JP2022016320A - 有機el表示装置、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サブ画素のピッチの微細化が可能であり、サブ画素の非発光不良の抑制が可能であり、サブ画素下部の段差による発光ムラのない、有機EL表示装置を提供すること。【解決手段】少なくとも、基板上に平坦化層と、有機EL層と、バンク層と、電極と、補助配線を備えた有機EL表示装置であって、前記平坦化層が2層以上であり、前記平坦化層の中で有機EL層から2番目に近い平坦化層Lのコンタクトホールが、バンクで区画されたサブ画素の区画内の下方に配置された構造を有し、前記平坦化層Lが条件Aおよび条件Bのいずれも満たす、有機EL表示装置。条件A:コンタクトホールのテーパー角が35°以上70°以下条件B:コンタクトホールの開口部の短径が1.0μm以上2.2μm以下【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL表示装置に関する。
次世代フラットパネルディスプレイとして有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置は、有機化合物による電界発光を利用した自己発光型の表示装置であって、広視野角、高速応答、高コントラストの画像表示が可能で、さらに薄型化、軽量化可能といった特徴も有することから、近年盛んに研究開発が進められている。
有機EL表示装置は、その発光方式により、基板側に光を発する下部発光(ボトムエミッション)方式と、基板の反対面に光を発する上部発光(トップエミッション)方式とに分類される。何れの方式においても、有機EL層における発光を効率よく取り出すことが求められている。
有機EL表示装置は、薄膜トランジスタの回路パターンの凹凸を低減するための平坦化層、およびサブ画素ごとに区画するためのバンク層を有するのが一般的である。これらの平坦化層およびバンク層は、有機EL表示装置の長期発光信頼性および良好なパターン加工性の観点から、感光性ポリイミドが提案されており(例えば、特許文献1参照)、現在広く採用されている。
近年、日常生活で持ち運ばれるモバイルデバイスや、身に着けて使用するウェアラブルデバイスのディスプレイに有機EL表示装置の適用が拡大している。これらのデバイスの例としては、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、スマートグラス、およびヘッドマウントディスプレイが挙げられる。これらのディスプレイは、目から数cmから数十cmしか離れていない近距離に映像を映すため、よりリアルな映像とするために、高精細なディスプレイが求められている。
高精細なディスプレイを得るためには、隣接するサブ画素の間隔を狭める、狭ピッチ化が必要であるが、狭ピッチ化においては、補助配線をより微細に加工する点で技術課題がある。この課題に対し、補助配線を多層化することで狭ピッチ化する方法が検討されている。
一方、複数の各補助配線層の凹凸を低減するため、各補助配線層の上部に平坦化層を有する方法は、例えば、特許文献2~4で開示されている。
また、従来の平坦化層1層の構成であるものの、アクティブ領域において平坦部の面積を広く取る目的でコンタクトホールの開口部のテーパー角を規定する方法が、例えば、特許文献5で開示されている。
特開2002-91343号公報 特開2003-280555号公報 特開2009-59503号公報 特開2014-197522号公報 特開2019-197113号公報
しかしながら、補助配線多層化による狭ピッチの構成と、従来の各補助配線層の上部に平坦化層を有する構成を単純に組み合わせた場合、平坦化層のコンタクトホールに由来する段差によって、サブ画素下部の平坦性が不十分になり、サブ画素下部の段差による発光ムラが生じたり、サブ画素に非発光不良が生じたりする課題があった。
上記課題を解決するため、本発明の有機EL表示装置は下記の構成を有する。
[1]少なくとも、基板上に平坦化層と、有機EL層と、バンク層と、電極と、補助配線を備えた有機EL表示装置であって、
前記平坦化層が2層以上であり、
前記平坦化層の中で有機EL層から2番目に近い平坦化層Lのコンタクトホールが、バンクで区画されたサブ画素の区画内の下方に配置された構造を有し、
前記平坦化層Lが条件Aおよび条件Bのいずれも満たす、有機EL表示装置。
条件A:コンタクトホールのテーパー角が35°以上70°以下
条件B:コンタクトホールの開口部の短径が1.0μm以上2.2μm以下
本発明によって、サブ画素のピッチの微細化が可能であり、サブ画素の非発光不良の抑制が可能であり、サブ画素下部の段差による発光ムラのない、有機EL表示装置とすることができる。
有機EL表示装置の1つの態様の断面概略図 有機EL表示装置の1つの態様の断面概略図 有機EL表示装置の1つの態様の断面概略図 実施例における有機EL表示装置の作製手順の概略図 実施例における測長、テーパー角測定箇所の概略図
本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の有機EL表示装置は、少なくとも、基板上に平坦化層と、有機EL層と、バンク層と、電極と、補助配線を備えた有機EL表示装置であって、
前記平坦化層が2層以上であり、
前記平坦化層の中で有機EL層から2番目に近い平坦化層Lのコンタクトホールが、バンクで区画されたサブ画素の区画内の下方に配置された構造を有し、
前記平坦化層Lが条件Aおよび条件Bのいずれも満たす、有機EL表示装置。
条件A:コンタクトホールのテーパー角が35°以上70°以下
条件B:コンタクトホールの開口部の短径が1.0μm以上2.2μm以下。
有機EL表示装置は、マトリックス状に形成された複数の画素を有するアクティブマトリックス型の有機EL表示装置であり、ガラスや樹脂膜などの基板上に配線を有し、その上に平坦化層を有し、その上にさらに補助配線および平坦化層を有する層を1つ以上有し、さらに最上部の平坦化層上に有機EL素子が設けられている。有機EL素子と配線とは、平坦化層に形成されたコンタクトホールを介して接続される。本発明において、有機EL素子とは、有機EL層、第1電極、および第2電極からなる最小単位の素子を指し、1つの有機EL素子は1つのサブ画素に相当する。
本発明において、2層以上ある平坦化層の中で、有機EL層から2番目に近い平坦化層を平坦化層Lと定義する。
