本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図では、各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
なお、各図において、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用い、シート包装体の幅方向をX方向とし、長手方向をY方向とし、高さ方向(上下方向)をZ方向とする。また、上方は、シート包装体の高さ方向(Z方向)において、包装袋の天面の上側を示し、下方は、シート包装体の高さ方向(Z方向)において、包装袋の天面の下側を示す。
図1は、第1実施形態に係るシート包装体を示す図である。図2は、図1のシート包装体に収容されたシート積層体を示す図である。図3は、図1のシート包装体を天面側から見た図である。図4は、図1のシート包装体を底面側から見た図である。図5は、図1のシート包装体を正面側から見た図である。図6は、図1のシート包装体を左側面側から見た図である。図7は、図1のシート包装体を右側面側から見た図である。
第1実施形態に係るシート包装体100は、図1に示すように、包装袋10、取出口20を有する。シート包装体100は、実施形態に係るシート包装体の一例である。包装袋10、取出口20は、実施形態に係るシート包装体を構成する包装袋、取出口の一例である。
包装袋10は、図1に示すように、積層された複数枚(または複数組)のシートS(以下、シート積層体SLという)が収容される。シート積層体SLは、シートSの積層方向(LD方向)が高さ方向(Z方向)となるように、包装袋10に収容されている(図1、図2)。シート積層体SLは、包装袋10に形成される取出口20(開口OP)を通してシートSが1枚ずつ(または1組ずつ)引き出せるようになっている(図12)。
シート積層体SLの形態は、特に限定されず、例えば、シートSの折目FがつまめるようにシートSが折りたたまれた状態で積層されたもの(図2)、各シートSが折り込まれた状態で互い違いに積層されたもの(いわゆるポップアップ式のシート積層体)、複数枚のシートSが単に積層されたもの等を採用することができる。
また、シート積層体SLの寸法は、シート包装体100の長手方向(Y方向)の長さを80mm以上195mm以下、シート包装体100の長手方向(Y方向)に直交する短手方向(X方向)の幅を50mm以上145mm以下、高さ方向(Z方向)の高さを5mm以上80mm以下とすることができる(図2)。
なお、シート積層体SLの態様は、特に限定されない。例えば、シート積層体SLとして、1枚(または1組)のシートが、Z折りにされ、上下の折り返し縁部が各々半分に折り返され、さらに長手方向の中央で2つ折りに折り畳まれた状態で積層されたものを用いることができる。
シート積層体SLを構成するシートSの態様は、特に限定されず、例えば、ティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル等の衛生薄葉紙に適用可能である。これらの衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。さらに、これらの衛生薄葉紙には、アルコールや次亜塩素酸ナトリウム等の水溶液、芳香剤等の香料、消臭剤等の薬剤等が含まれていてもよい。
また、シートSの用途は、特に限定されず、産業用、家庭用、携帯用のいずれも適用できる。なお、本実施形態におけるシートとしては、これらの中でも、家庭用、携帯用のローションティシューが好適に用いられる。
シートSのプライ数は、特に限定されず、1プライ以上にすることができ、好ましくは1プライであり、より好ましくは2プライ(2枚重ね)である。また、シートSの形状は、特に限定されず、例えば、2プライのシートが折り畳まれた状態の形状が平面視で四角形(長方形、正方形等)であることが好ましい。
シートSの材質は、特に限定されず、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙製のシート(以下、紙シートという)である。なお、シートSが紙シートの場合、パルプを主原料とする原紙が用いられる。パルプ組成は、紙シートにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を、50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
また、シートS(紙シート)におけるパルプ組成は、特に限定されない。例えば、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)などの針葉樹パルプと、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプとを、任意の比率で使用することができる。なお、針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、限定されず、好ましくは10:90~80:20であり、より好ましくは広葉樹パルプに対して針葉樹パルプの比率がより多いパルプ組成である。また、シートS(紙シート)に含まれるパルプには、古紙パルプを用いてもよい。
シートSの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は5g/m2以上80g/m2以下、不織布の場合は20g/m2以上100g/m2以下のものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124の規定に準拠して測定することができる。
また、シートS(紙シート)の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートS(紙シートの紙厚は、2プライあたり、50μm以上500μm以下にすることができ、好ましくは60μm以上330μm以下、より好ましくは100μm以上200μm以下である。
また、シートS(紙シート)には、エンボス加工が施されていてもよい。このようなエンボス加工は、公知のエンボス付与方法により実施することができる。
