JP2022024529A - 原子炉圧力容器の撤去工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業効率を従来よりも向上させることが可能な原子炉圧力容器の撤去工法を提供する。【解決手段】原子炉圧力容器の上部から原子炉建屋の地下設備室に至る第1搬送ルートを用いて原子炉圧力容器の解体物を搬送する第1搬送工程と、原子炉建屋の主蒸気配管室を介して原子炉建屋からタービン建屋に至る第2搬送ルートを用いて解体物を搬送する第2搬送工程とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、原子炉圧力容器の撤去工法に関する。
下記特許文献1には、原子炉撤去工法が開示されている。この原子炉撤去工法は、原子炉建屋とタービン建屋との間に設けられたメインスチームトンネル(主蒸気配管室)を原子炉圧力容器の解体時の搬出用通路として利用するものであり、メインスチーム主蒸気配管室を介して解体物をタービン建屋に移送して保管する。このような原子炉撤去工法によれば、既存のメインスチーム主蒸気配管室を解体物の搬出用通路として利用することにより、作業者は第1クルーの作業者のみで足りるので、作業者人員を大幅に削減することができる。また、搬出作業、搬送作業、保管作業という一連の作業も第1クルーの作業者のみで実施できるため、原子炉建屋からタービン建屋に解体物を効率よく移送することができる。
特開2008-309703号公報
ところで、上記背景技術は、比較的狭いメインスチーム主蒸気配管室を解体物の搬出用通路として専ら利用するので、解体物がメインスチーム主蒸気配管室に集中することになる。このメインスチーム主蒸気配管室は、原子炉圧力容器の主蒸気(メインスチーム)をタービン建屋の発電機に供給する主蒸気系配管とタービン建屋の復水器で発生する凝縮水を原子炉圧力容器に給水する給水配管とが設けられる主蒸気配管室であり、比較的狭い空間である。したがって、背景技術によれば、作業者人員の削減は可能なものの作業効率の低下を招く虞がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、作業効率を従来よりも向上させることが可能な原子炉圧力容器の撤去工法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、原子炉圧力容器の撤去工法に係る第1の解決手段として、原子炉圧力容器の上部から原子炉建屋の地下設備室に至る第1搬送ルートを用いて前記原子炉圧力容器の解体物を搬送する第1搬送工程と、前記原子炉建屋の主蒸気配管室を介して前記原子炉建屋からタービン建屋に至る第2搬送ルートを用いて前記解体物を搬送する第2搬送工程とを有する、という手段を採用する。
本発明では、原子炉圧力容器の撤去工法に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記第1搬送工程では、前記解体物のうち放射能レベルが比較的高い第1解体物を搬送する、という手段を採用する。
本発明では、原子炉圧力容器の撤去工法に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記第2解体物は、前記原子炉圧力容器の炉心に関するものである、という手段を採用する。
本発明では、原子炉圧力容器の撤去工法に係る第4の解決手段として、上記第1~第3の解決手段において、前記第2搬送工程では、前記解体物のうち放射能レベルが比較的低い第2解体物を原子炉格納容器の側方から搬出する、という手段を採用する。
本発明では、原子炉圧力容器の撤去工法に係る第5の解決手段として、上記第1~第4のいずれかの解決手段において、前記地下設備室は、少なくともトーラス室あるいは/及びタンク室を含む、という手段を採用する。
本発明では、原子炉圧力容器の撤去工法に係る第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、前記地下設備室を前記トーラス室及び前記タンク室とする場合、前記トーラス室に前記解体物を収容し、その後に前記トーラス室から前記タンク室に前記解体物を移動させる、という手段を採用する。
