JP2022016412A - サンプルの概観像を生成するための顕微鏡および方法 - Google Patents

サンプルの概観像を生成するための顕微鏡および方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022016412000001
【課題】サンプルの概観像を高速かつ良好な像品質で生成するのを可能にする顕微鏡および方法を提供する。
【解決手段】顕微鏡100は、所定の屈折率の液浸媒体108用に設計された液浸対物レンズ106を含む光学系102と、開口絞り118と、光学系が液浸媒体なしで動作する液浸フリー撮像モードを設定するように構成されたプロセッサ116と、を備え、プロセッサは、液浸対物レンズの開口数を開口数の公称値より低く低減された値に設定するために、液浸フリー撮像モードにおいて開口絞りを制御するように構成されており、開口数は、開口絞りによる開口数の低減なしに光学系が液浸媒体を使用して動作する場合に、公称値に等しく、プロセッサは、液浸フリー撮像モードにおいて開口数の低減された値に従って光学系を制御して、サンプル104の概観像を表す少なくとも1つの像を生成するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、顕微鏡を使用してサンプルの概観像を生成するための顕微鏡および方法に関する。
自動顕微鏡法では、方向付けの目的でのサンプルの概観像の素早い生成および高分解能、すなわち大きな開口数(NA)による効率的な顕微鏡撮像が望ましい。生物学的顕微鏡法、特に生体細胞顕微鏡法では、撮像されるサンプルは水性環境中にあり、このため、屈折率に適合した液浸対物レンズが、良好な球面補正で高い開口数を達成するために使用される。
従来の方法では、サンプルを保持した顕微鏡ステージを対物レンズの光軸に対して横方向に移動させて、モザイク状の概観像へと合成される複数の像を生成する。概観像を生成するために液浸対物レンズが使用される場合、液浸対物レンズの前方レンズとサンプルキャリアとの間の液浸媒体により形成される膜がサンプルキャリアと液浸対物レンズの前方レンズとの相対運動により生じる抗力により破壊されることを防止しなければならない。特に、液浸対物レンズの前方レンズとサンプルとの間の作動距離が長い場合には、液浸対物レンズの前方レンズとサンプルとの間での相対運動の速度が制限される。その結果、相応に撮像速度が制限される。
液浸膜の破壊に関する上記の問題を避けるために、概観像を生成するためのいわゆる乾式対物レンズの利用を想定することができ、このような乾式対物レンズは、まったく液浸媒体なしで動作するように適合される。ただし、乾式対物レンズは、液体環境内のサンプルを高開口数で撮像するための屈折率に適合していない。このため、乾式対物レンズを液浸対物レンズに置き換えなければならず、液浸媒体を適用しないと高分解能撮像が実行可能とならない。
本発明の目的は、サンプルの概観像を高速かつ良好な像品質で生成するのを可能にする顕微鏡および方法を提供することである。
前述の目的は、独立請求項の主題により達成される。有利な実施形態は、従属請求項および下記の説明において定義される。
顕微鏡は、所定の屈折率の液浸媒体用に設計された液浸対物レンズを含む光学系と、開口絞りと、光学系が液浸媒体なしで動作する液浸フリー撮像モードを設定するように構成されたプロセッサと、を備える。当該プロセッサは、液浸対物レンズの開口数を開口数の公称値より低く低減された値に設定するために、液浸フリー撮像モードにおいて開口絞りを制御するようにさらに構成されており、前記開口数は、開口絞りによる開口数の低減なしに光学系が液浸媒体を使用して動作する場合に、公称値に等しい。プロセッサは、液浸フリー撮像モードにおいて開口数の低減された値に従って光学系を制御して、サンプルの概観像を表す少なくとも1つの像を生成するようにさらに構成されている。
本明細書に開示された液浸対物レンズは、所定の屈折率を有する液浸媒体で動作するように構成され、適合された対物レンズである。このため、液浸対物レンズのレンズ設計は、対物レンズと共に使用されることが意図された液浸媒体の比屈折率や分散を考慮しながら、収差、特に、球面収差に対して補正される。
この顕微鏡は、液浸対物レンズを使用して、液浸対物レンズが乾式対物レンズ、すなわち、まったく液浸媒体なしに動作する対物レンズであるかのように、概観像を生成するように構成されている。依然として良好な品質を有する概観像を生成することができるように、開口絞りが設けられ、開口絞りは、液浸フリー撮像モードで動作する場合に、液浸対物レンズの開口数を低減させるように制御される。液浸対物レンズの開口数を小さくすることにより、収差、特に球面収差を顕著に小さくすることが可能となるが、この収差は、それ以外の場合に、対物レンズ設計が特定の液浸媒体と共に使用するように最適化されていることを考慮して、液浸媒体が無いことによって生じるものである。その結果、高品質な概観撮像が可能となる。
また、この顕微鏡は、まったく液浸媒体なしに動作させるように構成されているため、液浸膜が破壊されることのないように概観像を生成するために、液浸対物レンズとサンプルとを横方向に相対移動させるための速度を制限する必要がない。その結果、素早い概観撮像が可能となる。
好ましい実施形態では、開口絞りは可変開口度を有し、プロセッサは、開口絞りの開口度を最大開口度から小さくすることによって液浸対物レンズの開口数を低減するように構成されており、前記開口数は、光学系が液浸媒体を使用して動作しかつ開口絞りが最大開口度に設定された場合に、公称値に等しい。液浸フリー撮像モードにおいて開口絞りの開口度を変化させることにより、液浸媒体が存在しないことに起因して生じる収差を柔軟に低減させることが可能となる。
