JP2022027422A - 免疫賦活用食品組成物及び免疫賦活剤 - Google Patents

免疫賦活用食品組成物及び免疫賦活剤 Download PDF

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Abstract

【課題】免疫賦活用食品組成物、免疫賦活剤、マクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物及びマクロファージ一酸化窒素産生促進剤を提供する。【解決手段】パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活用食品組成物、免疫賦活剤、マクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物及びマクロファージ一酸化窒素産生促進剤により解決される。乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であり、ユーグレナ由来物質がパラミロンであると好適である。乳酸菌と組み合わせたときの相乗効果は、パラミロンよりもユーグレナの方が大きいことが示唆された。【選択図】図1

Description

本発明は、免疫賦活用食品組成物、免疫賦活剤、マクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物及びマクロファージ一酸化窒素産生促進剤に関する。
近年、健康の維持における重要な要素として、免疫力の向上が注目されている。免疫は、身体に侵入する細菌やウイルスなどの異物から身体を防御する仕組みである。風邪やインフルエンザ、更には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行もあり、免疫力を向上させる機能である免疫賦活作用を有する食品組成物や剤が求められている。乳酸菌やビフィズス菌には、免疫賦活作用を示すものがあることが知られており、食品組成物に用いられている。
一方で、食糧、飼料、燃料等としての利用が有望視されている生物資源として、ユーグレナ(属名:Euglena、和名:ミドリムシ)が注目されている。ユーグレナは、ビタミン,ミネラル,アミノ酸,不飽和脂肪酸など、人間が生きていくために必要な栄養素の大半に該当する59種類もの栄養素を備え、多種類の栄養素をバランスよく摂取するためのサプリメントとしての利用や、必要な栄養素を摂取できない貧困地域での食糧供給源としての利用の可能性が提案されている。
特許文献1には、ユーグレナ細胞又はユーグレナ細胞抽出物を有効成分とする乳酸菌生育促進剤が、乳酸菌の生育を促進することが記載されている。
特開平7-99967号公報
効果的に免疫力を高めることが可能な食品組成物や剤が求められている。本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、免疫力を高めることが可能な免疫賦活用食品組成物及び免疫賦活剤を提供することにある。また、本発明の他の目的は、マクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物及びマクロファージ一酸化窒素産生促進剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、ユーグレナに含まれるパラミロンを乳酸菌と組み合わせることで効果的に免疫を賦活化させること、マクロファージの一酸化窒素産生を促進することを見出して、本発明をするに至った。
したがって、前記課題は、本発明の免疫賦活用食品組成物によれば、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有することにより解決される。
このとき、前記乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であるとよい。
このとき、前記ユーグレナ由来物質がパラミロンであるとよい。
このとき、前記免疫賦活用食品組成物が乳酸菌飲料であるとよい。
このとき、前記免疫賦活用食品組成物が感染症の予防に用いられるとよい。
また、前記課題は、本発明の免疫賦活剤によれば、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有することにより解決される。
このとき、前記乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であるとよい。
このとき、前記ユーグレナ由来物質がパラミロンであるとよい。
このとき、前記免疫賦活剤が感染症の予防及び/又は治療に用いられるとよい。
また、前記課題は、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有し、マクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられることを特徴とするマクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物により解決される。
また、前記課題は、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有し、マクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられることを特徴とするマクロファージ一酸化窒素産生促進剤により解決される。