本発明では、原子炉圧力容器の撤去工法に係る第7の解決手段として、上記第1~第6のいずれかの解決手段において、前記地下設備室では、放射能レベルが比較的低い前記解体物を入口により近い場所に配置し、前記放射能レベルが比較的高い前記解体物を前記入口からより遠い場所に配置する、という手段を採用する。
本発明では、原子炉圧力容器の撤去工法に係る第8の解決手段として、上記第1~第7のいずれかの解決手段において、前記解体物は、放射能レベルに応じて予め用意された遮蔽容器に収納されて搬送される、という手段を採用する。
本発明によれば、作業効率を従来よりも向上させることが可能な原子炉圧力容器の撤去工法を提供することが可能である。
本発明の一実施形態における原子力発電施設の縦断面図である。 本発明の一実施形態における原子炉建屋の構造を示す横断面図である。 本発明の一実施形態に係る原子炉圧力容器の撤去工法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る原子炉圧力容器(RPV:Reactor Pressure Vessel)の撤去工法は、原子力発電施設が運転を終了して原子力発電施設を解体する際において、原子力発電施設の主要な構造物であると共に先に解体される原子炉圧力容器の解体物を原子力発電施設を何処にどのように一時収容するかに関するものである。
ここで、原子炉圧力容器の解体物は、放射性廃棄物として取り扱いべきものと放射性廃棄物でないものとに分類される。また、放射性廃棄物として取り扱いべき解体物は、放射能レベルに応じて幾つかのグループに分類される。本実施形態では、放射性廃棄物として取り扱いべき解体物を例えば以下の3つのグループに分類して取り扱う。
第1グループは、放射能レベルが比較的高い構造物の解体物であり、例えば原子炉圧力容器の炉心を構成していた構造物の解体物(第1解体物)が含まれる。第2グループは、放射能レベルが比較的低い構造物の解体物であり、例えば原子炉圧力容器の外郭を構成していた構造物の解体物(第2解体物)が含まれる。第3グループは、放射能レベルが極めて低い構造物の解体物であり、例えば原子炉圧力容器の外部を構成していた構造物の解体物(第3解体物)が含まれる。
これら第1、第2解体物は、その放射能レベルに応じて予め用意された遮蔽容器に収容されて収容先に搬送される。すなわち、第1解体物は、比較的高い放射能レベルが運搬作業に携わる作業員に対して悪影響を及ぼさないように放射能遮蔽性能が最も高い遮蔽容器(第1遮蔽容器)に収容されて搬送される。この第1遮蔽容器は、例えば一辺が1600mmの立方体であり、一面が開放された立方体形状の本体部と上記一面に係合する略平板状の蓋部とを備える。
第2解体物は、比較的低い放射能レベルを有するが、運搬作業に携わる作業員に対して悪影響を及ぼさないように放射能遮蔽性能の遮蔽容器(第2遮蔽容器)に収容されて搬送される。第2遮蔽容器は、例えば円筒形状(ドラム缶形状)であり、一端が開口した有底円筒形の本体部と当該本体部蓋部の一端に係合する略円板状の蓋部とを備える。
なお、第3解体物は、運搬作業に携わる作業員に対して悪影響を及ぼすものではないので、放射能遮蔽性能を有する専用容器に収容されて搬送されることなく、収容先で専用容器に収容される。
続いて、本実施形態における原子力発電施設Aの構造について、図1及び図2を参照して説明する。なお、原子力発電施設Aは、特殊なものではなく構造が公開されている周知のものである。
この原子力発電施設Aは、図1に示すように原子炉建屋1とタービン建屋2とを備える。この原子力発電施設Aは、図1に示すように半地下構造のコンクリート構造物であり、一部(下部)が高度が地表より低い地下に位置し、残部(上部)が地表よりも高いところに位置する。すなわち、この原子力発電施設Aにおいて、原子炉建屋1及びタービン建屋2の下部は地表下に位置し、原子炉建屋1及びタービン建屋2の上部は地表上に位置している。
原子炉建屋1は、図1に示すように地下1階、地上5階のコンクリート構造物であり、中央には地下1階から地上4階にかけて原子炉格納容器1a(PCV:Primary Containment Vessel)が収容されている。この原子炉格納容器1aは、金属製の略密閉容器であり、中央部に原子炉圧力容器Xを収容している。
すなわち、この原子炉格納容器1aは、外部がコンクリートによって囲まれた金属製容器であり、原子炉圧力容器Xに加え、原子炉圧力容器Xを支持するために構造物(支持構造物)及び原子炉圧力容器Xに接続された多数の配管が収容されている。なお、原子炉格納容器1aの内部において、原子炉圧力容器Xの周囲の空間つまり支持構造物や各種配管等が設けられた空間を「ドライウェル」という。
