JP2022017967A - 副燃焼室付き内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】副燃焼室付き内燃機関において、コストを抑制しつつ、副燃焼室への燃料の供給を確実化する。【解決手段】副燃焼室25は主燃焼室6に露出しており、内部には点火プラグ26の電極27,28が露出し、中空ドーム状部25aには複数の噴孔33が形成されている。シリンダヘッド3のうち吸気ポート8を挟んで下部に、吸気ポート8の出口部を介して燃料を副燃焼室25に向けて噴出する補助インジェクタ34が配置されている。補助インジェクタ34は副燃焼室25や主燃焼室6には露出していないため、安価なものを使用できる。従って、コストを抑制できる。補助インジェクタ34による燃料噴射は、ピストンが下死点付近にあって吸気の流れがほぼ停止しているときに行うのが好ましい。【選択図】図4

Description

本発明は、副燃焼室(プレ燃焼室)を備えた内燃機関に関するものである。
副燃焼室を備えた内燃機関は広く知られている。副燃焼室は主燃焼室の燃料(混合気)に対する点火プラグの役割を果たすものであり、副燃焼室で発生した火炎を噴孔から主燃焼室に噴出させて主燃料に着火させている。副燃焼室で生成した火炎は主燃焼室での燃料の着火性に優れているため、主燃焼室での燃焼速度を速めたり、空燃比がリーン状態であっても確実に燃焼させることができる利点がある。そこで、リーンバーンによる燃費向上と排気ガスクリーン化向上とを両立させる有望な技術として注目されている。
副燃焼室付き内燃機関では、副燃焼室の内部に点火プラグが配置されており、副燃焼室の内部に充満した燃料に点火プラグで着火しているが、副燃焼室への燃料の供給手段としては、特許文献1に開示されているように、副燃焼室用の専用インジェクタを設けるアクティブ方式と、特許文献2に開示されているように、主燃料室に噴出した混合気を副燃焼室に取り込むパッシブ方式とがある。
特公昭59-36089号公報 特公昭58-55327号公報
副室用の専用のインジェクタを設けると、副室に必要な量の燃料を確実に供給できる ため、主燃焼室での燃料がリーン状態であっても着火・燃焼を確実化できる利点があるが、インジェクタはノズルが副燃焼室の内部に露出しているため、直噴エンジン用インジェクタのような高圧噴射で高い耐圧性・耐熱性を備えている必要があり、かつ、専用のインジェクタは、シリンダヘッドの狭い部位に動弁機構を避けながら配置せねばならないため、シリンダヘッドの構造も著しく複雑化することになり、これらが相まってコストが大幅にアップするという問題がある。
他方、主燃焼室に供給された燃料を副燃焼室に取り込んで燃焼させるパッシブ方式は、専用のインジェクタは不要であるためコスト面では有利であるが、副燃焼室内への燃料供給の安定性に欠けるという問題がある。
更に述べると、主燃焼室の混合気は小径の噴孔から副燃焼室に取り込むことになるため、副燃焼室への吸気の流入性が元々悪いという特性があることに加えて、副室内の混合気は主室に供給される混合気の空燃比と同じであることから、主燃焼室に供給される混合気がリーン状態であると副室内でもリーン状態になって着火性が低下するということになり、従って、主燃焼室でのリーンバーンを確実化するという副燃焼室の目的が没却されてしまいかねない。
本願発明は、このような現状を改善しようとするものである。
本願発明の内燃機関は、
「シリンダヘッドとシリンダブロックとピストンとによって形成された主燃焼室と、前記シリンダヘッドに設けた副燃焼室とを備えており、
前記シリンダヘッドに、吸気バルブで開閉される吸気ポートが形成されている一方、
前記副燃焼室に、点火プラグと火炎の噴孔とを設けている」
という基本構成である。
そして、請求項1の発明では、上記基本構成において、