図1~3に本発明の有機EL表示装置の断面概略図を例示するが、概略図においては説明の便宜のために、構成要素の大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。また、説明の便宜のために、同一平面上に構成要素があるかのように書き表しているが、必ずしも同一平面上に構成要素が存在しているとは限らない。
図1に本発明の有機EL表示装置の1つの態様の断面概略図を示す。
基板(1)上に、配線(4)が設けられており、配線(4)の一部を開口するコンタクトホール(6)を有する平坦化層L(L)が設けられている。さらに平坦化層L(L)上には、補助配線(7a)との接続部を開口するコンタクトホール(6b)を有する平坦化層2(5b)が設けられている。そして、これらのコンタクトホールを介して、配線(4)に接続された状態で、平坦化層2(5b)上に第1電極(8)が形成されている。さらに、第1電極(8)の周縁を覆うようにバンク層(9)が形成される。そして、第1電極(8)の上部に有機EL層(10)および第2電極(11)が形成される。この有機EL表示装置は、基板(1)の反対側から発光光を放出するトップエミッション型でもよいし、基板(1)側から光を取り出すボトムエミッション型でもよい。
また、図2に本発明の有機EL表示装置の別の態様の断面概略図を示す。
基板(1)上に、ボトムゲート型またはトップゲート型のTFT(2)が行列状に設けられている点が図1と異なる。このTFT(2)を覆う状態でTFT絶縁層(3)が形成されている。また、このTFT絶縁層(3)の下にTFT(2)に接続された配線(4)が設けられており、配線(4)の一部を開口するコンタクトホール(6)を有する平坦化層L(L)が設けられている。さらに平坦化層L上には、補助配線(7a)との接続部を開口するコンタクトホール(6b)を有する平坦化層2(5b)が設けられている。そして、これらのコンタクトホールを介して、配線(4)に接続された状態で、平坦化層2(5b)上に第1電極(8)が形成されている。さらに、第1電極(8)の周縁を覆うようにバンク層(9)が形成される。そして、第1電極(8)の上部に有機EL層(10)および第2電極(11)が形成される。この有機EL表示装置は、基板(1)の反対側から発光光を放出するトップエミッション型でもよいし、基板(1)側から光を取り出すボトムエミッション型でもよい。
図3に本発明の有機EL表示装置の1つの態様の断面概略図を示す。
基板(1)上に、配線(4)が設けられており、配線(4)の一部を開口するコンタクトホール(6a)を有する平坦化層1(5a)が設けられている。さらに平坦化層1(5a)上には、補助配線(7a)との接続部を開口するコンタクトホール(6)を有する平坦化層L(L)が設けられている。さらに平坦化層L上には、補助配線(7b)との接続部を開口するコンタクトホール(6c)を有する平坦化層3(5c)が設けられている。そして、これらのコンタクトホール(6c)を介して、配線(4)に接続された状態で、平坦化層3(5c)上に第1電極(8)が形成されている。さらに、第1電極(8)の周縁を覆うようにバンク層(9)が形成される。そして、第1電極(8)の上部に有機EL層(10)および第2電極(11)が形成される。この有機EL表示装置は、基板(1)の反対側から発光光を放出するトップエミッション型でもよいし、基板(1)側から光を取り出すボトムエミッション型でもよい。
有機EL素子の色調に関しては、例えば、赤、緑、および青色領域にそれぞれ発光ピーク波長を有する有機EL素子を配列して使用する方法、または全面に白色の有機EL素子を作製して、別途カラーフィルタと組み合わせて使用する方法、青色の有機EL素子の上に、赤と緑の波長変換フィルタと組み合わせて使用する方法が挙げられる。通常、表示される赤色領域の光のピーク波長は560~700nm、緑色領域は500~560nm、青色領域は420~500nmの範囲である。
発光画素と呼ばれる範囲は、対向配置された第1電極と第2電極とが交差し重なる部分、さらに、第1電極上に絶縁層が形成される場合にはそれにより規制される範囲である。アクティブマトリックス型ディスプレイにおいては、スイッチング手段が形成される部分が発光画素の一部を占有するように配置されることがあり、発光画素の形状は矩形状ではなく、一部分が欠落したような形でもよい。しかしながら、発光画素の形状はこれらに限定されるものではなく、例えば円形でもよく、絶縁層の形状によっても容易に変化させることができる。
本発明の有機EL表示装置において、平坦化層は2層以上である。平坦化層が2層以上であることによって、補助配線を多層化でき、サブ画素のピッチの微細化が可能になる。
本発明の有機EL表示装置は、平坦化層Lが条件Aおよび条件Bのいずれも満たす。
条件A:コンタクトホールのテーパー角が35°以上70°以下
条件B:コンタクトホールの開口部の短径が1.0μm以上2.2μm以下
平坦化層Lのコンタクトホールのテーパー角が35°以上かつ開口部の短径が2.2μm以下であることによって、コンタクトホールの上部寸法を小さくできサブ画素のピッチの微細化が容易になり、また該平坦化層Lの上に形成される層の平坦性が良好になり、発光ムラ不良の抑制が可能になる。一方、平坦化層Lのコンタクトホールのテーパー角が70°以下かつ開口部の短径が1.0μm以上であることによって、補助配線の断線不良によるサブ画素の非発光を抑制できる。
上記のテーパー角の範囲において、テーパー角を大きく設計することで、該平坦化層Lの直上に形成される層の平坦性がさらに良好になるため好ましく、この観点で、45°以上が好ましく、50°以上がより好ましく、55°以上が特に好ましい。本発明の1つの好ましい態様においては、前記平坦化層Lのコンタクトホールのテーパー角が50°以上70°以下である。
平坦化層Lのコンタクトホールの開口部の短径は、補助配線の断線不良抑制の観点で、1.2μm以上が好ましく、1.4μm以上がより好ましく、1.5μm以上がさらに好ましく、上に形成される層の平坦性の観点で、2.1μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.8μm以下がさらに好ましい。
平坦化層Lのコンタクトホールのテーパー角およびコンタクトホールの開口部の短径は、断面のSEM(Scanning Electron Microscope)観察で求めることができる。コンタクトホールの中心を通る断面で観察するためには、FIB(Focused Ion Beam)等の方法で断面加工をすることが好ましい。また、無数のコンタクトホールの全てを観察することは現実的ではなく、平坦化層Lにおける代表となる少なくとも1箇所を抽出しての断面観察でよいものとする。
