JP2022027623A - 素子およびその製造方法、無線通信装置および薄膜トランジスタアレイ - Google Patents

素子およびその製造方法、無線通信装置および薄膜トランジスタアレイ Download PDF

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Abstract

Figure 2022027623000001
【課題】電気的リークが抑制され、搬送工程を含む製造技術にも適用可能である素子を提供すること。
【解決手段】少なくとも、基材と、前記基材上に形成された第一の電極および配線と、前記基材および前記第一の電極上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された第二の電極と、を含む素子であって、前記基材上に形成された前記誘電体層の平均膜厚(di2)と、前記基材の最大山高さ(Sp)とが、下記の関係である、素子。
50nm<Sp<di2
【選択図】 図1

Description

本発明は、素子およびその製造方法、無線通信装置および薄膜トランジスタアレイに関する。
近年、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた無線通信システムが注目されている。RFIDタグは、薄膜トランジスタ(TFT)などで構成された回路を有するICチップと、リーダ/ライタと無線通信するためのアンテナとを有する。タグ内に設置されたアンテナが、リーダ/ライタから送信される搬送波を受信し、ICチップ内の駆動回路が動作する。
RFIDタグは、物流管理、商品管理、万引き防止などの様々な用途での利用が期待されており、交通カードなどのICカード、商品タグなど一部で導入が始まっている。
今後、あらゆる商品でRFIDタグを使用するためには、製造コストの低減が必要である。そこで、RFIDタグの製造プロセスにおいて、真空や高温を使用するプロセスから脱却し、塗布・印刷技術を用いた、フレキシブルで安価なプロセスを利用することが検討されている。この動きは、RFIDタグに限らず、例えばセンサやディスプレイ用TFTアレイなどとして用いられる半導体においても見られる。
塗布技術を用いてTFTを製造する際に、例えば表面に凹凸のある基材を用いると、基材上への均一な塗布が困難であるという問題や、形成した素子に電気的リークが生じるという問題がある。そこで、凹凸のある基材表面に表面粗さの小さい層を形成することでこれらの問題を解消する手法が提案されている(例えば、特許文献1~2参照)。
特開2011-210972号公報 特開2005-289054号公報
しかしながら、特許文献1~2に記載の技術では、例えば基材上への連続的な塗布を行う等のために基材を搬送しようとする場合において、搬送不良が生じるという問題があった。
そこで本発明は、電気的リークが抑制され、搬送工程を含む製造技術にも適用可能である素子の提供を目的とする。
すなわち本発明は、
少なくとも、
基材と、
前記基材上に形成された第一の電極と、
前記基材および前記第一の電極上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された第二の電極と、
を含む素子であって、
前記基材上に形成された前記誘電体層の平均膜厚(di2)と、前記基材の最大山高さ(Sp)とが、下記の関係の素子である。
50nm<Sp<di2
本発明によれば、電気的リークが抑制され、搬送工程を含む製造技術にも適用可能である素子を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態1に係る素子の製造方法を示した模式断面図 本発明の実施の形態2に係る素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態2に係る素子の製造方法を示した模式断面図 本発明の実施の形態3に係る素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態3に係る素子の製造方法を示した模式断面図 無線通信装置の一例を示すブロック図 TFTアレイの構成例を示す模式図
以下、本発明に係る素子、素子の製造方法、無線通信装置および薄膜トランジスタアレイの好適な実施の形態を詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
<素子>
本発明の実施の形態に係る素子は、少なくとも、基材と、上記基材上に形成された第一の電極と、上記基材および上記第一の電極上に形成された誘電体層と、上記誘電体層上に形成された第二の電極と、を備えた素子であって、上記基材上に形成された上記誘電体層の平均膜厚(di2)と、上記基材の最大山高さSpとの間に、50nm<Sp<di2の関係があることを特徴とする素子である。基材上には第一の電極とともに配線が形成されていてもよい。
素子としては、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)やコンデンサ、ダイオードが挙げられる。
TFTとしては、基材上にゲート電極と、誘電体層と、ソース電極と、ドレイン電極と、ソース電極及びドレイン電極に接する半導体層とを有する素子が挙げられる。
コンデンサとしては、下部電極と、上部電極と、下部電極と上部電極の間の誘電体層とを有する素子が挙げられる。
ダイオードとしては、基材上に、ゲート電極と、誘電体層と、ソース電極と、ドレイン電極と、ソース電極及びドレイン電極に接する半導体層とを有して、ソース電極およびゲート電極が配線で電気的に接続されている素子が挙げられる。
本発明における誘電体層は、上記TFTまたはダイオードではゲート絶縁層として、コンデンサでは誘電体層として機能するものである。
[実施の形態1:TFT]
図1(a)は、本発明の実施の形態1に係る素子であるTFTを示した模式断面図である。図1(b)は、図1(a)における破線で囲まれた部分の拡大図である。本実施の形態1に係る素子は、基材1と、基材1の上に配された第一の電極であるゲート電極2および配線12と、それらの上に配された誘電体層3および13と、誘電体層3および13の上に配された第二の電極であるソース電極4およびドレイン電極5と、それらの間に配された半導体層6とを備える。配線12およびソース電極4とはコンタクトホール7部において電気的に接続される。図1(b)に示すように、基材1は表面に凹凸を有しており、例えば凸部11を有する。
(最大山高さSpと膜厚di2との関係)
本実施の形態1に係る素子は、基材1の最大山高さSpと、基材1の上に形成された誘電体層3の平均膜厚di2との間に、50nm<Sp<di2の関係があることで、電気的リークが抑制され、搬送工程を含む製造技術にも適用可能な素子となっている。ここで、最大山高さSpとはISO 25178に規定される最大山高さのことである。
その詳細な機序は不明であるが、以下のように推定される。まず、基材1の最大山高さSpが50nm以下である場合は、長尺の基材1上に何らかの部材を連続的に形成するためロールツーロール方式で印刷等を行う際に、印刷版やフォトマスクと基材との間に静電気が発生しやすく、搬送トラブルが発生する。そこで、最大山高さSpを50nmより大きくすることで、搬送トラブルを抑制することができる。また、Spがdi2より小さいことで、誘電体層3が十分な厚さを有するため、印刷または塗布方式で作成した素子の電気的リークを抑制することが可能であると考えられる。
基材1の最大山高さSpの測定方法としては、色走査型白色干渉顕微鏡による光学画像を計測する手法が挙げられる。観察範囲は1辺100μmから150μmの視野とし、無作為に抽出した視野5点について等間隔撮像を実施する。各視野について、等間隔撮像は150μmの間隔を空けた各辺3点の計9点を実施し、9点のSpを平均した値を該視野のSpとする。視野5点についての各Spの平均値を、該基材の代表値Spとして用いる。本測定方法については実施の形態2および3についても適用できる。
基材1の上に形成された誘電体層3の平均膜厚di2とは、基材1の上に配されたゲート電極2および配線12が存在しない領域における誘電体層3の平均膜厚を指す。