原子炉圧力容器Xは、金属製の略密閉容器であり、頭部(上部)がRPVヘッドと呼ばれ着脱自在である。この原子炉圧力容器Xは、内部に多数の燃料棒及び制御棒並びに当該燃料棒及び制御棒を支持する支持部材等が収容されている。これら燃料棒、制御棒及び支持部材は炉心を構成している。
このような原子炉圧力容器Xの撤去において、燃料棒は先行して原子炉圧力容器X及び原子炉格納容器1aの外部に搬出され、制御棒及び支持部材が主に原子炉圧力容器X内における解体物となる。このような制御棒及び支持部材の解体物は、上述した第1解体物である。
また、原子炉圧力容器Xの撤去では、原子炉圧力容器Xの解体によって解体物が発生する。この原子炉圧力容器Xの解体物は、炉心の解体物に比較して放射能レベルが低く、上述した第2グループに属する第2解体物である。なお、原子炉圧力容器Xの解体物のうち、原子炉圧力容器Xの内部ではなく外周に位置する構造物の解体物は、放射性廃棄物として取り扱い必要のないものであり、上述した第3解体物である。
図2にも示すように、原子炉建屋1の地下1階には原子炉格納容器1aを囲むように略円環形状(ドーナツ形状)のトーラス室1bが設けられている。このトーラス室1bは、同じく略円環形状(ドーナツ形状)のサプレッションチェンバ(サプレッションプール)を収容する空間である。このサプレッションチェンバは金属製の水密容器であり、複数のベント管を介して原子炉格納容器1aの内部と連通している。
また、原子炉建屋1の地下1階には、図2に示すようにトーラス室1bの外側に複数のタンク室1c及び機器室1dが設けられている。タンク室1cは、原子力発電施設Aの運転に必要な各種の液体を貯留する金属製容器を複数収容する空間であり、トーラス室1bに隣接するように外側に複数設けられている。機器室1dは、原子力発電施設Aの運転に必要な各種機器を収容する空間であり、トーラス室1bに隣接するように外側に複数設けられている。このようなタンク室1c及び機器室1dは、本発明の地下設備室に相当する。
また、原子炉建屋1の地上1階から地上2階には、タービン建屋2に繋がる主蒸気配管室1eが設けられている。この主蒸気配管室1eは、原子炉圧力容器Xの主蒸気(スチーム)をタービン建屋2の蒸気タービン2aに供給する主蒸気系配管とタービン建屋2の発電設備2bで発生する凝縮水を原子炉圧力容器Xに給水する給水配管とが設けられる空間であり、原子炉格納容器1aの側方からタービン建屋2にかけて設けられている。なお、この主蒸気配管室1eについては、主蒸気配管室とも言う。
また、原子炉建屋1の地上2階及び地上3階には、原子力発電施設Aの運転に必要な各種設備を収容する各種空間が設けられ、また地上4階には燃料プール1fが設けられている。この燃料プール1fは、使用済みの燃料棒を一時的に保管する水槽であり、多数の燃料棒を収容する広さを備えている。
なお、原子炉圧力容器Xの撤去に際して、燃料プール1fの燃料棒は、先行して原子炉建屋1の外部に排出されており、また燃料プール1f内の水も先行して外部に排出されている。したがって、原子炉圧力容器Xの撤去時において、燃料プール1fは空の状態にである。
さらに、原子炉建屋1の地上5階は、原子力発電施設Aの運転に際して各種の作業を行うための作業室1gである。この作業室1gは、原子力発電施設Aの運転時において、主に燃料棒や制御棒の交換作業を行うための空間であり、上部に天井クレーン1hが設けられている。この天井クレーン1hは、上記交換作業に必要な各種の重量物を搬送する荷役設備である。
このような原子炉建屋1の地上5階において、原子炉格納容器1aの直上に位置する部位の床はコンクリートハッチ1iによって開閉自在になっている。このコンクリートハッチ1iは、数枚のコンクリートスラブが上下に重ねられた構造を備えており、撤去されることによって原子炉格納容器1aの頭部(PCVヘッド)を作業室1gに対して露出させる。また、図1に示すように、原子炉格納容器1aとトーラス室1bとの間にはベント管貫通部1jが設けられている。
一方、タービン建屋2は、原子炉建屋1に隣接すると共に図1に示すように地下1階、地上4階のコンクリート構造物である。このタービン建屋2の中央には地下1階から地上4階にかけてタービン室2aが設けられている。このタービン室2aは、1あるいは複数の発電設備2bを収容する空間である。