本発明の有機EL表示装置は、平坦化層Lのコンタクトホールが、バンクで区画されたサブ画素の区画内の下方に配置された構造を有することに特徴がある。「バンクで区画されたサブ画素の区画内の下方に配置された」とは、バンクで区画されたサブ画素の輪郭を基板に対して垂直に基板方向に降ろした面を側面とし、有機EL層を上面とし、基板の有機EL層側表面を底面として、側面、上面、および底面で囲まれた領域に、平坦化層Lのコンタクトホールの開口部および/またはテーパーの少なくとも一部が含まれることを意味する。
本発明の有機EL表示装置は、前記電極が、第1電極と第2電極を有し、
各サブ画素は少なくとも、平坦化層と、第1電極と、有機EL層と、第2電極をこの順に積層した構造を有し、
バンクで区画されたサブ画素の区画内における、平坦化層Lのコンタクトホール上の第2電極表面の段差が20nm以上150nm以下であることが好ましい。前記第2電極表面の段差を上記の範囲とすることで、発光ムラ不良の抑制に寄与する。前記第2電極表面の段差は、発光ムラ不良抑制の観点で、好ましくは150nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは80nm以下、特に好ましくは50nm以下であり、製造時の品質制御の観点で、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。
バンクで区画されたサブ画素の区画内における、平坦化層Lのコンタクトホール上の第2電極表面の段差は、断面のSEM(Scanning Electron Microscope)観察で求めることができる。コンタクトホールの中心を通る断面で観察するためには、FIB(Focused Ion Beam)等の方法で断面加工をすることが好ましい。また、無数のコンタクトホールの上部の第2電極表面の段差の全てを観察することは現実的ではなく、平坦化層Lにおける代表となる少なくとも1箇所を抽出しての断面観察でよいものとする。
本発明の有機EL表示装置は、平坦化層Lの膜厚が0.9μm以上1.6μm以下であることが好ましい。平坦化層Lの膜厚が0.9μm以上であることによって、該平坦化層の直上に形成される層の平坦性が良好になり、1.6μm以下であることによって、コンタクトホールの上部寸法を小さくできサブ画素のピッチの微細化が容易になる。さらに、平坦化層Lの膜厚は、直上に形成される層の平坦性の観点で、1.0μm以上が好ましく、1.1μm以上がより好ましく、1.2μm以上がさらに好ましく、コンタクトホールのテーパー角制御の観点で、1.5μm以下が好ましく、1.4μm以下がより好ましい。
平坦化層は、樹脂膜であることが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、アクリル樹脂、フェノール樹脂、およびシロキサン樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、有機EL表示装置の長期発光信頼性の観点で、ポリイミドが好ましく用いられる。ポリイミド膜からなる平坦化層は、ポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体を含む樹脂組成物を硬化させることで、形成することができる。
さらに、本発明の平坦化層は、感光性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。コンタクトホールの形成を容易にするため、平坦化層Lは、感光性樹脂組成物の硬化物を含むことが特に好ましい。とりわけ、平坦化層Lに含まれる感光性樹脂組成物の硬化物は、有機EL表示装置の長期発光信頼性の観点で、フッ化ポリイミドを含むことが好ましい。
前記感光性樹脂組成物は公知のものを使用できる。感光性樹脂組成物としては、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、アクリル樹脂、フェノール樹脂、およびシロキサン樹脂の少なくともいずれかを含む感光性樹脂組成物が好ましく用いられるが、これらに限定されない。これらの中でも、有機EL表示装置の長期発光信頼性の観点で、ポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物が好ましく用いられ、フッ化ポリイミドおよび/またはフッ化ポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物がより好ましく用いられる。
本発明の有機EL表示装置において、平坦化層Lは黒色であることが好ましい。平坦化層Lを黒色にすることで、外光を遮断し、平坦化層Lの下層の樹脂膜の光劣化を抑制し、有機EL素子の長期発光信頼性を高めることができる。黒色の平坦化層は、1種または複数種の着色剤を含有する感光性樹脂組成物から得ることができる。本発明において、平坦化層が黒色とは、平坦化層の透過スペクトルにおいて、波長550nmにおける膜厚1.0μmあたりの透過率を、ランベルト・ベールの式に基づいて、波長550nmにおける透過率が10%となるように膜厚を0.1~1.5μmの範囲内で換算した場合に、換算後の透過スペクトルにおける、波長450~650nmにおける透過率が、25%以下であることを意味する。
本発明のバンク層には、平坦化層と同様に感光性樹脂組成物によって形成されている樹脂膜が好適に用いられる。平坦化層と同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。有機EL表示装置の長期発光信頼性の観点で、バンク層はポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物を硬化したものが好ましく用いられる。
次に本発明の有機EL表示装置の製造方法について説明する。
前記感光性樹脂組成物を用いて平坦化層Lを形成する工程が、
感光性樹脂組成物を基板上に塗布する工程と、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
マスクを介して露光する工程と、露光した感光性樹脂膜を現像し、パターニングする工程と、および現像後の樹脂パターンを加熱処理して硬化させる加熱硬化工程を含み、
前記加熱硬化工程が100℃以上180℃以下の温度で処理する工程、および220℃以上300℃以下の温度で処理する工程を含むことが好ましい。
