JP2022015997A - エンジン特性推定装置、エンジン特性推定方法、エンジン特性推定プログラム、およびエンジン状態推定装置 - Google Patents

エンジン特性推定装置、エンジン特性推定方法、エンジン特性推定プログラム、およびエンジン状態推定装置 Download PDF

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Mikiaki Sasajima
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Oleksiy Bondarenko
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Abstract

Figure 2022015997000001
【課題】エンジンの特性の変化を高精度に推定することのできるエンジン特性推定装置を提供する。
【解決手段】エンジン特性推定装置100は、第1計算モデルとエンジン200への燃料供給量とに基づいて第1エンジン状態パラメータX1を計算する第1計算部と、第2計算モデルとエンジン200の動作データとに基づいて第2エンジン状態パラメータX2を計算する第2計算部と、第1エンジン状態パラメータX1および第2エンジン状態パラメータX2に基づいて、エンジン200の特性を推定するエンジン特性推定部130とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明はエンジンの特性推定技術および状態推定技術に関する。
エンジンは船舶、自動車、航空機等で広く利用されているが、環境問題への意識の高まりもあって、近年さらなる高効率化が求められている。エンジンの効率を高めるためには、エンジンの状態を高精度に推定し、その推定結果に基づきエンジンを最適に制御する必要がある。
特表2009-510327号公報 特開2015-222074号公報
特許文献1には、状態オブザーバによってエンジンの状態を推定する技術が開示されている。状態オブザーバは、エンジンの特性を表す行列を用い、エンジンの各種の測定データから、エンジンの状態を表すパラメータを演算する。この演算では、行列がエンジンの特性を正確に表している場合は、エンジンの状態パラメータを高精度に算出することができる。一方で、経年劣化や吸気温度等の外部環境の変化によりエンジンの特性が変化した場合は、行列がエンジンの特性を正確に反映したものではなくなるため、エンジンの状態の推定精度が低下してしまう。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの特性が
変化した場合であっても、それを高精度に推定することのできるエンジン特性推定装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、エンジンの状態を高精度に推定することのできるエンジン状態推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のエンジン特性推定装置は、エンジンの特性を表す第1計算モデルと、任意の時点においてエンジンに供給される燃料供給量とに基づいて、エンジンの状態変数である第1エンジン状態パラメータを計算する第1計算部と、エンジンの特性を表す第1計算モデルと異なる第2計算モデルと、任意の時点において駆動されているエンジンの動作に関する動作データとに基づいて、エンジンの状態変数である第2エンジン状態パラメータを計算する第2計算部と、第1エンジン状態パラメータおよび第2エンジン状態パラメータに基づいて、任意の時点におけるエンジンの特性を推定するエンジン特性推定部とを備える。
この態様において、第1計算部の計算で使用される燃料供給量は、経年劣化や吸気温度等の外部環境の変化によるエンジンの特性変化の影響を受けないデータであるため、その計算結果である第1エンジン状態パラメータはエンジンの特性変化の影響を受けない。これに対して、第2計算部の計算で使用されるエンジンの動作データは、エンジンの特性変化の影響を受けるデータであるため、その計算結果である第2エンジン状態パラメータはエンジンの特性変化の影響を受ける。このようにエンジン特性変化の影響が異なる二種類のエンジン状態パラメータを用いることにより、エンジン特性推定部はエンジンの特性変化を高精度に推定することができる。なお、エンジンの特性変化がない場合でも、計算モデルの異なる二つの計算部を併用することにより、エンジンの状態を高精度に推定することができる。
本発明の別の態様は、エンジン特性推定方法である。この方法は、エンジンの特性を表す第1計算モデルと、任意の時点においてエンジンに供給される燃料供給量とに基づいて、エンジンの状態変数である第1エンジン状態パラメータを計算する第1計算ステップと、エンジンの特性を表す第1計算モデルと異なる第2計算モデルと、任意の時点において駆動されているエンジンの動作に関する動作データとに基づいて、エンジンの状態変数である第2エンジン状態パラメータを計算する第2計算ステップと、第1エンジン状態パラメータおよび第2エンジン状態パラメータに基づいて、任意の時点におけるエンジンの特性を推定するエンジン特性推定ステップとを有する。
本発明の別の態様は、エンジン状態推定装置である。この装置は、エンジンの特性を表す第1計算モデルと、任意の時点においてエンジンに供給される燃料供給量とに基づいて、エンジンの状態変数である第1エンジン状態パラメータを計算する第1計算部と、エンジンの特性を表す第1計算モデルと異なる第2計算モデルと、任意の時点において駆動されているエンジンの動作に関する動作データとに基づいて、エンジンの状態変数である第2エンジン状態パラメータを計算する第2計算部と、第1エンジン状態パラメータおよび第2エンジン状態パラメータに基づいて、任意の時点におけるエンジンの状態を推定するエンジン状態推定部とを備える。
この態様によれば、計算モデルの異なる二つの計算部を併用することにより、エンジンの状態を高精度に推定することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、エンジンの特性が変化した場合であっても、それを高精度に推定することができる。また、エンジンの状態を高精度に推定することができる。
実施の形態に係るエンジン特性推定装置の全体構成を示す図である。 エンジンの構成を示す図である。 他のエンジンの構成を示す図である。 シミュレータとオブザーバの構成を示す図である。 エンジン特性推定部の構成を示す図である。 エンジン特性推定装置によるエンジン特性推定の処理フローを示すフローチャートである。 エンジン特性推定装置によるエンジン特性推定の一例を示す模式図である。