di2の測定方法としては、基材1上に誘電体層3が形成された膜面に垂直な断面を切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察像を計測する方法が挙げられる。SEMによる断面観察は、無作為に抽出した5個のTFTについて、基材上の誘電体層を観察することとする。観察範囲は、誘電体層厚さの4~10倍の範囲とする。得られた各断面観察像について、誘電体層の幅方向について6等分する分割線の5本上を対象として各TFTにおける平均膜厚を算出する。5個のTFTにおける各平均膜厚を平均した値をdi2とする。本測定方法については実施の形態2および3についても適用できる。
Sp<di2とするための方法は、特に制限はないが、例えばスピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコート法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法などの公知の塗布方法が挙げられる。
第一の電極の厚さ(dc)は、上記di2との間に、20nm<dc<di2の関係があることが好ましい。この範囲にすることで、電気的リークをより抑制することができる。dcは250nm以下であることが好ましい。この範囲である場合に、di2を例えば500nm以下とした時であっても、電気的リークを抑制しやすくなる。
ゲート電極2上に形成された上記誘電体層3の最小膜厚(di3)は、50nm以上であることがより好ましい。この範囲にすることで、ゲート電極上に十分な膜厚の誘電体層3が存在することになるので、電気的リークをより抑制することができる。
di3を50nm以上とするために、di2はdcの2倍以上であることが望ましい。また、dcが20~50nmである場合はdi2を100nm以上とすることが望ましい。この範囲であることでdi3を50nm以上とする確率が上がり、電気的リーク抑制に特に効果がある。
ゲート電極2上に形成された誘電体層3の最小膜厚di3とは、基材1の上に配された誘電体層3のうちゲート電極2上の領域に位置する該誘電体層の膜厚の最小値を指す。
di3の上限はdi2同様に、500nm以下であることが素子の電気特性の観点から好ましい。
di3の測定方法としては、ゲート電極2上に形成された誘電体層3の断面を切り出し、SEMによる断面観察像を計測する方法が挙げられる。SEMによる断面観察は、無作為に抽出した20個のTFTの上記断面を観察することとする。各断面として、ゲート電極2全域を観察視野に含むように画像を取得し、各画像内においてゲート電極2上の誘電体層3が最も薄い箇所を観察する。このとき、拡大倍率は10,000~50,000倍とする。一つの画像内にゲート電極2の全体が入りきらない場合や薄膜箇所の特定に高倍率が必要な場合は、画像を分割して取得し、薄膜箇所を特定しても良い。20箇所の断面においてそれぞれ誘電体層3の膜厚の最小値が得られたら、それらの中の最小値をdi3とする。本測定方法については実施の形態2および3についても適用できる。
ゲート電極2の厚さdcの測定方法としては、ゲート電極膜面に垂直な断面を切り出し、SEMによる断面観察像を計測する方法が挙げられる。SEMによる断面観察は、無作為に抽出した5箇所のゲート電極を観察することとする。観察範囲は、ゲート電極厚さの10~50倍の範囲とする。得られた各断面観察像について、ゲート電極膜の幅方向について6等分する分割線の5本上を対象として各平均膜厚を算出する。観察した5箇所の各平均膜厚を平均して算術した値をdcとする。本測定方法については実施の形態2および3についても適用できる。
(基材)
基材1は、少なくとも電極系が配置される面が絶縁性を備えており、本発明の範囲に含まれる基材であればよい。基材としては、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン等の有機材料からなる樹脂基材や、シリコンウエハ、ガラス、セラミックス等からなる無機基材が採用可能である。より安価な製造プロセスの採用のため、単位面積あたりのコストが低く、フレキシブル性に優れる材料である樹脂基材がより好ましい。
また、基材としては、表面にコート層が形成されたものであってもよい。その場合の基材はコート層を含むこととし、最大山高さSpはコート層を含んで測定することとする。コート層は易接着機能や濡れ性調整機能を持つものであってもよい。
基材1は、枚葉状であっても長尺状であってもいずれでもよい。長尺状の場合は、ロールツーロール方式による素子の製造に供することができる。
(ゲート電極および配線)
ゲート電極2および配線12に用いられる材料は、一般的に電極として使用されうる導電材料であれば、いかなるものでもよい。導電材料としては、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物;白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、パラジウム、モリブデン、アモルファスシリコン、ポリシリコンなどの金属やこれらの合金;ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質;ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン;ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との錯体など;ヨウ素などのドーピングにより導電率を向上させた導電性ポリマーなど;炭素材料など;および有機成分と導電体とを含有する材料など、が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(誘電体層)
誘電体層3および13に用いられる材料は、TFTが正常に機能する程度の絶縁性を示すものであれば特に制限はないが、ポリマーが好ましく用いられる。ポリマーとしては、例えば、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフタルアミド、ポリエーテルニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリルアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、芳香族ポリエーテル、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、脂環式オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等を用いることができる。また、これらのポリマーに他のポリマーを共重合もしくは混合したものを用いることもできる。これらの内、TFTの電気特性の向上、電気的リーク抑制の観点から、ポリシロキサンが好ましく用いられる。
誘電体層は、無機粒子を含むことが好ましい。無機粒子としては、無機物質からなる粒子であれば特に制限はない。無機粒子は熱硬化時の収縮率が小さいため、収縮応力の発生を抑制することができる。そのため、本発明の素子の耐クラック性が向上し、リーク電流を低減することができる。
誘電体層中の無機粒子は、ポリマー中に分散されていてもよいが、無機粒子が結合したポリマーとして含まれることが好ましい。
誘電体層は、薄膜であり、かつ、無機粒子の含有率が高いことが、高い静電容量の素子を得るために好ましい。しかし、無機粒子の含有率が高すぎると電気的リークの発生率が上がることが懸念される。このため誘電体層における無機粒子の含有率は10vol%以上が好ましく、15vol%以上がより好ましく、20vol%以上が特に好ましい。また、同様に含有率は、60vol%以下が好ましく、50vol%以下がより好ましく、45vol%以下が特に好ましい。
また、素子の静電容量は誘電体層の比誘電率に比例する。高い静電容量のコンデンサやオン電流の大きいTFTを得るために、誘電体層の比誘電率が5以上であることが好ましい。また、誘電体層の比誘電率は20以下であることが好ましい。ゲート絶縁層による過剰な誘電損失を防ぐことができ、特に100MHz以上の高周波帯域の電波により駆動するTFTでは、正確な動作を行うことができるからである。
このように、誘電体層における無機粒子の含有量は可能な範囲で高いことが好ましいが、一方で、無機粒子の含有率が高い場合には、誘電体層形成時のレベリング性が低下するため、基材のSpの影響を受けて電気的リークが発生しやすくなる。具体的には、基材のSpが比較的大きい場合に誘電体層における無機粒子の含有量が比較的高めであると、均一な誘電体層が形成できない場合がある。
