JP2022020425A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温における圧縮永久歪に対する耐性をより優れたものとすることが可能な熱可塑性エラストマー組成物を提供すること。【解決手段】 酸変性ポリマー成分と脂肪酸金属塩との反応物からなるアイオノマーを含有してなり、前記酸変性ポリマー成分が、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物、又は、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と結晶性ポリマーの酸変性物との混合物であり、かつ、前記脂肪酸金属塩が、2価及び3価の脂肪酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であること、を特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。【選択図】 なし
Description
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関する。
熱可塑性エラストマーは、その成形加工時に加工温度で溶融し、周知の樹脂成形法で成形することが可能であることから、産業上極めて有用な材料である。そして、このような熱可塑性エラストマー組成物の分野においては、用途に応じた特性を発揮させるために、様々な組成物が研究されている。例えば、特開2017-206589号公報(特許文献1)には、カルボニル含有基および/または含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖を有しかつガラス転移点が25℃以下であるエラストマー性ポリマー(A)、並びに、側鎖に水素結合性架橋部位及び共有結合性架橋部位が含有されておりかつガラス転移点が25℃以下であるエラストマー性ポリマー(B)からなる群から選択される少なくとも1種のエラストマー成分と、前記エラストマー成分100質量部に対して20質量部以下の含有比率の有機化クレイと、潤滑剤とを含有してなる熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。しかしながら、上記特許文献1に記載のような熱可塑性エラストマー組成物は、高温における圧縮永久歪に対する耐性の点では必ずしも十分なものではなかった。
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高温における圧縮永久歪に対する耐性をより優れたものとすることが可能な熱可塑性エラストマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性エラストマー組成物を、酸変性ポリマー成分と脂肪酸金属塩との反応物からなるアイオノマーを含有してなるものとし、前記酸変性ポリマー成分をエチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物とするか又はエチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と結晶性ポリマーの酸変性物との混合物とし、更に、前記脂肪酸金属塩を2価及び3価の脂肪酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種とすることにより、得られる熱可塑性エラストマー組成物を、高温における圧縮永久歪に対する耐性により優れたものとすることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、酸変性ポリマー成分と脂肪酸金属塩との反応物からなるアイオノマーを含有してなり、
前記酸変性ポリマー成分が、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物、又は、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と結晶性ポリマーの酸変性物との混合物であり、かつ、
前記脂肪酸金属塩が、2価及び3価の脂肪酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であること、
を特徴とするものである。
前記酸変性ポリマー成分が、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物、又は、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と結晶性ポリマーの酸変性物との混合物であり、かつ、
前記脂肪酸金属塩が、2価及び3価の脂肪酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であること、
を特徴とするものである。
上記本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、前記脂肪酸金属塩が3価の脂肪酸金属塩であることが好ましい。
また、上記本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物がエチレン-ブテン共重合体の酸変性物であることが好ましい。
さらに、上記本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と前記結晶性ポリマーの酸変性物との混合物中の前記結晶性ポリマーの酸変性物の含有量が1~60質量%(より好ましくは5~35質量%)であることが好ましい。
また、上記本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、前記結晶性ポリマーの酸変性物が、ポリプロピレンの酸変性物及びポリエチレンの酸変性物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、未変性の結晶性ポリマーを更に含むことがより好ましく、また、前記未変性の結晶性ポリマーがポリプロピレン、ポリエチレン及びこれらのブレンド体からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
また、上記本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、スチレン系ブロック共重合体を更に含むことが好ましい。
本発明によれば、高温における圧縮永久歪に対する耐性をより優れたものとすることが可能な熱可塑性エラストマー組成物を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、酸変性ポリマー成分と脂肪酸金属塩との反応物からなるアイオノマーを含有してなり、前記酸変性ポリマー成分が、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物、又は、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と結晶性ポリマーの酸変性物との混合物であり、かつ、前記脂肪酸金属塩が、2価及び3価の脂肪酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするものである。
このようなアイオノマーの材料として利用される酸変性ポリマー成分は、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物であるか、又は、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と結晶性ポリマーの酸変性物との混合物である。
このようなエチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物は、主鎖にエチレン単位を含む非結晶性ポリマーを酸変性したものであればよく、特に制限されず、公知のものを適宜利用できる。なお、本明細書において「結晶性ポリマー」とは、分子が規則的に並んだ結晶部分を有しているポリマー(例えば、加熱状態や溶融状態から冷却固化して、そのポリマーを得る場合に、その冷却固化過程において分子が規則的に並ぶことにより、結晶部分が形成されたポリマー等)であることをいい、また、「非結晶性ポリマー」とは分子が不規則に絡みあっており、分子が規則的に並んだ結晶部分を有していないポリマー(例えば、溶融状態から冷却固化して、そのポリマーを得る場合に、その冷却固化過程において分子が不規則に絡み合ったまま固化して、いわゆる結晶部分が形成されていないポリマー等)であることをいい、これらの特性はX線回折法や示差走査熱量測定による結晶化発熱現象の有無を検知する解析法によって確認することができる。また、ここにいう「エチレン単位を含む非結晶性ポリマー」としては、主鎖にエチレン単位を含む非結晶性のポリマーであればよく、特に制限されず、公知のエチレン単位を含む非結晶性ポリマーを適宜利用することができる。
また、このようなエチレン単位を含む非結晶性ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、エチレンとα-オレフィンとの共重合体、エチレンとα-オレフィンと非共役ジエンとの共重合体、エチレンとビニルモノマーとの共重合体、エチレンとスチレンとの共重合体等を好適に利用できる。このようなα-オレフィンとしては、特に制限されるものではないが、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、1-ヘプテン、メチル-1-ヘキセン、ジメチル-1-ペンテン、トリメチル-1-ブテン、エチル-1-ペンテン、1-オクテン、メチル-1-ペンテン、ジメチル-1-ヘキセン、トリメチル-1-ペンテン、エチル-1-ヘキセン、メチルエチル-1-ペンテン、ジエチル-1-ブテン、プロピル-1-ペンテン、1-デセン、メチル-1-ノネン、ジメチル-1-オクテン、トリメチル-1-ヘプテン、エチル-1-オクテン、メチルエチル-1-ヘプテン、ジエチル-1-ヘキセン、1-ドデセン、1-ヘキサドデセン等が挙げられる。これらのα-オレフィンは1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記非共役ジエンとしては、特に制限されるものではないが、例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、1,4-ヘキサジエン(HD)、1,4-ペンタジエン等が挙げられる。このような非共役ジエンは1種単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーとして好適な、前記エチレンとビニルモノマーとの共重合体や、前記エチレンとスチレンとの共重合体等としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH樹脂)、およびスチレン-エチレンブロック共重合体等が挙げられる。