「前記シリンダヘッド又は吸気マニホールドに、前記吸気ポートを流れる吸気に霧化燃料を添加する主インジェクタが配置され、前記シリンダヘッドに、前記吸気バルブが開いた状態で前記吸気ポートを介して燃料を前記副燃焼室に向けて噴出させる補助インジェクタが配置されている」
という構成が付加されている。
ポート噴射方式の内燃機関では、一般に、インジェクタは吸気ポートのうちシリンダブロックと反対側(縦型内燃機関であると吸気ポートの上側)に配置していることが多いが、本願請求項1のように主インジェクタと補助インジェクタとを設ける場合、補助インジェクタは、吸気ポートを挟んでシリンダブロックの側に配置することが好ましい。
また、補助インジェクタは、混合気が副室に集中的に向かうように指向性(直進性)が高い(噴霧角度が小さい)タイプが好適であるが、補助インジェクタから噴出した混合気の一部が主燃焼室に拡散することは差し支えない。
請求項2の発明は、上記基本構成において、
「前記シリンダヘッドに、前記吸気バルブが開いた状態で前記吸気ポートを介して燃料を前記副燃焼室に向けて噴出させ得るインジェクタが配置されており、前記インジェクタは、前記ピストンが下死点近傍に位置しているときに燃料を噴射するように設定されている」
という構成が付加されている。
請求項1の発明は主インジェクタと補助インジェクタとを併用しているが、請求項2の発明では、請求項1と同様に主インジェクタと補助インジェクタとを併用することもできるし、1つのインジェクタを使用して、燃料噴射タイミングを変えることによって副室への燃料供給を確実化することもできる。従って、請求項1と請求項2とは相反するものではなく、補完し合うことができる。
本願発明は、請求項1,2とも副燃焼室に混合気を強制的に供給できるが、副燃焼室の空燃比をストイキ化したりリッチ化したりすることができる。従って、主燃焼室での混合気の空燃比がリーン状態であっても、副燃焼室での着火・燃焼を確実化して主燃焼室でのリーンバーンを実現できる。これにより、燃費の向上と排ガスクリーン化向上とに大きく貢献できる。
しかも、副燃焼室への燃料(混合気)の供給は、吸気バルブが開いているときに吸気ポートを介して行うものであるため、副燃焼室に混合気を供給するインジェクタが高圧・高温の燃焼ガスに晒されることはない。従って、副燃焼室用のインジェクタは、従来のポート噴射用インジェクタを使用することが可能であり、これにより、コストが嵩むことを回避できる。
従って、本願各発明では、コストを抑制しつつ、燃費向上と排ガスクリーン化向上とに大きく貢献できる。
請求項1のように副燃焼室専用の補助インジェクタを設けると、補助インジェクタは、混合気が副燃焼室の噴孔に集中的に向かうように、配置位置や噴射圧力、噴霧角度(広がり角度)などを設定できるため、副燃焼室への混合気の流入性を高めて副燃焼室での燃焼性・着火性を一層向上できる利点がある。
さて、副燃焼室での燃焼によって発生した燃焼ガスは燃焼行程(爆発行程)ではそのまま副燃焼室に残っており、排気行程で掃気されてから、吸気行程において混合気が流入するが、吸気行程の初期においては、気筒内にはタンブル流の強い流れが生成されるなどしており、副燃焼室も吸気の強い流れに晒されることになる。従って、吸気行程の初期において副燃焼室に向けて燃料(混合気)を噴射しても、燃料が副燃焼室の内部に流入せずに(或いは、流入しても留まらずに排出されて)気筒内に拡散してしまい、副燃焼室に必要な量の燃料を保持できないおそれがある。
他方、ピストンが下死点に近づくに連れて(吸気行程が終期に向かうに連れて)、シリンダボア内での吸気(混合気)の流れは低下し、ピストンが下死点を超えて圧縮行程に移行すると、タンブル流の潰れ現象のような加圧に伴う流れは生じるものの、シリンダボア内での吸気の強い流れはなくなって、副燃焼室が強い流れに晒される状態もなくなる。