このため、搬送工程を含む製造技術にも適用可能であり、電気的リークを抑制した上、さらに優れた電気特性を持つ素子を得る観点から、50nm<Sp<di2かつ誘電体層における無機粒子含有率が10~60vol%であることが好ましく、50nm<Sp<di2かつ誘電体層における無機粒子含有率が20~45vol%であることがより好ましく、50nm<Sp≦200nmかつ誘電体層における無機粒子含有率が20~45vol%であることがさらに好ましい。
無機粒子としては、無機物質からなる粒子であれば特に制限はないが、金属化合物または半金属化合物からなる粒子が好ましく、ポリマーとの反応性の観点から、特に無機酸化物粒子が好ましい。
金属又は半金属としては、例えば、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ランタン、セリウム、スズ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、ニオブ、タンタル及びアルミニウムからなる群から選ばれる元素が挙げられる。金属化合物又は半金属化合物としては、例えば、上記金属若しくは半金属のハロゲン化物、酸化物、窒化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩又はメタケイ酸塩が挙げられる。これらの中でも、TFTの電気特性を向上させる観点から、金属酸化物であることが好ましい。
無機粒子の形状に特に制限はないが、誘電体層の表面を平滑に保つためには、低アスペクト比の形状が好ましく、球状であることがより好ましい。
誘電体層のパターン加工性向上、及び耐クラック性向上による電気的リーク抑制の観点から、無機粒子の数平均粒子径は、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、15nm以上がさらに好ましく、20nm以上が特に好ましい。無機粒子の数平均粒子径が上記範囲内であると、誘電体層の耐クラック性を向上させ、電気的リークを抑制することができる。一方、数平均粒子径は、100nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましく、50nm以下が特に好ましい。数平均粒子径が上記範囲内であると、パターン加工性を向上させることができる。
ここで、無機粒子の数平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、以下のように測定することで求めることができる。拡大倍率を50,000~200,000倍として、ゲート絶縁層の断面を観測する。無機粒子が真球の場合、真球の直径を測定し、その粒子の粒子径とする。無機粒子が真球でない場合、最も長い径(以下、「長軸径」)及び長軸径と直交する方向において最も長い径(以下、「短軸径」)を測定し、長軸径と短軸径を平均した、二軸平均径をその粒子の粒子径とする。この粒子径測定を無作為に選んだ20個以上の粒子について行い、その算術平均を数平均粒子径とする。
また、樹脂と反応しやすくするため、無機粒子はその表面にヒドロキシ基など、樹脂と反応可能な官能基を有することが好ましい。無機粒子と樹脂との反応性が良好であると、熱硬化時に樹脂中に無機粒子が組み込まれ、熱硬化時の収縮応力の発生が抑えられるため、誘電体層の耐クラック性が向上し、電気的リークを抑制できる。
無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、フッ化マグネシウム粒子、塩化マグネシウム粒子、臭化マグネシウム粒子、酸化マグネシウム粒子、炭酸マグネシウム粒子、硫酸マグネシウム粒子、硝酸マグネシウム粒子、水酸化マグネシウム粒子、フッ化カルシウム粒子、塩化カルシウム粒子、臭化カルシウム粒子、酸化カルシウム粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸カルシウム粒子、硝酸カルシウム粒子、水酸化カルシウム粒子、フッ化ストロンチウム粒子、フッ化バリウム粒子、フッ化ランタン粒子、フッ化セリウム、酸化スズ-酸化チタン複合粒子、酸化ケイ素-酸化チタン複合粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化ハフニウム、酸化スズ粒子、酸化イットリウム粒子、酸化ニオブ粒子、酸化タンタル粒子、酸化スズ-酸化ジルコニウム複合粒子、酸化ケイ素-酸化ジルコニウム複合粒子、酸化アルミニウム粒子、チタン酸バリウム粒子、チタン酸ストロンチウム粒子又はチタン酸バリウム-チタン酸ストロンチウム複合粒子が挙げられるが、後述するポリマーとの相溶性の観点から、シリカ粒子、酸化スズ-酸化チタン複合粒子、酸化ケイ素-酸化チタン複合粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化ハフニウム、酸化スズ粒子、酸化イットリウム粒子、酸化ニオブ粒子、酸化タンタル粒子、酸化スズ-酸化ジルコニウム複合粒子、酸化ケイ素-酸化ジルコニウム複合粒子、酸化アルミニウム粒子、チタン酸バリウム粒子、チタン酸ストロンチウム粒子又はチタン酸バリウム-チタン酸ストロンチウム複合粒子が好ましい。
さらに、TFTの電気特性を向上させる観点から、酸化スズ-酸化チタン複合粒子、酸化ケイ素-酸化チタン複合粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化ハフニウム、酸化イットリウム粒子、酸化ニオブ粒子、酸化タンタル粒子、酸化スズ-酸化ジルコニウム複合粒子、酸化ケイ素-酸化ジルコニウム複合粒子、酸化アルミニウム粒子、チタン酸バリウム粒子、チタン酸ストロンチウム粒子又はチタン酸バリウム-チタン酸ストロンチウム複合粒子などの粒子がより好ましい。
シリカ粒子としては、例えば、メタノール(MA)を分散媒としたメタノールシリカゾル、イソプロピルアルコール(IPA)を分散媒としたIPA-ST、エチレングリコール(EG)を分散媒としたEG-ST、メチルエチルケトン(MEK)を分散媒としたMEK-ST、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を分散媒としたPMA-ST、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を分散媒としたPGM-ST、分散溶液が水であるスノーテックス(登録商標)OXS、分散溶液が水である同OS、分散溶液が水であるの同O、分散溶液が水である同O-50(以上、何れも日産化学工業(株)製)、IPAを分散媒としたOSCAL(登録商標)-1421、IPAを分散媒とした同-1432、MAを分散媒とした同-1132、エチレングリコールモノメチルエーテル(EGME)を分散媒とした同-1632、EGを分散媒とした同-1727BM(以上、何れも日揮触媒化成工業(株)製)、分散溶液が水であるクォートロン(登録商標)PL-06L、分散溶液が水である同PL-1、分散溶液が水である同PL-2L、分散溶液が水である同PL-3、IPAを分散媒とした同PL-1-IPA、IPAを分散媒とした同PL-2L-IPA、MAを分散媒とした同PL-2L-MA、PGMEを分散媒とした同PL-2L-PGME、ジアセトンアルコール(DAA)を分散媒とした同PL-2L-DAA(以上、何れも扶桑化学工業(株)製)などが、アルカリ現像液でのパターン加工性の観点から好ましく例示されるが、他の公知の材料も利用することができる。
酸化スズ-酸化チタン複合粒子としては、例えば、オプトレイク(登録商標)TR-502又は同TR-504が挙げられる。(以上、何れも日揮触媒化成工業(株)製)
酸化ケイ素-酸化チタン複合粒子としては、例えば、オプトレイク(登録商標)TR-503、同TR-513、同TR-520、同TR-521、同TR-527、同TR-528、同TR-529、同TR-543、同TR-544又は同TR-550が挙げられる。(以上、何れも日揮触媒化成工業(株)製)