液浸フリー撮像モードにおける口径食を減少させ、よって像強度を均質化することのみが、開口絞りのタスクではない。さらに、開口絞りは、高開口光線を像形成から排除する。高開口光線は、視野依存収差、例えば、非点収差およびコマ収差と、液浸対物レンズを液浸フリー撮像モードで使用する場合に生じる屈折率不整合による対称収差、例えば、球面収差と、により激しく影響を受ける。このため、開口絞りの適切なサイズにより、撮像光線束の波面誤差が小さくなり、口径食の減少に加えて、像品質および分解能が改善される。
好ましくは、光学系は、開口数の公称値に従った第1の動作モードと開口数の低減された値に従った第2の動作モードとで選択的にサンプルを光学的に撮像するために、液浸対物レンズと相互作用するように構成された複数のレンズ素子を含み、前記第2の動作モードは、液浸フリー撮像モードを表す。光学系は、第1の動作モードに関連する第1の光学サブシステムを備え、第1の光学サブシステムは、第1の視野を有するサンプルの第1の像を形成するように構成されている。光学系は、第2の動作モードに関連する第2の光学サブシステムを備え、前記第2の光学サブシステムは、前記第1の視野より大きい第2の視野を有する概観像を表すサンプルの少なくとも1つの第2の像を形成するように構成されている。第2の光学サブシステムは、第2の動作モードを選択するために、液浸対物レンズから延在する光路内へ挿入可能な光モジュールを備え、前記光モジュールは、正の屈折力を有するレンズ素子を備え、当該正の屈折力を有するレンズ素子は、光路内へ挿入された際に、光学系の他のレンズ素子より液浸対物レンズの射出瞳に近接することによって、第2の視野を第1の視野より大きくさせる。
この実施形態によれば、2つの異なる動作状態が提供される。これらの動作状態は、2つの視野、すなわち、2つの異なる倍率に従って、サンプルを撮像するのに使用される。具体的には、第1の動作モードを使用して、実際の像取得の前に見つかった関心領域(ROI)の高倍率の拡大像を提供することができる。このROIを見つけるために、液浸フリー撮像モードを表す第2の動作モードを使用して、ROIが含まれる低倍率の概観像を提供することができる。したがって、この顕微鏡により、ユーザが、撮像されるべき対象をより容易に見つけることが可能となる。特に、ユーザは、対物レンズの変更を強制されず、その結果、概観像とROIの高倍率像との間の相関が改善される。
対物レンズ変更の回避は、光学系が顕微鏡ステージの表面に平行な平面上に焦点合わせされる通常の撮像構成から逸脱した構成において特に有利である。例えば、この顕微鏡を、光シート顕微鏡、例えば、斜め平面顕微鏡(OPM)において有利に使用することができる。この顕微鏡において、光学系は、照明および検出が互いに直交する必要があるため、顕微鏡ステージの表面に対して傾斜している対象物平面上に焦点合わせされる。
さらに、この顕微鏡は、複数のキャビティを備えるウェルプレートの完全なマイクロタイターキャビティを撮像するのに特に適している。このため、第1のステップでは、特定のキャビティを、第2の動作モード、すなわち、より低い倍率に基づいて像取得が行われる液浸フリー撮像モードを適用することにより、全体として撮像することができる。続けて、第2のステップにおいて、このようにして見つけられたキャビティを、より高い倍率に基づく第1の動作モードを適用することにより、詳細に検査することができる。
第1の動作モードと第2の動作モードとの間の切り換えは、選択的に光モジュールを光路内へ挿入することにより達成され、前記光モジュールは、第2の動作モードに関連する第2の光学サブシステムの一部である。すなわち、光モジュールが光路内へ挿入されると、第2の動作モードが選択される。対照的に、光モジュールが光路から退避されると、第1の動作モードが選択される。したがって、ユーザは、光モジュールを制御することにより、2つのモード間を容易に切り換えることができる。
第2動作モードで撮像すべき大きな対象視野を生成するために、光モジュールは、正の屈折力を有するレンズ素子を備える。この正のレンズ素子は、光モジュールが光路内へ挿入されると、光学系の他のレンズ素子より液浸対物レンズの射出瞳に近接して配置される。光モジュールの正のレンズ素子を液浸対物レンズの射出瞳に近接して配置することにより、検出光の視野角が適度である位置、すなわち検出光の視野角が大きすぎない位置に検出光が集光されることが保証される。したがって、光学素子のサイズを制限することができ、光学系をコンパクトにすることができる。具体的には、大きな対象視野を達成するために、過度に高い開口数および特に、長い焦点距離を有する非常に高価な液浸対物レンズを設ける必要がない。対照的に、この顕微鏡により、適度に高い開口数を有し、無限の光学的鏡筒長に対して補正された液浸対物レンズを使用することが可能となり、この対物レンズは、コンパクト性およびコストの点で有利で、適度な焦点距離を有しうる。
撮像装置は、光モジュールを光路内へ挿入し、また光路から取り外すのに適した機構を備えることができる。例えば、モジュールを旋回させるための電動アクチュエータを設けることができる。
好ましい実施形態によれば、開口絞りは、第2の光学サブシステムに含まれる。このため、第2の光学サブシステムへの切り換えの際に、液浸フリー撮像モードにおいて液浸対物レンズの開口数を低減するために、開口絞りが作用する。例えば、モジュールを旋回させるための電動アクチュエータを設けることができる。
