JP2022015817A - 電動アクチエータ - Google Patents

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昭則 北村
Akinori Kitamura
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Abstract

【課題】ウイング扉の手動閉操作を低所において簡便に行うことのできる電動アクチエータを提供する。【解決手段】箱形の荷室を備えた車両に装備され、荷室のウイング扉をネジ軸28の進退動作によって開閉する電動アクチエータにおいて、ネジ軸28を進退動作する駆動源としてのモータ25と、モータ25のロータパイプ31に制動力を付与するブレーキ機構41と、ブレーキ機構41によるロータパイプ31の制動を解除する操作ワイヤを備え、操作ワイヤの操作口を低所位置に設置できるようにした。【選択図】図4

Description

本発明は、箱形の荷室を備えた車両において、荷室を構成するパネルを、無電力で開状態から閉状態とすることのできる装置構造に関する。
従来から荷役作業効率化のため、荷室の側面(以下、サイドパネルという)全面を開放し、荷物の積み下ろし作業が行える所謂、ウイングボディの車両(以下、ウイング車という)が広く利用されている。
ウイング車は一般的に、荷室のサイドパネルの上半分が屋根としてのルーフパネルと一体で上に持ち上がるウイング扉構造をなす。ウイング扉はロープや滑車を用いて人力で開閉するものや、油圧シリンダからなるアクチエータを利用して開閉するものが知られている。
しかし、油圧シリンダからなるアクチエータを用いた場合、油圧シリンダに油圧を供給するための配管や、油圧ポンプを駆動するためのモータが必要となることからウイング扉を開閉する装置構造が複雑化し、煩雑な保守点検を必要とする。
そこで、油圧シリンダを用いたアクチエータに代えて、電動アクチエータを利用してウイング扉を開閉することもなされている(下記特許文献1参照)。
特許第5877811号
上記特許文献1記載の電動アクチエータは、直線状の形態を有するコンパクトな構造であり、車両の限られた搭載スペースに設置できる利点を有する。
また、ブレーキ機構を備えることで、電動アクチエータのモータへの通電が遮断されたときに自動的に制動力を作用させることができるので、停止位置の正確な保持を実現できる。
さらに、ブレーキ機構には、万一、電動アクチエータを構成するモータや通電系統等に故障が生じたときでも、ウイング扉を手動で動かすことのできる機構が具備されているので、故障したモータや通電系統を修理する目的で車両を整備工場に持ち込む際に、ウイング扉を確実に閉じた状態で安全に移動、および、積荷を一旦保護できる利点を有する。
前記ブレーキ機構は、図6のように構成されており、スリーブ状回転子103に固定されたブレーキ用ディスク161と、ブレーキ用ディスク161を収容するブレーキ作動体162を備える。ブレーキ作動体162は磁性体で製作され、ブレーキ用ディスク161を挟んで配置された2枚の円板の外周を連結した部材であり、一方の円板のブレーキ用ディスク161と対向する面に摩擦ライニング163が施されて、その円板が摩擦板を構成している。
このように構成されるブレーキ機構106には、ブレーキを手動で解除可能にする手動解除装置が設けられており、手動解除装置は、ブレーキ作動体162を押圧ばね164と反対方向に押すための押圧ボール166と、これを移動するため、ハウジング101のねじ穴に嵌め込まれ、ハウジング101の内方に収容された解除ねじ167からなる。
したがって、ウイング扉が開いた状態で電動アクチエータを構成するモータや通電系統などに故障が生じ、スリーブ状回転子103に制動力が作用したままとなった場合、ウイング扉を開けたまま整備工場まで車両を移動させることは非常に大きな危険を伴う。
これを防止するために、解除ねじ167をドライバーでハウジング101の中心に向けてねじ込むことで、押圧ボール166が解除ねじ167の先端の円錐体に押されて孔の中を図6の右方に移動し、ブレーキ作動体162を押圧ばね164に抗して移動させ、摩擦ライニング163とブレーキ用ディスク161を強制的に離間させる。
この結果、スリーブ状回転子103に作用する制動力が消失するため、ネジ軸104の拘束が解除されて、ウイング扉を手動で閉じることができ、安全な車両移動が可能となる。
