JP2022030030A - アンテナ用基板 - Google Patents

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Tomoki Hiiro
眞理子 山崎
Mariko Yamazaki
学 津村
Manabu Tsumura
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Abstract

【課題】誘電特性のみならず、透明性、耐候性など各種特性のバランスに優れた樹脂製のアンテナ基板を提供する。【解決手段】(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するアンテナ用基板。より詳細には、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を含有するアクリル系樹脂組成物を含有するアンテナ用基板。【選択図】なし

Description

(メタ)アクリル系樹脂を含有するアンテナ用基板材料を提供する。
スマートフォン、インターネット通信などの普及により、電波による高密度の情報の送受信が広く行われるようになり、5G通信等の発展により、伝送信号の高周波化への対応が必要となる。そのため、高周波帯域用のプリント回路やアンテナ用基板の絶縁基板材料として、低誘電率及び低誘電正接の特性を持つ材料が求められる。また、従来、アンテナ用基板としてガラス材料を用いることが知られているが(特許文献1)、使用用途の広がりにより、より軽量化が求められることから、ガラス材料から樹脂への置き換えが進んでいる。例えば、アンテナ用基板の材料の樹脂としては、シクロオレフィンポリマーなどが知られている(特許文献2)。
特開2017-52697号公報 特開2013-256596号公報
アンテナ用基板のガラス材料代替として、シクロオレフィンポリマーなどが知られているが、アンテナ用基板としては、誘電特性だけではなく、熱膨張係数や、使用用途によっては耐候性、透明性などの各種特性が必要になる可能性があり、樹脂特性の改良の余地があった。
また、使用方法によっては、紫外線吸収性や耐屈曲性を要求されることがあり、これらはシクロオレフィンポリマーでは不十分な場合があった。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、主鎖に環構造含有(メタ)アクリル系樹脂は、耐候性や透明性、耐屈曲性に優れるだけでなく、良好な誘電特性を有する材料であることを見出した。
すなわち、本発明は、誘電特性のみならず、その他の性質においてもバランスが取れたアンテナ基板に関する。
(I)(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するアンテナ用基板。
(II)前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を含有することを特徴とする(I)に記載のアンテナ用基板。
(III)前記環構造が、下記式(1)を含有することを特徴とする(II)に記載のアンテナ用基板。
Figure 2022030030000001
(前記式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、水素または炭素数1~8のアルキル基を示し、Rは水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、または炭素数6~10のアリール基を示す。)
(IV)前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする(I)~(III)のいずれか一項に記載のアンテナ用基板。
(V)前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が、架橋弾性体を含有することを特徴とする(I)~(IV)のいずれか一項に記載のアンテナ用基板。
誘電特性のみならず、透明性、耐候性など各種バランスに優れた(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するアンテナ基板、及びアンテナ基板用材料を提供する。
本発明は、(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するアンテナ用基板に関する。
(i)(メタ)アクリル系樹脂組成物
(メタ)アクリル系樹脂組成物は、(メタ)アクリル系樹脂と必要に応じてその他成分を含有する。(メタ)アクリル系樹脂は、主に、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体を重合して得られる樹脂を含有する組成物であり、本発明の効果を損なわない限り特には限定されず、公知の(メタ)アクリル系樹脂を用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として含有する単量体組成物を重合することにより製造することができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸nーブチル、(メタ)アクリル酸イソブチルなどがあげられる。これらは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ii)主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系樹脂は、前述した(メタ)アクリル系樹脂であれば特に制限されないが、耐熱性の観点から主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂組であることがより好ましい。
環構造としては、ラクトン環構造、無水マレイン酸構造、無水グルタル酸構造、マレイミド構造、下記式(1)で表されるグルタルイミド構造などがあげられる。
Figure 2022030030000002
(前記式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、水素または炭素数1~8のアルキル基を示し、Rは水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、または炭素数6~10のアリール基を示す。)
(メタ)アクリル系樹脂の主鎖に環構造を導入する方法としては、公知の方法が挙げられる。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては特開2004-168882号、特開2006-171464号などの各公報に記載のものが挙げられ、マレイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては特開2007-31537号に示されるようなN-置換マレイミド単位を有する(メタ)アクリル系樹脂が例示され、グルタル酸無水物構造含有(メタ)アクリル系樹脂としては特開2004-70296号、特開2004-307834号、特開2008-74918号、国際公開第2007/26659号等に記載のものが例示される。
主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は特に限定されるものではないが、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることが特に好ましい。この範囲を下回ると、成形体にした場合の耐熱性が劣るため、高温時の物性変化が大きくなり、適用範囲が狭くなる場合がある。
主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂中の環構造の含有量は特に制限されないが、耐熱性、物性のバランスを考えると2重量%以上であれば特に制限されないが、2.5重量%以上がさらに好ましい。上限は、成形が可能であれば特に制限されず、物性とのバランスで適宜選択することができるが、70重量%以下が好ましく、50重量%以下がさらに好ましく、30重量%以下が特に好ましい。
主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、吸水性等のバランスから、グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂がより好ましい。
(iii)前記式(1)の主鎖に環構造を含有する(メタ)アクリル系樹脂
前記式(1)の主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂について説明する。前記式(1)を含有する(メタ)アクリル系樹脂は、本明細書において、グルタルイミド樹脂ともいう。
本発明のグルタルイミド樹脂は、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂であり、前記式(1)で表されるグルタルイミド単位と(メタ)アクリル酸メチル単量体単位とを含有する。
前記式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、水素または炭素数1~8のアルキル基を示し、Rは水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、または炭素数6~10のアリール基を示す。
としてはメチル基、Rとしては水素が好ましい。Rとしては水素、メチル基、フェニル基またはシクロヘキシル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(イミド化率)
イミド化率は、グルタルイミド樹脂中のグルタルイミド基の割合を示し、大きい程、分子中にグルタルイミド基が多いことを示す。