好ましくは、光モジュールは、光路内へ挿入された際に光路から光側経路を分岐させるように構成された光偏向器をさらに備え、前記第2の像が前記光側経路において形成される。前述の光側経路を、個別の対象物、例えばウェルプレートの特定のマイクロタイターキャビティまたはより大きな対象物の特定の関心領域(ROI)をユーザが見つけることを可能にする概観像を生成するための分離された光路として、液浸フリー撮像モードにおいて使用することができる。対照的に、第1の動作モードで有効である光路を、第1の動作モードで決定された対象物の拡大像を生成するのに使用することができる。
第2の光学サブシステムは、前記光モジュールに含まれる正の屈折力を有する前記レンズ素子により形成される第1の最対象物側レンズ素子を有するケプラー式望遠鏡システムを備えることができる。したがって、光モジュールを光路内へ切り換えることにより、液浸フリー撮像モードにおいて概観像を形成するのに使用することができる望遠鏡システムが形成される。特に、光モジュールを光路内へ切り換える際に、第1の光学サブシステムは変化しないままである。第1の光学サブシステムは、高品質撮像を達成するために、より高い倍率で動作するため、第2の光学サブシステムより、任意の調整に対して高感度である。したがって、第1の光学サブシステムを、動作状態間で切り換える際に、本質的に変化しないままにすることが有利である。したがって、この顕微鏡は、切り換えのために、第2の光学サブシステムの可動光モジュールを使用する。
好ましくは、ケプラー式望遠鏡システムは、射出瞳の像を形成するように構成されている。実際の中間瞳を有するアフォーカル光学系であるこのような望遠鏡を使用することにより、顕微鏡内に追加の光学部品を一体化するための多数の選択肢が提供される。例えば、落射蛍光照明を実装するのに使用される部品を一体化することができる。さらに、コントラスト方式を実装するための位相フィルタを一体化することができる。
開口絞りは、射出瞳の像の位置に配置可能であり、前記像は、実像として形成される。
好ましい実施形態では、当該顕微鏡は、液浸媒体を液浸対物レンズに供給し、またそこから液浸媒体を除去するように構成されたディスペンサをさらに備える。
当該顕微鏡は、液浸フリー撮像モードにおいてサンプルを撮像することにより生じるその前方焦点距離のシフトが補償されるよう、光学系を再焦点合わせするために、プロセッサにより制御される焦点調整装置をさらに備えることができる。
例えば、液浸対物レンズの自由作動距離は、300μm~4000μmの範囲にあることができる。
別の態様によれば、所定の屈折率の液浸媒体用に設計された液浸対物レンズを備える光学系を有する顕微鏡を使用して、サンプルの概観像を生成するための方法が提供される。当該方法は、顕微鏡の光学系が液浸媒体なしで動作する液浸フリー撮像モードを設定するステップと、液浸対物レンズの開口数を公称値より低く低減された値に設定するために、顕微鏡の開口絞りを制御するステップであって、開口数は、開口絞りによる開口数の低減なしに顕微鏡が液浸媒体を使用して動作する場合に、公称値に等しい、ステップと、液浸フリー撮像モードにおいて開口数の低減された値に従って顕微鏡の光学系を制御して、サンプルの概観像を表す少なくとも1つの像を生成するステップと、を含む。
液浸フリー撮像モードを設定するステップは、サンプルと液浸対物レンズとの間に位置する液浸媒体を、液浸ディスペンサにより除去するステップを含むことができる。
好ましい実施形態では、液浸フリー撮像モードにおいて光学系を制御して概観像を生成するステップは、サンプルと液浸対物レンズとを液浸対物レンズの光軸に対して横方向に連続的に相互に相対的にシフトさせる複数のステップを含み、像は各ステップで生成され、概観像は、複数のステップで生成された複数の像から構成される。
好ましい実施形態では、サンプルと液浸対物レンズとを液浸対物レンズの光軸に対して横方向に相互に相対的にシフトさせる速度は、液浸対物レンズが液浸媒体と共に使用される場合に生じる抗力に起因して液浸媒体を破壊するための臨界速度を超える。
好ましくは、顕微鏡を液浸フリー撮像モードにおいて制御して概観像を生成するステップが、液浸対物レンズにより撮像される視野を、開口数の公称値に従って撮像される視野の公称サイズより大きいサイズに増大するステップを含む。
この方法の好ましい実施形態では、概観像を生成するステップに続けて、液浸媒体を液浸対物レンズに供給するステップと、開口絞りを制御して、液浸対物レンズの開口数を公称値まで増大させるステップと、光学系を制御して、開口数の公称値に従って、サンプルの拡大像を生成するステップと、を実行する。ここで、開口絞りを制御して、開口数を公称値まで増大させる前述のステップは、例えば、光学系が、例えば異なる光路への分岐を行うことにより、開口絞りが無効となる動作モードに切り換えられる実施形態をカバーするという意味で、広く理解されるべきである。
以下に、図面を参照して、具体的な実施形態を説明する。
実施形態に係る顕微鏡を示す模式図である。 サンプルの高解像度像を生成するために、液浸媒体を伴って動作させた場合の顕微鏡の液浸対物レンズを示す模式図である。 概観像を生成するために、液浸媒体なしに動作させた場合の顕微鏡の液浸対物レンズを示す模式図である。 実施形態に係る顕微鏡を動作させるための方法を示すフロー図である。
図1に、サンプル104の光学像を形成するように構成された光学系102を備える顕微鏡100を示す。図1は、顕微鏡100の動作基本方式の理解に役立ちうる顕微鏡100の特徴を示すためだけに役立つことに留意されたい。顕微鏡100が、図1に示されていない追加のコンポーネントを含んでもよいことは言うまでもない。
光学系102は、サンプル104に面する液浸対物レンズ106を備える。サンプル104は、図1には示されていないサンプルキャリア上に配置される。液浸対物レンズ106は、所定の屈折率の液浸媒体108で動作するように適合されている。したがって、液浸対物レンズ106は、特に、液浸媒体108の屈折率と分散とを考慮して、球面収差および色収差に対して補正される。
