JP2022021338A - リキッド印刷インキ、印刷物、及びラミネート積層体 - Google Patents

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浩平 中根
Kohei NAKANE
琴姫 張
Keum-Hee Chang
プロジェリタ ダス
Projerita Das
直 茂呂居
Sunao Moroi
裕貴 堀田
Hirotaka Hotta
聡子 伊東
Satoko Ito
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Abstract

【課題】本発明の課題は、シランカップリング剤を使用せずとも、各種フィルム基材に対する密着性、耐ブロッキング性、良好な印刷適性を兼備するバイオマス由来のリキッド印刷インキを提供することにある。【解決手段】バイオポリウレタン樹脂、顔料、有機溶剤を含油するリキッド印刷インキであって、前記バイオポリウレタン樹脂が、少なくとも植物由来の炭素原子数6以下で1つのメチル基と2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオールと、植物由来の炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸とを反応原料とするポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの重合物であることを特徴とするリキッド印刷インキ。【選択図】なし

Description

本発明は、軟包装用ラミネートグラビアインキやフレキソインキとして使用可能なリキッド印刷インキに関する。
グラビアインキ、フレキソインキは、被印刷体に美粧性、内容物に関する様々な情報、及び機能性を付与させる目的で広く用いられている。
近年の包装材料は多様化が進んでおり、印刷基材に対する印刷インキの密着性や耐ブロッキング性(インキが印刷されたフィルムが巻取りされた状態で保管されるとインキ被膜が非印刷面に移行してしまう現象)は、作業効率化の観点も含め、年々条件が厳しくなってきている。
その主だったフィルム基材として、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、その優れた耐熱性・機械適性・寸法安定性・電気絶縁性・透明性・保香性などの諸特性から、一般包装用、蓋材、医薬品、ボイル・レトルト等、広い分野で利用されている。
ポリプロピレンフィルムは、その優れた透明性、コシ、防湿性から、フイルム単体、一般ラミネート用、冷凍食品、開口部をパートコート(のり付け)処理可能な包材等で利用されている。
また、ナイロンフィルムは、強靭性、耐ピンホール性に優れ、一般包材用、雑貨、水物、漬物、冷凍食品、ボイル・レトルト等の分野で利用されている。
この様にこれらフィルム基材の用途は、係る業種、その内容物の種類や使用目的は多岐に渡り、食品包材として用いられる場合、必要に応じてこれらフィルム基材を張り合わせてラミネート加工が施される。
従来、この様な軟包装用ラミネート加工物には、ポリウレタン樹脂をバインダーとした印刷インキにシランカップリング剤を添加することで、被印刷体への高い接着性とラミネート強度を向上させたことが例示されている(例えば、特許文献1:特開2001-2971)。
また、ポリウレタン樹脂と水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を含有するリキッドインキ組成物であって、ポリウレタン樹脂が、炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸としてコハク酸やアジピン酸を反応原料とするポリウレタン樹脂と、炭素数が7以上で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸としてセバシン酸を反応原料とするもう1種のポリウレタン樹脂を併用するリキッドインキ組成物が例示されている(例えば、特許文献2:特開2019-218453)。
また、ポリウレタン樹脂の合成原料として、コハク酸やセバシン酸を併用した例も例示されている(例えば、特許文献3:特許第6666324、特許文献4:特開2018-095831号公報)。
しかし、各種フィルムへの接着性は依然十分とは言ず。より高い接着性と、耐ブロッキング及び良好な印刷適性を兼備することが望まれる。
また、近年、地球環境・生態系・社会経済等に配慮し、持続的に発展すべき循環型社会の構築(サステナビリティ)を求める声が高まっており、カーボンニュートラルの観点からも、本発明のリキッド印刷インキに係る原材料をバイオマス由来の化学品に置き換えるべく配慮したものである。
特開2001-2971号公報 特開2019-218453号公報 特許第6666324号公報 特開2018-095831号公報
本発明は、シランカップリング剤を使用せずとも、各種フィルム基材に対する密着性、耐ブロッキング性、良好な印刷適性を兼備するバイオマス由来のリキッド印刷インキを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、バイオポリウレタン樹脂、顔料、有機溶剤を含有するリキッド印刷インキについて、前記バイオポリウレタン樹脂が、特定のヒドロキシル基を有するポリオールと、植物由来の特定のカルボキシル基を有するポリカルボン酸とを反応原料とするポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの重合物である事により、課題解決に有効であることを見出した。
即ち本発明は、バイオポリウレタン樹脂、顔料、有機溶剤を含油するリキッド印刷インキであって、前記バイオポリウレタン樹脂が、少なくとも植物由来の炭素原子数6以下で1つのメチル基と2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオールと、植物由来の炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸とを反応原料とするポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの重合物であることを特徴とするリキッド印刷インキを提供する。
また本発明は、前記植物由来の炭素原子数6以下で1つのメチル基と2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオールが、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、または3-メチル-1,5-ペンタンジオールであるリキッド印刷インキに関する。
また本発明は、前記植物由来の炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸が、コハク酸またはアジピン酸であるリキッド印刷インキに関する。
また本発明は、前記ポリウレタン樹脂がさらにポリエーテルポリオールを反応原料とし、ポリエーテルポリオールの質量比率が、ポリウレタン樹脂全量の1~60質量%であるリキッド印刷インキに関する。
また本発明は、前記ポリウレタン樹脂がさらにポリエーテルポリオールを反応原料とし、ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100~3500であるリキッド印刷インキに関する。
また本発明は、更に水酸基価を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を含有し、前記水酸基価が20~200mg当量KOHであり、且つ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有率が80~95質量%であるリキッド印刷インキに関する。
また本発明は、前記有機溶剤が芳香族有機溶剤及び/又はケトン系溶剤を含まないリキッド印刷インキに関する。
また本発明は、更に水をインキ全量の10質量%未満含有するリキッド印刷インキに関する。
また本発明は、前記記載のリキッド印刷インキを印刷してなる印刷物を提供する。
また本発明は、前記記載の印刷物を含有するラミネート積層体を提供する。
本発明により、シランカップリング剤を使用せずとも、各種フィルム基材に対する密着性、耐ブロッキング性、及び良好な印刷適性を兼備するバイオマス由来のリキッド印刷インキを提供することが出来る。
(言葉の定義)
本発明においてリキッド印刷インキとは、グラビア印刷インキまたはフレキソ印刷インキ等の、印刷版を使用する印刷方法に適用されるリキッド状のインキを指し、好ましくはグラビア印刷インキまたはフレキソ印刷インキである。また本発明のリキッド印刷インキは活性エネルギー硬化性の成分を含んでおらず、即ち活性エネルギー線非反応性のリキッド印刷インキである。
また、本発明において「インキ」とは全て「印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を示す。
また、本発明において、「バイオマス」とは、「再生可能な、植物由来や生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」である。
また、本発明において「植物由来」とは植物等を原材料とすることを意味し、「石油由来」とは、石油等を原材料とすることを意味している。
本発明は、バイオポリウレタン樹脂、顔料、有機溶剤を含油するリキッド印刷インキであって、前記バイオポリウレタン樹脂が、少なくとも植物由来の炭素原子数6以下で1つのメチル基と2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオールと、植物由来の炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸とを反応原料とするポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの重合物であることを特徴とするリキッド印刷インキである。
(バイオポリウレタン樹脂)
本発明で使用するバイオポリウレタン樹脂は、少なくともポリオールとポリイソシアネートを反応させて得たポリウレタン樹脂であって、ポリオールとして、少なくとも植物由来の炭素原子数6以下で1つのメチル基と2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール、より具体的には、少なくとも植物由来の1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、または3-メチル-1,5-ペンタンジオールと、植物由来の炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸とを反応原料とするポリエステルポリオール(以下ポリエステルポリオール(A)と称する場合がある)を使用することが特徴である。