図1は、本実施の形態に係るエンジン特性推定装置100の全体構成を示す模式図である。まず、エンジン特性推定装置100による特性推定の対象であるエンジン200は、1燃焼当たりの燃料供給量Uで指定される量の燃料の供給を受けて駆動され、動力を発生する。そして、その動作状態に応じてエンジン200の状態変数である状態パラメータX0が変化する。ここで、X0は複数のパラメータを含むベクトルである(2以上の自然数nをパラメータ数として、各パラメータをX01、X02、…、X0nと表す)。エンジン200の状態パラメータX0として何を選択するかは、エンジンシステムの制御目標や仕様に応じて適宜決定することができるが、典型的にはエンジン本体の回転数、排気圧、排気温、排気量等を選択するのが好ましい。また、エンジン本体に流入する空気の圧力を高める過給器を用いる場合は、過給器のパラメータ、例えば、回転数、給気温、給気圧、給気量、掃気温、掃気圧、掃気量等を状態パラメータX0の中に含めることが好ましい。
なお、本実施の形態のエンジン特性推定においては、エンジン200が外部に対して発生する動力よりも、エンジン200内部の状態パラメータX0に着目することが重要であるので、エンジン200は1燃焼当たりの燃料供給量Uの入力に基づき状態パラメータX0を出力するブロックとして図示されている。
エンジン特性推定装置100は、エンジン200の特性推定を行う装置であり、第1計算部としてのシミュレータ110と、第2計算部としてのオブザーバ120と、エンジン特性推定部130と、計算モデル更新部140と、計算モデル更新モード実行部150を備える。
シミュレータ110は、エンジン200の特性を表す第1計算モデルと、任意の時点においてエンジン200に供給される1燃焼当たりの燃料供給量Uとに基づいて、エンジン200の状態変数である第1エンジン状態パラメータX1を計算する。ここで、X1は複数のパラメータを含むベクトルである(パラメータ数は状態パラメータX0と同じくnであり、各パラメータをX11、X12、…、X1nとする)。
オブザーバ120は、エンジン200の特性を表す第1計算モデルと異なる第2計算モデルと、任意の時点において駆動されているエンジン200の動作に関する動作データX0´および1燃焼当たりの燃料供給量Uに基づいて、エンジン200の状態変数である第2エンジン状態パラメータX2を計算する。ここで、X2は複数のパラメータを含むベクトルである(パラメータ数は状態パラメータX0と同じくnであり、ベクトルの要素をX21、X22、…、X2nとする)。
オブザーバ120への入力である動作データX0´は、エンジン200の状態パラメータX0に含まれる一部(1以上n未満)の状態パラメータである。実際のエンジン200においては、状態パラメータX0に含まれるn個全てのパラメータを測定するセンサを設けることはコストや設置上の制約により現実的ではないため、一部のパラメータX0´のみが測定されてオブザーバ120への入力とされる。その一部のパラメータX0´を補完し、全ての状態パラメータX2を推定するのがオブザーバ120の基本的な機能である。
エンジン特性推定部130は、第1エンジン状態パラメータX1および第2エンジン状態パラメータX2に基づいて、任意の時点におけるエンジン200の特性を推定する。具体的には、第1エンジン状態パラメータX1と第2エンジン状態パラメータX2の差分を演算し、それに基づいてエンジン200の特性を推定する。
計算モデル更新部140は、エンジン特性推定部130で推定されたエンジン200の特性に基づきオブザーバ120の第2計算モデルを更新する。
計算モデル更新モード実行部150は、計算モデル更新部140による第2計算モデルの更新を行うための更新モードを実行する。
続いて、上記の各構成を他の図を参照してより詳細に説明する。
図2は、エンジン200の構成を示す模式図である。本実施の形態において、エンジン200の用途は限定されず、船舶用、車両用、航空機用等の様々なエンジン200を用いることができる。エンジン200は、燃料の燃焼により動力を発生するエンジン本体210と、燃料を燃焼させる空気をエンジン本体210に供給する吸気路220と、エンジン本体210における燃焼後の気体を排出する排気路230と、吸気路220を通じてエンジン本体210に供給される空気の圧力を高める過給器240を備える。
エンジン本体210は、空気による燃料の燃焼が起こる燃焼室211と、燃焼室211内に1燃焼当たりの燃料供給量Uにより指定される量の燃料を供給する燃料供給ノズル212と、吸気路220からの空気の燃焼室211への供給を制御する吸気弁213と、燃焼室211から排気路230への空気の排出を制御する排気弁214と、燃焼室211における燃料の燃焼に応じて直線上に駆動されるピストン215と、ピストン215の直線上の運動に伴って回転駆動されるクランクシャフト216と、一端がピストン215に固定され他端がクランクシャフト216に固定されてピストン215の直線運動をクランクシャフト216の回転運動に変換するコネクティングロッド217を備える。なお、上記では燃料供給ノズル212により燃料を燃焼室211内に直接供給する構成としたが、ガソリン等の揮発性の高い燃料を使用する場合は、吸気路220内に燃料を噴射し、空気と混合した状態で燃焼室211内に供給してもよい。
上記の構成において、エンジン200は以下のサイクルで駆動される。ここで、エンジン200は前サイクル以前の駆動によって動作状態にあるものとし、慣性により回転を続けるクランクシャフト216の動作に応じてピストン215が上昇と下降を繰り返すものとする。
(1)吸気:吸気弁213が開き、排気弁214が閉じ、ピストン215が下降することで、吸気路220から燃焼室211に空気が供給される。
(2)圧縮:吸気弁213が閉じ、ピストン215が上昇することで、燃焼室211内の空気が圧縮される。
(3)燃焼:燃料供給ノズル212から燃焼室211内に1燃焼当たりの燃料供給量Uにより指定される量の燃料が供給され、圧縮された空気とともに燃焼される。これによって動力が発生し、ピストン215が下降する。
(4)排気:排気弁214が開き、ピストン215が上昇することで、燃焼後の気体が燃焼室211から排気路230に排出される。
過給器240は、いわゆるターボチャージャであり、吸気路220に設けられたコンプレッサ241と、排気路230に設けられたタービン242と、コンプレッサ241およびタービン242を同軸上で結合する軸243を備える。排気路230から排出される気体によりタービン242が回転し、その回転が軸243を介してコンプレッサ241に伝わる。このように回転されるコンプレッサ241によって、吸気路220に供給される空気が圧縮されるため、燃焼室211に供給される空気の圧力を高めることができる。
なお、図2では(1)吸気、(2)圧縮、(3)燃焼、(4)排気の4つの行程を1サイクルとするいわゆる4ストロークエンジンを例に挙げて説明したが、本実施の形態では、エンジンのタイプはこれに限定されず、様々なタイプのエンジンを使用することができる。例えば、図3に示されるいわゆる2ストロークエンジンを使用することができる(図2と対応する構成要素については同一の符号を付している)。