包装袋10の包装形態は、特に限定されない。例えば、ガセット状に折り込まれた筒状の可撓性フィルムの両端部またはいずれか一方の端部をシール(封止)する包装(ピロー包装)、筒状の可撓性フィルムの両端部を折り畳んでシール(封止)する包装(キャラメル包装)、熱収縮性の樹脂フィルムを加熱して被包装体に密着させる包装(シュリンク包装)、またはこれらを組み合わせた包装等を採用することができる。
本実施形態では、シートS(シート積層体SL)がピロー包装されている。なお、ピロー包装は、三つ折りされた筒状のフィルム、あるいは、ガセット状に折り込まれた筒状の可撓性フィルムの両端部またはいずれか一方の端部をシール(封止)する包装形態である。具体的には、シート包装体100において、包装袋10の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)の両端部10A、10Bに、シート積層体SLがピロー包装されるようにシール部30、40がそれぞれ形成されている(図1、図3、図4)。
ここで、第1方向(X方向)は、包装袋10の天面11上の所定の一方向に沿う方向(X方向)を示す。また、第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)は、包装袋10の天面11と同一平面上で第1方向(X方向)と直交する方向または筋かいに交わる方向に沿う方向(Y方向)を示す(図3)。
シール部30は、第1方向(X方向)に延びる内端31と外端32を有し、内端31で包装袋10の端部10Aを封止する。また、シール部40は、第1方向(X方向)に延びる内端41と外端42を有し、内端41で包装袋10の端部10Bを封止する(図3~図7)。
なお、包装袋10の材質が後述する樹脂等のフィルムの場合、第1方向(X方向)は、樹脂成形において樹脂を流す方向(フィルムの延伸方向または流れ方向)であることが好ましい。また、第2方向(Y方向)は、延伸方向または流れ方向と直交する方向であることが好ましい。
包装袋10の材質は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA)等の樹脂を用いることができる。
なお、これらの樹脂の中でも、柔軟で取扱い性に優れ、シール性が高く、安価であること等の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。また、無臭であり、耐水性・耐薬品性に優れ、低コストで大量生産が可能である観点から、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることができる。また、堅牢であり、成形しやすく、印刷時の発色がよく、また光沢を付与できること等の観点からは、ポリプロピレンが好ましい。
包装袋10の形態は、特に限定されず、上述の樹脂が単層で形成された単層フィルム、上述の樹脂を積層したラミネートフィルム、または、上述の2種類以上の樹脂の混合物で形成された混合フィルムであってもよい。
包装袋10の厚みは、特に限定されず、好ましくは10μm以上100μm以下、より好ましくは15μm以上70μm以下である。包装袋10の厚みを10μm以上とすることで、シートSが収容される包装袋10としての十分な強度を確保することができる。また、包装袋10の厚みを100μm以下とすることで、包装袋10の柔軟性及び軽量性を確保できるとともに、コストが抑えられる。
なお、包装袋10を形成する材質は、上述した可撓性フィルム等の樹脂材料に限定されず、紙材料(クラフト紙等)を用いてもよい。また、包装袋10を形成する材質には、生分解性材料(生分解性プラスチック、生分解性紙等)、バイオマス材料(バイオマスフィルム等の再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの)を用いることができる。
また、包装袋10は、天面11、底面12を有する。シート包装体100では、天面11と底面12が上下方向(Z方向)に対向する(図1、図3~図7)。なお、天面11は、本実施形態に係るシート包装体を構成する包装袋の天面の一例である。
天面11は、第1方向(X方向)に延びる端縁11A、11Bと第2方向(Y方向)に延びる端縁11C、11Dを有する。底面12は、第1方向(X方向)に延びる端縁12A、12Bと第2方向(Y方向)に延びる端縁12C、12Dを有する(図3、図4)。
天面11の端縁11A及び底面12の端縁12Aには、シール部30が形成されている。天面11の端縁11B及び底面12の端縁12Bには、シール部40が形成されている(図3~図7)。すなわち、包装袋10では、天面11の端縁11Aと底面12の端縁12Aとが、シール部30を介して一体化され、天面11の端縁11Bと底面12の端縁12Bとが、シール部40を介して一体化されている(図5~図7)。
包装袋10の寸法は、シート包装体100の長手方向(Y方向)の長さLを80mm以上200mm以下、シート包装体100の長手方向(Y方向)に直交する短手方向(X方向)の幅Wを50mm以上150mm以下、高さ方向(Z方向)の高さJを5mm以上85mm以下とすることができる(図3、図5)。なお、この包装袋10の寸法は、包装袋10にシート積層体SLが収容された状態での寸法を示す(図1、図2、図12~図14)。
取出口20は、天面11に形成されて、シートSが取り出される(図9)。取出口20は、包装袋10の天面11の一部BLが開裂すると天面11に開口する(図1、図12)。本実施形態では、取出口20が天面11に形成された開裂用切目線CL(例えば、ミシン目)で形成され、この開裂用切目線CLが開裂すると、包装袋10の天面11に開口OPが形成され、この開口OPが取出口20となる(図1、図3、図9)。
なお、開裂用切目線CLは、カットC1とタイT1(2つのカットC1間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイT1が破断すると両隣のカットC1が連続したカットになる切目線である(図1、図3)。なお、開裂用切目線CLにおいて、カットC1の長さ、及びタイT1の長さは、任意である。
開裂用切目線CLにおいて、各カットC1の長さは、0.8mm以上9.0mm以下にすることができ、好ましくは1.5mm以上8.0mm以下、より好ましくは2.5mm以上7.0mm以下である。また、各タイT1の長さは、0.3mm以上5.0mm以下にすることができ、好ましくは0.4mm以上2.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下である。