前記植物由来の1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、及び3-メチル-1,5-ペンタンジオールからなる群から選ばれる何れか一つのポリオール(以下ポリオール(A)と称する場合がある)は、中でも、1,2-プロパンジオールもしくは2-メチルー1,3-プロパンジオールが好ましく、1,2-プロパンジオールがより好ましい。
また、前記ポリオール(A)以外のポリオール1種または2種以上を反応原料として併用してもよい。併用可能なポリオールは、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2ブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類が挙げられる。これらは植物由来であっても石油由来であってもよい。
前記、植物由来の炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸(以下ポリカルボン酸(A)と称する場合がある)は、具体的には、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸が挙げられる。中でもコハク酸を使用することが好ましい。
また、前記ポリカルボン酸(A)以外のポリカルボン酸1種または2種以上を反応原料として併用してもよい。併用可能なポリカルボン酸は、例えば、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。これらは植物由来であっても石油由来であってもよい。また石油由来のセバシン酸も好ましく使用することができる。
前記ポリエステルポリオール(A)において、前記ポリオール(A)や前記ポリカルボン酸(A)の使用量は特に限定はなく、例えば最終製品において所望されるバイオマス原料の含有量から逆算して算出することができる。
前記ポリエステルポリオール(A)は、前記バイオポリウレタン樹脂全量に対して30 ~95質量%の範囲で含有すればよく、より好ましくは40~90質量%であり、最も好ましくは45~85質量%である。
前記ポリエステルポリオール(A)の数平均分子量としては、1,000~8,000の範囲であることが好ましく、1,000~6,000の範囲であることがより好ましく、1,500~5,500の範囲であることが更に好ましい。
尚、本発明において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
〔標準ポリスチレン〕
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
本発明で使用するバイオポリウレタン樹脂は、前記ポリエステルポリオール(A)と、少なくともポリイソシアネートとを重合反応させた重合物であるポリウレタン樹脂である。また必要に応じて、前記ポリエステルポリオール(A)以外の汎用のポリオールや、鎖伸長剤、末端封鎖剤等を併用してもよい。
ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート化合物が好ましく、例えば、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-3,5-フェニレンジイソシアネート、1-エチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-イソプロピル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-4,6-フェニレンジイソシアネート、1,4-ジメチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1-メチル-3,5-ジエチルベンゼンジイソシアネート、3-メチル-1,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、1-メチル-ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート、ナフタレン-2,7-ジイソシアネート、1,1-ジナフチル-2,2’-ジイソシアネート、ビフェニル-2,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3-3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4-ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロペンチレンジイソシアネート、1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、適度な柔軟性が得られる点から、脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートを用いることが好ましく、更に接着強度が一層向上できる点から、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートを用いることがより好ましい。
また、前記ポリエステルポリオール(A)以外の汎用のポリオールとしては、一般的なポリウレタン樹脂で使用される前記水酸基を2個以上有する化合物である、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;2-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3,5-ヘプタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐構造を有するグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子ポリオール類、
酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類;前記低分子ポリオール類と、石油由来のセバシン酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類;環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類;前記低分子ポリオール類などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類;ポリブタジエングリコール類;ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類;1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオール(A)と前記ポリエーテルポリオールとを併用することも好ましい。前記ポリエーテルポリオールは、前記バイオポリウレタン樹脂全量に対して1~60質量%の範囲で含有すればより好ましく、1~40質量%の範囲であれば更に好ましい。ポリウレタン樹脂100質量%に対してポリエーテルポリオールが1質量%以上であれば、該ウレタン樹脂のケトン、エステル、アルコール系溶剤への溶解性も良好であり、また、インキ皮膜の該溶剤への再溶解性が低下し難く、印刷物の調子再現性が劣化しにくい。また、60質量%以下であれば、耐ブロッキング性が良好に保持される傾向となる。
また、前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100~3500の範囲であればより好ましい。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100以上であれば、ポリウレタン樹脂の皮膜が硬くなる事もなくポリエステルフィルムへの接着性が良好に保持される傾向となる。数平均分子量が3500以下であれば、ポリウレタン樹脂の皮膜が脆弱になる傾向が抑制でき、インキ皮膜の耐ブロッキング性が良好に保持される傾向となる。
鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミンなどの他、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
反応停止を目的とした末端封鎖剤としては、一価の活性水素化合物を用いることができる。例えばジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L-アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のリキッド印刷インキで使用するバイオポリウレタン樹脂は、前記反応原料を公知の方法で反応させて得られる。例えば、前記ポリエステルポリオール(A)と、ポリイソシアネート、必要に応じて、前記ポリエステルポリオール(A)以外の汎用のポリオールを、イソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られるプレポリマーを、例えばリキッド印刷インキ用の溶剤として通常用いられる、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノールなどのアルコール系溶剤や、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤や、あるいはこれらの混合溶剤の中で、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤と反応させる二段法や、前記ポリエステルポリオール(A)と、ポリイソシアネート、必要に応じて、前記ポリエステルポリオール(A)以外の汎用のポリオール、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤を、前記のうち適切な有機溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。
これらの方法のなかでも、均一なバイオポリウレタン樹脂を得るには、二段法によることが好ましい。また、バイオポリウレタン樹脂を二段法で製造する場合、イソシアネート基と鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤のアミノ基の合計(当量比)が1/0.9~1.3の割合になるように反応させることが好ましい。イソシアネート基とアミノ基との当量比が1/1.3より小さいときは、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤が未反応のまま残存し、ポリウレタン樹脂が黄変したり、印刷後臭気が発生したりする場合がある。