2ストロークエンジンのエンジン本体210は、上述の4ストロークエンジンと同様に、燃焼室211における燃料の燃焼によってピストン215を直線上に駆動し、それをクランクシャフト216の回転動力に変換するものである。両タイプのエンジンにおいて主要な構造はほとんど共通であるが、2ストロークエンジンでは、エンジン本体210においてクランクシャフト216を収容するクランクケース218と燃焼室211を連結する掃気路219が設けられている点が一つの違いである。
ピストン215が下降している図示の状態において、クランクケース218、掃気路219、燃焼室211、排気路230を通る経路は気体が流通可能となっており、クランクケース218内の新しい空気が、掃気路219を通じて燃焼室211に流入するとともに、その勢いで燃焼後の気体を排気路230に排出する(掃気)。
それに続いてピストン215が上昇すると、掃気路219および排気路230を閉塞し、燃焼室211が密閉されてその圧力が上昇する。そして、高圧になった燃焼室211内に燃料供給ノズル212から燃料を供給することにより燃焼が引き起こされ、ピストン215を再び下降させる動力が発生する。一方、ピストン215の上昇時にはクランクケース218と吸気路220が連通し、新しい空気が吸気路220からクランクケース218内に流入する。このように、ピストン215の上昇時には、燃焼室211における燃焼とクランクケース218における吸気が同時に行われる。
以上のように、2ストロークエンジンにおいては、ピストン215の一回の下降と一回の上昇の合計2ストロークで1サイクルが完了する。このような2ストロークエンジンにおいて、図2に示される過給器240を使用すると、ピストン215上昇時におけるクランクケース218への吸気と、ピストン215下降時における燃焼室211への掃気の圧力を高めることができる。
なお、2ストロークエンジンとしては、特許文献2に開示されているような掃気用の空気を収容する掃気レシーバを有するものを使用してもよい。この場合、図3についての上記の掃気の説明と同様に、ピストン(41:特許文献2中の符号(以下同じ))が下降している状態において、掃気レシーバ(2)、クランクケース218および掃気路219に対応する掃気口(17)、燃焼室211に対応するシリンダ(1)、排気路230に対応する排気ダクト(6)を通る経路は気体が流通可能となっており、掃気レシーバ内の新しい空気が、掃気口を通じてシリンダに流入するとともに、その勢いで燃焼後の気体を排気ダクトに排出する掃気動作が行われる。また、このような構成において過給器240を使用すると、掃気レシーバ内の掃気の圧力を高めることができる。
上記のように本実施の形態は、様々なタイプのエンジン200に対して適用することができるが、特に定格回転数が毎分1000回転以下の船舶用のエンジンに対して使用するのが好適である。一般的に、船舶用のエンジンは車両用のエンジンと比較して上記のような低い定格回転数で駆動される。そして、特に大型の船舶においては、エンジンで発生された動力が船舶の実際の動きに反映されるまでに時間を要するため、正確なエンジン駆動が求められる。このように、船舶用のエンジンにおいては、エンジンの特性変化や状態を高精度に推定して正確な駆動を行う要求が高く、本実施の形態のエンジン特性推定装置100を使用するのが好ましい。
ここで、エンジン特性推定装置100によって推定を行うエンジン200の特性としては以下のものが例示される。
・燃焼効率:燃焼室211における燃焼の効率。熱効率とも呼ばれる。
・動力伝達効率:エンジン本体210で発生したトルクに対する、各機械部分での損失を差し引いた実効トルクの比。機械伝達効率とも呼ばれる。
・動特性:複数のパラメータ間の時間を考慮した関係。温度変化に対する圧力の応答性等。
・過給器240の効率:コンプレッサ241の効率、タービン242の効率等。
・外乱影響:エンジン200が吸入する外気の温度(大気温)、圧力(大気圧)、船舶用エンジンにあっては駆動対象であるプロペラから流入する波等による負荷等。
なお、上記の外乱は、実際のエンジン200の動作に大きな影響を及ぼす重要なものであり、かつ図4に関して後述する数学モデルにおいては他の特性と同等に扱うことができる。
以上で例を挙げて説明したエンジン200において、その特性推定や制御に使用する状態パラメータX0は例えば以下の各パラメータにより構成することができる。
エンジン本体210の動作に関するパラメータ:
・クランクシャフト216の回転数(エンジン本体210の回転数Ne)
・排気路230から排出される気体の温度(エンジン本体210の排気温Tex)
・排気路230から排出される気体の圧力(エンジン本体210の排気圧Pex)
・排気路230から排出される気体の流量(エンジン本体210の排気量Gex)
過給器240の動作に関するパラメータ:
・コンプレッサ241、タービン242、軸243の回転数(過給器240の回転数Ntc)
・掃気動作を行わない図2の4ストロークエンジン等において過給器240を介して吸気路220から燃焼室211に供給される空気の温度(過給器240の給気温Tb)
・掃気動作を行わない図2の4ストロークエンジン等において過給器240を介して吸気路220から燃焼室211に供給される空気の圧力(過給器240の給気圧Pb)
・掃気動作を行わない図2の4ストロークエンジン等において過給器240を介して吸気路220から燃焼室211に供給される空気の流量(過給器240の給気量Gb)
・掃気動作を行う図3や特許文献2等の2ストロークエンジンにおいて、掃気路219から燃焼室211に供給される空気の圧力や掃気レシーバ内の空気の温度(過給器240の掃気温Ts)
・掃気動作を行う図3や特許文献2等の2ストロークエンジンにおいて、掃気路219から燃焼室211に供給される空気の圧力や掃気レシーバ内の空気の圧力(過給器240の掃気圧Ps)
・掃気動作を行う図3や特許文献2等の2ストロークエンジンにおいて、掃気路219から燃焼室211に供給される空気の圧力や掃気レシーバ内の空気の流量(過給器240の掃気量Gs)
なお、過給器240が設けられない場合、燃焼室211への給気(4ストロークエンジンの場合)および燃焼室211への掃気(2ストロークエンジンの場合)は、エンジン本体210の動作となるため、上記の給気温Tb、給気圧Pb、給気量Gb、掃気温Ts、掃気圧Ps、掃気量Gsは、それぞれエンジン本体210の動作に関するパラメータとなる。
上記の各パラメータは、いずれも適当なセンサを設けることにより測定可能であるが、実際のエンジン200ではコストや設置上の制約により全てのパラメータを測定するのは現実的ではなく、一部のパラメータX0´が測定され、オブザーバ120への入力とされる。測定するパラメータX0´の選択はエンジンシステムの制御目標や仕様に応じて適宜決定することができるが、例えば、以下のような基準で選択することが好ましい。