然るに、上記特許文献1記載のブレーキ機構では、ウイング扉を閉じるために、解除ねじ167をドライバーでハウジング101の中心に向けてねじ込む必要があるので、作業者が電動アクチエータを搭載した車両の上部位置(高所)まで昇ったうえで、ドライバーを用いて制動解除作業をしなければならず、これを車両の前後に配したアクチエータの両方に対して実施する必要があるため、作業に危険が伴うとともに、作業負担や作業に要する時間の点でデメリットがある。また、修理完了後に制動解除から復帰させる場合にも同様の作業が必要となる。
そこで、本発明は、電動アクチエータを構成するモータや通電系統等に故障が生じた場合でも、車両の上部位置(高所)まで昇ることなくモータの制動を解除し、ウイング扉を容易に閉じることのできる電動アクチエータを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、箱形の荷室を備えた車両に装備され、当該荷室のウイング扉をネジ軸の進退動作によって開閉する電動アクチエータにおいて、当該ネジ軸を進退動作する駆動源としてのモータと、該モータの回転子に制動力を付与する電磁石を利用したブレーキ機構と、当該ブレーキ機構による前記回転子の制動を解除する操作ワイヤを備えて構成したことに特徴を有する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の操作ワイヤによって、前記ブレーキ機構の可動片を引張ることによって前記回転子の制動を解除するように構成したことに特徴を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2の何れかに記載の操作ワイヤに取手を取り付け、車両の低所位置に具備した保持部に当該取手を掛止めることによって、前記回転子の制動解除状態を保持することに特徴を有する。
請求項1記載の発明によれば、作業者が地上から車両前後の電動アクチエータに繋がる操作ワイヤを同時に引張ることによってブレーキ機構によるモータ回転子の制動を解除できるので、作業者はブレーキ機構によるモータの回転子の制動を解除するために、電動アクチエータを取り付けた車両上部位置まで昇る必要がなく、迅速かつ安全にウイング扉を閉じることができる。また、モータ等の修理が完了後にブレーキ機構による制動を復帰させる場合にも、操作ワイヤの引張力を解除する操作を行うだけで制動を復帰させることができ、簡便である。
請求項2記載の発明によれば、簡単な装置構造によってモータの回転子の制動を解除することができる。
請求項3記載の発明によれば、回転子の制動解除状態を保持することができるので、ウイング扉が閉じきるまで作業者を拘束することがない。
本発明の電動アクチエータを搭載したウイング車を示す斜視図である。 本発明の電動アクチエータの設置個所を示す要部拡大側面図である。 ウイング車のウイング扉が閉じた状態における電動アクチエータの状態を示す側面図である。 ウイング車のウイング扉が開放途中における電動アクチエータの状態を示す側面図である。 本発明の電動アクチエータの構造を示す縦断面図である。 従来の電動アクチエータに具備されるブレーキ機構の手動解除装置を示す要部拡大縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について図1乃至図5を用いて説明する。図1は本発明の電動アクチエータAを搭載したウイング車を示している。図1に示すウイング車は、箱形の荷室(以下、単に荷室という)1の側方から荷物の積み下ろしが可能となるように、荷室1側面の下半分を構成する側アオリ2が下に開き、上半分のサイドパネル3が屋根を構成するルーフパネル4と一体的に開閉する構造となっており、上半分のサイドパネル3とルーフパネル4によってウイング扉5を形成している。
ウイング扉5はルーフパネル4の中央部分を枢軸6を中心に回転することによって、荷室1の側面を開放する構造であり、図1においては、車両正面視で右側のウイング扉5のみを開放した状態を示しているが、左右両側をウイング扉5として、両側から開放できるように構成しても良い。
7は荷室1の前面部分を構成するフロントパネルであり、8は荷室1の後部に立設した門形のフレームで、当該門形フレーム8には、荷室1を後方から開閉する例えば、観音開きの扉(後方扉)9が取り付けられている。
10は前記フロントパネル7および門形フレーム8の上部位置に設置される電動アクチエータAを設置するための設置枠であり、設置枠10に設置された電動アクチエータAは、ウイング扉5の開閉動作に応じて、その基端側を支点に回動し、起立・倒伏する。