このようにして得られるバイオポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、10,000~100,000の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは15,000~95,000の範囲である。バイオポリウレタン樹脂の重量平均分子量が10,000以上であれば、得られるリキッド印刷インキの耐ブロッキング性、印刷被膜の強度や耐油性などが低下し難く、100,000以下であれば、得られるリキッド印刷インキの粘度が高くなり過ぎる事がなく、印刷被膜の光を保持し易い。なお、前記バイオポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、前記ポリエステルポリオールの数平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。
本発明のリキッド印刷インキで使用するバイオポリウレタン樹脂のインキ全量に対する含有量は、インキの被印刷体への接着性を十分にする観点からインキ全量に対して3質量%以上、適度なインキ粘度やインキ製造時・印刷時の作業効率の観点から25質量%以下が好ましく、更には5~12質量%の範囲が好ましい。
(塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂)
更に、本発明のリキッド印刷インキでは、前記バイオポリウレタン樹脂に加えて、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を添加する事で、より基材への接着性が向上する。
前記水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂としては、水酸基価が20~200mgKOH/gであり、かつ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有比率が80~95重量%である事が好ましい。
本発明に用いられる水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、二種類の方法で得ることができる。一つは塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマーおよびビニルアルコールを適当な割合で共重合して得られる。もう一つは、塩化ビニルと酢酸ビニルを共重合した後、酢酸ビニルを一部ケン化することにより得られる。水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜の性質や樹脂溶解挙動が決定される。即ち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、ビニルアルコールは極性溶剤への良好な溶解性を付与する。
本発明のリキッド印刷インキを軟包装用ラミネートインキとして使用する場合、接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、ボイルレトルト適性、印刷適性、これら全ての性能を満足する必要があるため、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は適正なモノマー比率が存在する。即ち、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100質量部に対し、塩化ビニルは80~95質量部が好ましい。80質量部以上であれば樹脂被膜の強靭さが保て、耐ブロッキング性が確保できる。95質量部以下であれば、樹脂被膜が硬くなりすぎず、接着性が低下し難い。また、ビニルアルコールから得られる水酸基価は20~200mgKOH/gが好ましい。20mgKOH/g以上であれば極性溶媒への溶解性が良好であり、印刷適性も安定し易い。200mgKOH/g以下であれば、耐水性が低下することなく、ボイル、レトルト適性も良好に保てる。
(その他の樹脂)
本発明のリキッド印刷インキには、その他必要に応じて、グラビアインキまたはフレキソインキで多用される汎用の樹脂を併用することもできる。併用可能な樹脂の例としては、前記バイオマスポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂以外の樹脂、例えば、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。これらの併用可能な樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。併用可能な樹脂の含有量は、インキの総質量に対して0.5~25質量%が好ましく、更に好ましくは1~15質量%である。
(顔料)
本発明のリキッド印刷インキに使用する顔料としては、一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている無機顔料、有機顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20等が挙げられる。
藍色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279、などが挙げられる。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50、などが挙げられる。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74などが挙げられる。
茶色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
中でも、好ましい顔料として、黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7、
藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、
紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、
黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、
橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、
等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、リトボン、アンチモンホワイト、石膏などの白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、ジルコンが挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
前記顔料は、リキッド印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ総質量に対して1~60質量%、インキ中の固形分重量比では10~90質量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
(有機溶剤)
本発明のリキッド印刷インキで使用する有機溶剤としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。これらを単独または2種以上を混合しても用いることができる。
尚、印刷時の作業衛生性と包装材料の有害性の両面から、酢酸エチル、酢酸プロピル、イソプロパノール、ノルマルプロパノールなどを使用し、トルエン等の芳香族溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤を使用しない事がより好ましい。
また、乾燥調整のためにインキ全量の10質量%未満であればグリコールエーテル類を添加する事も出来る。
本発明のリキッド印刷インキには、揮発性成分として前記有機溶剤と共に、水を添加してもよい。水の添加により、インキの乾燥性を制御する事ができ、特にグラビア印刷では、その特徴であるインキ転移量の少ないグラデーション部をきれいに再現することができる。前記水の添加量は、印刷適性が良好となる点からリキッド印刷インキ全量の0.3~10質量%の範囲であることが好ましい。前記水の添加量が0.3質量%以上であれば、インキの乾燥抑制効果が低下することなくグラデーション部の再現性が良好となる傾向にあり、水の添加量がインキ全量の10質量%以下であれば、インキ安定性が低下する事も抑制できる。
また、このような水の添加により、使用有機溶剤成分を低減させることも可能であり環境対応に繋がる。水は有機溶剤に予め添加して含水の有機溶媒としてもよいし、別途特定量を添加してもよい。
本発明では更に必要に応じて、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
本発明のリキッド印刷インキは、バインダー樹脂、顔料などを有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料をバインダー樹脂により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
前記顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、バインダー樹脂、顔料、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
(印刷物)
本発明のリキッド印刷インキは、各種の基材と密着性に優れ、熱可塑性樹脂フィルム、紙、合成紙、プラスチック製品、鋼板等への印刷に使用することができるものであり、電子彫刻凹版、又は腐食タイプの凹版等によるグラビア印刷版を用いたグラビア印刷用、又は樹脂版等によるフレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷用のインキとして有用である一方で、版を使用せずインクジェットノズルからインキを吐出するインクジェット方式向けのインキを除くものである。
即ち、インクジェットインキの場合、ノズルから吐出したインク滴が、直接基材に密着し印刷物を形成するのに対し、本発明のリキッド印刷インキは、印刷インキを一旦印刷版又は印刷パターンに密着・転写した後、インキのみを再度基材に密着させ、必要に応じて乾燥させ印刷物とするものである。
本発明のリキッド印刷インキを用いてグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下である。
本発明で使用する基材としては特に限定は無くグラビア・フレキソ印刷分野で通常使用されているプラスチック基材もしくは紙、食品包装分野で使用される軟包装基材を使用すればよい。