そして、請求項2のように、ピストンが下死点近くにあるときに副燃焼室に向けて燃料を噴射すると、吸気の流れによる燃料の拡散を防止して燃料を副燃焼室に向かわせることができることと、吸気が加圧されておらずに燃料の貫通性が高いこと(副燃焼室への到達性が高いこと点)、及び、圧縮行程での加圧によって燃料を副燃焼室に押し込みできることの三者が相まって、副燃焼室の内部に必要な燃料を保持できる。
すなわち、請求項2の発明では、副燃焼室への燃料の流入性を高めつつ、流入した燃料を留め置いて空燃比をストイキ状態やリッチ状態に保持できるのであり、これにより、副燃焼室での着火・燃焼を確実化して、主燃焼室でのリーンバーンを確実化できる。
第1実施形態の模式的な平面図である。 図1のII-II 視断面図である。 図1のIII-III 視断面図である。 (A)は図3を開弁状態にした状態の部分拡大図、(B)は(A)の副燃焼室の拡大図、(C)は(B)のC-C視断面図である。 補助インジェクタの噴射タイミングを示す縦断正面図である。 他の実施形態を示す要部縦断正面図である。
(1).第1実施形態の基本構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車用内燃機関に適用している。まず、図1~5に示す第1実施形態を説明する。
例えば図2に示すように、内燃機関は、基本的要素としてシリンダブロック1とその上面にガスケット2を介して固定されたシリンダヘッド3とを有している。シリンダブロック1には、クランク軸線O1(図1参照)の方向に並んだ複数のシリンダボア4が形成されており、シリンダボア4にピストン5が摺動自在に嵌まっている。
他方、シリンダヘッド3のうちシリンダボア4に対向したルーフ面はフラットになっており、シリンダブロック1とシリンダヘッド3とピストン5とによって主燃焼室6が形成されている(シリンダヘッド3はフラットルーフタイプであるため、主燃焼室6は実質的にはシリンダボア4で形成されている。)。ピストン5は、ピストンピン7(図7参照)によってコンロッド(図示せず)の小端部に連結されている。敢えて述べるまでもないが、コンロッドの大端部はクランクピンに連結されている。
シリンダヘッド3には、各シリンダボア4に対応して、一対ずつの吸気ポート8と一対ずつの排気ポート9とが、クランク軸線O1を挟んだ両側に形成されている。吸気ポート8の終端は吸気バルブ10で開閉され、排気ポート9の始端は排気バルブ11で開閉される。吸気ポート8の終端及び排気ポート9の始端にはバルブシート12が装着されている。なお、本実施形態では、シリンダヘッド3がフラットルーフタイプであることから、バルブ10,11は気筒軸心O2(図1参照)と平行な姿勢になっている。
一対ずつの吸気ポート8はそれぞれシリンダヘッド3の吸気側面13に開口している一方、図2に部分的に示するように、シリンダヘッド3の吸気側面13には、サージタンクを備えた吸気マニホールド14がフランジ14aを介して固定されており、吸気マニホールド14の枝管が吸気ポート8に連通している。
図2に示すように、本実施形態の吸気ポート8は、シリンダボア4に近づくに従ってシリンダブロック1に近づくように傾斜した本体部8aと、シリンダボア4と同心状の先端部8bとから成っており、シリンダヘッド3のうち吸気ポート8を挟んでシリンダブロック1と反対側(上側)に、吸気ポート8の本体部8aに向けて燃料を噴射する主インジェクタ15を配置している。
主インジェクタ15は、筒部16とその基端から分岐した制御部17とを備えており、筒部16の基端に、燃料デリバリ管(図示せず)に接続される流入口18が開口している。また、筒部16のうち前半部は、シリンダヘッド3に形成された取り付け孔19に嵌まる大小異径の挿入部16aになっており、挿入部16aはOリング20を介して取り付け孔19に保持されている。挿入部16aの先端にノズルを設けており、燃料は、例えば30~60°程度の噴霧角度で噴射されている。制御部17は、加圧手段として電磁ソレノイドを備えている。