エンジン本体210の動作に関するパラメータ(エンジン本体データ)および過給器240の動作に関するパラメータ(過給器データ)からそれぞれ少なくとも一つのパラメータを測定する。エンジン本体データとしては、先に列挙した回転数Ne、排気温Tex、排気圧Pex、排気量Gexが例示される。過給器データとしては、先に列挙した回転数Ntc、給気温Tb(4ストロークエンジンの場合)、給気圧Pb(同前)、給気量Gb(同前)、掃気温Ts(2ストロークエンジンの場合)、掃気圧Ps(同前)、掃気量Gs(同前)が例示される。このように測定するパラメータを選択すれば、エンジン本体210と過給器240のそれぞれの測定データに基づき、エンジン200のシステム全体の状態をオブザーバ120で高精度に推定することができる。
他の基準として、エンジン200の機械的な動作に関するパラメータ(機械的データ)およびエンジン200の熱力学的状態に関するパラメータ(熱力学的データ)からそれぞれ少なくとも一つのパラメータを測定する。機械的データとしては、先に列挙したエンジン本体210の回転数Ne、過給器240の回転数Ntcが例示される。熱力学的データとしては、先に列挙した、排気温Tex、排気圧Pex、排気量Gex、給気温Tb(4ストロークエンジンの場合)、給気圧Pb(同前)、給気量Gb(同前)、掃気温Ts(2ストロークエンジンの場合)、掃気圧Ps(同前)、掃気量Gs(同前)が例示される。このように測定するパラメータを選択すれば、機械的データと熱力学的データのそれぞれの測定データに基づき、オブザーバ120はエンジン200の機械的側面と熱力学的側面を考慮して高精度に状態を推定することができる。
実際の設計においては、上記の二つの基準を同時に満たす測定パラメータを選択するのが最適である。例えば、エンジン本体210の回転数Neと、過給器240の掃気圧Psを測定パラメータとして選択するとよい。ここで、回転数Neはエンジン本体データかつ機械的データであり、掃気圧Psは過給器データかつ熱力学的データであり、上記の二つの基準を同時に満たしている。
なお、エンジン200への駆動入力である1燃焼当たりの燃料供給量Uは、エンジン本体210の回転数Neの測定データに基づいて設定される。すなわち、エンジン本体210の目標回転数をNe0としたときに、測定値であるNeと目標値であるNe0の差分が演算され、その差分が少なくなるような1燃焼当たりの燃料供給量Uが所定のテーブルやアルゴリズムに基づいて設定される。
続いて、図4を参照して、シミュレータ110とオブザーバ120の構成を説明する。
シミュレータ110は、エンジン200に供給される1燃焼当たりの燃料供給量Uを入力として、第1計算モデルに基づき、n個の要素を持つベクトルとしての第1エンジン状態パラメータX1=(X11、X12、・・・、X1n)を計算する。ここで、第1エンジン状態パラメータX1とエンジン200の状態パラメータX0の要素数は等しく、X1の各要素はX0の各要素の推定値となる。例えば、エンジン200の状態パラメータX0の第1要素X01が回転数Ne、第2要素X02が掃気圧Psである場合、第1エンジン状態パラメータX1の第1要素X11は回転数Neの推定値、第2要素X12は掃気圧Psの推定値となる。
シミュレータ110の第1計算モデルは、エンジン200の所定の基準時点のエンジンの特性を表しており、その基準時点のエンジン200の状態パラメータX0をシミュレートするものである。ここで、第1計算モデルを設定する際には、エンジン200への外乱がない理想的な状態を前提としているため、計算結果としての第1エンジン状態パラメータX1は、基準時点におけるエンジン200の理想的な状態パラメータX0を表す。第1計算モデルを規定する基準時点としては、典型的には、エンジン200の初期時点が選択される。この場合、第1エンジン状態パラメータX1は、初期状態から特性劣化のない理想的なエンジン200が外乱のない状態に置かれた場合の理想的な状態パラメータX0をシミュレートしたものとなる。
続いて、エンジン200の状態空間表現と、それに対応する状態空間表現を持つオブザーバ120について説明する。図4において、エンジン200はシステム係数行列Aによって定義される線形システムであるとする。具体的には、エンジン200の状態は以下の式により記述される。
dX0/dt=A・X0+B・U
X0´=C・X0
ここで、各パラメータは以下を表す。
U:エンジン200への燃料供給量
X0:エンジン200の状態パラメータ
X0´:オブザーバ120への入力(上述の通り、状態パラメータX0に含まれる一部の動作パラメータを測定したもの)
A:エンジン200のシステム係数行列
B:Uをシステムに入力する入力ベクトル
C:X0からX0´を抽出する出力ベクトル
なお、図示されているエンジン200の状態空間表現は上記の式を表したものであ
る。
オブザーバ120は、上記のエンジン200と同様の状態空間表現を持つ。すなわち、オブザーバ120はエンジン200と同一のシステム係数行列A、入力ベクトルB、出力ベクトルCを持つ。エンジン200との大きな違いは、エンジン200の動作データX0´がオブザーバゲインHを介してオブザーバ120に入力される点である。このように、オブザーバ120は、システム係数行列AおよびオブザーバゲインHによって定義される第2計算モデルを持ち、1燃焼当たりの燃料供給量Uと動作データX0´を入力として、第2エンジン状態パラメータX2を計算する。
第2エンジン状態パラメータX2はn個の要素(X21、X22、・・・、X2n)を持つベクトルである。上述した第1エンジン状態パラメータX1と同様に、第2エンジン状態パラメータX2とエンジン200の状態パラメータX0の要素数は等しく、X2の各要素はX0の各要素の推定値となる。例えば、エンジン200の状態パラメータX0の第1要素X01が回転数Ne、第2要素X02が掃気圧Psである場合、第2エンジン状態パラメータX2の第1要素X21は回転数Neの推定値、第2要素X22は掃気圧Psの推定値となる。
ある基準時点における理想的な状態パラメータX1を計算するシミュレータ110と異なり、オブザーバ120はエンジン200のリアルタイムの状態パラメータX2を計算する。なお、エンジン200の全ての状態パラメータX0が測定される場合はオブザーバ120を設ける必要はないが、全パラメータを測定するのは現実的ではないため、オブザーバ120を用いて状態パラメータX2の推定を行う。
なお、上記ではエンジン200が線形システムである場合を例にとって説明したが、非線形システムである場合も同様にオブザーバ120を構成することができる。すなわち、オブザーバ120は、エンジン200のシステム特性を表す要素(図4の例ではシステム係数行列)を第2計算モデル中に含んでいればよく、エンジン200が線形システムであるか非線形システムであるかは本実施の形態において本質的ではない。