例えばフィルム基材としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する場合がある)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂などの生分解性樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂又はそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムが好適に使用できる。
また、フィルム基材として、バイオマス由来成分を含有する材料で形成させたフィルムを使用するのも好ましい。バイオマスフィルムは各社から販売されているほか、例えば、一般財団法人日本有機資源協会に記載のバイオマス認定商品一覧に挙げられるようなシートを使用することができる。
具体的によく知られているフィルムは、バイオマス由来のエチレングリコールを原料としたものである。バイオマス由来のエチレングリコールは、バイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
あるいは、ISO16620またはASTMD6866で規定されたバイオマスプラスチック度で区別されたバイオマス原料を使用したものも流通している。大気中では1012個に1個の割合で放射性炭素14Cが存在し、この割合は大気中の二酸化炭素でも変わらないので、この二酸化炭素を光合成で固定化した植物の中でも、この割合は変わらない。このため、植物由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cが含まれる。これに対し、化石燃料由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cがほとんど含まれない。そこで、加速器質量分析器で樹脂中の放射性炭素14Cの濃度を測定することにより、樹脂中の植物由来樹脂の含有割合、すなわちバイオマスプラスチック度を求めることができる。ISO16620またはASTM D6866で規定されたバイオマスプラスチック度が80%以上、好ましくは90%以上であるバイオマスプラスチックである植物由来の低密度ポリエチレンとしては、例えば、Braskem社製の商品名「SBC818」「SPB608」「SBF0323HC」「STN7006」「SEB853」「SPB681」等が挙げられ、これらを原料として使用したフィルムを好適に使用することができる。
例えば、従来の石油系原料を使用したポリエチレンテレフタレートフィルムの代替として、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル、バイオマスポリエチレンテレフタレート等を含有するフィルムが知られている。
バイオマスポリエステルのジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸を使用する。ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を制限なく使用することができる。
また、上記のジオール成分とジカルボン酸成分に加えて、2官能のオキシカルボン酸や、架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び/又はその無水物並びに3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物等の第3成分として共重合成分を加えた共重合ポリエステルであっても良い。
また、例えば、従来の石油系原料を使用したポリオレフィン系フィルムの代替として、バイオマス由来のエチレングリコールを原料とするポリエチレン系樹脂を含有するバイオマスポリエチレン系フィルム、バイオマスポリエチレン-ポリプロピレン系フィルム等のバイオマスポリオレフィン系フィルムも知られている。
ポリエチレン系樹脂は、原料の一部に前記バイオマス由来のエチレングリコールを使用する以外は特に限定されず、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とするエチレンとα-オレフィンとの共重合体(エチレン単位を90質量%以上含有するエチレン-α-オレフィン共重合体)などが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、エチレンとα-オレフィンとの共重合体を構成するα-オレフィンは特に限定されず、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン及び1-オクテンなどの炭素原子数4乃至8のα-オレフィンが挙げられる。低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などの公知のポリエチレン樹脂を用いることができる。
その中でも、フィルム同士が擦れても、穴開きや破けなどの損傷を一段と生じにくくする観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(エチレンと1-ヘキセンとの共重合体、又はエチレンと1-オクテンとの共重合体)が好ましく、密度が0.910乃至0.925g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂がより好ましい。
また、バイオマス原料であるデンプンや、ポリ乳酸を配合したフィルムやシートも知られている。これらは用途に応じて適宜選択し使用することができる。
バイオマスフィルムは、複数のバイオマスフィルムを積層させた積層体であってもよいし、従来の石油系フィルムとバイオマスフィルムとの積層体であってもよい。
これらの石油系フィルムやバイオマスフィルムは、アルミニウム等の金属、シリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層を積層したり、金属箔等を使用したり、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムを併用したり、ポリビニルアルコールなどコート処理が施されていてもよい。このようなフィルムを用いることで、より、水蒸気、酸素、アルコール、不活性ガス、揮発性有機物(香り)等に対する高いバリア性を備えた積層体とすることができる。
これらの基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1~500μmの範囲であればよい。
尚、基材フィルムの印刷面には、コロナ放電処理がされていることが好ましく、アルミ、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
また紙であれば、特に限定なく公知の紙基材を使用することができる。具体的には、木材パルプ等の製紙用天然繊維を用いて公知の抄紙機にて製造されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。製紙用天然繊維としては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の木材パルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、亜麻パルプ等の非木材パルプ、およびそれらのパルプに化学変性を施したパルプ等が挙げられる。パルプの種類としては、硫酸塩蒸解法、酸性・中性・アルカリ性亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等を使用することができる。化粧品や飲料、医薬品、おもちゃ、機器等の包材・パッケージ等の印刷に用いられる上質紙、クラフト紙、純白ロール紙、グラシンペーパー、パーチメント紙、マニラボール、白ボール、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙、ポリエチレンコート紙等の紙、各種合成紙、等が挙げられる。
本発明のリキッド印刷インキは、表刷り用インキ、裏刷り用インキ、あるいはラミネート用インキとして好ましく使用することができる。表刷り用インキとして使用する場合は、別途オーバープリントワニス層を設けることもできる。一方裏刷り用インキとして使用する場合は、別途アンカーコートワニス層を設けることもできる。
また、本発明の印刷物は、1層の印刷層のみならず、基材上に複数の印刷層を有していてもよい。例えば、プラスチックフィルムに少なくとも第一の印刷層と第二の印刷層とをこの順に有する積層体や、プラスチックフィルムに少なくとも第一の印刷層と第二の印刷層と第三の印刷層をこの順に有する積層体を作製することができる。これらの印刷層に、本発明のリキッド印刷インキを用いることができる。より具体的には、例えば着色剤を含有する印刷インキより形成された第一の印刷層と、着色剤として白色顔料を含有するリキッド印刷インキにより形成された第二の白印刷層、及び第三の白印刷層とをこの順に有する印刷物とすることができる。第一の印刷層は着色剤による絵柄を形成させる事ができ、白色顔料を含有するリキッド印刷インキにより形成された第二の白印刷層、及び第三の印刷層は、絵柄の背景として使用することができる。第二又は第三の印刷層をオーバープリントニスとする場合は、着色剤を含まなくてもよい。
(積層体)
本発明の積層体は、複数の基材を貼り合せて得られ、基材の少なくとも一つに本発明のリキッド印刷インキの印刷層を有する積層体である。基材は、接着剤により貼り合わせたり、押出しラミネーションにより積層することができる。基材については、上記印刷物で記載した基材と同様のものを用いることができる。
より具体的な積層体の構成としては、
(1)基材フィルム1/印刷層/接着層1/シーラントフィルム
(2)基材フィルム1/印刷層/接着層1/金属蒸着未延伸フィルム
(3)基材フィルム1/印刷層/接着層1/金属蒸着延伸フィルム
(4)透明蒸着延伸フィルム/印刷層/接着層1/シーラントフィルム
(5)基材フィルム1/印刷層/接着層1/基材フィルム2/接着層2/シーラントフィルム
(6)基材フィルム1/印刷層/接着層1/金属蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(7)基材フィルム1/印刷層/接着層1/透明蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(8)基材フィルム1/印刷層/接着層1/金属層/接着層2/シーラントフィルム
(9)基材フィルム1/印刷層/接着層1/基材フィルム2/接着層2/金属層/接着層3/シーラントフィルム
(10)基材フィルム1/印刷層/接着層1/金属層/接着層2/基材フィルム2/接着層3/シーラントフィルム
等が挙げられるがこれに限定されない。なおここで「印刷層」は本発明のリキッド印刷インキの印刷層である。また、上記構成(1)~(10)では基材フィルム1の接着層1側の面に印刷層を設ける構成を記載したが、基材フィルム1の接着層1と反対側の面(表面)に印刷層を設けてもよいし、基材フィルム2に印刷層を設けてもよい。
