JP2022028213A - タイヤ用ゴム組成物、及び、タイヤ - Google Patents

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佑樹 高橋
Yuki Takahashi
涼平 進藤
Ryohei SHINDO
和也 上西
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Abstract

【課題】タイヤにしたときに氷上性能に優れるタイヤ用ゴム組成物、並びに、上記タイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供する。【解決手段】ジエン系ゴムと、充填剤と、2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体である特定共重合体とを含有する、タイヤ用ゴム組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及び、タイヤに関する。
従来、タイヤのタイヤトレッド部に用いられるゴム組成物として、ジエン系ゴムと充填剤とポリアクリルアミドとを含有するゴム組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001-123018号公報
昨今、求められる安全レベルの向上に伴い、タイヤ(特にスタッドレスタイヤ)に対して、氷上性能のさらなる向上が求められている。
このようななか、本発明者が特許文献1を参考にゴム組成物を調製し、その性能を評価したところ、今後さらに高まるであろう要求を考慮するとさらなる改善が望ましいことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、タイヤにしたときに氷上性能に優れるタイヤ用ゴム組成物、並びに、上記タイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体を配合することで上記課題が解決できることを見出した。
具体的には、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ジエン系ゴムと、充填剤と、2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体である特定共重合体とを含有する、タイヤ用ゴム組成物。
(2) 上記特定共重合体が、後述する式(A1)で表される繰り返し単位A1と後述する式(B1)で表される繰り返し単位B1とを有する、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。ただし、上記繰り返し単位A1と上記繰り返し単位B1は異なる。
(3) 上記特定共重合体が、後述する式(A2)で表される繰り返し単位A2と後述する式(B2)で表される繰り返し単位B2とを有する、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) 上記特定共重合体が、後述する式(A3)で表される繰り返し単位A3と後述する式(B3)で表される繰り返し単位B3とを有する、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5) 上記繰り返し単位A1~A3が、N-tert-ブチルアクリルアミドに由来する繰り返し単位である、上記(2)~(4)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(6) 上記特定共重合体において、上記繰り返し単位A1~A3の含有量と上記繰り返し単位B1~B3の含有量との比が、モル比で、95:5~5:95である、上記(2)~(5)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(7) 上記充填剤の含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5~100質量部である、上記(1)~(6)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(8) 上記特定共重合体の下限臨界溶液温度が、-10℃~50℃である、上記(1)~(7)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(9) 上記(1)~(8)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造された、タイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、タイヤにしたときに氷上性能に優れるタイヤ用ゴム組成物、並びに、上記タイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤの実施態様の一例を表す部分断面概略図である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物及び上記タイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤについて説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
また、タイヤにしたとき氷上性能に優れることを単に「氷上性能に優れる」とも言う。
[タイヤ用ゴム組成物]
本発明のタイヤ用ゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、
ジエン系ゴムと、充填剤と、2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体である特定共重合体とを含有する、タイヤ用ゴム組成物である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
N-アルキルアクリルアミドの重合体は温度によってそのコンフォメーションが変わることが知られている。具体的には、低温域では鎖が伸びているのに対して、高温域では鎖が収縮していることが知られている。
ここで、本発明の組成物に含有されるN-アルキルアクリルアミドの重合体は2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体であるため、1種のN-アルキルアクリルアミドの重合体と比較して、鎖が収縮している状態の安定性が低く、逆に、鎖が伸びている状態の安定性が高く、そのため、低温域(鎖が伸びている状態)の温度範囲が広くなり、結果として、本発明の組成物は広い低温域において柔軟性に優れるものと考えられる。また、低温域において水との相互作用が高くなり、氷上の排水性が高くなると考えられる。結果として、本発明の組成物は、優れた氷上性能を示すものと考えられる。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について説明する。
