JP2022016447A - 熱処理炉 - Google Patents

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Kenji Kawate
淳 前田
Atsushi Maeda
秀哲 安藤
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Abstract

【課題】生産効率の向上を図ることができる熱処理炉を提供する。【解決手段】雰囲気ガス下で被処理物Wを加熱して冷却するべく、炉長方向に沿って加熱室11及び冷却室12を備える熱処理炉10であって、冷却室12には2基の冷却器20A,20Bが炉長方向に並んで設けられ、冷却器20A,20Bは、ファン21A,21Bと、冷却室20A,20B内の雰囲気ガスを吸い込む吸込ダクト22A,22B及び雰囲気ガスを噴出する噴出ダクト23A,23Bと、を備えており、隣接する2基の冷却器20A,20Bは、一方の冷却器20Aにおける吸込ダクト22A及び噴出ダクト23Aの位置関係と、他方の冷却器20Bにおける吸込ダクト22B及び噴出ダクト23Bの位置関係とが、炉長方向に関して線対称とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材、鋼製のパイプやバー等の被処理物を発熱形ガスや吸熱形ガス等の雰囲気ガス下で加熱し、冷却して熱処理するための熱処理炉に関する。
鋼材、鋼製のパイプやバー等の被処理物を発熱形ガスや吸熱形ガス等の雰囲気ガス下で加熱し、冷却して熱処理するための熱処理炉は、被処理物を加熱する加熱室と、この被処理物を冷却する冷却室とを備えており、冷却室には、被処理物を急速に冷却するため、冷却器が設けられている。この冷却器は、冷却室内の雰囲気ガスを吸込ダクトから吸込み、この雰囲気ガスを冷却して、冷却した雰囲気ガスを噴出ダクトから被処理物に向けて噴出するように構成されている。
例えば、特許文献1に記載の連続雰囲気熱処理炉は、冷却室において、冷却器として2つの循環ファンにより炉内ガスを循環させるダクトの途中にクーラーが設けられ、このクーラーにより炉内ガスを冷却し得るようにしている。
特許文献2に記載の熱処理炉は、徐冷兼冷却室及び冷却室において、冷却器として冷却用のガス流を形成する為のファンが設けられ、浮揚ノズル及び噴流ノズルから用途に対応する温度と量のガスを噴出するようにしてある。
特許文献3に記載の連続雰囲気熱処理炉において、冷却室には、冷却器として2つの冷却ガス循環噴射装置が装備されている。この冷却ガス循環噴射装置は、ファンと、ファンに接続された噴出ダクトとしてのダクトと、ファンに相対して装備されたクーラー及び該クーラーに接続された吸込ダクトとしてのダクトとを備えている。そして、冷却ガス循環噴射装置は、冷却室内の雰囲気ガスをクーラーで冷却し、冷却した雰囲気ガスをダクトから噴射して被処理物を急冷するように構成されている。
特開平6-257950 特開平7-252535 特開2015-54981
従来の熱処理炉において、冷却器は、吸込ダクトで雰囲気ガスを吸込みながら、噴出ダクトから雰囲気ガスを噴出するので、周囲の圧力に偏りを生じさせやすい。この冷却器は、冷却室に複数が炉長方向に関して全て同じ向きに配置されているため、各冷却器で生じた圧力の偏りが相乗して大きくなることで、冷却室内における圧力バランスの平衡状態が保てなくなる。冷却室内における圧力バランスの平衡状態が保てなくなると、雰囲気ガスの流れが生じることで、冷却された雰囲気ガスが被処理物の表面に留まり難くなり、被処理物の冷却が不均一になりやすい。このため、冷却効率の低下や、曲がり等のような被処理物の不良の発生などといった不具合が生じやすくなり、生産効率が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような従来技術が有していた問題点を解決しようとするものであり、生産効率の向上を図ることができる熱処理炉を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するべく、請求項1に記載の発明は、雰囲気ガス下で被処理物を加熱して冷却するべく、炉長方向に沿って加熱室及び冷却室を備える熱処理炉であって、前記冷却室には2基以上の冷却器が炉長方向に並んで設けられ、前記冷却器は、ファンと、冷却室内の雰囲気ガスを吸い込む吸込ダクト及び該雰囲気ガスを噴出する噴出ダクトと、を備えており、隣接する2基の冷却器は、一方の冷却器における吸込ダクト及び噴出ダクトの位置関係と、他方の冷却器における吸込ダクト及び噴出ダクトの位置関係とが、炉長方向に関して線対称とされていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記噴出ダクト内には、炉幅方向で該噴出ダクトの内部を仕切る複数の仕切板が設けられ、3つ以上の噴流室が炉幅方向に並んで形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記噴出ダクト内には、各噴流室における雰囲気ガスの風量を調節するダンパが設けられていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の発明において