このようなエチレン単位を含む非結晶性ポリマーとしては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体(EPM)、エチレン-ブテン共重合体(EBM)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)を挙げることができ、中でも、より優れた圧縮永久歪に対する耐性を有するエラストマーが得られるという観点から、EBM、EPM、EPDM、SEBSが好ましく、EBM、EPM、EPDMがより好ましく、EBM、EPMが更に好ましい。このように、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物としては、エチレン-ブテン共重合体(EBM)の酸変性物、エチレン-プロピレン共重合体(EPM)の酸変性物が特に好ましく、中でも、エチレン-ブテン共重合体(EBM)の酸変性物が最も好ましい。
また、このようなエチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物は、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーに対して酸成分をグラフト重合させることにより、前記非結晶性ポリマーを酸変性して得られるものであることが好ましい。このような酸成分としては、例えば、α、β-不飽和モノカルボン酸、α,β-不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。このようなα、β-不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。また、α、β-不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラス酸、テトラヒドロフタル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる。また、このような酸成分としては、安価な酸変性ポリマーが入手できるという観点から、α,β-不飽和ジカルボン酸及びその無水物がより好ましく、中でも、マレイン酸又は無水マレイン酸が特に好ましく、無水マレイン酸が最も好ましい。このように、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物としては、無水マレイン酸により変性された酸変性物(マレイン化物)であることが特に好ましい。なお、前記非結晶性ポリマーに酸成分をグラフト重合する方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜利用することができ、例えば、公知のラジカル開始剤の存在下で酸成分(例えばマレイン酸又はその無水物)をグラフト重合する方法を適宜利用することができる。
また、このようなエチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物において、酸成分の導入量(酸変性物の総量に対する酸性分の量の割合)は、0.1~10質量%(より好ましくは0.5~5質量%)であることが好ましい。このような酸成分の導入量が前記下限以上となると、より高い圧縮永久歪に対する耐性を有するエラストマーが得られる傾向にあり、他方、前記上限以下とすることで、溶融加工時の流動性が損なわれることがないため得られるエラストマーがより高い成形性を有するものとなる傾向にある。
このようなエチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物としては、市販品を利用でき、例えば、三井化学社製のタフマーM(商品名:MP0610、MP0620等の無水マレイン酸変性エチレン-プロピレンゴム、商品名:MA8510、MH7010、MH7020、MH5010、MH5020、MH5040)などの無水マレイン酸変性エチレン-ブテンゴム)等を適宜利用してもよい。
また、本発明にかかる酸変性ポリマー成分は、前述のように、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と結晶性ポリマーの酸変性物との混合物であってもよい。このような混合物を利用した場合には、組成物中にエチレン単位を含む非結晶性ポリマーに由来する特性と共に結晶性ポリマーに由来する特性を付与することが可能となる。なお、このような混合物に利用する「エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物」は前述のものと同様である(その好適なものも同様である)。
また、このような結晶性ポリマーの酸変性物としては、結晶性ポリマーを酸変性したものであればよく、特に制限されず、公知のものを適宜利用できる。また、このような結晶性ポリマーとしては、公知の結晶性ポリマーを適宜利用することができ、特に制限されないが、オレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等が好適なものとして挙げられる。また、このような結晶性ポリマーの中でも、より優れた圧縮永久歪に対する耐性を有するエラストマーが得られるという観点からは、オレフィン系ポリマーがより好ましい。
このような結晶性ポリマーとして好適なオレフィン系ポリマーとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン(PB)を適宜利用できる。また、このようなオレフィン系ポリマーの中でも、安価であるという観点から、ポリプロピレン及びポリエチレンからなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。このように、結晶性ポリマーの酸変性物としては、ポリプロピレンの酸変性物及びポリエチレンの酸変性物からなる群から選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。
また、このような結晶性ポリマーの酸変性物としては、前記結晶性ポリマーに対して酸成分をグラフト重合させることにより、前記結晶性ポリマーを酸変性して得られるものを好適に利用できる。このような酸成分としては、前述のものと同様のものを好適に利用でき、安価な酸変性ポリマーが入手できるという観点から、α,β-不飽和ジカルボン酸及びその無水物がより好ましく、中でも、マレイン酸又は無水マレイン酸が特に好ましく、無水マレイン酸が最も好ましい。このように、結晶性ポリマーの酸変性物としては、無水マレイン酸により変性された酸変性物(マレイン化物)であることが特に好ましい。なお、前記結晶性ポリマーに酸成分をグラフト重合する方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜利用することができ、例えは、公知のラジカル開始剤の存在下で酸成分(例えばマレイン酸又はその無水物)をグラフト重合する方法を適宜利用することができる。
また、このような結晶性ポリマーの酸変性物としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリブテンを挙げることができ、中でも、日用品、自動車部品、電化製品、工業部品等のシール材料用途に利用する場合に、より安価に利用可能でありかつその用途に対してより適度な硬度を有するものとすることが可能であるという観点から、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレンがより好ましい。なお、このような結晶性ポリマーの酸変性物としては、市販品(例えば、理研ビタミン株式会社製の商品名「リケエイドMG670P」等)を適宜利用することができる。
また、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と前記結晶性ポリマーの酸変性物との混合物中の前記結晶性ポリマーの酸変性物の含有量は1~60質量%(より好ましくは2~50質量%、更に好ましくは3~40質量%、特に好ましくは5~35質量%)であることが好ましい。このような結晶性ポリマーの酸変性物の含有量を前記下限値以上とすることで、耐熱性の点でより高い効果が得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることで、柔軟性の点でより高い効果が得られる傾向にある。
また、本発明にかかるアイオノマーに利用される前記脂肪酸金属塩は、2価の脂肪酸金属塩及び3価の脂肪酸金属塩、すなわち2価の金属及び3価の金属から選択される1種の金属と、少なくとも1つの脂肪酸とにより形成されてなる脂肪酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である。このように、前記脂肪酸金属塩は、2価の脂肪酸金属塩及び3価の脂肪酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であればよく、特に制限されるものではないが、アルミニウム、クロム、鉄、ガリウム、インジウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、ベリリウム、バリウム、ストロンチウムから選択される少なくとも1種の金属(2価の金属及び/又は3価の金属)の塩(脂肪酸金属塩)であることが好ましい。