〔ジエン系ゴム〕
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは特に限定されない。
本発明の組成物は1種のジエン系ゴムを含有するのでも2種以上のジエン系ゴムを含有するのでもよい。
<具体例>
上記ジエン系ゴムの具体例としては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合体ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。
<平均Tg>
上記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度(平均Tg)は、本発明の効果がより優れる理由から、-50℃以下であることが好ましい。
なお、本明細書において、ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度とは、組成物が1種のジエン系ゴムを含有する場合、そのジエン系ゴムのガラス転移温度(Tg)を意味し、組成物が2種以上のジエン系ゴムを含有する場合、各ジエン系ゴムのガラス転移温度(Tg)に各ジエン系ゴムの質量分率を乗じた合計(ガラス転移温度の加重平均値)を意味する。例えば、後述する実施例1の場合、ジエン系ゴムとして、天然ゴム(Tg:-62℃)50質量部とブタジエンゴム(Tg:-105℃)50質量部とを含有するため、ジエン系ゴムの平均Tgは-83.5℃(=(-62℃)×(50/(50+50))+(-105℃)×(50/(50+50))である。
上記ジエン系ゴムの平均Tgは、本発明の効果がより優れる理由から、-60℃以下であることが好ましく、-70℃以下であることがより好ましく、-80℃以下であることがさらに好ましい。上記平均Tgの上限は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、-150℃以上であることが好ましく、-100℃以上であることがより好ましい。
<分子量>
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、100,000~5,000,000であることが好ましく、200,000~3,000,000であることがより好ましく、300,000~2,000,000であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値である。
<好適な態様>
上記ジエン系ゴムは、本発明の効果がより優れる理由から、天然ゴムとブタジエンゴムとを含むのが好ましく、天然ゴム及びブタジエンゴムのみからなるのがより好ましい。
上記ジエン系ゴム中の天然ゴムの含有量は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、20~80質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましい。
上記ジエン系ゴム中のブタジエンゴムの含有量は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、20~80質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましい。
上記ジエン系ゴム中の天然ゴムとブタジエンゴムの合計の含有量は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。上記合計の含有量の上限は特に限定されず、100質量%である。
上記ジエン系ゴムが天然ゴム及びブタジエンゴム以外のジエン系ゴムを含有する場合、その含有量は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、0~30質量%であることが好ましい。
〔特定共重合体〕
上述のとおり、本発明の組成物は、2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体である特定共重合体を含有する。特定共重合体は、通常、温度によってコンフォメーションが変化する性質(温度応答性)を有する。
本発明の組成物は1種の特定共重合体を含有するのでも2種以上の特定共重合体を含有するのでもよい。
上述のとおり、上記特定共重合体は、2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体である。モノマーとして使用されるN-アルキルアクリルアミドの種類は2種以上であればよく、3種以上であってもよい。上記種類は、本発明の効果がより優れる理由から、2種であることが好ましい。
上記特定共重合体は、2種以上のN-アルキルアクリルアミドに加えて、さらにN-アルキルアクリルアミド以外の単量体との共重合体であってもよいが、N-アルキルアミド以外の単量体に由来する繰り返し単位の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、全繰り返し単位に対して、10モル%以下であることが好ましい。
上記特定共重合体は、本発明の効果がより優れる理由から、2種以上のN-アルキルアクリルアミドのみを共重合したものであることが好ましく、2種のN-アルキルアクリルアミドのみを共重合したものであることがより好ましい。
<N-アルキルアクリルアミド>
特定共重合体に使用されるN-アルキルアクリルアミドは特に限定されない。
(N-アルキル基)
上記N-アルキルアクリルアミドの窒素原子に置換するアルキル基(N-アルキル基)の数は1つでも2つでも構わないが、本発明の効果がより優れる理由から、1つであることが好ましい。なお、N-アルキル基の数が1つである場合、通常、窒素原子はN-アルキル基の他に水素原子を有する。また、窒素原子に置換するアルキル基の数が2つである場合、2つのアルキル基は互いに結合して環を形成してもよい。
上記N-アルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、本発明の効果がより優れる理由から、直鎖状、又は、分岐状であることが好ましく、分岐状であることがより好ましい。
上記N-アルキル基の炭素数は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1~10であることが好ましい。