本発明によれば、効果的に免疫を賦活化することが可能な免疫賦活用食品組成物及び免疫賦活剤を提供できる。また、本発明の免疫賦活用食品組成物及び免疫賦活剤を摂取することで、免疫力を高め、感染症などの疾患を予防することができる。また、本発明によれば、マクロファージの一酸化窒素産生を促進することが可能なマクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物及びマクロファージ一酸化窒素産生促進剤を提供できる。
乳酸菌1とパラミロンを組み合わせた場合の結果を示すグラフである。 乳酸菌2とパラミロンを組み合わせた場合の結果を示すグラフである。 乳酸菌3とパラミロンを組み合わせた場合の結果を示すグラフである。 乳酸菌4とパラミロンを組み合わせた場合の結果を示すグラフである。 乳酸菌1とユーグレナ水抽出物を組み合わせた場合の結果を示すグラフである。 乳酸菌1とユーグレナ水抽出物を組み合わせた場合の結果を比較したグラフである。 乳酸菌1とユーグレナ熱水抽出物を組み合わせた場合の結果を示すグラフである。 乳酸菌1とユーグレナ水抽出物を組み合わせた場合の結果を比較したグラフである。 乳酸菌3とユーグレナ水抽出物を組み合わせた場合の結果を比較したグラフである。 乳酸菌5とユーグレナ水抽出物を組み合わせた場合の結果を比較したグラフである。 乳酸菌6とユーグレナ水抽出物を組み合わせた場合の結果を比較したグラフである。 乳酸菌7とユーグレナ水抽出物を組み合わせた場合の結果を比較したグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図12を参照しながら説明する。本実施形態は、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有する免疫賦活用食品組成物、免疫賦活剤及びマクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物及びマクロファージ一酸化窒素産生促進剤に関するものである。
<免疫賦活剤>
本実施形態に係る免疫賦活剤は、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有する免疫賦活剤である。「免疫賦活剤」とは、免疫力を向上させる、免疫を賦活化(活性化)する作用を有する剤である。また、免疫系(自然免疫系や獲得免疫系)が、賦活化されたときに、「免疫が賦活化した」という。
本実施形態に係る免疫賦活剤は、免疫力を向上させることが可能であるため、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫などの病原体に起因する、ウイルス感染症に代表される感染症の予防剤や治療剤として用いることも可能である。
<マクロファージ一酸化窒素産生促進剤>
本実施形態に係るマクロファージ一酸化窒素産生促進剤は、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有し、マクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられることを特徴とするマクロファージ一酸化窒素産生促進剤である。パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを組み合わせることで、マクロファージの一酸化窒素(NO)産生量を促進することが出来る。
<ユーグレナ>
実施形態において、「ユーグレナ」とは、分類学上、ユーグレナ属(Euglena)に分類される微生物、その変種、その変異種及びユーグレナ科(Euglenaceae)の近縁種を含む。ここで、ユーグレナ属(Euglena)とは、真核生物のうち、エクスカバータ、ユーグレノゾア門、ユーグレナ藻綱、ユーグレナ目、ユーグレナ科に属する生物の一群である。
ユーグレナ属に含まれる種として、具体的には、Euglena chadefaudii、Euglena deses、Euglena gracilis、Euglena granulata、Euglena mutabilis、Euglena proxima、Euglena spirogyra、Euglena viridisなどが挙げられる。ユーグレナとして、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis),特に、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株を用いることができるが、そのほか、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株の変異株SM-ZK株(葉緑体欠損株)や変種のE. gracilis var. bacillaris、これらの種の葉緑体の変異株等の遺伝子変異株、Astasia longa等のその他のユーグレナ類であってもよい。
ユーグレナ属は、池や沼などの淡水中に広く分布しており、これらから分離して使用しても良く、また、既に単離されている任意のユーグレナ属を使用してもよい。ユーグレナ属は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え、形質導入、形質転換等により得られたものも含有される。
(ユーグレナ藻体)
本実施形態では、ユーグレナとしてユーグレナ藻体を用いることが可能である。ユーグレナ藻体として、遠心分離,濾過又は沈降等によって分離したユーグレナ生細胞をそのまま用いることができる。ユーグレナ生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、ユーグレナ藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、ユーグレナ生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たユーグレナの乾燥藻体(ユーグレナ粉末)をユーグレナ藻体として用いると好適である。