このような脂肪酸金属塩中に含まれ得る金属(2価の金属又は3価の金属)としては、中でも、より安価な脂肪酸金属塩が得られるという観点から、アルミニウム、鉄、カルシウム、亜鉛、マグネシウムがより好ましい。更に、脂肪酸金属塩中に含まれ得る金属の中でも、架橋密度をより高めることができ、より高い圧縮永久歪に対する耐性を有するエラストマーが得られるという観点から、3価の金属であることがより好ましく、3価のアルミニウム、3価の鉄が更に好ましく、3価のアルミニウムが特に好ましい。
このように、前記脂肪酸金属塩としては、架橋密度をより高めることができ、より優れた圧縮永久歪に対する耐性を有するエラストマーが得られるという観点から、3価の脂肪酸金属塩であることが好ましく、3価のアルミニウムを金属として含む脂肪酸金属塩であることが特に好ましい。
また、このような脂肪酸金属塩において、脂肪酸としては、炭素数が5~80(より好ましくは10~70、更に好ましくは15~60)の脂肪酸であることが好ましい。このような脂肪酸の炭素数が前記下限値以上である場合には、アイオノマーの形成がより容易となる傾向にある。他方、前記脂肪酸の炭素数を前記上限値以下とした場合には遊離脂肪酸をより少なくすることが可能であるため、成形品の表面のベタツキや汚れが少ないエラストマーを得るという点でより高い効果が得られる傾向にある。また、このような脂肪酸としては、中でも、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、モンタン酸、ラウリン酸がより好ましく、ステアリン酸、オレイン酸が更に好ましく、ステアリン酸が特に好ましい。
このような脂肪酸金属塩としては、前記2価の金属及び3価の金属から選択される1種の金属と、少なくとも1つの前記脂肪酸とにより形成されてなる脂肪酸金属塩であればよく、その1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて利用することもできる。なお、このような脂肪酸金属塩においては、脂肪酸金属塩中の金属に脂肪酸以外の置換基が結合されていてもよい。このような置換基としては、例えば、水酸基(ヒドロキシ基)、メチル基、エチル基等が挙げられる。
また、このような脂肪酸金属塩として利用可能な2価の脂肪酸金属塩としては、例えば、ジステアリン酸亜鉛、ジステアリン酸カルシウム、ジステアリン酸マグネシウム、ジステアリン酸バリウム等が挙げられる。
また、このような脂肪酸金属塩としてより好適な、前記3価の脂肪酸金属塩としては、例えば、トリステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウム、モノステアリン酸(ジヒドロキシ)アルミニウム、ステアリン酸メチルアルミニウム、ステアリン酸エチルアルミニウムを挙げることができ、これらの中でも、トリステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウム、モノステアリン酸(ジヒドロキシ)アルミニウムが好ましく、トリステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムがより好ましい。
また、本発明にかかるアイオノマーは、前記酸変性ポリマー成分と前記脂肪酸金属塩(前記2価の脂肪酸金属塩及び/又は前記3価の脂肪酸金属塩)の反応物である。このようなアイオノマーにおいて、前記酸変性ポリマー成分の総量100質量部に対する前記脂肪酸金属塩の含有量(前記2価の脂肪酸金属塩と前記3価の脂肪酸金属塩の総量)は2~20質量部(より好ましくは4~15質量部、更に好ましくは5~13質量部)であることが好ましい。このような脂肪酸金属塩の含有量を前記下限値以上とした場合にはイオン結合性の架橋が十分に形成されることから高温における圧縮永久歪に対する耐性がより向上する傾向にあり、他方、前記上限以下とすることで、イオン結合性の架橋の存在割合が増加し過ぎることがなく、組成物の加工時の流動性がより高いものとなる傾向にある。
また、このようなアイオノマーの調製方法は特に制限されず、前記酸変性ポリマー成分(前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物、又は、前記混合物)中の酸基(カルボキシレート基)と、前記脂肪酸金属塩(前記2価の脂肪酸金属塩及び/又は前記3価の脂肪酸金属塩)とを反応させることが可能な方法であればよく、特に制限されず、例えば、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と前記脂肪酸金属塩とが反応する温度(酸変性物の種類等によっても異なるものではあるが、例えば120~250℃)で混練することにより、これらを反応せしめてアイオノマーを得る方法を採用してもよい。このようにして反応させることで、少なくとも、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物中の酸基(カルボキシレート基)と、脂肪酸金属塩中の金属に由来する金属イオンとによりイオン結合性の架橋が形成された反応物を得ることができる。
なお、このようなアイオノマーは、前記酸変性ポリマー成分と、2価の脂肪酸金属塩及び/又は3価の脂肪酸金属塩(価数が2価の金属の脂肪酸金属塩及び/又は価数が3価の金属の脂肪酸金属塩)を利用して得られる反応物よりなるものであるため、その構造中に前記酸変性物中の酸基(カルボキシレート基)と、2価の金属イオン及び/又は3価の金属イオン(より好ましくは3価の金属イオン)とにより形成されるイオン結合性の架橋が含まれることとなる。なお、このような金属イオンにより形成される、イオン結合性の架橋を有するアイオノマーを利用することで、組成物の高温における圧縮永久歪に対する耐性をより優れたものとすることができる。また、このようなアイオノマーの中でも、特に3価の金属イオンにより形成されるイオン結合性の架橋を有するアイオノマーは、2価の金属イオンによりイオン結合性の架橋を形成したものと比較して、結合部位がより多くなり架橋密度を更に向上させることが可能となるため、高温における圧縮永久歪に対する耐性を更に優れたものとすることができるものと本発明者らは推察する。また、前記2価の金属イオンにより形成されるイオン結合性の架橋を有するアイオノマー及び前記3価の金属イオンにより形成されるイオン結合性の架橋を有するアイオノマーは、4価以上の価数の金属の金属イオンにより形成されたイオン結合性の架橋を形成したアイオノマーと比較して、より効率よく溶融加工時に架橋を緩ませることが可能であり、より流動するものとすることが可能である。そのため、前記2価の金属イオンにより形成されるイオン結合性の架橋を有するアイオノマー及び前記3価の金属イオンにより形成されるイオン結合性の架橋を有するアイオノマーを含有する組成物は、そのアイオノマーの種類によって溶融加工時の流動性を損なうことなく、より高い成形性を有するものとすることも可能であると本発明者らは推察する。
更に、本発明において、前記酸変性ポリマー成分が、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物である場合には、かかる酸変性物中の前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの構造により、分子間のイオン結合による架橋密度をより大きくすることが可能となり、これにより、高温における圧縮永久歪に対する耐性をより優れたものとすることができるものと本発明者らは推察する。また、前記酸変性ポリマー成分が前記混合物である場合には、前記混合物中に含まれる前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物に由来して分子間のイオン結合による架橋密度をより大きくすることが可能となるとともに、前記結晶性ポリマーの酸変性物中の結晶性ポリマーの構造に由来して融点、荷重たわみ温度などを基準とする耐熱性をより高くすることが可能となるため、125℃以上の高温環境下において、圧縮永久歪に対する耐性をより高いものとすることが可能であると本発明者らは推察する。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、より高い成形性が得られるという観点から、未変性の結晶性ポリマーを更に含むことが好ましい。ここにおいて「未変性」とは、酸変性されていないこと(例えば前記酸成分により変性されていないこと)を意味する。
このような未変性の結晶性ポリマーとしては、公知の未変性の結晶性ポリマーを適宜利用することができ、特に制限されないが、オレフィン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ビニル系ポリマー、液晶性オリマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。このような未変性の結晶性ポリマーの中でも、前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物との相溶性や混練性をより高いものとすることが可能であるという観点からは、オレフィン系ポリマーがより好ましく、中でも、α-オレフィン系ポリマーが特に好ましい。このようなα-オレフィン系ポリマーとしては、例えば、特開2017-57322号公報の段落[0204]~[0214]に記載されている化学結合性の架橋部位を有さないα-オレフィン系樹脂を好適に利用できる。なお、ここにいう「α-オレフィン系ポリマー」とは、α-オレフィンの単独重合体、α-オレフィンの共重合体をいう。また、ここにいう「α-オレフィン」は、α位に炭素-炭素二重結合を有するアルケンであればよく、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-へプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン等が挙げられる。