上記N-アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(好ましくは、イソプロピル基)、ブチル基(好ましくは、tert-ブチル基(t-ブチル基))等が挙げられる。
(具体例)
上記N-アルキルアクリルアミドの具体例としては、N-ブチルアクリルアミド(好ましくは、N-tert-ブチルアクリルアミド(N-t-ブチルアクリルアミド)(NTBAM))、N-プロピルアクリルアミド(好ましくは、N-イソブチルアクリルアミド(NIPAM))、ジメチルアクリルアミド(DMAAm)、2-エチルヘキシルアクリルアミド、ラウリルアクリルアミド、ミリスチルアクリルアミド、パルミチルアクリルアミド、ステアリルアクリルアミド等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、NTBAM、NIPAM、DMAAmが好ましく、NTBAM、NIPAMがより好ましく、NTBAMがさらに好ましい。
<2種以上のN-アルキルアクリルアミド>
上記2種以上のN-アルキルアクリルアミドは、互いに何らかの構造が異なる2種以上のN-アルキルアクリルアミドであればよい。何等か構造が異なる2種以上のN-アルキルアクリルアミドを用いることで、安定性が変わり、上述のとおり、低温域(鎖が伸びている状態)の温度範囲が広くなり、また、低温域における分子運動性が高くなると考えらえるからである。
例えば、互いに、N-アルキル基の数、N-アルキル基の炭素数、N-アルキル基の形状(直鎖状、分岐状、環状)等が異なる2種以上のN-アルキルアクリルアミドが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、互いにN-アルキル基の炭素数が異なる2種以上のN-アルキルアクリルアミド、互いにN-アルキル基の形状が異なる2種以上のN-アルキルアクリルアミドが好ましい。
上記2種以上のN-アルキルアクリルアミドは、本発明の効果がより優れる理由から、NTBAM、NIPAM及びDMAAmからなる群より選択される少なくとも2種のN-アルキルアクリルアミドであることが好ましく、NTBAMとNIPAMとの組み合わせ、NTBAMとDMAAmとの組み合わせがより好ましく、NTBAMとNIPAMとの組み合わせがさらに好ましい。
<好適な態様(その1)>
上記特定共重合体は、本発明の効果がより優れる理由から、下記式(A1)で表される繰り返し単位A1と下記式(B1)で表される繰り返し単位B1とを有するのが好ましく、下記式(A1)で表される繰り返し単位A1と下記式(B1)で表される繰り返し単位B1とからなる共重合体であることがより好ましい。ただし、上記繰り返し単位A1と上記繰り返し単位B1は異なる。
Figure 2022028213000002
式(A1)中、RA1は、水素原子、又は、炭素数3~10の分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRA1のうち少なくとも一方は、炭素数3~10の分岐状のアルキル基である。
式(B1)中、RB1は、水素原子、又は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRB1のうち少なくとも一方は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。
上記繰り返し単位A1は、本発明の効果がより優れる理由から、N-tert-ブチルアクリルアミド(NTBAM)に由来する繰り返し単位であることが好ましい。
上記好適な態様(その1)において、上記繰り返し単位A1の含有量と上記繰り返し単位B1の含有量との比は、本発明の効果がより優れる理由から、モル比で、95:5~5:95であることが好ましく、90:10~10:90であることがより好ましく、80:20~20:80であることがさらに好ましい。
上記好適な態様(その1)において、上記繰り返し単位A1の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、全繰り返し単位に対して、10~90モル%であることが好ましく、20~80モル%であることがより好ましく、30~70モル%であることがさらに好ましく、40~60モル%であることが特に好ましい。
上記好適な態様(その1)において、上記繰り返し単位B1の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、全繰り返し単位に対して、10~90モル%であることが好ましく、20~80モル%であることがより好ましく、30~70モル%であることがさらに好ましく、40~60モル%であることが特に好ましい。
<好適な態様(その2)>
上記特定共重合体は、本発明の効果がより優れる理由から、下記式(A2)で表される繰り返し単位A2と下記式(B2)で表される繰り返し単位B2とを有するのが好ましく、下記式(A2)で表される繰り返し単位A2と下記式(B2)で表される繰り返し単位B2とからなる共重合体であることがより好ましい。
Figure 2022028213000003
式(A2)中、RA2は、水素原子、又は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRA2のうち少なくとも一方は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。
式(B2)中、RB2は、水素原子、又は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRB2のうち少なくとも一方は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。
ただし、式(A2)中の2つのRA2の合計の炭素数は、式(B2)中の2つのRB2の合計の炭素数より大きい。
なお、2つのRA2の合計の炭素数とは、2つのRA2の両方がアルキル基である場合は2つのアルキル基の炭素数の合計であり、2つのRA2の一方がアルキル基であり他方が水素原子である場合はアルキル基の炭素数である。2つのRB2の合計の炭素数についても同様である。
上記繰り返し単位A2は、本発明の効果がより優れる理由から、N-tert-ブチルアクリルアミド(NTBAM)に由来する繰り返し単位であることが好ましい。
上記好適な態様(その2)において、上記繰り返し単位A2の含有量と上記繰り返し単位B2の含有量との比は、本発明の効果がより優れる理由から、モル比で、95:5~5:95であることが好ましく、90:10~10:90であることがより好ましく、80:20~20:80であることがさらに好ましい。