なお一対の吸気ポート8を一つに集合させて吸気側面13に開口させる場合もあり、この場合は、主インジェクタ15は集合部に配置される。また、主インジェクタ15を吸気マニホールド14に取り付けることも可能である。
他方、各対の排気ポート9は、シリンダヘッド3に形成された集合通路に集まっており、集合通路には1つの排気出口穴が形成されて、排気出口穴はシリンダヘッド3の排気側面に開口している。バルブ10,11はバルブステム10a,11aと傘部10b,11bを備えており、バルブステム10a,11aはスリーブ(ガイド筒)21aに摺動自在に嵌まっている。バルブ10,11はばね21bで閉じ方向に付勢されている。なお、シリンダブロック1及びシリンダヘッド3にはウォータジャケット22,23を形成している。
(2).副燃焼室・補助インジェクタ
図4に明瞭に示すように、シリンダヘッド3のうち各フラットルーフの略中央部に、ユニット式の副燃焼室25を配置し、副燃焼室25の内部に、点火プラグ26の中心電極27及び接地電極28を露出させている。副燃焼室25はシリンダボア4と同心に配置しているが、副燃焼室25の軸心O4と気筒軸心O2(図1参照)とがエンジンの幅方向に少しずれることもある。
図4に明示するように、副燃焼室25は、シリンダボア4に向けて突出した半球状の中空ドーム状部25aと、その基端に一体に設けた筒部25bとを備えており、筒部25bが点火プラグ26に一体に固定されている。従って、本実施形態では、副燃焼室25と点火プラグ26とは一体にユニット化されている。なお、副燃焼室25と点火プラグ26とは分離可能に構成して、副燃焼室25をシリンダヘッド3にねじ止めや溶接、強制嵌合等で固着することも可能である。更に、耐熱性等の条件が許せば、副燃焼室25をシリンダヘッド3に一体成形することも可能である。
点火プラグ26は、シリンダヘッド3に形成されたプラグホール29に配置されており、プラグホール29に形成したタップ孔にねじ込まれる雄ねじ部30とその上方に位置した六角部31とを有しており、雄ねじ部30の下端(先端)に小径のボス部30aを設けて、ボス部30aに副燃焼室25を固定している。六角部31の上方には、電極キャップが装着される電極部32を設けている。
副燃焼室25の中空ドーム状部25aには、火炎を斜め下方に向けて噴出させる複数の噴孔33が周方向に沿って等間隔で形成されている。図示の例では、噴孔33は90°間隔で4つ形成されているが、3つ又は5つ以上であってもよい。
そして、1つの噴孔33は、一対の吸気ポート8のうち一方の吸気ポート8の下方に向けて開口しており、シリンダヘッド3のうち吸気ポート8を挟んだシリンダブロック1の側に位置した部位(吸気ポート8の下方部)に、副燃焼室25の1つの噴孔33に向けて燃料を噴射する補助インジェクタ34が配置されている。
図1に示すように、補助インジェクタ34は、気筒軸心O1の方向から見た平面視では、当該補助インジェクタ34の軸心O3が吸気ポート8の出口を通って副燃焼室25の軸心O4に向かう姿勢で配置されている。従って、補助インジェクタ34は、平面視では、気筒軸心O2を通る横長中心線O5に対してある程度の角度θ1だけ傾斜した姿勢になっている。かつ、補助インジェクタ34は、その軸心O3が吸気バルブ10のバルブステム10aを避けるように配置されている。
本実施形態のシリンダヘッド3はフラットルーフタイプであるため、副燃焼室25は吸気ポート8の出口よりも下方に位置している。そこで、補助インジェクタ34は、図3及び図4(A)の縦断正面視では、吸気ポート8に近づくほど低くなるように、軸心O3がシリンダヘッド3の下面に対してある程度の角度θ2だけ傾斜している。