本発明に係るイミド化率(I%)は、例えば以下の方法で測定できる値である。1H-NMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて、樹脂の1H-NMR測定を行う。3.5~3.8ppm付近のメタクリル酸メチルのO-CH3プロトン由来のピークの面積Aと、3.0~3.3ppm付近のグルタルイミドのN-CH3プロトン由来のピークの面積Bより、次式で求める。
I%=B/(A+B)×100
本発明に係るグルタルイミド樹脂中のイミド化率は、要求特性に応じて適宜変更することが可能であるが、取り扱いの容易さから、2.0%以上であれば特に制限されないが、2.5%以上がさらに好ましい。上限は、成形が可能であれば特に制限されず、物性とのバランスで適宜選択することができるが、50%以下が好ましく、30%以下がさらに好ましいく、10%以下が特に好ましい。グルタルイミド樹脂おいては、イミド化率の値を環構造の値と読み替えることができる。
(酸価)
本発明のグルタルイミド樹脂の酸価は、グルタルイミド樹脂中でのカルボン酸単位および酸無水物単位の含有量を表す。酸価は、例えば国際公開第2005/054311号に記載の滴定法などにより算出することが可能である。本発明に係る樹脂組成物の酸価は0.10~0.60mmol/gであり、0.15~0.50mmol/gであることがより好ましい。酸価が上記範囲内であれば、耐熱性、機械物性、成形加工性のバランスに優れたグルタルイミド樹脂を得ることができる。
上述の通り、特に酸成分の中でもカルボン酸の含有量は成形加工性の点から、0.25mmol/g以下が好ましく、さらには0.20mmol/g以下が好ましい。
カルボン酸量の測定方法は、国際公開第2005/054311号に記載の滴定法の溶媒をメタノールからジメチルスルホキシドに変えた酸価(DMSO酸価)を用いることにより算出できる。具体的には
(カルボン酸量)=2×(酸価)-(DMSO酸価)
である。メタノールを用いた滴定では酸無水物を1分子をカウントするのに対して、ジメチルスルホキシドを用いた滴定では酸無水物を2分子としてカウントするため、上記式が適用できる。
(アクリル酸エステル単位)
本発明のグルタルイミド樹脂に含まれるアクリル酸エステル単位は熱安定性の観点から、1重量%未満であることが好ましく。0.5重量%未満であることがさらに好ましく、0.3重量%未満であることが特に好ましい。下限は特に限定されず、少なければ少ない方が好ましく、含有されていないことがより好ましい。
また本発明のグルタルイミド単位とメタクリル酸メチル単位を含有するグルタルイミド樹脂を製造する際に、例えば特開2008-255175号のように、モノマー種やモノマー比を調整し重合した原料樹脂を加熱環化させる場合は、モノマー仕込み時のメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルの重量比で代用してもよい。言うまでもなくアクリル酸メチルを使用しない場合はグルタルイミド樹脂中のアクリル酸メチル量は0%となる。
上記グルタルイミド樹脂には、必要に応じ、グルタルイミド単位、メタクリル酸メチル単位、カルボン酸もしくはカルボン酸無水物単位、アクリル酸エステル単位以外のその他の単位がさらに共重合されていてもよい。
その他の単位としては、スチレンなどの芳香族ビニル単量体単位、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体単位、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を共重合してなる構成単位を挙げることができる。
これらのその他の単位は、上記グルタルイミド樹脂中に、直接共重合していてもよいし、グラフト共重合していてもよい。
上記グルタルイミド樹脂の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、1×104~5×105であることが好ましく、5×104~3×105であることがさらに好ましい。上記範囲内であれば、成形加工性が低下したり、フィルム加工時の機械的強度が不足したりすることがない。
上記グルタルイミド樹脂のガラス転移温度は特に限定されるものではないが、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることが特に好ましい。この範囲を下回ると、成形体やフィルムにした場合の耐熱性が劣るため、高温時の物性変化が大きくなり、適用範囲が狭くなる。
(iv)前記式(1)の主鎖に環構造を含有する(メタ)アクリル系樹脂の製造方法
上記グルタルイミド樹脂の製造方法について説明する
(ポリメタクリル酸メチル樹脂)
まず、メタクリル酸メチルを重合させることにより、ポリメタクリル酸メチル樹脂を製造する。
この工程において、メタクリル酸メチル以外にも、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなども併用しても良いが、これらを併用する場合はアクリル酸エステル単位が1重量%未満であることが好ましく、アクリル酸メチル単位が0.5重量%未満であることがより好ましく、0.3重量%未満であることがさらに好ましい。
また上記モノマー以外にも、スチレン、メチルスチレン等の芳香族単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を共重合することも可能である。
上記ポリメタクリル酸メチル樹脂の構造は、特に限定されるものではなく、リニアー(線状)ポリマー、ブロックポリマー、コアシェルポリマー、分岐ポリマー、ラダーポリマー、および架橋ポリマー等のいずれであってもよい。 ブロックポリマーの場合、A-B型、A-B-C型、A-B-A型、およびこれら以外のタイプのブロックポリマーのいずれであってもよい。コアシェルポリマーの場合、ただ一層のコアおよびただ一層のシェルのみからなるものであってもよいし、それぞれが多層からなるものであってもよい。
ポリメタクリル酸メチル樹脂の製造方法としては特に限定されず、公知の乳化重合法、乳化-懸濁重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法などが適用可能であるが、光学分野に用いる場合、不純物が少ないとの観点から、塊状重合法、溶液重合法が特に好ましい。例えば、特開昭56-8404号、特公平6-86492号、特公平7-37482号、あるいは特公昭52-32665号などに記載の方法に準じて製造できる。
(イミド化工程)
本発明の製造方法は、上記ポリメタクリル酸メチル樹脂を加熱溶融して、イミド化剤で処理する工程(イミド化工程)を含む。これによりグルタルイミド樹脂が製造できる。
上記イミド化剤は、上記一般式(1)で表されるグルタルイミド単位を生成できるものであれば特に制限されず、国際公開第2005/054311号に記載のもの等が挙げられる。具体的には、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、i-プロピルアミン、n-ブチルアミン、i-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン等の脂肪族炭化水素基含有アミン、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、トリクロロアニリン等の芳香族炭化水素基含有アミン、シクロヘキシルアミン等などの脂環式炭化水素基含有アミンを挙げることができる。
また、尿素、1,3-ジメチル尿素、1,3-ジエチル尿素、1,3-ジプロピル尿素のように、加熱により、上記例示したアミンを発生する尿素系化合物を用いることもできる。
上記例示したイミド化剤のうち、コスト、物性の面からメチルアミン、アンモニア、シクロヘキシルアミンまたはアニリンを用いることが好ましく、メチルアミンを用いることが特に好ましい。
また、常温にてガス状のメチルアミンなどは、メタノールなどのアルコール類に溶解させた状態で使用してもよい。
このイミド化の工程において、上記イミド化剤の添加割合を調整することにより、得られるグルタルイミド樹脂におけるグルタルイミド単位および(メタ)アクリル酸エステル単位の割合を調整することができる。
また、イミド化の程度を調整することにより、得られるグルタルイミド樹脂の物性や、本発明にかかる(メタ)アクリル系樹脂を成形してなる光学用フィルムの光学特性等を調整することができる。
イミド化剤は要求される特性に応じて適宜調整することが可能であるが、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂100重量部に対して0.5重量部以上であれば、要求される特性に応じて適宜調整することが可能であり、5重量部以上がさらに好ましい。0.5重量部未満であると、得られる(メタ)アクリル系樹脂組成物の耐熱性が低下する場合がある。上限は、成形性及び物性との関係で適宜選択することが可能であるが、ハンドリングの容易さから30重量部以下が好ましく、20重量部以下がさらに好ましい。
なお、このイミド化の工程においては、上記イミド化剤に加えて、必要に応じて、閉環促進剤(触媒)を添加してもよい。
加熱溶融し、イミド化剤と処理する方法は、特に限定されなく、従来公知のあらゆる方法を用いることができる。例えば、押出機や、バッチ式反応槽(圧力容器)等を用いる方法により、上記ポリメタクリル酸メチル樹脂をイミド化することができる。
押出機を用いて加熱溶融し、イミド化剤と処理する場合、用いる押出機は特に限定されるものではなく、各種押出機を用いることができる。具体的には、例えば、単軸押出機、二軸押出機または多軸押出機等を用いることができる。
中でも、二軸押出機を用いることが好ましい。二軸押出機によれば、ポリメタクリル酸メチル樹脂に対するイミド化剤(閉環促進剤を用いる場合は、イミド化剤と閉環促進剤)の混合を促進することができる。