図5は、エンジン特性推定部130の構成を示す模式図である。エンジン特性推定部130は、差分演算部131と、絶対値演算部132と、重み付け演算部133と、加算部134と、閾値比較部135とを備え、差分演算部131における差分演算結果をエンジン200の特性推定出力とするものである。
差分演算部131は、第1エンジン状態パラメータX1と第2エンジン状態パラメータX2の差分を演算する。具体的には、X1およびX2の要素数nと等しい個数の差分器131-1、131-2、…、131―nを有する。各差分器は、X1とX2の対応するパラメータの差分e1、e2、…、enを演算する。上述の例のように、状態パラメータX0の第1要素X01が回転数Ne、第2要素X02が掃気圧Psである場合、第1の差分器131-1は、それぞれ回転数Neの推定値であるX11とX21の差分e1を演算し、第2の差分器131-2は、それぞれ掃気圧Psの推定値であるX12とX22の差分e2を演算する。これらの差分演算結果e1、e2、…、enは、エンジン200の特性推定出力として後段の計算モデル更新部140に供給される。
絶対値演算部132、重み付け演算部133、加算部134、閾値比較部135は、その一連の演算結果に応じて、後段の計算モデル更新部140における計算モデル更新処理のトリガーをかけるものである。
絶対値演算部132は、差分演算部131からの差分e1、e2、…、enのそれぞれの絶対値を演算する。
重み付け演算部133は、絶対値演算部132からのn個の演算結果に対して、所定の重みw1、w2、…、wnを乗算する。ここで、それぞれの重みは、本実施の形態におけるエンジン特性推定における各パラメータの重要度に応じて適宜設定されるものである。例えば、上述の例において、第1パラメータである回転数Neが第2パラメータである掃気圧Psよりもエンジン特性推定において重視される場合は、第1の重みw1を第2の重みよりも大きく設定するとよい。
加算部134は、重み付け演算部133からのn個の演算結果を加算する。
閾値比較部135は、加算部134からの演算結果を所定の閾値と比較する。加算部134からの演算結果が閾値を超えた場合、後段の計算モデル更新部140における計算モデル更新処理のトリガー信号Tを生成する。
以上のように、差分演算部131からの差分e1、e2、…、enに関して所定の基準が満たされた場合のみ計算モデル更新部140へのトリガー信号Tが生成されるので、計算モデル更新処理の頻度が高くなりすぎるのを防止し、システムの安定性を向上させることができる。なお、閾値比較部135は、加算部134からの演算結果が閾値を超える状態が所定時間継続した場合にトリガー信号Tを生成するように構成することもできる。この場合、瞬間的な異常値によってトリガー信号Tが生成されることがなくなるので、システムの安定性が更に向上する。
なお、上記の絶対値演算部132、重み付け演算部133、加算部134、閾値比較部135という一連の構成は一例に過ぎず、差分演算部131の差分演算結果e1、e2、…、enに基づいて、計算モデル更新部140へのトリガー信号Tを生成するものであれば様々な構成を採用することができる。例えば、複数の差分演算結果のうち、ある一つの差分演算結果(例えばe2)のみが重要な場合は、他の差分演算結果は考慮せずにその大きさだけに基づいてトリガー信号Tを生成してもよい。この場合、重み付け演算部133や加算部134を設ける必要がなくなる。
図1に戻り、計算モデル更新部140は、エンジン特性推定部130からのトリガー信号Tを受け、エンジン特性推定部130からの特性推定出力e1、e2、…、enを入力として、所定のアルゴリズムに基づきオブザーバ120の第2計算モデルを更新する。図4において説明したように、第2計算モデルはシステム係数行列AとオブザーバゲインHを含む計算モデルである。ここで、計算モデル更新部140は所定のアルゴリズムに基づき、システム係数行列AおよびオブザーバゲインHの少なくとも一つを更新する。行列であるシステム係数行列AとベクトルであるオブザーバゲインHはそれぞれ複数の要素を持つので、その少なくとも一つの要素を更新すればよい。
特にエンジン200の経年劣化や吸気温度等の外部環境の変化による特性変化に対応する場合は、システム係数行列Aを更新するのが好ましい。エンジン200の特性が変化している場合、すなわち上記で例示したような燃焼効率、動力伝達効率、動特性、過給器効率、外乱影響等が変化している場合は、図4におけるエンジン200のシステム係数行列Aが変化してしまっているので、その変化に合わせてオブザーバ120のシステム係数行列Aを更新すればよい。これにより、オブザーバ120の第2計算モデルがエンジン200の特性を反映するものとなるため、オブザーバ120によるエンジン200の状態推定精度を向上させることができる。
なお、計算モデル更新部140による計算モデル更新処理に使用されるアルゴリズムは、オブザーバ120の第2計算モデルが実際のエンジン200の特性をよりよく反映することを目標として適宜設計することができる。単純な例としては、次のような試行錯誤型のアルゴリズムが挙げられる。このアルゴリズムでは、予め用意されている複数の更新処理のオプションを順次試し、特性推定出力e1、e2、…、enが最も改善したオプションを採用する。また、アルゴリズムは予めプログラムされたものに限らず、実際の処理結果に応じた機械学習により更新可能なものとしてもよい。
計算モデル更新モード実行部150は、計算モデル更新部140による第2計算モデルの更新を行うための更新モードを実行する。更新モードが実行されていない間は、エンジン特性推定部130からトリガー信号Tが生成されていても計算モデル更新部140は第2計算モデルの更新を行わない。一方、更新モードが実行されている間に、エンジン特性推定部130からトリガー信号Tが生成されると、計算モデル更新部140は特性推定出力e1、e2、…、enに基づき第2計算モデルの更新を行う。なお、更新モードは、ユーザ操作に基づいて実行することもできるし、所定頻度で自動的に実行することもできる。このような専用の更新モードを設けることにより、計算モデル更新処理の頻度が高くなりすぎるのを防止し、システムの安定性を向上させることができる。一方で、このような専用の更新モードを設けず、任意の時点においてエンジン特性推定部130からのトリガー信号Tに基づいて第2計算モデルの更新処理が随時行われる構成とすることももちろん可能である。
図6は、以上の構成を有するエンジン特性推定装置100によるエンジン特性推定の処理フローを示す。
ステップS10では、計算モデル更新モード実行部150によって更新モードが実行されているかどうかが判定される。