酸化チタン粒子としては、例えば、オプトレイク(登録商標)TR-505(日揮触媒化成工業(株)製)、タイノック(登録商標)A-6、同M-6若しくは同AM-15(以上、何れも多木化学(株)製)、nSol(登録商標)101-20I、同101-20L、同101-20BL若しくは同107-20I(以上、何れもナノグラム(株)製)、TTO-51(A)、TTO-51(B)、TTO-55(A)、TTO-55(B)、TTO-55(C)、TTO-55(D)、TTO-V-4若しくはTTO-W-5(以上、何れも石原産業(株)製)、RTTAP15WT%-E10、RTTDNB15WT%-E11、RTTDNB15WT%-E12、RTTDNB15WT%-E13、RTTIBA15WT%-E6、RTIPA15WT%-NO8、RTIPA15WT%-NO9、RTIPA20WT%-N11、RTIPA20WT%-N13、RTIPA20WT%-N14若しくはRTIPA20WT%-N16(以上、何れもシーアイ化成(株)製)又はHT331B、HT431B、HT631B、HT731B若しくはHT830X(以上、何れも東邦チタニウム(株)製)が挙げられる。
酸化ジルコニウム粒子としては、ナノユース(登録商標)ZR-30BL、同ZR-30BS、同ZR-30BH、同ZR-30AL、同ZR-30AH若しくは同OZ-30M(以上、何れも日産化学工業(株)製)又はZSL-M20、ZSL-10T、ZSL-10A若しくはZSL-20N(以上、何れも第一稀元素化学工業(株)製)が挙げられる。
酸化スズ粒子としては、セラメース(登録商標)S-8又は同S-10(以上、何れも多木化学(株)製)が挙げられる。
酸化ニオブ粒子のバイラール(登録商標)Nb-X10(多木化学(株)製)が挙げられる。
その他の無機粒子としては、酸化スズ-酸化ジルコニウム複合粒子(触媒化成工業(株)製)、酸化スズ粒子又は酸化ジルコニウム粒子(以上、何れも(株)高純度化学研究所製)が挙げられる。
ポリマーは、溶媒に可溶性のものが好ましく、その骨格は直鎖状、環状、分岐状の何れも用いられる。また側鎖には架橋性やの官能基や、極性を有する官能基や、ポリマーの種々の特性を制御する官能基が導入されていることが好ましい。これらの特性を制御したポリマーを用いることによって、素子の作製工程においては例えば、塗布性、表面の平坦性、耐溶剤性、透明性、他インクの良好な濡れ性などが得られ、さらには素子形成後の耐久性や安定性などに優れた、良好な素子を得ることができるため、上記のポリマーが好ましい。
上記ポリマーは、少なくとも、一般式(1)で表される構造単位を有するポリシロキサンを含有することが好ましい。
Figure 2022027623000002
一般式(1)において、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルケニル基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはシリル基を表す。mは0または1を表す。Aは、カルボキシル基、スルホ基、チオール基、フェノール性水酸基またはそれらの誘導体を少なくとも二つ含む有機基を表す。ただし、前記誘導体が、前記カルボキシル基、スルホ基、チオール基およびフェノール性水酸基のうちの二つによる環状縮合構造である場合は、Aは当該環状縮合構造を少なくとも一つ有する有機基を表す。
このようなポリシロキサンは、国際公開第2018/097042号に詳細に説明されており、本発明において好適に利用することができる。
(ソース電極、ドレイン電極)
ソース電極4およびドレイン電極5に用いられる材料は、ゲート電極に用いられる材料と同じ材料であってよいが、少なくとも金属粒子と有機成分とを含むことが好ましい。金属粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、錫、ビスマス、鉛、亜鉛、パラジウム、白金、アルミニウム、タングステン、モリブデンまたは炭素などが挙げられる。より好ましい金属粒子は、金、銀、銅、ニッケル、錫、ビスマス、鉛、亜鉛、パラジウム、白金、アルミニウムおよび炭素からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含有する金属粒子である。これらの金属粒子は、単独で用いられてもよいし、合金として用いられてもよいし、混合粒子として用いられてもよい。
有機成分としては、特に制限はないが、モノマー、オリゴマー、ポリマー、光重合開始剤、カルボキシル基を有する化合物、重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、顔料などが挙げられる。
オリゴマーもしくはポリマーとしては、特に限定されず、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリイミドなどを用いることができる。これらの中でも、電極を屈曲した時の耐クラック性の観点から、アクリル樹脂が好ましい。これは、アクリル樹脂のガラス転移温度が100℃以下であり、導電膜の熱硬化時に軟化し、金属粒子間の結着が高まるためと推定される。
アクリル樹脂とは、繰返し単位に少なくともアクリル系モノマーに由来する構造を含む樹脂である。アクリル系モノマーの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2-ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート等が挙げられ、これらのアクリル系モノマーは、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
モノマーとしては、炭素-炭素二重結合を有する化合物を用いることができる。モノマーの具体例としては、前述のアクリル系モノマーに加え、スチレン、α-メチルスチレン、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、構成モノマーの一部として不飽和カルボン酸等の不飽和酸を用いたアクリル樹脂、カルボキシル基を有する界面活性剤、カルボキシル基を有するその他の添加剤が挙げられる。
有機成分として、少なくとも、炭素-炭素二重結合を有する化合物と、カルボキシル基を有する化合物とを含有することが好ましい。少なくともこれらの化合物を含有することにより、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合などの重合反応による硬化反応性と、アルカリ現像液に対する溶解性を付与することができるため、感光性導電ペーストを作製でき、フォトリソグラフィによる微細なパターン加工が可能となる。
(半導体層)
本発明における半導体層は、半導体性を有するものであれば特に制限はなく、シリコン半導体や酸化物半導体等の無機半導体、ペンタセンやポリチオフェン誘導体等の有機半導体、カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェン等のカーボン半導体を用いることができる。これらの中でも、CNTは、キャリア移動度が高く、低コストで簡便な塗布プロセスが適用できる点で優れている。
CNTとしては、1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTのいずれを用いてもよく、これらを2種以上用いてもよい。半導体の特性を示すという観点から単層CNTを用いることが好ましい。単層CNTが半導体型単層CNTを90質量%以上含むことがより好ましい。さらに好ましくは単層CNTが半導体型単層CNTを95質量%以上含むことである。
さらに、CNT表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着した、CNT複合体は、溶液中での分散安定性に優れ、低ヒステリシスが得られるため、特に好ましい。共役系重合体がCNTの表面の少なくとも一部に付着した状態とは、CNT表面の一部、あるいは全部を共役系重合体が被覆した状態を意味する。共役系重合体がCNTを被覆できるのはそれぞれの共役系構造に由来するπ電子雲が重なることによって相互作用が生じるためと推測される。CNTが共役系重合体で被覆されているか否かは、被覆されたCNTの反射色が被覆されていないCNTの色から共役系重合体の色に近づくことで判別できる。定量的には元素分析やX線光電子分光法などによって付着物の存在とCNTに対する付着物の質量比を同定することができる。また、CNTに付着させる共役系重合体は、分子量、分子量分布や構造に関わらず用いることができる。