取出口20の形状は、任意である。本実施形態では、取出口20の形状が、平面視で半楕円形状となっている。本実施形態では、取出口20の形状は、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52が、第1端縁51から離れる側に向かって凸となっている。
ここで、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52は、蓋体50において天面11に接続された固定端(第1端縁51)に対向する天面11に接続されない自由端(第2端縁52)を示す。また、第2端縁52が第1端縁51から離れる側に向かって凸となるとは、蓋体50において天面11に接続されない自由端(第2端縁52)が天面11に接続された固定端(第1端縁51)の両末端20A、20Bに接続し、固定端(第1端縁51)から離れる方向に平面視でせり出す(凸部20Cを構成する)ことを示す(図3、図8)。
具体的には、取出口20は、天面の端縁11A側の末端20Aから末端20Bに延び、天面の端縁11Aから中央部11Eに向かって凸となる(凸部20Cを形成する)ように形成されている(図1、図3、図8)。ここで、天面11の中央部11Eは、天面11の中心(図心)Gを含み、天面11全体の10分の1から5分の1程度の広さの領域を示す(図3)。これにより、取出口20は、第1方向(X方向)の端縁11B側に形成されている。
なお、第1方向(X方向)における取出口20の間隔L2は、包装袋10の長手方向(Y方向)の長さL1に対して、15%以上60%以下であり、好ましくは20%以上55%以下、より好ましくは25%以上50%以下である。また、第2方向(Y方向)における取出口20の間隔W2は、包装袋10の幅方向(Y方向)の幅W1に対して、50%以上90%以下であり、好ましくは60%以上85%以下、より好ましくは70%以上80%以下である(図3)。
本実施形態のシート包装体100は、さらに蓋体50を有する。蓋体50は、開裂した天面11の一部BLで形成され、取出口20を再封可能に閉口する。ここで、取出口20を再封可能に閉口するとは、開口した取出口20(開口OP)を蓋体50が覆うことを示す(図1、図3、図12、図14)。
蓋体50は、第1端縁51が天面11に接続されている。本実施形態では、蓋体50の第1端縁51が、シール部40側に構成されている(図3)。天面11に接続される蓋体50の第1端縁5)は、取出口20(OP)が開口した状態で天面11に接続された蓋体50の固定端を構成する。なお、固定端を構成する蓋体50の第1端縁51は、取出口20を開口または閉口する際の基端となる取出口20の端縁20Dに対応する(図3、図8)。なお、取出口20の端縁20Dは、シール部40の内端41に構成され、蓋体50の第1端縁51(取出口20の端縁20D)は、シール部40の内端41に固定されている(図3、図8、図12~図14)。
本実施形態のシート包装体100では、蓋体50に、第1端縁51に沿って延びる第1押圧加工部60が設けられている。具体的には、天面11に接続する蓋体50の第1端縁51の近傍51A(第1端縁51寄り)に第1押圧加工部60が配置されている。第1押圧加工部60は、蓋体50の第1端縁51と平行に配置されている(図1、図3、図8)。
なお、押圧加工部は、蓋体50となる天面11の一部BLに型等を押し当てて加圧変形した部分である。このような押圧加工部は、押圧により蓋体50に形成されるため、押圧加工部を形成する作業は容易である(図1、図3、図8)。
第1押圧加工部60は、天面11の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)に延びている。第1押圧加工部60は、シール部40から第1方向(X方向)に離れる間隔L3が約1mmの位置で、第2方向(Y方向)に沿ってシール部40と平行に延びている(図3、図8)。
なお、第1方向(X方向)におけるシール部40と第1押圧加工部60との間隔L3は、本実施形態における距離に限定されない。例えば、シール部40と第1押圧加工部60との間隔L3は、第1方向(X方向)における取出口20の間隔L2に対して、0.5%以上20%以下であり、好ましくは1%以上15%以下、より好ましくは2%以上10%以下である。
なお、第2方向(Y方向)における第1押圧加工部60の長さ(幅W3)は、本実施形態における距離に限定されない。例えば、第1押圧加工部60の長さ(幅W3)は、第2方向(Y方向)における取出口20の間隔(幅W2)に対して、65%以上100%以下であり、好ましくは70%以上100%以下、より好ましくは75%以上100%以下である(図3)。
本実施形態では、第1押圧加工部60は、第2方向(Y方向)の長さ(幅W3)が、取出口20の第2方向(Y方向)の幅W2よりも短くなっている。具体的には、第1押圧加工部60の端部61は、天面11の端縁11C側で、蓋体50の第2端縁52から内側に離れて配置されている。また、第1押圧加工部60の端部62は、天面11の端縁11D側で、蓋体50の第2端縁52から内側に離れて配置されている(図1、図3、図8)。
なお、第1押圧加工部60を設ける際の位置決めを容易にする観点から、第1押圧加工部60の第2方向(Y方向)の長さ(幅W3)が取出口20の第2方向(Y方向)の幅W2より長くなるように、第1押圧加工部60を設けてもよい。
本実施形態では、天面11に接続する蓋体50の第1端縁51に沿って延びる第1押圧加工部60が蓋体50に形成されていることで、取出口20を開封(または開口)する方向(Y方向)に蓋体50を展開したときに、展開した蓋体50が取出口20(OP)を再封(または閉口)する元の状態に戻ろうとする蓋体50の動きを遅くする(蓋体50の閉口動作を遅延させる)ことができる。
これにより、取出口20(OP)からシートSを取り出す際に、展開された蓋体50が取出口20(OP)から離れた状態を維持することができる(図12、図13)。そのため、本実施形態によれば、取出口からのシートの取り出し易い(取出性が良好である)。
なお、蓋体50が元の状態に戻ろうとする動きは、蓋体50に加わった外力により蓋体50の内部に生じる弾性応力(以下、応力という)による蓋体50の動きであると考えられる。そして、蓋体50の内部に生じた弾性応力分布が押圧加工部により不連続ないし部分的に緩和されること(以下、応力緩和という)が、蓋体50の閉口動作を遅延させる理由の一つと考えられる。