上記好適な態様(その2)において、上記繰り返し単位A2の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、全繰り返し単位に対して、10~90モル%であることが好ましく、20~80モル%であることがより好ましく、30~70モル%であることがさらに好ましく、40~60モル%であることが特に好ましい。
上記好適な態様(その2)において、上記繰り返し単位B2の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、全繰り返し単位に対して、10~90モル%であることが好ましく、20~80モル%であることがより好ましく、30~70モル%であることがさらに好ましく、40~60モル%であることが特に好ましい。
<好適な態様(その3)>
上記特定共重合体は、本発明の効果がより優れる理由から、下記式(A3)で表される繰り返し単位A3と下記式(B3)で表される繰り返し単位B3とを有するのが好ましく、下記式(A3)で表される繰り返し単位A3と下記式(B3)で表される繰り返し単位B3とからなる共重合体であることがより好ましい。
Figure 2022028213000004
式(A3)中、RA3は、水素原子、又は、炭素数3~10の分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRA3のうち少なくとも一方は、炭素数3~10の分岐状のアルキル基である。
式(B3)中、RB3は、水素原子、又は、炭素数1~10の直鎖状のアルキル基を表す。ただし、2つのRB3のうち少なくとも一方は、炭素数1~10の直鎖状のアルキル基である。
上記繰り返し単位A3は、本発明の効果がより優れる理由から、N-tert-ブチルアクリルアミド(NTBAM)に由来する繰り返し単位であることが好ましい。
上記好適な態様(その3)において、上記繰り返し単位A3の含有量と上記繰り返し単位B3の含有量との比は、本発明の効果がより優れる理由から、モル比で、95:5~5:95であることが好ましく、90:10~10:90であることがより好ましく、80:20~20:80であることがさらに好ましい。
上記好適な態様(その3)において、上記繰り返し単位A3の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、全繰り返し単位に対して、10~90モル%であることが好ましく、20~80モル%であることがより好ましく、30~70モル%であることがさらに好ましく、40~60モル%であることが特に好ましい。
上記好適な態様(その3)において、上記繰り返し単位B3の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、全繰り返し単位に対して、10~90モル%であることが好ましく、20~80モル%であることがより好ましく、30~70モル%であることがさらに好ましく、40~60モル%であることが特に好ましい。
<LCST>
上記特定共重合体の下限臨界溶液温度(LCST)は、本発明の効果がより優れる理由から、-10℃~50℃であることが好ましい。
なお、上記LCSTは、透明な水溶液の状態(低温)から温度を上げていったときに白濁が始まる温度である。
<ガラス転移温度>
上記特定共重合体のガラス転移温度(Tg)は、本発明の効果がより優れる理由から、50~200℃であることが好ましく、100~150℃であることがより好ましい。
<分子量>
上記特定共重合体の重量分子量(Mw)は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1,000~1,000,000であることが好ましく、10,000~100,000であることがより好ましい。
<製造方法>
上記特定共重合体は、例えば、2種以上のN-アルキルアクリルアミドをラジカル重合等により重合することで製造することができる。
特定共重合体の製造に使用されるN-アルキルアクリルアミドの具体例及び好適な態様は上述のとおりである。
<含有量>
本発明の組成物において、上記特定共重合体の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましく、1~10質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物において、上記特定共重合体の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、後述する充填剤の含有量に対して、1~30質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましい。
本発明の組成物において、上記特定共重合体の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、後述するオイルの含有量に対して、1~30質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましい。
〔充填剤〕
本発明の組成物に含有される充填剤は特に限定されない。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、カーボンブラック及び白色充填剤からなる群より選択される少なくとも1種の充填剤を含有するのが好ましく、カーボンブラック及び白色充填剤の両方を含有するのがより好ましい。
<カーボンブラック>
上記カーボンブラックは特に限定されず、例えば、SAF-HS、SAF、ISAF-HS、ISAF、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF-HS、HAF、HAF-LS、FEF、GPF、SRF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50~200m/gであることが好ましく、70~150m/gであることがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
<白色充填剤>
上記白色充填剤は特に限定されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、シリカであることが好ましい。
上記シリカは特に限定されないが、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、湿式シリカであることが好ましい。