構成(1)に用いられる基材フィルム1としては、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム(以後Nyフィルムともいう)等が挙げられる。また、基材フィルム1としてガスバリア性や、後述する印刷層を設ける際のインキ受容性の向上等を目的としたコーティングが施されたものを用いてもよい。コーティングが施された基材フィルム1の市販品としては、K-OPPフィルムやK-PETフィルム等が挙げられる。シーラントフィルムとしては、CPPフィルム、LLDPEフィルム等が挙げられる。
構成(2)、(3)に用いられる基材フィルム1としては、OPPフィルムやPETフィルム等が挙げられる。金属蒸着未延伸フィルムとしては、CPPフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-CPPフィルムを、金属蒸着延伸フィルムとしては、OPPフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-OPPフィルムを用いることができる。
構成(4)に用いられる透明蒸着延伸フィルムとしては、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム等にシリカやアルミナ蒸着を施したフィルムが挙げられる。シリカやアルミナの無機蒸着層の保護等を目的として、蒸着層上にコーティングが施されたフィルムを用いてもよい。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。
構成(5)に用いられる基材フィルム1としては、PETフィルム等が挙げられる。基材フィルム2としては、ナイロンフィルム等が挙げられる。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。
構成(6)の基材フィルム1としては、構成(2)、(3)と同様のものが挙げられる。金属蒸着延伸フィルムとしては、OPPフィルムやPETフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-OPPフィルムやVM-PETフィルムが挙げられる。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。
構成(7)の基材フィルム1としては、PETフィルム等が挙げられる。透明蒸着延伸フィルムとしては、構成(4)と同様のものが挙げられる。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。
構成(8)の基材フィルム1としては、PETフィルム等が挙げられる。金属層としては、アルミニウム箔等が挙げられる。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。
構成(9)、(10)の基材フィルム1としては、PETフィルム等が挙げられる。基材フィルム2としては、ナイロンフィルム等が挙げられる。金属層としては、アルミニウム箔等が挙げられる。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。
(接着層)
接着層は、公知のフィルムラミネート用の接着剤を適宜使用することができる。また、押出しラミネーションにより積層する場合は、公知の押出しラミネーション用のアンカーコート剤を接着補助剤として適宜使用することができる。これらの接着剤やアンカーコート剤としてガスバリア性を有する材料を使用すると、特にバリア性に優れる積層体を得ることができる。
ガスバリア性に優れる接着剤として特に好ましくは、3g/m(固形分)で塗布した接着剤の硬化塗膜の酸素バリア性が300cc/m/day/atm以下、または水蒸気バリア性が120g/m/day以下の、少なくとも一方の条件を満足するものをいう。市販品としてはDIC株式会社製のPASLIM VM001やPASLIM J350X等の「PASLIM」シリーズや、三菱ガス化学社製の「マクシーブ」が挙げられる。
接着剤層は特に限定なく公知の材料を用いることができるが、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を含むことが好ましい。これらのポリオール及び又はイソシアネート化合物は、バイオマス由来成分を含むものを用いた場合には、バイオマス度の高い積層体とすることができ環境負荷を低減することができる。
ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物は、ガスバリア性と接着性の観点から、例えば、下記(A1)~(A5)の少なくとも1種のポリエステルポリオールを含むポリオール組成物(A)と、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物(以下単にイソシアネート化合物ともいう)を含むポリイソシアネート組成物(B)とからなる2液型接着剤を好ましく使用できる。
(1)3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールにカルボン酸無水物又はポリカルボン酸を反応させることにより得られるポリエステルポリオール(A1)
(2)重合性炭素-炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)
(3)グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール(A3)
(4)オルト配向性多価カルボン酸と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール(A4)
(5)イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)
前記ポリエステルポリオールの水酸基価は、20mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。また前記ポリエステルポリオールが酸基を有する場合、酸価は200mgKOH/g以下であることが好ましい。またポリエステルポリオールの酸価の下限は特に制限されないが、一例として20mgKOH/g以上である。ポリエステルポリオールの水酸基価はJIS-K0070に記載の水酸基価測定方法にて、酸価はJIS-K0070に記載の酸価測定法にて測定することができる。
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量は300~5000であると接着性とガスバリア性とのバランスに優れる程度の架橋密度が得られるため特に好ましい。より好ましくは数平均分子量が350~3000である。数平均分子量は得られた水酸基価と設計上の水酸基の官能基数から計算により求める。また、前記ポリエステルポリオールのガラス転移温度は-30℃以上80℃以下であることが好ましく、0℃以上60℃以下であることがより好ましく、25℃以上60℃以下であることがさらに好ましい。
ポリエステルポリオールは、ポリエステルポリオール(A1)~(A5)をジイソシアネート化合物との反応によるウレタン伸長により数平均分子量1000~15000としたポリエステルポリウレタンポリオール、であってもよい。ウレタン伸長したポリエステルポリオールには一定以上の分子量成分とウレタン結合とが存在するため、優れたガスバリア性を持ち、初期凝集力に優れ、ラミネート用の接着剤として優れる。
ガスバリア性を有する2液型接着剤の一成分であるポリイソシアネート組成物(B)は、イソシアネート化合物を含む。イソシアネート化合物としては、従来公知のものを特に制限なく用いることができ、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート或いはこれらのイソシアネート化合物の2量体、3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3-ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4-ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタキシリレンジアミンなどの低分子活性水素化合物およびそのアルキレンオキシド付加物、各種ポリエステル樹脂類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られるアダクト体が挙げられる。ポリエステルポリオール(A1)~(A5)とジイソシアネート化合物とを、水酸基とイソシアネート基の比率をイソシアネート過剰で反応させて得られるポリエステルポリイソシアネートを用いてもよい。これらは1種または2種以上を併用することができる。
また、イソシアネート化合物としてブロック化イソシアネートを用いてもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3-ジクロロ-2-プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t-ブタノール、t-ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られる。
中でも、良好なガスバリア性が得られることからキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、メタキシリレンジイソシアネート、メタ水素化キシリレンジイソシアネートのようなメタキシレン骨格を有するイソシアネート化合物を用いることがより好ましい。
また、ポリオール組成物(A)として、ポリエステルポリオール(A1)のようにカルボン酸基が残存しているポリエステルポリオールを含む組成物を用いる場合には、ポリイソシアネート組成物(B)が公知のエポキシ化合物を含んでいてもよい。またポリエステルポリオール(A2)のように重合性炭素-炭素二重結合を有するポリオールを含む組成物を用いる場合には、炭素-炭素二重結合の重合を促進するために公知の重合触媒を併用することができ、例えば公知の遷移金属錯体や光重合開始剤を併用してもよい。
ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)とは、ポリオール組成物(A)に含まれる水酸基と、ポリイソシアネート組成物(B)に含まれるイソシアネート基との当量比が1/0.5~1/10となるよう配合することが好ましく、1/1~1/5となるよう配合することがより好ましい。イソシアネート化合物が過剰の場合、接着剤の硬化塗膜に残留した余剰のイソシアネート化合物が接着剤層からブリードアウトするおそれがある。一方、ポリイソシアネート組成物(B)に含まれる反応性の官能基が不足すると、接着強度が不足するおそれがある。