上記のCNTを被覆する共役系重合体としては、ポリチオフェン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリ-p-フェニレン系重合体、ポリ-p-フェニレンビニレン系重合体、チオフェンユニットとヘテロアリールユニットを繰り返し単位中に有するチオフェン-ヘテロアリーレン系重合体などが挙げられ、これらを2種以上用いてもよい。上記重合体は、単一のモノマーユニットが並んだもの、異なるモノマーユニットをブロック共重合したもの、ランダム共重合したもの、また、グラフト重合したものなどを用いることができる。
また、半導体層は、CNT複合体と有機半導体を混合して用いてもよい。有機半導体中にCNT複合体を均一に分散させることにより、有機半導体そのものの特性を維持しつつ、低ヒステリシスを実現することが可能となる。好ましく用いられる有機半導体としては、国際公開第2019/065561号に記載されているもの等、公知のものが挙げられる。
半導体層は、他のカーボン材料を含んでもよい。ここで用いられる他のカーボン材料としては、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。
半導体層は、さらに絶縁性材料を含んでもよい。ここで用いられる絶縁性材料としては、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリマー材料が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
(素子の製造方法)
本発明における誘電体層の形成方法は、特に制限はなく、真空蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、メッキ、CVD、イオンプレーティングコーティング、インクジェット、印刷、塗布方法などの技術が挙げられる。塗布方法としては、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法などの公知の塗布法が挙げられる。コストおよび効率の観点から塗布法による形成が好ましい。また、誘電体層の塗布工程が前記基材をロールツーロール方式で搬送する工程を含むことが好ましい。
以下、図1に示す構造の素子を製造する場合を例に挙げて、本発明の実施の形態1に係る素子の製造方法を具体的に説明する。
まず、図2(a)に示すように、基材1の上にゲート電極2および配線12を形成する。これらの形成方法としては、特に制限はなく、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、メッキ、化学気相成長法(CVD)、イオンプレーティングコーティング、インクジェット、印刷などの、公知技術を用いた方法が挙げられる。また、電極の形成方法の別の例として、有機成分および導電体を含むペーストを、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法などの、公知の技術で、絶縁基板上に塗布し、オーブン、ホットプレート、赤外線などを用いて乾燥を行い、形成する方法などが挙げられる。第一の電極群の形成は間欠形成であっても連続塗布であってもよい。
また、電極パターンの形成方法としては、上記方法で作製した電極薄膜を、公知のフォトリソグラフィ法などで所望の形状にパターン形成してもよいし、あるいは、電極物質の蒸着やスパッタリング時に、所望の形状のマスクを介することで、パターンを形成してもよい。
次に、図2(b)に示すように、ゲート電極2および配線12の上に誘電体層3、13を形成する。誘電体層3、13の作製方法は、特に制限はないが、ロールツーロール方式に適性があることから、塗布法が好ましい。例えば、誘電体層を形成する材料を含む組成物を基板に塗布し、乾燥することで得られたコーティング膜を、フォトリソグラフィ法でコンタクトホール7を形成した後、必要に応じ熱処理する方法が挙げられる。
また、誘電体層パターンの形成方法としては、上記方法で作製した誘電体層を、露光法などで所望の形状にパターン形成してもよいし、あるいは、印刷時に、所望の形状のマスクを介することで、パターンを形成してもよい。パターンには、配線12とソース電極4とを接続する配線に用いるコンタクトホール7を有してもよい。
露光法としては、通常のフォトリソグラフィで行われるように、フォトマスクを介して露光する方法が一般的である。また、レーザー光等で直接描画する方法を用いても構わない。露光装置としては、例えば、ステッパー露光機又はプロキシミティ露光機が挙げられる。この際使用される活性光源としては、例えば、近紫外線、紫外線、電子線、X線又はレーザー光等が挙げられるが、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ又は殺菌灯が挙げられるが、超高圧水銀灯が好ましい。
現像法としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ現像液を用いて、基板を静置又は回転させながら現像液をスプレーする方法、基板を現像液中に浸漬する方法などが挙げられる。現像により得られたパターンは、水やアルコール水溶液によるリンス処理を施しても構わない。
さらに、必要に応じて、得られたパターンをキュアすることも好ましい。キュアする方法としては、例えば、オーブン、イナートオーブン、ホットプレート若しくは赤外線等による加熱乾燥又は真空乾燥が挙げられる。この形成方法により、微細な配線パターンを簡便に形成することができる。
次に、図2(c)に示すように、誘電体層3の上部に半導体層6を形成する。半導体層6の形成方法としては、抵抗加熱蒸着、電子線、スパッタリング、CVDなど乾式の方法を用いることも可能であるが、製造コストや大面積への適合の観点から塗布法を用いることが好ましい。塗布法としては、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコート法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法などの公知の塗布方法が挙げられる。塗膜厚み制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択できる。これらの方法を用いて、半導体層と、ソース電極4およびドレイン電極5となる導電性パターンとが、お互いに接するように半導体層を形成する。なお、半導体層を形成した後に、ソース電極およびドレイン電極を形成してもよい。
特に、CNTを含有する半導体層を形成する場合は、CNTを含む溶液を、ゲート絶縁膜上に塗布することが好ましい。この場合、塗布する方法に特に制限は無いが、インクジェット法を用いることが、溶液の使用量を削減し、生産性を高めることができる点で優れている。CNTを含む溶液は、超音波ホモジナイザーなど公知の分散装置を用いた撹拌処理によって、CNTを溶媒中で撹拌することにより作製することができる。
半導体層を塗布にて形成する場合、形成した塗膜に対して、大気下、減圧下または不活性ガス(窒素やアルゴン)雰囲気下で乾燥処理を行う。乾燥温度は50~150℃が好ましい。
次に、図2(d)に示すように、誘電体層3、13、ゲート電極2および半導体層6の上部にソース電極4ドレイン電極5を形成する。これらの形成方法としては、少なくとも金属粒子および有機成分を含有するペーストを塗布し、乾燥、露光、現像を含む工程を通して第二の電極群を形成することがより好ましい。
塗布法としては、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法などの、公知の技術が挙げられる。乾燥法としては、オーブン、ホットプレート、赤外線などを用いた乾燥法が挙げられる。
露光法としては、通常のフォトリソグラフィで行われるように、フォトマスクを介して露光する方法が一般的である。また、レーザー光等で直接描画する方法を用いても構わない。露光装置としては、例えば、ステッパー露光機又はプロキシミティ露光機が挙げられる。この際使用される活性光源としては、例えば、近紫外線、紫外線、電子線、X線又はレーザー光等が挙げられるが、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ又は殺菌灯が挙げられるが、超高圧水銀灯が好ましい。
現像法としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ現像液を用いて、基板を静置又は回転させながら現像液をスプレーする方法、基板を現像液中に浸漬する方法などが挙げられる。現像により得られたパターンは、水やアルコール水溶液によるリンス処理を施しても構わない。