図1に示された具体的な実施形態によれば、顕微鏡100は、液浸対物レンズ106の前方レンズとサンプル104との間の空間に液浸媒体108を供給しかつこの空間から液浸媒体108を除去するように構成されたディスペンサ110を備えることができる。
液浸対物レンズ106は、サンプル104からの検出光を集光させ、検出光を光路112に焦点合わせさせるのに役立つ。特に、液浸対物レンズ106は、液浸対物レンズ106の対象物側焦点面と一致する対象物面内に位置する視野114からの検出光を捕捉する。このようにして、液浸対物レンズ106は、視野114の光学像を形成する。液浸対物レンズ106は、照明および検出の両方に一般的に使用されるレンズであることができる。したがって、顕微鏡100は、図1には示されていない追加の光学コンポーネントを備えることができ、これらのコンポーネントは、サンプル104を照明するための光を液浸対物レンズ106に供給するように構成されている。代替的にまたは付加的に、顕微鏡100は、サンプル104を照明するための別個の光学配置を備えることができる。
顕微鏡100は、顕微鏡100の動作全体を制御するように構成可能なプロセッサ116をさらに備える。特に、プロセッサ116は、異なるサイズの視野に対応する異なる倍率でサンプル104を撮像するための少なくとも2つの動作モードのうちの1つを選択的に設定するように構成可能である。顕微鏡100の第1の動作モードは、光学系102を動作させて、第1の視野に対応する第1の倍率を有する高解像度像を生成する第1の撮像モードを表す。顕微鏡100の第2の作動モードは、光学系102を作動させて、第2の視野に対応する第2の倍率を有する概観像を生成する第2の撮像モードを表し、前記第2の倍率は、第1の倍率より低い。したがって、概観像により表される第2の視野は、高解像度像により表される第1の視野より大きい。
前述の第1の撮像モードでは、光学系102は、液浸媒体108が液浸対物レンズ106とサンプル104との間の空間に存在する状態で動作する。このため、液浸媒体108がまだ存在しない場合、プロセッサ116の制御下で、液浸媒体108をディスペンサ110により供給することができる。対照的に、第2の撮像モードでは、光学系102は、概観像を生成するための液浸フリー撮像モードを提供するために、まったく液浸媒体なしで動作する。
液浸フリー撮像モードでは、プロセッサ116は、光学系102を制御して、サンプル104と液浸対物レンズ106とを液浸対物レンズ106の光軸Oに対して横方向に連続的に相互に相対的にシフトさせる複数のステップで、概観像を生成することができる。各ステップにおいて、単一の像が生成され、これらの像は、概観像を形成するモザイク状の像アレイへと合成される。サンプル104および液浸対物レンズ106を相対的に移動させるために、液浸対物レンズ106および/または顕微鏡ステージに作用する適切な電動シフト装置を設けることができる。
良好な像品質を有する概観撮像を可能にするために、顕微鏡100は、液浸フリー撮像モードにおいてプロセッサ116により制御されて、液浸対物レンズ106の開口数を開口数の公称値より低く低減された値に設定することができる開口絞り118を備える。液浸対物レンズ106の開口数は、光学系102が開口絞り118による開口数の低減なしに液浸媒体108を使用して動作する場合に、前述の公称値に等しい。液浸フリー撮像モードにおいて開口数の低減された値に従って光学系102を動作させることにより、液浸媒体108が存在しないことによる球面収差を顕著に減少させることができる。したがって、概観撮像のための従来のアプローチで適用されるように液浸対物レンズ106と専用の乾式対物レンズとの間の時間のかかる切り換えを必要とせずに、高品質の概観像を達成することができる。さらに、サンプル空間には液浸媒体が存在しないため、液浸対物レンズ106とサンプル104とを横方向に相対的に、すなわち、液浸対物レンズ106の光軸Oに垂直に移動させた場合に、液浸膜が破壊されるおそれの問題もない。その結果、液浸膜が破壊されうることによって生じる速度の損失なしに、概観撮像を行うことができる。
光学系102は、選択的に、開口数の公称値による高分解能撮像モードを表す第1の動作モードにおいてサンプル104を光学的に撮像し、開口数の低減された値による液浸フリー撮像モードを表す第2の動作モードにおいてサンプル104を光学的に撮像するために、液浸対物レンズ106と相互作用するように構成された複数のレンズ素子を含む。このために、光学系102は、第1の動作モードに関連する第1の光学サブシステム120と、第2の動作モードに関連する第2の光学サブシステム122と、を備えることができる。したがって、第1の光学サブシステム120は、第1の倍率に従ってサンプル104の高解像度像、すなわち第1の視野を形成するように構成されており、第2の光学サブシステム122は、第2の倍率に従ってサンプル104の概観像、すなわち第2の視野を形成するように構成されている。
図1に示された具体的な実施形態によれば、第1の動作モードに関連する第1の光学サブシステム120は、広視野顕微鏡法に一般的に使用されるようなレンズ素子により形成される。これらのレンズ素子は、例えば、液浸対物レンズ106により生成された像を像平面126上に焦点合わせするチューブレンズ124を含むことができる。第1の光学サブシステム120は、図1において簡略化された形で示され、第1の光学サブシステム120は、図1には示されていない追加の光学コンポーネントを含むことができる。例えば、像平面126内の液浸対物レンズ106により生成された中間像をイメージセンサに光学的に輸送するために、さらなるレンズ素子を設けることができる。代替的には、イメージセンサを、像平面126内に直接に設けることができる。いずれの場合も、サンプル104を光学的に撮像するために、液浸対物レンズ106と協働するのに適した他の任意の光学構成を適用することができることに留意されたい。また、走査配置(例えば、共焦点スキャナまたは多光子走査配置)を使用して、像平面126をスキャンすることができる。
