像の表示位置は、逐一変化し得る。しかしながら、前述したように、自車の運転者の周辺監視義務の有無,運転交代要求の有無,周辺監視要求の有無といった自車の自動運転関連状態によっては、自車に対する周辺車両の画像の表示位置を正確に示す必要性が低い場合もある。これに対して、自車の運転者の周辺監視義務の有無,運転交代要求の有無,周辺監視要求の有無といった自車の自動運転関連状態に応じて、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げるので、正確に示す必要性が低い周辺車両の画像の表示位置については、表示位置が細かく動くことによる煩わしさを抑えることが可能になる。その結果、自車と周辺車両との位置関係を必要に応じてより正確に示しつつも、ユーザに煩わしさをより感じさせにくくすることが可能になる。
実施形態4では、自車の自動運転関連状態として、自車の運転者の周辺監視義務の有無,運転交代要求の有無,周辺監視要求の有無を用いる場合を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。周辺車両の正確な位置を認識する必要性が切り替わるような自動運転関連状態であれば、自車の運転者の周辺監視義務の有無,運転交代要求の有無,周辺監視要求の有無以外の自動運転関連状態を用いる構成としてもよい。
例えば、自動運転関連状態として、ハンズオン状態かハンズオフ状態かのハンズオンオフ状態も用いる構成としてもよい。ハンズオン状態とは、運転者がステアリングホイールを手で把持している状態である。ハンズオフ状態とは、運転者がステアリングホイールを手で把持していない状態である。ハンズオンオフ状態は、ステアリングホイールに設けられたセンサで検出すればよい。他にも、運手者を撮像した撮像画像に対する画像認識によって検出してもよい。
表示制御部105bは、ハンズオン状態である場合に、ハンズオフ状態よりも更新頻度を下げることが好ましい。これは、ハンズオン状態では運転者の視線は表示器90の表示面よりも自車前方に向かう筈であり、ハンズオフ状態の場合よりも、自車に対する周辺車両の画像の表示位置を正確に示す必要性が低いためである。例えば、運転者の周辺監視義務がなく、運転交代要求及び周辺監視要求のない状態である場合であって、且つ、ハンズオン状態である場合に、運転者の周辺監視義務がなく、運転交代要求及び周辺監視要求のない状態である場合であって、且つ、ハンズオフ状態よりも更新頻度を下げる構成としてもよい。一方、表示制御部105bは、運転者の周辺監視義務があり、運転交代要求又は周辺監視要求のある状態である場合であって、且つ、ハンズオフ状態の場合に、運転者の周辺監視義務があり、運転交代要求又は周辺監視要求のある状態である場合であって、且つ、ハンズオン状態の場合よりも更新頻度を上げる構成としてもよい。
(実施形態5)
また、表示制御部105,105a,105bは、俯瞰図に実際の車線を模した画像を含む構成としてもよい。実際の車線を模した画像とは、実際の車線のカーブの有無を模した画像である。例えば、カーブの湾曲度合いまで模した画像とすればよい。この場合、表示制御部105,105a,105bは、周辺車両の画像の表示位置の更新が行われないタイミングであっても、俯瞰図における周辺車両の画像の表示位置の車線がカーブしている場合には、俯瞰図におけるその周辺車両の画像の向きは、その車線がカーブしている向きに沿って傾かせて表示させる構成(以下、実施形態5)とすればよい。
実施形態5では、情報取得部101,101a,101bが、各車線の湾曲度合いも含む情報を取得すればよい。そして、表示制御部105,105a,105bが、情報取得部101,101a,101bで取得したこの各車線の湾曲度合いを用いて、図15に示すように、周辺車両画像OVIaの向きを、周辺車両画像OVIaで示す周辺車両の走行車線がカーブしている向きに沿って傾かせて表示させればよい。これによれば、俯瞰図において表示される車線のカーブの向きと周辺車両画像の向きとの乖離を抑えることが可能になる。よって、自車と周辺車両との位置関係をユーザが把握しにくくなることを抑制することができる。
また、表示制御部105,105a,105bでの上述の処理は、例えば表示位置の更新頻度が前述の規定値以下の周辺車両についての周辺車両画像に絞り込んで行う構成としてもよい。これは、表示位置の更新頻度が下がることで、俯瞰図において表示される車線のカーブの向きと周辺車両画像の向きとの乖離が大きくなりやすいためである。
(実施形態6)
また、表示制御部105,105a,105bは、特定の運転を行っている周辺車両画像について、周辺車両画像の表示態様を変更することで、特定の運転を行っていることを示す構成としてもよい。