更に、ユーグレナ生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をユーグレナ藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をユーグレナ藻体として用いてもよい。
(ユーグレナ抽出物)
本実施形態では、ユーグレナとしてユーグレナ抽出物を用いることも可能であり、特にユーグレナ水性溶媒抽出物を用いると好適である。本実施形態において、「ユーグレナ水性溶媒抽出物」とは、水性溶媒を用いてユーグレナから抽出される抽出物を意味し、特に、水性溶媒として水を用い、5℃~600℃で、数秒~数十時間抽出したユーグレナの水抽出物又は熱水抽出物を用いることが好ましい。抽出に使用する水は、必ずしも蒸留水や、純水、又は超純水である必要はなく、例えば、水道水や不純物を含むものであってもよいが、活性成分の抽出を妨げる成分を含まない水が好ましい。
本実施形態において、「水抽出物」とは、0~50℃(0℃を除く。)の水による抽出物を意味する。ここで、「水」とは、0~50℃(0℃を除く。)の水を意味する。水の温度は、活性成分に影響を与えずに、活性成分を十分に抽出できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、好ましくは1~40℃、より好ましくは5~35℃、特に好ましくは10~30℃である。
本実施形態において、「熱水抽出物」とは、50℃よりも高い温度の水による抽出物を意味し、「温水抽出物」とも呼ぶことができる。ここで、「熱水」とは、50℃よりも高温の水を意味し、「熱湯」も含む概念であり、沸騰状態にある水も含まれる。また、液体状態の熱水に限定されることなく、気体状態及び超臨界状態の熱水も含まれる。熱水の温度は、活性成分に影響を与えずに、活性成分を十分に抽出できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、好ましくは50℃より高く120℃以下、より好ましくは50℃より高く100℃以下である。
抽出に使用する水のpHは、活性成分に影響を与えずに、活性成分を十分抽出できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、好ましくはpH4~10、より好ましくはpH5~9、特に好ましくはpH6~8であるとよい。
なお、本実施形態では、水性溶媒として、水を単独で用いるが、活性成分に影響を与えずに、活性成分を十分抽出できるものであって、通常、抽出に用いることができる溶媒を1種または2種以上選択して用いてもよい。例えば、水、アルコール類、グリコール類などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。アルコール類としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。グリコール類としては、ブチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられる。その他の水性溶媒としては、アセトン等が挙げられる。これらの溶媒は単独或いは水溶液として用いても良く、任意の2種または3種以上の混合溶媒として用いてもよい。
抽出に用いる水性溶媒の温度は、例えば、0℃以上であり、活性成分に影響を与えないのであれば特に限定されることはない。沸騰状態又は超臨界状態にある水性溶媒を使用することもできるが、5℃~600℃の水性溶媒を使用するのが好ましく、10℃~200℃の水性溶媒を使用するのがより好ましい。したがって、抽出用の水性溶媒とは、沸騰状態や超臨界状態にある水性溶媒も含むものである。抽出に使用する水性溶媒の量は、ユーグレナ中に含まれる水溶性活性成分を十分に溶解することができる量であることが好ましい。
抽出方法も特に限定されず、例えば、以下に示す方法により抽出を行うことができるが、これに限定されることなく、通常の抽出方法を自由に選択して用いることができる。例えば、ユーグレナの藻体乾燥粉末を水性溶媒に所定時間浸漬した後に遠心分離又は濾過する方法、ユーグレナの藻体乾燥粉末を水性溶媒に加えて震盪して均一に分散させた後に遠心分離又は濾過する方法、などが挙げられる。また、抽出を促進するために、ユーグレナを添加後の水性溶媒を加熱することも可能である。
ユーグレナの水抽出は、以下に示すような通常の方法で行うことができるが、これに限定されるものではない。例えば、ユーグレナ組織及び水を容器に入れ、適宜攪拌又は震盪しながら所定時間静置し、得られた抽出液は、そのまま水抽出物として使用可能である。また、例えば、そのような抽出液を遠心して得られる上清を水抽出物として使用することもできる。また、そのような抽出液又は上清を濃縮、乾燥して水分を除去し、これを水抽出物として使用することもできる。水抽出は、抽出効率を上げて抽出時間を短縮するために、水に、少量、例えば、10質量%以下のアルコール、好ましくはエタノールを添加して行ってもよい。水抽出を行う場合の抽出時間は、活性成分が抽出される時間であれば特に限定されず、数秒~数十時間の範囲で、抽出の温度に応じて適宜設定することができる。
熱水による抽出は、以下に示すような、通常用いられている方法で行なうことができるが、これに限定されるものではない。ユーグレナを、通常用いられる抽出器に水とともに導入した後に、加熱することで抽出を行う。沸騰水または超臨界状態にある水を使用して抽出する場合には、水の蒸気圧に耐え得る抽出器を使用する必要がある。抽出時の圧力は1~5000気圧に設定することができ、60~400気圧に設定するのが好ましい。