更新モードが実行されている場合、ステップS21においてシミュレータ110が第1エンジン状態パラメータX1を計算し、それと並行するステップS22においてオブザーバ120が第2エンジン状態パラメータX2を計算する。
ステップS30では、エンジン特性推定部130が、第1エンジン状態パラメータX1と第2エンジン状態パラメータX2の各要素の差分e1、e2、…、en(特性推定出力)を演算する。
ステップS40では、エンジン特性推定部130が、特性推定出力e1、e2、…、enに基づき計算モデル更新部140に対するトリガー信号Tを生成したかどうかが判定される。
トリガー信号Tが生成された場合、ステップS50において、計算モデル更新部140が、特性推定出力e1、e2、…、enに基づきオブザーバ120の第2計算モデルの更新を行う。
図7は、以上で説明したエンジン特性推定装置100によるエンジン特性推定の一例を示す模式図である。図1と同様に、エンジン200、シミュレータ110、オブザーバ120を、エンジン200の状態パラメータを出力とするブロックとして示している。また、以下の説明は、エンジン200への外乱の影響がない理想的な状態を前提にして行うが、本実施の形態は外乱がある場合にも同様に適用可能である。
図7(A)は、エンジン200の初期状態を示す。
エンジン200は、その初期状態の特性を表すシステム係数行列A0によって記述され、1燃焼当たりの燃料供給量Uの入力に対して状態パラメータX0を出力する。
シミュレータ110は、初期状態のエンジン200の特性を表す第1計算モデルに基づいて、1燃焼当たりの燃料供給量Uの入力から第1エンジン状態パラメータを計算する。シミュレータ110は、初期状態のエンジン200を正確に再現するものであり、その出力である第1エンジン状態パラメータは、上記の初期状態におけるエンジン200の状態パラメータX0と一致する。
オブザーバ120は、初期状態のエンジン200と同一のシステム係数行列A0を含む第2計算モデルに基づいて、1燃焼当たりの燃料供給量Uおよび動作データX0´の入力から第2エンジン状態パラメータを計算する。ここで、オブザーバ120はシステム係数行列A0に基づいてエンジン200の初期状態を推定するものであり、その推定精度を100%と仮定すれば、第2エンジン状態パラメータは上記の初期状態におけるエンジン200の状態パラメータX0と一致する。
したがって、図7(A)の初期状態においては、エンジン200、シミュレータ110、オブザーバ120の出力が一致している。そして、シミュレータ110およびオブザーバ120の出力の差分を演算する差分演算部131の出力はゼロとなる。
図7(B)は、初期状態から時間が経過して、劣化によりエンジン200の特性が変化した状態を示す。
エンジン200のシステム係数行列は、エンジン200の劣化のため、初期状態のA0からA1に変化しているものとする。また、システム係数行列の変化によって、その状態パラメータも初期状態のX0からXに変化している。
シミュレータ110の第1計算モデルは初期状態から変わらない。また、シミュレータ110への入力である1燃焼当たりの燃料供給量Uはエンジン200の劣化とは無関係の駆動入力量であるため、シミュレータ110の出力である第1エンジン状態パラメータは、初期状態から変わらずX0で表される。
オブザーバ120の第2計算モデルも初期状態から変わらず、エンジン200の初期状態のシステム係数行列A0を含んでいる。一方、エンジン200からオブザーバ120に入力される動作データX´はエンジン200の劣化の影響を受けているため、初期状態におけるオブザーバ120への入力X0´から変化している。この結果、オブザーバ120の出力である第2エンジン状態パラメータは、初期状態のX0とは異なるX2に変化している。
このように、図7(B)に示される劣化状態においては、第1エンジン状態パラメータX1(X0に等しい)と第2エンジン状態パラメータX2(X0と異なる)に乖離が生じ、差分演算部131の出力がゼロではなくなる(X2-X0)。このように、本実施の形態のエンジン特性推定装置100によれば、この乖離に基づいてエンジン200の劣化、すなわちシステム係数行列のA0からA1への変化を推定することができる。
図7(C)は、図7(B)で推定されたエンジン200の劣化を踏まえ、計算モデル更新部140がオブザーバ120の更新処理を行った状態を示す。計算モデル更新部140は、劣化状態で計算された上記の乖離データX2-X0に基づいて、エンジン200の劣化後のシステム係数行列A1を推定し、オブザーバ120の第2計算モデル中のシステム係数行列をA0からA1に更新する。これによってオブザーバ120のシステム係数行列が、劣化後のエンジン200の特性を反映したものとなり、オブザーバ120によるエンジン200の推定精度が向上する。ここで、推定精度が100%であると仮定すると、オブザーバ120の出力はエンジン200の出力Xと完全に一致する。
以上のように、本実施の形態のエンジン特性推定装置100によれば、エンジン200の劣化を推定し、それに基づきオブザーバ120の更新処理を行うことにより、エンジン200の状態推定精度を向上させることができる。
なお、図7(C)の更新状態において、オブザーバ120の出力Xとシミュレータ110の出力X0との間に定常的な乖離X-X0が生じることになるが問題ない。更新状態後、乖離がX-X0に留まっていればエンジン200に更なる劣化が生じていないということが分かるので、計算モデル更新部140による更なる計算モデル更新を行う必要はなく、その状態で正常にシステムを運用することができる。一方、エンジン200に更なる劣化が生じ、乖離がX-X0から更に変化した場合は、計算モデル更新部140による更なる計算モデル更新を行うことで、オブザーバ120のシステム係数行列が最新のエンジン200の特性を反映したものとすることができる。
なお、図7(A)においては、初期状態においてシミュレータ110とオブザーバ120の出力が一致する場合を例に挙げて説明したが、異なっていても構わない。ここで、シミュレータ110の初期出力をX0、オブザーバ120の初期出力をXと置けば、初期状態の乖離はX―X0と表される。これは、図7(C)に関して説明した定常的な乖離X-X0が存在する状況と実質的に同じである。
また、上記のような定常的な乖離を見かけ上なくすために、シミュレータ110の第1計算モデルを更新することも可能である。すなわち、図7(A)の初期時点や、図7(C)の更新時点等の所定の基準時点において、シミュレータ110の第1エンジン状態パラメータX1とオブザーバ120の第2エンジン状態パラメータX2との間に定常的な乖離X2―X1が存在する場合、シミュレータ110の第1計算モデルを更新することにより、シミュレータ110の出力をX1からX2に補正する。これにより、シミュレータ110およびオブザーバ120の出力がいずれもX2となるため、上記の定常的な乖離を見かけ上なくすことができる。