また、このような未変性の結晶性ポリマーとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン(PB)、ポリメチルペンテン及びこれらのブレンド体(例えば、いわゆるブロックPP、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐ブテン共重合体等)を好適に利用できる。また、このようなオレフィン系ポリマーの中でも、安価であるという観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン及びこれらのブレンド体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、このような未変性の結晶性ポリマーは1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、このような未変性の結晶性ポリマーは、特に、酸変性ポリマー成分がエチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物である場合に利用することが好ましい。このように、酸変性ポリマー成分がエチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物である場合に未変性の結晶性ポリマーを含有せしめることで、組成物中に結晶性ポリマーの特性を付与することが可能となり、これにより耐熱性をより高いものとすることが可能となったり、あるいは、成形時に収縮をより抑制することが可能となる、等といった効果を得ることができる。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、柔軟性を付与するという観点から、スチレン系ブロック共重合体を更に含むことが好ましい。このようなスチレン系ブロック共重合体としては特に制限されず、公知のものを適宜利用でき、例えば、特開2017-57393号公報の段落[0156]~段落[0163]に記載されているもの(化学結合性の架橋部位を有さないスチレンブロック共重合体)を好適に利用できる。なお、「スチレン系ブロック共重合体」とは、いずれかの部位にスチレンブロック構造を有するポリマーであればよい。
このようなスチレン系ブロック共重合体としてはゴム弾性と熱可塑性の両立の観点から、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、これらの水素添加物(いわゆる水添物)が好ましく、SEBS、SEEPSがより好ましい。このようなスチレン系ブロック共重合体は1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて利用してもよい。また、このようなスチレン系ブロック共重合体としては、適宜市販のものを利用することができる。
また、このようなスチレン系ブロック共重合体としては、機械的強度、オイル吸収性の観点から、スチレン含有量が10~50質量%(より好ましくは20~40質量%)のスチレン系ブロック共重合体であることが好ましい。また、このようなスチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布の分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、機械的強度、オイル吸収性の観点から、Mwは20万以上70万以下であることが好ましく、30万以上60万以下であることがより好ましく、35万以上55万以下であることが更に好ましく、他方、Mnは、10万以上60万以下であることが好ましく、15万以上55万以下であることがより好ましく、20万以上50万以下であることが更に好ましく、更に、Mw/Mnは、5以下であることが好ましく、1~3であることがより好ましい。このようなスチレン系ブロック共重合体のガラス転移点は、エラストマー性の観点から、-80~-30℃であることが好ましく、-70~-40℃であることがより好ましい。このような各種特性の測定方法(Mw、Mnなど)は、特開2017-57393号公報の段落[0156]~段落[0163]に記載の方法を採用する。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成形時に、より高い流動性を付与することが可能となるといった観点から、プロセスオイルを更に含有しているものが好ましい。このような「プロセスオイル」としては、特に制限されず、公知のプロセスオイルを適宜利用することができ、例えば、パラフィンオイル(パラフィン系オイル)、ナフテンオイル(ナフテン系オイル)、アロマオイル(アロマ系オイル)等が挙げられる。このようなプロセスオイルとしては、市販のものを適宜利用してもよい。
また、このようなプロセスオイルの中でも、熱劣化による黄変をより高度な水準で抑制することが可能であるという観点からは、パラフィンオイルが特に好ましい。また、このようなプロセスオイルとして好適なパラフィンオイルとしては特に制限されず、公知のパラフィンオイル(例えば、特開2017-57323号公報の段落[0153]~段落[0157]に記載のもの等)を適宜利用できる。なお、このようなパラフィンオイルとしては、そのオイルに対して、ASTM D3238-85に準拠した相関環分析(n-d-M環分析)を行って、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率(パラフィン部:CP)、ナフテン炭素数の全炭素数に対する百分率(ナフテン部:CN)、及び、芳香族炭素数の全炭素数に対する百分率(芳香族部:CA)をそれぞれ求めた場合において、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率(CP)が60%以上であることが好ましい。また、前記パラフィンオイルは、流動性、安全性の観点から、JIS K 2283(2000年発行)に準拠して測定される、40℃における動粘度が10mm2/s~700mm2/sのものであることが好ましく、20~600mm2/sであることがより好ましく、30~500mm2/sであることが更に好ましい。さらに、前記パラフィンオイルは、流動性、安全性の観点から、JIS K2256(2013年発行)に準拠したU字管法により測定されるアニリン点が80℃~145℃であることが好ましく、100~145℃であることがより好ましく、105~145℃であることが更に好ましい。なお、これらの動粘度及びアニリン点の測定方法はそれぞれ特開2017-57323号公報の段落[0153]~段落[0157]に記載されている方法を採用できる。また、このようなプロセスオイルの調製方法は特に制限されず、公知の方法を適宜採用できる。また、このようなプロセスオイルとしては、市販品を利用してもい。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、前記アイオノマーの含有量は組成物の総量に対して2~60質量%(より好ましくは5~50質量%、更に好ましくは10~40質量%)であることが好ましい。このようなアイオノマーの含有量を前記下限値以上とすることで、より高い圧縮永久歪に対する耐性が得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることで成形時に、より高い流動性が得られる傾向にある。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物が前記未変性の結晶性ポリマーを含むものである場合、該未変性の結晶性ポリマーの含有量は、前記アイオノマー100質量部に対して10~90質量部(より好ましくは20~80質量部、更に好ましくは30~75質量部)であることが好ましい。このような未変性の結晶性ポリマーの含有量を前記下限値以上とすることで成形時の収縮を抑制するという点でより高い効果が得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることでより高い圧縮永久歪に対する耐性が得られる傾向にある。
さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組成物が前記スチレン系ブロック共重合体を含むものである場合、該スチレン系ブロック共重合体の含有量は、前記アイオノマー100質量部に対して10~150質量部(より好ましくは15~120質量部、更に好ましくは20~100質量部)であることが好ましい。このようなスチレン系ブロック共重合体の含有量を前記下限値以上とすることでより柔軟性の高いエラストマーが得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることで成形時の収縮を抑制するという点でより高い効果が得られる傾向にある。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物が、前記未変性の結晶性ポリマー及び前記スチレン系ブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含むものである場合、前記アイオノマーと前記未変性の結晶性ポリマーと前記スチレン系ブロック共重合体の合計量に対して、前記アイオノマーの含有量が10~80質量%(より好ましくは15~75質量%、更に好ましくは20~70質量%)であることが好ましい。このようなアイオノマーの含有量(組成物中の樹脂成分の合計量に対するアイオノマーの割合)を前記下限値以上とすることでより高い圧縮永久歪に対する耐性が得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることで成形時により高い流動性が得られる傾向にある。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物が前記未変性の結晶性ポリマーを含むものである場合、組成物中の前記アイオノマーと前記未変性の結晶性ポリマーと前記スチレン系ブロック共重合体の合計量に対して、前記未変性の結晶性ポリマーの含有量が2~50質量%(より好ましくは5~40質量%、更に好ましくは10~30質量%)であることが好ましい。このような未変性の結晶性ポリマーの含有量(組成物中の樹脂成分の合計量に対する未変性の結晶性ポリマーの割合)を前記下限値以上とすることで成形時の収縮を抑制するという点でより高い効果が得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることでより高い圧縮永久歪に対する耐性が得られる傾向にある。