高温高圧下で抽出を行なう場合には、抽出時間が長す過ぎると活性成分が分解したり、化学反応を起こすことがある。従って、高温高圧下で抽出を行なうときには、抽出時間を短時間、例えば、3分以内とするのが好ましく、1分以内とするのがより好ましく、30秒以内とすることが特に好ましい。
抽出したユーグレナ抽出物は、そのままでも本実施形態に係る免疫賦活剤やマクロファージ一酸化窒素産生促進剤の有効成分として用いることができるが、当該抽出物を更に、適当な分離手段(例えば、分配抽出、ゲル濾過法、シリカゲルクロマトグラフィー、逆相若しくは順相の高速液体クロマトグラフィーなど)により活性の高い画分を分画して用いることも可能である。また、ユーグレナ抽出物やその画分を、濃縮、乾燥して水性溶媒を除去し、これを水性溶媒抽出物として使用することもできる。
<パラミロン>
「パラミロン(paramylon)」とは、約700個のグルコースがβ-1,3-結合により重合した高分子体(β-1,3-グルカン)で多孔質であり、ユーグレナ属が含有する貯蔵多糖である。パラミロン粒子は、扁平な回転楕円体粒子であり、β-1,3-グルカン鎖がらせん状に絡まりあって形成されている。
パラミロンは、すべての種,変種のユーグレナ細胞内に顆粒として存在し、その個数,形状,粒子の均一性は、種により特徴がある。パラミロンは、グルコースのみからなり、E. gracilis Zの野生株と葉緑体欠損株SM-ZKから得られたパラミロンの平均重合度は、グルコース単位で約700である。パラミロンは、水,熱水には不溶性であるが、希アルカリ,濃い酸,ジメチルスルホキシド,ホルムアルデヒド,ギ酸に溶ける。パラミロンの平均密度は、E. gracilis Zでは1.53、E. gracilis var. bacillaris SM-L1では1.63である。
パラミロンは、粉末図形法を用いたX線解析によれば、3本の直鎖状β-1,3-グルカンが右巻きの縄のようにねじれあったゆるやかならせん構造をとっている。このグルカン分子がいくつか集まってパラミロン顆粒を形成する。パラミロン顆粒は結晶構造部分が非常に多く約90%を占め、多糖類の中で最も結晶構造率の高い化合物である(ユーグレナ 生理と生化学,北岡正三郎編,学会出版センター)。なお、パラミロン((株)ユーグレナ製)の粒度分布は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で測定したときのメジアン径が、1.5~2.5μmである。
パラミロン粒子は、培養されたユーグレナ細胞から任意の適切な方法で単離及び微粒子状に精製され、通常、粉末体として提供されている。例えば、パラミロン粒子は、(1)任意の適切な培地中でのユーグレナ細胞の培養、(2)当該培地からのユーグレナ細胞の分離、(3)分離されたユーグレナ細胞からのパラミロンの単離、(4)単離されたパラミロンの精製、および必要に応じて(5)冷却及びその後の凍結乾燥によって得ることができる。パラミロンの単離は、例えば、大部分が生物分解される種類の非イオン性又は陰イオン性の界面活性剤を用いて行われる。パラミロンの精製は、実質的には単離と同時に行われる。
(パラミロンの加工品)
パラミロンの加工品としては、公知の種々の方法によりパラミロンを化学的又は物理的に処理して得た水溶性パラミロン、硫酸化パラミロン等や、パラミロン誘導体も含まれる。
パラミロンの加工品としては、例えば、アモルファスパラミロンやエマルジョンパラミロンが挙げられる。アモルファスパラミロンとは、ユーグレナ由来の結晶性パラミロンをアモルファス化した物質である。アモルファスパラミロンは、ユーグレナから公知の方法で生成された結晶性のパラミロンに対する相対結晶度が、1~20%である。但し、この相対結晶度は、特開2011-184592号記載の方法により求めたものである。
つまり、アモルファスパラミロン及びパラミロンを、それぞれ、粉砕機(Retsh社製ボールミルMM400)にて、振動数20回/秒で5分間粉砕後、X線回折装置(スペクトリス社製H‘PertPRO)を用い、管電圧45KV、管電流40mAにて、2θが5°乃至30°の範囲でスキャンを行い、パラミロンとアモルファスパラミロンの2θ=20°の付近の回折ピークPc,Paを得る。このPc,Paの値を用い、アモルファスパラミロンの相対結晶度を、アモルファスパラミロンの相対結晶度=Pa/Pc×100(%)により算出する。
アモルファスパラミロンは、特開2011-184592号記載の方法に従い、結晶性のパラミロン粉末を、アルカリ処理した後に酸で中和し、その後洗浄、水分除去工程を経て、乾燥を行うことにより調製される。パラミロンの加工品としては、そのほか、公知の種々の方法によりパラミロンを化学的又は物理的に処理して得た水溶性パラミロン、硫酸化パラミロン等や、パラミロン誘導体も含まれる。
「エマルジョンパラミロン」とは、その加工方法及び物性が乳化物に類似していることから、エマルジョンパラミロンとも呼ばれる物質であって、特開2016-199650号記載の方法に従い、パラミロンに水を加えて得た流体を超高圧で細孔ノズルから噴出させて被衝突物に衝突させる衝突処理を行うことにより得られ、4倍以上の水と結合して膨潤した加工パラミロンである。
エマルジョンパラミロンは、粉体等の固体に水溶性溶媒を加えたスラリーを、細孔ノズルから超高圧で噴出させて被衝突物に衝突させる公知の物性改質装置(例えば、特開2011-88108号公報、特開平6-47264号公報記載の装置)で、噴出時のノズル圧力245MPaで、1回以上衝突処理を行うことにより得ることができる。