上記設置枠10は、車両正面視で左側のウイング扉5の開閉が可能な場合においては、正面視右側の設置した設置枠10同様、左側のフロントパネル7裏面(荷室1の内側面)にも設置されており、当該設置枠10内には、右側同様、電動アクチエータAが設置される。
また、正面視左側に設置した電動アクチエータAについても、右側に設置した電動アクチエータAと左右対称に、その基端側に支点が取り付けられており、左側のウイング扉の開閉とともに、支点を中心に回動する構造であるが、図1においてはその作図を省略する。
図2は前記設置枠10のフロントパネル7への取付状態を示す側面図である。設置枠10は側方視でU字形状をなす長尺の治具であり、その長手方向をフロントパネル7および門形フレーム8の上辺に沿って取り付けることにより、これに脱落不能に固定されている。
前記電動アクチエータAは当該設置枠10の溝内部に取り付けることで、フロントパネル7や門形フレーム8を特段改造することなく、ウイング扉5の近傍に設置することができる。
つづいて、前記電動アクチエータAの設置枠10内への設置方法について図3を用いて詳述する。図3は図1に示す車両正面視でフロントパネル7の裏面(荷室1の内面)右側に固定した設置枠10内の電動アクチエータAを示しており、ウイング扉5が完全に閉じた状態を示している。
図3において、12は設置枠10内に固定された固定側固定座であり、13は電動アクチエータAの基端側に取り付けられ、固定側固定座12に対して第1の連結軸14周りに回転可能に連結される固定金具を示している。
15はウイング扉5のルーフパネル4の内側面に固定された可動側固定座であり、16は可動側固定座15に第2の連結軸17によって回動可能に取り付けられる、電動アクチエータAの後述するネジ軸の段差部である。
18は電動アクチエータAを駆動制御するコントローラであり、電動アクチエータAとともに設置枠10内に設置される。
19はコントローラ18のバッテリー電源線であり、車両に搭載した図示しないバッテリからコントローラ18に電力を供給する。20はコントローラ18と電動アクチエータAを接続する電源線であり、電動アクチエータAを構成する後述するモータに駆動用電力を供給する。
6は前述したように、ウイング扉5が開閉動作する際に回転動作の支点となる枢軸であり、図1に示すように、フロントパネル7とウイング扉5のルーフパネル4間を連結している。
つづいて、前記電動アクチエータAの構造について図4を用いて説明する。図4において、21は電動アクチエータAの基端側に備えた前記固定金具13に固定されるパイプフレームであり、22は該パイプフレーム21を内嵌する第1の径小部23を備え、当該パイプフレーム21と連結される略中空形状の基端側ケーシングを示している。
24は前記基端側ケーシング22の開口部に取り付けられた中空円筒形状のモータケーシングであり、モータケーシング24内には、電動アクチエータAの駆動源として機能するモータ(ブラシレスDCモータ等)25が取り付けられている。
26はモータ25の反対側(図4の右側)に取り付けられる略中空形状の先端側ケーシングであり、その右端に形成した第2の径小部27内には前記ネジ軸28が挿通している。また、ネジ軸28の他方端(図4の左側)は、基端側ケーシング22の第1の径小部23内および前記パイプフレーム21の中空部まで延出している。
モータ25はモータケーシング24の内側面に固定されるステータコア29と、ステータコア29に図示しないボビンを介して巻回されるモータコイル30、および、ロータパイプ31に取り付けられるロータマグネット31aから概略構成されている。
ロータパイプ31は、基端側ケーシング22内に固定した第1の軸受32と、先端側ケーシング26内に固定した減速機構33によって回転自在に取り付けられている。
減速機構33は、先端側ケーシング26内に固定された内歯車34と、内歯車34内を自転しながら、ネジ軸28を中心に回転(公転)するピニオンギア35、および、ピニオンギア35とともにネジ軸28周りを回転する連結歯車36、連結歯車36と一体的に形成され、連結歯車36の回転とともに回転するナット37から概略構成されている。
なお、ナット37は、前記先端側ケーシング26内に固定した第2の軸受38によって回転可能に支持されており、前記ピニオンギア35とロータパイプ31が互いの歯車を螺合させて連結されることにより、ロータパイプ31の一方端(図4の右端)は先端側ケーシング26に対して回転可能に支承される。