加熱硬化(キュア)の最高温度となる220℃以上300℃以下の温度域よりも低温から徐々に昇温する昇温キュア、または最高温度よりも低温で処理してから最高温度で処理するステップキュアとすることで、コンタクトホールのテーパー角および開口部の短径が変化することを抑制できる。昇温キュアであってもステップキュアであっても、100℃以上180℃以下の温度で処理する工程を行った後に、220℃以上300℃以下の温度で処理することで、コンタクトホールの形状変化をより抑制することができる。予備加熱の温度は、予備硬化を効果的に進める観点で、120℃以上の温度域を含むことがより好ましく、140℃以上の温度域を含むことがさらに好ましく、またコンタクトホールの形状変化を抑制する観点で、170℃以下の温度域を含むことがより好ましく、160℃以下の温度域を含むことがさらに好ましい。好ましい例としては、50℃から5℃/分で昇温して250℃で60分処理する方法や、150℃で30分処理した後、250℃で60分処理する方法が挙げられる。
有機EL表示装置の製造方法について、具体的に図2を例に挙げて説明するが、以下に説明する形態によってのみ限定されるものではない。
まず、公知のTFT製造工程により、基板(1)上にTFT(2)、配線(4)、およびTFT絶縁層(3)を形成する。基板(1)の材質としては、ガラス、樹脂、金属が挙げられる。有機EL表示装置を曲面ディスプレイやフレキシブルディスプレイに適用する場合、ポリイミド等の樹脂膜を用いることが好ましい。TFT(2)の活性層に用いられる材料としては、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、酸化物半導体、また低温ポリシリコンと酸化物半導体を組み合わせたLTPO(Low Temperature Polycrystalline Silicon and Oxide)が挙げられる。TFT絶縁層(3)の材質としては、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素が挙げられる。配線(4)の材質としては、モリブデン、アルミニウム、チタンが挙げられ、これらを複数種積層して用いてもよい。
次に、平坦化層L(L)を形成する。平坦化層Lは配線(4)と補助配線(7a)を電気的に接続するためのコンタクトホール(6)を有する。平坦化層L(L)にはポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物が好ましく用いられる。感光性樹脂組成物を用いて平坦化層Lを形成する場合は、公知のフォトリソグラフィー法で実施可能である。
本発明においては、平坦化層Lのコンタクトホール(6)のテーパー角および開口部の短径が適切な範囲となるよう制御してパターン加工することが重要であり、これを容易にするため、露光はレンズ開口数(NA)の大きい露光機を用いて縮小露光することが好ましい。好ましいレンズ開口数は0.10以上、より好ましくは0.12以上、さらに好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.20以上、特に好ましくは0.30以上である。次の加熱硬化工程の前に、必要に応じて得られた樹脂パターンの全面をUV露光(ブリーチ)してもよい。
また、パターンを形成した後に加熱硬化(キュア)して平坦化層L(L)とする工程では、最高温度よりも低温から徐々に昇温する昇温キュア、または最高温度よりも低温で処理してから最高温度で処理するステップキュアとすることで、コンタクトホール(6)のテーパー角および開口部の短径が変化することを抑制できるため好ましい。昇温キュアであってもステップキュアであっても、100℃以上180℃以下の温度で処理する工程を行った後に、220℃以上300℃以下の温度で処理することで、コンタクトホール(6)の形状変化をより抑制することができる。
予備加熱の温度は、予備硬化を効果的に進める観点で、120℃以上の温度域を含むことがより好ましく、140℃以上の温度域を含むことがさらに好ましく、またコンタクトホール(6)の形状変化を抑制する観点で、170℃以下の温度域を含むことがより好ましく、160℃以下の温度域を含むことがさらに好ましい。好ましい例としては、50℃から5℃/分で昇温して250℃で60分処理する方法や、150℃で30分処理した後、250℃で60分処理する方法が挙げられる。
次に、公知の方法により、補助配線(7a)の金属材料をスパッタにより成膜し、フォトレジストを用いてエッチングにより配線形状にパターン加工する。補助配線(7a)の材質としては、モリブデン、アルミニウム、チタンが挙げられ、これらを複数種積層して用いてもよい。
次に、平坦化層2(5b)を形成する。平坦化層2(5b)は補助配線(7a)と第1電極(8)を電気的に接続するためのコンタクトホール(6b)を有する。平坦化層2(5b)にはポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物が好ましく用いられる。平坦化層2(5b)は感光性樹脂組成物を用いて公知のフォトリソグラフィー法で樹脂パターンを形成し、必要に応じて得られた樹脂パターンの全面をUV露光(ブリーチ)し、加熱硬化(キュア)させて形成する。
次に、公知の方法により、第1電極(8)の金属材料をスパッタにより成膜し、フォトレジストを用いてエッチングにより所望の形状に加工する。第1電極(8)の材質としては、ITO(酸化インジウムスズ)が挙げられ、例えば銀と積層することで反射電極として用いてもよい。
次に、バンク層(9)を形成する。バンク層(9)は第1電極(8)上に開口部を有し、画素の発光領域を定義する。バンク層(9)にはポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物が好ましく用いられる。バンク層(9)は感光性樹脂組成物を用いて公知のフォトリソグラフィー法で樹脂パターンを形成し、必要に応じて得られた樹脂パターンの全面をUV露光(ブリーチ)し、加熱硬化(キュア)させて形成する。
次に、有機EL層(10)を形成する。有機EL層(10)は公知のマスク蒸着法やインクジェット法によって形成することができる。例としてマスク蒸着法では、蒸着マスクを基板の蒸着源側に配置して、蒸着マスクを介した有機化合物の蒸着を繰り返し行い、成膜する。有機EL層(10)の構成は特に限定されず、例えば、正孔輸送層/発光層、正孔輸送層/発光層/電子輸送層、発光層/電子輸送層のいずれであってもよい。
次に、公知の方法により、第2電極(11)を形成する。アクティブマトリックス型では、発光領域全体に渡って第2電極が全面に形成されることが多い。第2電極(11)の材質としては、透明性の観点でマグネシウムおよび銀の合金やITOが好ましく用いられる。
第2電極を形成後、封止を行うことが好ましい。一般的に、有機EL素子は酸素や水分に弱いとされ、信頼性の高い表示装置を得るためにはできるだけ酸素と水分の少ない雰囲気下で封止を行うことが好ましい。封止に使用する部材はガスバリア性の高いものを選定することが好ましい。