二軸押出機としては、非噛合い型同方向回転式、噛合い型同方向回転式、非噛合い型異方向回転式、および噛合い型異方向回転式等を挙げることができる。中でも、噛合い型同方向回転式を用いることが好ましい。噛合い型同方向回転式の二軸押出機は、高速回転可能であるため、原料ポリマーに対するイミド化剤(閉環促進剤を用いる場合は、イミド化剤と閉環促進剤)の混合を、より一層促進することができる。
上記例示した押出機は単独で用いてもよいし、複数を直列につないで用いてもよい。例えば、特開2008-273140号に記載のタンデム型反応押出機を用いることができる。
押出機中でイミド化を行う場合は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂を押出機の原料投入部から投入し、該樹脂を溶融させ、シリンダ内を充満させた後、添加ポンプを用いてイミド化剤を押出機中に注入することにより、押出機中でイミド化反応を進行させることができる。
この場合、押出機中での反応ゾーンの温度(樹脂温度)を180℃~270℃にて行うことが好ましく、さらに200~250℃にて行うことがより好ましい。反応ゾーンの温度(樹脂温度)が180℃未満では、イミド化反応がほとんど進行せず、耐熱性が低下する傾向にある。反応ゾーン温度が270℃を超えると、樹脂の分解が著しくなることから、得られるイミド化樹脂から形成しうるフィルムの耐屈曲性が低下する傾向がある。ここで、押出機中での反応ゾーンとは、押出機のシリンダにおいて、イミド化剤の注入位置から樹脂吐出口(ダイス部)までの間の領域をいう。
押出機の反応ゾーン内での反応時間を長くすることにより、イミド化をより進行させることができる。押出機の反応ゾーン内の反応時間は10秒より長くするのが好ましく、さらには30秒より長くするのがより好ましい。10秒以下の反応時間ではイミド化がほとんど進行しない可能性がある。
押出機での樹脂圧力は、大気圧~50MPaの範囲内とすることが好ましく、さらには1MPa~30MPaの範囲内が好ましい。1MPa未満ではイミド化剤の溶解性が低く、反応の進行が抑えられる傾向がある。また、50MPa以上では通常の押出機の機械耐圧の限界を越えてしまい、特殊な装置が必要となりコスト的に好ましくない。
また、押出機を使用する場合は、未反応のイミド化剤や副生物を除去するために、大気圧以下に減圧可能なベント孔を装着することが好ましい。このような構成によれば、未反応のイミド化剤、もしくはメタノール等の副生物やモノマー類を除去することができる。
また、上記グルタルイミド樹脂の製造には、押出機に代えて、例えば住友重機械(株)製のバイボラックのような横型二軸反応装置やスーパーブレンドのような竪型二軸攪拌槽などの高粘度対応の反応装置も好適に用いることができる。
上記グルタルイミド樹脂を、バッチ式反応槽(圧力容器)を用いて製造する場合、そのバッチ式反応槽(圧力容器)の構造は特に限定されるものでない。
具体的には、ポリメタクリル酸メチル樹脂を加熱により溶融させ、攪拌することができ、イミド化剤(閉環促進剤を用いる場合は、イミド化剤と閉環促進剤)を添加することができる構造を有していればよいが、攪拌効率が良好な構造を有するものであることが好ましい。
このようなバッチ式反応槽(圧力容器)によれば、反応の進行によりポリマー粘度が上昇し、撹拌が不十分となることを防止することができる。このような構造を有するバッチ式反応槽(圧力容器)としては、例えば、住友重機械(株)製の攪拌槽マックスブレンド等を挙げることができる。
イミド化方法の具体例としては、例えば、特開2008-273140号、特開2008-274187号に記載の方法など公知の方法をあげることができる。
(エステル化工程)
本発明の製造方法では、上記イミド化工程に加え、エステル化剤で処理する工程を含むことができる。このエステル化工程によって、イミド化工程で得られたイミド化樹脂の酸価を所望の範囲内に調整することができる。 エステル化剤としては、例えば、ジメチルカーボネート、2,2-ジメトキシプロパン、ジメチルスルホキシド、トリエチルオルトホルメート、トリメチルオルトアセテート、トリメチルオルトホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルサルフェート、メチルトルエンスルホネート、メチルトリフルオロメチルスルホネート、メチルアセテート、メタノール、エタノール、メチルイソシアネート、p-クロロフェニルイソシアネート、ジメチルカルボジイミド、ジメチル-t-ブチルシリルクロライド、イソプロペニルアセテート、ジメチルウレア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジエトキシシラン、テトラ-N-ブトキシシラン、ジメチル(トリメチルシラン)フォスファイト、トリメチルフォスファイト、トリメチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ジアゾメタン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、コスト、反応性などの観点から、ジメチルカーボネート、トリメチルオルトアセテートが好ましく、コストの観点からジメチルカーボネートが好ましい。
このイミド化の工程において、エステル化剤はポリメタクリル酸メチル樹脂100重量部に対して0~12重量部であることが好ましく、0~8重量部であることがより好ましい。
エステル化剤が上記範囲内であれば酸価を適切な範囲に調整できる。一方上記範囲を外れると未反応のエステル化剤が樹脂中に残存する可能性があり、当該樹脂を使って成型を行った際、発泡や臭気発生の原因となることがある。
上記エステル化剤に加え、触媒を併用することもできる。触媒の種類は特に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族3級アミンが挙げられる。これらの中でもコスト、反応性などの観点からトリエチルアミンが好ましい。
このエステル化工程では、エステル化剤によって処理することなく、加熱処理等のみを行うこともできる。加熱処理(押出機内での溶融樹脂の混練/分散)のみを行った場合、イミド化工程にて副生した、グルタルイミド樹脂中のカルボン酸同士の脱水反応および/またはカルボン酸とアルキルエステル基の脱アルコール反応、等によりカルボン酸の一部または全部を酸無水物基とすることができる。このとき、閉環促進剤(触媒)を使用することも可能である。
エステル化剤によって処理する場合であっても、加熱処理による酸無水物基化が進行させることも可能である。
(脱揮工程、フィルトレーション工程)
イミド化工程およびエステル化工程を経たグルタルイミド樹脂中には、未反応のイミド化剤や、未反応のエステル化剤、反応により副生した揮発成分および樹脂分解物等を含んでいるため、大気圧以下に減圧可能なベント口を装着することが可能である。
また、グルタルイミド樹脂中の異物低減を目的として、押出機の最後にフィルターを設置することも可能である。フィルターの前にはグルタルイミド樹脂を昇圧するためにギアポンプを設置した方が好ましい。フィルターの種類としては、溶融ポリマーからの異物除去が可能なステンレス製のリーフディスクフィルターを使用するのが好ましく、フィルターエレメントとしてはファイバータイプ、パウダータイプ、あるいはそれらの複合タイプを使用するのが好ましい。
(v)(メタ)アクリル系樹脂組成物に含まれるその他成分
前述の(メタ)アクリル系樹脂組成物は、(メタ)アクリル系樹脂の機械的強度を向上させるために架橋弾性体を含んでもよい。架橋弾性体は、公知の懸濁重合、分散重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等の重合方法によって製造できる。特に以下に記載するようなコアシェル型構造を有する架橋弾性体を製造するには、懸濁重合、分散重合、乳化重合等の重合方法を用いることが好ましい。
架橋弾性体としては、ゴム状重合体からなるコア層とガラス状重合体(硬質重合体)からなるシェル層とを有するコアシェル型弾性体が好ましい。さらにゴム状重合体からなるコア層は、最内層あるいは中間層としてガラス状重合体からなる層を一層以上有していても良い。
コア層を構成するゴム状重合体のガラス転移温度Tgは20℃以下が好ましく、-60~20℃がより好ましく、-60~10℃がさらに好ましい。コア層を構成するゴム状重合体のTgが20℃を超えると、(メタ)アクリル系樹脂の機械的強度の向上が十分ではないおそれがある。シェル層を構成するガラス状重合体(硬質重合体)のTgは、50℃以上が好ましく、50~140℃がより好ましく、60~130℃がさらに好ましい。シェル層を構成するガラス状重合体のTgが50℃より低いと、(メタ)アクリル系樹脂の耐熱性が低下するおそれがある。
本願において、「ゴム状重合体」および「ガラス状重合体」の重合体のガラス転移温度は、ポリマーハンドブック[Polymer Hand Book(J. Brandrup, Interscience1989)]に記載されている値を使用してFoxの式を用いて算出した値を用いることとする(例えば、ポリメチルメタクリレートは105℃であり、ポリブチルアクリレートは-54℃である)。
上記コアシェル型弾性体におけるコア層の含有割合は、好ましくは30~95重量%、より好ましくは50~90重量%である。コア層におけるガラス状重合体層の割合は、コア層の総量100重量%に対して0~60%、好ましくは0~45%、より好ましくは10~40%である。上記コアシェル型弾性体中におけるシェル層の含有割合は、好ましくは5~70重量%、より好ましくは10~50重量%である。
上記コアシェル型弾性体には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含んでいても良い。
上記コア層を構成するゴム状重合体を形成する重合性モノマーとしては、任意の適切な重合性モノマーを使用してもよい。