、前記冷却室の出口側端部から炉長方向に伸びるスロート室を備えており、前記スロート室は、炉長方向で入口側端部に設けられた第1扉と、炉長方向で出口側端部に設けられた第2扉と、前記第1扉と前記第2扉との間に設けられた少なくとも1枚の中間扉と、を備えていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第1扉、前記第2扉及び前記中間扉から選択される少なくとも1つの扉によって、前記熱処理炉は常に炉長方向の下流側が閉じた状態を維持されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記第1扉、前記第2扉及び前記中間扉は、前記被処理物が通過した直後の1つの扉のみが閉じた状態とされて、残りの扉が開いた状態とされることを要旨とする。
本発明の熱処理炉は、冷却室に2基以上の冷却器が炉長方向に並んで設けられており、隣接する2基の冷却器は、一方の冷却器における吸込ダクト及び噴出ダクトの位置関係と、他方の冷却器における吸込ダクト及び噴出ダクトの位置関係とが、炉長方向に関して線対称とされている。このように隣接する2基の冷却器を配置することで、一方の冷却器で生じた圧力の偏りと、他方の冷却器で生じた圧力の偏りとは、互いに打ち消し合うように作用するため、冷却室内における圧力バランスの平衡状態が保たれる。そして、冷却室内における雰囲気ガスの流れが生じ難くなり、被処理物が略均一に冷却され、冷却効率の低下や、曲がり等のような被処理物の不良の発生などといった不具合の発生が抑制されるので、生産効率の向上を図ることができる。
また、炉幅方向で噴出ダクトの内部を仕切る複数の仕切板が設けられ、噴出ダクト内に3つ以上の噴流室が炉幅方向に並んで形成されている場合、複数の被処理物を炉幅方向に並べてまとめて処理する際に中間部に配された被処理物について、冷却効率の向上を図ることができる。
また、噴出ダクト内に各噴流室における雰囲気ガスの風量を調節するダンパが設けられている場合、複数の被処理物を炉幅方向に並べてまとめて処理する際に、冷却効率の更なる向上を図ることができる。
また、熱処理炉は、冷却室の予備室として、該冷却室の出口側端部から炉長方向に伸びるスロート室を備えることができる。このスロート室には、炉長方向で入口側端部に設けられた第1扉と、炉長方向で出口側端部に設けられた第2扉と、第1扉と第2扉との間に設けられた少なくとも1枚の中間扉と、を備えている場合、被処理物の長さに合わせ、使用する扉を使い分けることで、生産効率の更なる向上を図ることができる。
また、第1扉、第2扉及び中間扉から選択される少なくとも1つの扉によって、熱処理炉は常に炉長方向の下流側が閉じた状態を維持されている場合、外気の侵入によって炉内の雰囲気が乱される、いわゆるトンネル効果の発生を抑えることで、生産効率の低下を抑制することができる。
また、第1扉、第2扉及び中間扉は、被処理物が通過した直後の1つの扉のみが閉じた状態とされて、残りの扉が開いた状態とされる場合、熱処理炉の下流側が閉じた状態を常に維持しながら、被処理物を迅速に搬送することができるので、生産効率の更なる向上を図ることができる。
実施例の熱処理炉を側面から見た状態で示す説明図。 実施例の冷却室を側面から見た状態で示す図1の部分拡大図。 実施例の冷却器を炉長方向の下流側から見た状態で示す説明図。 実施例のスロート室で短めの長尺材を搬送する場合に、(a)は第1扉が閉じた状態、(b)は中間扉が閉じた状態、(c)は第2扉が閉じた状態を示す説明図。 実施例のスロート室で長めの長尺材を搬送する場合に、(a)は第1扉が閉じた状態、(b)は第2扉が閉じた状態を示す説明図。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本実施形態に係る熱処理炉は、雰囲気ガス下で被処理物(W)を加熱して冷却するべく、炉長方向に沿って加熱室(11)及び冷却室(12)を備える熱処理炉(10)であり、冷却室(12)には2基以上の冷却器(20A,20B)が、炉長方向に並んで設けられている(例えば、図1等参照)。
冷却器(20A,20B)は、ファン(21A,21B)と、ファン(21A,21B)の回転によって冷却室(12)内の雰囲気ガスを吸い込む吸込ダクト(22A,22B)及び雰囲気ガスを噴出する噴出ダクト(23A,23B)と、を備えている。
そして、隣接する2基の冷却器(20A,20B)は、一方の冷却器(20A)における吸込ダクト(22A)及び噴出ダクト(23A)の位置関係と、他方の冷却器(20B)における吸込ダクト(22B)及び噴出ダクト(23B)の位置関係とが、炉長方向に関して線対称とされている。
熱処理炉(10)は、被処理物の加熱と冷却を連続して行う連続式と、被処理物の加熱と冷却を段階的に行うバッチ式の何れであるかは特に問わないが、連続式は、被処理物(W)がパイプ、バー、レール等の長尺材の場合に有用であるため好ましい。
熱処理炉(10)は、加熱室(11)及び冷却室(12)を備えるものであれば、構成等は特に問わない。例えば、熱処理炉(10)は、加熱室(11)の端部から炉長方向の上流側へ伸びるように設けられた予熱室(13)を備える構成とすることができる。また、熱処理炉(10)は、冷却室(12)の端部から炉長方向の下流側へ伸びるように設けられたスロート室(14)を備える構成とすることができる。