このようにシミュレータ110の第1計算モデルの更新を行う場合であっても、初期状態に対応する第1計算モデルは保持し続けることが好ましい。初期状態はエンジン200の特性推定や制御を行う上での絶対的な基準となる状態であるので、常に参照できるようにしておくとよい。例えば、図7(C)の更新状態において、シミュレータ110の第1計算モデルの更新を行う場合、初期状態に対応した第1計算モデルはそのまま保持し、更新状態に対応した新たな第1計算モデルを追加することができる。この場合、シミュレータ110は初期状態に対応した第1エンジン状態パラメータと、更新状態に対応した第1エンジン状態パラメータをそれぞれ計算する。そして、差分演算部131において、それぞれの第1エンジン状態パラメータと、第2エンジン状態パラメータの差分を演算することにより、エンジン200の初期状態からの劣化と、更新状態からの劣化をそれぞれ推定することができる。
以上で説明した内容に加え、本実施の形態は例えば以下の作用や効果を奏する。
シミュレータ110の計算で使用される1燃焼当たりの燃料供給量Uは、経年劣化や吸気温度等の外部環境の変化によるエンジン200の特性変化の影響を受けないデータであるため、その計算結果である第1エンジン状態パラメータX1はエンジン200の特性変化の影響を受けない。これに対して、オブザーバ120の計算で使用されるエンジン200の動作データは、エンジン200の特性変化の影響を受けるデータであるため、その計算結果である第2エンジン状態パラメータX2はエンジン200の特性変化の影響を受ける。このようにエンジン特性変化の影響が異なる二種類のエンジン状態パラメータX1、X2の差分である特性推定出力を用いることにより、エンジン特性推定部130はエンジン200の特性変化(システム係数行列のA0からA1への変化)を高精度に推定することができる。なお、エンジン200の特性変化がない場合でも、計算モデルの異なる二つの計算部を併用することにより、エンジン200の状態を高精度に推定することができる。
シミュレータ110の第1計算モデルおよびオブザーバ120の第2計算モデルとして、エンジン200の初期状態の特性を表すものを使用することにより、エンジン200の初期状態からの特性変化を効果的に推定することができる。
エンジン特性推定部130で推定されたエンジン200の特性に基づきオブザーバ120の第2計算モデルを更新する計算モデル更新部140を設けることにより、エンジン200が劣化した場合であっても、オブザーバ120によるエンジン200の状態推定の精度を高く維持することができる。
第1エンジン状態パラメータX1および第2エンジン状態パラメータX2を構成するパラメータの中には非線形性を示すものも存在するが、その差分を演算することにより非線形性を低減することができる場合がある。本実施の形態では、差分演算部131が、第1エンジン状態パラメータX1と第2エンジン状態パラメータX2の差分を演算することにより、非線形性を低減した扱いやすい形に変換してエンジン200の特性推定を行うことができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、エンジン特性推定部130が、第1エンジン状態パラメータX1と第2エンジン状態パラメータX2の差分を演算する差分演算部131を備え、当該差分に基づいてエンジン200の特性を推定する構成としたが、それ以外の演算に基づいてエンジン200の特性を推定する構成としてもよい。例えば、シミュレータ110とオブザーバ120の入力データと計算モデルが違うことから、X1とX2の単純な差分を用いたのでは推定精度を最大化できない可能性もある。その場合、両者の入力データと計算モデルの違いを踏まえてエンジン特性推定部130において特性推定の演算を行う関数を最適化することができる。このような関数を一般化してf(X1、X2)と置けば、エンジン特性推定部130は、X1とX2を入力として特性推定出力f(X1、X2)を出力する演算部と捉えることができる。実施の形態で説明した差分演算の例においては、f(X1、X2)=X2-X1である。
実施の形態では、第1計算モデルにより第1エンジン状態パラメータX1を計算する第1計算部としてのシミュレータ110と、第2計算モデルにより第2エンジン状態パラメータX2を計算する第2計算部としてのオブザーバ120と、X1およびX2に基づいてエンジン200の特性を推定するエンジン特性推定部130とを備えるエンジン特性推定装置100について説明したが、エンジン特性推定部130を設けずに、シミュレータ110とオブザーバ120によってエンジン200の状態を推定するエンジン状態推定装置を構成することもできる。このエンジン状態推定装置によれば、計算モデルの異なる二つの計算部を併用することにより、エンジン200の状態を高精度に推定することができる。例えば、エンジン200の状態パラメータとして掃気圧を推定する場合、その推定値がシミュレータ110からの第1エンジン状態パラメータX1およびオブザーバ120からの第2エンジン状態パラメータX2の両者に含まれているので、その二つの推定値の平均値等を演算することにより掃気圧を高精度に推定することができる。一般化すれば、各計算モデルの違いを踏まえてエンジン200の状態推定用に最適化された関数g(X1、X2)を用意し、X1とX2を入力として状態推定出力g(X1、X2)を出力する演算部としてのエンジン状態推定部を構成すればよい。上記の平均値を演算する例においては、g(X1、X2)=(X1+X2)/2である。また、エンジン状態推定部はX1とX2の瞬時データのみならず、過去の一定期間のX1とX2の履歴データも含めてg(X1、X2)による演算を行う構成としてもよい。
なお、実施の形態で説明した各装置の機能構成はハードウェア資源またはソフトウェア資源により、あるいはハードウェア資源とソフトウェア資源の協働により実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。
本明細書で開示した実施の形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
100…エンジン特性推定装置、110…シミュレータ、120…オブザーバ、130…エンジン特性推定部、131…差分演算部、140…計算モデル更新部、150…計算モデル更新モード実行部、200…エンジン、210…エンジン本体、220…吸気路、230…排気路、240…過給器、X1…第1エンジン状態パラメータ、X2…第2エンジン状態パラメータ。

Claims (21)

  1. エンジンの特性を表す第1計算モデルと、任意の時点において前記エンジンに供給される燃料供給量とに基づいて、前記エンジンの状態変数である第1エンジン状態パラメータを計算する第1計算部と、
    前記エンジンの特性を表す前記第1計算モデルと異なる第2計算モデルと、前記任意の時点において駆動されている前記エンジンの動作に関する動作データとに基づいて、前記エンジンの状態変数である第2エンジン状態パラメータを計算する第2計算部と、