エマルジョンパラミロンは、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で粒度を測定したときのメジアン径が、パラミロンの5倍以上であり、7μm以上であって、光学電子顕微鏡により、粒子が、隣接する粒子と付着していることが観察され、パラミロンに対して4倍以上の水と結合して膨潤している。
原料パラミロンと水を混合したスラリーは、さらさらした流体であるが、エマルジョンパラミロンは、パラミロンが水分子中に分散して、粘度が増加して粘性を有し、触ったときに手に付着するような粘着性と、弾力性を有し、糊のような触感を備えている。なお、その処理方法と物性から、得られた加工パラミロンを本明細書においてエマルジョンパラミロンと呼んでいるが、エマルジョン化しているか否かは不明であり、パラミロンが水と結合して膨潤している状態である。
<乳酸菌>
本実施形態に係る免疫賦活剤やマクロファージ一酸化窒素産生促進剤に有効成分として含まれる乳酸菌は、免疫賦活作用を有する菌であれば特に限定されるものではないが、例えば、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)等のエンテロコッカス属に属する菌、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、スラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・スポロゲネス(Lactobacillus sporogenes)等のラクトバチルス属に属する菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptcoccus thermophilus)等のストレプトコッカス属に属する菌、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)等のラクトコッカス属に属する菌、テトラジェノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus)等のテトラジェノコッカス属に属する菌、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)等のロイコノストック属に属する菌などが挙げられる。
パラミロンやユーグレナと組み合わせた際の免疫賦活作用の観点から、乳酸菌として、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(E.faecium)等のエンテロコッカス属の菌を用いることが好適であり、その中でも、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)を用いることが特に好適である。また、植物性乳酸菌、例えば、スラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、テトラジェノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)等を用いることも好適である。
<用途>
実施形態に係る免疫賦活剤及びマクロファージ一酸化窒素産生促進剤は、健康食品等の食品組成物や、医薬組成物として構成され、免疫力を高めるために、予防的に摂取・投与される。パラミロンやユーグレナといったユーグレナ由来物質は、食品としても摂取可能で副作用がないため、継続的に摂取・投与可能である。
(食品組成物)
本実施形態の免疫賦活用食品組成物及びマクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物は、食品の分野では、免疫賦活作用やマクロファージの一酸化窒素産生促進作用を有効に発揮できる有効な量のユーグレナ由来物質を食品素材として、各種食品に配合することにより、当該作用を有する食品組成物を提供することができる。すなわち、本発明は、食品の分野において、免疫賦活用等と表示された食品の食品組成物を提供することができる。当該食品組成物としては、一般の食品のほか、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、病院患者用食品、サプリメント等が挙げられる。また、食品添加物として用いることもできる。
当該食品組成物としては、例えば、調味料、畜肉加工品、農産加工品、飲料(乳酸菌飲料、清涼飲料、アルコール飲料、炭酸飲料、乳飲料、果汁飲料、茶、コーヒー、栄養ドリンク等)、粉末飲料(粉末ジュース、粉末スープ等)、濃縮飲料、菓子類(キャンディ(のど飴)、クッキー、ビスケット、ガム、グミ、チョコレート等)、パン、シリアル等が挙げられる。また、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の場合、カプセル、トローチ、シロップ、顆粒、粉末等の形状であっても良い。
ここで特定保健用食品とは、生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含む食品であって、消費者庁長官の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示可能なものである。本発明においては、免疫力の向上に関する特定の保健用途を表示して販売される食品となる。
また栄養機能食品とは、栄養成分(ビタミン、ミネラル)の補給のために利用される食品であって、栄養成分の機能を表示するものである。栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が定められた上限値、下限値の範囲内にある必要があり、栄養機能表示だけでなく注意喚起表示等もする必要がある。