例えば、表示制御部105,105a,105bは、蛇行運転している周辺車両の周辺車両画像について、周辺車両画像の表示態様を変更することで、蛇行運転を行っていることを示す構成としてもよい。周辺車両が蛇行運転しているか否かは、例えばずれ特定部104で逐次特定する周辺車両の横位置の変化をもとにHCU10,10a,10bで判断すればよい。蛇行運転を行っていることを示す周辺車両画像の表示態様の変更としては、点滅,表示色の変更等がある。他にも、図16に示すように、蛇行運転をしていることをイメージさせるアイコン(図16のMM参照)を重畳表示させる構成としてもよい。これによれば、逐次更新される周辺車両画像の表示位置だけでは認識しにくい周辺車両の蛇行運転を、ユーザに認識しやすくすることが可能になる。
また、表示制御部105,105a,105bでの上述の処理は、例えば表示位置の更新頻度が前述の規定値以下の周辺車両についての周辺車両画像に絞り込んで行う構成としてもよい。これは、表示位置の更新頻度が下がることで、逐次更新される周辺車両画像の表示位置だけでは特に認識しにくい周辺車両の蛇行運転を、ユーザに認識しやすくするためである。これによれば、逐次更新される周辺車両画像の表示位置だけでは認識しにくい場合もある周辺車両の急減速を、ユーザに認識しやすくすることが可能になる。
他にも、表示制御部105,105a,105bは、急減速している周辺車両の周辺車両画像について、周辺車両画像の表示態様を変更することで、急減速を行っていることを示す構成としてもよい。急減速を行っていることを示す周辺車両画像の表示態様の変更としては、表示色の変更,急減速をしていることをイメージさせるアイコンの重畳表示等が挙げられる。
また、表示制御部105,105a,105bは、ハザードランプを点灯している周辺車両の周辺車両画像について、周辺車両画像の表示態様を変更することで、ハザードランプを点灯していることを示す構成としてもよい。周辺車両がハザードランプを点灯しているか否かは、自動運転ECU80での走行環境の認識結果からHCU10,10a,10bで判断すればよい。この場合、自動運転ECU80では、走行環境として、周辺車両のハザードランプの点灯状態も画像認識等によって認識する構成とすればよい。ハザードランプを点灯していることを示す周辺車両画像の表示態様の変更としては、ハザードランプを点灯していることをイメージさせるアイコンの重畳表示等が挙げられる。これによれば、逐次更新される周辺車両画像の表示位置だけでは認識することが困難な周辺車両のハザードランプの点灯を、ユーザに認識しやすくすることが可能になる。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
1 車両用システム(車両用表示制御システム)、10,10a,10b HCU(車両用表示制御装置)、90 表示器、101 情報取得部、102 距離特定部、103 車線変更特定部、104 ずれ特定部、105,105a,105b 表示制御部、111 位置関係取得部、112 挙動関連値取得部(周辺挙動関連値取得部)、113 自動運転関連取得部(自動運転関連状態取得部)

Claims (14)

  1. 車両で用いられ、
    前記車両と前記車両の周辺車両との位置関係を取得する位置関係取得部(111)と、
    前記位置関係取得部で取得する前記車両と前記周辺車両との位置関係を用いて、前記車両よりも上方の仮想視点から見た前記車両及び前記周辺車両のうちの少なくとも前記周辺車両の画像でその位置関係を示す俯瞰図を、前記車両の車室内で用いられる表示器(90)に表示させる表示制御部(105,105a,105b)とを備え、
    前記表示制御部は、前記車両及び前記周辺車両の少なくともいずれかに関する所定の条件に応じて、前記俯瞰図における前記周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げる車両用表示制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記表示制御部は、前記周辺車両別に前記更新頻度を変更可能となっている車両用表示制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記表示制御部(105)は、前記周辺車両別に、前記車両からの距離が遠くなるのに応じて、前記更新頻度を下げる車両用表示制御装置。
  4. 請求項2において、
    前記周辺車両の挙動に関する値を取得する周辺挙動関連値取得部(112)を備え、
    前記表示制御部(105a)は、前記周辺車両別に、前記周辺挙動関連値取得部で取得する前記周辺車両の挙動に関する値に応じて、前記更新頻度を変更する車両用表示制御装置。
  5. 請求項4において、
    前記周辺挙動関連値取得部は、前記周辺車両の挙動に関する値として、少なくとも前記周辺車両の車速を取得するものであって、
    前記表示制御部は、前記周辺車両別に、前記周辺挙動関連値取得部で取得する前記周辺車両の車速が遅くなるのに応じて、前記更新頻度を下げる車両用表示制御装置。
  6. 請求項4又は5において、
    前記周辺挙動関連値取得部は、前記周辺車両の挙動に関する値として、少なくとも前記車両に対する前記周辺車両の相対速度を取得するものであって、