上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマーは、アルキル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマー100重量%中、アルキル(メタ)アクリレートは50重量%以上含まれることが好ましく、50~99.9重量%含まれることがより好ましく、60~99.9重量%含まれることがさらに好ましい。
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等、アルキル基の炭素数が2~20のアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらのアルキル基は、脂環式あるいは芳香族の環状置換基、分岐構造、あるいは官能基を有していても良い。これらのなかでも、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が好ましく、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレートがより好ましい。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマーは、分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーを含むことが好ましい。上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマー中、分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーは0.01~20重量%含まれることが好ましく、0.1~20重量%含まれることがより好ましく、0.1~10重量%含まれることがさらに好ましく、0.2~5重量%含まれることが特に好ましい。
上記分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニルモノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート等や、ウレタンジ(メタ)アクリレート、エポキシジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート等を挙げることができる。また、異なる反応性のビニル基を有する多官能性モノマーとして、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート等を挙げることができる。これらのなかでも、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレートが好ましい。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマーには、上記アルキル(メタ)アクリレートおよび分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーと共重合可能な他の重合性モノマーを含んでも良い。上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマー中、他の重合性モノマーは0~49.9重量%含まれることが好ましく、0~39.9重量%含まれることがより好ましい。
上記他の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン、メチルメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート等を挙げることができる。また、他の重合性モノマーとしては、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するモノマーでもよい。具体的には、エポキシ基を有するモノマーとして、例えば、グリシジルメタクリレート等を挙げることができ、カルボキシル基を有するモノマーとして、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等を挙げることができ、水酸基を有するモノマーとして、例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート等を挙げることができ、アミノ基を有するモノマーとして、例えば、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、上記ゴム状重合体を形成する重合性モノマーは、連鎖移動剤を少量併用しても良い。このような連鎖移動剤としては、広く公知のものが使用可能であるが、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、チオグリコール酸誘導体などが例示できる。
上記シェル層および、コア層中のガラス状重合体層を構成するガラス状重合体を形成する重合性モノマーとしては、任意の適切な重合性モノマーを使用してもよい。
上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレートおよび芳香族ビニルモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーを含むことが好ましい。上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマー100重量%中、アルキル(メタ)アクリレートおよび芳香族ビニルモノマーから選ばれる少なくとも1種が50~100重量%含まれることが好ましく、60~100重量%含まれることがより好ましい。
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数が1~8のものが好ましい。また、これらのアルキル基は、脂環式あるいは芳香族の環状置換基、分岐構造、あるいは官能基を有していても良い。このようなアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では特にメチルメタクリレートが好ましい。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等を挙げることができ、これらのなかでも、スチレンが好ましい。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマーは、分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーを含んでいても良い。上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマー100重量%中、分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーは0~10重量%含まれることが好ましく、0~8重量%含まれることがより好ましく、0~5重量%含まれることがさらに好ましい。
上記分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーの具体例としては、前述したものと同様のものを挙げることができる。
上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマーは、上記アルキル(メタ)アクリレートおよび分子内に2個以上のビニル基を有する多官能性モノマーと共重合可能な他の重合性モノマーを含んでいても良い。上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマー100重量%中、他の重合性モノマーは0~50重量%含まれることが好ましく、0~40重量%含まれることがより好ましい。
上記他の重合性モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン、前述したもの以外のアルキル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート等を挙げることができる。また、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するものでもよい。エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート等を挙げることができ、カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等を挙げることができ、水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシメタクリレート、2-ヒドロキシアクリレート等を挙げることができ、アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
更に、上記ガラス状重合体を形成する重合性モノマーは、ゴム状重合体層に使用するものと同様の、公知の連鎖移動剤を少量併用する事も好ましい。
本発明におけるコアシェル型弾性体の製造方法としては、コアシェル型の粒子を製造し得る任意の適切な方法を採用することができる。
例えば、コア層を構成するゴム状重合体を形成する重合性モノマーを懸濁または乳化重合させて、ゴム状重合体粒子を含む懸濁または乳化分散液を製造し、続いて、該懸濁液または乳化分散液にシェル層を構成するガラス状重合体を形成する重合性モノマーを加えてラジカル重合させ、ゴム状重合体粒子の表面をガラス状重合体が被覆してなる多層構造を有するコアシェル型弾性体を得る方法が挙げられる。ここで、ゴム状重合体を形成する重合性モノマー、および、ガラス状重合体を形成する重合性モノマーは、一段で重合しても良いし、組成比を変更して2段以上で重合してもよい。