雰囲気ガスは、種類は特に問わず、発熱型変成ガス(DXガス)、吸熱型変成ガス(RXガス)、窒素型変成ガス(NXガス)等が適宜選択される。
被処理物(W)は、材質、形状、大きさ等は特に問わず、パイプ、バー、レール等の長尺材、線材、板材等が適宜選択されるが、熱処理炉(10)が連続式である場合、長尺材が好ましい。
熱処理炉(10)における被処理物(W)の搬送方式は、被処理物(W)を素早く搬送して迅速に取り出すことができ、また被処理物(W)が長尺材(W)の場合に搬送時の長尺材に負荷を与えにくく、曲がりを抑制できるという観点から、ローラーハース式が好ましい。
加熱室(11)は、雰囲気ガス下で被処理物(W)を加熱することができるものであれば、加熱方式、形状、容積、材質、構成等は特に問わない。加熱室(11)に設けられる加熱源(16)は、特に問わず、ラジアントチューブ、ヒーター等が適宜選択される。
冷却室(12)は、冷却方式として冷却器(20A,20B)を使用した急速ガス冷却式が選択されたものであれば、形状、容積、材質、構成等は特に問わない。なお、急速ガス冷却式とは、冷却器を使用することで、冷却室内の雰囲気ガスを冷却し、冷却した雰囲気ガスを加熱後の被処理物に噴射して、被処理物を急冷する冷却方式である。
冷却器(20A,20B)は、ファン(21A,21B)と、冷却室(12)内の雰囲気ガスを吸い込む吸込ダクト(22A,22B)及び雰囲気ガスを噴出する噴出ダクト(23A,23B)と、を備えているものであれば、構成等は特に問わない。
冷却器(20A,20B)は、ファン(21A,21B)、吸込ダクト(22A,22B)及び噴出ダクト(23A,23B)の他に、雰囲気ガスを冷却するためのクーラ(24A,24B)や、ファン(21A,21B)を回転駆動させるためのモータ(25A,25B)を備えた構成とすることができる(例えば、図2等参照)。
ファン(21A,21B)は、形状、大きさ、材質、種類等は特に問わず、ターボファン、プロペラファン、シロッコファン等が適宜選択される。
吸込ダクト(22A,22B)及び噴出ダクト(23A,23B)は、形状、材質、ダクト径等は特に問わない。
冷却室(12)に設けられた2基以上の冷却器(20A,20B)は、隣接する2基のうち一方の冷却器(20A)における吸込ダクト(22A)及び噴出ダクト(23A)の位置関係と、他方の冷却器(20B)における吸込ダクト(22B)及び噴出ダクト(23B)の位置関係とが、炉長方向に関して線対称とされているのであれば、冷却室(12)内での設置位置等は特に問わない。
冷却室(12)に設けられる冷却器(20A,20B)の基数は、2基以上であれば特に問わないが、一方の冷却器(20A)で生じた圧力の偏りと他方の冷却器(20B)で生じた圧力の偏りとが互いに打ち消し合うという観点から、偶数とすることが好ましい。
冷却器(20A,20B)の設置方向は、隣接する2基について吸込ダクト及び噴出ダクトの位置関係が炉長方向に関して線対称となるのであれば、特に問わない。
例えば、隣接する2基のうち一方の冷却器(20A)は、吸込ダクト(22A)が炉長方向の上流側、噴出ダクト(23A)が炉長方向の下流側に配された位置関係で設けられている場合、他方の冷却器(20B)は、噴出ダクト(23A)が炉長方向の上流側、吸込ダクト(22A)が炉長方向の下流側に配された位置関係となるように設けられる。
また、隣接する2基のうち一方の冷却器(20A)は、噴出ダクト(23A)が炉長方向の上流側、吸込ダクト(22A)が炉長方向の下流側に配された位置関係で設けられている場合、他方の冷却器(20B)は、吸込ダクト(22A)が炉長方向の上流側、噴出ダクト(23A)が炉長方向の下流側に配された位置関係となるように設けられる。
噴出ダクト(23A,23B)内には、炉幅方向で該噴出ダクト(23A,23B)の内部を仕切る複数の仕切板(26)を設けることができる。このように複数の仕切板(26)を設けることで仕切られた噴出ダクト(23A,23B)の内部には、3つ以上の噴流室(27)が、炉幅方向に並ぶように形成される(例えば、図3等参照)。
熱処理炉(10)は、生産効率の向上を図る観点から、複数の被処理物(W)が炉幅方向に並べられて、一度にまとめて処理されるような構成となっている。しかし、炉幅方向に並べられた複数の被処理物のうち、中間部に配された被処理物は、両端部に配された被処理物に比べて冷却効率が劣りやすい。その理由としては、炉幅方向の中間部に配された被処理物には、両端部に配された被処理物からの伝熱の影響が及ぶこと、噴出ダクト(23A)から噴出された雰囲気ガスは、炉幅方向において中間部から端部へ向かって拡散すること、等が考えられる。
噴出ダクト(23A,23B)の内部を複数の仕切板(26)で仕切り、3つ以上の噴流室(27)を炉幅方向に並ぶように形成した場合、噴出ダクト(23A,23B)から噴出される雰囲気ガスは、各噴流室(27)を通過することで方向付けされて集束し、拡散を抑制される。このため、複数の被処理物(W)を炉幅方向に並べて処理する際に中間部に配された被処理物(W)について、冷却効率の向上を図ることができる。