以下実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。なお、実施例中の評価は以下の方法により行った。
(1)有機EL表示装置の作製
図4に有機EL表示装置の作製手順の概略図を示す。なお、概略図においては説明の便宜のために、構成要素の大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。
まず、38mm×46mmの無アルカリガラスの基板(1)に、ITO(酸化インジウムスズ、透明導電膜)10nmをスパッタ法により基板全面に形成し、第1電極および第2電極を取り出すための補助電極1(12)および補助電極2(13)としてエッチングした。得られた基板をセミコクリーン56(商品名、フルウチ化学(株)製)で10分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。
次にこの基板全面に、後述する所定の感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、120℃のホットプレート上で2分間プリベークした。この基板を支持基板に固定し、フォトマスクを介して露光機i線ステッパーNSR-2005i9C((株)ニコン製、レンズ開口数0.57、1/5倍縮小露光タイプ)でコンタクトホールに該当する箇所のみ円形のパターンをUV露光した。i線ステッパーのフォーカスおよびパターンサイズを変更することで所望のテーパー角および短径になるように調整した。
さらに別のフォトマスクを介して露光機マスクアライナーPEM-6M(ユニオン光学(株)製)で基板周縁部をUV露光した後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液で現像し、不要な部分を溶解させ、純水でリンスした。必要に応じてパターン形状を変化させる目的で、得られた樹脂パターンを後述する条件に従い、露光機マスクアライナーで樹脂パターンの全面をUV露光(ブリーチ)した。高温イナートガスオーブン(INH-9CD-S;光洋サーモシステム(株)製)を用いて窒素雰囲気下で後述する所定の条件でキュアし、コンタクトホール(6)を有する平坦化層L(L)を形成した。
次にメタルマスクを介して、Ti50nm、Al500nm、Ti50nmをこの順にスパッタし、補助配線(7a)を形成した。
次にこの基板全面に、後述する感光性樹脂組成物(W-1)をスピンコート法により塗布し、120℃のホットプレート上で2分間プリベークした。この基板を支持基板に固定し、フォトマスクを介して露光機i線ステッパーでコンタクトホールに該当する箇所のみ直径3μmの円形のパターンをUV露光した。さらに別のフォトマスクを介して露光機マスクアライナーで基板周縁部をUV露光した後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液で現像し、不要な部分を溶解させ、純水でリンスした。得られた樹脂パターンを、高温イナートガスオーブンを用いて窒素雰囲気下250℃で60分間キュアし、直径約3μmの円形のコンタクトホール(6b)を有する平坦化層2(5b)を形成した。平坦化層2の厚さは約2.0μmとなるように調整した。
次にメタルマスクを介して、ITO10nm、Ag50nm、ITO10nmをこの順にスパッタし、第1電極(8)を形成した。
次にこの基板全面に、後述する感光性樹脂組成物(W-1)をスピンコート法により塗布し、120℃のホットプレート上で2分間プリベークした。この基板を、フォトマスクを介して露光機マスクアライナーで開口部となる箇所および基板周縁部をUV露光した後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液で現像し、不要な部分を溶解させ、純水でリンスした。得られた樹脂パターンを、露光機マスクアライナーで樹脂パターンの全面を200mJ/cmの露光量にてUV露光(ブリーチ)した。高温イナートガスオーブンを用いて窒素雰囲気下250℃で60分間キュアし、縦5mm、横5mmの開口部を4箇所有するバンク層(9)を形成した。それぞれの開口部は第一電極を露出せしめる形状であり、開口部の下方には平坦化層L(L)のコンタクトホール(6)が配置されている。バンク層の厚さは約1.0μmとなるように調整した。
次に、前処理として窒素プラズマ処理を行った後、真空蒸着法により発光層を含む有機EL層(10)を形成した。なお、蒸着時の真空度は1×10-3Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して基板を回転させた。まず、正孔注入層として化合物(HT-1)を10nm、正孔輸送層として化合物(HT-2)を50nm蒸着した。次に発光層に、ホスト材料としての化合物(GH-1)とドーパント材料としての化合物(GD-1)を、ドープ濃度が10%になるようにして40nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送材料として化合物(ET-1)と化合物(LiQ)を体積比1:1で40nmの厚さに積層した。有機EL層(10)で用いた化合物の構造を以下に示す。
Figure 2022016320000001
次に、化合物(LiQ)を2nm蒸着した後、MgおよびAgを体積比10:1で10nm蒸着して第2電極(透明電極)(11)とした。最後に、低湿窒素雰囲気下でエポキシ樹脂系接着剤を用いてキャップ状ガラス板を接着することで封止をし、1枚の基板上に1辺が5mmの四角形のサブ画素を4つ有するトップエミッション方式の有機EL表示装置を作製した。これを各水準4個ずつ作製し、評価に用いた。
(2)発光ムラ評価
上記の方法で作製した有機EL表示装置を10mA/cmで直流駆動にて発光させ、基板鉛直方向をZ軸方向としてZ軸から0~60°傾けて様々な方向から発光部を目視観察し、サブ画素下部の段差に由来する発光ムラが見られないものを良好、発光ムラが見られるものを不良とした。
(3)発光評価
上記の方法で作製した有機EL表示装置を10mA/cmで直流駆動にて発光させて発光部を目視観察し、発光するサブ画素を良好、発光しないサブ画素を不良と判定した。サブ画素16個に対して判定を行い、良品率15/16以上を合格、14/16以下を不合格とした。
(4)長期発光信頼性試験