噴孔33は、シリンダボア4に向けて斜め下向きに開口している一方、補助インジェクタ34は、1つの噴孔33に向けて斜め下向きの姿勢になっている。従って、噴孔33の開口方向と補助インジェクタ34の軸心O4とが交叉している。そこで、補助インジェクタ34から噴出した燃料を噴孔33に誘い込むべく、1つの噴孔33の出口部に、当該噴孔33の開口を上に広げたすり鉢状のテーパ部35を形成している。従って、1つの噴孔33は、外側から見ておおよそ銀杏葉形或いは扇形になっており、霧化燃料は、方向変換して副燃焼室25の内部に進入する。
この場合、テーパ部35は1つの噴孔33の内端までは至っておらず、1つの噴孔33にストレート部33aが残っている。このため、火炎は斜め下向きの方向性を持って主燃焼室6に噴出していき、上向きに拡散することを防止又は大幅に抑制できる。従って、副燃焼室25への燃料流入性を高めつつ、火炎を主燃焼室6に均等に拡散して、安定した燃焼を実現できる。
補助インジェクタ34の構造は主インジェクタ15と同じであるので、説明は省略する。また、補助インジェクタ34の先端は、吸気バルブ10のバルブシート12の近接している。なお、補助インジェクタ34の燃料噴射角はできるだけ小さいのが好ましい。
内燃機関はエンジンコントロールユニット(ECU)を備えており、インジェクタ15,34の燃料噴射タイミングや燃料噴射量、スロットルバルブの開度、EGR還流量などは、ECUに記憶されたマップに基づいて制御される。
(3).作用
図5では、ピストン5が下死点(BDC)にある状態を示しており、ピストン5が下死点付近にある状態で、補助インジェクタ34から燃料を噴射する。具体的には、クランク角度で見て、下死点よりも前5°~下死点より後30°程度の範囲で補助インジェクタ34から燃料を噴射する。当然ながら、この状態で吸気バルブ10は開いておらねばならない。副燃焼室25の内部の空燃比は、ストイキ状態又はリッチ気味であるのが好ましいが、副燃焼室25での着火・燃焼に支障がない範囲でリーン気味とすることも可能である。噴射時間は僅かでよい。
ピストン5が下死点近傍にある状態では、主インジェクタ15による燃料噴射は既に終了しており、筒内の吸気の圧力は最も低い状態(或いはそれに近い状態)になっている。EGRガスの添加割合にもよるが、下死点付近では、シリンダボア4の内部の圧力は大気圧に近い状態であり、従って、補助インジェクタ34としてポート噴射用のものを使用しても、燃料は、吸気ポート8の出口を通って副燃焼室25に的確に到達する。すなわち、燃料の貫徹性が損なわれることはない。
また、吸気行程では、シリンダボア4には吸気の強い流れ(スワール流)か存在しており、このため、補助インジェクタ34から燃料を噴射しても燃料は吸気に乗せられてシリンダボア4に拡散していく傾向が高いが、ピストン5が下死点付近にあるときには、副燃焼室25を舐めるような吸気の流れは概ね停止しているため、補助インジェクタ34から噴射した燃料を副燃焼室25の噴孔33に向かわせることができる。すなわち、副燃焼室25への燃料の指向性が阻害されることがない。
更に、燃料は補助インジェクタ34からある程度の広がりを持って噴出するため、補助インジェクタ34から噴出した霧化燃料の相当割合は副燃焼室25の近くに漂っている可能性が高いが、圧縮行程の加圧作用より、副燃焼室25の近くに漂っている霧化燃料を副燃焼室25に押し込むことができる。
このように、吸気ポート8を介しての燃料噴射でありながら、副燃焼室25への燃料の流入性を向上できるため、補助インジェクタ34として安価なものを使用しつつ、リーンバーンを実現して燃費向上と排ガスクリーン化とに貢献できる。
(4).他の実施形態
図6に示す第2実施形態は、シリンダヘッド3に主燃焼室6の一部として截頭円錐形の凹所36を形成したペントルーフ型内燃機関に適用している。この実施形態では、凹所36がテーパ状であることから、吸気バルブ10及び排気バルブ11は気筒軸心に対して傾斜しており、また、副燃焼室25はシリンダヘッド3の下面よりも上に位置している。