仕切板(26)は、噴出ダクト(23A,23B)の内部を仕切ることが可能であれば、形状、大きさ、材質等は、特に問わない。また仕切板(26)の枚数は、2枚以上であれば、特に問わない。
噴流室(27)は、形状、大きさ、径等は、特に問わない。また、噴流室(27)は、炉幅方向の中間部に配された被処理物(W)に雰囲気ガスが噴出されるように、3つ以上が炉幅方向に並ぶように形成されるのであれば、個数は特に問わない。
噴出ダクト(23A,23B)内に噴流室(27)が形成されている場合、各噴流室(27)における雰囲気ガスの風量を調節するダンパ(28)を設けることができる(例えば、図3等参照)。
ダンパ(28)を設けた場合、各噴流室(27)における雰囲気ガスの風量を調節することで、例えば炉幅方向の中間部に配された被処理物(W)に対する雰囲気ガスの噴射量を増したりすることができ、冷却効率の更なる向上を図ることができる。
ダンパ(28)は、風量の調節が可能であれば、種類、構成等は特に問わず、手動式の風量調整ダンパ(VD)、電動式のモータダンパ(MD)、空気圧に応じて操作される空気作動ダンパ(AD)等が適宜選択される。
熱処理炉(10)が上述のスロート室(14)を備える場合、スロート室(14)は、冷却室(12)の予備室であり、その内部には雰囲気ガスが満たされている。
そして、冷却室(12)を通過した後の被処理物は、このスロート室(14)内を通過して、炉外へ取り出される。
一般的な連続式の熱処理炉は、生産効率の向上を図るため、複数の被処理物を炉長方向で所定間隔おきに並べ、予熱室、加熱室、冷却室及びスロート室の各室への被処理物の搬送タイミングを一致させて、各室で被処理物の処理を略同時に行うことで、各室における処理を連続して行うように構成されている。このスロート室には、炉長方向で上流側の端部(入口)に第1扉が設けられており、炉長方向で下流側の端部(出口)に第2扉が設けられている。スロート室の炉長方向における長さは、被処理物が長尺材の場合に、処理対象となる長尺材の長さに合わせて設定されている。
一般的な連続式の熱処理炉において、設定よりも短い長尺材を処理対象とする場合には、スロート室内に空きが生じてしまうため、生産効率を考慮すれば、スロート室内に空きが生じないように、炉長方向における長尺材同士の間隔を詰めることが好ましい。しかし、一般的な連続式の熱処理炉で炉長方向における長尺材同士の間隔を詰めると、上述した各室への搬送タイミングが狂ってしまう。このため、一般的な連続式の熱処理炉は、設定よりも短い長尺材を処理対象とし、炉長方向における長尺材同士の間隔を詰めることで、より多くの長尺材を処理して生産効率の向上を図ることはできない。
本実施形態の熱処理炉(10)において、スロート室(14)は、炉長方向で上流側の端部(入口)に設けられた第1扉(31)と、炉長方向で下流側の端部(出口)に設けられた第2扉(32)と、第1扉(31)と第2扉(32)との間に設けられた少なくとも1枚の中間扉(33)と、を備えているものとすることができる(例えば、図4(a)~(c)等参照)。
第1扉(31)と第2扉(32)との間に少なくとも1枚の中間扉(33)を備える場合、この中間扉(33)によってスロート室(14)内を長尺材(W,W)の長さに応じたサイズに分割することができ、空きが生じることを抑制して、炉長方向における長尺材同士の間隔を詰めることができる。このため、熱処理炉における対応可能な長尺材の長さの範囲を広げることができ、生産効率の向上を図ることができる。
中間扉(33)は、1枚のみ設けられることに限らず、2枚以上設けられていてもよい。そして、中間扉(33)が2枚以上設けられている場合、スロート室(14)内を長尺材の長さに応じたサイズに好適に分割することができ、熱処理炉における対応可能な長尺材の長さの範囲を更に広げることができる。
上述した一般的な連続式の熱処理炉のスロート室には、第1扉及び第2扉のみが設けられており、これら第1扉及び第2扉は、被処理物の処理前に炉内の雰囲気を安定させる等のために使用されている。つまり、第1扉及び第2扉は、炉内の雰囲気を安定させるために被処理物の処理前に閉じた状態とされるが、被処理物の処理中は、該被処理物を迅速に取り出して生産効率を高めるため、常に開いた状態とされる。
また、一般的な連続式の熱処理炉では、上流側で予熱室の入口に扉が設けられており、この予熱室の扉もまた、被処理物の処理中は、該被処理物を迅速に受け入れて生産効率を高めるため、常に開いた状態とされる。
そして、上流側及び下流側の両側で扉が常に開いた状態とされた連続式の熱処理炉は、外気の侵入によって炉内の雰囲気が乱される、いわゆるトンネル効果が発生することで、生産効率が低下するという問題を有している。
本実施形態の熱処理炉(10)は、第1扉(31)、第2扉(32)及び中間扉(33)から選択される少なくとも1つの扉によって、常に炉長方向の下流側が閉じた状態を維持されるように構成することができる。
この熱処理炉(10)は、常に炉長方向の下流側を閉じた状態にすることで、トンネル効果の発生を抑制することができ、炉内の雰囲気が安定に保たれるため、生産効率の向上を図ることができる。
また、第1扉(31)、第2扉(32)及び中間扉(33)は、被処理物(W)である長尺材(W,W)が通過した直後の1つの扉のみが閉じた状態とされて、残りの扉が開いた状態とされるように構成することができる(例えば、図4、図5等参照)。