    前記第1エンジン状態パラメータおよび前記第2エンジン状態パラメータに基づいて、前記任意の時点における前記エンジンの特性を推定するエンジン特性推定部と
    を備えるエンジン特性推定装置。
  2. 前記第1計算モデルは、前記エンジンの初期状態の特性を表す
    請求項1に記載のエンジン特性推定装置。
  3. 前記エンジン特性推定部で推定された前記エンジンの特性に基づき前記第2計算モデルを更新する計算モデル更新部を備える
    請求項1または2に記載のエンジン特性推定装置。
  4. 前記第2計算モデルは、前記第2計算部の特性を表すシステム係数行列を含み、
    前記計算モデル更新部は、前記システム係数行列中の少なくとも一つの要素を更新する
    請求項3に記載のエンジン特性推定装置。
  5. 前記エンジン特性推定部は、前記第1エンジン状態パラメータと前記第2エンジン状態パラメータの差分を演算する差分演算部を備え、当該差分に基づいて前記エンジンの特性を推定し、
    前記計算モデル更新部は、前記差分が所定の閾値を超えた場合に前記第2計算モデルを更新する
    請求項3または4に記載のエンジン特性推定装置。
  6. 前記計算モデル更新部は、前記差分が前記閾値を超える状態が所定時間継続した場合に前記第2計算モデルを更新する
    請求項5に記載のエンジン特性推定装置。
  7. 前記計算モデル更新部による前記第2計算モデルの更新を行うための更新モードを実行する計算モデル更新モード実行部を備え、
    前記計算モデル更新部は、前記更新モード中に前記エンジン特性推定部で推定された前記エンジンの特性に基づき、前記第2計算モデルを更新する
    請求項3から6のいずれかに記載のエンジン特性推定装置。
  8. 前記エンジン特性推定部は、前記エンジンの特性として、燃焼効率、動力伝達効率、動特性、エンジン本体に流入する空気の圧力を高める過給器の効率、エンジンへの外乱影響の少なくとも一つを推定する
    請求項1から7のいずれかに記載のエンジン特性推定装置。
  9. 前記エンジン特性推定部は、前記第1エンジン状態パラメータと前記第2エンジン状態パラメータの差分を演算する差分演算部を備え、当該差分に基づいて前記エンジンの特性を推定する
    請求項1から8のいずれかに記載のエンジン特性推定装置。
  10. 前記差分演算部は、複数の差分器を備え、
    当該複数の差分器は、前記第1エンジン状態パラメータに含まれる複数のパラメータと、それらに対応する前記第2エンジン状態パラメータに含まれる複数のパラメータのそれぞれの差分を演算する
    請求項9に記載のエンジン特性推定装置。
  11. 前記動作データは、エンジン本体の動作に関するエンジン本体データと、前記エンジン本体に流入する空気の圧力を高める過給器の動作に関する過給器データとを含む
    請求項1から10のいずれかに記載のエンジン特性推定装置。
  12. 前記エンジン本体データは、前記エンジン本体の回転数、排気温、排気圧、排気量の少なくとも一つを含む
    請求項11に記載のエンジン特性推定装置。
  13. 前記過給器データは、前記過給器の回転数、給気温、給気圧、給気量、掃気温、掃気圧、掃気量の少なくとも一つを含む
    請求項11または12に記載のエンジン特性推定装置。
  14. 前記動作データは、前記エンジンの機械的な動作に関する機械的データと、前記エンジンの熱力学的状態に関する熱力学的データとを含む
    請求項1から13のいずれかに記載のエンジン特性推定装置。
  15. 前記機械的データは、エンジン本体の回転数、前記エンジン本体に流入する空気の圧力を高める過給器の回転数の少なくとも一つを含む
    請求項14に記載のエンジン特性推定装置。
  16. 前記熱力学的データは、排気温、排気圧、排気量、給気温、給気圧、給気量、掃気温、掃気圧、掃気量の少なくとも一つを含む
    請求項14または15に記載のエンジン特性推定装置。
  17. 前記第2計算部は、前記動作データに加え前記燃料供給量に基づいて前記第2エンジン状態パラメータを計算する
    請求項1から16のいずれかに記載のエンジン特性推定装置。
  18. 前記エンジンは、定格回転数が毎分1000回転以下の船舶用のエンジンである
    請求項1から17のいずれかに記載のエンジン特性推定装置。
  19. エンジンの特性を表す第1計算モデルと、任意の時点において前記エンジンに供給される燃料供給量とに基づいて、前記エンジンの状態変数である第1エンジン状態パラメータを計算する第1計算ステップと、
    前記エンジンの特性を表す前記第1計算モデルと異なる第2計算モデルと、前記任意の時点において駆動されている前記エンジンの動作に関する動作データとに基づいて、前記エンジンの状態変数である第2エンジン状態パラメータを計算する第2計算ステップと、
    前記第1エンジン状態パラメータおよび前記第2エンジン状態パラメータに基づいて、前記任意の時点における前記エンジンの特性を推定するエンジン特性推定ステップと
    を有するエンジン特性推定方法。
  20. エンジンの特性を表す第1計算モデルと、任意の時点において前記エンジンに供給される燃料供給量とに基づいて、前記エンジンの状態変数である第1エンジン状態パラメータを計算する第1計算ステップと、
    前記エンジンの特性を表す前記第1計算モデルと異なる第2計算モデルと、前記任意の時点において駆動されている前記エンジンの動作に関する動作データとに基づいて、前記エンジンの状態変数である第2エンジン状態パラメータを計算する第2計算ステップと、
    前記第1エンジン状態パラメータおよび前記第2エンジン状態パラメータに基づいて、前記任意の時点における前記エンジンの特性を推定するエンジン特性推定ステップと
    をコンピュータに実行させるエンジン特性推定プログラム。
  21. エンジンの特性を表す第1計算モデルと、任意の時点において前記エンジンに供給される燃料供給量とに基づいて、前記エンジンの状態変数である第1エンジン状態パラメータを計算する第1計算部と、
    前記エンジンの特性を表す前記第1計算モデルと異なる第2計算モデルと、前記任意の時点において駆動されている前記エンジンの動作に関する動作データとに基づいて、前記エンジンの状態変数である第2エンジン状態パラメータを計算する第2計算部と、
    前記第1エンジン状態パラメータおよび前記第2エンジン状態パラメータに基づいて、前記任意の時点における前記エンジンの状態を推定するエンジン状態推定部と
    を備えるエンジン状態推定装置。
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