ネジ軸28の外周部には同一リードのねじ溝39が螺設されており、ナット37は当該ねじ溝39に螺合するボールネジ部40を内周面に形成している。
図4において、41は前記ロータパイプ31と基端側ケーシング22間に配置される電磁石を利用したブレーキ機構である。42はロータパイプ31とともに回転する摩擦板であり、43は電磁石を構成するコイルを示している。
44はコイル43に通電することによって、図示しないバネ部材の弾性力に抗して吸引され、通電を停止することで、図示しないバネ部材の弾性力を利用して吸引状態が解除される可動片であり、吸引状態が解除されることにより、前記摩擦板42に当接し、ロータパイプ31の回転を制動する。
45は一方側(図4の右側)45aを前記可動片44に接続し、他方側(図4の左側)45bをケーシング22の端面から外部へ突出させた緊急手動下降用ピンを示しており、当該緊急手動下降用ピン45の他方側45bには、図3に示す操作杆46が連結されている。
操作杆46には操作ワイヤ47が接続されており、操作ワイヤ47は電動アクチエータAを設置する設置枠10内から、例えば、第1の滑車48および第2の滑車49を介して設置枠10外へ引き出されて、図1に示すように、その下端部に取手50を取り付けて車両の側面位置に吊り下げられる。
なお、図1において、51は前記操作ワイヤ47の取手50を引掛けるための保持部を示している。
上記のごとく構成された電動アクチエータAは、図示しない起動スイッチを操作することによって、図3に示すバッテリー電源線19を介してモータ25を駆動制御する。モータ25はネジ軸28を進退動作させることで、図3に示す可動側固定座15を介してルーフパネル4を押し上げまたは引き戻して、図1に示すようにウイング扉5を開放・閉鎖し、荷室1の側面を開閉する。
次に、図4に示すネジ軸28を進出させて、ウイング扉5を開放する動作について説明する。例えば、図示しない操作ボタン「開く」を作業者が操作することにより、モータ25に駆動電力が供給されると、図4に示すブレーキ機構41を構成する電磁石のコイル43にも給電され、電磁石を構成する可動片44が吸引される。
これにより、可動片44と摩擦板42間の当接状態が解除され、ロータパイプ31が自由に回転できる状態へと移行する。制動状態が解除されたロータパイプ31は、モータ25に供給された駆動電力によって正回転する。
このとき、ロータパイプ31は第1の軸受32と減速機構33のピニオンギア35間を回転する。ピニオンギア35は、ロータパイプ31の回転に伴い自転しながらロータパイプ31と内歯車34間を、ロータパイプ31を中心に正方向に回転(公転)する。
ピニオンギア35の回転は、連結歯車36に伝達され、連結歯車36を回転させるが、ピニオンギア35が自転しながら公転するので、ロータパイプ31の回転は減速されて連結歯車36に伝達される。
連結歯車36はナット37と一体に形成されており、連結歯車36の回転とともにナット37が第2の軸受38に支持されて正回転する。ナット37が正回転すると、ナット37と螺合するネジ軸28はそのねじ作用によって、ネジ軸28が進み出る方向(図4の右方向)に延出する。
これにより、ネジ軸28は、図3に示す可動側固定座15を介してウイング扉5の押上げ動作を開始する。
その後、ネジ軸28の延出が継続し延びきった状態では、図1に示すように、電動アクチエータAは完全に起立した状態であり、ウイング扉5の開放度合いも最大となる。
ウイング扉5が図1の如く完全に開放したことを図示しない位置センサ等によって検出するか、あるいは、作業者が前述した操作ボタン「開く」の操作を中止した後は、電動アクチエータAを構成する図4に示すモータ25への通電が停止され、同時にブレーキ機構41を構成する電磁石のコイル43への通電も停止される。
コイル43への通電が停止されると、電磁石によって吸引されていた可動片44の吸引状態が解かれ、図示しないバネ部材の弾性力によって、再び、可動片44が摩擦板42に当接される。
この結果、ロータパイプ31に制動力が再度加わり、ネジ軸28がウイング扉5の自重によって逆回転することを確実に防止し、ウイング扉5の開放状態を保持する。