なお、シートの取出性は、図13に示すように、シート包装体100における蓋体50の角度として、包装袋10の天面11を開裂し、取出口20を開口する方向に蓋体を約180°展開し、約3秒放置したときの、蓋体50の角度θを測定することで評価することができる。角度θは、展開された蓋体50の天面11に対する角度とする(図13)。角度θが90°以上のとき、展開された蓋体50が取出口20(OP)から離れた状態が維持され取出性が良好であると判断できる。
このような構成により、本実施形態では、取出口20(OP)を覆う蓋体50が設けられている場合でも、取出口20(OP)からシートSを取り出す際に、蓋体50が邪魔になりにくい(図12、図13)。そのため、本実施形態によれば、シートSの取り出しが容易なシート包装体100を提供することができる。
また、本実施形態では、取出口20(OP)を再封可能に閉口する蓋体50が、天面11に接続された蓋体50の第1端縁51に沿って延びる第1押圧加工部60を有することで、取出口20を開封する際に、第1押圧加工部60に沿って蓋体50が折れ曲がりやすくなる。これにより、天面11に接続される蓋体50の端縁(第1端縁51)の近傍51Aを基端として蓋体50が展開され、取出口20が開口された状態が維持されやすくなるため、取出口20(OP)からのシートSの取り出しが容易になる(図12、図13)。
さらに、本実施形態では、開裂した天面11の一部BLが取出口20(OP)を再封可能に閉口する蓋体50を構成することで、取出口20(OP)を閉口することができるため、取出口20から包装袋10内にゴミや埃等(以下、塵埃という)が入りにくくなる。これにより、本実施形態では、シート包装体100を衛生的に使用することができる(図14)。
さらに、本実施形態では、開裂した天面11の一部BLが取出口20(OP)を再封可能に閉口する蓋体50となり、蓋体50の第1端縁51が天面11に接続されていることで、開裂した天面11の一部BLを構成する蓋体50が、包装袋10から切り離されずに天面11に接続した小片BLとなる。そのため、本実施形態では、取出口20の開封(または開口)時に断片(包装袋10から切り離された切れ端等)が発生するのを防ぐことができる(図12~図14)。
なお、本実施形態では、蓋体50の第1押圧加工部60が蓋体50のシール部40側に設けられていることで、天面11に接続された蓋体50の第1端縁51の近傍51Aが蓋体50の第1押圧加工部60となる。蓋体50のシール部40側の第1端縁51の近傍51Aは、取出口20を開口するために蓋体50を展開したときに応力が生じやすい部分であるため、この部分に蓋体50の第1押圧加工部60を設けることで、蓋体50の応力が緩和されやすくなる。そのため、本実施形態によれば、蓋体50の閉口動作を遅延させる機能を高めることができる(図12、図13)。
また、本実施形態では、取出口20が天面11の第1方向(X方向)の一方の端縁11B側に形成されているため、取出口20が天面11全体に形成されることはない。そのため、取出口20が開口した後も包装袋10の形状が保たれやすく、包装袋10内でシートS(シート積層体SL)の収容状態が乱れにくい。そのため、本実施形態によれば、シート包装体100を最後まできれいに使用することができる(図12~図13)。
また、本実施形態では、取出口20を天面11の第1方向(X方向)の一方の端縁11B側に形成することで、取出口20を天面11のシール部40側に開口させることができる。これにより、取出口20からシートSを取り出す際に、シートSを天面11側に引き出すことができ、また第1方向(X方向)に沿ってシール部40側にも引き出すこともできる。そのため、本実施形態によれば、使い勝手がよいシート包装体100を提供することができる(図12、図13)。
本実施形態では、蓋体50の第1押圧加工部60が天面11の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)に延びることで、天面11に接続された蓋体50の第1端縁51に沿って第1押圧加工部60を設けることができる。これにより、本実施形態では、蓋体50の応力がさらに緩和されやすくなり、蓋体50の閉口動作を遅延させる機能をさらに高めることができる(図9、図10)。
本実施形態では、上述のように、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52が第1端縁51から離れる側に向かって凸となる(凸部20Cを構成する)ことで、第2端縁52が第1端縁51から離れる方向にせり出すトリガー(凸部20C)を構成することができる。このようにせり出すトリガー(凸部20C)は、指先でつまみやすいため、取出口20の開封が容易になる(図1、図3、図8、図12)。
また、本実施形態では、蓋体50の第2端縁52が第1端縁51から離れる方向にせり出すトリガー(凸部20C)を構成することで、取出口20の開封時(または開口時)に蓋体50の第2端縁52を簡単につまむことができるため、包装袋10の天面11を押え付けずに取出口20を開封することができる。そのため、本実施形態では、取出口20の開封時に包装袋10に収容されたシートSが破れるのを防ぐことができる(図1、図3、図8、図12)。
本実施形態に係るシート包装体100では、蓋体50に、さらに第2押圧加工部70が形成されている。第2押圧加工部70は、第1押圧加工部60が延びる方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に延びる。ここで、交差する方向とは、直交する方向を含む筋かいとなる方向を示す。
本実施形態では、第2押圧加工部70は、第1押圧加工部60と直交する方向に延びる。そして、第2押圧加工部70の端部71は、蓋体50の第1端縁51側(第1押圧加工部60の近傍)に配置され、第2押圧加工部70の端部72は、蓋体50の第2端縁52側(第1押圧加工部60から離れた位置)に配置されている(図1、図3、図8)。
なお、第1方向(X方向)における第2押圧加工部70の長さL4は、本実施形態における距離に限定されない。例えば、第2押圧加工部70の長さL4は、第1方向(X方向)における取出口20の間隔L2)に対して、30%以上100%以下であり、好ましくは50%以上100%以下、より好ましくは60%以上100%以下である(図3)。なお、本実施形態では、第2押圧加工部70が、第1押圧加工部60に接続していないが、第2押圧加工部70は第1押圧加工部60に接続していてもよい。