この発電設備2bは、蒸気タービン、復水器及び発電機を含む機械設備であり、上述した主蒸気系配管から供給される蒸気を作動流体として電力を発生させて外部に給電する。すなわち、この発電設備2bは、蒸気の流体エネルギーを用いて蒸気タービンを回転させることによって発電機を駆動し、以って発電機に交流電力を発生させる。また、この発電設備2bは、蒸気タービンから排出された排蒸気を復水器で凝縮させて凝縮水とし、上述した給水配管を介して凝縮水を原子炉圧力容器Xに供給する。
次に、本実施形態に係る原子炉圧力容器の撤去工法について、図3に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
本実施形態では、図1に示すように第1搬送ルートR1を経由して第1解体物をトーラス室1bに収容し、また第2搬送ルートR2を経由して第2、第3解体物をタービン室2aに収容する。上記第1搬送ルートR1は、原子炉圧力容器Xの上部から原子炉建屋1のトーラス室1b(地下設備室)に至る搬送経路である。また、上記第2搬送ルートR2は、原子炉建屋1の主蒸気配管室1eを介して原子炉建屋1からタービン建屋2に至る搬送経路である。
第1搬送ルートR1を用いた第1解体物のトーラス室1bへの搬送作業は、本実施形態における第1搬送工程である。また、第2搬送ルートR2を用いた第2、第3解体物のタービン室2aへの搬送作業は、本実施形態における第2搬送工程である。このような第1搬送工程及び第2搬送工程は、以下に説明するように適宜行われる。
そして、本実施形態では、このような第1搬送工程及び第2搬送工程を行うために図3のフローチャートに沿って原子炉圧力容器Xの撤去作業を行う。すなわち、本実施形態では、原子炉圧力容器Xの撤去作業の準備作業として原子炉格納容器1a内に溜まった水(炉内水)を外部に配水(水抜き)する(ステップS1)。炉内水は、例えばサプレッションチェンバ水(サプレッションプール水)を貯留するサージタンク(SPHタンク)に保存される。
続いて、原子炉格納容器1aのドライウェルに存在する不要ノズル及び不要配管を解体して撤去する(ステップS2)。すなわち、このステップS2では、ドライウェル内の不要なノズル及び不要な配管が切断されて撤去される。また、このステップS2では、後工程で原子炉格納容器1aに再注水及び配水が行われる関係で、残った配管の閉止作業が行われ、また注水用及び配水用のノズル及び配管は既設のまま残される。なお、ステップS2で発生した解体物は、例えば作業室1gの床面(オペレーションフロア)に一時的に載置される。
続いて、第1搬送ルートR1の動線を確保する(ステップS3)。すなわち、このステップS3では、第1搬送ルートR1上に位置する原子炉建屋1の地上1階の床面とトーラス室1bの天井との間に開口を形成し、また第2搬送ルートR2上に位置する原子炉格納容器1aのドライウェルと主蒸気配管室1eとの間に開口を形成し、さらに第3搬送ルートR3上に位置する主蒸気配管室1eの床面とトーラス室1bの天井との間に開口を形成する。このステップS3で発生した解体物は、例えば上述したステップS2と同様にオペレーションフロアに一時的に載置される。
続いて、トーラス室1bのサプレッションチェンバを撤去する(ステップS4)。このステップS4で発生したサプレッションチェンバの解体物は、トーラス室1bの所定箇所に集約して仮保存する。このステップS4では、上記ステップS3で主蒸気配管室1e形成した開口からトーラス室1bに進入することによってサプレッションチェンバを解体・撤去する。
このサプレッションチェンバの解体物は、トーラス室1bに一旦仮置きされた後、上記開口を介して主蒸気配管室1e内に搬送され、図3に示す第3搬送ルートR3つまりベント管貫通部1jから主蒸気配管室1eとトーラス室1bと間に形成された開口及び主蒸気配管室1eを経由する搬送ルートを介してタービン建屋2のタービン室2aに搬送される。このようなサプレッションチェンバの解体物は、上述した第3解体物に相当するものであり、収容先であるタービン室2aで専用容器に収容されて保管される。