なお、電動アクチエータAはウイング扉5を図1に示す如く完全に開放する必要はなく、所望する開放度においてモータ25への通電を停止することもできる。この場合においても、モータ25への通電停止と同時に、ブレーキ機構41への通電も停止されるので、前述したと同様に、ブレーキ機構41によってロータパイプ31に制動力が加わることとなり、ウイング扉5を所望の開放度で維持することが可能となる。
次に、ウイング扉5を閉じる場合は、図示しない操作ボタン「閉じる」を作業者が操作すると、図4に示す電動アクチエータAを構成するモータ25に通電が開始されるとともに、ブレーキ機構41を構成する電磁石のコイル43にも通電が開始され、電磁石を構成する可動片44が吸引される。
これにより、可動片44と摩擦板42間の当接状態が解除され、ロータパイプ31が自由に回転できる状態へと移行する。制動状態が解除されたロータパイプ31は、モータ25に供給された駆動電力によって逆回転する。
このとき、ロータパイプ31は第1の軸受32と減速機構33のピニオンギア35間を回転する。ピニオンギア35は、ロータパイプ31の回転に伴い自転しながらロータパイプ31と内歯車34間を、ロータパイプ31を中心に逆方向に回転(公転)する。
ピニオンギア35の回転は、連結歯車36に伝達され、連結歯車36を回転させるが、ピニオンギア35が自転しながら公転するので、ロータパイプ31の回転は減速されて連結歯車36に伝達される。
また、連結歯車36はナット37と一体に形成されているので、連結歯車36の回転とともにナット37が第2の軸受38に支持されて逆回転する。ナット37が逆回転すると、ナット37と螺合するネジ軸28はそのねじ作用によってケーシング22,24,26内に引っ込む方向に後退する。
これにより、ネジ軸28は、図1に示すウイング扉5を引き戻し、ウイング扉5の閉鎖を開始する。そして、ネジ軸28がなおも後退し、ウイング扉5の閉鎖度合いが増してくると、図3に示すように、電動アクチエータAは連結軸14を中心に回動して倒伏していき、ウイング扉5をネジ軸28の後退動作に伴い閉じることができる。
ネジ軸28が完全に後退した状態では、図3に示すように、電動アクチエータAは完全に倒伏した状態であり、ウイング扉5の閉鎖度合いも最大となる。
ウイング扉5が図1の如く完全に閉じた後は、電動アクチエータAを構成する図4に示すモータ25への通電が停止され、同時にブレーキ機構41を構成する電磁石のコイル43への通電も停止される。
コイル43への通電が停止されると、電磁石によって吸引されていた可動片44の吸引状態が解かれ、図示しないバネ部材の弾性力によって、再び、可動片44が摩擦板42に当接される。
なお、電動アクチエータAはウイング扉5を図3に示すように、完全に閉じる必要はなく、所望する閉鎖度合いでモータ25への通電を停止することもできる。この場合においても、モータ25への通電停止と同時に、ブレーキ機構41への通電も停止されるので、前述したと同様に、ブレーキ機構41によってロータパイプ31に制動力が加わることとなり、ウイング扉5を所望の閉鎖度で保持することが可能となる。
つづいて、ウイング扉5が開いた状態から手動で閉じる場合について説明する。図1や図5に示すように、ウイング扉5が開いた状態において、例えば、電動アクチエータAを構成するモータ25や通電系統等に故障が生じて、ウイング扉5の閉鎖が困難な状況が発生した場合、作業者は図1に示す操作ワイヤ47に取り付けた取手50を下方へ引張操作する。
すると、操作ワイヤ47は図5に示す第1,第2の滑車48,49を介して電動アクチエータAに取り付けた操作杆46の下端部を第1の滑車48側へ引張る。
操作杆46は、その下端部が引っ張られることにより、その上方端を支点とし、緊急手動下降用ピン45の他方側45bを作用点として、てこの原理によって他方側45bを電動アクチエータA内から引き出す。
緊急手動下降用ピン45の他方側45bが引き出されると、当該ピン45の一方側45aには、図4に示すように、ブレーキ機構41を構成する電磁石の可動片44が接続されているので、当該可動片44が図4の左方向へ移動する。
すると、可動片44と摩擦板42間の当接状態が解除され、ロータパイプ31が自由に回転できる状態へと移行する。ロータパイプ31には、前述したとおり、ピニオンギア35が連結されており、ピニオンギア35は内歯車35、連結歯車36、ナット37と連動する構造となっているので、これらもロータパイプ31とともに自由に回転できる状態となる。
この状態において、前記ナット37は電動アクチエータAのネジ軸28に加わる荷重によって回動可能となるので、ネジ軸28も自由に進退可能な状態となる。