ガスバリア性接着剤には、接着性およびガスバリア性を損なわない範囲で各種添加剤を配合してもよい。例えば無機充填剤を用いてもよい。無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク等が挙げられる。特に無機充填剤として板状無機化合物を用いると、接着強度、ガスバリア性、遮光性等が向上するため好ましい。板状無機化合物としては、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト-蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト-タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)、ハイドロタルサイト、板状硫酸バリウム、ベーマイト、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。板状無機化合物は1種または2種以上を併用することができる。
その他、接着促進剤、酸無水物、酸素捕捉機能を有する化合物、粘着付与剤、ガスバリア性接着剤が安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤等を含んでいてもよい。これらの各種添加剤は予めポリオール組成物(A)およびポリイソシアネート組成物(B)のいずれか一方、または両方に添加しておいてもよいし、ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)とを混合する際に添加してもよい。
また使用するガスバリア性接着剤は、溶剤型、無溶剤型いずれの形態であってもよい。使用するガスバリア性接着剤が溶剤型である場合、第一の基材上に印刷された印刷層面上に本発明の接着剤をグラビアロール等のロールを用いて塗布し、オーブン等での加熱により有機溶剤を揮発させた後、他方の基材を貼り合せて本発明の積層体を得る。ラミネート後に、エージング処理を行うことが好ましい。エージング温度は室温~80℃、エージング時間は12~240時間が好ましい。
使用するガスバリア性接着剤が無溶剤型である場合、第一の基材上に印刷された印刷層面上に予め40℃~100℃程度に加熱しておいた本発明の接着剤をグラビアロール等のロールを用いて塗布した後、直ちに他方の基材を貼り合せて本発明の積層体を得る。ラミネート後に、エージング処理を行うことが好ましい。エージング温度は室温~70℃、エージング時間は6~240時間が好ましい。
使用するガスバリア性接着剤を接着補助剤として用いる場合、第一の基材上に印刷された印刷層面上に本発明の接着補助剤をグラビアロール等のロールを用いて塗布し、オーブン等での加熱により有機溶剤を揮発させた後、押出し機により溶融させたポリマー材料をラミネートすることにより本発明の積層体を得る。溶融させるポリマー材料としては、低密度ポリエチレン樹脂や直線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。エージング温度は室温~70℃、エージング時間は6~240時間が好ましい。
使用するガスバリア性接着剤の塗布量は、適宜調整する。溶剤型接着剤の場合、一例として固形分量が1g/m以上10g/m以下、好ましくは2g/m以上5g/m以下となるよう調整する。無溶剤型接着剤の場合、接着剤の塗布量が一例として1g/m以上5g/m以下、好ましくは1g/m以上3g/m以下である。
接着剤を接着補助剤として用いる場合、塗布量は適宜調整されるが、一例として0.03g/m以上2g/m以下(固形分)である。
(積層体 他の層)
本発明の積層体は、は単独で用いてもよいし、更に他のフィルムや基材を含んでいてもよい。他の基材としては、上述した延伸フィルム、未延伸フィルム、透明蒸着フィルムに加え、紙、木材、皮革等の多孔質の基材を使用することもできる。他の基材を貼り合せる際に用いる接着剤は、上述したようなガスバリア性の接着剤を用いてもよいし、そうでなくてもよい。
<包装材>
本発明の印刷物や積層体は、食品や医薬品などの保護を目的とする多層包装材料として使用することができる。多層包装材料として使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じてその層構成は変化し得る。
本発明の包装材は、例えば、本発明の積層体を使用し、積層体のシーラントフィルムの面を対向して重ね合わせた後、その周辺端部をヒートシールして得られる。製袋方法としては、本発明の積層体を折り曲げるか、あるいは重ねあわせてその内層の面(シーラントフィルムの面)を対向させ、その周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他のヒートシール型等の形態によりヒートシールする方法が挙げられる。本発明の包装材は内容物や使用環境、使用形態に応じて種々の形態をとり得る。自立性包装材(スタンディングパウチ)等も可能である。ヒートシールの方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
本発明の包装材に、その開口部から内容物を充填した後、開口部をヒートシールして本発明の包装材を使用した製品が製造される。包装材の用途は特に限定されないが、食品包材、医薬品、サニタリー、コスメ、電子材料用、建築材料用、工業材料用等に好適に使用できる。充填される内容物としては、米菓、豆菓子、ナッツ類、ビスケット・クッキー、ウェハース菓子、マシュマロ、パイ、半生ケーキ、キャンディ、スナック菓子などの菓子類、パン、スナックめん、即席めん、乾めん、パスタ、無菌包装米飯、ぞうすい、おかゆ、包装もち、シリアルフーズなどのステープル類、漬物、煮豆、納豆、味噌、凍豆腐、豆腐、なめ茸、こんにゃく、山菜加工品、ジャム類、ピーナッツクリーム、サラダ類、冷凍野菜、ポテト加工品などの農産加工品、ハム類、ベーコン、ソーセージ類、チキン加工品、コンビーフ類などの畜産加工品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、かまぼこ、のり、佃煮、かつおぶし、塩辛、スモークサーモン、辛子明太子などの水産加工品、桃、みかん、パイナップル、りんご、洋ナシ、さくらんぼなどの果肉類、コーン、アスパラガス、マッシュルーム、玉ねぎ、人参、大根、じゃがいもなどの野菜類、ハンバーグ、ミートボール、水産フライ、ギョーザ、コロッケなどを代表とする冷凍惣菜、チルド惣菜などの調理済食品、バター、マーガリン、チーズ、クリーム、インスタントクリーミーパウダー、育児用調整粉乳などの乳製品、液体調味料、レトルトカレー、ペットフードなどの食品類が挙げられる。また、タバコ、使い捨てカイロ、薬、サプリメント、輸液パック、真空断熱材などの包装材料としても使用され得る。
発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
なお、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR-Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:0.4質量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
(合成実施例1)Pu-1
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、1,2-プロパンジオールとコハク酸を原料とするポリエステルポリオール100部(水酸基価:56mgKOH/g)とトリレンジイソシアネート13.9部を仕込み、窒素気流下に80℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有率2.20質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル61部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン5.14部、ジ-n-ブチルアミン0.48部、酢酸エチル120部およびイソプロピルアルコール98部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-1を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-1は、樹脂固形分濃度30.2質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(67,000)であった。
(合成実施例2)Pu-2
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、1,2-プロパンジオールとコハク酸を原料とするポリエステルポリオール70部(水酸基価:20mgKOH/g)とポリエチレングリコール30部(水酸基価:280mgKOH/g)とイソホロンジイソシアネート30.7部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有3.29質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル70部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン9.03部、ジ-n-ブチルアミン0.21部、酢酸エチル142部およびイソプロピルアルコール114部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-2を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-2は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(73,000)であった。
(合成実施例3)Pu-3
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、1,2-プロパンジオールとネオペンチルグリコールとコハク酸を原料とするポリエステルポリオール100部(水酸基価:37mgKOH/g)とイソホロンジイソシアネート13.2部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有1.97質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル61部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン4.64部、ジ-n-ブチルアミン0.19部、酢酸エチル118部およびイソプロピルアルコール96部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-3を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-3は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(84,000)であった。