上記の方法で作製した有機EL表示装置を、発光面を上にして80℃に加熱したホットプレートに乗せ、太陽光を模したキセノンランプ光源を用い、波長365nmにおける照度が0.6mW/cmのUV光を照射した。500時間経過後に取り出し、10mA/cmで直流駆動にて発光させ、1辺が5mmの四角形のサブ画素の面積に対する発光部の面積率(発光面積率)を測定した。各水準4個の有機EL表示装置に対し、1個の有機EL表示装置につき1つのサブ画素で測定を行い、その測定結果の平均値を採用した。長期発光信頼性は、発光面積率が95%未満のものを不良、95%以上98%未満のものを良好、98%以上のものを極めて良好とした。
(5)測長、テーパー角測定
上記の方法で作製した有機EL表示装置において、平坦化層Lの膜厚d1、コンタクトホールの開口部の短径d2および上部寸法d3の測長、ならびにテーパー角θの測定、平坦化層2の段差d4の測長、平坦化層Lのコンタクトホール上の第2電極表面の段差d5の測長は、断面FIB-SEM像より求めた。図5に測長、テーパー角測定箇所の概略図を示す。なお、概略図においては説明の便宜のために、構成要素の大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。
サブ画素のピッチの微細化の観点で、平坦化層Lのコンタクトホールの上部寸法d3は小さいほど好ましく、平坦化層Lのコンタクトホールの上部寸法d3が、6.5μm以上のものを不良、5.0μm以上6.5μm未満のものを良好、5.0μm未満のものを極めて良好とした。
また、発光ムラのリスク低減の観点で、平坦化層2の段差d4が小さい、すなわち平坦性が良好なほど好ましく、平坦化層2の段差d4が、220nm以上のものを不良、150nm以上220nm未満のものを良好、150nm未満のものを極めて良好とした。
同様に、発光ムラのリスク低減の観点で、バンクで区画されたサブ画素の区画内における、平坦化層Lのコンタクトホール上の第2電極表面の段差d5が小さい、すなわち平坦性が良好なほど好ましく、第2電極表面の段差d5が、200nm超のものを不良、150nm超200nm以下のものを合格、100nm超150nm以下のものを良好、20nm以上100nm以下のものを極めて良好とした。
合成例1 ポリイミド前駆体樹脂(A-1)の合成
乾燥窒素気流下、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.63g(0.1モル)、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル36.04g(0.18モル)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン3.98g(0.016モル)をN-メチル-2-ピロリドン(以下、NMPとも記載する)1000gに溶解させた。ここにビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物124.09g(0.4モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に末端封止剤として4-アミノフェノール22.70g(0.208モル)をNMP10gとともに加え、50℃で2時間反応させた。その後、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール71.50g(0.6モル)を投入した。投入後、50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水10Lに投入して沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、10Lの水を加えた上で濾過をして沈殿を集める洗浄操作を3回行った後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、フッ素基を有するポリイミド前駆体樹脂(A-1)の粉体を得た。
合成例2 アクリル樹脂(A-2)の合成
乾燥窒素気流下、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)5g、t-ドデカンチオール5g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAとも記載する)150g、メタクリル酸30g、ベンジルメタクリレート35g、およびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルメタクリレート35gを室温で30分間撹拌し、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを15g、ジメチルベンジルアミンを1g、p-メトキシフェノールを0.2g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂(A-2)の溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液の固形分濃度は43質量%であった。
合成例3 キノンジアジド化合物(B-1)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル-1)-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(本州化学工業(株)製、以下TrisP-PAとする)、42.4g(0.1モル)と5-ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド(東洋合成(株)製、NAC-5)72.3g(0.27モル)を1,4-ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4-ジオキサン100gと混合したトリエチルアミン25.0gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後、40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集め、さらに1%塩酸水1Lで洗浄した。その後、さらに水2Lで2回洗浄した。この沈殿を真空乾燥機で乾燥し、下記式で表されるキノンジアジド化合物(B-1)を得た。
Figure 2022016320000002
合成例4 ポリイミド樹脂(A-3)の合成