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物がスチレン系ブロック共重合体を含むものである場合、前記アイオノマーと前記未変性の結晶性ポリマーと前記スチレン系ブロック共重合体の合計量に対して、前記スチレン系ブロック共重合体の含有量は5~70質量%(より好ましくは10~60質量%、更に好ましくは15~50質量%)であることが好ましい。このようなスチレン系ブロック共重合体の含有量(組成物中の樹脂成分の合計量に対するスチレン系ブロック共重合体の割合)を前記下限値以上とすることでより高い柔軟性を有するエラストマーが得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることでより高い圧縮永久歪に対する耐性が得られる傾向にある。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物がプロセスオイルを含む場合、プロセスオイルの含有量は、組成物の総量に対して5~60質量%(より好ましくは10~50質量%、更に好ましくは15~40質量%)であることが好ましい。組成物の総量に対するプロセスオイルの含有量を前記下限値以上とすることで成形時により高い流動性が得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることで成形品表面にオイルがブリードアウトすることを十分に抑制して、ブリードアウトに起因するべたつきをより高度な水準で抑制することができるという点でより高い効果が得られる傾向にある。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物が、前記未変性の結晶性ポリマー及び/又は前記スチレン系ブロック共重合体と、前記プロセスオイルとを含むものである場合、プロセスオイルの含有量は、前記アイオノマーと前記未変性の結晶性ポリマーと前記スチレン系ブロック共重合体の合計量100質量部に対して10~100質量部(より好ましくは15~90質量部、更に好ましくは20~80質量部)であることが好ましい。このようなプロセスオイルの含有量を前記下限値以上とすることで、成形時により高い流動性が得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることで成形品表面にオイルがブリードアウトすることを十分に抑制して、ブリードアウトに起因するべたつきをより高度な水準で抑制することができるという点でより高い効果が得られる傾向にある。
さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組成物が前記スチレン系ブロック共重合体と前記プロセスオイルとを含有するものである場合、前記スチレン系ブロック共重合体100質量部に対するプロセスオイルの含有量が10~300質量部(より好ましくは20~280質量部、更に好ましくは30~260質量部)であることが好ましい。このようなプロセスオイルの含有量を前記下限値以上とすることで成形時により高い流動性が得られる傾向にあり、他方、前記上限値以下とすることで成形品表面にオイルがブリードアウトすることを十分に抑制して、ブリードアウトに起因するべたつきをより高度な水準で抑制することができるという点でより高い効果が得られる傾向にある。
なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じて、上述のポリマー以外の他のポリマー、補強剤(充填剤の一種:例えばシリカ、カーボンブラック等)、アミノ基を導入してなる充填剤、該アミノ基導入充填剤以外のアミノ基含有化合物、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、前記プロセスオイル以外の可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、消臭剤(重曹等)、分散剤、脱水剤、防錆剤、接着付与剤、帯電防止剤、フィラー(クレイ等)、滑剤、スリップ剤、光安定剤、導電性付与剤、防菌剤、中和剤、軟化剤、充填材、着色剤、熱伝導性充填材などの各種の添加剤を含有することができる。このような添加剤は、特に制限されず、公知のもの(例えば、特許5918878号公報の段落[0169]~[0174]に記載のものや、特開2006-131663号公報に例示されているようなもの等)を適宜使用することができる。なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に前記添加剤を更に含有せしめる場合、前記添加剤の含有量は、組成物の総量に対して0.01~10質量%程度であることが好ましい。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、高温における圧縮永久歪に対する耐性がより高いものである。このような本発明の熱可塑性エラストマー組成物としては、125℃で22時間放置する測定条件を採用してJIS K6262(2013年発行)に準拠して測定される圧縮永久歪の値が、70%以下(より好ましくは50%以下、更にこのましくは40%以下)であることが好ましい。なお、このような圧縮永久歪の値の測定方法としては、実施例の欄に記載の測定方法を採用することができる。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を調製するための方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、前記酸変性ポリマー成分と、前記脂肪酸金属塩(前記2価の脂肪酸金属塩及び/又は3価の脂肪酸金属塩)とを含む原料混合物を混練(混合)することにより、アイオノマーを形成して、熱可塑性エラストマー組成物を得る方法を採用することができる。このような混練工程(混合工程)において、温度条件は熱劣化をより抑制しつつより均一な物性を有した混練物を得るという観点から、120~250℃とすることが好ましく、140~230℃とすることがより好ましい。なお、前記原料混合物を混練(混合)する方法は特に制限されず、例えば、ロール、ニーダー、押出し機、万能撹拌機等を用いて混練する方法を採用することができる。なお、このような温度条件で混練(混合)することで、前記酸変性ポリマー成分と、前記脂肪酸金属塩とをより効率よく反応させることが可能となり、これにより原料混合物を可塑化させつつ、アイオノマーを形成することも可能となる。
また、前記未変性の結晶性ポリマー、前記スチレン系ブロック共重合体、プロセスオイル等の各成分を含有せしめる場合、前記混練工程を施す前の前記原料混合物に、これらの成分を適宜添加して、これらを併せて混練(混合)することにより、これらの成分を含む熱可塑性エラストマー組成物を形成してもよく、あるいは、前述のようにしてアイオノマーを形成した後に、これらの成分を添加し、その後、更に混練(混合)することにより熱可塑性エラストマー組成物を形成してもよい。
また、このような熱可塑性エラストマー組成物を製造するための方法としては、前記酸変性ポリマー成分と、前記脂肪酸金属塩と、前記スチレン系ブロック共重合体と、前記プロセスオイルとを含む原料混合物を用いて、これを120~250℃(より好ましくは140~230℃)の温度条件下において混練(混合)して、前記原料混合物中においてアイオノマーを形成することにより熱可塑性エラストマー組成物を得る方法を採用することがより好ましい。なお、このような方法においては、前記原料混合物に前記未変性の結晶性ポリマーを更に含有せしめてもよい。また、このように熱可塑性エラストマー組成物を製造する際には、各成分(前記酸変性ポリマー成分、前記脂肪酸金属塩、前記スチレン系ブロック共重合体、前記プロセスオイル、前記未変性の結晶性ポリマー)は、その含有量が前述の組成物中の含有量の好適な条件を満たすように利用することが好ましい。なお、このように、前記酸変性ポリマー成分と、前記脂肪酸金属塩と、前記スチレン系ブロック共重合体と、前記プロセスオイルとを含む原料混合物を用いる場合、その全成分(なお、前述の前記スチレン系ブロック共重合体、プロセスオイル等の成分の他、前記添加剤等を含む場合には、その添加剤等も含む全成分)に対する前記酸変性ポリマー成分の含有量は特に制限されるものではないが、5~60質量%であることが好ましい。また、前記酸変性ポリマー成分と、前記脂肪酸金属塩と、前記スチレン系ブロック共重合体と、前記プロセスオイルとを含む原料混合物を用いる場合において、前記酸変性ポリマー成分が前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と前記結晶性ポリマーの酸変性物との混合物である場合、その全成分(なお、前述の前記スチレン系ブロック共重合体、プロセスオイル等の成分の他、前記添加剤等を含む場合には、その添加剤等も含む全成分)に対する前記結晶性ポリマーの酸変性物の含有量は特に制限されるものではないが、5~25質量%であることが好ましい。
このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物の形態は特に制限されず、ペレタイザー等の公知の装置を利用して適宜成形する等して、ペレット状、ベール状、ロッド状、リボン状、シート状等の各種形態としてもよい。また、このような本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、例えば、日用品、自動車部品、電化製品、工業部品等の用途に適宜利用可能であるが、高温(125℃)における圧縮永久歪に対する耐性がより高いものとなり、従来の熱可塑性エラストマー組成物では利用が困難となるような高温下においても使用可能であることから、特に、高温条件で使用されるような自動車部品(例えば電装部品のシール材)等に好適に利用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔各実施例等において利用した材料について〕