このように構成した場合、スロート室内を上流側から下流側へ向かって搬送される長尺材(W,W)に対し、長尺材(W,W)の後方では、第1扉(31)、第2扉(32)及び中間扉(33)のうち長尺材(W,W)に直近の扉が、該長尺材(W,W)の後を追うようにして閉じた状態になり、一方、長尺材(W,W)の前方では、全ての扉が開いた状態になる。そして、長尺材(W,W)の後を追うように扉が閉じた状態になることで、熱処理炉の下流側が閉じた状態を常に維持しながら、長尺材(W,W)の前方で全ての扉が開いた状態になることで、長尺材(W,W)を迅速に搬送することができるため、生産効率の更なる向上を図ることができる。
第1扉(31)、第2扉(32)及び中間扉(33)は、被処理物(W)である長尺材(W,W)の搬送に応じて開閉可能に構成されたものであれば、形状、大きさ、材質、構成等は、特に問わない。
熱処理炉(10)の炉長方向の下流側を常に閉じた状態にする場合、第1扉(31)、第2扉(32)及び中間扉(33)のうち閉じる扉の枚数は、特に限定されない。
但し、熱処理炉(10)の炉長方向の下流側を常に閉じた状態にして、かつ長尺材(W,W)を迅速に搬送する場合、第1扉(31)、第2扉(32)及び中間扉(33)のうち長尺材(W,W)の前方にある全ての扉を開いた状態にすることが好ましい。
また、熱処理炉(10)の炉長方向の下流側を常に閉じた状態にして、かつ被処理物(W)である長尺材(W,W)を迅速に搬送する場合、第1扉(31)、第2扉(32)及び中間扉(33)は、必ずしも長尺材(W,W)が通過した直後の1つの扉のみが閉じた状態とされることに限定されず、長尺材(W,W)の後方にある全ての扉を閉じた状態にしてもよい。但し、長尺材(W,W)が通過した直後の1つの扉のみを閉じた状態とし、該1つの扉を除いて長尺材(W,W)の後方にある全ての扉を開いた状態とすることで、該長尺材(W,W)の後に処理される長尺材(W,W)もまた迅速に搬送することができ、炉長方向における長尺材同士の間隔を好適に詰めることができる。
また、熱処理炉(10)は、スロート室(14)において、第1扉(31)、第2扉(32)及び中間扉(33)の開閉を制御する制御装置(34)を有する構成とすることができる。
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を参照しつつ、熱処理炉10の実施例を説明する。
図1に示すように、熱処理炉10は、炉長方向に沿って加熱室11及び冷却室12を備えている。この熱処理炉10においては、加熱室11側が炉長方向の上流側、冷却室12側が炉長方向の下流側となる。なお、これ以降は、炉長方向の上流側を入口側、炉長方向の下流側を出口側とも記載する。
熱処理炉10は、加熱室11の入口側の端部から炉長方向の上流側へ伸びる予熱室13を備えている。更に、熱処理炉10は、冷却室12の出口側の端部から炉長方向の下流側へ伸びるスロート室14を備えている。
熱処理炉10は、連続式であり、加熱室11、冷却室12、予熱室13及びスロート室14が互いに接続されて、内部が繋がっている。この熱処理炉10は、雰囲気ガス発生装置(図示略)を有しており、この雰囲気ガス発生装置から加熱室11、冷却室12、予熱室13及びスロート室14に雰囲気ガスが供給されるように構成されている。
また、熱処理炉10は、被処理物の搬送方式としてローラーハース式を採用しており、炉内には複数のローラーが回転可能に所定間隔で敷設されている。そして、被処理物である長尺材Wは、複数のローラーが同調して回転することにより、炉長方向の上流側から下流側へと迅速に搬送されるように構成されている。
予熱室13は、入口側の端部に扉13Aが装備されている。この扉13Aは、処理前に熱処理炉10の炉内の雰囲気を安定させる等のため閉じられる場合があるが、長尺材Wの処理中は常に開いた状態とされることで、長尺材Wの炉内への迅速な挿入を可能にしている。
加熱室11は、ラジアントチューブからなる加熱源16が、内部に複数装備されており、加熱室11内を搬送される長尺材Wを加熱できるように構成されている。
冷却室12には、2基の冷却器20A,20Bが炉長方向に並んで設置されている。冷却器20A,20Bは、ファン21A,21Bと、冷却室12内の雰囲気ガスを吸い込む吸込ダクト22A,22B及び雰囲気ガスを噴出する噴出ダクト23A,23Bと、を備えている。
図2に示すように、冷却器20A,20Bにおいて、ファン21A,21Bと、吸込ダクト22A,22Bとの間には、クーラー24A,24Bが設けられている。また、冷却器20A,20Bには、ファン21A,21Bを回転させるためのモーター25A,25Bが設けられている。
冷却器20A,20Bは、モーター25A,25Bによってファン21A,21Bが回転されることにより、冷却室12内の雰囲気ガスを、吸込ダクト22A,22B内に吸い込む。吸込ダクト22A,22B内に吸い込まれた雰囲気ガスは、クーラー24A,24Bを通過することによって冷却される。冷却された雰囲気ガスは、ファン21A,21Bの回転により、噴出ダクト23A,23B内へ送り込まれる。そして、冷却された雰囲気ガスが噴出ダクト23A,23Bの先端部から長尺材Wへと噴射されて、この長尺材Wが冷却される。