本実施形態では、蓋体50に第1押圧加工部60が延びる方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に延びる第2押圧加工部70が蓋体50に形成されることで、蓋体50の開封時(または開口時)に蓋体50の形状が維持されるため、シートSの取り出しが容易になる(図1、図3、図8、図12、図13)。また、蓋体50の形状が維持されることで、取出口20(OP)の再封時(または閉口時)に、取出口20(OP)と蓋体50の間に生じる隙間を小さくすることができるので、再封時(または閉口時)における包装袋10内への塵埃の進入を防ぐことができる(図14)。
本実施形態に係るシート包装体100では、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52側に、天面11に着脱可能に接着する接着用シール80が固定されている(図1、図3)。ここで、接着用シール80は、蓋体50に固定された状態で蓋体50の外側の天面11に接着するシールである。
接着用シール80は、固定部81、粘着部82、及び自由端部83を有する。接着用シール80において、固定部81は蓋体50の端縁52に固定され、粘着部82は天面11に剥離可能に接着し、自由端部83は蓋体50に固定されない(図1、図3、図8)。なお、天面11に着脱可能に接着するとは、粘着部82が、天面11に接着した状態から剥離することができ、且つ剥離した状態から再度天面11に接着することを示す。
接着用シール80の態様は、限定されず、例えば、基材(図示せず)に、接着剤が塗布された固定部81と、固定部81より接着力が弱い接着剤が塗布された粘着部82と、これらの接着剤がいずれも塗布されない自由端部83が形成されたものを用いることができる。
なお、固定部81と粘着部82の接着剤には、同じ接着力を有する接着剤を用いてもよい。また、自由端部83には、固定部81と粘着部82と同じ接着剤を一旦塗布した上で、その上からニスを塗布して接着性を失わせてもよく、また接着剤を最初から塗布しない状態で構成してもよい。
なお、基材の材質は、限定されないが、上述の包装袋10に用いられる可撓性フィルム等の樹脂材料、紙材料、生分解性材料、バイオマス材料等を用いることができる。また、基材の形態は、限定されず、上述の包装袋10に用いられる単層フィルム、ラミネートフィルム、混合フィルムを用いることができる。さらに、基材の厚みは、上述の包装袋10に用いられる可撓性フィルム厚みを採用することができる。
また、固定部81の接着剤の材質は、限定されないが、粘着力が2N/25mm以上6N/25mm以下の接着剤で構成することが好ましい。また、粘着部82の接着剤の材質は、限定されないが、粘着力が2N/25mm以上6N/25mm以下となる材質であることが好ましい。ここで、粘着力とは、JIS Z0237を参考にした粘着力試験法により測定した引きはがし抵抗値を示す。
本実施形態のシート包装体100では、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52側に、天面11に着脱可能に接着する接着用シール80が固定され、第2押圧加工部70の第2端縁52側の端部72が、接着用シール80に覆われていない。
ここで、第2押圧加工部70の第2端縁52側の端部72は、蓋体50の第1端縁51側に位置する第2押圧加工部70の端部71と反対側に位置する第2押圧加工部70の端部72を示す。また、第2押圧加工部70の第2端縁52側の端部72が、接着用シール80に覆われていないとは、接着用シール80が第2押圧加工部70に被らないように配置されていることを示す。
本実施形態では、上述のように、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52に接着用シール80が設けられていることで、接着用シール80が天面11の取出口20を開口するためのトリガーTGを構成することができる。そして、接着用シール80を天面11から剥がすと、天面11に取出口20が開裂し、開裂した天面11の一部BLは蓋体50を構成する。このような構成により、包装袋10の天面11を押え付けずに取出口20を開封することができる。そのため、本実施形態では、取出口20の開封時にシートSが破れるのを防ぐことができる(図1、図3、図8、図12、図13)。
また、本実施形態では、蓋体50にこのような接着用シール80が設けられていることで、取出口20(OP)を再封(または閉口)した状態で接着用シール80を介して蓋体50を天面11に接着することができる。これにより、蓋体50による取出口20(OP)の再封(または閉口)が容易である。また、このような構成では、取出口20(OP)を閉口した状態で、包装袋10の形状が維持されやすく、包装袋10内でシートS(シート積層体SL)の収容状態が乱れにくい。また、蓋体50を再封(または閉口)した状態が維持されるため、再封(または閉口)した取出口20(OP)からの包装袋10内に塵埃の進入を防ぐことができる(図12、図14)。
なお、本実施形態では、蓋体50にこのような接着用シール80を設けることで、取出口20(OP)からシートSを取り出す際に、接着用シール80にシートSが貼り付くおそれがある。しかしながら、本実施形態では、上述のように、展開した蓋体50が取出口20(OP)を閉口する元の状態に戻ろうとする蓋体50の動きを遅くすることができるので、蓋体50が邪魔になりにくい。そのため、本実施形態では、蓋体50に接着用シール80を設けた場合でも、接着用シール80にシートSが貼り付きにくい(図12、図13)。