(合成実施例4)Pu-4
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、1,2-プロパンジオールとネオペンチルグリコールと2-メチル-1,3-プロパンジオールとコハク酸を原料とするポリエステルポリオール100部(水酸基価:112mgKOH/g)とトリレンジイソシアネート22.2部を仕込み、窒素気流下に80℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有1.89質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル66部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン4.80部、ジ-n-ブチルアミン0.35部、酢酸エチル127部およびイソプロピルアルコール104部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-4を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-4は、樹脂固形分濃度29.9質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(70,000)であった。
(合成実施例5)Pu-5
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、1,2-プロパンジオールとポリエチレングリコール(553mgKOH/g)とコハク酸を原料とするポリエステルポリオール100部(水酸基価:22mgKOH/g)とヘキサメチレンジイソシアネート10.2部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有3.15質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル59部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン7.09部、ジ-n-ブチルアミン0.47部、酢酸エチル120部およびイソプロピルアルコール97部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-5を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-5は、樹脂固形分濃度30.3質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(65,000)であった。
(合成実施例6)Pu-6
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチル-1,3-プロパンジオールとコハク酸を原料とするポリエステルポリオール100部(水酸基価:28mgKOH/g)とイソホロンジイソシアネート12.1部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有2.20質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル60部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン5.16部、ジ-n-ブチルアミン0.14部、酢酸エチル118部およびイソプロピルアルコール96部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-6を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-6は、樹脂固形分濃度30.4質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(78,000)であった。
(合成実施例7)Pu-7
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5-ペンタンジオールとネオペンチルグリコールとコハク酸を原料とするポリエステルポリオール90部(水酸基価:28mgKOH/g)とポリエチレングリコール10部(112mgKOH/g)とヘキサメチレンジイソシアネート10.8部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有2.43質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル60部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン5.64部、ジ-n-ブチルアミン0.28部、酢酸エチル117部およびイソプロピルアルコール95部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-7を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-7は、樹脂固形分濃度30.1質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(79,000)であった。
(合成実施例8)Pu-8
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、1,2-プロパンジオールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール90部(水酸基価:45mgKOH/g)とトリレンジイソシアネート11.7部を仕込み、窒素気流下に80℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有2.23質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル60部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン5.18部、ジ-n-ブチルアミン0.33部、酢酸エチル118部およびイソプロピルアルコール96部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-8を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-8は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(65,000)であった。
(合成実施例9)Pu-9
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチル-1,3-プロパンジオールとネオペンチルグリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール85部(水酸基価:28mgKOH/g)とポリエチレングリコール15部(水酸基価:280mgKOH/g)とイソホロンジイソシアネート18.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有1.74質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル64部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン4.39部、ジ-n-ブチルアミン0.20部、酢酸エチル123部およびイソプロピルアルコール101部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-9を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-9は、樹脂固形分濃度30.1質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(78,000)であった。
(合成比較例1)Pu-10
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとコハク酸を原料とするポリエステルポリオール100部(水酸基価:45mgKOH/g)とイソホロンジイソシアネート17.1部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有2.66質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル63部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン6.56部、ジ-n-ブチルアミン0.24部、酢酸エチル125部およびイソプロピルアルコール101部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-10を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-10は、樹脂固形分濃度30.1質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(81,000)であった。
(合成比較例2)Pu-11
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとコハク酸を原料とするポリエステルポリオール90部(水酸基価:45mgKOH/g)とポリエチレングリコール10部(水酸基価:280mgKOH/g)とヘキサメチレンジイソシアネート17.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有2.90質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル63部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン6.98部、ジ-n-ブチルアミン0.28部、酢酸エチル126部およびイソプロピルアルコール102部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-11を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-11は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(74,000)であった。
(合成比較例3)Pu-12