隣接する2基の冷却器20A,20Bは、これら冷却器20A,20Bの中間で炉長方向と直交する方向に伸びる対称線Sを基準として、一方の冷却器20Aにおける吸込ダクト22A及び噴出ダクト23Aの位置関係と、他方の冷却器20Bにおける吸込ダクト22B及び噴出ダクト23Bの位置関係とが、炉長方向に関して線対称とされている。
具体的に、一方の冷却器20Aは、吸込ダクト22Aが炉長方向の上流側、噴出ダクト23Aが炉長方向の下流側の位置関係になるように設置されている。これに対して、他方の冷却器20Bは、噴出ダクト23Bが炉長方向の上流側、吸込ダクト22Bが炉長方向の下流側の位置関係になるように設置されている。
また言い換えると、一方の冷却器20Aは、ファン21Aが設けられた面を前面として、前面が炉長方向の下流側に向くように設置されている。これに対して、他方の冷却器20Bは、ファン21Bが設けられた面を前面として、前面が炉長方向の上流側に向くように設置されている。従って、隣接する2基の冷却器20A,20Bは、互いのファン21A,21Bが向かい合わせとなるように設置されることにより、互いにおける吸込ダクト22A,22B及び噴出ダクト23A,23Bの位置関係が炉長方向に関して線対称とされている。
炉長方向に関して線対称に配置された2基の冷却器20A,20Bにおいて、一方の冷却器20Aで生じた圧力の偏りと、他方の冷却器20Bで生じた圧力の偏りとは、逆位相となるので、互いに打ち消し合うように作用する。従って、冷却室12内における圧力バランスの平衡状態が保たれる。
なお、特に図示はしないが、隣接する2基の冷却器20A,20Bは、一方の冷却器20Aの前面が炉長方向の上流側に向き、他方の冷却器20Bの前面が炉長方向の下流側に向くようにして、互いのファン21A,21Bが背中合せとなるように設置しても、互いにおける吸込ダクト22A,22B及び噴出ダクト23A,23Bの位置関係が炉長方向に関して線対称となる。
この場合、一方の冷却器20Aは、噴出ダクト23Aが炉長方向の上流側、吸込ダクト22Aが炉長方向の下流側の位置関係になり、他方の冷却器20Bは、吸込ダクト22Bが炉長方向の上流側、噴出ダクト23Bが炉長方向の下流側の位置関係になるように設置される。
2基の冷却器20A,20Bは、実質的に同じ構造とされており、以下は冷却器20Aについて説明する。
図3に示すように、噴出ダクト23Aは、ファン21Aが接続された個所から離れた位置で2つに分岐されており、一方は長尺材Wの上方へ、他方は長尺材Wの下方へ伸びている。このように分岐された噴出ダクト23Aは、長尺材Wに対して上下両方向から冷却された雰囲気ガスを噴射することができ、好適な冷却効率となるように構成されている。
また、噴出ダクト23Aの分岐個所には、ダンパ28Aが取り付けられている。このダンパ28Aは、長尺材Wの上方へ送られる雰囲気ガスの風量と、長尺材Wの下方へ送られる雰囲気ガスの風量とのバランスを保つように機能している。
噴出ダクト23A内には、複数の仕切板26が設けられている。これら仕切板26は、噴出ダクト23Aの内部を炉幅方向で仕切っている。そして、仕切板26によって仕切られた噴出ダクト23Aの内部には、複数の噴流室27が、炉幅方向に並んで形成されている。
本実施例において、仕切板26は、上側の噴出ダクト23A内に2枚、下側の噴出ダクト23A内に2枚の合計4枚が設けられている。また噴流室27は、上側の噴出ダクト23A内に3つ、下側の噴出ダクト23A内に3つの合計6つが形成されている。
噴出ダクト23A内に送り込まれた雰囲気ガスは、各噴流室27へ分岐して送られ、各噴流室27の先端部から長尺材Wに向けて噴射される。また雰囲気ガスは、各噴流室27へ分岐して送られることにより、噴流室27内でまとまって、噴射後の拡散を抑制される。
本実施例では、炉幅方向に並んで形成された3つの噴流室27のうち、中央の噴流室27から噴出される雰囲気ガスは、両端部から噴出される雰囲気ガスによって両側方から挟み込まれることにより、好適に集束した状態となる。このため、中央の噴流室27から噴出される雰囲気ガスは、炉幅方向に並べて処理される複数の長尺材Wのうち、中央部に配された長尺材Wに好適に届き、該長尺材Wを良好に冷却するため、冷却効率が向上している。
噴出ダクト23A内において、ファン21Aと各噴流室27との間には、ダンパ28が設けられている。
ダンパ28は、ファン21Aから各噴流室27へと送られる雰囲気ガスの量を増減させることにより、各噴流室27における雰囲気ガスの風量を調節するように構成されたものである。そして、ダンパ28によって各噴流室27における雰囲気ガスの風量を調節することにより、冷却効率の更なる向上を図ることができる。
例えば、炉幅方向に並べて処理される複数の長尺材Wのうち、中央部に配された長尺材Wの冷却効率が悪い場合には、炉幅方向に並んで形成された3つの噴流室27のうち中央の噴流室27について、ダンパ28によって雰囲気ガスの風量が増すように調節が為される。
図1に示すように、スロート室14は、入口側の端部に設けられた第1扉31と、出口側の端部に設けられた第2扉32と、第1扉31と第2扉32との間に設けられた1枚の中間扉33と、を備えている。第1扉31、第2扉32及び中間扉33は、制御装置34と電気的に接続されており、必要に応じて開閉することができるように、制御装置34によって開閉を制御されている。