第2の動作モードに関連する第2の光学サブシステム122は、選択的に光路112内へ挿入可能な光モジュール128を備える。この目的で、光モジュール128を、旋回可能な光学コンポーネントにより形成することができる。顕微鏡100は、第1の動作モードと第2の動作モードとを切り換えるために光モジュール128を光路112内へ旋回させ、またそこから退避させるように構成された適切な機構を備えることができる。
光モジュール128は、正の屈折力を有するレンズ素子130を含む。さらに、光モジュール128は、例えば、ミラーにより形成された光偏向器132を備えることができる。光モジュール128内に一体化されていることにより、光モジュール128が第1の動作モードと第2の動作モードとの間を選択的に切り換えるために対応して移動する際に、レンズ素子130および光偏向器132は、一体として光路112内へ旋回可能であり、またそこから退避可能である。
第1の動作モードでは、光モジュール128は光路112から退避している。したがって、第2の光学サブシステム122は、非アクティブに切り換えられており、第1の光学サブシステム120が、液浸媒体108を使用する第1の動作モードでの像取得に使用される。この目的で、第1の光学サブシステム120は、第1の倍率に従って、すなわち第1の視野に従って、高解像度像を形成するために、液浸対物レンズ106と相互作用する。具体的には、図1の構成によれば、高解像度像が、像平面126内に生成される。この像は、選択された関心領域(ROI)の高倍率拡大像であることができる。
液浸フリー撮像モードを表す第2の動作モードでは、液浸媒体108は、液浸対物レンズ106とサンプル104との間の空間から除去され、光モジュール128は、光路112内へ挿入される。さらに、プロセッサ116は、開口絞り118を制御して、開口絞り118の開口度を最大開口度から小さくすることにより、液浸対物レンズ106の開口数を低減する。光学系102が液浸媒体108を伴って動作し、開口絞り118がその最大開口度に設定されている場合、開口数は、公称値に等しいことに留意されたい。上記で説明したように、開口絞り118の開口度を小さくすることにより、液浸媒体108がサンプル空間から除去された際の球面収差の発生を防止することができる。
液浸フリー撮像モードでは、光偏向器132は、光路112に沿って伝搬する検出光が第1の光学サブシステム120に伝搬することを防止し、第1の光学サブシステム120は、非アクティブに切り換えられている。一方、第2の光学サブシステム122は、液浸フリー撮像モードでアクティブに切り換えられており、ここでは、第2の視野に従って概観像を生成するために、第2の光学サブシステム122が液浸対物レンズ106と相互作用する。既に上記で言及したように、液浸フリー撮像化モードで使用される第2の視野を、適切なROIを見つけるのに適用することができる。
図1から分かるように、光モジュール128が光路112内へ挿入されると、光モジュール128と一体化されたレンズ素子130は、光学系102に含まれる任意の他のレンズ素子よりも液浸対物レンズ106に近接する。特に、レンズ素子130は、液浸対物レンズ106の射出瞳134に可能な限り近接して配置される。図1に示された具体的な実施形態によれば、射出瞳134は、液浸対物レンズ106のハウジング136内に位置する。したがって、光モジュール128のレンズ素子130は、サンプル104に対する液浸対物レンズ106の任意の焦点合わせ移動によってハウジング136の端面138とレンズ素子130との間の距離が変化しうることを考慮に入れて、ハウジング136の端面138に可能な限り近接して配置される。
正のレンズ素子130は、液浸対物レンズ106の射出瞳134までの短い軸方向距離に配置されるため、検出光は、レンズ素子130により、検出光の大きな視野角により生じる光束の横方向の広がりが比較的小さい位置に集光させられる。このようにして、レンズ素子130を相応に小さくすることができる。特に、長い焦点距離を有する非常に高価な対物レンズを使用する必要がない。
図1から分かるように、光偏向器132は、液浸対物レンズ106の射出瞳134から光偏向器132に至る光路112から光側経路140を分岐させる。光側経路140は、低倍率の概観像を生成するための液浸フリー撮像モードで使用される概観光路とみなすことができる。対照的に、光側経路140を分岐させることなく、光路112を全体として、高解像度拡大像を生成するための第1の動作モードで使用される主光路とみなすことができる。
図1に示された具体的な実施形態によれば、第2の光学サブシステム122は、それぞれが正の屈折力を有する2つのレンズ素子を含むケプラー式望遠鏡システム142を備える。これらの2つのレンズ素子のうちの第1のレンズ素子は、光モジュール128の一部であるレンズ素子130により形成される。望遠鏡システム142の第2のレンズ素子は、光側経路140に沿ってレンズ素子130の下流に位置する素子144により形成される。すなわち、光モジュール128を光路112内へ挿入すると、レンズ素子130および144が組み合わされて、液浸フリー撮像モードでアクティブに切り換えられるケプラー式望遠鏡システム142を形成する。
ケプラー式望遠鏡システム142は、光側経路140内に液浸対物レンズ106の射出瞳134の実像146を形成するように構成されている。具体的には、射出瞳134の実像146は、ケプラー式望遠鏡システム142の第2のレンズ素子144の下流に生成される。