続いて、原子炉格納容器1aに注水した後に、PCVヘッド及びRPVヘッドを撤去して解体する(ステップS5)。すなわち、このステップS5では、天井クレーン1hを用いてコンクリートハッチ1iを取り外した状態、かつ、原子炉格納容器1a内の浸水状態で天井クレーン1hを用いてPCVヘッド及びRPVヘッドを撤去し、さらにオペレーションフロア上でPCVヘッド及びRPVヘッドを解体する。なお、このステップS5では、PCVヘッド及びRPVヘッドの解体物がオペレーションフロア上に仮置きされる。
続いて、原子炉圧力容器Xの内部構造物が解体・撤去される(ステップS6)。この内部構造物は炉心を構成居たものであり、よって内部構造物の解体物は第1解体物に相当する。すなわち、この内部構造物の解体物は、第1解体物に相当するので、原子炉格納容器1a内つまり水中において第1遮蔽容器に収容される。そして、この第1遮蔽容器(第1解体物)は、第1搬送ルートR1を介してトーラス室1bに搬送されて保管される。
続いて、原子炉圧力容器Xの配水を行いつつ、原子炉圧力容器Xの構造物のうち第3グループに属する構造物の切断及び解体を行う(ステップS7)。この第3グループに属する構造物の解体物は、上述した第3解体物に相当するものであり、専用容器に収容された状態で第2搬送ルートR2を介してタービン室2aに搬送されて保管される。
ここで、第3グループに属する構造物の解体物については、一部を第1搬送ルートR1を介してトーラス室1bに一旦搬送して専用容器に収容して仮保管し、後に第3搬送ルートR3を介してベント管貫通部1jからトーラス室1bを経由してタービン室2aに移送して保管してもよい。
続いて、上記ステップS7と同様に原子炉圧力容器Xの配水を行いつつ、原子炉圧力容器Xの構造物のうち第2グループに属する構造物の切断及び解体を行う(ステップS8)。この第2グループに属する構造物の解体物は、第2解体物に相当するので第2遮蔽容器に収容された状態で第2搬送ルートR2を介してタービン室2aに搬送されて保管される。
ここで、第2グループに属する構造物の解体物についても、上述した第3グループに属する構造物の解体物と同様に、一部を第1搬送ルートR1を介してトーラス室1bに一旦搬送して専用容器に収容して仮保管し、後に第3搬送ルートR3を介してベント管貫通部1jからトーラス室1bを経由してタービン室2aに移送して保管してもよい。
さらに、本実施形態では、原子炉圧力容器Xの周囲に仮設水遮蔽壁を設置した後、原子炉圧力容器Xの構造物のうち第1グループに属する構造物の切断及び解体を行う(ステップS9)。すなわち、ステップS9では、原子炉圧力容器Xの周囲に仮設水遮蔽壁を設けることにより、原子炉圧力容器Xにおける第1グループの構造物を水没させた状態で切断・解体して第1解体物とし、当該第1解体物を第1遮蔽容器に収容する。そして、このステップS9では、第1遮蔽容器(第1解体物)を第1搬送ルートR1を介してトーラス室1bに搬送して保存する。
このような本実施形態によれば、第1搬送ルートR1及び第2搬送ルートR2という2つの搬送ルートを用いて第1~第3解体物を搬送するので、単一の搬送ルートを用いて第1~第3解体物を搬送する場合に比較して、第1~第3解体物の搬送作業における作業効率を向上させることが可能である。
ここで、第1搬送ルートR1を介してトーラス室1bに搬送された第1遮蔽容器(第1解体物)、第2遮蔽容器(第2解体物)及び第3解体物については、図1に示すように第4搬送ルートR4を介してタンク室1cあるいは/及び機器室1dに移動させてもよい。すなわち、トーラス室1bにおける第1遮蔽容器(第1解体物)、第2遮蔽容器(第2解体物)及び第3解体物の収容スペースが不足する場合、これを補うためにトーラス室1bと同様に地下に位置すると共にトーラス室1bに隣接するタンク室1cあるいは/及び機器室1dを有効活用する。
また、地下設備室であるタンク室1c及び機器室1dにおける第1遮蔽容器(第1解体物)、第2遮蔽容器(第2解体物)及び第3解体物の保管形態として、放射能レベルが比較的低い第2遮蔽容器(第2解体物)及び第3解体物を地下設備室の入口により近い場所に配置し、放射能レベルが比較的高い第1遮蔽容器(第1解体物)を入口からより遠い場所に配置することが考えられる。このような保管形態を採用することにより、搬送作業に携わる作業員の被ばく量を極力低減することが可能である。
また、本実施形態によれば、放射能レベルが比較的高い第1解体物を第1搬送ルートR1を介して地下に位置するトーラス室1bに搬送して保存するので、放射能レベルが比較的高い第1解体物を地上に比べて安定した状態で保存することができる。