また機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品である。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものである。
本実施形態に係る免疫賦活用食品組成物やマクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物に表示される機能性表示としては、「免疫を賦活する」、「免疫を活性化する」、「免疫力向上」、「免疫力アップ」などが例示されるがこれらに限定されるものではない。
本実施形態に係る食品組成物には、ユーグレナ由来物質に加え、通常食品組成物に用いることができる成分を、1種または2種以上自由に選択して配合することが可能である。例えば、各種調味料、保存剤、乳化剤、安定剤、香料、着色剤、防腐剤、pH調整剤などの、食品分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
(医薬組成物)
本実施形態の免疫賦活剤及びマクロファージ一酸化窒素産生促進剤は、医薬の分野では、免疫賦活作用やマクロファージの一酸化窒素産生促進作用を有効に発揮できる量のユーグレナ由来物質と共に、薬学的に許容される担体や添加剤を配合することにより、当該作用を有する医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、医薬品であっても医薬部外品であってもよい。
当該医薬組成物は、内用的に適用されても、また外用的に適用されても良い。従って、当該医薬組成物は、内服剤、静脈注射、皮下注射、皮内注射、筋肉注射及び/又は腹腔内注射等の注射剤、経粘膜適用剤、経皮適用剤等の製剤形態で使用することができる。
当該医薬組成物の剤型としては、適用の形態により、適当に設定できるが、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、粉末剤、散剤などの固形製剤、液剤、懸濁剤などの液状製剤、軟膏剤、またはゲル剤等の半固形剤が挙げられる。
本実施形態に係る医薬組成物には、薬学的に許容される添加剤を1種または2種以上自由に選択して含有させることができる。
例えば、本実施形態に係る医薬組成物を経口剤に適用させる場合、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、矯味剤、香料、安定化剤、防腐剤、酸化防止剤等の、医薬製剤の分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。また、ドラックデリバリーシステム(DDS)を利用して、徐放性製剤等にすることもできる。
以下、具体的実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ユーグレナ由来物質>
(パラミロン)
ユーグレナ由来物質としてのパラミロンを、以下の手順により調製した。
ユーグレナ・グラシリス粉末(株式会社ユーグレナ)を蒸留水に入れ、室温で2日間撹拌した。これを超音波処理して細胞膜を破壊し、遠心分離により粗製パラミロン粒子を回収した。回収したパラミロン粒子を1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に分散し、95℃で2時間処理し、再度遠心分離により回収したパラミロン粒子を0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に分散して50℃で30分間処理した。当該操作により脂質やタンパク質を除去し、その後アセトン及びエーテルで洗浄した後、50℃で乾燥して、精製パラミロン粒子(パラミロン粉末)を得た。
(ユーグレナ水抽出物)
ユーグレナ由来物質としてのユーグレナ水抽出物を、以下の手順により調製した。
ユーグレナ粉末(ユーグレナ・グラシリス、(株)ユーグレナ製)2.5gを、超純水10mlに懸濁し、室温(25℃)で2時間、抽出処理を行った。その後、遠心分離(5000rpm、5分、25℃)により得られた上清を分取し、0.45μm滅菌フィルターにて濾過することで、ユーグレナ水抽出物(ユーグレナ水抽出液、原液100%)を調製した。
(ユーグレナ熱水抽出物)
ユーグレナ粉末(ユーグレナ・グラシリス、(株)ユーグレナ製)2.5gを、超純水10mlに懸濁し、乾熱滅菌器を用いて、95℃)で2時間、抽出処理を行った。その後、遠心分離(5000rpm、5分、25℃)により得られた上清を分取し、0.45μm滅菌フィルターにて濾過することで、ユーグレナ熱水抽出物(ユーグレナ熱水抽出液、原液100%)を調製した。
<乳酸菌>
乳酸菌として、4種類の市販の乳酸菌1~4を用いた。
(乳酸菌1)
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)EF-2001株(日本ベルム株式会社)、加熱処理乳酸菌(加熱死菌体)、特開2002-249434号公報の第0011段落に記載されている通り、受託拒否に該当するが、分譲要請に応えるべく、日本ベルム株式会社BRM研究所において保管されている。
(乳酸菌2)
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、乳酸菌1とは異なる加熱処理乳酸菌(加熱死菌体)
(乳酸菌3)
ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、加熱処理乳酸菌(加熱死菌体)