図4(a)に示すように、中間扉33は、被処理物が短い長尺材Wの場合に使用される。この中間扉33が使用される場合、スロート室14内は、中間扉33によって上流側の第1室14Aと下流側の第2室14Bとに分割されている。第1室14A及び第2室14Bにはそれぞれ、長尺材Wを搬送するため、複数のローラーが回転可能に所定間隔で敷設されている。
特に図示はしないが、第1室14Aに敷設された複数のローラーを駆動するモーター等の駆動機構と、第2室14Bに敷設された複数のローラーを駆動するモーター等の駆動機構とは、各々個別に独立して設けられている。そして、第1室14A及び第2室14Bにそれぞれ駆動機構を独立して設けることにより、第1室14A及び第2室14Bの各室で長尺材Wを迅速に搬送することができる。
熱処理炉10は、第1扉31、第2扉32及び中間扉33から選択される少なくとも1つの扉によって、常に炉長方向の下流側が閉じた状態を維持されている。
例えば、図1、図4(a)及び図5(a)では、第1扉31により、熱処理炉10は、炉長方向の下流側が閉じた状態を維持されている。
また、図4(b)では、中間扉33により、熱処理炉10は、炉長方向の下流側が閉じた状態を維持されている。
そして、図4(c)及び図5(b)では、第2扉32により、熱処理炉10は、炉長方向の下流側が閉じた状態を維持されている。
また、第1扉31、第2扉32及び中間扉33は、長尺材W,Wが通過した直後の1つの扉のみが閉じた状態とされて、残りの扉が開いた状態とされる。すなわち、熱処理炉10の炉長方向の下流側を閉じる扉には、スロート室14内で炉長方向の上流側から下流側へと搬送される長尺材W,Wの位置に応じて、第1扉31、第2扉32及び中間扉33が切り替えられて使用される。
例えば、図1、図4(a)及び図5(a)では、長尺材W,Wが通過した直後の、つまり長尺材W,Wの後方(炉長方向の上流側)で直近の第1扉31のみが閉じた状態とされて、残りの第2扉32及び中間扉33が開いた状態とされる。
また、図4(b)では、長尺材Wが通過した直後の、つまり長尺材Wの後方(炉長方向の上流側)で直近の中間扉33のみが閉じた状態とされて、残りの第1扉31及び第2扉32が開いた状態とされる。
そして、図4(c)及び図5(b)では、長尺材W,Wが通過した直後の、つまり長尺材W,Wの後方(炉長方向の上流側)で直近の第2扉32のみが閉じた状態とされて、残りの第1扉31及び中間扉33が開いた状態とされる。
被処理物が短い長尺材Wの場合の第1扉31、第2扉32及び中間扉33の開閉について、図4(a)~(c)を使用して説明する。
冷却室12から取り出された長尺材Wは、スロート室14内に送り込まれて、炉長方向の上流側(以下、「長尺材Wの後方」とも記載する)から、下流側(以下、「長尺材Wの前方」とも記載する)へ向かって搬送される。
図4(a)に示すように、スロート室14内で長尺材Wの後方の端部が第1扉31を通過すると、長尺材Wが通過した直後の第1扉31が閉じる。
また、第1扉31が閉じたことに連動して、第2扉32が開く。このとき、中間扉33は開いたままである。
そして、熱処理炉10の下流側であるスロート室14は、長尺材Wの後方では、第1扉31によって閉じた状態とされ、長尺材Wの前方では、該長尺材Wの迅速な搬送を妨げないように、第2扉32及び中間扉33が開かれている。
図4(b)に示すように、スロート室14内で長尺材Wの後方の端部が中間扉33を通過すると、長尺材Wが通過した直後の中間扉33が閉じる。
また、中間扉33が閉じたことに連動して、第1扉31が開く。このとき、第2扉32は開いたままである。
そして、熱処理炉10の下流側であるスロート室14は、長尺材Wの後方では、中間扉33によって閉じた状態とされ、長尺材Wの前方では、該長尺材Wの迅速な搬送を妨げないように、第2扉32が開かれている。
図4(c)に示すように、長尺材Wの後方の端部が第2扉32を通過して、長尺材Wがスロート室14内から取り出されると、長尺材Wが通過した直後の第2扉32が閉じる。
また、第2扉32が閉じたことに連動して、中間扉33が開く。このとき、第1扉31は開いたままである。
そして、熱処理炉10の下流側であるスロート室14は、第2扉32によって閉じた状態とされる。更に、冷却室12からは、次に処理される長尺材W(図中に二点鎖線で示す)が取り出され、この長尺材Wの前方では、該長尺材Wの迅速な搬送を妨げないように、第1扉31及び中間扉33が開かれている。
以後は、上述の図4(a)、図4(b)、図4(c)の順番で繰り返される。
被処理物が長い長尺材Wの場合、中間扉33は使用されず、第1扉31及び第2扉32が開閉される。これについて、図5(a),(b)を使用して説明する。
冷却室12から取り出された長尺材Wは、スロート室14内に送り込まれて、炉長方向の上流側(以下、「長尺材Wの後方」とも記載する)から、下流側(以下、「長尺材Wの前方」とも記載する)へ向かって搬送される。
図5(a)に示すように、スロート室14内で長尺材Wの後方の端部が第1扉31を通過すると、長尺材Wが通過した直後の第1扉31が閉じる。