さらに、必要に応じて、得られたパターンをキュアすることも好ましい。キュアする方法としては、例えば、オーブン、イナートオーブン、ホットプレート若しくは赤外線等による加熱乾燥又は真空乾燥が挙げられる。この形成方法により、微細な配線パターンを簡便に形成することができる。
[実施の形態2:コンデンサ]
図3(a)は、本発明の実施の形態2に係る素子であるコンデンサを示した模式断面図である。図3(b)は、図3(a)における破線で囲まれた部分の拡大図である。この構造では、基材21上に、第一の電極である下部電極22、誘電体層23、および第二の電極である上部電極24を有する。下部電極22と上部電極24とは電気的に接続されておらず、これらの間に誘電体層23が形成されている。図3(b)に示すように、基材1は表面に凹凸を有しており、例えば凸部31を有する。
この実施の形態2は、素子がコンデンサであることを除いては、実施の形態1における特徴と同様の点があてはまる。
本実施の形態2において、基材21の上に形成された誘電体層23の平均膜厚di2とは、基材21の上に配された下部電極22が存在しない領域における誘電体層23の平均膜厚を指す。
本実施の形態2において、下部電極22上に形成された誘電体層23の最小膜厚di3とは、基材21の上に配された誘電体層23のうち下部電極22上の領域に位置する該誘電体層23の膜厚の最小値を指す。
(素子の製造方法)
以下、図3に示す構造の素子を製造する場合を例に挙げて、本実施の形態2に係る素子の製造方法を具体的に説明する。
まず、図4(a)に示すように、基材1の上に下部電極22を形成する。次に、図4(b)に示すように、誘電体層23を形成する。次に、図4(c)に示すように、誘電体層23の上部に上部電極24を形成する。各構成部材の形成方法の具体的な操作については、実施の形態1に係る素子の場合と同様である。
[実施の形態3:ダイオード]
図5(a)は、本発明の実施の形態3に係る素子であるダイオードを示した模式断面図である。図5(b)は、図5(a)における破線で囲まれた部分の拡大図である。この構造では、基材41と、基材41の上に配された第一の電極であるゲート電極42と、それらの上に配された誘電体層43および53と、誘電体層43および53の上に配された第二の電極であるソース電極44およびドレイン電極45と、それらの間に配された半導体層46とを備える。ゲート電極42とソース電極44はコンタクトホール47部において電気的に接続されている。図4(b)に示すように、基材41は表面に凹凸を有しており、例えば凸部51を有する。
この実施の形態3は、素子がダイオードであることを除いては、実施の形態1における特徴と同様の点があてはまる。
本実施の形態3において、基材41の上に形成された誘電体層43の平均膜厚di2とは、基材41の上に配されたゲート電極42が存在しない領域における誘電体層43の平均膜厚を指す。
本実施の形態3において、ゲート電極42上に形成された誘電体層43の最小膜厚di3とは、基材41の上に配された誘電体層43のうちゲート電極42上の領域に位置する該誘電体層43の膜厚の最小値を指す。
(素子の製造方法)
以下、図5に示す構造の素子を製造する場合を例に挙げて、本実施の形態3に係る素子の製造方法を具体的に説明する。
まず、図6(a)に示すように、基材41の上にゲート電極42を形成する。次に、図6(b)に示すように、誘電体層43、53を形成する。次に、図6(c)に示すように、誘電体層43の上部に半導体層46を形成する。次に、図6(d)に示すように、誘電体層43、53、ゲート電極42および半導体層46の上部にソース電極44ドレイン電極45を形成する。各構成部材の形成方法の具体的な操作については、実施の形態1に係る素子の場合と同様である。
(素子の適用可能性)
本発明の実施の形態に係る素子は、各種電子機器のIC、RFIDタグなどの無線通信装置、ディスプレイ用TFTアレイ、センサ、開封検知システムなどに適用可能である。
<無線通信装置>
次に、本発明の素子を含有する無線通信装置について説明する。この無線通信装置は、例えば商品タグ、万引き防止タグ、各種チケットやスマートカードのような、無線電波を用いて情報の通信を行う装置である。
無線通信装置は、上述の素子と、アンテナと、を少なくとも有するものである。本発明の実施の形態に係る無線通信装置の、より具体的な構成としては、例えば、図7に示すようなものが挙げられる。これは、アンテナ100で受信した外部からの変調波信号の整流を行い各部に電源を供給する電源生成部と、上記変調波信号を復調して制御回路へ送る復調回路と、制御回路から送られたデータを変調してアンテナに送り出す変調回路と、復調回路で復調されたデータの記憶回路への書込み、および記憶回路からデータを読み出して変調回路への送信を行う制御回路と、で構成され、各回路部が電気的に接続されている。上記電源生成部、復調回路、制御回路、変調回路、記憶回路の少なくともいずれか1つ以上は本発明の実施の形態にかかる素子を含み、さらに抵抗素子を含んでいても良い。なお、上記記憶回路は、さらに、製造時に情報が書き込まれる読み取り専用の記憶部や、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、FeRAM(Ferroelectric Randam Access Memory)等の、不揮発性の書換え可能な記憶部を有していてもよい。上記電源生成部は、本発明の実施の形態に係るコンデンサと、ダイオードとから構成される。
アンテナ、抵抗素子、不揮発性の書き換え可能な記憶部は、一般的に使用されるものであればよく、用いられる材料、形状は特に限定はされない。また、上記の各構成要素を電気的に接続する材料も、一般的に使用されうる導電材料であればいかなるものでもよい。各構成要素の接続方法も、電気的に導通を取ることができれば、いかなる方法でもよい。各構成要素の接続部の幅や厚みは、任意である。
<TFTアレイ>
本発明の実施の形態に係るTFTを用いて、TFTアレイを得ることができる。図8は、TFTアレイの一例を示す模式図である。図8に示すように、TFTアレイ200は、二本のゲート線250、260と、二本のソース線270、280と、四つのTFT210、220、230、240とを含む。ゲート線250はTFT210、230のゲート電極と電気的に結合し、ゲート線260はTFT220、240のゲート電極と電気的に結合している。ソース線270はTFT210、220のソース電極と電気的に結合し、ソース線280はTFT230、240のソース電極と電気的に結合している。なお、図8には説明の簡略化のために四つのTFTを含むTFTアレイ200が例示されているが、ゲート線、ソース線およびTFTの数は任意に変更してもよい。
ゲート線、ソース線、TFTを電気的に接続する材料は、特に制限はないが、例えば、一般的に使用される導電材料を用いることができる。上記接続の方法も、電気的に導通を取ることができれば、いかなる方法でもよい。また、接続部の幅や厚みは、任意である。
本発明の実施の形態にかかるTFTアレイは、例えば、アクティブマトリクス駆動の液晶ディスプレイや電子ペーパーなどに用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(感光性ペーストの作製)
合成例1;化合物P1(感光性有機成分)
共重合比率(質量基準):エチルアクリレート(以下、「EA」)/メタクリル酸2-エチルヘキシル(以下、「2-EHMA」)/スチレン(以下、「St」)/グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」)/アクリル酸(以下、「AA」)=20/40/20/5/15。
窒素雰囲気の反応容器中に、750gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「DMEA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、100gのEA、200gの2-EHMA、100gのSt、75gのAA、4gの2,2’-アゾビスイソブチロニトリルおよび50gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、5gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、25gのGMA、5gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび50gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、化合物P1を得た。