上記コアシェル型弾性体の好ましい構造としては、例えば、(a)軟質でゴム状のコア層および、硬質でガラス状のシェル層を有し、上記コア層が(メタ)アクリル系架橋弾性重合体層を有するもの、(b)上記ゴム状のコア層が、その内部にガラス状の層を一層以上有する多層構造を有し、更にコア層の外側にガラス状のシェル層を有するものなどが挙げられる。各層のモノマー種を適宜選択することによって、(メタ)アクリル系樹脂の諸物性を任意に制御することができる。軟質でゴム状の層は、重合体のガラス転移温度が20℃未満、好ましくは0℃未満であることが好ましく、硬質でガラス状の層は、重合体のガラス転移温度が0℃以上、好ましくは20℃以上であることが好ましい。
コアシェル型弾性体の更に好ましい構造の具体例としては、例えば、(A)上記コアシェル型弾性体のシェル層がアルキルアクリレートを3重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは15重量%以上含む非架橋のメタクリル樹脂であるもの、(B)上記コアシェル型弾性体のシェル層がアルキルアクリレートの含有量の異なる2段以上の多層からなり、トータルでアルキルアクリレートを10重量%以上、より好ましくは15重量%以上含む非架橋のメタクリル樹脂であるもの、(C)上記コアシェル型弾性体のコア層が、アルキルメタクリレート、多官能性モノマー、アルキルメルカプタン、適宜その他モノマーの混合物を重合したガラス状重合体層の存在下に、アクリルアクリレート、多官能性モノマー、アルキルメルカプタン、適宜その他のモノマーの混合物を重合したゴム状重合体層を形成した多層構造を有するもの、(D)上記コアシェル型弾性体のコア層が、有機過酸化物をレドックス型重合開始剤として使用して重合したガラス状重合体層の存在下に、過酸(過硫酸、過リン酸塩等)を熱分解型開始剤として使用して重合したゴム状重合体層を形成した多層構造を有するもの、等が例示される。このような好ましいコアシェル型弾性体の構造上の設計要素は、一つだけを有しても良いし、二つ以上の複数の設計要素を併用しても良い。このような構造を有することにより、本発明の(メタ)アクリル系樹脂中でコアシェル型弾性体が良好に分散しやすくなり、フィルムを形成した際に未分散や凝集による欠陥が少なく、また、強度、靭性、耐熱性、透明性、外観に優れ、さらに温度変化や応力による白化が抑制され、品質の優れたフィルムを得ることが出来る。
本発明におけるコアシェル型弾性体を乳化重合、懸濁重合等により製造する場合には、公知の重合開始剤を用いることができる。特に好ましい重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過リン酸ナトリウム等の過リン酸塩、2,2-アゾビスイソブチロニトリル等の有機アゾ化合物、クメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物、ターシャリーブチルイソプロピルオキシカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシブチレート等のパーエステル類、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機パーオキサイド化合物などが挙げられる。これらは熱分解型重合開始剤として使用してもよく、硫酸第一鉄などの触媒及びアスコルビン酸、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の水溶性還元剤の存在下にレドックス型重合開始剤として使用しても良く、重合するべき単量体組成、層構造、重合温度条件等に応じて適宜選定すれば良い。
本発明におけるコアシェル型弾性体を乳化重合により製造する場合には、公知の乳化剤を用いて通常の乳化重合により製造することができる。公知の乳化剤としては、例えばアルキルスルフォン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤や、アルキルフェノール類、脂肪族アルコール類とプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとの反応生成物等の非イオン性界面活性剤等が示される。これらの界面活性剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。更に要すれば、アルキルアミン塩等の陽イオン性界面活性剤を使用してもよい。このうち、得られたコアシェル型弾性体の熱安定性を向上させる観点から、特にはポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル塩(アルカリ金属、又はアルカリ土類金属)を用いて重合することが好ましい。乳化重合により得られるコアシェル型弾性体ラテックスは、噴霧乾燥、あるいは一般的に知られるように、ラテックスに凝固剤として電解質あるいは有機溶剤等を添加することでポリマー分を凝固し、適宜加熱・洗浄・水相の分離等の操作を実施してポリマー分の乾燥を行ない、塊状あるいは粉末状のコアシェル型弾性体が得られる。凝固剤としては、水溶性電解質や有機溶剤等、公知のものが使用できるが、得られた共重合体の成形時の熱安定性を向上させる観点や生産性の面からは、塩化マグネシウムあるいは硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩や、酢酸カルシウムや塩化カルシウム等のカルシウム塩を用いることが好ましい。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物が、コアシェル型弾性体を含む場合は、(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対してコアシェル型弾性体を1~40重量部含むことが好ましく、より好ましくは2~35重量部、さらに好ましくは3~25重量部である。コアシェル型弾性体の含有量が1重量部未満であると、(メタ)アクリル系樹脂の機械的強度の向上が十分ではなく、40重量部を超えると、(メタ)アクリル系樹脂の耐熱性が低下するおそれがある。
上記コアシェル型弾性体の好ましい粒子径としては、軟質のコア層の粒子径が1~500nmであることが好ましく、10~400nmであることがより好ましく、50~300nmであることがさらに好ましく、70~300nmであることが特に好ましい。上記コアシェル型弾性体のコア層の粒子径が1nm未満であると、(メタ)アクリル系樹脂の機械的強度の向上が十分ではなく、500nmよりも大きいと、(メタ)アクリル系樹脂の耐熱性や透明性が損なわれるおそれがある。
コアシェル型弾性体のコア層の粒子径は、コアシェル架橋弾性体とスミペックスEXとを50:50の重量比でブレンドしたコンパウンドを成形し得られたフィルムを、透過型電子顕微鏡(日本電子製 JEM-1200EX)にて、加速電圧80kV、RuO染色超薄切片法で撮影し、得られた写真からゴム粒子画像を無作為に100個選択し、それらの粒子径の平均値を求めることができる。
本発明におけるアクリル系樹脂組成物には、必要に応じ、一般に用いられる酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤などの耐候性安定剤や、触媒、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤、抗菌・脱臭剤等を単独または2種以上組み合わせて、本発明の目的を損なわれない範囲であれば添加してもよい。また、これらの添加剤は、(メタ)アクリル系樹脂組成物を成形加工する際に添加することも可能である。
本発明における(メタ)アクリル系樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物は紫外線吸収剤との相溶性もよく、用途幅を広げることができる。紫外線吸収剤については、例えば、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾオキサジン系化合物およびオキサジアゾール系化合物等が挙げられる。これらの中でも添加量に対する紫外線吸収性能の観点でトリアジン系化合物が好ましい。トリアジン系化合物としては、市販の任意のものが使用できる。
紫外線吸収剤は、波長300nm以上370nm以下の最大吸収波長を有する。
このような紫外線吸収剤を含むアクリル系樹脂組成物は、紫外線に曝された場合、紫外線A波(波長320nm以上400nm以下)の光による劣化を効率的に抑制する。そのため、紫外線吸収剤の添加量が比較的少量でよく、紫外線吸収剤の増量に起因するブリードアウトは起き難い。
また、紫外線吸収剤は、窒素雰囲気下において、1%重量減少温度が350℃以上である。 耐熱性が高く、モル吸光係数が大きいという観点で、トリアジン系化合物が好ましい。トリアジン系化合物が用いられると、添加量が抑えられ、加工における金型(ロール等)汚染も抑えられる。また、トリアジン系化合物を使用した紫外線吸収剤であれば、特開2014-95926号公報に記載のように、一般的な熱安定剤の添加をしなくても、熱安定性を高められる。
そして、このようなトリアジン系化合物を使用した紫外線吸収剤の一例としては、Tinuvin1577、Tinuvin460、Tinuvin477、Tinuvin479(いずれもBASF製)およびLA-F70(ADEKA製)などが挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物が紫外線吸収剤を含有する場合の添加量は、(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対して紫外線吸収剤が0.1重量部以上、5.0重量部以下であることが好ましく、0.4重量部以上、2.0重量部以下であることがさらに好ましい。
紫外線吸収剤が0.1重量部未満であると、紫外線吸収性が必要な用途で十分な効果が得られない場合があり、2.0重量部よりも多いと、フィルム製膜時にブリードアウトする等が発生する場合がある。
(vi)(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するフィルム