本実施形態では、上述のように、第2押圧加工部70の第2端縁52側の端部72が接着用シール80に覆われていないことで、接着用シール80の固定部81と蓋体50の第2端縁52との固着力が低下しにくく、取出口20の開閉時に蓋体50から接着用シール80が剥がれるのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、第2押圧加工部70の第2端縁52側の端部72が接着用シール80で覆われないようにするために、第2押圧加工部70を短くしなければならず、その分だけ取出口20の開口時における蓋体50の形状の維持がしにくくなるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、取出口20の開封後(または開口後)に天面11に接続されない自由端となる変形しやすい蓋体50の第2端縁52が接着用シール80で固定される。そのため、本実施形態では、取出口20の開封後(または開口後)も、蓋体50に形成された第2押圧加工部70と蓋体50に固定された接着用シール80の固定部81とで相乗的に蓋体50の形状を維持することができる(図1、図3、図8、図16、図17)。
本実施形態のシート包装体100は、第2端縁52の一部52Aが、連続する切目線で構成されている。そして、第2端縁52の一部52Aが、接着用シール80に覆われている。本明細書において、第2端縁52の一部52Aが、連続する切目線で構成されているとは、蓋体の第2端縁52の一部52Aが予めカットされていることを示す。第2端縁52の一部52Aが接着用シール80で覆われるとは、第2端縁52の一部52Aに沿って接着用シール80が蓋体に固定されていることを示す。
具体的には、取出口20を構成する開裂用切目線CLの一部が、蓋体50の第2端縁52の一部52Aに対応する部分で、カットC2とタイT2(1つのカットC2の両端に並ぶカットされていない部分)が交互に予め配置され、蓋体50の第2端縁52の一部52AがこのカットC2に対応することを示す(図8)。そして、カットC2で構成された第2端縁52の一部52Aが接着用シール80で覆われている。
なお、蓋体50の第2端縁52の一部52Aに対応する開裂用切目線CLの一部において、カットC2の長さ、及びタイT2の長さは、任意である。例えば、カットC2の長さは、10mm以上30mm以下にすることができ、好ましくは13mm以上27mm以下、より好ましくは16mm以上25mm以下である。また、各タイT2の長さは、0.3mm以上5.0mm以下にすることができ、好ましくは0.4mm以上2.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下である。
また、本実施形態では、第2端縁52の一部52Aの第1方向(X方向)の間隔W5が、接着用シール80の第1方向(X方向)の幅W4よりも短くなっている(図8)。接着用シール80の第1方向(X方向)の幅W4は、接着用シール80の第1方向(X方向)に広がる範囲を示す。第2端縁52の一部52Aの第1方向(X方向)の間隔W5は、第2端縁52の一部52Aを構成する第2端縁52の一部52Aの第1方向(X方向)に沿う一方の末端52Bから他方の末端52Cまでの距離W5を示す。なお、第2端縁52の一部52Aの第1方向(X方向)の間隔W5は、取出口20を構成する開裂用切目線CLの一部のカットC2の長さに対応する。
なお、第2端縁52の一部52Aの第1方向(X方向)の間隔W5は、接着用シール80の第1方向(X方向)の幅W4に対して、75%以上99%以下であり、好ましくは80%以上95%以下、より好ましくは85%以上90%以下である(図8)。本実施形態では、例えば、接着用シール80の第1方向(X方向)の幅W4は約25mmであり、第2端縁52の一部52Aの第1方向(X方向)の間隔W5は約22mmである。
本実施形態では、蓋体50の第2端縁52の一部52Aを連続する切目線で構成することで、指が第2端縁52の一部52Aに掛かりやすくなる。また、第2端縁52の一部52Aの周辺は、蓋体50の中でも変形しやすい部分のひとつであるが、本実施形態では、このような変形しやすい部分が接着用シール80の固定部で固定されるため、蓋体50の変形を防ぐことができる。
また、上述のように、蓋体50の第2端縁52の一部52Aを連続する切目線で構成することで、該第2端縁52の一部52Aが予めカットされているため、第2端縁52の一部52Aが接着用シール80に覆われていても、取出口の開封時に包装袋の天面の一部が開裂しやすい。そのため、本実施形態では、取出口の開封時に接着用シール80に覆われた第2端縁52の一部52Aの周辺で、包装袋の天面が予期せぬ部分で破れるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第2端縁52の一部52Aの第1方向(X方向)の間隔W5が、接着用シール80の第1方向(X方向)の幅W4よりも短くなっていることで、取出口20の開封前に取出口20が開口するのを防ぐことができる。
本実施形態のシート包装体100は、自由端部83の端縁83Aが波形Uである。ここで、波形Uは、曲線の凸部Bと凹部Dが繰り返し連続する形状を示す(図9)。
本実施形態のシート包装体100は、波形Uの周期Pが、0.1mm以上5mm以下である。ここで、波形Uの周期Pは、波形Uの隣り合う二つの凸部B(凸部B1、B2)間の距離または凹部D(凹部D1、D2)間の距離Pを示す。波形Uの周期Pが0.1mm以上5mm以下であることは、波形Uのスケールが微小であることを示す(図1、図3、図8、図9)。
本実施形態のシート包装体100は、周期Pが、波形Uの波高Hの2倍以上である。ここで、波形Uの波高Hとは、波形Uの凸部Bの頂部から凹部Dの底部までの垂直距離Hを示す(図9)。
実施形態では、接着用シール80の自由端部83の端縁83Aを構成する波形Uとして、例えば、周期P1が波高H1の約5倍である波形U1を採用することができる(図9)。また、波形Uとして、周期P2が波高H2の約10倍である波形U2を採用することができる(図10)。さらに、波形Uとして、周期P3が波高H3の約2倍である波形U3を採用することができる(図11)。
波形Uの波高Hは、好ましくは0.03mm以上2mm以下であり、より好ましくは0.05mm以上1.5mm以下であり、さらに好ましくは0.1mm以上0.8mm以下である。なお、波形Uの波高Hが0.03mm以上2mm以下の範囲であることは、波形Uのスケールが微小であることを示す。
本実施形態では、上述のように、接着用シール80が蓋体50に固定されない自由端部83を有することで、接着用シール80がつかみやすくなり、取出口20の開封(開口)及び再封(閉口)(以下、取出口20の開閉という)が容易になる(図1、図3、図8、図12、図14)。