合成例2;化合物P2(感光性有機成分)
共重合比率(質量基準):2官能エポキシアクリレートモノマー(エポキシエステル3002A;共栄社化学(株)製)/2官能エポキシアクリレートモノマー(エポキシエステル70PA;共栄社化学(株)製)/GMA/St/AA=20/40/5/20/15。
窒素雰囲気の反応容器中に、750gのDMEAを仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、100gのエポキシエステル3002A、200gのエポキシエステル70PA、100gのSt、75gのAA、4gの2,2’-アゾビスイソブチロニトリルおよび50gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、5gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、25gのGMA、5gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび50gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、化合物P2を得た。
合成例3;化合物P3(感光性有機成分)
化合物P2のウレタン変性化合物
窒素雰囲気の反応容器中に、500gのDMEAを仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、感光性成分P2を50g、16.5gのn-ヘキシルイソシアネートおよび50gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、ウレタン結合を有する化合物P3を得た。
調製例;感光性ペーストA
500mlクリーンボトルに、上記により得られた化合物P1を80g、化合物P3を20g、ライトアクリレートBP-4EA(共栄社化学(株)製)を10g、光重合開始剤OXE-01(BASFジャパン株式会社製)20g、酸発生剤SI-110(三新化学工業株式会社製)を3g、γ-ブチロラクトン(三菱ガス化学株式会社製)を50g入れ、自転-公転真空ミキサー“あわとり練太郎”(登録商標)(ARE-310;(株)シンキー製)で混合し、感光性樹脂溶液1を178g(固形分78.5質量%)を得た。得られた感光性樹脂溶液1を80gと平均粒子径0.06μmのAg粒子420gを混ぜ合わせ、3本ローラー“EXAKT M-50”(商品名、EXAKT社製)を用いて混練し、500gの感光性ペーストAを得た。
(誘電体層の作製例)
誘電体層の作製例では、ポリマー溶液Aを作製した。具体的には、まず、メチルトリメトキシシラン(61.29g(0.45モル))、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(12.31g(0.05モル))、およびフェニルトリメトキシシラン(99.15g(0.5モル))を、203.36gのプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点170℃)に溶解した。これに、水(54.90g)およびリン酸(0.864g)を、撹拌しながら加えた。これによって得られた溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分を留出させた。ついで、バス温130℃で2時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水とプロピレングリコールモノブチルエーテルとからなる成分を留出させた。その後、室温まで冷却し、固形分濃度26.0重量%のポリシロキサン溶液A3を得た。得られたポリシロキサン溶液A3中のポリシロキサンの重量平均分子量は、6000であった。
つぎに、得られたポリシロキサン溶液A3を30gはかり取り、これに、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、PGMEAという)を163.2g混合して、室温にて2時間撹拌した。このようにして、ポリマー溶液Aを得た。
(基材の最大山高さの測定)
色査型白色干渉顕微鏡(VS1540(株)日立製作所製)を用いて、基材のSpを測定した。観察範囲は倍率を50倍とし、視野5点について等間隔撮像を実施した。各視野について、等間隔撮像は150μmの間隔を空けた各辺3点の計9点を実施し、各点についてSpを算出し、9点のSpを平均した値を該視野のSpとした。視野5点についての各Spの平均値を、該基材の代表値Spとして評価した。
(実施例1)
実施例1では、本発明の実施の形態2に係る素子(図3参照)において、コンデンサをロールツーロール方式にて連続して作製した。コンデンサは下記フォトマスクのデザインでフィルム上における配置を設計した。マスクの中心を基準に、各コンデンサの中心座標を10.5mmの間隔となるように上下左右に均等に配置した。該フォトマスクを用いた1ピッチの露光で約1,000個のコンデンサが得られる。
具体的には、まず、基材21(U324、東レ(株)製、幅300mm、長さ50m、膜厚50μm)上に、抵抗加熱法により、銅を100nm全面に真空蒸着した。その上にフォトレジスト(商品名「LC100-10cP」、ローム・アンド・ハース(株)製)をスリット塗布で全面連続印刷し、100℃で4分熱風乾燥炉にて加熱乾燥した。作製したフォトレジスト膜を、第一の電極2がデザインされたフォトマスクを介して、露光量60mJ/cm(波長365nm換算)、送り量420mmで100ショット露光を行った。フォトマスクにデザインされた第一の電極は500μm四方とした。露光した後、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で30秒間現像し、次いで水で1分間洗浄した。その後、混酸(商品名SEA-5、関東化学(株)製)で30秒間エッチング処理した後、水で30秒間洗浄した。AZリムーバ100(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)に2分間浸漬してレジストを剥離し、水で30秒間洗浄後、水滴をエアナイフで除去後、80℃で60秒間熱風乾燥炉にて加熱乾燥することによって、下部電極22を形成した。(図4(a)参照)
その後、誘電体層となるポリマー溶液Aをスリット塗布で全面連続印刷し、熱風乾燥炉にて大気雰囲気下、100℃で3分間熱処理し、IR乾燥炉にて窒素雰囲気下150℃で20分間熱処理することによって、膜厚400nmの誘電体層23を形成した(図4(b)参照)。
次に、上記誘電体層上に感光性ペーストAを印刷サイズ280mm×400mmで第一の電極を形成した際の露光エリアと重なるようにスクリーン印刷にて送り量420mmで100ショット塗布し、熱風乾燥炉にて100℃、4分間プリベークを行った。その後、第二の電極4がデザインされたフォトマスクを介して、感光性ペーストAが塗布されたエリアと重なるように、露光量80mJ/cm(波長365nm換算)、送り量420mmピッチで全線露光を行った。露光した後、0.5%のNaCO溶液で30秒間現像し、超純水で60秒間洗浄後、IR乾燥炉で150℃、10分間キュアを行った。これにより、コンデンサを作製した(図4(c))。
得られたコンデンサについて以下の[1]~[5]で説明する各評価を行った。また、誘電体層の無機粒子の体積分率の測定および比誘電率の測定を国際公開第2019/065561号に記載の方法で測定した[6]。結果を表1に示す。
[1]誘電体層の平均膜厚di2の測定
作製したコンデンサから5個を無作為に選択し、基材上に誘電体層が形成された膜面に垂直な断面を切り出し、SEM(JSM-6010PLUS/LA日本電子製(株))により断面観察像を計測した。断面観察は、抽出した5個のコンデンサの断面について、観察範囲は、誘電体層厚さの10倍の範囲とした。得られた各断面観察像について、誘電体層の幅方向について6等分する分割線の5本上を対象として各平均膜厚を算出した。観察した5個のコンデンサの各平均膜厚を平均した値をdi2とした。
[2]誘電体層の最小膜厚di3の測定