前記した(メタ)アクリル系樹脂組成物は、例えば公知の成形方法で(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するフィルムとすることができる。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するフィルムは、アンテナ用基板に使用することができるが、その他にも、フレキシブルディスプレイ用基板、フォルダブルディスプレイ用基板、ローラブルディスプレイ用基板、タッチパネル用基板、透明ディスプレイ用基板、空間ディスプレイ用基板、ホログラム用基板、サイネージ用基板、ヘッドアップディスプレイ周辺部材(視点調整フィルム、画像調整フィルム、画像投影スクリーン、再帰反射フィルム、レンズシート、ダストカバー)、輝度向上フィルム、カバーガラス代替、ガラス基板代替、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、電子デバイス用両面・片面テープや粘着フィルムの基材、AR Glassの光導波路、調光デバイス用基板、遮光デバイス用基板、高周波回路基板フィルム、透明フレキシブルプリント基板、電池セパレーター用フィルム、スマホのバックカバー、離型フィルムまたはX線検査装置のディテクター基板など種々の用途に使用することができる。
(フィルムの製造方法)
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法の一実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。つまり、本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂を成形してフィルムを製造できる方法であれば、従来公知のあらゆる方法を用いることができる。
具体的には、例えば、射出成形、溶融押出成形、インフレーション成形、ブロー成形、圧縮成形、等を挙げることが出来る。また、本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂を溶解可能な溶剤に溶解させた後、成形させる溶液流延法やスピンコート法によって、本発明に係るフィルムを製造することが出来る。
中でも溶剤を使用しない溶融押出法を用いることが好ましい。溶融押出法によれば、製造コストや溶剤による地球環境や作業環境への負荷を低減することができる。
以下、本発明に係るフィルムの製造方法の一実施形態として、本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂を溶融押出法により成形してフィルムを製造する方法について詳細に説明する。なお、以下の説明では、溶融押出法で得られたフィルムを、溶液流延法等の他の方法で得られたフィルムと区別して、「溶融押出フィルム」と称する。
本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂を溶融押出法によりフィルムに成形する場合、まず、本発明に(メタ)アクリル系樹脂を、押出機に供給し、該(メタ)アクリル系樹脂を加熱溶融させる。
(メタ)アクリル系樹脂は、押出機に供給する前に、予備乾燥することが好ましい。このような予備乾燥を行うことにより、押出機から押し出される樹脂の発泡を防ぐことができる。
予備乾燥の方法は特に限定されるものではないが、例えば、原料(すなわち、本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂)をペレット等の形態にして、熱風乾燥機や真空乾燥機等を用いて行うことができる。
次に、押出機内で加熱溶融された(メタ)アクリル系樹脂を、ギアポンプやフィルターを通して、Tダイに供給する。このとき、ギアポンプを用いれば、樹脂の押出量の均一性を向上させ、フィルム長手方向の厚みムラを低減させることができる。一方、フィルターを用いれば、(メタ)アクリル系樹脂中の異物を除去し、欠陥の無い外観に優れたフィルムを得ることができる。
次に、Tダイに供給された(メタ)アクリル系樹脂を、シート状の溶融樹脂として、Tダイから押し出す。そして、該シート状の溶融樹脂を2つの冷却ロールで挟み込んで冷却し、フィルムを製膜する。
上記シート状の溶融樹脂を挟み込む2つの冷却ロールの内、一方は、表面が平滑な剛体性の金属ロールであり、もう一方は、表面が平滑な弾性変形可能な金属製弾性外筒を備えたフレキシブルロールであることが好ましい。
このような剛体性の金属ロールと金属製弾性外筒を備えたフレキシブルロールとで、上記シート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却して製膜することにより、表面の微小な凹凸やダイライン等が矯正されて、表面が平滑で厚みムラが5μm以下であるフィルムを得ることができる。
なお、本明細書において、「冷却ロール」とは、「タッチロール」および「冷却ロール」を包含する意味で用いられる。
上記剛体性の金属ロールとフレキシブルロールとを用いる場合であっても、何れの冷却ロールも表面が金属であるため、製膜するフィルムが薄いと、冷却ロールの面同士が接触して、冷却ロールの外面に傷が付いたり、冷却ロールそのものが破損したりすることがある。
そのため、上説したような2つの冷却ロールでシート状の溶融樹脂を挟み込んで製膜する場合、まず、該2つの冷却ロールで、シート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却し、比較的厚みの厚い原反フィルムを一旦取得する。その後、該原反フィルムを、一軸延伸または二軸延伸して所定の厚みのフィルムを製造することが好ましい。
より具体的に説明すると、厚み40μmのフィルムを製造する場合、また、上記2つの冷却ロールで、シート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却し、一旦、厚み150μmの原反フィルムを取得する。その後、該原反フィルムを縦横二軸延伸により延伸させ、厚み40μmのフィルムを製造すればよい。
このように、本発明に係るフィルムが延伸フィルムである場合、本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂を一旦、未延伸状態の原反フィルムに成形し、その後、一軸延伸または二軸延伸を行うことにより、延伸フィルムを製造することができる。
本発明の光学フィルムの長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)両方の耐屈曲性を向上させるためには、二軸延伸を行うことが好ましい。
本明細書では、説明の便宜上、本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂をフィルム状に成形した後、延伸を施す前のフィルム、すなわち未延伸状態のフィルムを「原反フィルム」と称する。
原反フィルムを延伸する場合、原反フィルムを成形後、直ちに、該原反フィルムの延伸を連続的に行ってもよいし、原反フィルムを成形後、一旦、保管または移動させて、該原反フィルムの延伸を行ってもよい。
なお、原反フィルムに成形後、直ちに該原反フィルムを延伸する場合、フィルムの製造工程において、原反フィルムの状態が非常に短時間(場合によっては、瞬間)の場合、延伸されるのに充分な程度のフィルム状を維持していればく、完全なフィルムの状態である必要はない。また、上記原反フィルムは、完成品であるフィルムとしての性能を有していなくてもよい。
(フィルムの延伸方法)
原反フィルムを延伸する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の任意の延伸方法を用いればよい。具体的には、例えば、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸、及びこれらを逐次組み合わせた逐次二軸延伸等を用いることができる。
また、縦と横とを同時に延伸する同時二軸延伸方法を用いたり、ロール縦延伸を行った後、テンターによる横延伸を行う方法を用いたりすることもできる。
原反フィルムを延伸するとき、原反フィルムを一旦、延伸温度より0.5℃~5℃、好ましくは1℃~3℃高い温度まで予熱した後、延伸温度まで冷却して延伸することが好ましい。
上記範囲内で予熱することにより、原反フィルムの幅方向の厚みを精度よく保つことができ、また、延伸フィルムの厚み精度が低下したり、厚みムラが生じたりすることがない。また、原反フィルムがロールに貼り付いたり、自重で弛んだりすることがない。
一方、原反フィルムの予熱温度が高すぎると、原反フィルムがロールに貼り付いたり、自重で弛んだりするといった弊害が発生する傾向にある。また、原反フィルムの予熱温度と延伸温度との差が小さいと、延伸前の原反フィルムの厚み精度を維持しにくくなったり、厚みムラが大きくなったり、厚み精度が低下したりする傾向がある。
なお、本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂は、原反フィルムに成形後、延伸する際、ネッキング現象を利用して、厚み精度を改善することが困難である。したがって、本発明では、上記予熱温度の管理を行うことは、得られるフィルムの厚み精度を維持したり、改善したりするためには重要となる。
原反フィルムを延伸するときの延伸温度は、特に限定されるものではなく、製造する延伸フィルムに要求される機械的強度、表面性、および厚み精度等に応じて、変更すればよい。一般的には、DSC法によって求めた原反フィルム((メタ)アクリル系樹脂組成物)のガラス転移温度をTgとした時に、(Tg-30℃)~(Tg+30℃)の温度範囲とすることが好ましく、(Tg-20℃)~(Tg+30℃)の温度範囲とすることがより好ましく、(Tg)~(Tg+30℃)の温度範囲とすることがさらに好ましく、(Tg+10℃)~(Tg+30℃)の温度範囲とすることがさらに好ましい。すなわち光学フィルムの二軸延伸の延伸温度は、(メタ)アクリル系樹脂組成物のガラス転移温度をTgとしたとき、Tg-30℃以上Tg+30℃以下の温度範囲であることが好ましい。