先ず、後述の実施例等において組成物等の製造に利用した材料(化合物等)の商品名等を分けて説明する。なお、下記実施例においては、ここに記載する略称や名称等により各材料を表現する。
(1)酸変性ポリマー成分について
・マレイン化EBM:無水マレイン酸変性エチレン-ブテン共重合体(三井化学株式会社製の商品名「タフマーMH5040」、マレイン化率:2.5質量%)
・マレイン化PP:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(理研ビタミン株式会社製の商品名「リケエイドMG670P」、マレイン化率:1.834質量%)
(2)脂肪酸金属塩について
・トリステアリン酸アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「ALステアレート900」)
・ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「ALステアレート600」)
・ジステアリン酸亜鉛(2価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「ジンクステアレート」)
・ジステアリン酸カルシウム(2価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「カルシウムステアレート」)
・ジステアリン酸マグネシウム(2価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「マグネシウムステアレート」)
(3)未変性の結晶性ポリマーについて
・ブロックPP(サンアロマー株式会社製の商品名「PM870A」)
(4)スチレン系ブロック共重合体について
・SEBS:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(クレイトン社製の商品名「G1633EU」、スチレン含有量:30質量%)
(5)その他の添加成分
・パラフィンオイル:JXTGエネルギー株式会社製の商品名「HV300-S(J)」。
先ず、後述の実施例等において組成物等の製造に利用した材料(化合物等)の商品名等を分けて説明する。なお、下記実施例においては、ここに記載する略称や名称等により各材料を表現する。
(1)酸変性ポリマー成分について
・マレイン化EBM:無水マレイン酸変性エチレン-ブテン共重合体(三井化学株式会社製の商品名「タフマーMH5040」、マレイン化率:2.5質量%)
・マレイン化PP:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(理研ビタミン株式会社製の商品名「リケエイドMG670P」、マレイン化率:1.834質量%)
(2)脂肪酸金属塩について
・トリステアリン酸アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「ALステアレート900」)
・ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「ALステアレート600」)
・ジステアリン酸亜鉛(2価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「ジンクステアレート」)
・ジステアリン酸カルシウム(2価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「カルシウムステアレート」)
・ジステアリン酸マグネシウム(2価の脂肪酸金属塩、日油株式会社製の商品名「マグネシウムステアレート」)
(3)未変性の結晶性ポリマーについて
・ブロックPP(サンアロマー株式会社製の商品名「PM870A」)
(4)スチレン系ブロック共重合体について
・SEBS:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(クレイトン社製の商品名「G1633EU」、スチレン含有量:30質量%)
(5)その他の添加成分
・パラフィンオイル:JXTGエネルギー株式会社製の商品名「HV300-S(J)」。
〔熱可塑性エラストマー組成物の特性の評価方法〕
次に、各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物の特性を評価するための方法について説明する。なお、各実施例及び比較例ごとに、得られた結果を表1~3に示す。
次に、各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物の特性を評価するための方法について説明する。なお、各実施例及び比較例ごとに、得られた結果を表1~3に示す。
<測定用のシートの調製工程>
各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物をそれぞれ用いて、先ず、水冷冷却機能付の加圧プレス機を用い、200℃に加熱した後、縦15cm、横15cm、厚み2mmの大きさの金型に熱可塑性エラストマー組成物43gを入れて、加圧前に200℃で5分間加熱(予熱)し、次いで、温度:200℃、使用圧力:20Mpa、加圧時間:5分の条件で加圧(熱プレス)した後、使用圧力:20MPa、加圧時間:2分の条件で水冷冷却プレスを更に行い、前記金型からプレス後の熱可塑性エラストマー組成物を取り出して、厚み2mmのシートをそれぞれ得た。なお、JIS-A硬度、圧縮永久歪(C-Set)及び引張特性の測定には、かかる測定用のシートをそれぞれ利用した。
各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物をそれぞれ用いて、先ず、水冷冷却機能付の加圧プレス機を用い、200℃に加熱した後、縦15cm、横15cm、厚み2mmの大きさの金型に熱可塑性エラストマー組成物43gを入れて、加圧前に200℃で5分間加熱(予熱)し、次いで、温度:200℃、使用圧力:20Mpa、加圧時間:5分の条件で加圧(熱プレス)した後、使用圧力:20MPa、加圧時間:2分の条件で水冷冷却プレスを更に行い、前記金型からプレス後の熱可塑性エラストマー組成物を取り出して、厚み2mmのシートをそれぞれ得た。なお、JIS-A硬度、圧縮永久歪(C-Set)及び引張特性の測定には、かかる測定用のシートをそれぞれ利用した。
<JIS-A硬度の測定>
上記測定用シートをそれぞれ用い、JIS K6253(2012年発行)に準拠して、各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物のJIS-A硬度を測定した。
上記測定用シートをそれぞれ用い、JIS K6253(2012年発行)に準拠して、各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物のJIS-A硬度を測定した。
<圧縮永久歪(C-Set)の測定>
各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物に関して、それぞれ、上述の測定用のシートを直径29mmの円盤状に打ち抜いて7枚重ね合わせ、高さ(厚み)が12.5±0.5mmになるようにしてサンプルを調製した。このようにして得られたサンプルを用い、専用治具で25%圧縮し、125℃で22時間放置した後の圧縮永久歪(単位:%)をJIS K6262(2013年発行)に準拠して測定した。なお、圧縮装置としてはダンベル社製の商品名「加硫ゴム圧縮永久歪試験器 SCM-1008L」を用いた。
各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物に関して、それぞれ、上述の測定用のシートを直径29mmの円盤状に打ち抜いて7枚重ね合わせ、高さ(厚み)が12.5±0.5mmになるようにしてサンプルを調製した。このようにして得られたサンプルを用い、専用治具で25%圧縮し、125℃で22時間放置した後の圧縮永久歪(単位:%)をJIS K6262(2013年発行)に準拠して測定した。なお、圧縮装置としてはダンベル社製の商品名「加硫ゴム圧縮永久歪試験器 SCM-1008L」を用いた。
<引張特性>
各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物に関して、それぞれ、上記測定用シートを用い、かかる測定用シート(厚み2mm)から3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251(2010年発行)に準拠して行い、100%モジュラス(100%Mod)[MPa]、破断強度(TB)[MPa]、および、破断伸び(EB)[%]を室温(25℃)にて測定した。
各実施例等で得られた熱可塑性エラストマー組成物に関して、それぞれ、上記測定用シートを用い、かかる測定用シート(厚み2mm)から3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251(2010年発行)に準拠して行い、100%モジュラス(100%Mod)[MPa]、破断強度(TB)[MPa]、および、破断伸び(EB)[%]を室温(25℃)にて測定した。
(実施例1)
マレイン化EBM(6.0kg)、SEBS(4.0kg)、パラフィンオイル(8.0kg)及びトリステアリン酸アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩:0.54kg)を、撹拌翼式混合器中に添加し、温度が50℃以下となるように制御しながら均一になるまで攪拌することで原料混合物を得た。次いで、得られた原料混合物を二軸押出し機に投入して200℃で5分間混練し、ストランド状に吐出し、温度20℃の水で十分冷却して固化した後、カットすることで、太さ3~5mm、長さ4~6mmのペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