(乳酸菌4)
ラクトバチルス・スポロゲネス(Lactobacillus sporogenes)、生菌
(乳酸菌5)
植物性乳酸菌(Lactobacillus plantarum)、加熱処理乳酸菌(加熱死菌体)
(乳酸菌6)
植物性乳酸菌(Tetragenococcus halophilus)、加熱処理乳酸菌(加熱死菌体)
(乳酸菌7)
植物性乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides)、加熱処理乳酸菌(加熱死菌体)
<試験1>
自然免疫にかかわるマクロファージRAW264.7を24wellプレートに播種し、10% FBS,DMEM High Glucose培地で24時間の前培養を行った(200,000cells/well、各0.5mL)その後、各乳酸菌1~4(12.5μg/0.5mL)、パラミロン(350μg/0.5mL)を、単独または組み合わせて添加し、さらに24時間培養したあと、上清中の一酸化窒素(NO)産生量を、Griess法により測定した。NO産生量は免疫活性化の指標のひとつである。各乳酸菌、パラミロンは、DMEM High Glucose培地に分散させて調整し、コントロールとして、DMEM High Glucose培地を使用した。
<結果1>
図1~図4に、各乳酸菌1~4をパラミロンと組み合わせた場合の結果を示す。図1及び図2に示されるように、エンテロコッカス属に属する乳酸菌1及び2(エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis))において、ユーグレナに含まれるパラミロンと組み合わせると、免疫賦活作用が相乗的に増強された。
また、乳酸菌1とパラミロンの混合比率を変化させて同様の実験を行った結果、乳酸菌1(12.5μg/mL~35μg/mL)に対してパラミロン(350μg/mL~1000μg/mL)を適宜組み合わせると、試験1と同様にそれぞれを単独で利用した場合と比較して、協同的作用によってマクロファージを強く活性化することが示唆された。
<試験2>
試験1と同様の方法で、自然免疫にかかわるマクロファージRAW264.7に、ユーグレナ水抽出物又はユーグレナ熱水抽出物(0.4vоl%)及び乳酸菌1を添加して、翌日に上清中のNO産生量を測定することで、免疫細胞に対する作用を調べた。
<結果2>
図5~図7に、試験2の結果を示す。図5に示すように、ユーグレナ水抽出物を添加、または乳酸菌1を25~50μg/ml添加したとき、マクロファージの活性が向上した。図6に示すように、乳酸菌とユーグレナ水抽出物をそれぞれ単独で添加したとき顕著な変化は見られないが、乳酸菌とユーグレナ水抽出物を組み合わせたときにNO産生量が増加した。つまり、乳酸菌とユーグレナ水抽出物を組み合わせることで、免疫細胞の活性を強調的に高めることが可能であることが示唆された。
図7に示すように、ユーグレナ熱水抽出物を添加、または乳酸菌1を25~50ug/ml添加したとき、マクロファージの活性が向上した。ユーグレナ熱水抽出物単独では顕著な変化は見られないが、乳酸菌(50μg/mL)と組み合わせたとき、乳酸菌単独よりもNO産生量が高かった。
<試験3>
試験1と同様の方法で、自然免疫にかかわるマクロファージRAW264.7に、ユーグレナ水抽出物(0.4vоl%)及び各乳酸菌(乳酸菌1、乳酸菌3、乳酸菌5、乳酸菌6、乳酸菌7)を添加して、翌日に上清中のNO産生量を測定することで、免疫細胞に対する作用を調べた。
<結果3>
図8~図12に、試験3の結果を示す。図8~12に示すように、乳酸菌とユーグレナ水抽出物をそれぞれ単独で添加したとき顕著な変化は見られないが、乳酸菌とユーグレナ水抽出物を組み合わせたときにNO産生量が増加した。つまり、乳酸菌とユーグレナ水抽出物を組み合わせることで、免疫細胞の活性を強調的に高めることが可能であることが示唆された。乳酸菌とユーグレナ水抽出物を組み合わせた相乗効果(%)は、乳酸菌7>乳酸菌3>乳酸菌6>乳酸菌5>乳酸菌1の順番で大きかった。
<まとめ>
以上の結果から、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを組み合わせて用いることで、免疫の賦活化作用、マクロファージの一酸化窒素産生促進作用が相乗的に発揮されることが示された。ユーグレナの細胞内にはパラミロンを中心として数多くの成分が含まれているため、ユーグレナを乳酸菌と組み合わせて用いた場合にも、同様に免疫の賦活化作用、マクロファージの一酸化窒素産生促進作用が相乗的に発揮された。この相乗効果は、パラミロンよりもユーグレナの方が大きいことが示唆された。
つまり、有効成分として、ユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを組み合わせた免疫賦活剤や免疫賦活用食品組成物は、効果的に免疫を賦活化することが可能であることが示された。また、本実施形態に係る免疫賦活用食品組成物及び免疫賦活剤を摂取することで、免疫力を高めることが可能であるため、ウイルス感染症に代表される感染症など疾患を予防したり、治療したりすることができる。さらに、有効成分として、ユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを組み合わせたマクロファージ一酸化窒素産生促進剤やマクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物は、効果的にマクロファージの一酸化窒素産生を促進することが可能であることが示された。