図1に示された具体的な実施形態では、開口絞り118は、射出瞳134の実像146の位置に配置されている。具体的には、開口絞り118は、液浸対物レンズ106が結像した射出瞳134を絞るために使用される。このため、大きな視野角で液浸対物レンズ106に生じる口径食または収差により引き起こされる有害な影響が光側経路140に生じるのを防止することができる。
さらに、開口絞り118の下流の光側経路140に沿って、第2の光学サブシステム122は、チューブレンズ148およびイメージセンサ150を含むことができる。チューブレンズ148は、光側経路140を伝搬する検出光をイメージセンサ150上に焦点合わせするように構成されており、これにより、液浸フリー撮像モードで概観像を形成する。
図1に示された構成は、ケプラー式望遠鏡システム142とチューブレンズ148との間の追加の無限遠光路を提供し、前記追加の無限遠光路は、射出瞳134の実像146の形態にある実中間瞳を備える。追加の無限遠光路を、顕微鏡100内に追加の光学コンポーネント、例えば、落射蛍光照明用のコンポーネント、位相フィルタ、位相変調器等を一体化するのに使用することができる。
この点において、液浸対物レンズ106から第1の光学サブシステム120に至る光路112は、同様に、無限遠光路を形成することに留意されたい。ただし、この無限遠光路は、(少なくとも部分的に)第1および第2の両動作モードに関連する。このため、無限遠光路を、第2の動作モードを実行するために排他的に決定される光学コンポーネントを一体化するのには利用すべきではない。
既に上記で言及したように、液浸フリー撮像モードでは、プロセッサ116は、開口絞りに、液浸対物レンズ106の開口数を公称値より低く低減された値に設定させる。このため、低収差の概観撮像を達成することができる。開口数の低減された値は、次の条件(1)、すなわち
Figure 2022016412000002
を満たすように決定することができる。
条件(1)は、最低球面近似における最適調整面での平均二乗波面誤差を記述する。このような近似は、開口数の低減された値が小さいことが期待されるため、正当化される。条件(1)において、nは、液浸対物レンズ106が設計されている液浸媒体108の所定の屈折率を指定し、nは、エアの屈折率を指定し、λは、検出光の波長を指定し、dは、液浸対物レンズ106の前焦点距離または自由作業距離を指定する。好ましくは、値Aは、Strehl(Strehl比としても公知)に従った鮮明度(definition brightness)の50%の値に対応するln2/4πに等しい。鮮明度0.25に対応するln4/4πの値Aも適切である場合がある。
液浸対物レンズ106の前方レンズの外面上の光屈折は、顕微鏡100が第1の動作モードで動作するかまたは第2の動作モードで動作するか、すなわち、撮像の際の液浸媒体108の有無に応じて変化することに留意されたい。その結果、図2および図3に示されているように、第1の動作モードと第2の動作モードとの間で、光軸Oに沿った液浸対物レンズ106の前方焦点距離のシフトΔzが生じうる。
図2に、屈折率nの液浸媒体108が液浸対物レンズ106とサンプル104を配置するためのサンプルキャリア260との間に存在する第1の動作モードを示す。対照的に、図3には、空気の屈折率nが有効となるように、液浸媒体108がサンプル空間から除去された第2の動作モードを示す。
さらに、図2および図3において、zは、液浸対物レンズ106の焦点面264からサンプルキャリア260とサンプル104との間の界面266までの物理的距離を指定している。
0次の近似により、液浸対物レンズ106の前方焦点距離の軸方向シフトΔzが、等式(2)、すなわち
Δz=n/n・(d-z)
により決定可能となる。
1次のより精密な近似は、等式(3)、すなわち
Figure 2022016412000003
により与えられる。
条件(2)または条件(3)に基づいて、光学系102を第1の撮像モードから第2の撮像モードに切り換える際およびその逆に第2の撮像モードから第1の撮像モードに切り換える際に、前方焦点距離のシフトΔzが補償されるように再焦点合わせすることができる。このために、顕微鏡100には、図1に模式的に示されたような焦点調整装置158を設けることができる。
図4に示されたフロー図により、顕微鏡100を動作させるための方法を例示する。
ステップS400において、液浸媒体108が存在する場合、サンプル104と液浸対物レンズ106との間に位置する任意の液浸媒体108を除去する。このために、プロセッサ116は、液浸媒体をサンプル空間から導出してリザーバ内に貯蔵するかまたは廃棄するように、ディスペンサ110を作動させることができる。撮像処理の使用開始直後であれば、ステップS400は不要であってもよいことは言うまでもない。
ステップS402では、プロセッサ116は、液浸フリー撮像モードを設定する。このために、プロセッサ116は、第2の光学サブシステム122がアクティブとなるように、光モジュール128を光路112内へ挿入させることができる。さらに、プロセッサ116は、例えば、条件(1)に従って、液浸対物レンズ106の開口数を前述の低減された値に設定するために、開口絞り118を制御する。この点において、開口絞り118のサイズも固定することができることに留意されたい。すなわち、開口数の低減は、単に液浸フリー撮像モードで開口絞り118をアクティブにすることのみによって達成される。