マレイン化EBM(6.0kg)、SEBS(4.0kg)、パラフィンオイル(8.0kg)及びトリステアリン酸アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩:0.54kg)を、撹拌翼式混合器中に添加し、温度が50℃以下となるように制御しながら均一になるまで攪拌することで原料混合物を得た。次いで、得られた原料混合物を二軸押出し機に投入して200℃で5分間混練し、ストランド状に吐出し、温度20℃の水で十分冷却して固化した後、カットすることで、太さ3~5mm、長さ4~6mmのペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(実施例2)
トリステアリン酸アルミニウムの使用量を0.72kgに変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
トリステアリン酸アルミニウムの使用量を0.72kgに変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(実施例3)
トリステアリン酸アルミニウム(0.72kg)の代わりにジステアリン酸亜鉛(2価の脂肪酸金属塩)を0.72kg利用した以外は、実施例2と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
トリステアリン酸アルミニウム(0.72kg)の代わりにジステアリン酸亜鉛(2価の脂肪酸金属塩)を0.72kg利用した以外は、実施例2と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(比較例1)
トリステアリン酸アルミニウムを使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
トリステアリン酸アルミニウムを使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
実施例1~3及び比較例1で得られた熱可塑性エラストマー組成物の材料の組成比、並びに、各組成物の特性の評価結果を表1に示す。なお、表1中の記号「-」は、その成分を利用していないこと(含有量が0質量部であること)を示す。
表1に示した結果から明らかなように、3価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例1~2で得られた熱可塑性エラストマー組成物;及び2価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例3で得られた熱可塑性エラストマー組成物;は、125℃、22時間の測定条件における圧縮永久歪の値が72%以下となっており、高温における圧縮永久歪に対する耐性が十分に優れたものとなることが分かった。これに対して、脂肪酸金属塩(2価又は3価の脂肪酸金属塩)を利用しなかった場合(比較例1)においては、125℃、22時間の測定条件における圧縮永久歪の値が100%となっていた。
なお、3価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例1~2で得られた熱可塑性エラストマー組成物と、2価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例3で得られた熱可塑性エラストマー組成物とを対比すると、3価の脂肪酸金属塩を用いた場合に、125℃、22時間の測定条件における圧縮永久歪の値がより低い値となり、高温における圧縮永久歪に対する耐性がより優れたものとなることが分かった。
なお、実施例1~2及び比較例1で得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物をそれぞれ射出成型機(ファナック株式会社製の商品名「FANUK ROBOSHOTα-S100iA」)に投入し、230℃の射出温度、10mm/秒の射出速度での射出成形性を、100mm×100mm×4mmの平板の成形を試みて確認したところ、これらはいずれも射出流動性が十分なものとなり、十分に射出成形が可能であることが確認された。実際に、実施例1~2及び比較例1で得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いた場合においてはいずれも230℃の射出温度、10mm/秒の射出速度での射出成形により100mm×100mm×4mmの平板を効率よく成形できた。この際、平板を成形する金型の温度は40℃とし、冷却時間(金型内で固化させる時間)は20秒とした。
(実施例4)
マレイン化EBM(3.5kg)、ブロックPP(2.5kg)、SEBS(4.0kg)、パラフィンオイル(9.0kg)及びトリステアリン酸アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩:0.54kg)を、撹拌翼式混合器中に添加し、温度が50℃以下となるように制御しながら均一になるまで攪拌することで原料混合物を得た。次いで、得られた原料混合物を二軸押出し機に投入して200℃で5分間混練し、ストランド状に吐出し、温度20℃の水で十分冷却して固化した後、カットすることで、太さ3~5mm、長さ4~6mmのペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
マレイン化EBM(3.5kg)、ブロックPP(2.5kg)、SEBS(4.0kg)、パラフィンオイル(9.0kg)及びトリステアリン酸アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩:0.54kg)を、撹拌翼式混合器中に添加し、温度が50℃以下となるように制御しながら均一になるまで攪拌することで原料混合物を得た。次いで、得られた原料混合物を二軸押出し機に投入して200℃で5分間混練し、ストランド状に吐出し、温度20℃の水で十分冷却して固化した後、カットすることで、太さ3~5mm、長さ4~6mmのペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(実施例5~7)
トリステアリン酸アルミニウムの代わりにジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩)をそれぞれ0.54kg(実施例5)、1.0kg(実施例6)、1.1kg(実施例7)利用した以外は、実施例4と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
トリステアリン酸アルミニウムの代わりにジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩)をそれぞれ0.54kg(実施例5)、1.0kg(実施例6)、1.1kg(実施例7)利用した以外は、実施例4と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(比較例2)
トリステアリン酸アルミニウムを使用しなかった以外は、実施例4と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
トリステアリン酸アルミニウムを使用しなかった以外は、実施例4と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
実施例3~6及び比較例3で得られた熱可塑性エラストマー組成物の材料の組成比、並びに、各組成物の特性の評価結果を表2に示す。なお、表2中の記号「-」は、その成分を利用していないこと(含有量が0質量部であること)を示す。
表2に示した結果から明らかなように、3価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例4~7で得られた熱可塑性エラストマー組成物は、125℃、22時間の測定条件における圧縮永久歪の値が49%以下となっており、高温における圧縮永久歪に対する耐性が十分に優れたものとであることが分かった。これに対して、脂肪酸金属塩を利用しなかった場合(比較例2)においては、125℃、22時間の測定条件における圧縮永久歪の値が100%となっていた。
なお、実施例4~7で得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物をそれぞれ射出成型機(ファナック株式会社製の商品名「FANUK ROBOSHOTα-S100iA」)に投入し、230℃の射出温度、10mm/秒の射出速度における射出成形性を、100mm×100mm×4mmの平板の成形を試みて確認したところ、実施例4~6で得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物の方が、実施例7で得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物と比較して、射出流動性がより高いものとなることが分かった。実際に、実施例4~6で得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いた場合においては230℃の射出温度、10mm/秒の射出速度での射出成形により100mm×100mm×4mmの平板を効率よく成形できた。この際、平板を成形する金型の温度は40℃とし、冷却時間(金型内で固化させる時間)は20秒とした。一方で、実施例4~7で得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物の中で、実施例7で得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物は、圧縮永久歪の値がより低いものとなっていることは表2の記載からも明らかである。このような結果から、3価の脂肪酸金属塩の含有割合を適切な範囲とすることによって、射出成形性と圧縮永久歪に対する耐性のバランスをより高度なものとすることが可能であることが分かった。
(実施例8)
マレイン化EBM(3.5kg)、マレイン化PP(2.5kg)、SEBS(4.0kg)、パラフィンオイル(8.0kg)及びジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩:0.24kg)を、撹拌翼式混合器中に添加し、温度が50℃以下となるように制御しながら均一になるまで攪拌することで原料混合物を得た。次いで、得られた原料混合物を二軸押出し機に投入して200℃で5分間混練し、ストランド状に吐出し、温度20℃の水で十分冷却して固化した後、カットすることで、太さ3~5mm、長さ4~6mmのペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