さらに、本実施形態によれば、解体物の放射能レベルに応じて予め用意された遮蔽容器に解体物を収納して搬送する、つまり第1解体物を第1遮蔽容器に収容して搬送し、また第1解体物を第2遮蔽容器に収容して搬送するので、搬送作業に携わる作業員の被ばく量を極力低減することが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、4つの搬送ルートつまり第1~第4搬送ルートR1~R4を用いて解体物を搬送したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、第1~第4搬送ルートR1~R4のうち、少なくとも第1、第2搬送ルートR1,R2を用いて解体物を搬送することを要旨とするものである。
(2)上記実施形態では、第1遮蔽容器(第1解体物)に加え、第2遮蔽容器(第2解体物)及びを地下設備室に収容したが、本発明はこれに限定されない。トーラス室1bのみを第1遮蔽容器(第1解体物)及び第2遮蔽容器(第2解体物)の収容先としてもよい。
(3)上記実施形態では、第2遮蔽容器(第2解体物)及び第3解体物の一部をトーラス室1bに一旦収容させたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第2遮蔽容器(第2解体物)及び第3解体物の全てを第2搬送ルートR2を介してタービン室2aに搬送して収容してもよい。
A 原子力発電施設
R1 第1搬送ルート
R2 第2搬送ルート
R3 第3搬送ルート
R4 第4搬送ルート
X 原子炉圧力容器
1 原子炉建屋
1a 原子炉格納容器
1b トーラス室
1c タンク室(地下設備室)
1d 機器室(地下設備室)
1e 主蒸気配管室
1f 燃料プール
1g 作業室
1h 天井クレーン
1i コンクリートハッチ
1j ベント管貫通部
2 タービン建屋
2a タービン室
2b 発電設備

Claims (8)

  1. 原子炉圧力容器の上部から原子炉建屋の地下設備室に至る第1搬送ルートを用いて前記原子炉圧力容器の解体物を搬送する第1搬送工程と、
    前記原子炉建屋の主蒸気配管室を介して前記原子炉建屋からタービン建屋に至る第2搬送ルートを用いて前記解体物を搬送する第2搬送工程と
    を有することを特徴とする原子炉圧力容器の撤去工法。
  2. 前記第1搬送工程では、前記解体物のうち放射能レベルが比較的高い第1解体物を搬送することを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の撤去工法。
  3. 前記第1解体物は、前記原子炉圧力容器の炉心に関するものであることを特徴とする請求項2に記載の原子炉圧力容器の撤去工法。
  4. 前記第2搬送工程では、前記解体物のうち放射能レベルが比較的低い第2解体物を原子炉格納容器の側方から搬出することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の原子炉圧力容器の撤去工法。
  5. 前記地下設備室は、少なくともトーラス室あるいは/及びタンク室を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の原子炉圧力容器の撤去工法。
  6. 前記地下設備室を前記トーラス室及び前記タンク室とする場合、
    前記トーラス室に前記解体物を収容し、その後に前記トーラス室から前記タンク室に前記解体物を移動させることを特徴とする請求項5に記載の原子炉圧力容器の撤去工法。
  7. 前記地下設備室では、放射能レベルが比較的低い前記解体物を入口により近い場所に配置し、前記放射能レベルが比較的高い前記解体物を前記入口からより遠い場所に配置することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の原子炉圧力容器の撤去工法。
  8. 前記解体物は、放射能レベルに応じて予め用意された遮蔽容器に収納されて搬送されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の原子炉圧力容器の撤去工法。
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