また、本実施形態では、上述のように、接着用シール80の自由端部83の端縁83Aを波形Uにすることで、接着用シール80の自由端部83に触れた指先は、自由端部83の端縁83Aの波形Uを構成する曲線の凸部B(凸部B1、B2)だけに接触する(図9)。そのため、接着用シール80の自由端部83をつまんで取出口20を開封(開口)または再封(閉口)する際(以下、取出口20の開閉時という)に、接着用シール80の自由端部83に触れた指先への負担(例えば、指先を痛めたり、指先が傷つくこと等)を抑制することができる(図1、図3、図8~図12、図14)。
また、本実施形態では、上述のように、接着用シール80の自由端部83の端縁83Aを波形Uにすることで、シート包装体100における取出口20の開閉時に、接着用シール80(自由端部83)が識別しやすくなる。そのため、本実施形態によれば、接着用シール80の自由端部83が指先でつまみやすくなり、取出口20の開閉が容易になる(図1、図3、図8~図12、図14)。
本実施形態では、上述のように、接着用シール80の自由端部83における端縁83Aの波形Uの周期Pを0.1mm以上5mm以下にすることで、自由端部83の端縁83Aを構成する波形Uの凸部B(凸部B1、B2)または凹部D(凹部D1、D2)の間隔Pが小さくなる。これにより、接着用シール80の自由端部83の端縁83Aに指先の違和感を軽減しながら、該指先への負担をさらに軽減することができる(図1、図3、図8~図12、図14)。
また、本実施形態では、接着用シール80における自由端部83の端縁83Aで波形Uの凸部B(凸部B1、B2)または凹部D(凹部D1、D2)の間隔Pが小さくなることで、接着用シール80における自由端部83の端縁83Aを波形Uにすることによるシート包装体100の外観(または見栄え)の低下を抑制することができる(図1、図3、図8~図12、図14)。
本実施形態では、接着用シール80の自由端部83における波形Uの周期Pを波形Uの波高Hの2倍以上にすることで、自由端部83の端縁83Aを構成する波形Uの凸部Bの傾斜がなだらかになる。これにより、接着用シール80において自由端部83の端縁83Aがなめらかになり、自由端部83の端縁83Aに触れる指先の違和感をさらに軽減しながら、該指先への負担をさらに軽減することができる(図1、図3、図8~図12、図14)。
また、本実施形態では、自由端部83の端縁83Aに形成される波形Uの凸部Bの傾斜がなだらかになることで、接着用シール80における自由端部83の端縁83Aを波形Uにすることによるシート包装体100における接着用シール80の外観(または見栄え)の低下を抑制することができる(図1、図3、図8~図12、図14)。
本実施形態のシート包装体100は、自由端部83に、接着用シール80の幅方向(X方向)に延びる第3押圧加工部90が形成されている。ここで、接着用シール80の幅方向は、シート包装体100における取出口20の開閉時に接着用シール80を着脱する方向(Y方向)と交差する方向(X方向)を示す(図1、図3、図8)。
なお、本実施形態では、第3押圧加工部90の長さW6が、接着用シール80の第1方向(X方向)の幅W4よりも短くなっているが、第3押圧加工部90の長さW6は、接着用シール80の第1方向(X方向)の幅W4と同じにしてもよい。なお、本実施形態では、第3押圧加工部90の長さW6は、第2端縁52の一部52Aの第1方向(X方向)の間隔W5と同じ寸法となっているが、第3押圧加工部90の長さW6は、第2端縁52の一部52Aの間隔W5より長くても、また短くてもよい。
本実施形態では、接着用シール80の自由端部83に接着用シール80の幅方向(X方向)に延びる第3押圧加工部90を設けることで、第3押圧加工部90に沿って接着用シール80の自由端部83が折れ曲がりやすくなる。これにより、本実施形態では、接着用シール80の自由端部83がつまみやすくなり、取出口20の開閉が容易になる(図1、図3、図8、図12、図14)。
図15は、第1実施形態の第1変形例を示す図である。なお、図15において、図1、図3、図8と共通する部分については、説明を省略する。第1実施形態の第1変形例に係るシート包装体100では、蓋体50に、天面11に接続する蓋体50の第1端縁51に沿って延びる第1押圧加工部60が形成され、第2押圧加工部70は形成されていない(図15)。
第1実施形態の第1変形例では、上述の第1実施形態(図8)と同様に第1押圧加工部60が設けられているため、第2押圧加工部70は形成されていなくても、第1押圧加工部60が設けられることによる効果と同様の効果が得られる。すなわち、第1実施形態の第1変形例によれば、取出口20(OP)からシートSを取り出す際に、展開された蓋体50が取出口20(OP)から離れた状態を維持することができ、取出性が良好なシート包装体を提供することができる(図13、図15)。
図16は、第1実施形態の第2変形例を示す図である。なお、図16において、図1、図3、図8と共通する部分については、説明を省略する。第1実施形態の第2変形例に係るシート包装体100では、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52の一部52Aが、第1端縁51側に向かって凸となる(図16)。
ここで、第2端縁52の一部52Aが第1端縁51側に向かって凸となるとは、蓋体50において天面11に接続されない自由端(第2端縁52)の一部が該自由端(第2端縁52)側から天面11に接続された固定端(第1端縁51)側に向かって平面視で窪む(凹部IAを構成する)ことを示す(図16)。
第1実施形態の第2変形例では、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52の一部52Aが第1端縁51側に向かって凸となる(凹部IAを構成する)ことで、蓋体50の第1端縁51と第2端縁52の間隔L2が短くなる。これにより、蓋体50の面積が小さくなり、取出口20の開封時(または開口時)あるいは再封時(または閉口時)に蓋体50が変形しにくくなる。そのため、取出口20(OP)の再封時(または閉口時)に、取出口20と蓋体50の間に生じる隙間を小さくすることができるので、再封時(または閉口時)に取出口20から包装袋10内に塵埃が進入するのを防ぐことができる(図16)。