    前記表示制御部は、前記周辺車両別に、前記周辺挙動関連値取得部で取得する前記相対速度が小さくなるのに応じて、前記更新頻度を下げる車両用表示制御装置。
  7. 請求項4~6のいずれか1項において、
    前記周辺挙動関連値取得部は、前記周辺車両の挙動に関する値として、少なくとも前記周辺車両の加速度を取得するものであって、
    前記表示制御部は、前記周辺車両別に、前記周辺挙動関連値取得部で取得する前記周辺車両の加速度の絶対値が小さくなるのに応じて、前記更新頻度を下げる車両用表示制御装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項において、
    自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御装置。
  9. 請求項8において、
    前記車両の前記自動運転に関する状態である自動運転関連状態を取得する自動運転関連状態取得部(113)を備え、
    前記表示制御部(105b)は、前記自動運転関連状態取得部で取得する前記自動運転関連状態に応じて、前記周辺車両の画像の表示位置の前記更新頻度を下げる車両用表示制御装置。
  10. 請求項9において、
    前記自動運転関連状態取得部は、前記自動運転関連状態として、前記車両の運転者の周辺監視義務の有無、及び前記車両側のシステムからの前記運転者への運転制御権の移譲の要求である運転交代要求又は前記車両側のシステムからの前記運転者への周辺監視の要求である周辺監視要求の有無を少なくとも取得するものであって、
    前記表示制御部は、前記自動運転関連状態取得部で取得する前記自動運転関連状態が、前記運転者の周辺監視義務がなく、且つ、前記運転交代要求及び前記周辺監視要求のない状態である場合は、前記運転者の周辺監視義務がある、若しくは前記運転交代要求又は前記周辺監視要求のある状態である場合よりも、前記周辺車両の画像の表示位置の前記更新頻度を下げる車両用表示制御装置。
  11. 請求項2~10のいずれか1項において、
    前記表示制御部は、前記周辺車両別に前記更新頻度を変更可能となっているものであって、前記俯瞰図に車線を示す画像も含むものであり、
    前記位置関係取得部は、前記車線に対する前記周辺車両の位置関係も取得するものであり、
    前記周辺車両の車線変更が行われることを特定する車線変更特定部(103)と、
    前記周辺車両の走行する車線の中央に対するその周辺車両の横位置のずれを特定するずれ特定部(104)とを備え、
    前記表示制御部は、前記更新頻度が規定値以下の前記周辺車両であって、且つ、前記車線変更特定部で車線変更が行われることを特定した前記周辺車両若しくは前記ずれ特定部で特定した前記ずれが閾値以上の前記周辺車両については、その周辺車両の画像の表示位置の更新を行う際に、前記俯瞰図において、その周辺車両の走行車線に対する横位置を、前記位置関係取得部で取得する前記車線に対するその周辺車両の位置関係に従った位置に表示させる一方、前記更新頻度が規定値以下の前記周辺車両であって、且つ、前記ずれ特定部で特定した前記ずれが閾値未満の前記周辺車両については、その周辺車両の画像の表示位置の更新を行う際に、前記俯瞰図において、その周辺車両の走行車線に対する横位置を、その周辺車両の走行車線の中央の位置に表示させる車両用表示制御装置。
  12. 請求項1~11のいずれか1項において、
    前記表示制御部は、前記俯瞰図に実際の車線を模した画像も含むものであり、
    前記表示制御部は、前記周辺車両の画像の表示位置の更新が行われないタイミングであっても、前記俯瞰図における前記周辺車両の画像の表示位置の車線がカーブしている場合には、前記俯瞰図におけるその周辺車両の画像の向きは、その車線がカーブしている向きに沿って傾かせて表示させる車両用表示制御装置。
  13. 車両で用いられ、
    前記車両の車室内で用いられる表示器(90)と、
    請求項1~12のいずれか1項に記載の車両用表示制御装置(10,10a,10b)とを含む車両用表示制御システム。
  14. 車両で用いられる車両用表示制御方法であって、
    少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
    前記車両と前記車両の周辺車両との位置関係を取得する位置関係取得工程と、
    前記位置関係取得工程で取得した前記車両と前記周辺車両との位置関係を用いて、前記車両よりも上方の仮想視点から見た前記車両及び前記周辺車両のうちの少なくとも前記周辺車両の画像でその位置関係を示す俯瞰図を、前記車両の車室内で用いられる表示器(90)に表示させる表示制御工程とを含み、
    前記表示制御工程では、前記車両及び前記周辺車両の少なくともいずれかに関する所定の条件に応じて、前記俯瞰図における前記周辺車両の画像の表示位置の更新頻度を下げる車両用表示制御方法。
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