本発明は、免疫賦活用食品組成物及び免疫賦活剤に関する。
したがって、前記課題は、本発明の免疫賦活用食品組成物によれば、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有し、前記乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であることにより解決される
のとき、前記ユーグレナ由来物質がパラミロンであるとよい。
このとき、前記免疫賦活用食品組成物が乳酸菌飲料であるとよい。
このとき、前記免疫賦活用食品組成物が感染症の予防に用いられるとよい。
このとき、前記免疫賦活用食品組成物がマクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられるとよい。
また、前記課題は、本発明の免疫賦活剤によれば、パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有し、前記乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であることにより解決される。
このとき、前記エンテロコッカス属に属する菌がエンテロコッカス・フェカリスであるとよい。
このとき、前記ユーグレナ由来物質がパラミロンであるとよい。
このとき、前記免疫賦活剤が感染症の予防及び/又は治療に用いられるとよい。
このとき、前記免疫賦活剤がマクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられるとよい。
したがって、前記課題は、本発明の免疫賦活用食品組成物によれば、パラミロンであるユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有し、前記乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であることにより解決される
のとき、前記免疫賦活用食品組成物が乳酸菌飲料であるとよい。
このとき、前記免疫賦活用食品組成物が感染症の予防に用いられるとよい。
このとき、前記免疫賦活用食品組成物がマクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられるとよい。
また、前記課題は、本発明の免疫賦活剤によれば、パラミロンであるユーグレナ由来物質と、乳酸菌とを有効成分として含有し、前記乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であることにより解決される。
このとき、前記エンテロコッカス属に属する菌がエンテロコッカス・フェカリスであるとよい
のとき、前記免疫賦活剤が感染症の予防及び/又は治療に用いられるとよい。
このとき、前記免疫賦活剤がマクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられるとよい。

Claims (12)

  1. パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、
    乳酸菌とを有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活用食品組成物。
  2. 前記乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であることを特徴とする請求項1に記載の免疫賦活用食品組成物。
  3. 前記ユーグレナ由来物質がパラミロンであることを特徴とする請求項2に記載の免疫賦活用食品組成物。
  4. 乳酸菌飲料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の免疫賦活用食品組成物。
  5. 感染症の予防に用いられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の免疫賦活用食品組成物。
  6. パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、
    乳酸菌とを有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活剤。
  7. 前記乳酸菌がエンテロコッカス属に属する菌であることを特徴とする請求項6に記載の免疫賦活剤。
  8. 前記エンテロコッカス属に属する菌がエンテロコッカス・フェカリスであることを特徴とする請求項7に記載の免疫賦活剤。
  9. 前記ユーグレナ由来物質がパラミロンであることを特徴とする請求項6に記載の免疫賦活剤。
  10. 感染症の予防及び/又は治療に用いられることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の免疫賦活剤。
  11. パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、
    乳酸菌とを有効成分として含有し、
    マクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられることを特徴とするマクロファージ一酸化窒素産生促進用食品組成物。
  12. パラミロン及びユーグレナからなる群より選択される少なくとも1種のユーグレナ由来物質と、
    乳酸菌とを有効成分として含有し、
    マクロファージの一酸化窒素産生を促進するために用いられることを特徴とするマクロファージ一酸化窒素産生促進剤。
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