また、本実施形態では、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52の一部52Aが第1端縁51側に向かって凸となる(凹部IAを構成する)ことで、第2端縁52の一部52Aが第1端縁51側に窪んだトリガー(凹部IA)を構成することができる。このような窪んだトリガー(凹部IA)は、指先が掛りやすい。そのため、本実施形態では、接着用シール80が設けられていなくても、取出口20の開封(または開口)が容易になる(図16)。
また、本実施形態では、蓋体50の第2端縁52の一部52Aがこのような窪んだトリガー(凹部IA)を構成することで、取出口20の開封時(または開口時)に蓋体50の第2端縁52を簡単につまむことができる。そのため、包装袋10の天面11を押え付けずに取出口20を開封することができる。これにより、本実施形態では、取出口20の開封時に包装袋10に収容されたシートSが破れるのを防ぐことができる(図16)。
さらに、本実施形態では、蓋体50の第1端縁51と反対側の第2端縁52の一部52Aが第1端縁51側に向かって凸となる(凹部IAを構成する)ことで、開封された取出口20(OP)において第2端縁52に対応する蓋体50の自由端(第2端縁52)が第1端縁51に対応する蓋体50の固定端(第1端縁51)側に湾曲する形状となる。これにより、天面11からシートSが引き出される際に、取出口20の第2端縁52側の端縁(凹部IC)付近で天面11の一部BLが撓みやすくなり、引き出されるシートSに対する摩擦力を緩和することができる。そのため、本実施形態では、シートSを引き出す際に、シートSが破れにくくなる(図16)。
図17は、第2実施形態に係るシート包装体において取出口とシール部の一部を拡大した図である。なお、図17において、図1、図3、図8と共通する部分については、説明を省略する。第2実施形態のシート包装体400では、取出口20が、天面11の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)の両端縁11C、11Dのうち一方の端縁11C側に形成され、蓋体50は、第2方向(Y方向)のうち一方の端縁11C側の第1端縁51が天面11に接続され、第1押圧加工部60が、蓋体50の第1端縁51側に設けられている(図17)。
なお、第2実施形態では、包装袋10の材質が樹脂等のフィルムの場合、第1方向(X方向)は、樹脂成形において樹脂を流す方向(フィルムの延伸方向または流れ方向)と直交する方向であることが好ましい。また、第2方向(Y方向)は、延伸方向または流れ方向であることが好ましい。
第2実施形態では、蓋体50の第1押圧加工部60が第2方向(Y方向)の一方の端縁11C側に設けられていることで、天面11に接続された蓋体50の第1端縁51の近傍51A(取出口20を開口するために蓋体50を展開したときに応力が生じやすい部分)に蓋体50の第1押圧加工部60を設けることができる。そのため、第2実施形態によれば、取出口20(OP)からシートSを取り出す際に、展開された蓋体50が取出口20(OP)から離れた状態を維持することができ、取出性が良好なシート包装体を提供することができる(図17)。
また、第2実施形態では、取出口20が天面11の第2方向(Y方向)の一方の端縁11C側に形成されているため、取出口20が天面11全体に形成されることはない。そのため、取出口20が開口した後も包装袋10の形状が保たれやすく、包装袋10内でシートS(シート積層体SL)の収容状態が乱れにくい。そのため、第2実施形態によれば、シート包装体100を最後まできれいに使用することができる(図18)。
さらに、第2実施形態では、取出口20を天面11の第2方向(Y方向)の一方の端縁11C側に形成することで、取出口20を天面11の第2方向(Y方向)の一方の端縁11C側に開口させることができる。これにより、取出口20からシートSを取り出す際に、シートSを天面11側に引き出すことができ、さらに第2方向(Y方向)に沿って第2方向(Y方向)の一方の端縁11C側に引き出すこともできる。そのため、第2実施形態によれば、使い勝手がよいシート包装体100を提供することができる(図17)。
図18は、第3実施形態に係るシート包装体を示す図である。なお、図18において、図1、図3、図8と共通する部分については、説明を省略する。第3実施形態のシート包装体500では、取出口20が、天面11の中央部11Eに形成され、蓋体50は、天面11の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)の第1端縁51が天面11に接続され、第1押圧加工部60が、蓋体50の第1端縁51側に設けられている(図18)。
なお、第3実施形態では、包装袋10の材質が樹脂等のフィルムの場合、第1方向(X方向)は、樹脂成形において樹脂を流す方向(フィルムの延伸方向または流れ方向)と直交する方向であることが好ましい。また、第2方向(Y方向)は、延伸方向または流れ方向であることが好ましい。
第3実施形態では、蓋体50の第1押圧加工部60が第2方向(Y方向)の一方の端縁11C側に設けられていることで、天面11に接続された蓋体50の第1端縁51の近傍51A(取出口20を開口するために蓋体50を展開したときに応力が生じやすい部分)に蓋体50の第1押圧加工部60を設けることができる。そのため、第3実施形態によれば、取出口20(OP)からシートSを取り出す際に、展開された蓋体50が取出口20(OP)から離れた状態を維持することができ、取出性が良好なシート包装体を提供することができる(図18)。
また、第3実施形態では、取出口20が天面11の中央部11Eに形成されているため、取出口20が天面11全体に形成されることはない。そのため、取出口20が開口した後も包装袋10の形状が保たれやすく、包装袋10内でシートS(シート積層体SL)の収容状態が乱れにくい。そのため、第3実施形態によれば、シート包装体100を最後まできれいに使用することができる(図18)。
さらに、第3実施形態では、取出口20を天面11の中央部11Eに形成することで、取出口20を天面11の中央部11Eに開口させることができる。これにより、取出口20からシートSを取り出す際に、シートSを天面11の中央部11Eから引き出すことができる。そのため、第3実施形態によれば、取出口20からのシートSの取り出しが容易であり、また、取出口20からシートSを安定的に取り出すことができる(図18)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。