延伸温度が上記温度範囲内であれば、得られる延伸フィルムの厚みムラを低減し、さらに、伸び率、引裂伝播強度、およびMIT耐屈曲性の力学的性質を良好なものとすることができる。また、フィルムがロールに粘着するといったトラブルの発生を防止することができる。
一方、延伸温度が上記温度範囲よりも高くなると、得られる延伸フィルムの厚みムラが大きくなったり、伸び率、引裂伝播強度、および耐揉疲労等の力学的性質が十分に改善できなかったりする傾向がある。さらに、フィルムがロールに粘着するといったトラブルが発生しやすくなる傾向がある。
また、延伸温度が上記温度範囲よりも低くなると、得られる延伸フィルムの内部ヘイズが大きくなったり、極端な場合には、フィルムが裂けたり、割れたりするといった工程上の問題が発生したりする傾向がある。
上記原反フィルムを延伸する場合、その延伸倍率もまた、特に限定されるものではなく、製造する延伸フィルムの機械的強度、表面性、および厚み精度等に応じて、決定すればよい。延伸温度にも依存するが、延伸倍率は、一般的には、1.1倍~3倍の範囲で選択することが好ましく、1.3倍~2.5倍の範囲で選択することがより好ましく、1.5倍~2.3倍の範囲で選択することがさらに好ましい。
延伸倍率が上記範囲内であれば、フィルムの伸び率、引裂伝播強度、および耐揉疲労等の力学的性質を大幅に改善することができる。それゆえ、厚みムラが5μm以下であり、さらに、内部ヘイズが1.0%以下である延伸フィルムを製造することができる。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂が架橋弾性体を含む場合には、フィルムの機械的強度に優れることから、未延伸フィルム、1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルムのいずれでも好適に使用できる。
(vii)(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するアンテナ用基板
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するアンテナ用基板は、前記の(メタ)アクリル系樹脂組成物をフィルム成形したものを用いることができる。
誘電特性、耐熱性、耐候性、及び透明性に優れているため、本発明のアンテナ用基板は、車両の窓ガラス、建築物の窓ガラス、産業機械の表示部、住宅内の電子機器及び表示装置のディスプレイ等に使用することができる。
誘電特性としては、例えば3GHzの周波数で測定した場合、誘電正接Df値は、0.010以下であることが好ましく、0.007以下であることがさらに好ましい。Df値がこの範囲にあると、損失が低くなる。
比誘電率Dk値は3.2以下であることが好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。
温度上昇により基材が膨張収縮すると、導体で形成されたアンテナ部分も基材の収縮膨張に引張られアンテナ寸法が変化する。アンテナ寸法は共振する周波数の波長の長さで一義的に決まるため、アンテナ寸法が温度の上昇等で変化することは好ましくない為、線膨張係数は100ppm以下であることが好ましく、80ppm以下であることが特に好ましい。
透明性はヘイズ値が2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
透過率は85%以上、90%以上が好ましい。ヘイズ値、透過率ともに上記の範囲内にあると、使用できる用途幅が広がるために好ましい。
本発明に係るアンテナ用基板の光学異方性については特に制限されないが、面内方向(長さ方向、幅方向)の光学異方性だけでなく、厚み方向の光学異方性についても小さいことが好ましい場合がある。換言すれば、面内位相差および厚み方向位相差がともに小さいことが好ましい場合がある。
より具体的には、面内位相差は、面内位相差は、10nm以下であることが好ましく、6nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。
また、厚み方向位相差は、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。
なお、面内位相差(Re)および厚み方向位相差(Rth)は、それぞれ、以下の式により算出することができる。
Re=(nx-ny)×d Rth=|(nx+ny)/2-nz|×d なお、上記式中において、nx、ny、およびnzは、それぞれ、面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率を表す。また、dはフィルムの厚さ、||は絶対値を表す。
また、本発明に係るフィルムは、配向複屈折の値が、0~0.1×10 -3であることが好ましく、0~0.01×10 -3であることがより好ましい。
配向複屈折が上記範囲内であれば、環境の変化に対しても、成形加工時に複屈折が生じることなく、安定した光学的特性を得ることができる。
なお、本明細書において、特にことわりのない限り、「配向複屈折」とは、熱可塑性樹脂のガラス転移温度より5℃高い温度で、100%延伸した場合に発現する複屈折が意図される。配向複屈折(△n)は、前述のnx、nyを用いて説明すると、△n=nx-ny=Re/dで定義され、位相差計により測定することができる。
本発明のアンテナ用基板は、(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有する一層のフィルムであってもよいし、異なる(メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するフィルムや、異なる樹脂組成物を含有するフィルムとの積層構造でも構わない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの評価方法は以下の通りである。以下で「部」および「%」は、特記ない限り、「重量部」および「重量%」を意味する。
(ガラス転移温度)
(メタ)アクリル系樹脂10mgを用いて、示差走査熱量計(DSC、(株)SII製、DSC7020)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により決定した。
(平均屈折率)
(株)アタゴ社製アッベ屈折計3Tを用いて測定した。
(環構造の含有量の算出)
得られた(メタ)アクリル系樹脂をH-NMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて測定を行った。対象となる環構造部分とそれ以外の部分のモル比から重量換算を行い算出した。具体的に上記一般式(1)のRがメチル基であるグルタルイミドのケースでは、3.5~3.8ppm付近のメタクリル酸メチルのO-CHプロトン由来のピークの面積Aと、3.0~3.3ppm付近のグルタルイミドのN-CHプロトン由来のピークの面積Bより、求められたモル比を用いて重量換算を行い算出できる。
(厚み測定)
デジマティックインジケーター(株式会社ミツトヨ製)を用いて、光学フィルムの厚みを測定した。
(光学特性)
面内位相差Δndおよび厚み方向位相差Rthは、王子計測機器(株)製、位相差測定装置KOBRA-WRを用いて測定を行った。測定波長590nmで行った。
(ヘイズ)
(全光線透過率、及びヘイズ値)
樹脂組成物(成形体)又はフィルムの全光線透過率、及びヘイズ値(Haze)は、日本電色工業株式会社製 NDH-300Aを用い、JIS K7105の記載の方法にて測定した。
(380nmにおける光透過率)
紫外可視分光光度計(日本分光:V-560)を用いて、光学フィルムの波長380nmにおける光透過率を測定した。
(比誘電率Dk、誘電正接Df)
比誘電率Dkと誘電正接Dfは、ネットワークアナライザN5224B(キーサイトテクノロジー社製)と空洞共振器、空洞共振器摂動法解析ソフトCP-MA(株式会社関東電子応用開発製)を用いて測定した。測定するフィルムを2mm×100mmに切り出し、23℃/50%RH環境下で24時間調湿後に測定を行った。測定は3GHzで行った。
(線膨張係数(CTE))
線膨張係数は、SIIナノテクノ口ジ一社製熱機械的分析装置、商品名:TMA/SS6100により、10℃~100℃まで10℃/minで昇温させた後、10℃まで40℃/minで冷却し、さらに10℃/minで昇温させて、2回目の昇温時の、50~100℃の値を見積もった。測定条件を以下に示す。
サンプル形状:幅3mm、長さ10mm
荷重:1g
雰囲気:空気雰囲気下
(耐候性)
耐候性は、キセノンウエザオメーターを使用し、照射エネルギー63W/m、温度40℃ (ブラックパネル温度:63℃)、降雨ありの条件で300時間後のYIおよび全光線透過率の変化量を測定した。
YIの変化量が1以上もしくは全光線透過率の変化量が1%以上を×とした。
(黄色度YIの測定)
日本電色工業製ハンディ色差計NR-11Bを用いて、三刺激値X,Y,Zを測定し、この三刺激値からJIS-K7103に基づいて、黄色度YIを算出した。
(耐屈曲性(MIT耐屈曲試験) )
フィルムを幅15mmの短冊状にカットしこれを試験片とした。この試験片を、東洋精機(株)製のMIT耐柔疲労試験機型式Dを用いて、試験荷重1.96N、速度175回/分、折り曲げクランプの曲率半径Rは0.38mm、折り曲げ角度は左右へ135°で測定した。MD方向、TD方向についてそれぞれ行い、算術平均値をMIT往復折り曲げ回数とした。
(製造例1)
(メタ)アクリル樹脂の製造例を以下に示す。
押出反応機を2台直列に並べたタンデム型反応押出機を用いて、樹脂を製造した。タンデム型反応押出機に関しては、第1押出機(1)、第2押出機(2)共に直径75mm、L/D(押出機の長さLと直径Dの比)が74の同方向噛合型二軸押出機を使用し、定重量フィーダー(クボタ(株)製)を用いて、第1押出機原料供給口に原料樹脂を供給した。