マレイン化EBM(3.5kg)、マレイン化PP(2.5kg)、SEBS(4.0kg)、パラフィンオイル(8.0kg)及びジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩:0.24kg)を、撹拌翼式混合器中に添加し、温度が50℃以下となるように制御しながら均一になるまで攪拌することで原料混合物を得た。次いで、得られた原料混合物を二軸押出し機に投入して200℃で5分間混練し、ストランド状に吐出し、温度20℃の水で十分冷却して固化した後、カットすることで、太さ3~5mm、長さ4~6mmのペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(実施例9)
ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムの使用量を0.72kgに変更した以外は、実施例8と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムの使用量を0.72kgに変更した以外は、実施例8と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(実施例10~11)
ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムの代わりにトリステアリン酸アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩)をそれぞれ0.24kg(実施例10)、0.72kg(実施例11)利用した以外は、実施例8と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムの代わりにトリステアリン酸アルミニウム(3価の脂肪酸金属塩)をそれぞれ0.24kg(実施例10)、0.72kg(実施例11)利用した以外は、実施例8と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(実施例12~14)
ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムの代わりに、それぞれ、ジステアリン酸カルシウム(2価の脂肪酸金属塩)を0.72kg(実施例12)、ジステアリン酸亜鉛(2価の脂肪酸金属塩)を0.72kg(実施例13)、ジステアリン酸マグネシウム(2価の脂肪酸金属塩)を0.72kg(実施例14)利用した以外は、実施例8と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムの代わりに、それぞれ、ジステアリン酸カルシウム(2価の脂肪酸金属塩)を0.72kg(実施例12)、ジステアリン酸亜鉛(2価の脂肪酸金属塩)を0.72kg(実施例13)、ジステアリン酸マグネシウム(2価の脂肪酸金属塩)を0.72kg(実施例14)利用した以外は、実施例8と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(比較例3)
ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムを使用しなかった以外は、実施例8と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
ジステアリン酸(ヒドロキシ)アルミニウムを使用しなかった以外は、実施例8と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
実施例8~14及び比較例3で得られた熱可塑性エラストマー組成物の材料の組成比、並びに、各組成物の特性の評価結果を表3に示す。なお、表3中の記号「-」は、その成分を利用していないこと(含有量が0質量部であること)を示す。
表3に示した結果から明らかなように、3価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例8~11で得られた熱可塑性エラストマー組成物;及び2価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例12~14で得られた熱可塑性エラストマー組成物;はいずれも、125℃、22時間の測定条件における圧縮永久歪の値が79%以下となっており、高温における圧縮永久歪に対する耐性が十分に優れたものとなることが分かった。これに対して、脂肪酸金属塩を利用しなかった場合(比較例3)においては、125℃、22時間の測定条件における圧縮永久歪の値が100%となっていた。
また、3価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例8~11で得られた熱可塑性エラストマー組成物と、2価の脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例12~14で得られた熱可塑性エラストマー組成物とを対比すると、3価の脂肪酸金属塩を用いた場合に、125℃、22時間の測定条件における圧縮永久歪の値がより低い値となっており、高温における圧縮永久歪に対する耐性がより優れたものとなることが分かった。
なお、実施例8~11及び比較例3で得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物をそれぞれ射出成型機(ファナック株式会社製の商品名「FANUK ROBOSHOTα-S100iA」)に投入し、230℃の射出温度、10mm/秒の射出速度での射出成形性を、100mm×100mm×4mmの平板の成形を試みて確認したところ、いずれも射出流動性が十分なものとなり、十分に射出成形が可能であることが確認された。実際に、実施例8~11及び比較例3で得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いた場合においてはいずれも230℃の射出温度、10mm/秒の射出速度での射出成形により100mm×100mm×4mmの平板を効率よく成形できた。この際、平板を成形する金型の温度は40℃とし、冷却時間(金型内で固化させる時間)は20秒とした。
また、一般的にエラストマー組成物の高温における圧縮永久歪に対する耐性(耐熱性)を上げるためには融点が高くかつ硬い樹脂を使用し、その樹脂の添加量を増やす方法が検討されるが、表1~3に示す結果からも明らかなように、脂肪酸金属塩を用いて形成されたアイオノマーを含む実施例1~14で得られた熱可塑性エラストマー組成物においては、そのような多量の樹脂(融点が高くかつ硬い樹脂)を利用する必要がないため、A硬度を30~70とすることができ、十分に柔らかいものであることが分かる。更に、実施例1~14で得られた熱可塑性エラストマー組成物においては、破断伸度(引張伸び率)が300%以上であり、前記A硬度の値と併せ鑑みれば、やはり十分に柔らかいものであることが分かる。このように、本発明によれば、高温における圧縮永久歪に対する耐性(耐熱性)が高く、しかも、その組成に応じてA硬度が30~70となるような十分に柔らかい熱可塑性エラストマー組成物を提供することも可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、高温における圧縮永久歪に対する耐性をより優れたものとすることが可能な熱可塑性エラストマー組成物を提供することが可能となる。このように、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、特に高温における圧縮永久歪に対する耐性に優れるため、高温条件下で利用される自動車部品等を製造するための材料等として特に有用である。
Claims (8)
- 酸変性ポリマー成分と脂肪酸金属塩との反応物からなるアイオノマーを含有してなり、
前記酸変性ポリマー成分が、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物、又は、エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と結晶性ポリマーの酸変性物との混合物であり、かつ、
前記脂肪酸金属塩が、2価及び3価の脂肪酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であること、
を特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。 - 前記脂肪酸金属塩が3価の脂肪酸金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物が、エチレン-ブテン共重合体の酸変性物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記エチレン単位を含む非結晶性ポリマーの酸変性物と前記結晶性ポリマーの酸変性物との混合物中の前記結晶性ポリマーの酸変性物の含有量が1~60質量%質量%であることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記結晶性ポリマーの酸変性物が、ポリプロピレンの酸変性物及びポリエチレンの酸変性物からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 未変性の結晶性ポリマーを更に含むことを特徴とする請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記未変性の結晶性ポリマーがポリプロピレン、ポリエチレン及びこれらのブレンド体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- スチレン系ブロック共重合体を更に含むことを特徴とする請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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