補助インジェクタ34は、その軸心O2がシリンダヘッド3の下面と略平行な姿勢で配置している。このように、副燃焼室25の高さを高くできることと、補助インジェクタ34をシリンダヘッド3の下面と平行な姿勢に配置できることとにより、補助インジェクタ34の軸心O2と噴孔33の軸心O5との交叉角度θ3をできるだけ小さくして、副燃焼室25への霧化燃料の流入性を向上できる。
更に、本実施形態では、副燃焼室25における筒部25bの肉厚をドーム状部25aの肉厚よりも厚くして、筒部25bの下端に、噴孔33の上に位置した上広がり傾斜姿勢の拡大傘部37を形成しており、この拡大傘部37により、副燃焼室25への燃料の流入をガイドしている。
なお、この実施形態では、シリンダヘッド3には、補助インジェクタ34から噴出した燃料が通過する小径のトンネル孔(或いはノズル孔)38を形成している。従って、燃料の指向性・直進性を向上できる。
以上、本願発明の実施形態を説明しただ、本願発明は他にも様々ち具体化できる。例えば、1つの気筒に対応して2つの吸気ポートを備えている場合、それぞれの吸気ポートに対応して補助インジェクタを設け、2つの補助インジェクタから1つの副燃焼室に燃料を供給することも可能である。
また、主インジェクタから副燃焼室に燃料を供給することも可能である。この場合は、主インジェクタはできるだけシリンダボアに近づけて配置することが好ましい。ピストンが下死点付近にある状態で主インジェクタから燃料を噴出し、吸気バルブの傘部の裏面(上面)で反射させて副燃焼室の噴孔に導くことも可能である。
すなわち、吸気バルブの傘部を副燃焼室への燃料供給ガイド手段に兼用することが可能である。この場合、吸気バルブにおける傘部の裏面に、燃料が副燃焼室に向かうように方向付けるリブ等の整流手段を設けることが好ましい。吸気バルブの傘部を利用して燃料を副燃焼室に向かわせることは、補助インジェクタを備えている場合にも適用できる。
本願発明は、副燃焼室付き内燃機関に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 シリンダボア
5 ピストン
6 主燃焼室
8 吸気ポート
10 吸気バルブ
15 主インジェクタ
25 副燃焼室
25a 中空ドーム状部
26 点火プラグ
33 噴孔
34 補助インジェクタ

Claims (2)

  1. シリンダヘッドとシリンダブロックとピストンとによって形成された主燃焼室と、前記シリンダヘッドに設けた副燃焼室とを備えており、
    前記シリンダヘッドに、吸気バルブで開閉される吸気ポートが形成されている一方、
    前記副燃焼室に、点火プラグと火炎の噴孔とを設けている構成であって、
    前記シリンダヘッド又は吸気マニホールドに、前記吸気ポートを流れる吸気に霧化燃料を添加する主インジェクタが配置され、前記シリンダヘッドに、前記吸気バルブが開いた状態で前記吸気ポートを介して燃料を前記副燃焼室に向けて噴出させる補助インジェクタが配置されている、
    副燃焼室付き内燃機関。
  2. シリンダヘッドとシリンダブロックとピストンとによって形成された主燃焼室と、前記シリンダヘッドに設けた副燃焼室とを備えており、
    前記シリンダヘッドに、吸気バルブで開閉される吸気ポートが形成されている一方、
    前記副燃焼室に、点火プラグと火炎の噴孔とを設けている構成であって、
    前記シリンダヘッドに、前記吸気バルブが開いた状態で前記吸気ポートを介して燃料を前記副燃焼室に向けて噴出させ得るインジェクタが配置されており、前記インジェクタは、前記ピストンが下死点近傍に位置しているときに燃料を噴射するように設定されている、
    副燃焼室付き内燃機関。
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