ステップS404において、プロセッサ116は、光学系102を制御して、ステップS402で設定された開口数の低減された値に従って、サンプル104の概観像を生成する。このために、サンプル104と液浸対物レンズ106とを光軸Oに対して横方向に連続的に相互に相対的にシフトさせながら、複数の像を生成し、これらの像を、概観像を形成するモザイク状の像アレイへと合成することができる。ステップS404においてサンプル空間に液浸媒体が存在しないため、液浸対物レンズ106に対してサンプル104を移動させる速度は、従来の撮像方法で発生しうる液浸膜破壊の臨界速度を十分に超えることができる。
ステップS406において、プロセッサ116は、高分解能撮像モードを設定する。このために、プロセッサ116は、第1の光学サブシステム120がアクティブとなり、第2の光学サブシステム122に設けられた開口絞り118が非アクティブとなるように、光モジュール128を光路112から後退させることができる。したがって、液浸対物レンズの開口数は、公称値まで大きくなる。さらに、プロセッサ116は、ディスペンサ110を制御して、液浸媒体108をサンプル空間内へ供給する。さらに、プロセッサ(116)は、光学系102を再焦点合わせするため、すなわち、図2および図3を参照して上記で説明したように前方焦点距離のシフトΔzを補償するために、焦点調整装置158を制御することができる。
最後に、ステップS408において、プロセッサ116は、上記で説明したように、光学系102に、サンプル104の高解像度像を生成させる。
上記の実施形態は、単に非限定的な例として理解されるべきであり、種々の修正を考慮することができる。例えば、図1に示された実施形態によれば、開口絞り118は、液浸対物レンズ106から分離された素子により形成される。ただし、異なる撮像モードに従って、液浸対物レンズ106の開口数を低減および増大させるために、開口絞りを、液浸対物レンズ106に含ませることもできる。
本明細書に開示した技術的解決策を、例えば光シート顕微鏡、特に、照明と検出との両方に1つの単一対物レンズを使用する斜め平面顕微鏡を含む、種々のタイプの顕微鏡に適用することができる。
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
幾つかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。
100 顕微鏡
102 光学系
104 サンプル
106 液浸対物レンズ
108 液浸媒体
110 ディスペンサ
112 光路
114 視野
116 プロセッサ
118 開口絞り
120 第1の光学サブシステム
122 第2の光学サブシステム
124 チューブレンズ
126 像平面
128 光モジュール
130 レンズ素子
132 光偏向器
134 射出瞳
136 ハウジング
138 端面
140 光側経路
142 望遠鏡システム
144 レンズ素子
146 実像
148 チューブレンズ
150 イメージセンサ
260 サンプルキャリア
264 焦点面
266 界面
O 光軸
z 物理的距離
Δz 軸ズレ
屈折率
屈折率
前方焦点距離

Claims (17)

  1. 顕微鏡(100)であって、前記顕微鏡(100)は、
    所定の屈折率の液浸媒体(108)用に設計された液浸対物レンズ(106)を含む光学系(102)と、
    開口絞り(118)と、
    前記光学系(102)が液浸媒体(108)なしで動作する液浸フリー撮像モードを設定するように構成されたプロセッサ(116)と、
    を備え、
    前記プロセッサ(116)は、前記液浸対物レンズ(106)の開口数を前記開口数の公称値より低く低減された値に設定するために、前記液浸フリー撮像モードにおいて前記開口絞り(118)を制御するようにさらに構成されており、
    前記開口数は、前記開口絞り(118)による前記開口数の低減なしに前記光学系(102)が前記液浸媒体(108)を使用して動作する場合に、前記公称値に等しく、
    前記プロセッサ(116)は、前記液浸フリー撮像モードにおいて前記開口数の前記低減された値に従って前記光学系(102)を制御して、サンプル(104)の概観像を表す少なくとも1つの像を生成するようにさらに構成されている、
    顕微鏡(100)。
  2. 前記開口絞り(118)は、可変開口度を有し、前記プロセッサ(116)は、前記開口絞り(118)の開口度を最大開口度から小さくすることによって前記液浸対物レンズ(106)の開口数を低減するように構成されており、前記開口数は、前記光学系(102)が前記液浸媒体(108)を使用して動作しかつ前記開口絞り(118)が前記最大開口度に設定された場合に、前記公称値に等しい、
    請求項1記載の顕微鏡(100)。
  3. 前記光学系(102)は、前記開口数の前記公称値に従った第1の動作モードと前記開口数の前記低減された値に従った第2の動作モードとで選択的にサンプル(104)を光学的に撮像するために、前記液浸対物レンズ(106)と相互作用するように構成された複数のレンズ素子を含み、前記第2の動作モードは、前記液浸フリー撮像モードを表し、
    前記光学系(102)は、前記第1の動作モードに関連する第1の光学サブシステム(120)を備え、前記第1の光学サブシステム(120)は、第1の視野を有する前記サンプル(104)の第1の像を形成するように構成されており、
    前記光学系(102)は、前記第2の動作モードに関連する第2の光学サブシステム(122)を備え、前記第2の光学サブシステム(122)は、前記第1の視野より大きい第2の視野を有する前記概観像を表す前記サンプル(104)の少なくとも1つの第2の像を形成するように構成されており、