上記シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、100~400m/gであることが好ましく、150~300m/gであることがより好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217-3:2001「第3部:比表面積の求め方-CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
<含有量>
本発明の組成物において、充填剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、5~100質量部であることが好ましい。
本発明の組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、10~50質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物が白色充填剤(特に、シリカ)を含有する場合、白色充填剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、10~50質量部であることがより好ましい。
〔任意成分〕
本発明の組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに他の成分(任意成分)を含有することができる。
上記任意成分としては、例えば、シランカップリング剤、テルペン樹脂(例えば、芳香族変性テルペン樹脂)、熱膨張性マイクロカプセル、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、オイル、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤などが挙げられる。
<シランカップリング剤>
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。シランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に限定されない。
上記加水分解性基は特に限定されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、本発明の効果がより優れる理由から、1~16であることが好ましく、1~4であることがより好ましい。炭素数1~4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記有機官能基は特に限定されないが、有機化合物と化学結合を形成し得る基であることが好ましく、例えば、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、スルフィド基(特に、ポリスルフィド基(-S-:nは2以上の整数))、メルカプト基、ブロックメルカプト基(保護メルカプト基)(例えば、オクタノイルチオ基)などが挙げられ、なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、スルフィド基(特に、ジスルフィド基、テトラスルフィド基)、メルカプト基、ブロックメルカプト基が好ましい。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤は、本発明の効果がより優れる理由から、硫黄含有シランカップリング剤であることが好ましい。
上記シランカップリング剤の具体例としては、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイル-テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル-メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル-メタクリレート-モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイル-テトラスルフィド、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述した充填剤(特にシリカ)の含有量に対して2~20質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。
<オイル>
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、オイルを含有するのが好ましい。
本発明の組成物において、上記オイルの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、10~100質量部であることが好ましく、20~50質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物において、上述した特定共重合体と上記オイルの合計の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましい。上記合計は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、100質量部以下であることがより好ましい。
〔タイヤ用ゴム組成物の調製方法〕
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄又は加硫促進剤を含有する場合は、硫黄及び加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは100~155℃)で混合し、冷却してから、硫黄又は加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
〔用途〕
本発明の組成物は、上述のとおりタイヤにしたときに氷上性能に優れるため、特にスタッドレスタイヤ(特にタイヤトレッド)に有用である。
[タイヤ]
本発明のタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造されたタイヤである。本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、空気、窒素等の不活性ガス及びその他の気体を充填することができる。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッド(キャップトレッド)に用いた(配置した)空気入りタイヤであることが好ましい。