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールと1,4-ブタンジオールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール100部(水酸基価:28mgKOH/g)とイソホロンジイソシアネート12.2部を仕込み、窒素気流下に90℃で8時間反応させ、イソシアネート基含有2.24質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル60部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン5.30部、ジ-n-ブチルアミン0.22部、酢酸エチル119部およびイソプロピルアルコール96部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu-12を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu-12は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分の重量平均分子量は(71,000)であった。
各々のウレタン樹脂溶液の構成を表1,2に示す。
Figure 2022021338000001
Figure 2022021338000002
表1,2に示す略記号は其々下記を示す。 ( )内はウレタン樹脂合成時の質量比率を示す。
・1,2PG:1,2-プロパンジオール
・2MPD:2-メチル-1,3-プロパンジオール
・3MPD:3-メチル-1,5-ペンタンジオール
・NPG:ネオペンチルジオール
・1,4BG:1,4-ブタンジオール
・PEG400:ポリエチレングリコール400
・PEG1000:ポリエチレングリコール1000
・TDI:トリレンジイソシアネート
(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂溶液Evの調整)
水酸基を有する塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂(樹脂モノマー組成が質量%で塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=92/3/5、水酸基価(mgKOH)=64)を酢酸エチルで15%溶液とし、これを塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂溶液Evとした。
[実施例1]
得られたバイオポリウレタン樹脂溶液Pu-1を30部、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液Ev(15%溶液)5部、酸化チタン(硫酸法により得られた、酸化チタン/アルミナ/シリカ(Ti/Al/Si)の質量比が92/4/4のアルミナシリカ処理酸化チタン)35部、酢酸エチル27部、及び水3部の合計100部の混合物を練肉し、白色印刷インキを作製した。
[実施例2~20、比較例1~6]
表3、4に示す実施例2~10、及び比較例1~3の組成配合により、実施例1と同様の手順にて白色印刷インキを作製した。
また、表5,6に示す実施例11~20、比較例4~6については、白色印刷インキの酸化チタン(硫酸法により得られた、酸化チタン/アルミナ/シリカ(Ti/Al/Si)の質量比が92/4/4のアルミナシリカ処理酸化チタン)35部の代わりにフタロシアニン系藍色顔料(DIC(株)製FASTGEN Blue LA5380)10部を用いた他は、実施例1と同様の手順にて藍色印刷インキを作製した。
〔評価項目1:各種フィルムへの密着性〕
得られた白色印刷インキ及び藍色印刷インキの粘度を、酢酸エチル/イソプロピルアルコール=50/50(質量比)の混合溶剤でザーンカップ#3(離合社製)で16秒(25℃)に調整し、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機により、二軸延伸ポリエステルフィルムX(以下、PETフィルム、東洋紡績株式会社製 E-5100 厚さ12μm)、二軸延伸ポリプロピレンフィルムY(以下、OPPフィルム、東洋紡績株式会社製 P2161 厚さ20μm)、二軸延伸ナイロンフィルムZ(東洋紡績株式会社製 N-1102 厚さ15μm)の何れもコロナ放電処理面側に印刷し、印刷物を1日放置後、印刷面にセロテープ(登録商標)(ニチバン製12mm幅)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態を次の5段階で目視判定した。
(評価基準)
5:印刷皮膜が全く剥がれなかった。
4:印刷皮膜の70%以上~90%未満がフィルムに残った。
3:印刷皮膜の50%以上~70%未満がフィルムに残った。
2:印刷皮膜の30%以上~50%未満がフィルムに残った。
1:印刷皮膜が30%未満しか残らなかった。
〔評価項目2:耐ブロキング性〕
評価項目1の各種フィルムへの密着性で作製した同様の印刷物の印刷面と非印刷面が接触するようにフィルムを重ね合わせ、10kgf/cmの加重をかけ、40℃の環境下に12時間経時させ、取り出し後、非印刷面へのインキの転移の状態を、次の5段階で目視評価した。
(評価基準)
5:非印刷面へのインキの転移量0%で転移が見られない
4:5%未満の転移が見られる。
3:5%以上10%未満の転移が見られる。
2:10%以上20%未満の転移が見られる。
1:転移量20%以上が転移している。
〔評価項目3:印刷適性 カスレ試験〕
得られた白色印刷インキ及び藍色印刷インキを、インキ作製に使用した際と同一比率のイソプロピルアルコル:ノルマルプロピルアルコール:酢酸エチル:酢酸ノルマルプロピル:シクロヘキサン=(質量比率6部:5部:20部:15部:10部)からなる混合有機溶剤を使用し、離合社製ザーンカップNo3で16秒になるように粘度調整した。
粘度調整済みの各位インキを、版深度25μmを有するレーザーグラビア版を取り付けたMD型グラビア印刷機(富士機械株式会社製)を用いて、片面にコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学株式会社製 FOR 厚さ20μm)の処理面に印刷を行った。
カスレ試験は、グラビア版の円周600mmφで200m/minの印刷速度した際の
ハイライト印刷部分(網点面積10%未満)におけるカスレの面積の割合と、非印刷部の
汚れ具合を次の5段階で目視評価した。 評価4以上が実用範囲である。
(評価基準)
5:カスレが全くなく、非印刷部の汚れもない。
4:カスレが少し見られる 、若しくは非印刷部に汚れが少しみられる。
3:カスレが少し見られ 、且つ非印刷部に汚れが少し見られる。
2:カスレが見られ 、且つ非印刷部に汚れが見られる。
1:カスレが多く見られ、且つ非印刷部にも汚れが多く見られる。
各白色印刷インキ及び藍色印刷インキの配合、及び評価結果を表3~6に示す。空欄は未配合であることを示す。
Figure 2022021338000003
Figure 2022021338000004
Figure 2022021338000005
Figure 2022021338000006
発明のバイオマス由来のリキッド印刷インキは、シランカップリング剤を使用せずとも、各種フィルム基材に対する密着性、耐ブロッキング性、及び画線部のカスレや非画線部の汚れが生じにくい良好な印刷適性を兼備する結果となった。
実施例1,2,5,6からわかる通り、炭素原子数6以下で1つのメチル基を有するポリオ―ルが1,2PGまたは2MPDであり、かつコハク酸の組み合わせが印刷適性のバランスに優れ最もよい。
また、実施例1と実施例10の比較、実施例11と実施例20の比較により、水と塩酢ビを併用していることで、特にカスレ試験に優れるリキッド印刷インキが得られる。

Claims (10)

  1. バイオポリウレタン樹脂、顔料、有機溶剤を含油するリキッド印刷インキであって、
    前記バイオポリウレタン樹脂が、少なくとも植物由来の炭素原子数6以下で1つのメチル基と2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオールと、植物由来の炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸とを反応原料とするポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの重合物であることを特徴とするリキッド印刷インキ。
  2. 前記植物由来の炭素原子数6以下で1つのメチル基と2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオールが、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、または3-メチル-1,5-ペンタンジオールである請求項1に記載のリキッド印刷インキ。
  3. 前記植物由来の炭素原子数6以下で2つ以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸が、コハク酸またはアジピン酸である請求項1または2に記載のリキッド印刷インキ。
  4. 前記ポリウレタン樹脂がさらにポリエーテルポリオールを反応原料とし、ポリエーテルポリオールの質量比率が、ポリウレタン樹脂全量の1~60質量%である請求項1~3のいずれかに記載のリキッド印刷インキ。
  5. 前記ポリウレタン樹脂がさらにポリエーテルポリオールを反応原料とし、ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100~3500である請求項1~4のいずれかに記載のリキッド印刷インキ。
  6. 更に水酸基価を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を含有し、前記水酸基価が20~200mg当量KOHであり、且つ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有率が80~95質量%である請求項1~5の何れか1つに記載のリキッド印刷インキ。
  7. 前記有機溶剤が芳香族有機溶剤及び/又はケトン系溶剤を含まない請求項1~6の何れか1つに記載のリキッド印刷インキ。
  8. 更に、水をインキ全量の10質量%未満含有する請求項1~7の何れか1つに記載のリキッド印刷インキ。
  9. 請求項1~8の何れか1つに記載のリキッド印刷インキを印刷してなる印刷物。
  10. 請求項9に記載の印刷物を含有するラミネート積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7340121B1 (ja) * 2023-06-21 2023-09-06 大日精化工業株式会社 グラビア印刷インキ用のワニス組成物

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