    前記第2の光学サブシステム(122)は、前記第2の動作モードを選択するために、前記液浸対物レンズ(106)から延在する光路(112)内へ挿入可能な光モジュール(128)を備え、前記光モジュール(128)は、正の屈折力を有するレンズ素子(130)を備え、前記正の屈折力を有するレンズ素子(130)は、前記光路(112)内へ挿入された際に、前記光学系(102)の他のレンズ素子よりも前記液浸対物レンズ(106)の射出瞳(134)に近接することによって、前記第2の視野を前記第1の視野より大きくさせる、
    請求項1または2記載の顕微鏡(100)。
  4. 前記開口絞り(118)は、前記第2の光学サブシステム(122)に含まれる、
    請求項3記載の顕微鏡(100)。
  5. 前記光モジュール(128)は、前記光路(112)内へ挿入された際に前記光路(112)から光側経路(140)を分岐させるように構成された光偏向器(132)をさらに備え、前記第2の像は、前記光側経路(140)において形成される、
    請求項3または4記載の顕微鏡(100)。
  6. 前記第2の光学サブシステム(122)は、前記光モジュール(128)に含まれる正の屈折力を有する前記レンズ素子(130)により形成される第1の最対象物側レンズ素子を有するケプラー式望遠鏡システム(142)を備える、
    請求項3から5までのいずれか1項記載の顕微鏡(100)。
  7. 前記ケプラー式望遠鏡システム(142)は、前記射出瞳(134)の像(146)を形成するように構成されている、
    請求項6記載の顕微鏡(100)。
  8. 前記開口絞り(118)は、前記射出瞳(134)の像(146)の位置に配置されており、前記像(146)は、実像として形成される、
    請求項7記載の顕微鏡(100)。
  9. 前記顕微鏡(100)は、前記液浸媒体(108)を前記液浸対物レンズ(106)に供給し、そこから前記液浸媒体(108)を除去するように構成されたディスペンサ(110)をさらに備える、
    請求項1から8までのいずれか1項記載の顕微鏡(100)。
  10. 前記顕微鏡(100)は、焦点調整装置(158)をさらに備え、前記焦点調整装置(158)は、前記プロセッサ(116)により制御され、前記光学系(102)を再焦点合わせして、前記液浸フリー撮像モードにおいて前記サンプル(104)を撮像することにより生じるその前方焦点距離のシフト(Δz)を補償する、
    請求項1から9までのいずれか1項記載の顕微鏡(100)。
  11. 前記液浸対物レンズ(106)の自由作動距離(FWD)は、300μm~4000μmの範囲にある、
    請求項1から10までのいずれか1項記載の顕微鏡(100)。
  12. 所定の屈折率の液浸媒体(108)用に設計された液浸対物レンズ(106)を備える光学系(102)を有する顕微鏡(100)を使用して、サンプル(104)の概観像を生成するための方法であって、前記方法は、
    前記顕微鏡(100)の前記光学系(102)が液浸媒体(108)なしで動作する液浸フリー撮像モードを設定するステップと、
    前記液浸対物レンズ(106)の開口数を公称値より低く低減された値に設定するために、前記顕微鏡(100)の開口絞り(118)を制御するステップであって、前記開口数は、前記開口絞り(118)による開口数の低減なしに前記顕微鏡(100)が前記液浸媒体(108)を使用して動作する場合に、前記公称値に等しいステップと、
    前記液浸フリー撮像モードにおいて前記開口数の前記低減された値に従って前記顕微鏡(100)の前記光学系(102)を制御して、前記サンプル(104)の概観像を表す少なくとも1つの像を生成するステップと、
    を含む方法。
  13. 前記液浸フリー撮像モードを設定するステップは、前記サンプル(104)と前記液浸対物レンズ(106)との間に位置する前記液浸媒体(108)を、液浸ディスペンサ(110)により除去するステップを含む、
    請求項12記載の方法。
  14. 前記液浸フリー撮像モードにおいて前記光学系(102)を制御して前記概観像を生成するステップは、前記サンプル(104)と前記液浸対物レンズ(106)とを前記液浸対物レンズ(106)の光軸(O)に対して横方向に連続的に相互に相対的にシフトさせる複数のステップを含み、像は、各ステップで生成され、前記概観像は、前記複数のステップで生成された複数の像から構成される、
    請求項12または13記載の方法。
  15. 前記サンプル(104)と前記液浸対物レンズ(106)とを前記液浸対物レンズ(106)の光軸(O)に対して横方向に相互に相対的にシフトさせる速度は、前記液浸媒体と共に使用される場合に生じる抗力に起因して前記液浸媒体により形成される膜を破壊するための臨界速度を超える、
    請求項14記載の方法。
  16. 前記顕微鏡(100)を前記液浸フリー撮像モードにおいて制御して前記概観像を生成するステップは、前記液浸対物レンズ(106)により撮像される視野を、前記開口数の前記公称値に従って撮像される視野の公称サイズより大きいサイズに増大するステップを含む、
    請求項12から14までのいずれか1項記載の方法。
  17. 前記概観像を生成するステップに続けて、
    前記液浸媒体(108)を前記液浸対物レンズ(106)に供給するステップと、
    前記開口絞り(118)を制御して、前記液浸対物レンズ(106)の前記開口数を前記公称値まで増大させるステップと、
    前記光学系(102)を制御して、前記開口数の前記公称値に従って、前記サンプル(104)の拡大像を生成するステップと、
    が実行される、
    請求項12から16までのいずれか1項記載の方法。
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