乾燥窒素気流下、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン109.88g(0.3モル)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン4.97g(0.02モル)、末端封止剤として、4-アミノフェノール17.46g(0.16モル)をNMP1000gに溶解させた。ここにビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物124.09g(0.4モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、キシレンを20g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、150℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水10Lに投入して沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、フッ素基を有するポリイミド樹脂(A-3)の粉末を得た。
合成例5 ポリイミド前駆体樹脂(A-4)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル56.07g(0.28モル)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン4.97g(0.02モル)をNMP1000gに溶解させた。ここにビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物124.09g(0.4モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に末端封止剤として4-アミノフェノール21.83g(0.2モル)をNMP10gとともに加え、50℃で2時間反応させた。その後、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール57.20g(0.48モル)を投入した。投入後、50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水10Lに投入して沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、10Lの水を加えた上で濾過をして沈殿を集める洗浄操作を3回行った後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、フッ素基を有さないポリイミド前駆体樹脂(A-4)の粉体を得た。
調整例1 感光性樹脂組成物(W-1)の作製
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂(A-1)120g、感光性化合物として合成例3で得られたキノンジアジド化合物(B-1)35g、熱架橋剤として“NIKALAC”(登録商標)MX-270(商品名、(株)三和ケミカル製)20gを計り、γ-ブチロラクトン(以下、GBLとも記載する)470gとプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEとも記載する)700gを加えて溶解させ、0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターで濾過して、フッ素基を有するポリイミド前駆体を含有する感光性樹脂組成物(W-1)を得た。
調整例2 感光性樹脂組成物(W-2)の作製
合成例2で得られたアクリル樹脂(A-2)の溶液23g、感光性化合物として合成例3で得られたキノンジアジド化合物(B-1)3gを計り、PGMEA30gとPGME20gを加えて溶解させ、0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターで濾過して、アクリル樹脂を含有する感光性樹脂組成物(W-2)を得た。
調整例3 感光性樹脂組成物(W-3)の作製
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂(A-1)10g、感光性化合物として合成例3で得られたキノンジアジド化合物(B-1)3g、熱架橋剤として“NIKALAC”(登録商標)MX-270を2g、着色化合物としてPlast Yellow 8070(一般名C.I.Disperse Yellow 201、有本化学工業(株)製、吸収極大波長445nm)0.1g、Oil Scarlet5206(一般名C.I.Solvent Red 18、有本化学工業(株)製、吸収極大波長515nm)0.2g、およびPlast Blue8540(一般名C.I.Solvent Blue 63、有本化学工業(株)製、吸収極大波長645nm)0.2gを計り、GBL40gとPGME60gを加えて溶解させ、0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターで濾過して、フッ素基を有するポリイミド前駆体および着色化合物を含有する感光性樹脂組成物(W-3)を得た。
調整例4 感光性樹脂組成物(W-4)の作製
合成例4で得られたポリイミド樹脂(A-3)60g、感光性化合物として合成例3で得られたキノンジアジド化合物(B-1)17g、熱架橋剤として“NIKALAC”(登録商標)MX-270を10gを計り、GBL240gとPGME350gを加えて溶解させ、0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターで濾過して、フッ素基を有するポリイミドを含有する感光性樹脂組成物(W-4)を得た。
調整例5 感光性樹脂組成物(W-5)の作製
合成例5で得られたポリイミド前駆体樹脂(A-4)60g、感光性化合物として合成例3で得られたキノンジアジド化合物(B-1)17g、熱架橋剤として“NIKALAC”(登録商標)MX-270を10gを計り、GBL240gとPGME350gを加えて溶解させ、0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターで濾過して、フッ素基を有さないポリイミド前駆体を含有する感光性樹脂組成物(W-5)を得た。
[実施例1~20、比較例1~6]
上記(1)の方法で有機EL表示装置を作製し、発光ムラ評価、発光評価、平坦化層Lの膜厚d1、コンタクトホールの開口部の短径d2および上部寸法d3の測長、テーパー角θの測定、平坦化層2の段差d4および平坦化層Lのコンタクトホール上の第2電極表面の段差d5の測長を行った結果を表1に示す。平坦化層Lに用いた感光性樹脂組成物(ワニス)は表1に示し、平坦化層Lを形成するブリーチおよびキュアの条件の詳細は表2に示した。平坦化層Lの膜厚、開口部の短径およびテーパー角を変化させる目的で、スピンコートの回転数、i線ステッパーによるUV露光時のフォーカス、ブリーチ条件を調整した。なお、感光性アクリル樹脂組成物(W-2)を用いた実施例13では、アクリル材料に対する適切な条件として、ブリーチは実施し、キュアの最高温度は230℃とした。