本発明のタイヤは、スタッドレスタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示す。ただし、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
本発明のタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔重合体の製造〕
下記のとおり各重合体を製造した。
ここで、特定共重合体1~5は2種のN-アルキルアクリルアミドの共重合体であるため上述した特定共重合体に該当する。一方、比較重合体は1種のN-アルキルアクリルアミドの単独重合体(NIPAMホモポリマー)であるため上述した特定共重合体に該当しない。
<特定共重合体1>
メチルエチルケトン(MEK)中で開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いてN-t-ブチルアクリルアミド(NTBAM)とN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)とをラジカル重合により重合した(60℃、24時間)。NTBAMとNIPAMとの混合比(モル比)は25/75であった。
結果、下記式(a-1)で表される繰り返し単位a-1と下記式(b-1)で表される繰り返し単位b-1とからなる共重合体を得た。得られた共重合体について、繰り返し単位a-1の含有量は25モル%、繰り返し単位b-1の含有量は75モル%、LCSTは20℃、ガラス転移温度は120.3℃であった。得られた共重合体を特定共重合体1とする。
Figure 2022028213000005
<特定共重合体2>
NTBAMとNIPAMとの混合比(モル比)を50/50に変更した点以外は上述した特定共重合体1と同様の手順に従って共重合体を得た。
結果、上記繰り返し単位a-1と上記繰り返し単位b-1とからなる共重合体を得た。得られた共重合体において、繰り返し単位a-1の含有量は50モル%、繰り返し単位b-1の含有量は50モル%、LCSTは10℃、ガラス転移温度は111.7℃であった。得られた共重合体を特定共重合体2とする。
<特定共重合体3>
NTBAMとNIPAMとの混合比(モル比)を75/25に変更した点以外は上述した特定共重合体1と同様の手順に従って共重合体を得た。
結果、上記繰り返し単位a-1と上記繰り返し単位b-1とからなる共重合体を得た。得られた共重合体において、繰り返し単位a-1の含有量は75モル%、繰り返し単位b-1の含有量は25モル%、LCSTは0℃、ガラス転移温度は114.5℃であった。得られた共重合体を特定共重合体3とする。
<特定共重合体4>
メチルエチルケトン(MEK)中で開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いてN-t-ブチルアクリルアミド(NTBAM)とジメチルアクリルアミド(DMAAm)とをラジカル重合により重合した(60℃、24時間)。NTBAMとDMAAmとの混合比(モル比)は75/25であった。
結果、下記式(a-1)で表される繰り返し単位a-1と下記式(b-2)で表される繰り返し単位b-2とからなる共重合体を得た。得られた共重合体において、繰り返し単位a-1の含有量は75モル%、繰り返し単位b-2の含有量は25モル%、LCSTは-10℃以上0℃未満、ガラス転移温度は116℃であった。得られた共重合体を特定共重合体4とする。
Figure 2022028213000006
<特定共重合体5>
NTBAMとDMAAmとの混合比(モル比)を50/50に変更した点以外は上述した特定共重合体4と同様の手順に従って共重合体を得た。
結果、上記繰り返し単位a-1と上記繰り返し単位b-2とからなる共重合体を得た。得られた共重合体において、繰り返し単位a-1の含有量は50モル%、繰り返し単位b-2の含有量は50モル%、LCSTは15℃、ガラス転移温度は105.4℃であった。得られた共重合体を特定共重合体5とする。
<比較重合体>
メチルエチルケトン(MEK)中で開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いてN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)をラジカル重合により重合した(60℃、24時間)。
結果、下記繰り返し単位b-1からなる共重合体を得た。得られた共重合体において、繰り返し単位b-1の含有量は100モル%、LCSTは32℃、ガラス転移温度は111.3℃であった。得られた共重合体を比較重合体とする。
Figure 2022028213000007
得られた各重合体について下記表1にまとめて示す。
ここで、表1中、「NTBAM」の欄は重合体中の上記繰り返し単位a-1(NTBAMに由来する繰り返し単位)の含有量(モル%)を表し、「NIPAM」の欄は重合体中の上記繰り返し単位b-1(NIPAMに由来する繰り返し単位)の含有量(モル%)を表し、「DMAAm」の欄は重合体中の上記繰り返し単位b-2(DMAAmに由来する繰り返し単位)の含有量を表す。
Figure 2022028213000008
〔タイヤ用ゴム組成物の調製〕
下記表2に示される成分を同表に示される割合(質量部)で配合した。具体的には、まず、下記表2に示される成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃付近に温度を上げてから、5分間混合した後に放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄及び加硫促進剤を混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
〔氷上性能〕
得られたタイヤ用ゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を作製した。
得られた加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度:-1.5℃、荷重:5.5kg/cm3、ドラム回転速度:25km/時間の条件で、氷上摩擦係数を測定した。
結果を表2に示す。結果は比較例1の氷上摩擦係数を100とする指数で表した。指数が大きいほどゴムと氷との摩擦力が大きく、タイヤにしたときに氷上性能に優れる。実用上、107以上であることが好ましい。
Figure 2022028213000009
表2中の各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:TSR20(天然ゴム、ガラス転移温度(Tg):-62℃)