第一の電極上に形成された誘電体層の断面を切り出し、SEM(JSM-6010PLUS/LA日本電子製(株))により断面観察像を計測した。断面観察は、作製したコンデンサから20個を無作為に選択し、その断面を観察した。観察範囲は、対象となる第一の電極上の誘電体層について、まず拡大倍率30,000倍で全域の画像を取得し、薄膜箇所を特定した。特定した薄膜箇所についてさらに拡大倍率50,000倍で撮像し、膜厚を測定した。20個のコンデンサの中で最も薄い膜厚であった箇所の数値をdi3とした。
[3]第一の電極厚さdcの測定
第一の電極膜面に垂直な断面を切り出し、SEM(JSM-6010PLUS/LA日本電子製(株))により断面観察像を計測した。断面観察は、無作為に抽出した5箇所の第一の電極を観察することとする。観察範囲は、第一の電極厚さの40倍の範囲とした。得られた各断面観察像について、第一の電極膜の幅方向について6等分する分割線の5本上を対象として各平均膜厚を算出した。観察した5箇所の各平均膜厚を平均した値をdcとした。
[4]ロールツーロールプロセス適性の評価
フォトマスクを介して露光を行う際に、フォトマスクと基材が張り付き、搬送時のシワ、蛇行の問題が発生するか否かを確認した。このような問題が発生した場合を搬送適性なしと評価した。
[5]リーク率の評価
作製したコンデンサの中で無作為に抽出した100個について、印加電圧(Ve)を変えたときの電極間電流(Ie)を測定した。測定には半導体特性評価システム4200-SCS型(ケースレーインスツルメンツ(株)製)を用い、大気中(気温20℃、湿度35%)で測定した。電極面積0.25mmの素子について、Ve=10VにおけるIeが10-8A以上の素子を短絡素子として、以下の基準で評価を行った。
A(非常に良好):短絡が見られた素子数が100個中1個以下。
B(良好):短絡が見られた素子数が100個中2個以上5個未満。
C(可):短絡が見られた素子数が100個中5個以上20個未満。
D(不可):短絡が見られた素子数が100個中20個以上。
(実施例2)
基材としてU324のかわりにU40(東レ(株)製)を使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(実施例3)
基材としてU324のかわりにU403(東レ(株)製)を使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(実施例4)
基材としてU324のかわりにU48(東レ(株)製)を使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(実施例5)
誘電体層としてポリマー溶Aのかわりに国際公開第2019/065561号の実施例2に記載の方法で得たポリマー溶液Bを使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(実施例6)
誘電体層としてポリマー溶液Aのかわりに国際公開第2019/065561号の実施例1に記載の方法で得たポリマー溶液Cを使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(実施例7)
誘電体層としてポリマー溶液Aのかわりに国際公開第2019/065561号の実施例3に記載の方法で得たポリマー溶液Dを使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(実施例8)
誘電体層としてポリマー溶液Aのかわりに国際公開第2019/065561号の実施例4に記載の方法で得たポリマー溶液Eを使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(実施例9)
誘電体層としてポリマー溶液Aのかわりに国際公開第2019/065561号の実施例5に記載の方法で得たポリマー溶液Fを使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(比較例1)
基材としてU324のかわりにAF2000(アイム(株)製)を使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の[1]~[6]と同様の評価をした。評価結果を、表1に示す。
(比較例2)
基材としてU324のかわりにU41(東レ(株)製)を使用した他は実施例1と同様の方法で、実施例1の実施例1の[1]~[6]と同様の評価をしようとしたが、搬送トラブルが発生し、素子を形成できなかった。
Figure 2022027623000003
1 基材
2 ゲート電極
3 誘電体層
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 半導体層
7 コンタクトホール
11 凸部
12 配線
13 誘電体層
21 基材
22 下部電極
23 誘電体層
24 上部電極
31 凸部
41 基材
42 ゲート電極
43 誘電体層
44 ソース電極
45 ドレイン電極
46 半導体層
47 コンタクトホール
51 凸部
53 誘電体層
100 アンテナ
200 TFTアレイ
210 TFT
220 TFT
230 TFT
240 TFT
250 ゲート線
260 ゲート線
270 ソース線
280 ソース線

Claims (14)

  1. 少なくとも、
    基材と、
    前記基材上に形成された第一の電極と、
    前記基材および前記第一の電極上に形成された誘電体層と、
    前記誘電体層上に形成された第二の電極と、
    を含む素子であって、
    前記基材上に形成された前記誘電体層の平均膜厚(di2)と、前記基材の最大山高さ(Sp)とが、下記の関係である、素子。
    50nm<Sp<di2
  2. 前記第一の電極の厚さ(dc)と、前記基材上に形成された前記誘電体層の平均膜厚(di2)とが、下記の関係である、請求項1に記載の素子。
    20nm<dc<di2
  3. 前記第一の電極上に形成された前記誘電体層の最小膜厚(di3)が50nm以上である請求項1または2に記載の素子。
  4. 前記誘電体層の平均膜厚(di2)が1μm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の素子。
  5. 前記誘電体層または前記第一の電極と接する前記基材の最大山高さ(Sp)が200nm以下である、請求項1~4のいずれかに記載の素子。
  6. 前記誘電体層が無機粒子とポリマーとを含む、請求項1~5のいずれかに記載の素子。
  7. 前記ポリマーが、少なくとも、一般式(1)で表される構造単位を有するポリシロキサンを含有することを特徴とする、請求項6に記載の素子。
    Figure 2022027623000004
    (一般式(1)において、Rは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基又はアルケニル基を表す。R2は、水素、アルキル基、シクロアルキル基又はシリル基を表す。mは0又は1を表す。Aは、カルボキシル基、スルホ基、チオール基、フェノール性水酸基又はそれらの誘導体を少なくとも二つ含む有機基を表す。ただし、前記誘導体が、前記カルボキシル基、スルホ基、チオール基およびフェノール性水酸基のうちの二つによる環状縮合構造である場合は、Aは当該環状縮合構造を少なくとも一つ有する有機基を表す。)
  8. 前記誘電体層中の無機粒子の含有率が10~60vol%である請求項6または7に記載の素子。
  9. 前記素子がコンデンサ、薄膜トランジスタまたはダイオードから選ばれる、請求項1~8のいずれかに記載の素子。
  10. 前記薄膜トランジスタが半導体層にカーボンナノチューブを含む、請求項9に記載の素子。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の素子の製造方法であって、前記誘電体層が塗布法により形成される、素子の製造方法。
  12. 前記誘電体層の塗布工程が前記基材をロールツーロール方式で搬送する工程を含む、請求項11に記載の素子の製造法。
  13. 請求項1~10のいずれかに記載の素子と、アンテナと、を少なくとも有する無線通信装置。
  14. 請求項1~10のいずれかに記載の素子を有する薄膜トランジスタアレイ。
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