Figure 2022016320000003
Figure 2022016320000004
実施例1~20に示すものは、いずれも平坦化層Lが条件A:コンタクトホールのテーパー角が35°以上70°以下、および条件B:コンタクトホールの開口部の短径が1.0μm以上2.2μm以下を満たし、上部寸法は6.5μm未満、発光ムラなし、発光評価良品率16/16であり、良好または極めて良好な結果であった。また、平坦化層Lの膜厚とコンタクトホールの開口部の短径がほぼ同等である実施例1~4を比較すると、テーパー角が大きいほど開口部の上部寸法は小さくなり、サブ画素のピッチの微細化に有効であると言える。さらにテーパー角が50°超の実施例3および4は平坦化層2の段差の小さい、極めて良好な結果であった。また、実施例2および9~12を比較すると、100℃以上180℃以下の温度で処理する工程を含む、実施例2および10は他と比較してテーパー角が高く、このことからキュア時のコンタクトホールの形状変化が小さく、形状の制御を行いやすいことがわかる。また、平坦化層Lに感光性フッ化ポリイミド樹脂組成物を用いた実施例15~17の中でも、コンタクトホール短径が小さく、テーパー角の高い実施例16は、平坦化層2の段差d4および平坦化層Lのコンタクトホール上の第2電極表面の段差d5の小さい、極めて良好な結果であった。
[実施例21~25]
実施例2、13、14、15および18で作製したものとそれぞれ同じ条件で有機EL表示装置を4個ずつ作製し、発光ムラ評価、発光評価、長期発光信頼性試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2022016320000005
表3に示すものは、いずれも発光ムラなし、発光良品率16/16の良好な結果であった。長期発光信頼性に関しては、平坦化層Lに感光性アクリル樹脂組成物を用いた実施例22に比べ、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物を用いた実施例21、23および25ならびに感光性ポリイミド樹脂組成物を用いた実施例24の方が良好な結果であった。感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物および感光性ポリイミド樹脂組成物で比較すると、キュアで平坦化層Lがフッ化ポリイミドとなっている実施例21、23および24の方が、キュアで平坦化層Lが非フッ化ポリイミドとなっている実施例25に比べて良好な結果であった。また、同一のフッ化ポリイミド前駆体樹脂(A-1)を用いた実施例21と実施例23を比較すると、平坦化層Lが黒色の実施例23の方が良好な結果であった。
1:基板
2:TFT(薄膜トランジスタ)
3:TFT絶縁層
4:配線
L:平坦化層L
5a:平坦化層1
5b:平坦化層2
5c:平坦化層3
6:平坦化層Lのコンタクトホール
6a:平坦化層1のコンタクトホール
6b:平坦化層2のコンタクトホール
6c:平坦化層3のコンタクトホール
7a,7b:補助配線
8:第1電極
9:バンク層
10:有機EL層
11:第2電極
12:補助電極1
13:補助電極2
d1:平坦化層Lの膜厚
d2:平坦化層Lのコンタクトホールの開口部の短径
d3:平坦化層Lのコンタクトホールの上部寸法
d4:平坦化層2の段差
d5:平坦化層Lのコンタクトホール上の第2電極表面の段差
θ:平坦化層Lのコンタクトホールのテーパー角

Claims (9)

  1. 少なくとも、基板上に平坦化層と、有機EL層と、バンク層と、電極と、補助配線を備えた有機EL表示装置であって、
    前記平坦化層が2層以上であり、
    前記平坦化層の中で有機EL層から2番目に近い平坦化層Lのコンタクトホールが、バンクで区画されたサブ画素の区画内の下方に配置された構造を有し、
    前記平坦化層Lが条件Aおよび条件Bのいずれも満たす、有機EL表示装置。
    条件A:コンタクトホールのテーパー角が35°以上70°以下
    条件B:コンタクトホールの開口部の短径が1.0μm以上2.2μm以下
  2. 前記条件Aが条件A-1である、請求項1に記載の有機EL表示装置。
    条件A-1:コンタクトホールのテーパー角が50°以上70°以下
  3. 前記電極が、第1電極と第2電極を有し、
    各サブ画素は少なくとも、平坦化層と、第1電極と、有機EL層と、第2電極をこの順に積層した構造を有し、
    バンクで区画されたサブ画素の区画内における、平坦化層Lのコンタクトホール上の第2電極表面の段差が20nm以上150nm以下である、請求項1または2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記平坦化層Lがさらに条件Cを満たす、請求項1~3のいずれかに記載の有機EL表示装置。
    条件C:膜厚が0.9μm以上1.6μm以下
  5. 前記平坦化層Lが感光性樹脂組成物の硬化物を含む、請求項1~4のいずれかに記載の有機EL表示装置。
  6. 前記感光性樹脂組成物の硬化物が、フッ化ポリイミドを含む、請求項5に記載の有機EL表示装置。
  7. 前記感光性樹脂組成物が、ポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物である、請求項5に記載の有機EL表示装置。
  8. 前記平坦化層Lが黒色である、請求項1~7のいずれかに記載の有機EL表示装置。
  9. 前記感光性樹脂組成物を用いて平坦化層Lを形成する工程が、
    感光性樹脂組成物を基板上に塗布する工程と、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、マスクを介して露光する工程と、露光した感光性樹脂膜を現像し、パターニングする工程と、および現像後の樹脂パターンを加熱処理して硬化させる加熱硬化工程を含み、
    前記加熱硬化工程が100℃以上180℃以下の温度で処理する工程、および220℃以上300℃以下の温度で処理する工程を含む、請求項5~8のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造方法。
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