引張り操作した操作ワイヤ47は、図1に示す取手50を保持具51に引掛けることにより、作業者が取手50から手を離した後も、図4に示す電動アクチエータAのブレーキ機構41を構成する可動片44と摩擦板42間の離間状態を保持することができる。
あるいは、取手50と保持具51を荷室の中央下部に設置し、前後に設置した電動アクチエータAに繋がる操作ワイヤ47を一箇所に集めて、同時に前後の電動アクチエータAを操作できるようにしてもよい。
図1に示す一方の電動アクチエータ(例えば、車両前方に設置した電動アクチエータ)Aに対して上記操作を実行した後は、他方の電動アクチエータ(車両後方に設置した電動アクチエータ)Aに対しても、同様の操作を実行する。この操作は保持具51の存在によって作業者1名で行うことが可能である。
ネジ軸28が自由に進退可能な状態となることにより、図1または図5に示すウイング扉5は、自重によってケーシング22,24,26内に引っ込む方向に後退することが可能となり、ウイング扉5は図4に示すモータ25の駆動によることなく閉じられる。
以上説明したように、本発明によれば、ウイング扉を開放した状態で、電動アクチエータを構成するモータや通電系統などに故障が生じた場合においても、手動でウイング扉を閉じることができるので、ウイング扉が開放し放しになることによる車両や積荷等へのダメージを防止できる。
また、ウイング扉を閉じる手動操作は、車両近傍の作業者が操作しやすい高さ位置で行うことができるので、従来技術のように、電動アクチエータが設置された高所位置において操作する必要がなく、作業の安全性が向上するとともに、作業負担の軽減や作業時間の短縮が図れる。
さらに、ウイング扉を閉じる手動操作は、操作ワイヤを引張った後、操作ワイヤに取り付けた取手を保持部に掛止めれば、作業者が取手から手を離した後も、ブレーキ機構の可動片と摩擦板間の離間状態を保持することができるので、ウイング扉を手動で閉じる作業を、作業者1名で行うことができる。また、モータ等の故障から復旧した後は、通常仕様のモードに復帰させることも容易である。
本発明は、開閉式の扉を開閉動作するアクチエータに適用可能である。
1 フロントパネル
2 側アオリ
3 サイドパネル
4 ルーフパネル
5 ウイング扉
6 枢軸
7 フロントパネル
8 門形のフレーム
9 後方扉
10 設置枠
11 バネ部材
12 固定側固定座
13 固定金具
14 第1の連結軸
15 可動側固定座
16 ネジ軸の段差部
17 第2の連結軸
18 コントローラ
19 バッテリー電源線
20 電源線
21 パイプフレーム
22 基端側ケーシング
23 第1の径小部
24 モータケーシング
25 モータ
26 先端側ケーシング
27 第2の径小部
28 ネジ軸
29 ステータコア
30 モータコイル
31 ロータパイプ
32 第1の軸受
33 減速機構
34 内歯車
35 ピニオンギア
36 連結歯車
36a ロータマグネット
37 ナット
38 第2の軸受
39 ねじ溝
40 ボールネジ部
41 ブレーキ機構
42 摩擦板
43 電磁石のコイル
44 可動片
45 緊急手動下降用ピン
45a 緊急手動下降用ピンの一方側
45b 緊急手動下降用ピンの他方側
46 操作杆
47 操作ワイヤ
48 第1の滑車
49 第2の滑車
50 取手
51 保持部
A 電動アクチエータ

Claims (3)

  1. 箱形の荷室を備えた車両に装備され、当該荷室のウイング扉をネジ軸の進退動作によって開閉する電動アクチエータにおいて、当該ネジ軸を進退動作する駆動源としてのモータと、該モータの回転子に制動力を付与する電磁石を利用したブレーキ機構と、当該ブレーキ機構による前記回転子の制動を解除する操作ワイヤを備えて構成したことを特徴とする電動アクチエータ。
  2. 前記操作ワイヤは、前記ブレーキ機構の可動片を引張ることによって前記回転子の制動を解除するように構成したことを特徴とする請求項1記載の電動アクチエータ。
  3. 前記操作ワイヤに取手を取り付け、前記車両の低所位置に具備した保持部に当該取手を掛止めることによって、前記回転子の制動解除状態を保持することを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の電動アクチエータ。
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