・BR:NIPOL BR1220(ブタジエンゴム、ガラス転移温度(Tg):-105℃、日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(キャボットジャパン社製)
・シリカ:ZEOSIL 1165MP(CTAB吸着比表面積:159m/g、ローディア社製)
・シランカップリング剤:Si69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製)
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・特定共重合体1~5及び比較重合体:上述のとおり製造された特定共重合体1~5及び比較重合体
表2から分かるように、2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体である特定共重合体を含有する実施例1~5は、優れた氷上性能を示した。
実施例1~3(NTBAM/NIPAM)の対比から、特定共重合体が上述した式(A2)で表される繰り返し単位A2(NTBAM)と上述した式(B2)で表される繰り返し単位B2(NIPAM)とを有し、繰り返し単位A2の含有量と繰り返し単位B2の含有量との比が90:10~30:70である実施例2~3は、より優れた氷上性能を示した。なかでも、繰り返し単位A2の含有量と繰り返し単位B2の含有量との比が90:10~60:40である実施例3は、さらに優れた氷上性能を示した。
実施例4~5(NTBAM/DMAAm)の対比から、特定共重合体が上述した式(A3)で表される繰り返し単位A3(NTBAM)と上述した式(B3)で表される繰り返し単位B3(DMAAm)とを有し、繰り返し単位A3の含有量と繰り返し単位B3の含有量との比が90:10~60:40である実施例4は、より優れた氷上性能を示した。
実施例3~4(75/25)の対比から、特定共重合体が上述した式(A2)で表される繰り返し単位A2(NTBAM)と上述した式(B2)で表される繰り返し単位B2(NIPAM)とを有する実施例3は、より優れた氷上性能を示した。
一方、特定共重合体を含有しない比較例1、及び、特定共重合体の代わりに1種のN-アルキルアクリルアミドの単独重合体を含有する比較例2は、氷上性能が不十分であった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (9)

  1. ジエン系ゴムと、充填剤と、2種以上のN-アルキルアクリルアミドの共重合体である特定共重合体とを含有する、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記特定共重合体が、下記式(A1)で表される繰り返し単位A1と下記式(B1)で表される繰り返し単位B1とを有する、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。ただし、前記繰り返し単位A1と前記繰り返し単位B1は異なる。
    Figure 2022028213000010
    式(A1)中、RA1は、水素原子、又は、炭素数3~10の分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRA1のうち少なくとも一方は、炭素数3~10の分岐状のアルキル基である。
    式(B1)中、RB1は、水素原子、又は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRB1のうち少なくとも一方は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。
  3. 前記特定共重合体が、下記式(A2)で表される繰り返し単位A2と下記式(B2)で表される繰り返し単位B2とを有する、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2022028213000011
    式(A2)中、RA2は、水素原子、又は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRA2のうち少なくとも一方は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。
    式(B2)中、RB2は、水素原子、又は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRB2のうち少なくとも一方は、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。
    ただし、式(A2)中の2つのRA2の合計の炭素数は、式(B2)中の2つのRB2の合計の炭素数より大きい。
  4. 前記特定共重合体が、下記式(A3)で表される繰り返し単位A3と下記式(B3)で表される繰り返し単位B3とを有する、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2022028213000012
    式(A3)中、RA3は、水素原子、又は、炭素数3~10の分岐状のアルキル基を表す。ただし、2つのRA3のうち少なくとも一方は、炭素数3~10の分岐状のアルキル基である。
    式(B3)中、RB3は、水素原子、又は、炭素数1~10の直鎖状のアルキル基を表す。ただし、2つのRB3のうち少なくとも一方は、炭素数1~10の直鎖状のアルキル基である。
  5. 前記繰り返し単位A1~A3が、N-tert-ブチルアクリルアミドに由来する繰り返し単位である、請求項2~4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記特定共重合体において、前記繰り返し単位A1~A3の含有量と前記繰り返し単位B1~B3の含有量との比が、モル比で、95:5~5:95である、請求項2~5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記充填剤の含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、5~100質量部である、請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記特定共重合体の下限臨界溶液温度が、-10℃~50℃である、請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造された、タイヤ。
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