また、第1扉31が閉じたことに連動して、第2扉32が開く。このとき、中間扉33は開いたままである。
そして、熱処理炉10の下流側であるスロート室14は、長尺材Wの後方では、第1扉31によって閉じた状態とされ、長尺材Wの前方では、該長尺材Wの迅速な搬送を妨げないように、第2扉32が開かれている。
図5(b)に示すように、長尺材Wの後方の端部が第2扉32を通過して、長尺材Wがスロート室14内から取り出されると、長尺材Wが通過した直後の第2扉32が閉じる。
また、第2扉32が閉じたことに連動して、第1扉31が開く。このとき、中間扉33は開いたままである。
そして、熱処理炉10の下流側であるスロート室14は、第2扉32によって閉じた状態とされる。更に、冷却室12からは、次に処理される長尺材W(図中に二点鎖線で示す)が取り出され、この長尺材Wの前方では、該長尺材Wの迅速な搬送を妨げないように、第1扉31が開かれている。
以後は、上述の図5(a)、図5(b)の順番で繰り返される。
上述したように、熱処理炉10は、第1扉31、第2扉32又は中間扉33によって、炉長方向の下流側であるスロート室14が常に閉じた状態とされている。なお、予熱室13の扉13Aは、常に開いたままである。
連続式の熱処理炉は、炉長方向の上流側と下流側の両方が開いていると、トンネル効果が発生して、炉内の雰囲気が不安定になってしまう。実施例の熱処理炉10は、連続式であるが、第1扉31、第2扉32又は中間扉33によって、炉長方向の下流側であるスロート室14が常に閉じた状態とされているため、トンネル効果が発生しない。従って、熱処理炉10は、炉内の雰囲気が安定しており、生産効率が向上する。
また、熱処理炉10の炉長方向の下流側を閉じた状態にする扉には、第1扉31、第2扉32及び中間扉33のうち長尺材W,Wが通過した直後の1つが選択されている。このため、閉じた状態にした第1扉31、第2扉32及び中間扉33によって、長尺材W,Wの搬送が妨げられることを防止することができ、熱処理炉10の炉長方向の下流側が常に閉じた状態を維持しつつ、長尺材W,Wを迅速に搬送することができる。
上述の熱処理炉10においては、短い長尺材Wを処理する場合、雰囲気ガスは、第1室14A分のみを供給すればよく、必ずしも第2室14B分を供給する必要がない。このため、雰囲気ガスの使用量を低減することができる。
また、短い長尺材Wの場合、第2室14Bに長尺材Wが収容されている状態で、第1室14Aにも長尺材Wを収容することができ、単位時間当たりの処理量が増すことで、生産効率の向上を図ることができる。
そして、中間扉33によってスロート室14内を第1室14Aと第2室14Bに分割したことにより、長い長尺材Wに比べて、短い長尺材Wのスロート室14における搬送距離を短くすることができるので、炉長方向における長尺材W同士の間隔を詰めることが可能であり、生産効率の向上を図ることができる。
10 熱処理炉
11 加熱室
12 冷却室
13 予熱室
14 スロート室
20A,20B 冷却器
21A,21B ファン
22A,22B 吸込ダクト
23A,23B 噴出ダクト
24A,24B クーラー
25A,25B モーター
26 仕切板
27 噴流室
28 ダンパ
31 第1扉
32 第2扉
33 中間扉

Claims (6)

  1. 雰囲気ガス下で被処理物を加熱して冷却するべく、炉長方向に沿って加熱室及び冷却室を備える熱処理炉であって、
    前記冷却室には2基以上の冷却器が炉長方向に並んで設けられており、
    前記冷却器は、ファンと、冷却室内の雰囲気ガスを吸い込む吸込ダクト及び該雰囲気ガスを噴出する噴出ダクトと、を備えており、
    隣接する2基の冷却器は、一方の冷却器における吸込ダクト及び噴出ダクトの位置関係と、他方の冷却器における吸込ダクト及び噴出ダクトの位置関係とが、炉長方向に関して線対称とされていることを特徴とする熱処理炉。
  2. 前記噴出ダクト内には、炉幅方向で該噴出ダクトの内部を仕切る複数の仕切板が設けられ、3つ以上の噴流室が炉幅方向に並んで形成されている請求項1に記載の熱処理炉。
  3. 前記噴出ダクト内には、各噴流室における雰囲気ガスの風量を調節するダンパが設けられている請求項2に記載の熱処理炉。
  4. 前記冷却室の端部から炉長方向の下流側へ伸びるスロート室を備え、
    前記スロート室は、
    炉長方向で上流側の端部に設けられた第1扉と、
    炉長方向で下流側の端部に設けられた第2扉と、
    前記第1扉と前記第2扉との間に設けられた少なくとも1枚の中間扉と、
    を備えている請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の熱処理炉。
  5. 前記第1扉、前記第2扉及び前記中間扉から選択される少なくとも1つの扉によって、前記熱処理炉は常に炉長方向の下流側が閉じた状態を維持されている請求項4に記載の熱処理炉。
  6. 前記第1扉、前記第2扉及び前記中間扉は、前記被処理物が通過した直後の1つの扉のみが閉じた状態とされて、残りの扉が開いた状態とされる請求項4又は請求項5に記載の熱処理炉。
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