又、第1押出機、第2押出機に於ける各ベントの減圧度は-0.095MPaとした。更に、直径38mm、長さ2mの配管で第1押出機と第2押出機を接続し、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機原料供給口を接続する部品内圧力制御機構には定流圧力弁を用いた。第2押出機から吐出された樹脂(ストランド)は、冷却コンベアで冷却した後、ペレタイザーでカッティングしペレットとした。ここで、第1押出機の樹脂の吐出口と第2押
出機原料供給口を接続する部品内圧力調整、又は押出変動を見極める為に、第1押出機出口、第1押出機と第2押出機接続部品中央部、第2押出機出口に樹脂圧力計を設けた。
第1押出機に関して、原料の樹脂としてポリメタクリル酸メチル樹脂(Mw:10.5万)を使用し、イミド化剤として、モノメチルアミンを用いてグルタルイミド樹脂中間体1を製造した。この際、押出機最高温部温度を280℃、スクリュー回転数は55rpm、原料樹脂供給量は150kg/時間、モノメチルアミンの添加量は原料樹脂100部に対して2.0部とした。又、定流圧力弁は第2押出機原料供給口直前に設置し、第1押出機モノメチルアミン圧入部圧力を8MPaになるように調整した。
第2押出機に関して、リアベント及び真空ベントで残存しているイミド化反応試剤及び副生成物を脱揮したのち、エステル化剤として炭酸ジメチルとトリエチルアミンの混合溶液を添加しグルタルイミド樹脂中間体2を製造した。この際、押出機各バレル温度を260℃、スクリュー回転数は55rpm、炭酸ジメチルの添加量は原料樹脂100部に対して3.2部、トリエチルアミンの添加量は原料樹脂100部に対して0.8部とした。更に、ベントでエステル化剤を除去した後、ストランドダイから押し出し、水槽で冷却した後、ペレタイザーでペレット化することで、樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物のイミド化率は3.7%、酸価は0.29mmol/g、カルボン酸量は0.05mmol/gであった。Tgは127℃であった。
(製造例2)
このペレット状の樹脂組成物を、100℃で5時間乾燥後、40mmφ単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて270℃で押し出すことにより得られたシート状の溶融樹脂を冷却ロールで冷却して幅300mm、厚み160μmのフィルムを得た。
このフィルムについて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より10℃ 高い温度で同時二軸延伸(株式会社東洋精機製 二軸延伸装置 X4HD)を行ない、厚み40μの二軸延伸フィルムを作製した。
この二軸延伸フィルムの面内位相差は0.1nm、厚み方向位相差は3.4nmであった。
(製造例3)
製造例1で得られたグルタルイミド樹脂ペレット100重量部と、紫外線吸収剤であるLA-F70(ADEKA製)0.66重量部とを、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機と200mm幅Tダイとを用い、押出機各温調ゾーンの設定温度270℃、スクリュー回転数100rpmにして押し出すことで(すなわち、溶融押出法により)、幅170mm厚み160μmのフィルムを得た。
このフィルムに対して、ガラス転移温度より10℃高い温度において、延伸倍率2倍(縦・横)にし、同時二軸延伸(株式会社井元製作所製 二軸延伸装置 IMC-1905)を行ない、二軸延伸フィルムである光学フィルムを製造した。フィルム厚みは40μmであった。
(製造例4)
<架橋弾性体の製造>
以下の組成の混合物をガラス製反応器に仕込み、窒素気流中で攪拌しながら80℃に昇温したのち、メタクリル酸メチル27部、メタクリル酸アリル0.5部、t-ドデシルメルカプタン0.1部からなる単量体混合物とt-ブチルハイドロパーオキサイド0.1部との混合液のうち25%を一括して仕込み、45分間の重合を行った。
脱イオン水 220部
ホウ酸 0.3部
炭酸ナトリウム 0.03部
N-ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 0.09部
ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレート 0.09部
エチレンジアミン四酢酸-2-ナトリウム 0.006部
硫酸第一鉄 0.002部
続いてこの混合液の残り75%を1時間にわたって連続添加した。添加終了後、同温度で2時間保持し重合を完結させた。また、この間に0.2部のN-ラウロイルサルコシン酸ナトリウムを追加した。得られた最内層架橋メタクリル系重合体ラテックスの重合転化率(重合生成量/モノマー仕込量)は98%であった。
得られた最内層重合体ラテックスを窒素気流中で80℃に保ち、過硫酸カリウム0.1部を添加したのち、アクリル酸n-ブチル41部、スチレン9部、メタクリル酸アリル1部からなる単量体混合物を5時間にわたって連続添加した。この間にオレイン酸カリウム0.1部を3回に分けて添加した。モノマー混合液の添加終了後、重合を完結させるためにさらに過硫酸カリウムを0.05部添加し2時間保持した。得られたゴム粒子の重合転化率は99%、粒径は240nmであった。
得られたゴム粒子ラテックスを80℃に保ち、過硫酸カリウム0.05部を添加したのちメタクリル酸メチル21.5部、アクリル酸n-ブチル1.5部の単量体混合物を1時間にわたって連続添加した。モノマー混合液の追加終了後1時間保持しグラフト共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99%であった。得られたゴム含有グラフト共重合体ラテックスを塩化カルシウムで塩析凝固、熱処理、乾燥を行い、白色粉末状の架橋弾性体を得た。製造例1で製造したグルタルイミド樹脂90重量部と、架橋弾性体を10重量部を含む混合物を、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機(L/D=30)にて混練した。ホッパーから樹脂混合物を2kg/hrで供給し、押出機各温調ゾーンの設定温度を260℃、スクリュー回転数100rpmとした。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化した
得られたペレットを100℃で5時間乾燥後、押出機出口にTダイを備えた口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機(L/D=30)を用いて製膜した。ホッパーから(メタ)アクリル系樹脂組成物のペレットを2kg/hrで供給し、押出機各温調ゾーンの設定温度を270℃、スクリュー回転数100rpmとした。押出機出口に設けられたTダイから押し出されたシート状の溶融樹脂を冷却ロールで冷却して幅160mm、厚み160μmの原反フィルムを得た。
原反フィルムについて、上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、124℃であった。
得られた原反フィルムを、(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC-19
05)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より21℃高い温度で同時二軸延伸を行い、厚み40μmの二軸延伸フィルムを作製した。
(実施例1)
製造例2のフィルムについて特性を評価し、アンテナ用基板を作製した。
(実施例2)
製造例3のフィルムについて特性を評価し、アンテナ用基板を作製した。。
(実施例3)
製造例4のフィルムについて特性を評価し、アンテナ用基板を作製した。
(比較例1)
厚みが100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムであるルミラー(R)R-41(東レ株式会社製)の特性を評価し、アンテナ用基板を作製した。
Figure 2022030030000003
実施例1~3のアンテナ基板は比誘電率、誘電正接がいずれも低く、さらに透明性と耐候性に優れていることが分かった。一方、比較例1のアンテナ基板は、誘電正接は良好であるものの、比誘電率が高く、また透明性や耐候性に劣るものであった。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル系樹脂組成物を含有するアンテナ用基板。
  2. 前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ用基板。
  3. 前記環構造が、下記式(1)を含有することを特徴とする請求項2に記載のアンテナ用基板。
    Figure 2022030030000004
    (前記式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、水素または炭素数1~8のアルキル基を示し、Rは水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、または炭素数6~10のアリール基を示す。)
  4. 前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のアンテナ用基板。
  5. 前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が、架橋弾性体を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のアンテナ用基板。

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